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Hisao Takayasu Department of Urology, Faculty of Medicine, University of Tokyo Masaaki Ohkoshi Department of Urology, Tokai University School of Medic

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Academic year: 2021

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全文

(1)

複 雑 性 尿 路 感 染 症 に 対 す る Amikacin

と Gentamicin

の 二 重 盲 検 法 に よ る効 果 の 比 較*

西

岐阜大学泌尿器科

国立病院医療セ ンター

北海 道大学泌尿器科 辻

札幌医科大学泌尿器科 熊

東北大学泌尿器科

(現仙台社会保険病院) 宍

東 京大学泌尿器科 高

東海 大学 泌尿器科 大

日本医科大学泌尿器科 川

横浜市 立大学 泌尿器科 高

名古屋保健 衛生大学 泌尿器科 名

徳 島大学泌尿器科 黒

岡山大学泌尿器科 新

九州大学泌尿器科 百

東京医科歯科大学難治疾患研究所

臨床薬理部門

信州大学細菌学教室 寺

COMPARATIVE CLINICAL EFFECT OF AMIKACIN AND GENTAMICIN ON COMPLICATED URINARY TRACT INFECTIONS

BY DOUBLE-BLIND METHOD

Tsuneo Nishiura and Yukimichi Kawada Department of Urology, Gifu University School of Medicine

Tokuji Ichikawa

Director, National Medical Center Hospital

Iwao Nakano

Department of Urology, National Medical Center Hospital

Ichiro Tsuji

Department of Urology, Hokkaido University School of Medicine

Yoshiaki Kumamoto

Department of Urology, Sapporo Medical College

Sentaro Shishido

Department of Urology, Tohoku University

School of Medicine

(Present Institute, Sendai Social Insurance Hospital)

*本 論 文 の 要 旨 は第24回 日本 化 学 療 法 学 会 東 日本 支 部 総 会(昭 和52年10月2O日, 札 幌 市)に て 河 田 幸 道 が 報 告 し た.

(2)

Hisao Takayasu

Department of Urology, Faculty of Medicine, University of Tokyo

Masaaki Ohkoshi

Department of Urology, Tokai University School of Medicine

Hiroshi Kawai

Department of Urology, Nippon Medical School

Shudo Takai

Department of Urology, Yokohama City University School of Medicine

Yorio Naide

Department of Urology, Fujita Gakuen University School of Medicine

Kazuo Kurokawa

Department of Urology, School of Medicine, Tokushima University

Tadao Niijima

Department of Urology, Okayama University Medical School

Shunro Momose

Department of Urology, Faculty of Medicine, Kyushu University

Akira Sakuma

Department of Clinical Pharmacology, Medical Research Institute, Tokyo Medical

and Dental University

Yoshiro Terawaki

Department of Bacteriology, Shinshu University, School of Medicine

In order to evaluate objectively clinical efficacy and appearance of adverse reactions of amikacin (AMK), a

double-blind controlled trial was carried out in patients with complicated urinary tract infections in

com-parison with gentamicin (GM).

The results obtained are follows:

1) Of 212 patients given AMK and GM, 24 were excluded due to inadequacy for entry criteria, and 14

were due to discontinuation of therapy and other incompliances. The remaining 174 patients were completely

eligible for evaluation, each of the 87 patients being treated by AMK or GM.

2) No significant differences were noted between the two treated groups, so far as the background factors

and baseline data of the patients are concerned. The two drug groups are considered to be similar and

com-parable.

3) Clinical evaluation was made after five day administration of 400mg/day of AMK and 80mg/day of

GM in two divided intramuscular doses. The overall favorable response rate was 58.6% for AMK treated group

and 54.0% for GM treated group, and no significant difference at 5% level was observed. The effect on pyuria

and bacteriuria, bacteriological response and improvement in subjective symptoms were also comparable each

other.

4) No significant differences were noted between the two treated groups in the stratified analyses. It was,

however, noteworthy to see relatively higher cure rate by AMK in such patients generally supposed to be

refractory as with the indwelling catheter, mixed infection, and post-prostatectomy infection. Also, AMK is

characterized by being effective on the urinary tract infections induced by GM-resistant organisms.

5) Adverse reactions were assessed in 106 patients of each of two treated groups. Frequency of subjective

adverese reactions and that of abnormal values in laboratory examination were 1. 9% for the two treated

groups. however, when AMK is to be given to aged patients or patients with impaired kidney function, careful

observation is mandatory as with other aminoglycoside antibiotics.

6) As to the utility assessed by the attending physcians no significant difference was noted between the two

drug groups.

7) On the basis of the results AMK is considered to be an agent widely indicated for the treatment of

complicated urinary tract infections, whatever the types of infections, morbid conditions and pathogens might

be.

(3)

緒 言 Amikacin(以 下AMKと 略 す)は, ブ リ ス トル 萬 有 研 究 所 にこお い て 開 発 さ れ た ア ミ ノ配 糖 体 抗 生 物 質 で あ る が, 図1の 如 くkanamycin Aの2-deoxystreptamine部 分 の1位 の ア ミ ノ基 をL(-)-γ-amino-α-hydroxybutyric acidで ア シ ル 化 し た 構 造 を 有 し て い る た めgentamicin (以 下GMと 略 す), dibekacin (以 下DKBと 略 す), tobramycin(以 下TOBと 略 す)な ど を 不 活 化 す る aminoglycoside-6'一acetyltransferaseに ご よ つ て も 不 活 化 さ れ 難 い こ と が 知 ら れ て お り, こ の 点 が 本 剤 の 大 き な 特 徴 と さ れ て い る1).

一 方本剤は筋注 に よ り速 やか に血 中に移行 し, 体 内で

は代謝を受けず, 腎 に

ご高濃度 に

こ分布 した後, 大部分 が活

性 型の まま尿 中に

ご排泄 され, 8時 間までの尿中回収率は

70%以 上 と報告 され てい る2).

また ア ミノ配糖体抗生物質 に

ご共通 して みられ る 聴器

毒性に

こつい ても, 動物実 験の 成績 な どか ら 本剤 はGM,

TOB, DKB, KMな

どよ り低い とされてお り3),

腎毒性

に関 して もア ミノ配糖体 抗生物 質の中では中等 度であ る

と考え られ ている4).

これ らの点か ら本剤 は臨床的 に

こも充分用 い得 る薬剤で

ある と考え られ るが, 本剤 の有用性 に

こつ いてはす でに

ご多

くの報告が なされ てお り, 尿路 感染症 に

ご対す る有 用性に

ついて もす でに

ご異論 のない ところであ るが, 我 々は尿路

感 染症に

ご対す る本剤 の有用性 が限 られた疾患, 限 られた

菌 種に

こ対す るものだけではな く, 広 く複雑性 尿路感染症

全 般にわた るものであ ると考 え, この点を客観 的に

ご評価

す る 目的で二重盲検法 に よる比較検 討を行な うこととし

た.

したがつ て対照薬剤 としては複雑性 尿路感 染症に

ご対 し

て広 く使用 され, その臨床効果 に

こ対す る評 価が・

一定 して

お り, かつ構造, 抗菌 スペ ク トラム, 投与方 法な ども本

剤 と類似 しているGMを

選んだ.

対象および検討 方法

1. 対 象疾患 お よび患者条件

対 象疾患は尿路 に

ご基礎疾患 を有す る複雑性 尿路感染症

図1AMKの 構 造 式 表1研 究 参 加 機 関 研 究 代 表 者 国 立 病 院 医 療 セ ン タ ー 市 川 篤 二

(4)

と し, 患 者 は 表1にご示 す43の 研 究参 加機 関 にご入 院 中 の16 歳 以 上 の 症 例 で あ るが, つ ぎの 規 定 にご該 当 す る症 例 は除 外 症 例 と して, 臨床 効果 の 判定 は 行 な わ な い こ とにこし た. i. 妊 婦 ま た は肝, 腎, 第8脳 神 経 障 害 の あ る患 者. ii. 直 前 ま で ア ミノ配 糖 体 ま た は ポ リペ プ タ イ ド系 抗 生 剤 の よ うな 腎 毒 性 の あ る 抗 生 剤 を 長 期 にこわ た り継 続 し て 投 与 した 患 者. iii. ア ミノ配糖 体 系 抗 生 剤 にご対 して過 敏 症 の既 往 歴 の あ る患 者. iv. 投 与 開 始 時 の尿 中生 菌 数 が104コ/ml未 満 の症 例. ' v. 投 与 開 始 時 の尿 中 白血 球 数 が10コ/HPF未 満 の 症 例. vi. そ の他 効果 判定 委 員 会 が除 外 と認 めた 症 例. な お 検 討 期 間 は, 昭和51年10月 よ り52年3月 にこい た る 6カ 月 間 と した. 2. 供用 薬 剤 検 討 薬 剤 と して はAMK硫 酸 塩20Omg(力 価)を 含 有 す る ア ン プル を, ま た 基 準薬 剤 と して はGM硫 酸 塩 40mg(力 価)を 含 有 す る ア ンプ ル を 用 意 した が, そ れ ぞ れ の ア ン プル は 外観 上 全 く 識 別 出来 な い「よ うにご作 製 し, 両 剤 と、もrBG注 」 と 表 示 して, 1症 例12ア ン プル を1箱 にこお さめ薬 剤番 号 を表 示 した. 薬 剤 の 割 付 け は あ らか じめ コ ソ トロー ラ ーが 行 な つ た. 薬 剤 照 合表 は2通 作 製 し, コ ン トロー ラーお よび 代 表 研 究 者 が 検 討期 間終 了 ま で保 管 した. な お, 薬 剤 の 含量 試 験 は, 薬 剤 割 付 け後, コン トロー ラ ーが 無 作:為にご抽 出 し た両 薬 剤 にこつ い て, 国立 予 防 衛 生 研 究 所 にご依 頼 して 行 なつ た. 含 量 試 験の 方 法 は 日本 抗 生 . 物 質 医 薬 品 基 準 にこ した が い, AMKはBacillus subtilis ATCC 6633株 を 試 験菌 と した 円 筒 平 板法 に よ り, また GMはStaphylococcus epidermidis ATCC 12228株 を 試 験 菌 と して, 円 筒平 板 法 にこよ り行 なつ た. 3. 投 与 方 法 薬 剤 の 投 与 方 法 は両 剤 とも1回1ア ンプ ルを1日2回 (朝, 夕), 筋 注 にこ よ り5日 間 連 続 投 与 した. した が つ て 両 剤 の1日 投 与 量 は, AMKが400mg, GMが80mg とな るが, この よ うな投 与 量 を設 定 した根 拠 と して は, 尿 路 感 染 症 に 対 す るGMの 常 用 投 与 量 と して は1日80 mgが 一 般 的 で あ る こ と, 各 種 尿 路 感 染菌 にご対す るGM の 抗 菌 力 が 平 均 してAMKよ り2管 程 度 す ぐれ て い る こ と, みMK 1回100mg:筋 注 後 の 血 中, 尿 中 濃 度 が GM 1回80mg筋 注 後 の それ にごほ ぼ 等 しい こ とな どにごよ つ た. 4. 臨 床 効果 の 判定 投薬 開 始直 前 お よび5日 間 の 投 薬 終 了 翌 日 にご 自覚 症 状, 検 尿, 尿 培 養 を 行 ない, 臨 床 効 果 の 判定 を 行 な つ た. 臨 床 効 果 は膿 尿 と細 菌 尿 とを 指 標 と して 判定 す る こ と と した が, まず 膿 尿 にこつ い て は 表2の 如 く5段 階 にご分 類, 記 載 す る こ と と し, これ を 図2の 基 準 にこした が い, 正 常 化, 改 善, 不 変 の3段 階 にご判 定 す る こ と と した. ま た 細 菌 尿 にこつ い て は 図3の 基 準 にこした が い, 陰 性 化, 減 少, 菌 交 代, 不 変 の4段 階 にご判 定 したが, 混 合 感 染 例 にこ お い て は総 菌 数 を 指 標 と して判 定 した. これ ら膿 尿 と細菌 尿 との推 移 にこも とづ き, 総 合 臨 床 効 果 は 図4の 基 準 にこした が い, 著 効, 有 効, 無 効 の3段 階 にご判 定 した. な お 自覚症 状 にこつ い て は, 複 雑 性 尿 路 感 染 表2膿 尿 の程 度 の分 類 図2膿 尿 の 判定 基 準, 下 表 の如 く正 常 化 ・改善 ・ 不 変 の3段 階 にご判 定 す る 図3細 菌 尿 の判 定 基 準。 下 表 の 如 く陰性 化 ・減 少 ・菌 交 代 ・不 変 の4段 階 にこ判 定 す る

□:陰

性化

□:減

□:菌

□:不

ただし混合 感 染の場 合は、総菌 数を指標 として判定 する。

(5)

症 にこお け る 自覚症 状 の発 現 率 が低 い こ とか ら, 総 合 臨 床 効果 の指 標 とす る こ とは 不 適 当 と考 え, 有 症 状 症 例 に つ い て の み 自覚症 状 にご対 す る効 果 を別 途 集 計 す る こ とにこし た が, この場 合 基 礎 疾 患 にご由来 す る症 状 は除 き, 尿 路 感 染症 自体 にご由来 す る症 状 の み を選 び集 計 した. また 細 菌 学 的 効果 の 判定 は, 混 合 感 染 例 を 含 め分 離 菌 株 毎 にご消 失 また は 存 続 の い ず れ か にご判定 し, これ を菌 種 別 消 失 率 と して 集 計 した が, この場 合, 投 薬 前 にご認 め ら れ た 場 合 を 消 失 と し, 投 薬 前 にご認 め られ た菌 種 と同 じ菌 種 が 投 薬 後 にこも認 め られ た菌 種 と同 じ菌 種 が投 薬 後 にこも 認 め られ た 場 合 にごは菌 数 にご関 係 な く存 続 と判 定 した. ま た これ とは 別 にご投 薬 前 にご認 め られ な か つ た菌 種 が投 薬 後 あ らた にご認 め られ た 場 合, これ を投 与 後 出現 細菌 と して 集 計 した. 5. 脱 落 規 定 検 討 開 始 前 にご あ らか 一じめ つ ぎ の よ うな 脱 落規 定 を 定 め, そ の い ず れ か にこ該 当 した症 例 は脱 落 例 と して臨 床 効 果 の 判 定 は行 な わ な い こ とにこした. i. 所 定 の 検査 日にご規 定 の検 査(検 尿, 尿 培養)が 行 なわ れ な か つ た症 例. ii. 規 定 通 りに投 薬 が な され な かつ た症 例(副 作 用 にご よ る投 与 中 止 例 も含 む). iii. 検 討 期 間 中 にごBG注 以 外 の 抗 菌 性 薬 剤 が 投 与 さ れ た 症 例. iv. そ の 他 効 果 判定 委 員 会 が脱 落 と認 め た症 例. な お, 除 外, 脱 落 お よび臨 床 効 果 の 判 定 は 代 表 研 究者 (市 川 篤 二), コ ン トロー ラ ー・(佐 久 間 昭)お よび5名 の共 同研 究 者(大 越 正 秋, 西 浦 常 雄, 西 村 洋 司, 河 村 信 夫, 河 田幸 道)か ら成 る効 果 判 定 委 員 会 にこお い て, キ ー コー ド開 鍵 前 にご行 な つ た. 6. MICの 測 定 検 討 期 間 中 にご分 離 され た 細 菌 は, 信 州 大学 細 上菌学 教 室 (寺 脇 良 郎)にこお い て 開 鍵前 にご, AMKとGMのMIC を 測 定 した. MICの 測定 法 は 日本 化学 療 法 学 会 標 準 法 にこした が い, 原液 接 種 と10O倍 希 釈 一菌液 接種 の2系 列 にこ つ いて 行 な わ れ た. また 薬 剤 濃 度 は 両 剤 とも0・39μg/ml よ り200μg/mlにこい た る10段 階 とした. 7. 副 作 用 の 検 討 自覚 的 副 作 用 は 毎 日観 察 し, 副 作 用 が 発 現 した場 合 にこ はそ の種 類, 発 現 日, 持 続 性, 処 置 お よび経 過 な ど を検 討 した が, 第8脳 神 経 障 害 の 発 現 にごは 特 にご注 意 を は ら い, そ の 疑 い の あ る場 合 にごは, 必 要 にご応 じて音 叉 法 や オ ー ジ オ メ トリーにごよ る聴 力 の 検 査 を 適 宜 行 な うこ と とし た. 副 作 用 の 検 討 対 象 は 除 外, 脱 落 例 を含 め, 可 能 なか ぎ り検 討 を 行 な うこ と と した. また 薬 剤 の投 与 前 後 にご下 記 の 臨 床 検 査 を 行 な い, 薬 剤 にごよ る 影 響 の 有 無 を 検 討 し た. i. 血 液 検査:RBC, Hb, WBC ii. 肝 機 能 検 査:GOT, GPT, Al-P iii. 腎 機 能 検査:BUN, s-Cr 8. 有用 性 の 判定 薬 剤 の 有 効 性 と副 作用 等 を総 合 して, 図5にご示 した ア ナ ロ グ ・ス ケ ー ル上 の 目安 を参 照 して, 治 療 担 当 医 が 個 々の症 例 にこつ い て有 用 性 を判 定 した. 9. 統 計 的 解 析 デ ー タの:解析 は 主 と して ノ ンパ ラ メ トリ ック法 を 用 い, 具 体 的 にごはX2検 定 法 あ るい はFisherの 直接 確 立 計 算法, Wilcoxonの2標 本 検 定 法, t一検 定法 な どを 用 い て 行 なつ たが, こ の場 合 危 険 率 は 両 側 危 険 率 を 採 用 し, 危 険 率5%を 有 意 水 準 と した. 図4総 合 臨床 効 果 の判 定 基 準, 膿 尿 と細 菌 尿 の推 移 に基 づ き, 下 表 の如 く著 効 ・有 効 ・無 効 の3段 階 に判 定 す る □: 著 効 □: 有 効 □: 無 効 図5 担 当 医 の 有 用 性 判 定 基 準 薬剤 投 与 終 了時, 治療 担 当医 の 判 断で この薬 剤 の有 効 性, 副作 用 等 を総 合 的 に判 定 し, ス ケ ー ル上 の 目安(悪 い ∼ 良 い)を 参照 に して適 切 な位 置 に必 らず ×印 を記 入 す る. (二度 と使 い た くな い)(ま だ何 ん と も言 え な い)(一 応 は使 え そ うだ)(今 後 もぜ ひ使 い たい)

(6)

10. 開 鍵 検 討 終 了後 調 査 表 を 回 収 し, 記 入 事 項 の確 認, 除 外 お よび 脱 落 の 判定 を 行 な い, 完 全 に治 験 条 件 を 満 たす 症 例 にこつ い ては あ らか じめ定 め た効 果 判 定 基 準 にこした が い効 果 判 定 委 員 会 が 臨 床 効 果 の判 定 を行 な つ た. ま た 副 作用 にこつ い て も, 除 外, 脱 落症 例 中 副作 用 検 討 可能 な症 例 を 加 え, 薬 剤 の影 響 にごよる 副作 用 で あ る か否 か にこつ い て検 討 した. これ ら の 判 定 に 対 す る治 療 担 当 医 の 異 議 が な い こ とを 確 認 し, ま たMICの 測 定 結 果 を 調 査 表 にご記 入 した 上 で, 研 究 参 加 者 全 員 が 出席 し, コ ン トロ ー ラ ー立 会 い の も とにご薬 剤 照 合 表 が 開 か れ た. 結 果 1. 検 討 薬 剤 の含 量試 験 検 討 薬 剤 の 含 量 試 験 の 結果, AMKは 表 示 力 価200mg にご対 し226mg(102. 7%), GMは 表 示 力 価4omgに 対 し 45. 4mg(113. 5%)で あ り, 基 準 にご合 致 す る も ので あつ た. 2. 検 討 症 例 数 薬 剤 の投 与 が 行 な わ れ た 症 例 の 総 数 は表3に ご示 す よ う にご212例 で あ つ た が, そ の 内 訳 はAMK投 与 例, GM投 与 例 と もにご各106例 で あ つ た. 除 外 症 例 はAMK投 与 群 に11例, GM投 与 群 にご13例 あ り, ま た脱 落 症 例 はAMK投 与 群 にご8例, GM投 与 群 にご6例 あつ た が, 除 外 率, 脱 落 率 にご関 して 両 群 は, ほ ぼ類 似 して い た. これ ら除 外, 脱 落 の38例 を 除 く174例 が完 全 にご治験 条 件 を 満 た して い る もの と判 定 され, 背 景 因子 の 検 討, 臨 床 効果 の 判 定 が な され た が, そ の 内 訳 は AMK投 与 例, GM投 与 例 と もにご各87例 で あ つ た. 除 外 お よび 脱 落 の 理 由 は表4に ご示 した が, 除外 理 由 と して は 投 与 前 の 菌 数104コ/ml未 満 また は 陰 性 で あ つ た もの, 膿 尿 が10コ1HPF未 満 で あつ た もの な どが 多 く, 脱 落 理 由 と し て は, 検 査 日 のず れ, 抗 菌 剤 の 併 用 な どが 主 な もの で あ つ た, 3. 患 者 特 性 完 全 にご治 験 条 件 を 満 た したAMK投 与 群, GM投 与 群 の 各87例 にこつ い て背 景 因 子 の 検 討 を 行 な つ た結 果 を表 5にこま とめ て示 す. 性 別 で は両 群 と もにご男 性 が 多 く, 年 齢 で は60歳 台, 70 歳 台 が 多 く見 られ た が, そ の 分 布 にご関 して 両 群 間 にご有 意 差 は 認 め られ な い. 基 礎 疾 患 にこつ い て は, まず カテ ー テ ル 留 置 の有 無 にこよ り2群 にご大 別 し, カ テ ーテ ル 非 留 置 例 を さ ら にご5群 にご細 別 した が, カ テ ー テ ル留 置 率 はAMK 投 与 群 が34. 5%, GM投 与 群 が39. 1%で 有 意 差 は な く, また 全 体 を6群 に 分 類 した 基 礎 疾 患 分 布 にこ関 して も両 群 間 にご差 は 認 め られ な か つ た. 感 染 部 位 に つ い て は カ テ ー テ ル非 留置 症 例 を 腎, 膀 胱, 前 立 腺 床(前 立 腺 疾 患 に 対 す る 手術 後 の 尿 路 感 染 症)の3群 にご分 類 して 検 討 した が, や は り差 は な く, ま た 体 重分 布 にこつ い て も差 は認 め られ な か つ た. 投 薬 前 の 膿 尿 の 程 度 は+, 朴, 什 に 分 類 した が, AMK 投 与 群 にこお い て 若 干 什 側 にご偏 つ た 分 布 を示 して い る も の の, 推 計 学 的 にこは有 意 差 は認 め られ な い. 感 染 状 況 で は 混 合 感 染 例 は 両 群 と もにご16例(18. 4%)で 全 く差 は な く, ま た 単 独 感 染, 2種 混 合 感 染, 3種 混 合感 染 に分 け て そ の 分 布 を 検 討 して もや は り差 は 認 め られ な か つ た. この ほ か 投 薬 前 の腎 機 能 の 状 態 をBUN, S-Crか ら検 討 した が, い ず れ も両 群 間 に 差 は 見 られ な か つ た. つ ぎにご投 薬 前 にご尿 中 か ら分 離 され た 細 菌 の 菌 種 に つ い て み る と, AMK投 与 群 で は87例 か ら105株, GM投 与 群 で は 同 じ く87例 か ら109株 が 分 離 され て お り, これ を グ ラ ム陽 性 球 菌(GPC), グ ラム陰 性 桿 菌(GNB)お よ び そ の他 の細 菌 にこ 大 別 した 場 合, 表6の よ うにご, GNB 表3症 例 内訳 表4除 外 ・脱 落 理 由

(7)

はAMK投 与 群 にこお い て93. 3%, GM投 与 群 にこお い て 91. 7%と 両 群 と もにごGNBが 大 多数 を 占 め て い る が, 両 群 間 にこ差 は認 め られ な い. ま たGPCと して は3種 の菌 種 が 分 離 され て い るが, そ の 分 布 にご 差 は な く, GNBは

これ を8菌 種 にご大 別 した 場 合, 両 群 と もにごPseudomonas が 最 も 多 く, つ い でProteus spp., Klebsiella, E. coliな

どが 多 くな つ て い るが, 8菌 種 の 分 布 にご関 して 両 群 間 にご 差 は 認 め られ な い. MICの 測 定 が 行 な わ れ た 菌 株 は, AMK投 与 群73 株, GM投 与 群72株 で あ つ た. そ のMICを み る と 原 液 接 種 で は 図6の 如 くAMK, GMい ず れ のMICに ご 関 して もAMK投 与 群, GM投 与 群 の 間 で 差 は 認 め ら れ な か つ た が, AMK投 与群 にこ お け るAMKのMIC (A)と, GM投 与 群 にこ お け るGMのMIC(D)と の 間 にごは 有 意 差 が み られ, GMのMICが1. 6管 程 度 す ぐれ て い た. そ こで投 与 薬 剤 にご関 係 な く, MICの 測 定 を 行 な つ た 全145株 にこつ い てAMKのMIC(A+C)と GMのMIC(B+D)と を 比 較 す る と, や は りGMの MICが 有 意 にこ す ぐれ て お り, そ の差 は 約1. 7管 で あつ た. こ の こ とか ら, 先 にこみ られ たMICの 差 は薬 剤 自体 のMICの 差 で あ り, 薬 剤 割 付 け の際 にご生 じた もの で は な い と考 え られ た. ま た尿 路 感 染 菌 にご対す る両 剤 の 抗菌 力 にごは2管 程 度 の差 が あ る と想 定 して 投 与 量 を設 定 した が, この 結果 か ら, 投 与量 の設 定 の 妥 当 性 が 支 持 され た と考 え られ る. 表5背 景 因 子 表6尿 中 分 離 菌 X20=2.718 (φ=2) (p=0.257)

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100倍 希 釈菌 液 接 種 時 のMICは 図7にご示 した が, こ の 場 合 も両 剤 のMICに ご関 して 両 群 間 に 差 はみ られ ず, AMK投 与 群 にこお け るAMKのMIC(A)と, GM投 与 群 にこお け るGMのMIC(D)と の間 にご有 意 差 が 認 め られ, 1. 5管 程 度GMのMICが す ぐれ て い た が, 全 株 につ い て の比 較 で もや は り有 意 差 が 認 め られ, そ の 差 は1. 4管 程 度 で あ る こ とか ら, MICの 相 違 は 薬 剤 自体 に 起 因す る も の と考 え られ た. 自覚 症 状 を 呈 した 症 例 はAMK投 与 群 にご35例(40. 2 %), GM投 与群 にご37例(42. 5%)み られ た が, 発 現 率 に 関 し て両 群 間 に 差 は な く, また 自覚 症状 の 発現 件 数, 個 々の 症 状 の 発 現 率 にこつ い て も表7の 如 く有 意 差 は認 め られ な かつ た. こ の よ うにごAMK投 与 群 お よ びGM投 与 群 の2群 間 にこお いて, 各 種 の 背 景 因 子 にこつ い て 比較 を行 なつ た 結 果 いず れ も有 意 の差 は 認 め られ ず, 両 群 は ほ ぼ 対等 な 集 団 で あ り, 充 分 比 較 が 可 能 と考 え られ た. 4. 臨 床 効 果 完 全 にご治 験 条 件 を 満 た したAMK投 与 群, GM投 与 群 各87例 につ いて, 総 合 臨 床 効 果, 膿 尿 にご対 す る効 果, 細 菌尿 にご対 す る効 果, 細 菌 学 的 効果, 自覚 症 状 にご対 す る 効 果 な ど の臨 床 効 果 の 検 討 が行 な われ た. i. 総 合 臨 床 効 果 総 合 臨 床 効 果 は 表8に 示 す よ うに, AMK投 与 群 で は 著 効16例(18. 4%), 有 効35例(40. 2%), 無 効36例 (41. 4%)で あ り, 著 効 を含 め た有 効 率(以 下 有 効 率 と 略 す)は51例(58. 6%)で あつ た. また, GM投 与 群 で は 著 効13例(14. 9%), 有 効34例(39. 1%), 無 効40例 (46. 0%)で あ り, 有 効 率 は47例(54. 0%)と な り, 著 効 率, 有 効 率 の いず れ にご関 して も両 群 間 にご有 意 差 は 認 め られ な か つ た. これ を まず感 染 状 況 にこよ り, 単 独 感 染 例 と混 合 感 染 例 とにご分 け て検 討 してみ る と, 表9の よ うにご単 独 感 染 例 にこ お い て はAMK投 与 群 の 著 効 率21. 1%, 有 効 率62. 0% にご対 しGM投 与 群 の著 効 率 は16. 9%, 有 効 率 は56. 3% で あ り, 著 効 率, 有 効 率 ともにご有 意 差 は認 め られ な い. 一 方, 混 合感 染例 で はAMK投 与 群, GM投 与 群 と も にご著 効 率6. 3%, 有 効 率43. 8%で あ り, 単 独 感 染 例 にご比 し有 効率 は 低 い が, 両 群 間 の比 較 で は 全 く差 は認 め られ て い な い。 図6投 与 前 分 離 菌 全 株 の 感受 性 分 布(累 積 分 布) 原 液 接種 A: C to=0. 504 (=143)(P=0. 615)A=8. 082 C=7. 917 B:D to=0. B=6. 206 705 (P=143)(P=0. D=6. 486 482) AD to=4. A=8. 296 (=143)(P<0. 001;082 D=6. 486 A+C:B+D to=6. 427 (4=288)(P<0. G01)A+C=8. 000 B+D=6. 345

図7 投与 前 分 離菌 全 株 の 感受 性 分 布(累 積 分 布) 100倍 希釈 菌液 接 種 A:C to=0. 997 (=143)(P=0. 321) A=6. 329 C=6. 014 B:D t0=0. 063 (5=143)(P=0. 950)B=4. 767 D=4. 792 A:D to=4. 416 (=143)(P<0. 00D A=6. 329 D =4. 792 A+C : B+D to=5. 584 (=288)(P<0. 001) A+C=6. 172 B+D=4. 779 表7 自覚 症 状 の種 類 別 発 現 頻度 表8 総 合 臨 床 効 果

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つ ぎ にごカ テ ー テ ル 留 置 と総 合 臨床 効 果 との関 係 は表10 の よ うにご, カ テ ー テ ル 留 置例 で はAMK投 与 群 にご著 効 例 は な く, 有 効 例 は12例(40. 0%)で あ る が, GM投 与 群 で は著 効 率14. 7%, 有 効 率47. 1%で あ り, 著 効 率, 有 効 率 とも にごGM投 与 群 にこお い て若 干 高 くなつ て い る が, 推 計 学 的 に有 意 差 は認 め られ な か つ た. 一 方, カ テ ー テ ル非 留 置 症 例 にこ お い て は, AMK投 与 群 の 著 効 率28. 1 %, 有 効 率68. 4%に ご対 し, GM投 与群 で は 著 効 率15. 1 %, 有 効 率58. 5%で, 両 群 と もにごカ テ ー テ ル留 置 例 よ り 高 い有 効 率 を示 して お り, また 両 群 間 の 比 較 で は, 著 効 率, 有 効 率 と もにごAMK投 与 群 にこ お い て 高 い 傾 向 が み られ た が, 推 計 学 的 にごは有 意 差 を認 め な かつ た. カ テ ー テル 非 留 置 症 例 にこつ い て さ らに 感 染部 位 別 にご総 合 臨 床 効 果 を 検 討 して み る と, 表11の よ うにご 腎感 染 例 にこお い て はAMK投 与 群 の 著 効 率 は35. 3%, 有 効 率 は 76. 5%で あ り, GM投 与 群 で は 著 効 率31. 3%, 有 効 率 75. 0%と な り, 全 く 差 を 認 め な い. 膀 胱 感 染 例 で は ・ AMK投 与 群 の著 効 率 が32. 1%, 有 効 率64. 3%にご対 し・GM 投 与 群 の 著 効 率 は10. 5%, 有 効 率 は73. 7%で, GM投 与 群 の 著 効 率 が 若 干 低 い が, 推 計 学 的 にごは著 効 率, 有 効 率 と もに 有 意 差 は な い. 前 立腺 床感 染 例 で はAMK投 与 群 の 著 効 率 は8○3%, 有 効 率 は66. 7%で あ り, GM投 与 群 で は 著 効 率5. 6%, 有 効 率27. 8%と な り, 他 の感 染 部 位 にご比 し著 効 率 が 低 い が, 両 群 間 の 比 較 で は差 は な く, またGM投 与 群 にこお け る 有 効 率 がAMK投 与 群 にご比 し か な り低 い が, これ も有 意 の 差 で はな か つ た. 同様 にごカ テ ー テ ル非 留 置 症 例 にこつ い て, 基 礎 疾 患 別 にご 総 合 臨 床 効 果 を検 討 した. この 場 合 前 立 腺 術 後 尿 路 感 染 症 は, 先 の 感染 部 位 別 検 討 にこお け る感 染 部 位 前 立 腺 床 にご 一 致す るた め これ を 除 き, 他 の基 礎 疾 患 を4群 にご分 類 し て検 討 した が, 表12の よ うにご各 基 礎 疾 患 毎 の 著 効 率, 有 効 率 にご関 して両 群 間 で有 意 差 は認 め られ て い な い. ま た投 薬 前 の膿 尿 の程 度 別 にご総 合 臨 床 効 果 を 検 討 して み る と, 表13の よ うにご膿 尿+の 症 例 で は, AMK投 与 群 の著 効 率35. 0%, 有 効 率80. 0%, GM投 与 群 の 著 効 率 26. 1%, 有 効 率56. 5%, 膿 尿 升 の 症 例 で はAMK投 与 群 の 著 効 率20. 8%, 『有 効 率66. 7%, GM投 与 群 の 著 効 率15. 6%, 有 効 率56. 3%, 膿 尿 什 の 症 例 で はAMK投 与 群 の 著 効 率9. 3%, 有 効 率44. 2%, GM投 与 群 の著 効 率6. 3%, 有 効 率50. 0%と な り, 両 群 と も著 効 率, 有 効 表9感 染 状 況 と総 合 臨 床 効 果 表10カ テ ー テ ル 留 置 の有 無 と総 合 臨床 効 果 表11感 染 部 位 別 総 合 臨 床 効 果 表12基 礎 疾 患 別総 合 臨床 効 果

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率 は膿 尿 の 程 度 が 強 くな るほ ど低 下 す る傾 向 を示 して い る. ま た 膿 尿 の 程 度 毎 にご両 群 の著 効 率, 有 効 率 を 比 較 す る と, 著 効 率 にこ お い て は いず れ もAMK投 与 群 の 方 が 若 干 高 い 傾 向を 示 し, ま た有 効 率 で は膿 尿+と 升 の 症 例 にこお い て はAMK投 与 群 が, 膿 尿 冊 の 症例 で はGM投 与 群 の 方 が 高 い傾 向 を示 して い る が, いず れ も有 意 差 で は な か つ た. 抗 菌 力 の 点 にこお け る薬 剤 の 特 徴 の ひ とつ と して, GM 耐 性 菌 にご対 して も抗 菌 力 を 示 す こ とが 挙 げ られ て い るの で, この 点 にご関 し て検 討 を 行 なつ た. まずMICに つ い て は, 原 液 接種 時 のGMのMIC が25μg/ml以 上 をGM耐 性 菌 と考 え る と, この よ うな 耐 性 菌 はMICの 測 定 を 行 なつ た145株 中37株(25. 5 %)認 め られ た. これ ら37株 にこ つ い てAMKのMIC を 検 討 す る と 図8の よ うにご, AMKのMICも 高 い も の が 多 い が, AMKのMICがl2. 5μ9/ml以 下 の 菌 株 も7株(18. 9%)認 め られ て い る. つ ぎにごGM耐 性菌 にご対 す る両 剤 の 臨 床 効 果 にこつ い て 検 討 した が, こ の 場 合 混 合 感 染 例 で はMICと 臨 床 効 果 との関 係 が複 雑 化 す るた め, 単 独 感 染 例 にこつ い て のみ 検 討 した. そ の結 果 は表14にご示 す よ うにご投 薬前 の細 菌 が GMに ご耐 性 を 示 した 単 独 感 染 例 は23例 あ り, そ の 内訳 はAMK投 与 群 が9例, GM投 与 群 が14例 で あ つ た が, そ の総 合 臨 床 効 果 はAMK投 与 群 で は 著 効1例, 有 効 4例, 無 効4例 で, 有 効 率 は55. 6%, GM投 与 群 で は著 効 は な く, 有 効2例, 無 効12例 で, 有 効 率 は14. 3%と な り, 症 例 数 が少 ない た め も あつ て, 有 意 の 差 は な い が, AMK投 与 群 にこお け る有 効 率 が 明 らか に 高 く, 抗 菌 力 にご 関 して の本 剤 の特 徴 は臨 床 的 にこも特 徴 あ る成 績 と して反 映 され て い る よ うにご思 わ れ た. ii. 膿 尿 にご対 す る効 果 膿 尿 にご対 す る 効果 は表15にご示 す よ うにご, AMK投 与 群 にこお い て は 正 常 化17例(19. 5%), 改 善22例(25. 3%), 不 変48例(55. 2%)で あ り, 正 常 化 を 含 め た 改 善 率(以 下 改 善 率 と 略 す)は39例(44. 8%)で あ つ た. 一 方 の GM投 与 群 で は 正 常 化14例(16. 1%), 改 善20例(23. 0 表13投 与 前 の膿 尿 の程 度 別 に み た 総 合 臨 床 効 果 表14GM耐 性 菌 に お け る総 合 臨 床 効 果 表15膿 尿 に対 す る効 果 図8GM耐 性 菌 のMIC相 関 図(原 液 接 種)

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%), 不 変53例(6o. 9%)で, 改 善 率 は34例(39. 1%) と な り, 正 常 化 率, 改 善 率 と もにご両 群 間 にご差 は 認 め られ な い. これ を カテ ー テ ル 留 置 の 有 無 にこよ り層 別 して 検 討 す る と, 表16の よ うにごカ テ ー テル 留 置 症 例 にこお い て は, AMK 投 与 群 にご正 常 化 例 は1例 もな く, 改 善 率 は26. 7%で あ る が, GM投 与 群 で は 正 常化 率14. 7%, 改 善 率41. 2%と な り, 正 常 化 率, 改 善 率 と もにご 有 意 差 は ない も の の, GM投 与 群 にこお い て 高 い 傾 向 を 示 して い る. これ とは 逆 にごカ テ ー テル 非 留 置 症 例 にこお い て は, AMK投 与 群 の正 常 化 率29. 8%, 改 善 率54. 4%に ご対 し, GM投 与 群 で は正 常 化 率17. o%, 改 善 率37. 7%と な り, や は り有 意 差 は な い が, 正 常 化 率, 改 善 率 とも にごAMK投 与群 にこお い て 高 い 傾 向 が認 め られ て い る. また 投 薬 前 の膿 尿 の程 度 にこよ り層 別 して検 討 す る と, 表17の よ うにご膿 尿+の 場 合, 正 常化 率 はAMK投 与 群 35. 0%, GM投 与 群3O. 4%, 膿 尿 十トで はAMK投 与 群 の正 常 化 率25. 0%, 改善 率45. 8%, GM投 与 群 の 正 常 化 率15. 6%, 改 善 率37. 5%, 膿 尿 柵 で はAMK投 与 群 の正 常化 率9. 3%, 改 善 率48. 8%, GM投 与 群 の正 常 化 率6. 3%, 改 善 率46. 9%と な り, 両 群 と も 正 常 化 率 は膿 尿 の 程 度 が 強 くな る程 低 下 す るの にご対 し, 改 善 率 は膿 尿 の 程 度 が 強 くな る 程 高 くな る 傾 向を 示 して い る. しか し, 層 別 にご両 剤 間 の 比 較 を 行 な うとい ず れ の 層 にこお い て も正 常 化 率, 改 善 率 と もにご有 意 差 は ない. iii. 細 菌 尿 にご対 す る効 果 細 菌 尿 にご対 す る効 果 は 表18にご示 す よ うにご, AMK投 与 群 で は陰 性 化49例(56. 3%), 減 少1例(1. 1%), 菌 交 代8例(9. 2%), 不 変29例(33. 3%)で あ り, 陰 性 化 を 含 め た減 少 率(以 下 減 少 率 と略 す)は50例(57. 5%)で あ つ た. -・方 のGM投 与 群 で は 陰 性 化44例(50. 6%), 減 少1例(1. 1%), 菌 交 代7例(8. 0%), 不 変35例(40. 2 表16カ テ ー テ ル留 置 の有 無 と膿 尿 にご対 す る効 果 表17投 与 前 の膿 尿 の程 度 と膿 尿 に対 す る効 果

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%)で あ り, 減 少 率 は45例(51. 7%)と な り, 陰 性 化 率, 減 少 率, 不 変 率 の いず れ にご関 し て も両 群 間 で有 意 差 は認 め られ な い. これ を 感 染 状 況 別 にみ る と, 表19の よ うにご単 独 感 染 例 にこお い て はAMK投 与 群, GM投 与 群 と もにご減 少例 は 認 め られ ず, 陰 性 化 率 はAMK投 与群62. 0%, GM投 与 群54. 9%で 有 意 差 は 認 め られ な い. 混 合 感 染 例 で は AMK投 与 群, GM投 与 群 と もにご, 陰 性 化 率31. 3%, 減 少 率37. 5%で, 単 独 感 染 例 にご比 し著 し く低 い が, 両 群 間 の比 較 で は全 く差 は み られ ない. ま た カ テ ー テ ル留 置 の 有 無 にこよ り層 別 して 検 討 す る と, 表20の よ うにごカ テ ー テ ル留 置 症 例 にこお い て はAMK 投 与 群, GM投 与 群 と もにご 減 少 例 は な く. , 陰 性 化 率 は AMK投 与 群 が40. 0%, GM投 与 群 が44. 1%と 差 は な く, また カ テ ー テル 非 留 置 症 例 で はAMK投 与 群 の 陰 性 化 率64. 9%, 減 少 率66. 7%, GM投 与 群 の 陰 性 化 率 54. 7%, 減 少 率56. 6%で, と もにご有 意 差 を認 め な か つ た. 膿 尿 の 程 度 にこよ り層 別 して 細 菌 尿 にご対 す る効 果 を み る と, 表21の よ うにご膿 尿+の 場 合 の 陰 性 化 率 はAMK投 与 群 の80. 0%にご対 し, GM投 与 群 で は56. 9%, 膿 尿 什 の 場 合 の 陰 性 化 率 はAMK投 与 群66. 7%にご対 しGM投 与 群 で は53. 1%と, い ず れ もAMK投 与 群 の 陰 性 化 率 が 高 い が 有 意 差 は な い. 膿 尿 冊 の 場 合 の 陰 性 化 率 は AMK投 与 群39. 5%に 対 し, GM投 与 群 で は43. 8%と, 逆 にGM投 与 群 が 高 くなつ て い る が, これ も 有 意 の 差 は な か つ た. iv. 細 菌学 的 効果 混 合 感 染 例 を 含 め て 分 離 菌 株 毎 にご判 定 した 細 菌 学 的 効 果 を, 尿 中 細 菌 の 消 失 率 と して 表22にご示 した. まず グ ラ ム陽 性 球 菌 にこつ い て は 株数 が 少 な い た め 一括 して検 討 す る と, 両 群 と も にご7株 中6株(85. 7%)が 消 失 して お り, 消 失 率 にご関 して 全 く差 を認 め な い. つ ぎにごグ ラ ム陰 性 桿 菌 に つ い て は, これ を 全 体 と して み た 場 合, 消 失 率 はAMK投 与 群 が70. 4%, GM投 与 群 が63. 0%で あ り, 若 干AMK投 与 群 の 消 失 率 が 高 い が 有 意差 は な い. ま 表18細 菌 尿 に 対 す る効 果 表19感 染 状 況 と細 菌 尿 に対 す る効 果 表20カ テ ー テ ル留 置 の 有 無 と細菌 尿 に 対 す る効 果

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た菌 種別 に 消失率 を 検討 しても, 多 くの 菌種 でAMK

投与群 の消失率が高い傾 向に

ごあるが, いずれ も有意差は

認 め られ なか つ た. 投 与 後 出現 細 菌 は 表23にご示 す よ うにごAMK投 与群 に 22株, GM投 与 群 にご15株認 め られ た が, そ の 出 現 頻度, 菌 種 の 分 布 にご関 して 両 群 間 にご大 差 は 認 め られ て い な い. v. 自覚 症 状 にご対 す る効 果 基 礎 疾 患 に 由来 す る症 状 を 除 き, 尿 路 の 感 染 にご由来す る 自覚 症 状 にこつ い て の み 検 討 を行 なつ た. そ の結 果 は 表 表21投 与 前 の 膿 尿 の程 度 と細 菌 尿 に 対 す る効 果 表22細 菌 学 的 効 果 表23投 与 後 出現 細 菌

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24にご示 す よ うにごAMK投 与 群 で は 自覚 症 状 発 現 症 例35 例 中 消 失 例 は15例(42. 9%), GM投 与群 で は37例 中 消 失13例(35. 1%)で あ り, ま た 発 現 件 数 にご対 す る消 失 件 数 は, AMK投 与 群 で は55件 中 消 失30件(54. 5%), GM投 与 群 で は59件 中28件(47. 5%)で, と もにご 両 群 間 で 有 意 差 を認 め な い. ま た 各症 状 の 消 失 状 況 にこつ い て も 同様 にご, いず れ の症 状 の 消 失 率 にご関 して も有 意 差 は 認 め られ な か つ た. vi. UTI基 準 にごよ る判 定, 最 近 発表 され たUTI研 究 会 にごよ る慢 性 複 雑 性 尿 路 感 染 症 にご対 す る薬 効 評 価 基 準5)にこした が つ て, 総 合 臨 床 効 果 を 判 定 す る と, 表25の よ うにこい ず れ の疾 患 病 態 分 類 にこ お い て も, 著 効 率, 有 効 率 と も にご両 群 間 で有 意 差 は認 め られ なか つ た. また 今 回, 我 々 が採 用 した判 定 基 準 にごよ る成 績 と比 較 し て も, 我 々 の判 定 基 準 が膿 尿 の 判定 にご関 して はUTI基 準 と全 く同一・で あ り, 細菌 尿 にこお け る減 少 と菌 交代 の判 定 が若 干 異 る の み で あ るた め もあ つ て, 著 効 率, 有 効 率 とも にご全 く同 等 で あ つ た. 5. 有 用 性 臨 床 効 果 の 検 討 を 行 な つ たAMK投 与 群, GM投 与 群 各87例 にこつ い て の, 治 療 担 当 医 にごよ る有 用 性 判 定 の結 果 を 図9にご示 した. AMK投 与 群 で は 最小 値0, 中央 値 表24自 覚 症 状 に 対 す る効 果 図9担 当 医 の有 用 性 判 定 ○-○: AMK投 与群 ●-●: G図 投 与群 (P=0. 517) Wilcoxon の 検 定: t0=1.098(P=0. 272) 表25 UTI判 定

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79, 最 大 値100で, 平 均 値 は73. 5±25. 3で あ り, GM投 与 群 で は最 小 値28, 中 央 値68, 最 大 値100で, 平 均 値 は 70. 9±22. 1と な り, AMK投 与 群 は中 央 値, 平 均 値 と も にご若 干 高 い が, そ の 分 布 にご関 して 両 群 間 にご有 意 差 は み ら れ な い. ま たAMK投 与 群 で は80点 以 上 の 高 得 点 症 例 が43例(49. 4%)とGM投 与 群 の36例(41. 4%)に ご比 し多 い 一 方, 19点 以 下 の 低 得 点 症 例 も3例(3. 4%)認 め られ, この た め 両 群 の累 積 百 分 率 曲線 が50点 付近 で 交 叉 して い る点 が 特 徴 的 と 考 え られ る. な おAMK投 与 群 にこお い て0∼9点 の2例 は, い ず れ も臨 床 効 果 が 無 効 で, しか もBUN, S-Crが 上 昇 した症 例 で あ つ た. この ほ か 感 染 状 況, カ テ ー テル 留 置 の 有 無, 基 礎 疾 患, 感 染 部 位, 膿 尿 の程 度 にこよ り層 別 し て, 両 群 の有 用 性 を 比 較 検 討 した が, い ず れ も有 意 差 は認 め られ なか つ た. 6. 副 作 用 i. 自覚 的 副 作 用 自覚 的 な副 作 用 にこつ い て は, 除 外, 脱 落例 を も含 め て 可 能 な か ぎ り検 討 す る こ と と した が, 結 局AMK投 与 群, GM投 与 群 とも に 全 投 与 症 例, 各106例 にこつ い て 検 討 す る こ とが で きた. こ の うち 副作 用 は 表26に 示 す よ うにごAMK投 与 群 にご2例(1. 9%), GM投 与 群 にご3例 (2. 8%)認 め られ た が, 発 現 率 にご 関 して 両 群 間 に 有 意 差 は 認 め られ な か つ た. 副 作 用 の 内 訳 は, AMK投 与 群 の1例 は 第5病 日 よ り乏 尿 と悪 心 を 呈 した 症 例 で, 腎 不 全 を 惹 起 した た め の 症 状 と考 え られ るが, 投 与 終 了 後 にご 消 失 して い る. 他 の1例 は 第2病 日 よ り軽 度 の廣 痒 感 を 訴 え, 患 者 の 希 望 にこよ り第3病 日 にご投 与 を中 止 した 症 例 で あ るが, 投 与 中 止 後 廣 痒 感 は 消 失 して い る. GM投 与 群 で は 第2∼ 第4病 日にご頭 重 感 を 訴 えた1例 が あ り, こ の症 例 は投 与 を 継 続 した が, 第5病 日にごは 自然 にご消 失 し てい る. また 注 射 部 痛 を 訴 えた 症 例 は, 投 与 期 間 中, 注 射 後 にご一 過 性, 軽 度 の疹 痛 を 訴 え た も の であ り, 他 の1 例 は 第2病 日 にご耳 鳴 を 訴 えた た め 投 薬 を 中止 して い る が, 中止 後 耳 鳴 は 自然 にご消失 して い る. ii. 臨 床 検 査 値 の異 常 臨 床 検 査 値 にこつ い て は 各 研 究 機 関 の 正 常 値 を 参 考 と し, 正 常 値 か ら異 常 値 にご移 行 した も の, お よび異 常 値 の 程 度 が さ ら にご増 強 した も のを 表27にこ示 したが, いず れ の 項 目にこつ い て も両 群 間 で 有 意 差 は認 め られ な かつ た. こ の うち薬 剤 の影 響 にごよる と考 え られ た も のは, 表28にご示 す よ うにご血 液 所 見 にご関 し て は両 群 とも にご異 常 値 の発 現 症 表26副 作 用 発 現 症 例 表27臨 床 検 査 値 の異 常

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例 は 認 め ら れ ず, 腎 ○肝 機 能 にご関 し て は, AMK投 与 群 で はBUNが25か ら72にご, S-Crが2. 7か ら6. 5にご上 昇 し た 1例 と, BUNが22か ら50にご, S-Crが0. 9か ら5. 5にご上 昇 し た1例 の 計2例 で あ り, GM投 与 群 で はGOTが25 →146, GPTが12→126の1例, GOT30. 9→50・5, GPT 20. 0→36. 7の1例, GOT55→44→150, GPT36→28 →221, Al-P4. o→5. 5→11. 0, BUN15→20→52, S-Cr 1. 6→1. 5→2. 4の1例, GOT31・8→41. 5の1例, BUN 16. 0→26. 7, S-Cr1. 5→2. 0の1例 の 計5例 で あ つ た が, 異 常 値 発 現 頻 度 に 関 し て 両 群 間 にご 差 は 認 め ら れ て い な い. ま た 投 薬 前 後 にこ お け る 臨 床 検 査 値 の 平 均 値(Al-P にこつ い て はKA単 位 の も の の み)を 表29に 示 し た が, 両 群 と も 白血 球 数 が投 与 後 にご減 少 す る傾 向 を見 せ て い る が, これ は 治 療 効 果 にごよる も の と考 え られ, これ 以 外 にご は 投 薬 前 後 の検 査 値 にご大 差 は認 め られ て い な い. 考 按 1. 臨 床 効 果 にこつ い て 今 回 の我 々 の成 績 で は, AMK1日400mg, 5日 間 の 投 与 にこよ り58. 6%の 有 効 率 を得 て い る が, この 成 績 は 尿 路 にご基 礎 疾 患 を有 す る 複 雑性 尿路 感 染 症 を 対 象 と した 成 績 と し て は, 非 常 にす ぐれ た成 績 と考 え られ よ う. この こ と は, 対 照 薬 剤 と して 用 い たGMが, 現 在, 複 雑 性 尿 路 感 染 症 にご対 す る治 療 薬 と して は, 最 も確 実 な 効 果 を あ げ 得 る薬 剤 と 考 え られ て お り, そ の 有 効 率 が54. 0% で, AMK投 与 群 と全 く有 意 差 を認 め な か つ た こ とか ら も明 らか で あ ろ う. 最 近 複 雑性 尿 路 感 染 症 を対 象 と して 行 な わ れ た ア ミノ 配 糖 体 抗 生 物 質 の二 重 盲検 法 にごよ る検 討 成 績 と して は, DKBとGMの 比 較 検 討6)にこ お け るDKB1日100mg の 有 効 率43. 4%, GM1日80mgの 有 効 率49. 4%, TOB とGMの 比 較 検 討7)にこお け るTOB1日120mgの 有 効 率53. 5%, GM1日120mgの 有 効;率55. 8%な どが 挙 げ られ る が, これ を今 回 のAMKの 有 効 率 と 比 較 した場 合, backgroundの 相 違, 効 果 判 定 法 の 相 違 な どもあ り 一 概 にごは言 え な い が, AMKは これ ら と同等 あ る い は そ れ 以上 の成 績 を あ げ て い る よ うにご思 わ れ る. 層別 集 計 にこお い て も, いず れ も対 照薬 剤 との 間 にご有 意 差 は認 め られ ず, この こ とか ら 本 剤 はGM同 様, 複 雑 性 尿路 感 染症 の い か な る 疾患, 病 態 にこお い て も充 分 な治 療 効 果 を あ げ得 る薬 剤 と考 え られ る. と くにごカテ ー テ ル 非 留 置症 例 よ りは若 干 低 い とは 言 うもの の, カ テ ー テル 留 置 症 例 に お い て も40. 0%の 有 効 率 を示 した こ と, 同様 に 単 独 感 染 例 よ り低 くは あ る が, 混 合感 染 例 にこお い て も 43. 8%の 有 効 率 を示 した こ と, ま た 前立 腺 術後 尿 路 感 染 症 にご対 して66. 7%の 有 効 率 を示 した こ とな どは, 一 般 にご 治 療 効果 の低 い これ らの病 態 を 治 療 す る際 の有 力 な薬 剤 にこな り得 る こ とを示 唆 す る も の で あ り, ペ ニ シ リ ン, セ フ ァ ロス ポ リ ン系 薬 剤 にごは み られ ぬ 特徴 と考 え られ る. 表28薬 剤 の影 響 と判 断 さ れ た 臨床 検 査 の異 常 値 発 現頻 度 表29臨 床 検 査 値 の 変 動(Mean±S・D・)

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な お カ テ ー テ ル 留 置症 例 にこお い て, AMK投 与 群 にご著 効 例 が1例 も認 め られ な か つ た が, カテ ー テル 留 置 症 例 の 細 菌 尿 陰 性 化 率 にこお い て はGM投 与群 と 全 く差 が な く, 膿 尿 にご対 す る効果 に お い て, 膿 尿 正 常 化 例 が1例 も 認 め られ な か つ た こ とか ら, 著 効 例 の 認 め られ なか つ た 理 由 は, カテ ーテ ル 留 置 症例 にこお け る細 菌 陰 性 化 例 にご膿 尿 の正 常化 が み られ な か つ た こ とにごあ る と考 え られ た. 一 般 に膿 尿 の 正 常 化 率 が 低 い 原 因 と して は, 投 薬 前 の 膿 尿 の程 度 が 強 い こ とが 考 え られ るの で, カ テ ー テ ル留 置 症 例 中 細菌 尿 が 陰 性 化 した症 例 にこお け る膿 尿 の 程 度 を 検 討 した が, AMK投 与 群 の12例 で は, 十3例, 卦3例, 帯6例 で あ り, GM投 与 群 の15例 で は, +5例, 什5 例, 帯5例 で, そ の 分 布 にご差 は 認 め られ ず, またGM 投 与 群 で は 冊 で も5例 中2例 にご膿 尿 の 正 常 化 が 認 め られ て い る こ とか ら, 何 故AMK投 与 群 の 細 菌 陰 性 化 例 にこ お い て膿 尿 の 正 常 化 が 認 め られ な か つ た か は 不 明 で あ る. 細 菌 学 的 効 果 にこつ い てみ る と, 菌 種 別 の 消失 率 はGM との 間 にご有 意 差 は な い が, ほ とん どす べ て の菌 種 にこお い てGMよ り若 干 高 い 傾 向 を 示 して お り, こ の こ とか ら も本 剤 は 複 雑 性 尿 路感 染 症 の 治 療 にこお い て, 原 因 菌 の種 類 にご関 係 な く広 く用 い得 る もの と考 え られ る. また 本 剤 は 抗 菌 力 の 面 か ら, GM耐 性 菌 にご対 して も抗 菌 力 を 示 す こ とが 特 徴 と され て い るが, GM耐 性 菌(原 液 接 種 時 の MIC≧25μg/ml)に ご用 い た場 合, GM投 与 例 で は有 効 率 14. 3%で あ るの にご, AMK投 与 例 で は55. 6%の 有 効 率 を あ げ て お り, 症 例 が 少 な い た め 推 計 学 的 にご有 意 差 と は な ら な い が, そ の 有 効 率 は 明 らか にご高 い こ とか ら, 抗 菌 力 にこお け る本 剤 の 特 徴 が 臨 床 的 にこも よ く反 映 され た もの と し て興 味 深 い. 2. 副 作用 にこつ い て 今 回 の成 績 で は 自覚 的 副 作 用 の 発 現 頻度 は1. 9%で あ り, ま た薬 剤 の 影 響 と考 え られ る臨 床 検 査 値 の異 常 を 示 した 症 例 の 頻 度 も1. 9%で あ つ た が, これ は 従 来 報 告 さ れ た他 の ア ミノ配 糖体 系 抗生 物 質 の 副 作 用 発 現 頻 度 にご比 し, む しろ低 い 傾 向 にごあ る よ うにご思 わ れ る. しか し, 本 剤 投 与 にこよ りBUN, S-Crが 上 昇 した 症 例 が2例 あ り, 1例 は72歳 で, 水 腎 症 が あ り, 投 薬 前 の PSPが28%(120分)と 低 下 して お り, ま た他 の1例 は 51歳 で, や は り投 薬 前 のPSPが51%(120分 値)と 若 干 低 下 して い る症例 で あ る こ とか ら, 他 の ア ミノ配 糖 体 系 抗 生 物 質 と同様 に, 高 齢 者 ま た は腎機 能 障 害 例 に 本 剤 を 使 用 す る際 にごは充 分 な注 意 が 必 要 と思 わ れ る.

尿路感染症に

ご対す るAMKの

治療効果 と 副作用を客

観的に

ご評価 す る 目的で, 複雑性尿路感染症を 対象に

ご,

GMを

対照薬剤 として二重盲検法に

ごよる比較検討を行な

つた結果, 次の よ うな結論を得た.

1. 総投与症例212例中, 除外24例, 脱落14例を除 く

174例が完全に

ご治験条件を満たす症例であ り, この174例

について背景因子の検 討, 臨床効果の判定, 有用性の検

討が行なわれたが, その 内訳 はAMK投

与群, GM投

与群 ともに

ご各87例 であつた.

2. 各種の背景因子の検討で は, いずれ も両群間に

ご有

意差はみ られず, 両群 はほぼ対等 な集 団であ り, 充分比

較検討が可能 と考 え られ た.

3. 投与量はAMKが1日400mg,

GMが1日80mg

とし, これを2回 に

ご分 けて筋注 し, 5日 間連続投与を行

なつた後に

ご臨床効果 の判定を行なつた.

総合臨床効果 では, 有 効率はAMK投

与群が58.

6%,

GM投

与群が54.

o%で あ り, 両群間に

ご有意差は認め られ

なかつた. また膿尿に

ご対す る効果, 細菌尿に 対す る効

果, 細菌学的効果, 自覚症状に

ご対す る効果 のいずれに

こお

いて も両群間に

ご有意差は認め られなかつた.

4. 層別集計に

こおいて もやは り両群間に

ご有意差 は認め

られなかつたが, カテ ーテル留置症例, 混合感染症例,

前 立腺御後 尿路感 染症 な どの一般に

ご難治の尿路感染症に

対 して もかな り有 効率の高い点が注 目された.

またGM耐

性菌に よる尿路感染症 に対 して, GMよ

り高い有効率を示す点は本剤の特徴 と考え られた.

5. 副作用 の検討は両群各106例に

こついて 行なわれた

が, 本剤に

ごよる自覚的 副作用 お よび臨床検 査異常値の発

現頻度は, ともに

ご1.

9%で あ り, GM投

与群 との間に

ご有

意差を認 めなかつた. しか し, 高齢者 または腎機 能低下

例に

ご本剤を用 い る際に

ごは, 他の ア ミノ配糖体系抗生物質

と同様に

ご, 腎障害に

ご関 して充分注意を はら う必要がある

もの と考え られた.

6. 治療担 当医の判定 した有用 性に関 して も, 両群間

ご有意差は認 め られなかつた.

7・ 以上の結果 か ら, AMKは

複雑性尿路感染症のい

かな る疾患, 病 態, 原因菌に

ご対 して も広 く用い られ る薬

剤 と考え られた.

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Fujisawa, K.: J. Antibiotics, 25, 695, 1972.

2) 大 久 保 滉, 岡 本 緩 子, 右 馬 文 彦, 上 田 良 弘, 上

(18)

田 敏 彦, 鎌 井 順 広: J. J. Antibiotics, 28, 283, 1975. 3) 秋 吉 正 豊, 佐 藤 喜 一, 中 田 穂 出 美, 田 島 た よ 子, 鈴 木 健, 岸 本 勝 次: J. J. Antibiotics. 28, 288, 1975. 4) 山 作 房 之 輔, 武 田 元, 庭 山 昌 俊, 川 島 士 郎, 岩 永 守 登, 和 田 十 次, 木 下 康 民, 関 根 理, 薄 田 芳 丸: J. J. Antibiotics, 27, 366, 1974. 5) 河 田 幸 道: 第25回 日 本 化 学 療 法 学 会 総 会 (演), 岐 阜, 1977. 6) 市 川 篤 二, 辻 一 郎, 熊 本 悦 明, 宍 戸 仙 太 郎, 百 瀬 剛 一, 川 井 博, 大 越 正 秋, 中 野 巖, 高 井 修 道, 西 浦 常 雄, 新 島 端 夫, 黒 川 一 男, 佐 久 間 昭: 日泌 尿 会 誌, 64, 1053, 1973. 7) 石 神 裏 次, 西 浦 常 雄, 黒 川 一 男, 新 島 端 夫, 百 瀬 俊 郎, 江 藤 耕 作, 岡 元 健 一 郎, 鈴 木 祥 一 郎: 泌 尿 紀 要, 21, 781, 1975. (1977年9月21日 受 付, 特 別 掲載)

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