• 検索結果がありません。

7. 1 max max min f g h h(x) = max{f(x), g(x)} f g h l(x) l(x) = min{f(x), g(x)} f g 1 f g h(x) = max{f(x), g(x)} l(x) = min{f(x), g(x)} h(x) = 1 (f(x)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "7. 1 max max min f g h h(x) = max{f(x), g(x)} f g h l(x) l(x) = min{f(x), g(x)} f g 1 f g h(x) = max{f(x), g(x)} l(x) = min{f(x), g(x)} h(x) = 1 (f(x)"

Copied!
29
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

補遺:

max

の連続性

経済学では最大値を求めたり最小値を求めることが頻繁に行われます.そ こで独立変数が変化した時に最大を取る関数 max や最小を取る関数 min が 良く用いられます.そこで,ある関数値の大きい方を取る関数を考えてみ ましょう.例えば,連続関数 f と g に関して,新しい関数 h を以下に定義 します. h(x) = max{f (x), g(x)} ここで簡単化のために f と g の定義域は等しいとします.すると,関数 h も同じ定義域となります.同様に最小を取る関数 l(x) も定義できます. l(x) = min{f (x), g(x)} このとき,これらの関数は,f と g が連続ならば連続関数となります. 定理 1 定義域が等しい連続関数 f と g に関して, h(x) = max{f (x), g(x)} および l(x) = min{f(x), g(x)} は連続である. これは,最大を取る関数が次のように書き換えられることから分かります. h(x) = 1 2(f (x) + g(x) + |f (x) − g(x)|) 絶対値を取る事や和や差によって連続性は保持されることから導かれます.

(2)

問い 1 上の関係を証明して下さい.また,最小を取る関数は次の関数と 等しいことを示して下さい. l(x) = 1 2(f (x) + g(x) − |f (x) − g(x)|)

2

今まで学んだ関数のグラフ

今まで学んだ関数のグラフを図 1 に掲示します.指数関数と対数関数の 底はネイピア数です.このように見ると 45 度線である y = x に関して線対 称である逆関数のグラフとの対称性が良く分かるでしょう. y x x2 x x log x ex 1 x 図 1: 様々な関数

(3)

∆x ∆y 傾き 図 2: 直線と傾き についての性質をまとめると,次のようになります. 傾きが正 =⇒ 右上がり 傾きがゼロ =⇒ 水平 傾きが負 =⇒ 右下がり 傾きの絶対値が大きい =⇒ グラフが急 ここで絶対値が出てきましたが,それは数の大きさや 0 からの距離を表わ します.その正確な定義は |x| = ( x if x ≥ 0 −x if x < 0 です.例えば, |2| = 2, |0| = 0, | − 2| = 2 となります.

(4)

y = x2 x 0 y とても急 右上がり 平ら グラフ 右下がり とても急 図 3: 放物線と傾き 経済学では,しばしばある変数に対しても x が 1 単位増えたときの y の増 加量というようにこの定義が用いられます.しかし,下の 2 次関数は x が 増大するにつれ明らかに傾きが大きくなっていきます.つまり,x が 1 単位 増えたときの y の増加分と 0.5 単位増えたときの増加分は異なります.この ような滑らかな関数のグラフの傾きはどう定めたら良いのでしょうか?こ こで虫眼鏡を用いてグラフのある点を拡大してみます.例えば,2 次関数で は,黒点の周りをどんどん拡大していくと直線に近くなります.このよう y = x2のグラフ x 0 y 拡大 図 4: 放物線を拡大 な直線を上下に延ばした直線が接線とよばれるものです.直線のどんな部 分を拡大してもそれは自分自身と同じことは明らかです.この接線の傾き を曲線の傾きと考えましょう. 接線の定義とは,関数 f の 1 点 x の近くで直線状のものとみなせるとき, この直線を x における接線という1.つまり,ある関数の 1 点の近所でその 点の周りをどんどん拡大していったときに,その点の近く直線とみなせる とき,その直線をその点での接線といいます. 1高校の教科書ではグラフが 1 点しか共有しない直線とみなしています.

(5)

図 5: 直線を拡大

微分とは接線の傾きを求めることである.

4

微分可能な関数は滑らかなグラフをもつ

接線が存在しない関数もあります.絶対値 y = |x| がそうです.そのグラ フは,図 6 のようになります.原点 0 で尖がっていますね.この場合,x = 0 |x| のグラフ x 0 y 図 6: 微分不可能な関数のグラフ 接線が引けません. 一方,前に見たように絶対値のグラフは原点で尖がっています.そこを どう拡大しても尖がったままです.1 次関数や 2 次関数はそのグラフがなめ らかです.つまり,接線が引けることは滑らかであることを示しているので す.そして,後で定義するようにどんな点でも微分できることを関数が滑 らかであることと数学では同一視します. 一つ注意しなければならないのは,接線を引くと接線の一方の側に関数 のグラフが含まれるとは限らないことです.3 次関数を見てみましょう.こ

(6)

y = x3のグラフ x 0 y 図 7: 3 次関数の接線 のように,原点での接線は y = 0 で x 軸に等しくなります.そして,x の正の領域のグラフは上側に,負の領 域のグラフは下側になります.

微分可能な関数は滑らかなグラフを持っている.

5

2

変数関数の微分も同様

二つの変数を持つ 2 変数関数 z = f (x, y) を考えましょう.イメージし易 い次のような関数形を分析します. z = x2+ y2 このグラフは z = 0 0 = x2+ y2 原点 (0, 0) のみ z = 1 1 = x2+ y2 半径 1 の円 z = 2 2 = x2+ y2 半径2 の円 となっています.そのグラフを z 軸を縦に,(x, y) 平面を下に描くと次のよ うな形になります (本当は上のほうにもっと伸びています).このグラフも 滑らかなグラフです.ですから微分可能です.ではこのようなグラフが 3 次 元になる場合の接線に対応する概念は何でしょうか?それは接平面とよばれ る平面です.つまり変数が 1 では線,2 では平面です.下の図のようなちょ うど点 (x, y, z) = (√1 ,√1 , 1) で 1 点を共有してこの曲面にぴったり付く下

(7)

x y 1 1 (1 2, 1 2) 1 図 8: 3 次元空間のグラフ 敷きのような平面を考えてください.これが接平面です.1 変数の場合と同 様にこの点を拡大していくとこの平面で近似できる様が分かると思います. この平面の方向を定めるのが法線ベクトルとよばれる矢印です2.

6

積分は面積を求めること

今度は積分です.数学では何かを考えた時にその反対を考えることが良 くあると指摘しました.微分の反対が積分です.積分とは一言で言うと関 数のグラフで表される領域の面積を求めることです.三角形や円柱のよう な公式がある場合は面積は容易にに求まります.このような滑らかな (そう でなくてもいいけど) 曲線によって区切られた場合は積分を用いて計算しま す.また記号は説明しますが,このような x が a から b までの関数 f のグラ フと x 軸に囲まれた図形の面積は式で Z b a f (x)dx と書きます.この記号R について説明しておきますと,英語の合計は sum と言います.その頭文字 s を縦に長く伸ばしたものと考えてください.つ まり x を a から b まで動かして f (x) をどんどん加えたものが積分です.合 2これはまた後で詳しくやります.

(8)

x y z (1 2, 1 2) 1 図 9: 曲面に接する平面 計という意味ではP記号も同じです.この記号はギリシャ文字の s に相当 する文字で例えば 2 乗の和を 1 から 5 まで求めるとき 5 X i=1 i2 のように書きます.変数が x から i,範囲が a から 1,b から 5,関数が f (x) から i2に対応していてとてもよく似ています.ですから積分可能とはある 種の和を求めることが出来ることに対応しています.シグマの方の計算の 意味は幅が 1 の円柱を i の範囲に従って加えた面積を表しています.面積を 通じてシグマ記号とと積分は密接な関係があります.

7

微分の公式の復習

重要な公式をもう一度掲げておきます. 1.

べき乗の公式

(xn)0 = nxn−1 2.

定数倍の公式

(kf )0 = kf0 (k は定数) 3.

和の公式

(f + g)0(x) = f0(x) + g0(x)

(9)

x y (1 2, 1 2) 1 平面の方向を定める法線ベクトル 図 10: 接平面 関数 y = x2 を微分すると y0 = 2x になりました.このイメージは,図 13 になります.正方形の面積が拡大した時に,主に増加する部分は斜線の 2 カ 所です.角の小さな増分の 2 乗 (∆x)2 が極限を取ると無視できることにな ります. この公式 (xn)0 = nxn−1は,指数 n が自然数の時に成立することを証明し ました.この公式は,指数が整数や有理数でも成り立ちます.さらに,もっ と一般的な実数でも成立することが知られています.

(10)

f のグラフ x y a b この面積を求める 図 11: グラフ下の面積 f (x) = x2のグラフ x y 1 5 4 2 P5 i=1i2 図 12: 和と積分 x x ∆x x2 (∆)2 ∆x x∆x x∆x 図 13: 和の平方の因数分解

(11)

8.1

直線の方程式の復習

次のような 2 点 (x1, y1) と (x2, y2) を通る直線 ` を考えます.傾きの定義 直線 ` x 0 y (x2, y2) (x1, y1) 図 14: 直線のグラフ とは 傾き = タテの変化 ヨコの変化 = ∆y ∆x でしたね.この直線 ` の傾きは ` の傾き = y2− y1 x2− x1 となります.傾きが求まったのであと一点を指定すれば直線の方程式が求 まります.それは, y = y2− y1 x2− x1 (x − x1) + y1 です.このように 2 点が分かれば直線の方程式を見つけることができます. この他にも直線の方程式の求め方は 3 通りあります.

(12)

(1) 傾き m y = m(x − x1) + y1 点 (x1, y1) (2) 傾き m y = mx + b y 切片 b (3) 点 (x1, y1) y = y2 − y1 x2 − x1 (x − x1) + y1 点 (x2, y2)

8.2

接線を求める

さっそく,微分可能関数 f の点 x0での接線を求めましょう.f を微分す x0 f (x0) f のグラフ f の x0における接線 図 15: 関数のグラフと接線 ると f0であり x0 での微分係数は f0(x0) です.つまり,x0でのでの傾きは f0(x 0) です.もちろん,x0での y の値は f (x0) ですから点 (x0, f (x0)) を通り ます.ですから,直線の求め方 (1) より,f の点 x0での接線は, y = f0(x 0)(x − x0) + f (x0) となります.これは重要なので囲みを入れましょう.

接線の方程式

f の点 x0での接線の方程式は, y = f0(x0)(x − x0) + f (x0) である.

(13)

y = 2x + 2 グラフをその接線は,図 16 に描かれています. y = 1 − x2のグラフ x 0 y y = 1 のグラフ y = −2x + 2 のグラフ y = 2x + 2 のグラフ 図 16: y = 1 − x2 のグラフと接線 次の問題を行ってみましょう.べき乗の公式は指数部分が有理数でも成り 立ちます. 問い 2 関数 y = √x のグラフの x0 = 4 における接線を求めてください. 次に,接線を図示してください.

8.3

線形近似

ある点での接線はその点のごく近い部分で直線状になっていることでし た.これを利用してある点での値を接線を用いて近似することが可能です. ある点 x0 から微少な変化 ∆x をして x まで変化したとします.つまり, x = x0+ ∆x です.ここで f(x0) は良く知っているが f(x) はあまりよく分 からない場合に,微分係数 f0(x0) を用いてあまり良く分からない点を近似 します.f (x0) から出発して ∆x だけ x が進んだときに y はどれだけ進む

(14)

x y x0 x f (x0) f0(x 0)∆x f (x) f (x0) + f0(x0)∆x この部分が誤差 図 17: 線形近似 でしょうか?それは大体 f0(x 0)∆x くらいだと考えられます.というのは微分係数は x が微少に変化したとき の y の変化量に他ならないので,それに x の変化分を乗じた値がその変化 だとおおよそ考えて良いでしょう.よって,x が x0 にごく近いときに以下 が成り立ちます. f (x) ≈ f (x0) + f0(x0)∆x ここで記号 ≈ は両辺がおおよそ等しいことを意味します. 例 2 (1.03)2 を微分を用いて近似しなさい. 解答 2 電卓で直ぐ計算できますが微分で計算してみましょう.これは 2 乗なので関数 f (x) = x2 が想定されます.ここで x0 = 1 で ∆x = 0.03 で す.もちろん f0(x) = 2x ですから f (x) ≈ f (x0) + f0(x0)∆x = x2 0+ 2x0∆x = 12+ 2 · 1 · 0.03 = 1.06 となります.真の値は (1.03)2 = 1.0609 ですから良い数字といえるのでは ないでしょうか.

(15)

近似になる.つまり,∆x = x − x0 としたときに f (x) ≈ f (x0) + f0(x0)∆x または ∆y ≈ f0(x0)∆x である.ただし ∆y = f (x) − f (x0) である.ここで誤差は ∆x と比べて ∆x → 0 とするときに任意に小さくすることができる.

9

関数の増加と減少

以前関数が増加しているあるいは減少していることを不等式で表現しま した.区間の記号を使ってもう一度表現しましょう.ある関数 f がある点 x0 で増加しているとは,点 x0を含むある区間 (a, b) が存在して次のことが 成り立っていることです. a < x < x0 =⇒ f (x) ≤ f (x0), x0 < x < b =⇒ f (x0) ≤ f (x) 関数が微分可能であれば,接線の傾きの情報によってその増減が分かりま す.図 16 のように接線が右上がりであれば,曲線も右上がりになります. また,接線が右下がりであれば曲線も右下がりになります.頂点では左で 増加と右で減少になっています.つまり,増加と減少は関数のローカルな現 象ですが,微分は極限の操作によって生まれますから,ある点での瞬間的 な増減が分かります. 定理 2 微分可能関数 f のある点 x0 において, f0(x 0) > 0 =⇒ f は点 x0 において増加している f0(x 0) < 0 =⇒ f は点 x0 において減少している それでは,微分して 0 になる点ではどうなっているでしょうか?実はそ の情報だけでははっきりとした結論が導き出せません.図 18 を見れば分か

(16)

y x f0(0) = 0,f は増加 y x f0(0) = 0,f は減少 y x f0(0) = 0, f は増加でも 減少でもない y = x3 y = −x3 y = x2 図 18: f0(0) = 0 の時の x = 0 における f の振る舞い るように,一番左のグラフは x = 0 において f は増加しています.真ん中 のグラフは x = 0 において f は減少しています.一番右のグラフは x = 0 において f は増加でも減少でもありません.つまり,微分して 0 の場合は 増加か減少か判断が付きません. そのため,定理 2 では右側の矢印の主張のみが正しくなります.しかし, 注意して欲しいのは図 18 の一番右のグラフのように最小値を関数の定義域 の内部で取るならば少なくとも微分可能関数は,その点の微分係数が 0 と なることです. また,単調増加についても述べておきましょう.ある区間でずっと微分係 数が 0 であればその区間で定数になります. 定理 3 微分可能関数 f の定義域のある区間 I において, f0(x) > 0 (x ∈ I) =⇒ f は区間 I において単調増加している f0(x) < 0 (x ∈ I) =⇒ f は区間 I において単調減少している f0(x) = 0 (x ∈ I) =⇒ f は区間 I において定数である

10

極大と極小

前の例に書いたグラフの定義域を広げた図 19 のグラフを見ると二つの山 があることが分かります.点 x = 0 では大きな山になっています.この近 辺では最大になっていますが,x 座標をもっと大きくすれば 1 よりも大き くなりますから真の最大値ではありません.このような局所的な最大にな る点を極大点といいその値を極大値(local maximum) といいます. 正確な定義を書きますとある点 x = x0 が関数 f の極大点であるとは x0

(17)

x 図 19: 極大値・極小値をもつ関数 を含むある開区間 (a, b) がありその中では f (x0) ≥ f (x) (x ∈ (a, b)) となる点のことを指します. 同様に局所的な最小になる点を極小点といいその値を極小値といいます. 正確な定義を書きますとある点 x = x0 が関数 f の極小点であるとは,x0 を含むある開区間 (a, b) がありその中では f (x0) ≤ f (x) (x ∈ (a, b)) となる点のことを指します. この極大値と極小値を合わせて極値といいます.この極値の定義には不 等号 ≥ や ≤ がついています.これは定数値関数も極大かつ極小になりま す.それを避けるために x = x0 を除く点で強い不等号 > と < でそれぞれ 定義する流儀もあります.この時,f は x0 で狭義の極大点あるいは極小点 ともいいます.また,極大点や極小点では関数 f は,増加でも減少でもあ りません.この極値を見つけるための手段が微分とも言えます. 定理 4 微分可能関数 f のある点 x0 で極値を取るならば,f0(x0) = 0 を 満たす. このような微分してゼロ f0(x0) = 0 になる点を臨界点といいます.ある いは停留点という呼び名もあります.図 18 の左の 2 つの図を見れば分かる ように,微分してゼロになっても極大値でも極小値でもない点が存在しま す.極値を取れば,必ず微分してゼロになります.この場合,この条件「微 分してゼロになる」を必要条件といいます.また,極大値は必ずしも最大

(18)

になる点で達成されるとは限りません.しかし,最大値を求めるための有 益な情報をもたらしてくれます. 問い 4 次の関数の極大点と極小点を求めて下さい. (1) y = x3− 3x (2) y = −x3+ 12x 極大と極小の違いは,後で学ぶ 2 階微分を用いて区別することができます.

11

費用関数による利潤最大化

費用 (円) 0 産出量 Q 総費用曲線 C 64 可変費用 V C 固定費用 F C 図 20: 総費用曲線 費用関数の例を見てみましょう.企業の構造を調べるには生産技術のよ うな目に見えないものよりも各項目の費用のような観察がより容易な概念 を用いたほうが便利な時が往々にしてあります.ここではその様々な費用 の分類を行いましょう.ここで費用とは,与えられた生産量の下で効率的 に生産を行った場合の費用を指します.総費用 (total cost) 略して TC or C はある生産量 Q を効率的に生産したときの費用総額を意味します.生産 量 Q に依存させて C(Q) と書くこともあります.限界費用 (marginal cost) 略してMC は産出物をもう 1 単位追加的に生産するために必要となる費用 の増加分です.固定費用 (fixed cost) 略して FCは固定投入物に関する費 用です.可変費用 (variable cost) 略して VC は可変投入物に関する費用で す.生産物一単位あたりの費用は平均費用(AC) および生産物一単位当たり の可変費用は平均可変費用(AVC) といいます.このような各種費用が図 20 に描かれています.

(19)

MC = C0(Q) = (Q2+ 10Q + 9)0 = 2Q + 10 となる.他の値はそれぞれ以下のようになる. F C = 9 V C = Q2+ 10Q AC = C(Q) Q = Q + 10 + 9 Q AV C = V C Q = Q + 10 MC = dC dQ = 2Q + 10 この場合の限界費用曲線,平均費用曲線,平均可変費用曲線は図 21 に示さ れています. MC 生産量 Q 0 各種費用 (円) AV C AC 図 21: 限界費用,平均費用,平均可変費用 問い 5 上の例で M C(3) = AC(3) となることを確かめて下さい.この時, 平均費用曲線の形状はどのようになっているか.

(20)

例 4 ある企業の生産量 Q を生産する時の費用関数が下記の C(Q) で表 されている. C(Q) = Q3− 4Q2+ 7Q + 64 限界費用,固定費用,可変費用,平均費用,平均可変費用を求めなさい. 解答 4 この場合は微分可能な費用関数なので MC = C0(Q) = 3Q2− 8Q + 7 となる.他の値はそれぞれ以下のようになる. F C = 64 V C = Q3− 4Q2+ 7Q AC = C(Q) Q = Q 2 − 4Q + 7 +64 Q AV C = V C Q = Q 2− 4Q + 7 その大まかな曲線の形は,図 20 に表されている. 問い 6 上の費用関数の限界費用関数のグラフを書いて下さい.さらに,平 均可変費用関数のグラフを書いて下さい.限界費用と平均可変費用が一致 する生産量はいくらか. このような費用関数を用いて競争的な企業の利潤を表現すると下になり ます. π(Q) = pQ − C(Q) (1) ただし,p は市場価格を表しています.企業は自分の生産量 Q を選択する 時に利潤 π(Q) が図 16 のように上に凸であれば,頂上で利潤が最大化され ます.その時の接線の傾きは 0 になります.接線の傾きは,関数の微分係 数に等しかった.よって,(1) を微分したものとなります.したがって,微 分して 0 となる点を求めれば良いことになります. dπ(Q) dQ = (pQ − C(Q)) 0 = p(Q)0− C0(Q) = p · 1 − MC(Q) = p − MC(Q) よって, dπ(Q) dQ = 0 ⇐⇒ p − MC(Q) = 0 ⇐⇒ p = MC(Q)

(21)

例 5 市場価格が p である時に,費用関数 C(q) = q2/2 を持つ企業の利 潤が最大になる生産量を微分を用いて求めて下さい. 解答 5 費用関数を微分すると µ q2 2 ¶0 = 1 2 · 2q = q となる.これが市場価格 p に等しければ良いので,企業の生産量は q = p のときに利潤は最大になる. 問い 7 ある企業の生産量 Q を生産する時の費用関数が下記の C(Q) で表 されているときに,この企業の利潤が最大になる生産量を求めて下さい. C(Q) = Q2 + 10Q + 9

12

商の微分

商の微分を計算しましょう.関数 f ,g にたいしてその商 f /g を次のように 定義します. (f /g)(x) = f (x) g(x) ただし,分母 g(x) は 0 ではないとします. 実は商の微分は積の微分から導くことができます.やってみましょう.ま ず,h を h(x) = f (x) g(x) (2)

(22)

とおいてその微分 h0が存在するものとします.この (2) から, f (x) = g(x)h(x) となり,これに積の微分を適応しましょう. f0(x) = g0(x)h(x) + g(x)h0(x) となります.これを h0(x) について解きます. h0(x) = f 0(x) − g0(x)h(x) g(x) となります.右辺の h(x) に (2) を代入して h0(x) = f 0(x) − g0(x)³f (x) g(x) ´ g(x) = f0(x)g(x) − g0(x)f (x) [g(x)]2 これが公式です.

商の微分

µ f g0 (x) = f0(x)g(x) − g0(x)f (x) (g(x))2 ただし,分母 g(x) は 0 ではないとします.公式を覚えるときに分子の最 初の項に何が来るかが重要です.というのはマイナスの符号があるからで す.記憶の助けとなるのは g = 1 の場合を考えてみることです.g0 = 0 です から分子は f0になります.分母は 1 ですからこれは f の微分に正しくなり ました.もっと簡潔に書くと以下の式になります. µ f g0 = f 0g − g0f g2 分子は「前微分後ろそのまま引く前そのまま後ろ微分」となります. 問い 8 x 2 x3+ 5 を微分して下さい. 問い 9 2x + 1 x2− 2 を微分して下さい.

(23)

商の微分公式を用いて限界費用曲線と平均費用曲線の関係を明らかにす ることができます.平均費用曲線の最低点で平均費用曲線は,限界費用曲 線と交わっていました.例えば,図 21 のように下に凸な平均費用曲線の下 から上に限界費用曲線が突き抜けています.このことは,平均費用曲線の 最低点は微分してゼロになる点ですので,平均費用曲線を微分してゼロと 置いた条件の下で限界費用と平均費用が等しくなることを意味します.平 均費用は,費用を生産量で割ってものですから商の微分公式を用います. dAC dQ = d dQ µ C(Q) Q ¶ = C0(Q) · Q − C(Q) · (Q)0 Q2 = C 0(Q)Q − C(Q) Q2 分子をゼロにするのは C0(Q)Q − C(Q) = 0 ⇐⇒ C0(Q) = C(Q) Q ⇐⇒ MC(Q) = AC(Q) となります.確かに限界費用と平均費用が等しくなっています.

14

逆数の微分

商の微分の特別ケースとして逆数の微分があります.すなわち,公式で f (x) = 1 のケースです.まず,関数 g(x) の逆数を定義しましょう. µ 1 g(x) = 1 g(x) ただし g(x) はゼロではないとします.

逆数の微分

µ 1 g0 (x) = −g0(x) (g(x))2

(24)

もっと簡潔に書いて µ 1 g0 = −g 0 g2 となります.もちろん g(x) 6= 0 とします. 例 6 関数 1/x を微分しなさい. 解答 6 公式より (1/x)0 = −(x)x2 0 = −1/x2になる. ここで 1/x = x−1の微分が −1/x2 = −x−2となってべき乗の法則が成り 立っていることに注意してください. 問い 12 1 x3+ 3x2 を微分して下さい. 問い 13 逆数の微分の公式を微分の定義から証明してください.

15

負のべきの公式

負のべき—指数ともいいます—については次の表を見て下さい. 指数 −2 −1 0 1 2 累乗 x−2 = x12 x−1 = 1x x0 = 1 xx2 これは左に一コマ移ることは x で割ることからきます.つまり, x−n = 1 xn となります.もう一つ指数法則を述べておきます. (23)2 = 23· 23 = (2 · 2 · 2·) · (2 · 2 · 2·) = 26 ですから (23)2 = 23·2 = 26 です.

指数法則

2

(xa)b = xa×b

(25)

dxx = kx となり,正の指数 n の公式と同じ形をしています.つまり,この公式はどん な整数でも成り立つのです.

拡張されたべきの法則

(xn)0 = nxn−1 (n ∈ Z) 問い 14 1 x6 を微分して下さい. 問い 15 商の微分の公式を逆数の微分と積の微分の公式から導いて下さい. (ヒント: f(x)/g(x) を f(x) · 1/g(x) に分解して積と逆数の微分を行う.) 問い 16 微分の公式を記入して下さい. 1. べき乗の公式 2. 定数倍の公式 3. 和の公式 4. 積の公式 5. 商の公式 6. 逆数の公式 この証明は後で行いますが,経済学の応用のためにその事実を公式とし て提示しておきます.

(26)

拡張されたべき乗法則

任意の実数 n に対して f (x) = xn の導関数は以下の式になる. f0(x) = nxn−1 問い 17 次を微分して下さい. (1) 1/x (2) x12 (3) x 2

16

生産関数による利潤最大化

経済学の例を解いてみましょう.投入物を使って産出物を生産する方法 は技術と呼ばれます.企業の技術を生産関数が表わします.それは投入物と 生産物の関係を関数で表したものに他なりません.ここでは可変的な生産 要素が一種類である場合について分析を行いましょう.生産関数のグラフ は右上がりです.また,その傾きは労働が増えるほど小さくなっています. 米の例で生産関数を説明しましょう.生産関数 (production function) とは ある投入量の下で効率的な生産を行ったときの産出量を表わします.次の お米と労働の関係を見てみましょう.このグラフは例えば週に 8 時間労働す るとお米が 155Kg 取れる事を意味します.このグラフから労働が増加すれ ば米の生産が増えることが分かります. 労働量 生産量 0 生産関数 8 155 9 2 点間を結ぶ直線の傾き = 限界生産物 図 22: 生産関数 1 単位当たりの労働の増加による米の増加を労働の限界生産物 (marginal product of labor) 略してMPLといいます.限界生産物(marginal product) とはその他の投入物が一定のとき,ある投入物の量を一単位増加させたと きの生産物の増加分を表わします.限界生産物を限界生産力ともいいます. この 1 単位の労働の増加が無限小の増加になった時の生産物の増分が微分 を用いた時の限界生産物となります.問題をやってみましょう.

(27)

MP L = F0(L) = d L dL = 1 2L 1/2−1 = L− 1 2 2 = 1 2√L 微分を用いれば限界生産物は生産関数の微分係数に等しくなります. 生産関数は通常,収益逓減の法則にしたがっています.収益逓減 (dimin-ishing returns) とはその他の投入物が一定のとき,ある投入物の量を一単 位増加させる結果として増加する限界的な生産物の増加量は小さくなって いくことを意味します.労働量を 8 時間から 9 時間に延ばせば,追加的な 生産物は 10 単位となります.さらに労働時間を延長すれば,生産物は増え ます.しかし,その増加は 5 単位に留まります.労働を増やすと生産物の増 加は小さくなることを意味します.生産物は,増えているがその増加は減っ ているということに注意して下さい. 生産量 労働量 8 9 10 155 165 170 0 限界生産物 = 5 生産関数 限界生産物 = 10 図 23: 限界収益逓減 一種類の生産要素である労働 L を用いる生産関数 Y = F (L) = √L を 持っている企業を考えます.ただし,財市場と労働市場は完全競争的で生 産物価格を p および賃金率を w とします. このような生産関数を用いて競争的な企業の利潤を表現すると下になり ます. π(L) = pF (L) − wL (3)

(28)

この利潤を最大にするよう企業は,雇用量 L を選べば良い.そのため,(3) を L で微分します. dπ(L) dL = (pF (L)) 0− (wL)0 = p(F (L))0− w(L)0 = pF0(L) − w もしこの利潤 (3) が上に凸な形状をしていれば,微分した値が 0 となる労 働量が企業に取って最適な雇用量になります.よって, pF0(L) − w = 0 ⇐⇒ F0(L) = w p になります.これは限界生産力が実質賃金率に等しいという条件です.実質 賃金率とは生産物 1 単位当たりの賃金率を意味します.例えば,賃金率が時 間当たりで 1000 円で財の価格が 100 円であれば,1000/100 = 10 つまりそ の 1 時間働くことにより 10 個の商品を購入することができます.このよう に貨幣単位ではなく効用を生み出す実物単位で測った賃金率が実質賃金率 です.この実質賃金率と限界生産力が等しい水準に企業は雇用量を定める と利潤が最大になることが分かりました.

企業の利潤最大化条件

2

実質賃金率=限界生産力 この生産関数を用いた利潤最大化の状況を労働量と生産物平面に描いた のが,図 24 です.生産関数 F (L) は無理関数の形状をしています.ここに Y L Y =√L Y = w pL + π p Y = w pL + π p L∗ Y∗ E 図 24: 生産関数

(29)

Y = pL + p (4) これが図に描かれている直線です.この傾きは実質賃金率 w/p になってい ます.企業の利潤が最大になる時には限界生産力と実質賃金率が等しくな りました.生産関数の傾きは限界生産力です.したがって,利潤が最大にな る雇用量は生産関数とこの直線が接する点 L∗ になります. この事実を図形的に考えてみましょう.等利潤の式 (4) の定数である ulπ が大きければ企業に取って望ましい.それはこの式で縦軸との切片ができ るだけ上方にあれば良いことを意味します.しかし,生産が可能でなけれ ばいけません.精一杯上方に位置する場所は,生産関数と接する点になり ます.その位置は図の E 点に他なりません.

参照

関連したドキュメント

In this paper we analyze some problems related to quadratic transformations in the variable of a given system of monic orthogonal polynomials (MOPS).. The first problem to be

Furthermore, for any Morse function f on a compact manifold X there exist riemannnian metrics on X for which the gradient flow of f is Morse- Stokes...

In this section, we establish a purity theorem for Zariski and etale weight-two motivic cohomology, generalizing results of [23]... In the general case, we dene the

Lair and Shaker [10] proved the existence of large solutions in bounded domains and entire large solutions in R N for g(x,u) = p(x)f (u), allowing p to be zero on large parts of Ω..

We prove a continuous embedding that allows us to obtain a boundary trace imbedding result for anisotropic Musielak-Orlicz spaces, which we then apply to obtain an existence result

After that, applying the well-known results for elliptic boundary-value problems (without parameter) in the considered domains, we receive the asymptotic formu- las of the solutions

In the second section, we study the continuity of the functions f p (for the definition of this function see the abstract) when (X, f ) is a dynamical system in which X is a

We study a Neumann boundary-value problem on the half line for a second order equation, in which the nonlinearity depends on the (unknown) Dirichlet boundary data of the solution..