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(1)

東京医科歯科大学・保健衛生学研究科

大学院(前期・後期)博士課程

お知らせ

医療情報学・生体機能支援システム学合同講義

学部生・一般の方の聴講も可

場所:大学院講義室(2号館4階)

日 時

2002年 10:30∼12:00 13:00∼14:30 14:40∼16:10 16:20∼17:50 7 月 19 日(金) × 若松秀俊 本学 吉川研一 京都大 田中正吾 山口大 7 月 22 日(月) 宮坂榮一 武蔵工大 大野敏明 ジャーナリスト 大須賀美恵子 大阪工大 亀山研一 ㈱東芝研究開発センター 7 月 23 日(火) 蓬田清重 音楽家 山本光昭 茨城県 細田邦泰 福徳産業 持田侑宏 富士通研究所 7 月 24 日(水) 重政 隆 東芝電力システム 国居孝司 ㈱I・B・L・C 谷口慶治 福井大 掃部彰子 音楽家 7 月 25 日(木) 冨村和光 弁護士 劉 玉勁 龍高ネットワーク 張 暁林 本 学 永田勝太郎 浜松医大 7 月 26 日(金) 田中辰明 御茶の水女子大 大河内秀明 弁護士 東  洋 本学 中村政俊 佐賀大 7 月 29 日(月) 黒澤秀保 田辺製薬 河部澄男 合同都市企画 高原健爾 室蘭工大 山口博弥 ジャーナリスト テキストは事前に若松研究室(3 号館 9 階)で配布します.         

保健衛生学研究科

      教授 若松秀俊

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高度な一般教養のために

新しい大学院講義を目指す

斯界の第一線で活躍の専門家による

広範囲な医療情報・生体機能システム関連講義

将来の医学を支える学生のための

多様な講師陣による総合講義

講義の順に講師紹介(敬称略)

吉川研一(京都大)田中正吾(山口大)宮坂榮一(武蔵工大)大野敏明(ジャーナリスト)大 須賀美子(大阪工大)亀山研一(東芝研究開発センター)蓬田清重(音楽家)掃部彰子(音 楽家)細田邦泰(福徳産業会長)持田侑宏(富士通研究所)重政 隆(東芝電力システ ム)国居孝司(アイ・ビー・エル・シー社)谷口慶治(福井大)山本光昭(茨城県)冨村和光(弁 護士)劉 玉勁(龍高ネットワーク)張暁林(東医歯大) 永田勝太郎(浜松医大)田中辰明(御 茶の水女子大)大河内秀明(弁護士)東 洋 (東医歯大) 中村政俊(佐賀大)黒澤秀保 (田辺製薬)河部澄男(合同都市企画)高原健爾(室蘭工大)山口博弥(ジャーナリスト) 講師の都合により時間変更がありますが、これについては掲示します。                東京医歯大  若松秀俊

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東京医科歯科大学保健衛生学研究科

大学院(前期・後期)博士課程

医療情報学・生体機能支援システム学合同講義

目 次

「大学院の新しい講義の形を探る」 ... 4

「生きもの」と「もの」... 5

心拍及び呼吸の無拘束無侵襲計測... 5

聴覚に関する最近の話題... 6

江戸のことばの変遷について... 8

バーチャルリアリティのウエルネス分野への応用... 9

バーチャルリアリティ技術とその応用...10

音楽談義「Violin」は語る...12

楽譜の中に隠されたメッセージと謎 ...13

会社の寿命...13

「もっと光を ―― 新しいフォトニックネットワーク」 ...14

モノの働きを支える制御技術...15

我が国における産学連携の望ましい形と研究者の取り組みについて...16

尿沈渣細胞画像の雑音の除去...16

地場産業の振興と健康福祉の向上...17

医学生のための医事法学∼医療と法と倫理∼...17

全人的医療とは...18

病院、医療施設の計画、管理...20

「わが国の刑事裁判の現状から見た民主主義の成熟度について」 ...20

「血管拡張術施行後の再狭窄発現機構の解明とその予防・治療法の確立」...21

知識データベースに基づくヒトの意志決定の自動化法... 22

国内医薬品産業が置かれている現状と今後について ... 23

都 市 計 画...24

クリーンエネルギーの利用について ...25

新聞記者とはどんな仕事だろうか。 ...25

「今後に向けて」...26

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「大学院の新しい講義の形を探る」 東京医科歯科大学  若松 秀俊 「人の尊厳・命の尊厳」とか「患者の身になって」といような言葉をよく耳にする。患者という救いを求 めてくる弱い立場にある人に関わることで生活の糧を得る職業である医療従事者の「苦しみの中にある 人々」に対する倫理観には厳しいものが要求される。 今日の学生諸君の勉学を眺めると、入学した頃は所謂偏差値も高く、世に言う優等生であり,素直で使命 感をもっている。しかし、ネガティブな大人の態度がどこからか、浸透していき、変質して同化していく 姿をみることが少なくない。多く場合、その時点で自分に役に立たないと判断することには、とにかく無 視する態度をとる。何かに必要と思うなら行う。暗記による知識の獲得のみを重視する。まわりに目を向 けない。およそ、他学部で教鞭をとった者には考えられない光景と現象を目にする。 医療に従事する大抵の人々は職業意識に燃えた立派な人であろうが、ときに報道される悪いことがらの印 象は大きく感じるものだ。ところで医学系の学生や若い医療従事者の姿は社会の《大人の態度》が投影さ れていることが少なくないし、周囲に眼を向けないのは『医学の閉鎖社会のなせる技である』と思ってい る。こうした心的要因が働いたからか。数年前からひとつのことを新たに試みた。これは批判のためでは なく、これから医療専門家になろうとするものに、「自分がとても心技体が及ばぬ人がたくさんいて」、「そ のような人の集合やシステムが世を動かしていること」そして「自らはその一端を担う重要な一人である こと」を身をもって感じて欲しいと思っているからである。「他の分野の専門家の異なった視点を知り謙虚 になって欲しい」こんな考え方からだった。 こんなことから、比較的自由になる大学院の制度上は既存の枠内で上記の考えを導入した講義を平成五年 から試みてきた。最初は、講義担当者のいわば補助,またはより広範囲をカバーすることに重点を置いた ものであったので、担当課題に直接関係ある内容について、非常勤講師を都内および近辺の大学の教授に お願いしていた。 ところで、医学系の学生は本来素質にすぐれていても自分の専門が深くなるにつれて、遠ざかっているが 故に、だんだん関わらなくなったことがらに対して、なぜか自信喪失することが多い。その結果自分が世 の中の常識から離れ、自分が同調できないフィーリングをもつ分野を敢えて軽視する傾向がある。そして、 それを続けているうちに、専門領域に関する過剰な自信を逆に誇張する傾向が目撃される。 ところで、研究室で、医学そのものではない医学関連研究テーマを種々指導していく場合に、学生は徐々 に自分の研究だけでなく、かなり柔軟かつ謙虚に他分野のまた他人の研究を評価するようになる。そして 自分の専門分野に知識を総合的に取り入れるために、関連分野も良く自力で勉強するようになる。これを ずっと見てきたので、学問の方法を体得しながら、専門家として訓練している大学院生の講義では、少し ずつ、直接的な専門部分を減らして、その分異なる分野の話をしてくれる講師に順に変えていった。 例えば、建築家には病院建築と健康について、有機化学の専門家には繊維の話、経済学者には経済の動き とファッションの話、工学者には徘徊老人の救護システムや画像処理による診断の自動化、システム工学 者には生体機能のシステム制御、計測の専門家には種々のセンサ理論、情報工学者には看護システムの設 計などの講義を試みていただいた。つまり、専門家になろうとしている若者への高度な一般教養を意図し たわけである。 そして、その後のカリキュラム変更に備えて、医療情報学に加えて、生体機能支援システムを念頭に、さ らに歩を進め、経済社会など世の中の動向に合わせて、情報ネットワークや情報処理、その利用について は民間会社の先端技術を自ら研究開発してきた主導的人々に、例えば通信技術、放送技術、バーチャルリ アリティ、リハビリテーション、ロボット、都市計画、医療経済学、薬学などの専門家の協力を得た。 しかし、このような講義でなおも欠落しているのは、心の問題、日常の生活、情操などに関連するもので あった。したがって、昨年は法曹界、ジャーナリズム、言語文化、音楽などの講義をその道の専門家にお 願いした。その効果を見るためにも、基本的には今年は昨年の踏襲とし、新たには福祉行政や全人的医療 の専門家を招くことになったわけである。なお,来年度は、社会的にきわめて重要な役割を担っているい る警察官、消防士などの実務家や哲学・宗教界の専門家の講義などを予定している。

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「生きもの」と「もの」

京都大学 吉川 研一 21世紀に入り、ヒトの DNA の全塩基配列も明らかとなるような時代となりました。ヒトの DNA には約 3 万種類のタンパク質の構造(アミノ酸の配列)に関する情報が刻み込まれています。 ヒトの一生を通じて、各々の細胞内の DNA にあるこのような情報は、書き換えられることなく 保存されていると考えられています。いわば DNA は“読み取り専用メモリー”(Read Only Memory, ROM)であると言えます。 一方、身の回りのコンピューターを見てみましょう。コンピューターは“読み取り専用メモリ ー”だけでは、決して働くことができません。コンピューターが動くためには CPU や“書き換え 可能なメモリー”(RAM)などが整然と配列していることが必要ですし、それに付け加えて動力を 得るためには電源につながなければなりません。このように考えると、“DNA の情報が生命を作 り出している”との見方は、必ずしも正しくはないことが分かります。実際、DNA 分子を試験管 に入れ、考えられる限りの栄養素を加えても、そこからは生命が生じる事はありません。 本講義では、“生きている”ことの不思議さを取り上げ、そのことを皆さんと一緒に議論して みたいと思います。 心拍及び呼吸の無拘束無侵襲計測 山口大学 田中 正吾  高齢化社会を迎え、個人の健康に対する関心が高まっているだけでなく、医療費削減の観点か らも疾病の早期発見につながる技術開発が求められている。このような背景から、在宅健康モニ タリングは最近特に重要な研究課題のひとつに挙げられており、無拘束無侵襲に心拍や呼吸をモ ニタリングする手法が積極的に研究されている。しかしながら、これまでの方式では、呼吸や心 拍の一方しか計測できなかったり、あるいはシステムが大掛かりとなりコストが高くつくなどの 欠点があった。  このようなことから、筆者らは、これまで心音センサ、音響センサ、歪ゲージなどのいずれか を効果的に用いた(心拍と呼吸が同時に計測できる)「心拍・呼吸の無拘束無侵襲モニタリングシ ステム」の開発を行って来た。つまり、心音センサや歪ゲージをエアーマットやエアー枕に貼り 付けたり、あるいは音響センサをエアーマットやエアー枕に封入したりして、就寝時の被検者の 心拍と呼吸を無拘束無侵襲、かつリアルタイムに計測するシステムを開発して来た。これらのシ ステムでは、心拍と呼吸の平均周期だけでなく瞬時周期も高精度に計測される。よって、これら のシステムは、手軽な在宅健康モニタリングシステムとして活用できるだけでなく、ネットワー クと結合すれば広域的なモニタリングシステムとしても機能することが可能となり、これからの 高齢化社会に大きく貢献することが期待できる。本講義では、これらの計測システムの概要を紹 介したい。

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聴覚に関する最近の話題 武蔵工業大学 宮坂 榮一 聴覚に関する最近の話題について解説する。特に、聴覚の心理的現象が、具体的に最新機器聴覚 の補償・測定の応用されている事例について述べる。 1. 最新機器に応用された聴覚心理現象 1.1 現在の CD 品質を越える超高品質 CD の出現 人間は、約 20kHz 以上の音は聞こえないといわれている。しかし、この 10 年間に様々な議論が 行われてきた。曰く、20kHz 以上の周波数成分をカットしている CD の音は良くない、自然界には 20kHz 以上の成分を持つ音はたくさん存在する、20kHz 以上の成分を含んだ音は心地よい、等々。 これをきっかけに種々の実験が行われた。その結果、20kHz 以上の成分だけを聞いても分から ないが、20kHz 以下の成分音と一緒に聞くと、20kHz 以下だけの成分音との違いが分かる、という ことがいわれるようになった。仮にこれが事実だとすると、20kHz 以上の成分音が何かしら、可 聴帯域(ほぼ 20kHz 以下)の音に影響を及ぼしていることになる。しかし、だからといって、人間 は 20kHz 以上の音が聞こえる、ということにはならない。聴覚を含めた音響機器の非線形性を考 慮に入れたより厳密な実験が求められている。 いずれにしろ、これを契機に、新しい CD や音響機器が出現した。いわゆるスーパーオーディ オである。帯域は 100kHz までのびている。CD については、SACD と DVD-Audio の2種類がすでに 市場にでている。 1.2 超高能率圧縮を実現したオーディオの出現 マスキングは、聴覚心理で最重要の現象のひとつである。マスキングとは、対象とする音(聞 きたいと思っている音)が、他の音の存在によって聞き取れなくなる現象、あるいは、聞き取りに くくなる現象をいう。妨害する音 B は、聞き取りたい音 A の近くにあるほど、A の聞こえに影響 を与える。ここで「近い」という意味は、B が場所的に近いということも、周波数的に近いとい うこともあるが、ここでは後者に限定する。 当然、妨害音 B が信号 A から周波数的に離れれば影響は少なくなり、いずれ全く影響しなくな る。影響しなくなるときの A との周波数の隔たりを、臨界帯域幅(CBW:Critical Band Width) とい う。CBW は信号 A の周波数によって異なる。信号 A が 1kHz 純音の場合、CBW は約 150Hz、5kHz で は約 500Hz 位である。CBW は、信号 A のレベルが変わっても変化しない。 複数の周波数成分からなる1つの複合音においては、それぞれの周波数成分間でマスキングが 起こる。例えば、ピアノのハ長調ラ(音名 A)の音は、f1=440Hz、f2=880Hz(=440×2)、f3=1320Hz(440 ×3)、...からなる複合音である。この f1 は f2 に、f2 は f3 に影響を与え、場合によっては完 全にマスクしてしまう。 この成分間のマスキングを利用すると、複合音の周波数成分を大幅に圧縮することができる。 圧縮するには、まず複合音の成分を量子化する必要があるが、マスクされる成分は取り除き、部 分的にマスクされる成分の量子化は粗い量子化をするのである。例えば、もっとも精細な量子化 をするときは、成分を 216で分割する(16bit 必要)が、粗い量子化では 23でしか分割しない(3bit

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だけでよい)。粗く量子化すると量子化雑音が増大するが、その雑音は、別の成分によってマスク されるので、実際は聞こえないのである。こうして、ほとんど品質を劣化させることなく、高能 率に圧縮できる。 一昨年から始まった BS デジタル放送の音声方式は AAC と呼ばれる高品質高能率圧縮法を用い ている。MD(ミニディスク)や、MP3 もマスキングを利用した高能率圧縮法のひとつである。今の ところ、AAC 方式が最も品質が良い方式であると認定されている。 2. 聴覚の情景分析 視覚で情景分析といえば、対称とする景色を、それを構成する部品に分解することである。例 えば、居間の景色では、壁、テレビ、カーテン、照明、テーブル.....等があるが、人はそれを ひとつひとつ分解して認識している。たとえ、机の一端が本で隠れて見えなくても、四角い机で あることを理解できる。

これを聴覚に応用したのが「聴覚の情景分析(Auditory Scene Analysis)であり、世界的に脚 光を浴びて研究が行われている。この分野では、音を一つひとつ分解するにはどうすればよいか、 ということを研究する。 どのように聞き分けるかについても、研究が進んでいる。特に、Auditory Illusion という、 目の錯覚に対応した「耳の錯覚」の研究が盛んである。 典型的なものが、音の流れの分割(stream segregation) である。高低の音が交互に連続した 音の流れをつくる。これをゆっくりしたテンポで聞くと、高低高低のように楽譜通りに聞き取る ことができる。しかし、ある値以上の速いテンポで聞くと、高い音群と低い音群に分離して聞こ える。 純音を 250 ミリ秒ごとに 50 ミリ秒ほどポーズを入れると、当然断続的に聞こえる。このポー ズ区間に、ある大きさの雑音を埋め込むと、とぎれているはずの純音がつながって聞こえる。こ れを利用すると、途中音がとぎれて何をいっているのか分からない音声でも、こそに雑音を埋め 込むと分かるようになることがある。 次に、音を一つひとつ分解する研究に、カクテルパーティ効果と呼ばれるものがある。この効 果は、カクテルパーティで大勢が雑談している中でも、自分の名前など自分にとって気になる話 が、雑音下でも聞こえてしまうことを言う。現在、複数の音が混在している環境下でも、それら を高精度に分離して取り出す「信号分離の研究」が進められてる。 3. 聴覚障害の客観測定 3.1 聴覚障害について 難聴には伝音系難聴と感音系難聴がある。伝音系難聴は、外耳、中耳の障害に起因し、感音系 難聴は、内耳、神経系の障害に起因する。補聴器は伝音系難聴のみ効果がある。人工中耳も開発 されている。感音系難聴でも、内耳の障害に起因する場合は、人工内耳で対応できる場合がある。 ヒトの聴覚の中枢神経系は、生後 6∼8 歳で完成される。この間、脳に聴覚刺激が伝わらない と聴覚中枢神経系が発達しない。したがって特に乳幼児の感音系難聴は発見を早めることが肝要 である。乳幼児感音系難聴への人工内耳装着も効果があがっている。しかし、乳幼児への主観的 な聴覚テストが十分できないこともあり、以下に述べる客観測定が期待されている。

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3.2 耳音響放射 最近、耳から外に向かって音がでる、耳音響放射(ジオンキョウホウシャ:oto-acoustic emissions)が着目されている。OAEs と略称されるこの現象は、正常耳の 70%から観測されるとい う。女性の方が出現率が高い。加齢により減少し、中程度以上の難聴者からは出現しない。 内耳には基底膜という膜が張られていて、音が入るとこの膜が上下に振動する。膜の上には細 胞表面に毛のついた有毛細胞があり、これが膜の振動とともに動く。外側に毛が動くと有毛細胞 は興奮し、この細胞に接続している神経も興奮してパルスを出す。有毛細胞には、内有毛細胞と 外有毛細胞がある。このうち、外有毛細胞は、刺激されると自覚的に伸縮運動を始め基底膜の振 動を増幅させる。この作用が逆に伝わり、鼓膜を内側から動かして外部に音を出す。したがって、 この音がでているか否かをチェックすることで、内耳の異常をあう程度客観的に推測できると期 待されている。 江戸のことばの変遷について  産経新聞 大野 敏明 1、江戸弁は方言である。標準語ではない   江戸の範囲はどこまで   一口に江戸弁といっても、山の手、下町、深川・木場言葉がある。行ってしまった、行っち ゃった、行っちまった   成り立ちは関西弁、関東方言、三河言葉など 2、江戸弁の特徴   ①あまり品がない。べらぼうめ、おきやがれ、てやんでえ、もういっぺんいってみろ、何々 だからそう思え、頭が痛えの尻が痒いいの   ②基本的に男女の区別がない   ③「ひ」と「し」の区別がつかない   ④しゃしゅしょが言えない。新宿、授業、お師匠さん   ⑤母音の重複を嫌う。体育、であろう   ⑥強調の接頭辞が付く。とっつく、ぶっかける、ぶんなげる、うっちゃる 3、ai発音のe変化 4、イカとタコ 5、「お」と「もじ」をつけることば 6、遊女ことば 7、女性ことばの変遷   明治以降のざあます的山の手ことばは江戸時代にはなかった 8、「ら」抜きことばと「超」ことば 9、時代劇を10倍楽しむ法    刀の持ち方

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   カウンターで酒    旅館での蒲団の位置    相手の呼び方、諱について その他 県庁所在地     回文、いろは歌 参考文献 大野敏明著『知って合点 江戸ことば』(文春新書・690円) バーチャルリアリティのウエルネス分野への応用 大阪工業大学 大須賀 美恵子 バーチャルリアリティ(VR)とは,「現前しないが現前するのと効果としては同等の表象を生じ せたり想像表象を具現化し,行動空間を構成して,そこでの行動を可能とすることと定義される. 一方,「ウエルネス」とは,医療・健康・福祉分野の総称であり,多様な人のQOL(Quality of Life) の向上に資することを目標とする.

VRのウエルネス応用に関する研究・開発は,国際的には年1回開催される「Medicine Meets Virtual Reality(http://www.nextmed.com/mmvr_virtual_reality.html)」がすでに10回を重ね,本邦でも昨年日 本VR医学(http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~jsmvr/)が設立されたことからも,その発展が伺われる. VRのウエルネス応用としては,医学教育(医学生・生涯教育),手術トレーニング,術前治療計 画,手術ナビゲーション,遠隔医療,インフォームドコンセント,メンタルケア,リハビリテー ションが挙げられる.本講では,このうち最後の2つ,メンタルケア,リハビリテーションにつ いて,実例を示しながら研究・実用化の動向,問題点などを紹介する.  紹介する実例(とその参考URL)を以下に示す. 国立小児病院神経科:動物園へ行こう・遊園地へ行こう(大日本印刷), バーチャルスキー(日本電 気) バーチャルサッカー, ハイビジョン水族館,そよ風学級アミークスクエア,分散仮想環境を用 いた患者の親の会(三菱電機)など 長崎総合科学大学竹田仰研究室:ゴム人工筋による上肢トレーニング,仮想人物との腕相撲,V Rボーリング http://takeda.csce.nias.ac.jp/ 東北大学大学工学部/加齢医学研究所:運動失調症検査システム,平衡機能検査システム http://www.abe.ecei.tohoku.ac.jp/research/ahvr/vr.html#heikou 日本リハビリテイト(フランスベッドメディカルサービス):ハイパーセラピー,ハイパーセラピ ーII http://it.jeita.or.jp/jhistory/document/kokoroweb/chap25/kkr25044.html 日立製作所:ウエイトフリー方式リハビリテーション用2ベルト歩行訓練機 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9905/0524b.html 松下電工:バーチャル乗馬システム,ジョーバ http://www.mew.co.jp/press/0108/0108-15.htm 三菱プレシジョン:電動車いす操作のための評価システム http://www.mind.ne.jp/mpc/prodct/wel/wch/index.html

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VRとBFを組み合わせた各種恐怖症の治療 http://www.vrphobia.com/default.htm ワシントン大学 HITL(Human Interface Technology Lab.):やけど治療中の痛み緩和 http://www.hitl.washington.edu/projects/burn/

ミシガン大学:高所恐怖症の治療,くも恐怖症の治療 http://www.umich.edu/~psychvr/ DIVISION 社:HMD を使った恐怖症の治療システム

VIVID 社(USA):Mandara Virtual Reality System

(株)アダブテクノ:仮想遊戯」STUDIO KOKORO http://www.kati.gr.jp/product/002.html 三菱電機:ベッドサイドウエルネスシステム,高齢者の心身活性化をめざした遊びリテーション システム バーチャルリアリティ技術とその応用 東芝研究開発センター 亀山研一 1 はじめに 本講義では、VR とは何かを原点に立ち返って概観し、各種感覚への情報ディスプレイとその応用 に関して述べる。 2 本論 (1)バーチャルリアリティとは VR とは、簡単に言えば実体験が困難な世界の事象を時空の制約を超えて人間に提供する技術で ある。すなわち、従来に無い「高臨場感」の提供が大きな特徴であり、厳密には Interaction、 Immersion、およびユーザの Imagination の 3 要素によって実現するものと定義づけられる(図1)。 図1 VR を構成する3つの‘I’ (2)感覚提示ディスプレイ 各種感覚提示技術と課題を纏めると、表1 のようになる。  (a) 視覚ディスプレイ 視覚による高臨場感は、仮想世界に入った感じ、すなわち、没入感と、奥行き感、すなわち、 Immersion Interaction Imagination

I

3

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要な場面―設計支援システム等に用いられている。 表1 VR技術の課題および展望 課題 技術 展望 立体表示 超多眼立体表示 視 覚 高臨場感表示 広視野表示 個人用 CAVE 小型軽量広視野 HMD 聴 覚 高精度三次元 音響計算 DSP/並列計算機 高速アルゴリズム 触 覚 表現手法の充実 弾性シミュレーション 高速計算アルゴリズム 提示デバイス 実時間提示 高速シミュレーション 表示アルゴリズム 前 庭 感 覚 シミュレータ酔い解消 動きパタン 酔い解消モーション (加速度パタン等) 空間像 図2 赤色 LED を用いた空間像ディスプレイ(5) (b)聴覚ディスプレイ 聴覚情報は、視覚が使えないところ----例えば、頭の後側の空間情報を示す場合などに有効であ る。特に、音場中を歩き回るようなシステムや空間の音響演出が可能となる。 (c)ハプティックディスプレイ 接触感や堅さなどは視覚ではわからないので、触覚・力覚を適切に提示できれば、仮想世界の 臨場感が向上する。遠隔制御ロボット等に使われている。 (d)前庭感覚ディスプレイ 乗り物シミュレータ等では、平衡感覚情報の提示が重要である。現在、モーションベースを傾 けることによって重力加速度を変化させ、平衡感覚を作り出している。

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(e)その他の感覚 人間の五感の他の感覚としては、嗅覚と味覚がある。味覚に関しては、基本的な味(甘味、苦 味、塩味、辛味、酸味等)がほぼわかっており、センサーも開発されているが、仮想的な提示は 侵襲度が高いため、実現されていない。一方、嗅覚に関しては、基本臭は分からないが、臭いの 素を大量にカプセルに入れて保持し、状況に応じて提示するデバイスが試験的に開発されており、 化粧品、食品の販売促進、教育等への応用が検討されている。 3.その他  講義では、この他、ウェアラブルコンピュータとその応用についても紹介したい。 音楽談義「Violin」は語る ヴァイオリニスト 蓬田 清重よもぎた  卒業されて医療関係のお仕事につかれる皆様にとってバイオリンの実技の講義は要りません。 しかし、音楽一般、特に弦楽器、バイオリンを中心にしたお話と演奏に大変興味をもたれ、そし てこれからコンサートに足を運び、美しい響きに耳を傾けて欲しいのです。 1)弦楽器の歴史  材木と馬の毛が必要。       銘器の里はイタリアのクレモナです。弓についても説明あり。 2)弦楽器の構造  ニス 材質 付属品(弦 松脂 その他)       楽器製作者 修理 保存 メンテナンス 3)演奏家     プロフェッショナル アマチュア 教育家       教育改革 演奏技術改革 4)ここでバイオリンの演奏  プログラムは当日発表 5)質問コーナー   それに諸君が自由にバイオリンに触れるのを許しますので、音を出してみる。 6)音楽の表現方法  クラシック タンゴ ジャズ 民謡 演歌 軍歌など        作曲家が五線紙に作曲した作品の解釈と表現 7)演奏家の健康問題 指 骨 筋肉 筋 歯 などの支障について        皆様から何か良きアドバイスを頂きたい。 8)音楽療法について 癒しになる音楽、ならない音楽

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9)質問コーナー   音楽に関係なくても何でも良いから尋ねてみよう。 10)2度目の演奏   プログラムは当日発表   以上の項目に従ってバイオリニストの目から見た、肩の凝らないお話をいたします。 楽譜の中に隠されたメッセージと謎        ヴァイオリニスト か も ん掃部 彰子  器楽曲には詞がないので,作品は音符のみで感情や意思を伝える.しかし,曲の中に言葉を直 接織り込む何人かの有名な作曲家がいます.今回の話はこれらの曲を,蓬田清重先生のご協力を 頂き,実演しながら紹介します.  アルバン・ベルクが作った弦楽四重奏曲「叙情組曲」は,夫と子供のいる女性との不倫の愛が テーマになっています.ベルクは現代音楽の作曲家ですので,曲だけ聴けば奇妙なわかりずらい メロディ,不協和音もあり,とてもロマンチックな愛がテーマとは思えないのですが,遂げられ ない愛だからこそ,楽譜に二人のイニシアルやキーワードである数字を散りばめて,強い思いを ぶつけているように感じます.そこには,深く入り込む者にのみ秘密を開示するという特権的遊 び感覚も感じられます.詳しい内容を部分的な演奏とともに紹介します.  ルーマニアのポルンベスクが作った「望郷のバラード」という曲がテーマで,1989年のル ーマニア革命の時にこの曲が暗号として使われたという小説があります.楽譜から数字を導き出 して,それをアルファベットに置き換え,文章が出てくるというからくりで,物語こそ架空の話 とはいえ,音楽からそのようなことも可能だということを伝えたく,演奏とともに詳しい説明を しようと思います. 会社の寿命 福徳産業 細田 邦泰  人に寿命があるように、会社にも寿命があります。又どんな強力な組織でも必ず寿命がきます。 松下電器産業㈱の創業者松下幸之助氏は35年前に著書の中で、将来の松下電器産業㈱について の質問に答えて「将来松下電器は必ず倒産します。」と述べておられます。ローマ帝国以来どんな でも政府でも組織でも永遠に続くことは不可能なのです。日本でも15代将軍徳川慶喜で徳川幕 府は倒れ、15代自民党総裁宮沢喜一で自民党は野党に下りました。  昔から「親辛抱し、子楽し、孫乞食する。」とか「売り家と唐様で書く三代目」と言います。昔 から三代続けて家が繁栄するのは非常に珍しい事なのです。会社は創業して5年で50%、10 年で80%が倒産し、残りの10%が赤字です。創業して10年目でまともな経営をしているの はたったの10%なのです。会社の寿命は30年と言われておりますが、残りの10%の会社も

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30年も経てば又危なくなってくるのです。今年も多くの会社が倒産していますが、最近は創業 何十年と言われている会社がよく倒産しています。これは時代が変化しているのに、会社の体制 が古くて時代に合わなくなっているからなのです。100年前にベスト100に入っている会社 で現在もベスト100に入っているのは、王子製紙㈱だけです。100年前の優良会社の内99 社は時代の変化に取り残されたと言う事です。  しかし時代の変遷を乗り越え、現在もしっかりとした、経営をしている会社やお店が無いわけ でもありません。田舎に行けば創業百数十年の会社がよくあります。味噌、醤油、酒等の食べ物 に関する商売が多いようです。現在残っている日本で一番古い創業の会社は大阪市にある㈱金剛 組です。西暦578年に聖徳太子の命を受けて3人の匠が百済の国からやって来ました。これが ㈱金剛組の始まりです。彼らや彼らの子孫によって大阪の四天王寺や法隆寺が建立されました。 初代金剛重光より1424年その間色々な困難を乗り越えながら、寺の建築技術を伝承していき、 今日に至っております。しかしこのような伝統的な職種は別として、ほとんどの会社は変化に対 応しなければ存続できません。我々中小企業はの生き方は「雑魚は磯辺で遊べ」と言う事が原則 です。小さなマーケットでナンバーワンになり常に時代に合わせて、自己改革をし、会社を変化 さしていく事が最良の策だと思います。 「もっと光を ―― 新しいフォトニックネットワーク」 (株)富士通研究所 持田 侑宏 ネットワークの進歩の歴史: 1970 年代---アナログからディジタルへ 1980 年代---カッパーからファイバへ 1990 年代後半---波長多重・光増幅へ(フォトニックネットワーク) 2000 年代---全光ネットワークへ(“新しい”フォトニックネットワーク) 光通信の基本構成 通信需要の増大(ブロードバンド化)を支えるフォトニックネットワーク フォトニックネットワークを支える技術 ナノ領域に入った高速半導体技術 ナノ領域の加工技術が生きる光スイッチ 自在な通過特性をもつ可変フィルタ 光のまま信号を増幅する光アンプ 光のまま信号を処理する“光信号処理” ネットワーク技術のブレークスルーを求めて “Moore の法則”の壁を超える

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モノの働きを支える制御技術 (株)東芝 電力・産業システム技術開発センター 重政 隆 1.はじめに 2.制御(Control)って  水洗タンク フラッシュ後、定量水位を自動確保 (センサと制御器の一体化、安全)  ガバナ   回転遠心力で蒸気流量を加減    (センサと制御器の一体化)  モノを働かせる上で自動化、省力化、省エネなどに繋がる仕掛け・知恵  制御技術   モノが働く裏には制御有り   センサや制御器が重要  制御をどう構築するか ⇒ エンジニアリング!  動くものを理解し、表現できる言葉と文化を  ブロック図  信号の伝わりかたが視覚的に分かる  全体の動きが把握でき、ニーズに対する対策が打てる 3.制御技術の発展の歴史  ニーズと技術と理論が相互にからんで発展    定着までには現場の理解と使いやすさと投資効果が大事  第1次産業革命   蒸気エンジンの調速機 紡績機や機織機      安定論が発展 ラウス、フルビッツ、ストドラ、マックスウエル  火器の位置制御   重量機器の速やかな角度追従   古典制御理論  マイクロコンピュータ  産業のオートメーションが飛躍的に進む 現代制御理論も進展  パワーエレクトロニクス 誘導電動機の可変速・トルク制御  情報系との接続    生産現場と管理系の直結からサプライチェインマネジメント  標準化・インターネット  フィールドバス、デバイスネット、 4.どのように使われているか  発電システム:火力、水力、原子力発電、燃料電池  電力システム:送電、配電、電力系統、、  産業プラント:鉄鋼、紙パ、石油化学、上下水道、          地域冷暖房、ごみ処理、ビル空調、トンネル換気制御  交通システム:列車制御、昇降機制御、  ドライブシステム:圧延機制御、抄紙機制御、電車電動機制御  ロボット  :加工組立、移載、  宇宙システム:人工衛星姿勢制御、アンテナポインティング制御  医用システム:X線診断装置の寝台制御、アーム制御  OA情報機器:CD、HD、CD−R、DVD  家電・空調機器:エアコン、電子レンジ、冷蔵庫、 5.シミュレーション技術で確認  システム全体の動きをまねたツールで動きを解析、技術の設計と評価

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 試行錯誤を減らし、開発期間の短縮化 6.まとめ  ニーズが原点  モノが働く裏には制御あり!  制御システムエンジニアがモノをまとめる。 我が国における産学連携の望ましい形と研究者の取り組みについて (株) アイ・ビー・エル・シー 国居 孝司くにすえ 現在、我が国の大学を取り巻く研究開発環境は、大学等技術移転促進法や科学技術基本計画、独 立行政法人化の流れを背景に大きく変わろうとしている。 一方、市場競争が激化している産業界においては、基礎的な研究から応用的な研究にそのフォー カスがシフトしており、基礎研究を大学に依存する傾向がますます強まっている。 このような状況の中、大学と産業界が研究開発において協力する産学連携は、これまでの文教政 策を超えて産業の振興・創出、雇用の創造を目的とした経済政策として大いに注目されている。 しかし、実際には法的整備や関連予算の拡充は進むものの、有効な手段がないために、産学連携 は期待以上に進んでいないのが現状である。 その原因はいくつかあるが、特に問題なのは産学連携のスタイルに拘り過ぎ、企業は今何を望み、 個々の研究者はどのように対応していけば良いかという基本的なシステム(仕組み)がないこと である。 産学連携は外部連携の一形態に過ぎない。 企業は外部のリソースを活用する一手段として市場から大学の研究者を選択し、大学の研究者も 研究開発を行う上で必要なパートナーとして企業を選択する。 これからの産学連携のテーマは「市場化」である。 産業社会における市場競争はますます激しくなり、産業界はもちろんのこと大学も市場化の流れ を無視することはできない。 そこで、今後、産業界および大学にとってどのような産学連携が望ましいのか、そして、研究者、 技術者は市場競争社会の中でどのように取り組み研究活動を行っていけば良いのかなどについて 講義を行う。 尿沈渣細胞画像の雑音の除去 福井大学 谷口 慶治  人間から排出される尿の中に存在する有機成分(白血球、赤血球、上皮細胞、円柱など:これ を対象物という)の検査を画像処理により行う場合、対象物を画像の背景から切り出す操作(画 像の領域分割という)が必要である。対象物と背景との濃度差が小さいガラス円柱画像では、濃 度差よりも雑音の振幅が大きく領域分割が困難である。ここでは、このような画像の雑音の除去

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方法について述べる。 地場産業の振興と健康福祉の向上 茨城県保健福祉部 山本 光昭 地場産業の振興と健康福祉の向上の取組みについて、2つの事例を紹介します。 1つ目は、茨城県笠間で取り組まれている、子どもから障害者、高齢者まで誰にとっても使い やすい「ユニバーサルデザイン(UD)」の伝統工芸「笠間焼」の開発です。「人にやさしい・や きものづくり」を理念に、陶工芸家と歯科医師、栄養士、食生活改善推進員ら保健医療関係者と が参加する「笠間焼商品開発研究会」が発足し、作る側と使う側の交流の中で、より実用的な商 品の研究開発が平成 13 年 6 月から始まりました。ユニバーサルデザインとは、「すべての人が人 生のある時点で何らかの障害をもつ」ということを発想の起点としており、①誰にでも公平に利 用できること、②使う上での自由度が高いこと、③使い方が簡単ですぐわかること、④必要な情 報がすぐに理解できること、⑤失敗や危険につながらないデザインであること、⑥無理な体勢を とることなく、少ない力で楽に使えること、⑦アクセスしやすいスペースと大きさが確保されて いることという七つの原則が提唱されています。誰にでも使いやすいUDを取り入れた陶器製品 はまだ全国的にも珍しく、本県の笠間での取組みは、伝統工芸の振興と健康福祉の向上という一 石二鳥のプロジェクトといえます。なぜならば、UDの笠間焼が普及すれば、例えば、脳卒中の 後遺症のため、手が不自由になられた方が、健康であった時と同じ美しい器、家族と同じ器で、 団欒をもてるということが可能となって健康福祉が向上するとともに、地場の伝統工芸品が多く 売れるわけです。 2つ目は、大手メーカーの製造する紙パック入りなどの安い酒をただ酔うために大量飲酒する 構造から、質の良い地酒を味わうために適量飲酒する構造へという、私が提唱している「日本酒 の飲み方の構造改革」の運動です。この構造改革は、地酒が売れることにより地場産業が育って 地域が振興されるとともに、大量飲酒が適量飲酒になることにより地域住民の健康が良くなって いくという一挙両得の構造改革なのです。 医学生のための医事法学∼医療と法と倫理∼ 弁護士 冨村 和光 1 医療制度と主要法令の概観 2 医師法上における医師の定義と業務上の権利・義務について ① 医業の独占,医師の名称の独占 ② 診療義務,診断書等の交付義務,異状死体等の届出義務等 ③ 患者の秘密を守る義務 ④ これらに違反した場合の民事・刑事・行政上の医師の責任について ⑤ 医師が人の身体を切り刻んだり,毒・劇薬を投与・注射するのは傷害罪(刑法 204 条;懲役

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10 年以下)。なぜ処罰されないか ⑥ 医師が患者に診察と治療を依頼し医師がこれに応諾した場合に成立する契約(準委任契 約)と応諾によって発生する権利・義務の内容 ⑦ インフォームドコンセントの原則(説明と同意・患者の自己決定権)と IC をめぐる現代的 な問題 3 現代医学をとりまく法と論理をめぐる問題 ① 安楽死と尊厳死 ② 宗教上の輸血拒否 ③ 電子カルテ化 ④ 先端医療 4 医療過誤と医師の法律上の責任 ① 刑事判例から見た医療過誤の類型(過去の 137 件の分析) ② 民事医療過誤の統計 ③ 医療過誤における民事過失と刑事過失の質的差異について ④ 判例から学ぶ医師・看護婦の注意義務(結果と回避可能性の予見義務) ⑤ 医療過誤をめぐる訴訟の増加傾向と司法改革による弁護士増員の問題 ⑥ 情報公開法とカルテ開示法制化の動向 ⑦ 医療過誤・医療紛争を防止する為の対応策は何か 5 余話:本職が検事在任中に取り扱った医療をめぐる実例の紹介 眼球運動モデルの構築法から見た理工学と生物・医学の違いとその接点 東京医科歯科大学 張 暁林 (1)システム制御工学及び運動学・動力学の視点から,生理学・解剖学的構造に対応する眼球 運動神経システムの構築. (2)眼球運動制御システムに基いた機械の「眼」の制作と制御 (3)人間の目を機械として見る場合,その特徴,性能,限界,及び工学へのヒント. (4)硬い機械から柔らかい機械へ.硬い機械の体は本当に丈夫か,柔らかい故にできる高性能. (5)臨床医学に応用数学・物理学理論の可能性.眼球運動の数学モデルと神科疾患の局在診断. 全人的医療とは 浜松医科大学 永田 勝太郎 1.全人的医療とは  全人的医療(comprehensive medicine)とは,その医療の視点を患者の臓器単独に置くのでは なく,患者をいつ,いかなる場合においても,「病を持った人間(個人:whole person)」として とらえ,身体的・心理的・社会的・実存的な視点から,包括的に(全人的に)理解し,その過程 の中から,患者固有の問題の解決を図ろうとするものである.これは医療に対する社会的ニード であり,医療における質の向上を意味する.具体的には患者個々の特性を尊重し,そのQOLの

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 全人的医療は身体・心理・社会・実存医療モデルに則った全人的な患者理解をベースにしてい る.その実践に当たっては,現代医学をベースにしながら,伝統的東洋医学的アプローチ,そし て両者を結ぶ「橋」(インターフェース)としての心身医学を重要な医療資源とし,三者の相互主 体的鼎立が必須の条件である.さらに治療者−患者関係についてもメスを加えて行かねばならな い. 2.全人的医療の具体的方策:全人的医療の3ステップ  全人的医療の実践に際し,必要に応じて,次の三つのステップを実践することが必要である.  第1ステップとは,今、ここで患者を苦しめている疾病との対決であり,患者をまず、速やか に苦痛から解放することである.これは,キュア(cure:治癒的医療行為)レベルの医療であり, このステップの実践には速やかな診断,治療が必要とされる.  第2ステップとは,なぜ、患者はこのような疾病や症状に苦しむのかを明確にし、そこから開 放するために、患者を全人的理解に理解することである。これはケア(care:援助的医療行為) レベルの医療である.  第3ステップとは,疾病の予防,リハビリテーション(rehabilitation)による社会参加,積 極的な健康(全人的なポジティブヘルス;positive health )の創造である。 3.全人的医療実践のための基本モデル  全人的医療の実践に際し,必要な基本モデルとして,表のようなモデルを考えている. 4.病気の進行(病気の3期)と全人的医療  全人的医療モデルを基本に,人間の一生を考えると、病気は,3病期を経て人間を死に至らせ る.その3病期とは,・機能的病態(第一期) 珵 ・器質的病態(第二期) 珵 ・致死的病態 (第三期) であり,この順に進行する.  寿命(life span) の長さは加齢,ストレス・コーピンングの仕方から大きな影響を受ける.積 極的な健康創り(positive health) のためには,まず機能的病態への気づき(awareness) を持た ねばならない.失感情症,失体感症,失意味症からの開放を図ることが先決である.  表 全人的医療実践のための基本モデル    1.全人的な患者理解     (1)身体・心理・社会・実存的医療モデル(intra-personal communication)        身体:機能的病態(病理学的に未完成の病態;半健康・半病人 ill-health)         器質的病態(病理学的に完成された病態)           致死的病態(cure の望めない病態)        心理:性格,心理的反応,ライフスタイル(life style),行動,             ストレス・コーピンング(stress coping )          社会:社会的役割,環境との関わり        実存:生きる意味(意味・責任・自由)への気づき  

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  (2)医師(治療者)−患者関係(inter-personal communication)         インフォームド・コンセント(informed consent)         転移・逆転移といった治療関係も分析    2.西洋と東洋の相互主体的・相互補完的関係      近代的西洋医学・伝統的東洋医学     皂 かけ橋(interface )としての心身医学(その核は実存的視点)     3)キュア(cure)とケア(care)のバランス    4)瀉法と補法のバランス    5)病理モデル・健康モデル・成長モデルの相互主体的導入          (V7,Nagata,K.,1997)   病院、医療施設の計画、管理 お茶の水女子大学 田中 辰明  病院、医療施設の計画、管理について講義を行う。医療施設は阪神大震災のような場合にも他 の建築構造物に比べ堅固なものでなければいけない。一般の建築物が倒壊し ても診療施設は被害 を被った人々の治療に対応しなければならないからである。阪神 地震災害のスライドから建築物、 土木構造物がどのような被害を受けたか、またその 反省として今後どのようにするべきか述べる。 病院建築は身体的弱者が集まる施設であるので、衛生面からも注意を払う必要がある。真菌、細 菌の実態調査例を報告する。寒地では建物の断熱と真菌の多さに影響を与えている。建物外壁の 内側に断熱を施す内断熱がわが国では一般的であるが、これは内部結露を起こしやすく、結露の 被害はカビ発生を呼ぶ。これに対し、外壁の外側に断熱を施す外断熱ではカビの被害は少ない。 これらの実測例を示し、断熱問題にも言及する。特に手術室では塵埃の発生は院内感染の原因と なる。手術室の空気調和の問題、これと塵埃濃度の関係について言及する。当然オールフェレッ シュエア方式にすれば清浄度は高まるが、エネルギーを多消費する。地球環境問題が深刻になっ ている現在、省エネルギーは大切な問題である。省エネルギーを計りつつ、清浄度を上げること に留意しなければいけない。最近はアレルギー性疾患に悩む人が多くなっている。真菌もアレル ギー性疾患のアレルゲンになるが、最近では建材に使用される化学物質が揮発することで、これ もアレルゲンになる事が問題視されている。国土交通省も建材の化学物質に対し、規制を始める ようになった。この揮発性化学物質による汚染問題、その対策について言及する。 「わが国の刑事裁判の現状から見た民主主義の成熟度について」     ∼ある強盗殺人事件を題材として 弁護士  大河内 秀明 1 事件の概要 1988年,横浜市鶴見区で,白昼,金融兼不動産業を営む夫婦が,事務所内で,鈍器で殴打さ

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れて惨殺されたうえ,1200万円が奪われたという強盗殺人事件 2 被告人が逮捕された経緯   被告人は,架空の融資話を持ちかけて金を用意させ,犯行時間帯に事務所を訪れ,1200 万円を持って逃げた。   このような濃厚な容疑によって,犯人として逮捕され,その日,犯行を自白する上申書を書 いている。 3 一審判決の証拠構造の検討   1995年9月,横浜地方裁判所は,自白は信用できず,凶器も解明されていないが,しか しそれでも被告人が犯人であると断定できるとして死刑判決を言い渡した。 4 控訴審での審理の経過   一審判決後,4年経過後に初めて審理を開始した東京高等裁判所は,事件から14年経過し た2002年4月,ようやく証拠調を終えた。 5 わが国の刑事裁判の有罪率が異常に高いことは,平野龍一東大名誉教授が「わが国の刑事裁 判はかなり絶望的である」と言っていることと矛盾しないか。 6 死刑存置論者の中には,わが国には誤判は生じないから,誤って処刑することはありえない という者がいるが,果たしてそう言い切れるか。 7 主要先進国において,職業裁判官のみによって判決が言い渡されているのはわが国だけであ るが,民主主義との関連で問題はないか。 8 現在,進められている司法改革の行方について 「血管拡張術施行後の再狭窄発現機構の解明とその予防・治療法の確立」 東京医科歯科大学  東 洋 (1)実験的内膜肥厚モデルの構築、 (2)内皮細胞の機能障害誘発機序と内膜肥厚の発症・進展、 (3)内膜肥厚の発症・進展過程におけるエンドセリンの役割、 (4)内膜肥厚の発症・進展過程における一酸化窒素とエンドセリンとのクロストーク、 (5)再狭窄の予防・治療法。

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知識データベースに基づくヒトの意志決定の自動化法 佐賀大学  中村 政俊 序   演者は「システム制御の理論と実際」の研究を行っていて,現実のニーズに基づいて発 生した問題を解決して,その解決方法をより一般的に利用できるように努め,理論的裏付けのあ る方法を導くことに興味を抱いている.今迄の過去の研究において,このような理論的方法をい くつか開発してきたが,今回はヒトの意志決定の自動化法に関して,その方法の開発経緯,方法 の内容,方法の利用を述べる. 概要   ある事柄に関して,熟練者の判断情報を含んだデータ(知識データベース)を克明に 調査すると,そのデータを通して,熟練者の知識や技能に基づいて下された意志決定の要領が次 第に明確になり,その要領をまねることによって,熟練者と同様の意志決定ができるようになる ことを想像できると思う.本講義では,その知識データベースに基づくヒトの意志決定の自動化 法を,条件付確率の立場から理論的に導いたところを示す.  本方法は,碍子洗浄時期決定の自動化という電力会社との共同研究を通して,考えついた方法 を確率の言葉で整理一般化して,‘オンオフ意志決定法’に至ったものである.本方法は元来の碍 子洗浄時期決定 注 1)の自動化にうまく適用できるのは勿論であるが,その方法は全く別の分野 である脳波中のスパイク検出 注 2)にも適切に適用できた.  内容の後半は,先のオン−オフ(2 値)判定法を多値判定法に拡張したものである.その拡張 の契機は,睡眠脳波の睡眠ステージ判定 注 3)の自動化の試みであり,この方法の拡張により,6 段階からなる睡眠ステージの自動判定が可能となった. 注 1:碍子洗浄時期決定   碍子は電気設備を高圧高電流から絶縁するためのものであり,変 電所には数多くの碍子が設置されている.海岸近くにある変電所において,海側から吹く塩風に よって,碍子に塩分が付着すると碍子の絶縁機能が低下して,碍子は役割を果たさなくなる恐れ がある.従って,電力会社では,碍子の汚損値がいき値を越える前に碍子を大量の真水で洗浄し て,常に碍子が絶縁を保つようになされて,電力事故の発生を防いでいる.現在電力会社におい ては,熟練者が気象の状況等を考慮して,碍子の汚損量を予測して,碍子の適切な洗浄時期を決 定している.台風の折などは,変電所ではいろいろ多くの作業をこなすことを要求される熟練者 にとって,適切な洗浄時期の決定を行うことは大きな負担となる.本方法では,その洗浄時期決 定の自動化を図った. 注 2:脳波中のスパイク検出   てんかん等の患者の脳波の中には,時折鋭い波形をしたスパ イクが認められる.被検者の頭皮上から記録した脳波の中におけるスパイク出現のし方を調べる ことによって,患者の病状の変化等を知ることができる.脳波においてスパイクとそれ以外の鋭 い波(筋電図等)を適切に識別するには,かなりの訓練がいり,現在は脳波判読医が脳波を視察 することによって,その脳波の中からスパイクの検出を行っている.本研究では脳波中のスパイ ク検出の自動化法を導いた.

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注 3:睡眠脳波の睡眠ステージ判定   睡眠中の脳波を記録すると,被検者の時々刻々変化す る睡眠ステージ(深さ)に応じて,脳波には特徴的な波が出現する.睡眠ステージの判定は,ヒ トの健康と深くかかわる睡眠の状況を知る上で大切であり,一晩の長時間に亘って記録された睡 眠脳波データは,十分な技能を有する判読者が大きな労力をもって視察している.本方法では, その睡眠ステージ判定の自動化を試みた. 国内医薬品産業が置かれている現状と今後について 田辺製薬(株) 黒澤 秀保 1.ゲノム創薬とテーラーメード医療の進展 21 世紀は「生命の世紀」ともいわれ、2010 年頃にはゲノム創薬の成果が本格的に現れ、新薬 黄金時代を迎えることが予想されています。また、遺伝子検査で投薬適性を判断して無駄な投薬 をさけるなどのテーラーメード医療の実現が期待されています。このような時代に併せて、これ まで研究開始から新薬承認取得まで 15 年−20 年の年月を要すると言われてきた製薬企業の創薬 手法も転換を迫られています。 2.グローバルな競争の激化 IT革命とともに多くの産業界が世界市場と言う大きな枠組みの中でグローバルな競争が激 化、医薬品産業界も圧倒的なM&Aによって強大化した欧米の大企業、いわゆるメガ ファーマの 脅威にさらされ、21 世紀に生き残るための政策転換、産業構造の変革を迫られています。日本最 大のT社でさえ、医薬品売り上げで世界 15 位であるのが現状です。 3.保険医療財政のひっ迫 日本は、バブル崩壊以降の経済不況から未だ立ち直ることができず、世界に名だたる国民皆保 険制度の下、世界一の長寿国を実現した日本の医療でさえ、超高齢化社会への突入に歩を合わせ るように、公費でカバーする保険医療財政がひっ迫し、医療費抑制策がとられ続けています。中 でも、高すぎるとの批判が高い、薬剤費を押さえる施策が医薬品業界を苦しめ続けています。 4.医薬品産業ビジョン このような状況を懸念した国−厚生労働省は、国内の医薬品産業を、わが国を担うリーディン グ産業であると期待して、日本の医薬品市場そのものの国際競争力を高めること、その中で、国 内資本の製薬企業の国際競争力も高めていくための方向性を「医薬品産業ビジョン」として提言、 政策的にもバックアップしようとしています。 これらの視点を中心において、21 世紀を迎えてさらなる医療への貢献を果たそうとしている医 薬品産業が直面している現状と今後の行方について、各種資料を織りまぜながらご紹介させてい ただきます。

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都 市 計 画 合同都市企画 河部 澄男  いままで 2 回にわたり、「都市」の意味論、計画論について講義をしてきました。1回目は私た ちが住む「都市」とはどういうもので(定義)、私たちが「都市」をどのように考えていけばいい のかについて序論的な講義を行いました。2 回目は、生活諸活動の「舞台装置」であるとともに そこで諸活動が展開される「都市」を<風景>としてどのようにみていけばよいのかについて日 本・アジアと欧米の<風景>づくりを比較しつつ述べました。  私たちは個別的存在であるとともに共同的(関係的=社会的)存在であり、かつ個別的にも共 同的にも歴史的(時間的)存在であります。したがって<風景>体験における体験の個別性・多 様性、あるいは集団(民族)体験としての時代的共通性とその共通体験の受け止め方の個人差な ど、私たちの人生(実存)過程において「風景体験」の及ぼす影響は多大であると考えられます。 『原風景』は幼少時の「風景体験」の強く刻印されたものといえます。特に最近注目されている 「心的外傷」(トラウマ)も原風景など風景体験の深刻さによる面が大きいと考えられています。  3 回目は、昨年の9月11 日の同時多発航空機テロによる「世界貿易センタービル」倒壊の「風 景論的」意味について話したいと考えています。 (講義案)  Ⅰ.<風景>体験 1.風景=空間の佇まい・相貌・形相とその変化速度  cf「景観」、「風土」   2.<風景>体験    「風土」−「風景」(「空間」)−体験→『風景像』  Ⅱ.都市空間構成=<風景>づくりの方法 ○アジア型都市・・・「地べた」「横=水平」志向        ・「自然」融和的 ex.借景→庭園→床の間(生け花の起源) ・自然成長的(ex 木の文化)・・路地裏、屋台       など ○欧米型(先進国型)都市 ・「縦=垂直」志向 ・「自然」支配的−人為的・人工的(鉄・ガラス・コンクリート) ・歴史的・積層的(石積み、レンガ)・・<風景>の厚み       など Ⅲ.<風景>の意味−鑑賞   1.近景−中景−遠景・・仰角/俯瞰、水平視線/垂直視線   2 歴史性・.時間軸(ライフサイクル(寿命)/材料、様式(スタイル)など)   3.次元性(重層化・重畳化、バーチャル化)・・「自然」の<排除> *「先端」と「歴史=伝統」の組み合わせ方

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クリーンエネルギーの利用について 室蘭工業大学 高原 健爾 科学技術の発展とともに,人類が消費するエネルギーは年々増大し続けています。そのエネル ギーの多くは化石燃料を消費することで得られており,その結果排出される CO2の影響による温暖 化など地球規模での環境問題が深刻化しています。これら環境問題についての取り組みは様々に なされていますが,今後もエネルギー需要が増加することはあっても,減少することはないでし ょうから,環境にできるだけ影響を与えることなくエネルギーが得られる技術は欠かすことがで きません。中でも,太陽光や風力などいわゆる“クリーンな”自然エネルギーを効率よく活用す るための技術の普及が望まれています。 ここでは,クリーンエネルギーとして一般的に知られている風力発電,熱電発電,太陽光発電 を取り上げ,その基本的なことがらについて説明します。また,このようなエネルギーを利用す る際に必要となる“最大電力取得”についても説明します。 風力発電は,その動力源を風力として,発電機を動作させて電力を得ます。これは風力の力学 的なエネルギーが発電機を通して電気エネルギーに変えられる間接的・異質的エネルギー変換と いうことができます。一方,熱電発電と太陽光発電では,それぞれ熱エネルギーと光エネルギー が直接電気エネルギーに変換される直接的・異質的エネルギー変換ということができます。この ように,自然エネルギーの利用と一口にいってもそのエネルギー変換の形態は本質的に異なるも のになっています。 このような変換形態の違いはあっても,自然エネルギーを利用する上で共通の問題となること がらのひとつに自然現象の変動があげられます。例えば,太陽光であれば,日中は発電できても 夜間の発電はできませんし,日中でも雲が出てくれば得られる電力は小さくなります。また,太 陽光が変動しなくても,風が吹くなどして太陽電池の温度が変われば,その出力特性が変化しま す。したがって,これら自然エネルギーを利用する際には,時々刻々と変化していく自然環境の 中で,環境の変動に伴って変化する電力の出力特性を最も適した状態で動作させる必要がありま す。これが最大電力を取得するということであり,大きな研究課題のひとつとなっています。単 純ないい方をすれば,出力電力というのは最適な動作点を頂上とする山型になっていて,その頂 上部分が最大電力点です。環境が変化すると,この山の形が変わってしまいますので,形の変わ った山の頂上がどこにあるのかを探して,その頂上へ動作点をもっていくことが最大電力取得制 御です。 新聞記者とはどんな仕事だろうか。 読売新聞 山口 博弥    新聞記者とはどんな仕事だろうか。 いろいろなイメージを持たれるだろう。政治・経済・国際・社会など各分野における日々の最 新動向を伝える。隠されている不正を暴く。感動的なヒューマンストーリーを紹介する。知って

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おくと便利な情報を伝える――。 このように記者の仕事と言っても、十把一絡げでは括れない。が、一つ共通することがある。 それは、取材対象者に貴重な時間を割いていただき、話を聞かせてもらうということだ。そして、 良い情報をもらうには取材対象者との信頼関係が欠かせない。  では、読者との信頼関係はどう作り上げていくか。まずは、良い記事を紙面に載せることが基 本。そして次に大事なのが、読者の反響への対応になる。私の職場には毎日、読者からの質問や 相談、意見が、電話やファクス、eメールなどで頻繁に寄せられている。扱っているテーマが病 気や生死の問題だから、読者の姿勢も真剣だ。もちろん医療相談はお断りしているが、それ以外 は誠心誠意対応することが仕事の一環だと考えている。  信頼関係。これは、医療者と患者にとっても重要なキーワードに違いない。言い古されてきた 「医は仁術」「医は心」という言葉でもいい。これまで4年10か月、医療現場を取材し、かつ、 こうした読者の声を日々聞いてきて、ますますこの言葉の重みを痛感する。  「患者は病気が治ることを望んでいる。だから医療技術さえ優れていれば、心なんてどうでも いい」。果たしてそうだろうか。体の病気が治ったからといって、患者が心から安心するとは限ら ない。まして、医療が高度化・複雑化するなか、医療者の激務も相まって、いつ医療ミスが起こ ってもおかしくない状態だ。  医療訴訟を起こした遺族に共通するのは、説明しようとせず、誠意が見られない医療者に怒り を抱いているのである。千葉県の東金病院では、ミスによる死亡直後に院長が遺族に謝罪し、事 故防止対策を講じて公表した。遺族は訴訟も起こさず、今では病院に信頼を寄せている。  また、病気で身内を亡くした家族の悲しみも、生前に心ある医療を受けたかどうかで、その回 復が大きく左右される。ともに死を悲しむ医師の涙で癒されたと語る遺族は少なくない。医療者 は、科学者であると同時に、血の通った人間であってほしい。 「今後に向けて」 東京医科歯科大学 若松 秀俊 この試みが好評であれば、やがて、スポーツ^、文学、それに絵画などの芸術に携わる人々にも協力をお願 いしたいが制度上の限界もある。とにかく、本年はこのように抄録をまとめることに力を注いできた。さ らに一歩進めて、一般教養総合講義として是非とりまとめてみたいと思っている。勿論、ユニークな研究、 総合的研究を行っている大学の教官にも引き続きお願いしたいと思っている。とくに、今話題になってい る東京工大、一橋大、東京外語大の連合に向けての講義や大学間の横断的関係の新しい構築を試み、市民 の聴講参加も呼びかけたい。そして、やがて大学院講義録としてまとめ、社会にも還元したい。 このように考えてくると、大学の教官には自らの専門の研究教育能力はもちろん、必要不可欠であるが、 世の中で広くこうした分野に眼を向け、オーガナイズして学生や社会にその分野の特質を提供で出来る能 力が要求されていることに気づかされる。 また、これに付随して、企業も官庁も大学の教官や職員を招き、少なくとも意見交換の場とその環境を構 築整備し、また学生の受け入れと彼等の社会体験の場を積極的に提供できるようにしていただければと思 っている。とにかく、相互に刺激を与えながら、若き人材の成長とレベルアップを図り、彼等が社会で「美 しく活動できる」環境整備の手助けになるように努力していきたいものである。

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