• 検索結果がありません。

Extended Summary pp Design and Implementation of Study Support System for Electric Circuit Using Virtual Oscilloscope Masashi Ohchi Member (Sa

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Extended Summary pp Design and Implementation of Study Support System for Electric Circuit Using Virtual Oscilloscope Masashi Ohchi Member (Sa"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Extended Summary

本文はpp.570-576

Design and Implementation of Study Support System

for Electric Circuit Using Virtual Oscilloscope

Masashi Ohchi Member

(Saga University, masashi@ace.ec.saga-u.ac.jp)

Noriyuki Aoki Student Member

(Saga University, aoki@ace.ec.saga-u.ac.jp)

Tatsuya Furukawa Member

(Saga University, tach@ace.ec.saga-u.ac.jp)

Kenji Furukawa Non-member

(Fujitsu Ten Co. Ltd)

Keywords: virtual laboratory, Java, electric circuit, transient phenomena, virtual oscilloscope The authors have designed and implemented “Virtual

Lab-oratory” on the computer systems. Some of the systems are implemented under Web–based learning environments where server/client model and Jave technologies are adopted.

In the conventional system, students study the basic alter-nating circuit theory and they can only observe the steady state behaviors of waveforms on the electric circuits using the “Virtual Oscilloscope”. In this paper, we will describe the study support system for electric circuits including transient phenomena using Java.

Fig. 1 shows the system configuration of the present study support system. When a student opens the implemented Web page, a Java Applet is downloaded and executed on the client (user side) computer. The system has some functions for studying electric circuits. For examples, explanation of a basic electric circuit theory, observing voltage waveforms us-ing the “Virtual Oscilloscope”, problems in electric circuits. The scores that students get will be saved on the WWW server by using Java Servlet container. Since they are saved in HTML files, any students can easily see the own scores using Web browser.

Fig. 2 shows the snapshot of the explanation window of the electric circuit. If a student clicks the right button of the mouse on the window, the contents change the next page. Moreover, if the left button of the mouse is clicked, the page goes back to the previous page. The menu window has ten buttons, explanations, hints, problems, the Oscilloscope and so on. When a student clicks the question button in the menu window, the question window will be displayed.

Fig. 3 shows the snapshot of “Virtual Oscilloscope” for ob-serving the voltage waveform. It is implemented by Java Ap-plet. There are some control knobs with the “Virtual Oscil-loscope”. For example, Voltage range, GND position, Focus control, Intensity control, Scale controls, Trigger controls,

Fig. 1. System configuration

Fig. 2. Explanation of electric circuit

Fig. 3. Virtual Oscilloscope

Time scales and Horizontal position. It is able to observe the transient voltage waveform of the RL, LC, RC, RLC circuits. The voltage and the values ofLCR(inductance, ca-pacitance, resistance) are available to change using slider in the system.

The implemented system is very significant for studying the basic electric circuit including transient phenomena as a physical phenomena. It is considered that students can study electric circuits including transient phenomena easily using the present system.

(2)

仮想オシロスコープを備えた電気回路学習支援システム

の設計と実装

正 員

相知

政司

学生員

青木

規至

正 員

古川

達也

非会員

古川

健司

∗∗

Design and Implementation of Study Support System for Electric Circuit

Using Virtual Oscilloscope

Masashi Ohchi, Member, Noriyuki Aoki, Student Member, Tatsuya Furukawa, Member, Kenji Furukawa∗∗, Non-member

We have designed and implemented the “Virtual Laboratory” on the computer systems. Some of the systems are implemented Web–based learning environments where server/client model and Java technologies are adopted. In our conventional systems, students study the basic alternating circuit theory and they can only observe the steady state behaviors of waveforms on electric circuits using “Virtual Oscilloscope”. In this paper, we will discribe the study support system for the electric circuits including transient phenomena using Java.

キーワード:仮想実験室,Java,電気回路,過渡現象,仮想オシロスコープ

Keywords: virtual laboratory, Java, electric circuit, transient phenomena, virtual oscilloscope

1. はじめに 近年,初等教育から大学入学以前の教育で実験・観測が 必ずしも十分に行われてはおらず,そのために自然の事象 から離れた知識伝達に偏った授業になってしまい,いわゆ る若者の理科離れが加速されているのではないかと考えら れる。 そこで,筆者等は,インターネットの利用が学校,家庭, 公共の場へと普及し,Web ブラウザがあれば誰でもどこ からでもホームページを見ることができることに着目し, パーソナルコンピュータ(以下PC)システム上に「仮想実 験室」を構築(1) (2)してきた。本仮想実験プロジェクトは, 初等教育から高等教育に至るまで行うことが少なくなって きている「実験」を,PCを用いて模擬的にでも体験でき るようにという発想から研究を始めた。 その研究の中で,大学における応用例としてJava アプ 佐賀大学理工学部電気電子工学科 〒 840-8502 佐賀市本庄町 1 番地

Department of Electrical and Electronic Faculty of Science and Engineering, Saga University

1, Honjo-machi, Saga 840-8502

∗∗富士通テン(株)

〒 652-8510 神戸市兵庫区御所通 1 丁目 2-28 Fujitsu Ten Co. Ltd

1-2-28, Gosyotori, Hyogoku, Kobe 652-8510

レット上に仮想オシロスコープを含む基礎電気回路学習支 援システムの設計・実装を行ってきた(3)∼(6)。 従来,筆者等が開発した電気回路学習支援システムで用 いられているJavaアプレット(7)は,Webブラウザ上に組 み込まれ動作するプログラムで,アニメーションを用いて いた。しかし,波形を観測できる回路の素子値は固定であ り,しかも交流の定常状態だけの波形表示であった。 一方,電気回路学習ツールの開発についての報告(8)もあ るが,初歩的な交流理論に限られており,仮想的なオシロ スコープを用いた波形観測が可能で過渡現象までも取り込 んだ動的な電気回路学習支援システムは,筆者等の調べた 範囲では見当たらなかった。 また,大学での「実験環境」も決してよいとは言えない。 電気系学科の学生実験ではオシロスコープを使用すること が多いが,オシロスコープの数にも限りがあり,個々の学生 が同時にオシロスコープを使用することが可能ではなく,オ シロスコープの基本的な操作さえもできない学生もいる。本 システムを用いれば,この問題も解決できる可能性がある。 筆者等が開発したシステムのWebページに学習者がア クセスすると,Javaアプレットが学習者のPC(クライアン ト)にダウンロードされ,実行される。このアプレットに は,全九章からなる基本的な電気回路についての説明機能, 問題表示と答え合わせの機能,仮想オシロスコープによる 波形表示機能がある。更に,従前のシステム(3) (4)では実装

(3)

電気回路学習支援システムの設計と実装 していなかった過渡現象の説明と波形表示が可能である。 仮想オシロスコープには電圧レンジ,GND位置,時間 レンジ,スクリーンのフォーカスや輝度といったオシロス コープの基本的な設定ができる「つまみ」を備えている。 また発振器や直流電圧源も用意され,学習者は実際にオシ ロスコープを使用する時のように,「つまみ」を調節して波 形を観測することが可能である。 この仮想オシロスコープを具現化したことによって,学 習者は電気回路を単なる回路方程式を解くだけの教科では なく,波形を観測することによって,物理現象として理解 することが可能になる。更に,学生実験等とも連係すれば, 実際のオシロスコープの操作にも慣れるという効果も期待 できる。 本論文では,筆者等が開発した仮想オシロスコープを備 えた電気回路学習支援システムについてシステム構成やそ の内容について,詳述する。 2. 電気回路学習支援システム21〉 本システムの概要 本システムでは基本的な 電気回路についての学習説明機能,仮想オシロスコープを 援用した波形表示機能,問題表示と答え合わせの機能があ り,問題に答えた後には成績保存サーブレットにより成績が 保存される仕組みになっている。学習者の成績は,HTML ファイルで保存され,その後,学習者本人だけがいつでも Webブラウザを用いて確認可能である。本学習支援システ ムの全体的な流れを図1に示す。 ここで,Javaアプレットはセキュリティ上,クライアン ト側(学習者側)PCにファイルを作成することができない 仕様になっている。 そこで,本システムでは図2に示すよ うに,学習者の成績をWWW (World Wide Web)サーバ 側に用意したJavaサーブレット(10)によって,サーバ側に 保存する。 サーブレットはWWWサーバに常駐し,クライアント からの要求があったときに処理が開始される。サーバ側で 動作するプログラムとしてCGIによるものがあるが,CGI プログラムはクライアントからの要求ごとにプログラムを 起動するため,多少の起動負荷がある。しかし,Javaサー ブレットはCGIに比べ,プログラムの並列処理時の負荷が 軽く,起動負荷も少ない。よって,並行して複数の処理を 行うことができ,クライアントからの複数の要求に同時に 応答できるので,多数の学習者の成績保存にも対応できる。 また,Javaでプログラムが書かれているので,サーバマシ ンのOS毎にプログラムの修正を行う必要がないといった 利点もある。 〈22〉 クライアント側学習用アプレット 〈221〉 クラス構成 クライアント側学習用アプレッ トは以下に示すクラスから構成されている。 説明,問題,章の表示切替え,成績保存を選択する「メ ニュー・ウィンドウ・クラス」 電気回路について説明する「説明表示クラス」 図1 全体的な流れ図 Fig. 1. Whole flowchart.

図2 システム構成 Fig. 2. System configuration.

問題を表示,答え合わせをする「問題表示クラス」 仮想オシロスコープと回路表示を含む「オシロスコー プ・クラス」 Javaを用いたオブジェクト指向技術により,これら本シ ステムの基本部分は継承したり,オブジェクトを生成する ことで容易に再利用できる。図3 に本システムのクラス構 造を示す。 〈222〉 説明表示部 説明部では,電気回路を項目 毎に以下に示す全九章に分けて説明を行っている。 第1章 複素数と複素平面 第2章 電圧,電流の位相差 第3章 有効電力,無効電力 第4章 回路網解析と基本諸定理

(4)

Fig. 3. Class Configuration of Learning Applet 第5章 四端子定数 第6章 ダイオード,整流回路 第7章 共振回路 第8章 過渡現象 第9章 ラプラス変換 図4は画像と文による説明画面である。電気回路の解説 がブラウザ上に表示され,次に示すように,使用者の動作 に応えたり,アニメーションを使う等,HTMLでは表現で きない画面から構成されている。 アプレットのロードが終了するまでは,メッセージを 表示しプログラムの開始を待つ。 マウスクリックで次ページの表示,説明図の更新処理。 説明文は,Webサーバ上のテキストファイルから読み 込む。このテキストファイルには,説明ページ数,使 用する画像ファイル名,説明文ファイル名が書かれて いる。なお,使用する画像ファイルや説明文ファイル もWebサーバ上にある。 このように,説明文は修正が容易に行えるようにプログ ラム中にテキストとして埋め込まず,別途の画像データファ イルまたはテキスト・データファイルとして,WWWサー バに置かれる。説明文は,アプレットが文字列をロードし て表示し,画像はGraphics クラスを用いて描画される。 図4では例として,RL直列回路(t=0でスイッチを閉じ る場合)における抵抗とコンデンサにかかる端子電圧を求 める過渡現象の解説を行っている。 〈223〉 問題表示部 学習者の理解度をチェックする ために,本システムでは,問題と解答チェック機能を実装 している。メニューウィンドウの「問題」を選択すると図5 のように,ブラウザ上に練習問題が表示される。練習問題 は各章に5∼6問用意され,解答方法は1∼6の選択形式で ある。その際,下に選択用ボタンを配置しているので,ボ タンをクリックすることで次の問題へと進むことができる。 なお,“戻る”ボタンや,“最初から”ボタンも用意されて いるためやり直しも可能である。 問題部での特徴を下記に挙げる。 説明表示と同じように,問題文,画像の指定はWeb サーバ上のファイルに書かれている。なお,問題文ファ イルや画像ファイルもWebサーバ上にある。 解答はボタンによる選択式。 クライアントマシン上で答えのチェックを行う。 図4 説明画面 Fig. 4. Instruction window

図5 練習問題 Fig. 5. Problem window.

問題全てに解答し終えると,答え合わせ機能が付いてい るため,正答のチェックをWebサーバにアクセスすること なく,図6に示すようにクライアント側で自動的に正誤判 定を行う。この方法であればCGIのようにWebサーバに 負荷をかけることなく多人数で学習が行える。 本システムでは,丸暗記を防ぐために模範解答は用意し ていないがヒントを用意している。メニューウィンドウの 「ヒント」をクリックすると新しいブラウザが表示され,ヒ ントを参照できる。また,ヒントはHTML形式で記述さ れており,Webサーバ上に置かれている。従って,リンク を辿ることにより他の問題のヒントも参照可能である。 〈224〉 成績保存 図6の状態から,「保存」のボタ ンをクリックすると図7の成績保存用のウィンドウが新し く表示される。ここに事前に登録されたIDと,パスワー

(5)

電気回路学習支援システムの設計と実装

図6 答え合わせ機能 Fig. 6. Check of answer.

図7 IDとパスワード Fig. 7. ID and password.

ドを入力する。この操作によって登録されたユーザは問題 の解答状況をサーバ側に保存できる。本システムでは,認 証する際に,open_ssl,mod_ssl(11)を利用して暗号化を 行っている。認証に成功すれば,成績データをHTML形 式で保存し,学習者側にはそのページが表示される。認証 に失敗すれば,エラーを知らせるページを表示する。 3. 仮想実験波形表示部 仮想実験波形表示部では,仮想オシロスコープによって あらかじめ用意された電気回路の電圧波形を表示する。図 8にそのクラス構成を示す。 仮想オシロスコープは,「つまみ」をマウスでドラッグす ることによって,時間や電圧のレンジを変更できる。“つま み”や設定用のボタンは実際のオシロスコープにある使用 頻度の高いものを用意した。 アプレットが開始された時に,この“つまみ”の値はラ ンダムに設定されている。学習者は実際の実験で行うよう に,グランドの位置を合わせ,適切な時間,電圧のレンジ を設定した後に波形を観測する。 〈31〉 電圧・電流の位相差 本システムの第二章であ る電圧・電流の位相差において,図9は仮想オシロスコー プを起動した画面である。メニューウィンドウの「 Oscil-loscope」ボタンをクリックすることで,Webブラウザに 回路図が表示され,別ウィンドウで簡易発振器と仮想オシ ロスコープが表示される。本図では,RC直列回路の電源 図8 仮想オシロスコープのクラス構成 Fig. 8. Class Configuration of Applet Oscilloscope

図9 仮想オシロスコープ Fig. 9. Virtual Oscilloscope.

電圧をV1,抵抗の電圧をV2として観測を行っている。 図10は,実際に仮想オシロスコープに実装されている つまみを用いて時間レンジ,電圧レンジ,GND位置を調 整している様子である。また,スレッドを用いたアニメー ションの機能(9)により,トリガレベル調整も可能である。 他に,RLLC直列回路等も下のボタンを選択することで 計測できる。 〈32〉 過渡現象 本システムの第八章では,仮想オ シロスコープによって,図11に示すように用意された回 路の各端子電圧波形が計測可能である。 過渡現象を苦手とする学生が多い理由として,過渡現象 を理解し,問題を解くためには微分方程式,またはラプラ ス変換の数学的な力を必要とするからとの意見がある。本 システムでは,キルヒホッフの法則から微分方程式の解法 までを示し,各素子にかかる電圧の概形図を示すだけでは なく,仮想オシロスコープで同じ回路を用意し,仮想実験 により観測した波形と,計算で得られた端子電圧の概形を 比べることにより,学習者の理解向上を図った。 また,説明部や問題部で解法を示すだけでは,過渡現象 を解く上でのイメージが作りにくいと考え,問題で用意し た回路における各素子の電圧波形を仮想オシロスコープを 用いて観測できるようにした。 図12は,図11に示した回路の観測波形である。また, RLCパラメータ変更用スクロールバーにより,クライアン トはRLCの各パラメータの設定が可能となった。こ

(6)

図10 つまみによる調整

Fig. 10. Adjustment parameters using dial

図11 過渡回路 Fig. 11. Transient of circuit.

れによって,観測波形がパラメータに伴い動的に変化する 現象を確認できる。 図13に第八章の過渡現象で観測可能な直流電圧源を用 いたRCRLLCRLC直列回路の電圧波形を示す。 このように,仮想オシロスコープを用いた学習では,実 際のオシロスコープを用いたのとほぼ同様の仮想実験が行 え,電気回路の理論をより深く理解するだけでなく,オシ ロスコープの操作方法を習得するのに有効であり,学生実 験を受講する前の学生に対する導入授業でも,使用可能と 考えられる。

Fig. 12. Virtual Oscilloscope(transient phenomena).

図13 仮想オシロスコープを用い表示された波形 Fig. 13. Displayed wave using Virtual Oscilloscope.

33〉 ヘルプ機能 仮想オシロスコープにより,オ シロスコープの基本的な操作方法を学ばせる意図があるが, 初めてオシロスコープを扱う学生もいるはずである。そこ で,オシロスコープを使用するにあたり,各チャンネルの GNDを合わせる,発振器から正弦波を入力する,トリガ を合わせるなど基礎的な操作手順を説明するために図14に

(7)

電気回路学習支援システムの設計と実装

図14 ヘルプ画面 Fig. 14. Help Window.

示したようなヘルプ画面を用意した。 4. 試験運用の結果 本システムを,筆者等の研究室の学生数名に試験的に使 用させた。その結果,全体的に使い方が分からなかったと いう感想があった。説明の部分でも,あらかじめ画面を右 クリックすることで次のページへ進み,左クリックで前の ページへ戻る機能や問題ではボタンを選択することで次の 問題に進める等の,使用方法を理解するのに多少の時間が かかったようだ。仮想オシロスコープに対してのマニュア ルだけでなく,全体的なシステムのマニュアルの作成が必 要だと感じた。 しかし,説明表示部においてWebページをクリックす ることで,説明文が切り替わるアイデアは学習者の興味を 引くものであったようだ。 特に仮想オシロスコープでは,実際のオシロスコープと ほぼ同じ操作であり,オシロスコープの操作法を学ぶのに は良いとの感想が多かった。しかし,“つまみ”の操作では 少々扱いづらいとの指摘があったため,今後,さらなるイ ンタフェースの改良が必要であると思われる。 5. む す び 本システムでは,インターネットを利用した電気回路の 学習,及び仮想オシロスコープを使用した仮想実験を行う ことが可能である。 Javaアプレットで実装したため,学習者(クライアント) は,場所やPCの環境に制限されることなく,Webブラウ ザを使用して容易かつ自由に利用できる。また,クライア ント側で特別なソフトのインストールや保守といったもの は基本的に不要である。インターネットが幅広く普及した 現在ではこのような教育システムも有用であると考える。 教科書での学習では,掲載されている抵抗等の変化で波 形が変化することは皆無である。しかし,本システムでは, 仮想オシロスコープを用いることで,各パラメータの値に よる,電圧波形の変化を視覚的に確認が可能である。実際 にオシロスコープを使用して実験を行ったような擬似体験 をさせることで,電気回路に対する学習効果が向上すると 考えられる。更に,学生実験と連係することで実際のオシ ロスコープの操作方法の習得にも利用可能である。 今後の課題として,仮想オシロスコープのインタフェー スの改良や各章に用意されている練習問題の数を増加する ことが挙げられる。また,データベースと連係することで, 学習履歴の保存等が考えられる。 謝 辞 本研究を遂行するにあたり,2005年3月に佐賀大学大学 院工学系研究科博士前期過程電気電子工学専攻を修了した (現:アイコム株式会社勤務)赤木圭太氏に多大な協力を頂 いた。ここに,謝意を表する。 (平成17年8月19日受付,平成18年1月24日再受付) 文 献

( 1 ) T. Furukawa, M. Matsuo, S. Miyazaki, H. Dozono, and M. Ohchi: “Development of Distributed Educational Support System for Learning Image Processing”,IPSJ, Vol.41, No.12, pp.3208–3113 (2000–12) (in Japanese)

古川達也・松尾匡章・宮崎純生・堂薗 浩・相知政司:「分散型画像処理

教育支援システムの開発」,情報処理学論,42, 12, pp.3208–3113

(2000–12)

( 2 ) T. Furukawa, M. Ohchi, and K. Kurakaki: “Design and

Implementation of Streaming Video and Measurement Data Distribution System over the Internet”, IEEJ Trans. EIS, Vol.125, No.7, pp.1077–1083 (2005–7) (in Japanese)

古川達也・相知政司・倉垣健治:「インターネットを援用した遠隔操

作可能な動画・計測データ配信システムの構築」,電学論 C,125,

7, pp.1077–1083 (2005–7)

( 3 ) S. Doi, T. Furukawa, and M. Ohchi: “Construction of Sup-port System for experiment using Java ∼Development of Virtual Oscilloscope Applet for Studying∼”, SICE Kyushu branch, Vol.18, No.403, pp.315–318 (1999–10) (in Japanese)

土井 聡・古川達也・相知政司:「Java を援用した学生実験支援

システムの構築∼仮想オシロスコープ学習アプレットの開発∼」, 第 18 回計測自動制御学会九州支部学術講演会,Vol.18, No.403, pp.315–318 (1999–11)

( 4 ) T. Furukawa, M. Ohchi, and S. Doi: “Development of study Support System for Fundamental Electric Circuit”, The Papers of Joint Technical Meeting on Frontier in Education, IEE Japan, FIE–02–7, pp.35–38 (2002–9) (in Japanese)

古川達也・相知政司・土井 聡:「基礎電気回路学習支援システム

の開発」,電気学会教育フロンティア研資,FIE–02–7, pp35–38 (2002–9)

( 5 ) M. Ohchi, T. Furukawa, and K. Furukawa: “Development of Self Study Support System for Transient Phenomena in Electric Circuits Using Java”, The Papers of Joint Technical Meeting on Frontier in Education, IEE Japan, FIE–03–31, pp.51–53 (2003–9) (in Japanese)

相知政司・古川達也・古川健司:「Java を援用した電気回路の過渡

現象学習支援システム構築の試み」,電気学会教育フロンティア研 資,FIE–03–31, pp.51–54 (2003–9)

( 6 ) K. Furukawa, T. Furukawa, and M. Ohchi: “Development of Self Study Support System for Transient Phenomena

(8)

Japanese) 古川健司・古川達也・相知政司:「ラプラス変換による電気回路過渡 現象学習支援システムの開発」,第 22 回計測自動制御学会九州支部 学術講演会,Vol.22, No.203A4, pp.253–254 (2003–11) ( 7 ) http://java.sun.com/applets ( 8 ) 川合耕平・森幸 男:「E–Learning による電気回路学習ツールの開 発∼交流電力,ベクトル奇跡及び電流源・電圧源∼」,平成 15 年度 東京 4 高専卒業研究発表交流会,No.304 (2003) ( 9 ) http://java.sun.com (10) http://java.sun.com/j2ee/ja/servlet/index.html (11) http://www.apache.org 相 知 政 司 (正員) 1964 年 12 月 8 日生。1989 年 3 月長崎 大学大学院工学研究科修士課程修了。同年 4 月 NTTに入社。1991 年 4 月佐賀大学理工学部助 手。1993 年 4 月同電子工学科助手へ配置替。2000 年 4 月同講師,2002 年 1 月同助教授,現在に至 る。インターネットを援用した教育工学に関する 研究に従事。博士 (工学)。計測自動制御学会,電 子情報通信学会,日本シミュレーション学会,日 本 AEM 学会,日本ロボット学会会員。 青 木 規 至 (学生員) 1981 年 5 月 20 日生。2004 年 3 月佐 賀大学理工学部電気電子工学科卒業。2006 年 3 月同大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。 同年 4 月同大学大学院博士後期課程進学,現在に 至る。誘電体並びに電磁界の計測に関する研究に 従事。計測自動制御学会,日本音響学会学生員。 州大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退 学。同年 4 月長崎大学工学部助手。1986 年佐賀 大学理工学部電気工学科講師,1987 年同助教授。 1993年 4 月同電子工学科助教授へ配置替。2001 年 4 月電気電子工学科教授,現在に至る。数値解 析,計算機応用工学に関する研究に従事。工学博 士。計測自動制御学会,日本シミュレーション学 会,日本 AEM 学会,電子情報通信学会,情報処理学会会員。 古 川 健 司 (非会員) 1980 年 6 月 23 日生。2003 年 3 月佐 賀大学理工学部電気電子工学科卒業。同年 4 月同 大学大学院博士前期課程進学。2005 年 3 月同大 学大学院博士前期課程修了。同年 4 月富士通テン (株)入社,現在に至る。在学中は,インターネッ トを援用した電気回路学習支援システムの開発に 従事。

Fig. 1 shows the system configuration of the present study support system. When a student opens the implemented Web page, a Java Applet is downloaded and executed on the client (user side) computer
図 2 システム構成 Fig. 2. System configuration.
Fig. 3. Class Configuration of Learning Applet • 第 5 章 四端子定数 • 第 6 章 ダイオード,整流回路 • 第 7 章 共振回路 • 第 8 章 過渡現象 • 第 9 章 ラプラス変換 図 4 は画像と文による説明画面である。電気回路の解説 がブラウザ上に表示され,次に示すように,使用者の動作 に応えたり,アニメーションを使う等, HTML では表現で きない画面から構成されている。 • アプレットのロードが終了するまでは,メッセージを 表示しプログラ
図 9 仮想オシロスコープ Fig. 9. Virtual Oscilloscope.
+3

参照

関連したドキュメント

熱力学計算によれば、この地下水中において安定なのは FeSe 2 (cr)で、Se 濃度はこの固相の 溶解度である 10 -9 ~10 -8 mol dm

In 2003, Agiza and Elsadany 7 studied the duopoly game model based on heterogeneous expectations, that is, one player applied naive expectation rule and the other used

We use lower and upper solutions to investigate the existence of the greatest and the least solutions for quasimonotone systems of measure differential equations.. The

We then introduce the notion of compression of a graph Γ which plays an important role in the study of partially commutative groups and prove that the lattices of closed sets for

In this, the first ever in-depth study of the econometric practice of nonaca- demic economists, I analyse the way economists in business and government currently approach

T. In this paper we consider one-dimensional two-phase Stefan problems for a class of parabolic equations with nonlinear heat source terms and with nonlinear flux conditions on the

We prove the coincidence of the two definitions of the integrated density of states (IDS) for Schr¨ odinger operators with strongly singular magnetic fields and scalar potentials:

Here we continue this line of research and study a quasistatic frictionless contact problem for an electro-viscoelastic material, in the framework of the MTCM, when the foundation