• 検索結果がありません。

選手強化を妨げている要因分析 : 鳥取県の強化コーチを対象とした調査から

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "選手強化を妨げている要因分析 : 鳥取県の強化コーチを対象とした調査から"

Copied!
16
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

225

選手 強化 を妨 げてい る要 因分析

――鳥取県の強化 コーチを対象 とした調査か ら一―

山 根 成 之 (1991年5月29日受理) 緒 言 第40回国民体育大会 (以下国民体育大会 を「国体」 とい う

)で

,鳥

取県 は総合優勝 を果 した。第 40回国体以前 に開催 された国体で も開催県が総合優勝 を果 しているが

,い

づれの県において も時間 の経過 と共 に風化現象がみ られ

,国

体開催以降の成績 は下降線 をた どっている。 本県において も他県同様

,国

体開催以降の成績 は芳 し くな く

,平

成元年度 の国体 の成績 は第43位 という結果 に終 っている。 鳥取県体育協会 は

,こ

のような成績 を不本意 とし

,①

国体選手強化対策事業 ② ジュニア競技力 向上対策事業 とい う

2本

の柱 を建 て ゝ選手強化 を推進 しているもの ゝ

,平

2年

度 において も成果 が上っているとは言い難い。 そこで

,選

手強化が効 を奏 していないのは何故 なのか

,

どこに問題が潜んでいるのかを知 るため に鳥取県体育協会 に登録 されている強化 コーチに対 し調査 を依頼 し,それ らを分析す ることにより, 今後の選手強化 に関す る対策 の手掛 りを得 ようとす るものである。 調査方法 平成元年度

,鳥

取県体育協会 に力日盟 している競技団体 (37団体

)よ

り選出され

,県

体育協会 に登 録 されている強化 コーチ257名に,日頃強化活動 を進 めて行 く上での悩 み

,問

題点な どを記 した質問 紙 を送付 し回答 を得 た。 調査用紙 は

,以

下のように構成 された。

1.フ

ェイスシー ト 職業

,年

,性

,指

導 している種 目

,指

導者 として全国大会 (中国大会

)に

出場 させた経験 の

(2)

有無。

2.強

化 コーチ自身 に関 しての質 目項 目 (28項)

3.強

化 コーチか らみたプレーヤーに関する項 目 (21項)

4.強

化 を取巻 く環境 に関す る項 目 (21項)

5.全

質問項 目中重要 と思われ る項 目に順位 を付 ける。 調査期間 は平成

2年 5∼

6月である。 結果 と考察

1.調

査の概要

1. 1

フェイスシー ト 強化 コーチ257名に送付 した調査用紙 の内173名か ら回答 を得 た。回収率 は

66.9%で

ある。 その内 資料 として使用出来 ない もの1名を除外 し

,172名

について分析 を試みた。172名の種 目別人数 は表 1に示す。 表

1

種 目別 回答者数 種 目 回答者数 種 目 回答者数 スキー スケー ト アイスホ ッケー 水 泳 漕 艇 ヨッ ト カメー ボウ リング 陸上競技 サ ッカー テエス ホ ッケー ボ クシング ノヾレーボール 体操競技 バ スケ ッ トボール レス リング ウェイ トリフテ ィ ハ ン ドボール 自転車競技 ン グ 6 5 4 8 6 2 2 2 9 3 6 6 3 ・0 ・0 7 3 3 4 4 軟 式庭球 卓 球 軟 式野球 相 撲 フェンシ ング 柔 道 ソフ トボール バ ドミン トン 弓 道 剣 道 ラグ ビー 山 岳 アーチ ェ リー 空 手 銃剣道 クレー射撃 な ぎなた 無記入

(3)

選手強化 を妨 げてい る要因分析 227 平均年令 は39.3才であ り,女性 は

9名

である。コーチ として全国大会 に出場 させた経験者 は142名, 中国大会 にのみ出場 させた経験者15名

,両

方 ともに経験 の無い者13名

,無

回答2名である。 職種 は

,中

学校教員15名

,高

校教員78名

,そ

の他 の公務員26名

,自

営業10名

,そ

の他 (会社員・ 自衛隊員な ど

)43名

1.2

単純集計 名項 目の単純集計 を付表1に示す。

1. 3

重要項 目

3つ

について 全質問項 目中

,最

も重要 と思われ る順 に

3項

目選 び順位 をつけて回答 を得 た。 それ らを集計 した ものを付表 2に 示す。主だった ものを上 げると, 一番大切 と思われている項 目は 仕事が忙 し く指導時間が無い

31

予算があればもっ と強 くす ることが出来 る

12

県のスポーツ行政 に熱意がない

11

プレーヤー は小学校時代か ら指導 されねばな らない

11

二番 目に大切 と思われている項 目は 自分の指導す る種 目の人 口が少い

24

予算があれば もっ と強 くす ることが出来 る

17

練習場所 に不便 を感 じる

14

二番 目にあげられているものは 予算があれば もっ と強 くす ることが出来 る

17

プレーヤー は小学校時代か ら指導 されねばな らない

16

自分の指導する種 目の競技人 口が少い

13

以上 にみ られ るように

,強

化 コーチは日頃

,時

間的要因

,経

済的要因

,競

技人 口

,競

技の低年令 化

,練

習条件 といった事項 に悩 みを抱いていると言 えよう。 しか し

,各

コーチが抱いている悩み は分散 されてお り

,一

番多 くの回答 を得 ている項 目で も

,わ

ずか31名にしか過 ぎない。(附表

2-1, 2-2参

照)

2.因

子分析の結果 次にこれ らの回答 を総合的に捉 える為囚子分析 を試みた。 その結果 について述べ る。

2.1

強化 コーチ自身について 強化 コーチ自身 に対す る質問項 目

(1∼

28)に主囚子法 を行 い

, 9囚

子 (固有値1.0以上

)を

抽 出 した。 そこで得 られた

9因

子 にノーマルバ リマ ックス法 により軸 の直交回転 を行 った。回転後 の固 有値・ 寄与率 は表2の通 りである。

(4)

2

回転後の個有値・寄与率 因 子

I H

v

vⅡ vⅢ

Ix

個 有 値

6.8 13 1.2 1o o.8 0.6 0.5 0.5 0.4

寄 与 率

24.5 5.0 4.5 39 2.9 2.2 1,9 1.8 1,7

累積寄与率

245 294 339 37.8 40,7 42.9 44.8 46.6 48.3

因子負荷量0,4以上 の質問項 目を表3に

,そ

れ らの各囚子の解釈 を行 った結果 を表4に示す。

3

回転後 の因子負荷量 囚 子 質問番号 質 問 頂 負荷 量 I 24 25 23 26 ・5 27 ・4 指導技術・ 作戦 についてわか らない。 試合 の分析 の仕方がわか らない。 チーム ワー ク養成 の仕方がわか らない。 プ レー ヤーの適性 の把握がで きない。 指導 す るスポー ツの技術 が良 くわか らない。 体力養成 の方法が分 か らない。 ケガ な どの応急処置 に困 る。 76500 75160 70707 53979 48744 47704 41306 指導者 としてのプライ ドが もてない。 自分 にはプ レー ヤーの信頼が ない。 指導 に際 し精神 の寄 りどころ (指導哲学

)が

ない。 自分 の指導が これで良 いのか不安 であ る。 自分 の指 導力 に限界 を感 じる プ レー ヤー の′性格 が つかめない。 67421 63768 63578 技術の師範が示 されないので困る。 スポーツ技術 の情報が入 らない。 強化 のための情報が入 らない。 指導者の研修が少ない。 58065 45586 44633 42802 IV どのプ レーヤー を正選手 として使用 して良いかわか らない。 一生懸命 や って もむ くわれ ない。 75263 72105 V 仕事 が忙 し く指導時間が ない。 初 心者指 導 に時間 を とられ る。 70871 55539 VI どの位運動量 をや らせれば良 いのかわか らない。 個人個人 にあった指導が出来 ない。 51949 45300 VII 一生懸命や って も誰 も認 めて くれない。

(5)

選手強化 を妨 げている要因分析 229 第I因子 は

,指

導技術 をはじめ

,作

,チ

ームワー クな どに関 しての養成方法が良 く分か らない という項 目に高い負荷量 を示 しているので「強化方法の因子」 とした。 第

H因

子 は

,指

導者 としてプライ ドが持てない とい う項 目をはじめ

,プ

レーヤーの信頼がない, これで良いのか どうか不安である

,

といった項 目があがってお り

,こ

れ らの意味す る ところは

,日

頃指導 は行 っているもの ゝ

,そ

の指導 にコーチ 自か ら自信 を持 って当っていない とい うものである ので「自信 の困子」である。 第Ⅲ因子 は

,技

術 の師範が示 されないので困 る

,

とい う項 目はコーチがプレーヤーに情報 を提供 す るのに困難 をきた しているもの と解釈出来 るし

,他

の項 目は情報の入手 に困ってい るとい う事 を 意味 していることか ら「情報 の因子」である。 表

4

抽 出 され た因子 因子番号 因 子 解 釈 I

H

III IV

V

VI VⅡ 因 子 囚 子 第Ⅳ困子 は解釈不能である。 第

V因

子 を「時間の囚子」 とした。 第Ⅵ因子 は

,強

化方法 を意味 しているが

,こ

ゝで は「個人指導の囚子」 とした。 第ⅥI囚子 は解釈不能である。 以上 みたように

,強

化 コーチは日常の勤務 と強化指導 とい う時間的制約の中で

,強

化 の為 の情報 不足 に悩み

,こ

れで良いのだろうか とい う不安 の中で

,コ

ーチ としての自信 の もてないま ゝ強化 に 携 っているとい う姿が浮 び上 る。 上述 の如 く幾つかの問題点が指摘 され得 るが

,何

と言 って も重大 な問題 は

,コ

ーチが コーチ とし ての自信 を持 ち得ないで指導に携 っているとい う現状であろう。 日本体育協会の報告(1)に よると

,上

級 コーチ,ス ポーツ指導員等 を対象 とした講習会 を開催 し

,講

習会 の有効性 について調査 した ところ,「参加 して非常 に役立つ」「少 し役立 った」両者 を合せ

,参

加者 の

51.5%の

者が講習会が有効であった旨回答 している。 その結果「指導に自信が持 てるように なった」「人間関係の幅が広がった」な どの肯定的理 由をあげている。 日進月歩す るスポーツ技術及び トレーエ ング方法 に関す る研修 を深 めることによ り

,強

化 コーチ の 子 子   子 の 法 因 因 能 因 導 能 方 の の 不 の 指 不 化 信 報 釈 間 人 釈 強 自 情 解 時 個 解

(6)

達が 自信 を持 って指導 に取 り組 めるよう配慮す ることが急務である。 この ことが同時 に

,強

化 に関 す る情報不足 を補 う為 にも必須 を考 えられ る。

2.2

強化 コーチか らみたプ レーヤーの分析 各強化 コーチが指導 しているプレーヤーについて

,コ

ーチ達がプレーヤーをどのように感 じ

,

ど のように捉 えているか (質問項 目

29-49)に

つ き

,前

頂 と同様 の因子の抽出を行 った。 回転後の固有値・寄与率 を表5に

,固

有値0.4以上の質問項 目を表 6に 示す。 これ らの因子の解釈 を行 った結果 は表

7で

ある。 表

5

回転後 の個有値 因 子

I H

v

個 有 値

4,7 20 1,4 0.7 0.4

寄 与 率

22.6 9.7 7.0 3.6 2.4

累積寄与率

22.6 32.3 393 42.9 45,3

6

回転後の因子負荷量 因 子 質問番号 質 問 項 目 負荷 量 I 34 35 33 38 39 48 41 37 プ レー ヤー に根性がない。 プ レーヤー はい ざ とい う時 プレッシヤー に弱 い。 プ レーヤー にや る気が ない。 プ レーヤーの集 中力がない。 プ レーヤーが実力 を発揮 しない。 プ レーヤーの 自立心が ない。 プ レーヤー は相手 に勝 つのだ とい う気迫 に とば しい。 プ レーヤーの体力がない (すぐ疲 れ る)。 78585 67712 61204 59003 57455 47261 45793 43539 31 30 32 42 プ レーヤーの体格 (身長

)が

劣 ってい る。 素質 のあるプ レーヤーが少 ない。 プ レーヤーの基礎運動技能が劣 っている。 プ レー ヤー にス ピー ドが ない。 78462 76001 54604 54394 29 44 45 49 進学 とスポーツのあ り方で悩む。 プレーヤーの親の理解がない。 プレーヤーの勉強のため練習時間が少ない。 プレーヤーは小学校時代か ら指導されなければならない。 74345 72606 64541 55203 IW 40 43 プ レー ヤーが教 えた ことをなかなか億 えない。 プ レーヤーが依存的である。 63877 58247

(7)

選手強化 を妨 げている要因分析 231 第I囚子 は

,プ

レーヤーに根性がない

,プ

レッシャーに弱い

,や

る気がない

,集

中力がないなど の項 目に高い負荷量がみ られ

,プ

レーヤーのスポーツに対す る取 り組 む姿勢の甘 さを意味 している と考えられるので「競技意欲 の因子」 とした。 第

H因

子 は

,プ

レーヤーの体格

,素

,基

礎運動技能

,ス

ピー ド等が劣悪であるとい う項 目なの で「体格・ 基礎体力の因子」 とした。 第Ⅲ因子で は

,質

問項 目⑩ の解釈が不可能であるが他 の項 目が全てスポーツ と勉強の問題である ので「スポーツ と勉学の困子」である。 第Ⅳ因子 は

,教

えた ことをなかなか憶 えない

,依

存的であるとい う項 目にみ られ るように

,プ

レ ーヤー達の甘 えた姿 とも捉 えることが出来 るが

,

こ ゝでは「自主性 の因子

Jと

した。 表

7

抽 出 され た因子 因子番号 因 子 解 釈 競 技 意 欲 の 因 子 体 格 ・ 基 礎 体 力 の 因 子 ス ポ ー ツ と勉 学 の 因 子 自 主 性 の 因 子 以上の事項 を総合す る と

,強

化 コーチ は日頃接 しているプレーヤーを以下の様 に捉 えていると言 えよう。 即ち

,プ

レーヤー達 の競技意欲 は低 い上 に基礎的体力 に恵 まれてお らず

,し

か もスポーツと勉学 という谷間で悩 んでいるとい う姿である。 選手強化 は

,選

手達 の高い競技意欲 に支 えられ、その上 に適切 な指導があって始 めて結実す るも のである。 ところが選手 の競技意欲 はあまり高 くな く

,強

化 にとっての一番重要な要因が欠除 して いると言わざるを得 ない。 競技意欲 の低 さは

,実

は本県の選手 のみに見 られ る現象で はな く

,我

が国スポーツ界一般 に「ハ ングリー精神が足 りない」 とい う言葉で表わ されている問題で もある。 そのため名方面で競技意欲 (やる気)に 関す る研究 もみ られ る。松 田 らは体協意欲検査

(TSMI)作

成 にあたって

,競

技達成動 機 は

,①

目標への挑戦 ②技術 向上意欲 ③困難 の克服

3つ

の要因か ら成 り立つ とした上で競技 意欲開発 トレーエ ングを提唱 し,具 備すべ き基本的な条件 としての次の5つをあげている。121これ ら に説明を加 えてお く。 lr)個人の目標やチームの目標の構造化 と目標の決定 自己及 びチームの分析 を行 うことにより

,長

所短所 を明 らか とし

,過

去の成績 と照合 し

,達

成可能 な目標 を設定す る。 日標 は段階的に設定 されな くて はな らない。 I H Ⅲ Ⅳ

(8)

(口

)進

歩の程度の客観化 と選手のフィー ドバック 練習 に伴い多かれ少なかれ進歩がみ られ る訳であるが

,進

歩 の度合 を適確 に捉 え

,選

手達 に 理解 し易 く提示す ることによ り

,意

欲 を喚起 し次への目標設定 に役立 てる。 ?け 個人 とチームとの望 ましい関係についての認識 チームの中で

,自

分 はどの ような存在 なのか

,チ

ーム とどのように関 りを持つべ きか

,何

を すべ きかな どの認識 を深める。

0

トレーニング内容の新奇性 選手達が何 に動機づ けられ るか という調査 によると

, 1つ

が 日標設定

, 2つ

が競争場面

, 3

つが新奇性 である とい う。

0

練習内容 は選手達 の納得 のゆ くものであ り,新 奇性 に富む もの が望 ましい。 い 選手個人の自己像やチーム像の意識化 目標 を追求す るには

,自

己及 びチームが どのような姿でなければな らないのか理解 させ

,理

想像 を描 き

,理

想像 に接近すべ く意識 をもたせ る。

2,3

強化 を取巻 く環境の分析 こ ゝでい う環境 とは家庭

,職

場 をはじめ同僚

,経

済的要因等 を含む巾広い要因 を意味す る。従 っ て質問項 目50∼ 70までの分析である。 回転後 の固有値・寄与率 を表8に

,個

有値0,4以上の質問項 目を表9に示す。 これ らの因子の解釈 は表10の通 りである。 表

8

回転後 の個有値・ 寄与 率 因 子

I H

Ш

v

v]

個 有 値

5.3 1.5 1.3 0,7 06 0.5 0.5

寄 与 率

256 7.4 6.5 35 3.1 2.8 2.5

累積 寄与 率

25.6 32.9 39.5 430 461 48,9 51.5

第I因子 には

,予

,経

済的問題 に高い負荷量がみ られ る。次いで後援会

,地

域社会の理解不足 な どであるので「資金 。バ ックア ップの囚子」 とした。 第

H因

子 の項 目番号⑭以外 は強化 を推進 して行 くべ き関係機関の強化 に対する取 り組みの甘 さを 指摘 しているので「強化体制 の因子」である。 第Ⅲ因子 は

,強

化 コーチを取巻 く人達 のスポーツに対 す る理解 のなさと認めることが出来 るので 「職場 。家庭 の理解 の因子」である。 第

V因

子 は「施設・ 用具の因子」であ り

,第

Ⅳ、Ⅵ因子 は解釈不能である。 以上抽出された因子 をみると

,強

化 コーチは地域社会

,職

場 な どでのスポーツに対 す る理解が得

(9)

選手強化 を妨 げてい る要因分析 233 表

9

回転後 の因子 負荷量 表

10

抽 出 され た因子 因子番号 因 子 解 釈 I Ⅱ Ⅲ Ⅳ V Ⅵ Ⅶ 資金・ バ ックアップの因子 強化体制 の因子 職場 。家族の理解の因子 解 釈 不 能 施設・ 用具の因子 解 釈 不 能 解 釈 不 能 因 子 質問番号 質 問 頂 目 負荷量 I 予算が あれ ば もう少 し強 くす る ことが出来 る。 経済 的 自己負担が多 く困 る。 後援会 (父兄・

OB)な

どの組織が な く困 る。 指導時間が もっ とあれ ば もう少 し強 くす る ことがで きる。 自分 の住 んでい る地域社会 の理解 が ない。 71619 66179 64498 52773 51765 県 の強化指導が ない。 強化 に対 す る協会 の態度 が甘 い。 県のスポー ツ行政 に熱意 が ない。 同僚 の人 間関係 が悪 い。 81131 75647 51118 43969 職場 の理解 が ない。 上司 の理解 が ない。 家族 の理解 が ない。 96835 75260 41659 IV 後援会 (父兄・

OB)な

どが 口を出 しす ぎて困 る。 本 県 のスポー ツ レベ ル は全 国中位 に入 るべ きだ。 本 県 のスポー ツ ンベ ル は全 国上位 に入 るべ きだ。 V 用具が不足 してい る。 練習場所 に不便 を感 じる。 VI 勤務 のため指導 に没頭 出来 ない。 51018 51 65 いつ も留守 をす るので家族が犠牲 にな り困 る。 本 県 のスポー ツンベ ル は今 の ままで良 い。 51572 50558

(10)

られない状態で強化 に携 っている。 しか も背景 には強化体制への不満

,施

設用具 な どの不足 に対す る悩みを有 している。 強化 コーチの

56.4%は

「本県のスポーツレベル は全国上位 に入 るべ きだ」 という信念のもとに強 化 に携 っているが

,強

化 を取 り巻 く現実 には厳 しい ものがある。 要 約 鳥取県体育協会 に登録 されている強化 コーチ172名を対象 として,強化 を推進 して行 く上での問題

,悩

み等 につ き質問紙 を用いて調査 した。 調査内容 は,①強化 コーチ自身 に関す る質問 ②強化 コーチか らみたプレーヤーに関する質問 強化 を取巻 く環境 に関する質問等であった。

1.全

質問項 目中

,重

要 と思われ る項 目3つを選 び順位 をつけ回答 を得た。 その結果, 1番目に大切 とされた項 目は「仕事が忙 し く指導時間が無い」 31名

2番

目には「自分の指導す る種 目の競技人 口が少い

J 24名

3番

目には「予算があれば もっ と強 くす ることが出来 る」

17名

であった。

2.因

子分析 の結果

(1)強

化 コーチに関 して

1)強

化方法

2)自

信の因子

3)情

4)時

間 などの囚子が抽 出され

,強

化 コーチの日 頃の悩みが分 った。

12)強

化 コーチか らみたプレーヤーに関 して

1)競

技意欲

2)体

格・ 基礎体力

3)ス

ポーツ と勉学

4)自

主性 な どの因子が抽出され, プレーヤー達の現状の姿が浮彫 りとなった。 ●

)強

化 を取巻 く環境 に関 して

2)資

金・バ ックアップ

2)強

化体制

3)職

場 。家族 の理解

4)施

設・ 用具 な どの因子が 抽出 され

,強

化 を取巻 く現状 は厳 しい ことが理解 された。 上記 の中

,強

化 を推進 して行 く上で重要度が高 く

,関

係者 の努力 により速効 的 に解決可能 と思わ れる課題,「コーチが自信 を持 ち得 るようにする対策」及び「選手の競技意欲 を高めるための対策」 につ き考察 を加 えた。 (因子分析にあたって永山正男氏に多 くの御協力を賜 りました。こゝに深甚の謝意を表 します。)

(11)

選手強化 を妨げている要因分析 235

(注)

)ス

ポーツ指導者養成に関する社会学的研究。昭和61年度日本体育協会スボーツ科学研究報告NoX

)ス

ポーツ選手の心理適性に関する研究。昭和57年度日本体育協会スポーッ科学研究報告NoШ

(3)Haruo Nogawa,MotiVational Techniques Preferred by Coachers and Elite Womela BaSketbaII PlayeFS in Japan women's Basketball Leaguc.日本体育学会第36回大会号

(参考文献)

1)林

保・山内弘継 i達成動機の研究 誠信書房 1978

2)宮

本美沙予;やる気の心理学 創元社 1979

3)調

枝孝治他:スポーツ選手の強化を妨げている要因 昭和61年度広島県体育協会スポーツ医・ 科学桝究報告

4)調

枝孝治他,スポーツ選手の強化を妨げている要因 昭和CO年度広島県体育協会スポーツ医・科学研究報告

5)ズ

保玄次他 :高専学生の競技意欲と集団適応性 との関係について 日本体育学会第35回大会号

6)勝

部篤美・粂野豊編:コーチのための人間学 大修館書店- 1981

7)高

岡英夫,トップアスリー トの精神カー精神力の1養成一体育の科学 41, 4 1991

3)調

枝孝治:スポーツ強化を妨げている要因 昭和62年度広島県体育協会スポーツ医・科学研究報告書

9)叶

平・杉原隆:日本と中国における競技動機の国際比較 スポーツ心理学研究

17-1 1990

(12)

(付表

1-1)選

手 強化 を妨 げてい る要因 についての調査 間 号 賃 番 質 問 項 )% 無回 とてもそう黒う そう思 う 1 仕事 が忙 し く指 導 時 間 が な ψ 83 (485) 41 r,江 nゝ 1 2 自分の指導力に限界 を感 じる 6 54 (31 4Ⅲ 95 (552) (99) 3 指導に際 し精神の寄 りどころ(指導哲学)がなし 20 (116) ・2 7n ′27 1ヽ 7Ⅲ 4 指導者 としてプライ ドが持てなヤ 11 `61 120 (69 8) (22 7) 5 自分 にはプレーヤーの信頼がな 11 (64) r7と128とヽ (19 2)33 6 プレーヤーの性格がつかめなし 26 (15 2) 117 (684) (164) ユ 7 練習時間が もっとあれば強 くすることが出来る 37 (21 Fl) 87 (50 9) 41 イクといヽ 6 1 自分 は指導に対 しての情熱は80%以上発揮 している ・7 99 100 rttR l、 50 (29 1) 5 (29) 指導者の研修が少い 25 81 (47 1) (326) 10 rtt R、 自分の指導が これで良いのか不安である 63 rttA Aゝ 87 (50 6) 13 (76) 11 どの位運動量をやらせれば良いのかわからなし 3 19 (112) 134 (78 8) 2 個人個人 にあった指導ができなし 4 (23) 50 (29 2) 103 (60 2) ・ 4 W 1 自分 とプレーヤー との年齢的ギャップが大 きセ 4 30 (175) 106 (62 0) 31 riR lゝ l ケガ な どの応 急処 置 に因 る ・ 0 開 ・ 0確 ・ 7岬 指導す るスポーツの技術が良 くわからなし 1 ・ 3 tJ6 (558) 62 rttA n、 スポーツ技術の情報が入 らなヽ 8 (47) 44 (25 7) 94 (55 o) 25 (146) 1 どのプレーヤーを正選手 として使用 して良いかわからなし 1 112 (655) (30 4)52 1 技術の師範が示 されないので囚る 1 (06) 22 (128) 120 rAc 負、 29 (169) 強化のための情報が入 らないので困る (47) 51 (29 R】 90 (526) (129) 1 強化するための同志が少い 30 (17 4) 83 (48 3) 一生懸命やっても誰 も認めて くれなセ (12) (lR Rう32 112 (65 9) (141) 2 一 生 懸 命 や っ て もむ くわ れ な し 4 45 (263) (135)23 1 チームワーク養成の仕方がわからなし Z 130 (75 6) (140) 指導技術・ 作戦 についてわか らなし 1 ︲ 6鰯 128 (74 4) 27 (157) 試合の分析の仕方がわか らなし 133 (77 3) (151) プレーヤーの適性の把握ができない ︲ 7蜘 133 (100) 20 (78 2) 2 , 体力養成の方法がわか らなし Z (12) (76 7)132 V 9 9 初心者指導に時間を取 られる 16 (94) 84 (49 1) 1 進学 とスポーツのあ り方で悩む ″3 (140) 61 (37 2) 75 (45 7) 8 素質のあるプレーヤーが少い r,o寅 、34 87 (50 6) 48 (27 9〕 3 プレーヤーの体格(身長)が劣っている 21 (12 2) 72 (419) (35) プレーヤーの基礎運動能力が劣っている 25 rlと Aヽ 93 (54 4) (287) 4 1 プレーヤーにやる気がなし 2 (12) 113 (65 7) ダレーヤーに根1生がなヤ 6 75 (43 6) (500) 5 プレーヤーはいざという時プレッシャーに弱い 21 (12 2) 55 (32 0) 3 (17)

(13)

選手強化 を妨 げている要因分析 237 (付表

1-2)

同 号 冥 番 質 問 項 う:シ( 無 画 答 ヒてもそう思う そう思 う チームのまとまりがない (193) (725) ツ 側 ユ プレーヤーの体力がない(すぐ疲れ る) 9 (52) 99 イ馬7 6Ⅲ 61 3 プ レー ヤ ー の集 中力 が な い (47) (517) (424) 12)2 プレーヤーが実力を発揮しなし r氏891 7ヽ プレーヤーが教えたことをなかなか億 えな (34) (421 (526)tJ0 1 プレーヤーは相手に勝つのだという気追に乏 しヤ raA Rヽ63 1 プレーヤーにスピー ドがな 6 (35) (564) 67 (39 0) 2 (12) プレーヤーが依存的である 8 rと73R クヽ 3 プレーヤーの親の理解がな (21 7)36 (68 7)114 ・3 7 . 8 プレーヤーの勉強のため練習時間が少なし rR9 負、54 (583) (48) 5 プレー ヤー の あが りで 困 って い る 7 (42) 44 (263) 112 (67 1) 4 5 自分の指導する種 目の競技人 口が少なし (38 3〕57 (24 6)42 1 ノレーヤーの自立心がなし (47)8 (49 4)85 (44 2)76 3 プレーヤー は小学校時代か ら指導されねばならな (34 9〕59 (314)53 3 指導時間が もっとあればもう少 し強 くすることがで きる (26 3)45 (52 6)90 (199う34 2 1 いつ も留守をするので家族が犠牲にな り因る (20 6)35 (329) υ 2 対外試合が思 うように出来なヽ (21 2)36 (43 SI74 57 3 2 用具 が 不 足 して い る (146) (327) (480) (47)8 1 練習場所に不便 を感 じる 40 rttQ 7ゝ58 64 rrt7 'ヽ 予算 が あれ ば もっ と強 くす る こ とが で きる (398) (175)30 (06)1 1 経済的自己負担が多 く困る 46 77 2 1 職 場 の理 解 が な セ (211)36 (66 7)114 ・ 3 術 1 家族の理解がなし 2 r7q Rヽ127 24 (140) 上 司 の理 解 が な し (65) (165)28 (67 6)115 (94)16 2 自分の住んでいる地域社会の理解がな 5 r,と A、42 111 rA4 o、 ・ 3 腐 1 県のスポーツ行政 に熱意がなヤ (21 9)37 (34 9)59 (39 6)67 (36)6 3 県の強化指導がなし 1 1 強化に対する協会の態度が甘い (12 9)22 (34 5)59 (49 1)84 (35)6 1 同僚の人間関係が悪い (77 2)132 (146) 1 本県のスポーツレベルは今のままで良し ・ 5 那 65 (38 2) 84 (49 4) 2 本県のスポーツレベルは全国上位 に入 るべ きだ (176) (38 8)66 (88 2)65 2 本県のスポーツレベルは全国中位 に入 るべ きだ (13 6)22 (46 3)75 (30 9)50 後 援 会(父兄 。OB)などの組 織 が な く困 る 70)12 (27 5)47 (579) (76) 1 後援会(父兄・OB)などが口を出 し過 ぎて因る (12)2 122 rク42ヘ 1、 5 勤 務 の た め指 導 に没 頭 で きな し (238) (36 0)

(14)

(付表

2-1)

重 要項 目 として選択 された3項目 質問 番号 質 問 項 目 1番大切 2番目に 大切 3番目に 大切 1 仕事 が忙 し く指導時 間が ない 1 2 自分の指導力に限界 を感 じる 1 指導 に際 し精神 の寄 りどころ (指導哲学

)が

ない 3 指導者 としてプライ ドが持てない 1 5 自分 にはプ レー ヤー の信頼 が ない 1 1 6 プレーヤーの′性格がつかめない 7 練習時間が もっ とあれ ば強 くす る ことが出来 る 7 3 8 自分 は指導に対 しての情熱 は80%以上発揮 している 4 1 9 指導者 の研修 が少 ない 3 自分 の指導が これで良 いのか不安 である 1 どの位運動量 をや らせれば良いのかわか らない 個人個人 にあった指 導がで きない ユ 1 自分 とプ レーヤー との年齢的ギ ャップが大 きい 1 ケガ な どの応急処置 に困 る 1 1 1 指導す るスポー ツの技術 が良 くわか らない 1 スポーツ技術の情報が入 らない 1 1 どのプ レーヤー を正選手 として使用 して良いかわか らない 技術 の師範が示 され ないので困 る 1 強化のための情報が入 らないので困る 3 強化 す るための同志が少 い 3 3 一生懸命やって も誰 も認めて くれない 一生懸命 やって もむ くわれない ユ チームワーク養成の仕方がわか らない 1 指導技術・ 作戦 につ いてわか らない 試合 の分析 の仕方がわか らない プレーヤーの適性 の把握がで きない 体力養成 の方法がわか らない 1 初 心者指導 に時間 を取 られ る 2 進学 とスポー ツのあ り方で悩 む 6 3 素質 のあ るプ レー ヤーが少 い 5 3 プレーヤーの体格 (身長

)が

劣 っている 2 1 プレーヤーの基礎運動技能が劣っている 4 2 プレーヤーにやる気がない 3 プレーヤーに根性がない 2 プ レーヤー はぃ ざ とい う時 プ レッシャーに弱 い 1 2

(15)

選手強化 を妨 げている要因分析 239 (付表

2-2)

問 号 質 番 1番 大切 2番目に 大切 3番目に 大切 チームの ま とま りが ない 1 プレー ヤー の体力がない (すぐ疲 れ る) 1 プレーヤー の集 中力が ない 2 1 プ レーヤーが実力 を発揮 しない 1 プ レーヤーが教 えた ことをなかなか憶 えない プ レーヤー は相手 に勝 つのだ とい う気迫 に乏 しい 3 2 3 プ レーヤー にス ピー ドが ない プレーヤーが依存的である 2 2 プ レーヤーの親 の理解がない 1 2 1 プ レー ヤー の勉強 のため練習時間が少 い 1 3 1 プ レー ヤー のあが りで困っている 自分 の指導す る種 目の競技人 口が少い プレーヤーの 自立心がない 1 プレーヤー は河ヽ学校時代 か ら指導 されね ばな らない 8 指導時間が もっ とあれ ば もう少 し強 くす る こ とがで きる 1 9 いつ も留守 をするので家族が犠牲 にな り困 る 1 対外試合 が思 うように出来 ない 7 用具が不足 してい る 練習場所 に不便 を感 じる 予算が あれ ば もっ と強 くす る ことが で きる 経済的 自己負担が多 く困る 職場 の理解 が ない 1 3 家族 の理解がない 3 上司の理解がない 2 自分の住 んでいる地域社会の理解がない 2 1 県 のスポー ツ行政 に熱意 がない 9 県 の強化指 導が ない 2 1 5 強化 に対す る協会の態度が甘い 3 4 5 同僚 の人 間関係 が悪 い 1 本 県のスポー ツ レベル は今 の ままで良 い 2 本県 のスポー ツ レベル は全 国上位 に入 るべ きだ 2 2 2 本県 のスポー ツ レベ ル は全 国中位 に入 るべ きだ ユ 2 後援会 (父兄・

OB)な

どの組織がな く困る 後援会 (父兄 。

OB)な

どが 口を出 し過 ぎて困 る 勤務 のため指導 に没頭 で きない 1 8 無 回 答 4

(16)

参照

関連したドキュメント

ると︑上手から士人の娘︽腕に圧縮した小さい人間の首を下げて ペ贋︲ロ

変容過程と変化の要因を分析すべく、二つの事例を取り上げた。クリントン政 権時代 (1993年~2001年) と、W・ブッシュ政権

【対策 2】経営層への監視・支援強化 期待要件 4:社内外の失敗・課題からの学び 【対策 3】深層防護提案力の強化 期待要件

パターン1 外部環境の「支援的要因(O)」を生 かしたもの パターン2 内部環境の「強み(S)」を生かした もの

これら諸々の構造的制約というフィルターを通して析出された行為を分析対象とする点で︑構

図表の記載にあたっては、調査票の選択肢の文言を一部省略している場合がある。省略して いない選択肢は、241 ページからの「第 3

★分割によりその調査手法や評価が全体を対象とした 場合と変わることがないように調査計画を立案する必要 がある。..

(79) 不当廉売された調査対象貨物の輸入の事実の有無を調査するための調査対象貨物と比較す