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愛工大生の帰宅困難者予測

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Academic year: 2021

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愛工大生の帰宅困難者数予測 大野修平 e加藤優毅@西村雄一郎@正木和明 1 背景@自的 近年、都市の防災対策の中で、帰宅困難者と帰宅支援が、社会的な問題になっている。帰宅困難者の問題点とし て、居住地以外での避難支援が必要となること、普段利用しない徒歩での長距離帰宅が必要となること、家族と の安否確認連絡が困難である点などが挙げられる。大学施設に関する防災対策としても、災害時にどれほどの学 生が帰宅困難者として、大学での避難支援を必要とするか事前に把握する必要がある。

パーソントリップ調査は、「どのような人がJiいつJi何の目的でJiどこからJiどこへJiどのような交通手段 で」動いたかについて調査し、 1日のすべての動きを捉えるものである。大j訳、松本(2007)は、愛工大生に対 して防災意識調査とパーソントリッフ調査を行い、災害時の意識、行動を明らかにした。しかしながら、学生の 行動パターンは、曜日、学年、専攻によって異なると予想される。 そこで本研究では曜日、専攻、学年が異なる学生を対象としてパーソントリップ調査と防災意識に関するアンケ ート調査を行い、通学手段、大学内滞留率、帰宅困難者数、安否確認方法等について実態を明らかにする。 2.

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耳究方法 3.調査方法 ノ号ーソントリップ、安否確認に関する アンケート調査

デイリーパス@トリップ数@通学手段・ 大学内滞留人口・帰宅困難者ー 居住分布・アルバイト先a 安否確認方法認知度調査

学年・専攻別比較

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愛知工業大学生の行動@防災意識の実 態解明 図l 研究のフローチャート 表 l 調査方法 愛知工業大学の学生を対象に、講義中にアンケ ート用紙を配布し、パーソントリップ調査、お よび防災に関する意識調査を行った。 対象日 第 1回 平成 20年7月11日 (金) 実施日 平成 20年7月14日(月) 対象者 土木工学専攻 1年生・2年生・3年生 人数 160人 第 2回 平成 20年12月17日(水) 平成 20年12月18日(木) 建築学専攻建築コース 1年生 建築学専攻住居デザ、イン コース 1年生 122人

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4.調査データの基本的集計による学生行動の特徴 本章では学生の1日の行動を、パーソントリップデータを用いて分析し、学生の詳しい時空間変動を表した。また、 トリップ数を目的別に分け、学生の行動の目的を分析することを行った。また、学生の代表交通手段を表した。 4.1 デイリーパス デイリーパスとは、人の 1日の行動を、 XY軸 上の空間、 Z軸上の時閉そ示す 3次元の時空間上 で連続的な位置を示すパスとして表示したもので ある。図2は学生のデイリーパスであり、青は移動、 赤は滞在を示している。これをみるとほとんどの 学生が昼間は大学に滞留し、他の場所に移動して いる学生は少ない。大学に向かつて移動して、大 学から自宅へ帰宅している様子が良く分かる。ま た愛知県全体に広く分布しており三重県や豊橋な ど遠方から通学している様子が分かる。専攻、日 時による差は見られない。 4.2 1日のトリップ数 3.50 中京都市圏総合都市交通計画協議会が平成13年10 3.00~ 月に実施した第4回パーソントリップ調査結果(以 2.50 下H13PT調査)と平成 19年 10月に愛知工業大学で 童話2.00 行われた調査(以下H19愛工大学生)と本研究で調主 査した愛工大学生の平均トリップ数在、目的別に分け主1.50 て図3に示した。トリップとは、人がある目的をもっ .100 て、ある地点からある地点まで移動することの総称で 0.50 あり、目的が変わるごとに、 lつのトリップと数える。 0.00 24 : 口口 21 : 0日 図2 学生のデイリーパス 1回の目的で様々な交通手段を使い、乗り換えを行っ 建築1年生土木 1年生土木2年生土木3年生 H19愛工大学生H13PT調査 た場合でも lつのトリップとして数える。 図3 愛工大の学生と H13PT調査の目的別トリップ数の比較 4.3 代表交通手段別利用率 H13PT調査 移動の際に利用される代表交通手段の利用率を比較し たものを、図4に示す。代表交通手段とは、 1つのト H19愛工大学生 リップの中でいくつかの交通手段を利用した場合に、 そのトリップの中で利用した交通手段の中で代表的な 交通手段のことをいう。代表交通手段の集計上の優先 順位は、 H13PT調査に従い、鉄道→パス→自動車→ 二輪車(自転車、原付、自動二輪車)→徒歩の順とし てある。 土木3年生 土木2年生 土木1年生 建築1年生 。 目 20% 40目 60目 80目 100目

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5.帰宅困難者の算出 以上のパーソントリップ調査のデータから、次に大学における時刻別の帰宅困難者数の推計を行う。今回の調査 では、「帰宅できない」と回答した人を帰宅困難者

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%

として、割合を算出した。

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時刻別大学内滞留人口

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九 図5は時刻別の大学内に滞留している人口割合で ある。滞留者の中で帰宅できないと回答した人の 割合を赤色で示した。この図を見ると、

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時から

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時の間には滞留率が90%以上と一日の中で最 も多くの学生が大学内に滞留しており、帰宅でき ないと回答した人は 60%で帰宅できないと回答し た人の割合が多くなった。

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帰宅困難者a徒歩通学者比率

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時刻(時) 図5 時刻別大学内滞留人口 図6では、災害時に徒歩で帰宅できるかという質問に対して、 37%が徒歩で帰宅可能と回答し、残り 63%が 徒歩での帰宅不可能と回答した。図6はその中で災害時に大学への宿泊を希望すると回答した者と宿泊を希望し ないと回答した者の割合を示した。 40 帰宅可能な学生のうち 9%が大学での避難を希望 しており、帰宅困難者数よりも多くの学生が大学 30% での避難を必要すると考えられる。また帰宅不可 能にも関わらず大学に留まらないと回答した

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20覧 %の学生は二次災害などで被災する可能性が高 く、大学としてはそのような学生を大学に留める 1倒 必要がある。 0% 6. 災害時帰宅可能者@不可能者 図6 徒歩で帰宅可能者と帰宅困難者の比率 本章では距離・通学時間・交通手段などの点から、災害時に大学から徒歩で帰宅ができる・できない答えた学生 について比較を行い、帰宅可能者と不可能者についての検討を行う。

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学生の居住分布 図7は災害時に大学から徒歩で帰宅できると答えた学生の居住地の位置を青の点、徒歩で帰宅できないと答えた 学生の居住地の位置を赤の点でプロットした。愛知工業大学を中心に帰宅可能とされる半径

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圏内を青の破 線、

lkm

ごとに帰宅困難者が 10%ずつ増加されるとされる半径

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圏内を赤の破線で示した。帰宅できると 答えた学生の多くは

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圏内に分布しており、学生が帰宅可能・不可能の判断をするうえで自宅までの距離 を最も重要としているといえる。 図

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は学生の居住分布在大学からの距離別割合で示した。仮に大学から自宅までの距離が

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k

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以上を帰宅困 難とすると、 55%の学生が帰宅困難者となる。帰宅可能とされるlO

km

以内でも帰宅できないと答えた学生や、 帰宅不可能とされる

20km

以上でも帰宅できると答えた学生がおり、誤った判断は災害時、被災する可能性が ある。

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図7 愛工大学生の居住分布図 45% 40

弘「戸二-二--一一一一一一一一一一

一 一 -35% 30覧 25% 20覧 15覧 10% 5目 。首 ....10km 1O""'15km 15"""20km 20km-図8 愛工大学生の距離別帰宅困難割合 次に帰宅困難者を算出した。学内滞留人口は、 2008年 12月11日に行われた避難訓練参加学生の2906人(大 学対策室会議)とした。訓練は 12時頃に行われており、学内滞留人口のピークと一致する。滞留人口に対し、 55%の帰宅困難者が発生するとすれば、大学での帰宅困難者は約1600人となる。 100覧 6.2 帰宅可能者e不可能者の通学時間

揮宅でき

図9は通学にかかる時間別に、帰宅できる学生とできない 60覧

学生の割合を表したものである。一部例外があるものの、 通学にかかる時間が29分未満の学生は、帰宅できると答 40弘 え、 30分以上59分未満の学生は帰宅できる・できない 20見 が半々で、 60分以上かかると大半が帰宅できないと答え 。覧 ている。 会争点n."':.I{> ...

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通学時間(分)

図9 アンケートで徒歩による帰宅ができないと答えた学生の通学時間別割合 6.3 通学に用いる代表交通手段別比率 徒歩 図10は交通手段ごとに帰宅できる人・できない 人の割合を示している。これそ見ると交通手段が 二輪車 徒歩や二輪車で通学している人の多くは帰宅でき るとしており、自動車では帰宅できる人・できアよ自動車 い人がほぼ同じ割合、交通手段が鉄道の人の8割 は帰宅できないとなっている。 鉄道 。目 20見 40覧 60覧 80首 100首

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7.学外時に起こる災害の可能性 学生は大学や自宅だけではなく、目的に応じて、様々な場所で行動している。このため、災害の発生する時刻に よっては、大学外、自宅外で被災する可能性がある。この章では、学外時に災害が起きた場合について検討する。 7.1 目的別滞留人口 100% 図11は水曜日、金曜日の時刻別大学外外出率を示したも のである。災害発生後に、登校途中や帰宅途中の学生が大 80% 学に来る可能性があるため、大学にいる学生の割合だけで自0% はなく、大学外の外出割合も把握しておく必要がある。金 40% 曜日の 15時以降の外出率が高くなっており、次の日が休 みであることが関係していると考えられる。 20% 0%

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2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 図11 水曜日、金曜日の時刻別大学外外出率 8. 有効な安否確認方法 災害時に有効な安否確認方法手段として、災害用伝言夕、 100目 イヤル、災害用ブロードバンド伝言板、携帯電話災害用 80% 伝言板がある。安否確認方法別の認知度を図 12に表し た。どの安否確認方法も認知度が低く、実際に利用した酬 人はいないに等しい。 40目 20% 。 百 9.結論 災害用伝宮古fイ71レ 災害用7ロードバンド伝雷板 鶴帯電話災害用伝雷板 図12 安否確認方法の認知度 大学からの距離による帰宅困難者の算定では、約 1600人となった。しかし、アンケート調査では学生9%が帰 宅可能と判断しながら大学での避難を希望すると答えた。このような学生も、大学に留まる可能性が高いため、 備蓄する必要がある。よって、最大で約1900人が大学に対し、避難支援を求めると予想される。これは、在籍 学生数の約 1/3にあたる。そこで、大学としては最大1900人近くが大学内に避難することを想定したうえで、 避難場所の準備、食料確保といった対策をとる必要があると考えられる。一方で、学生の居住地を把握したうえ で帰宅の不可を判断し、宿泊、または帰宅を促す必要がある。 学外行動に関しては、曜日などで変動が大きく学生の状況を把握することが困難であり、アルバイト先など、学 生の個人属性を大学が把握する必要がある。学内だけでなく、通学途中で被災した場合にも速やかに安否確認が できるように安否確認手段を広報するなどの取り組みが必要である。また、大学が独自に安否確認メールシステ ムを導入することも有効であろう。 意識と行動に違いがあり、これを正しめる必要がある。防災教育などにより、自宅からの距離、通学時間、交通 手段から、学生の帰宅可能。不可能の正しい判断をすることが必要である。

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参考文献 1) 大撮期馬、松本圭介 :パーソントリップ調査による学生の災害時行動調査に関する研究、愛知工業大学 防災研究室、卒業研究、 2008 2) 大{弗俊泰、島田廉 :都市防災計画のための都市内移動者の時空間分布推定、 首都圏大震災軽減のための実践的都市地震工学研究の展開:平成 17年度成果報告シンポジウム予稿集 2006.3 3) 大仰俊泰、田中怜 : 地震時における都市内滞留者の帰宅意思と帰宅行動のモデル化、首都圏大震 災軽減のための実践的都市地震工学研究の展開:平成 19年度成果報告シンポジウム予稿集、 pp.103-108、 2008.3 4) 大イ弗俊泰 :休日パーソントリップの推定方法について、 日本建築学会大会学術講演梗概集 (F-1)、 pp.771-772

2007.8 5) 黒崎ひろみ、中野晋、小川宏樹、岡部健士、村上仁士 2006年度工学部新入生を対象とした防災教育 の実施と防災意識調査、大学教育研究ジ、ャーナル、 No.4 pp.15-21、2007 6) 木村欧、林玲能成、鈴木康弘、飛田潤 : 名古屋大学における防災訓練の実施と継続的な防災教育の試み、 土木学会安全問題討論会、 06論文集、 pp.49-54、2006 7) 梶田将司、太田芳博、若松進、林能成、間瀬健二 : 名古屋大学における安否確認システムの構築と試 験運用、 名古屋大学情報連携基盤センターニュース、 Vo.l6、No.2、2007.5 8) 中京都市圏総合都市交通計画協議会:(http://www.tyukyo-ptgrJp),2003

図 7 愛工大学生の居住分布図 4 5 % 40 弘「戸二‑二‑‑一一一一一一一一一一 一 一 ‑35% 30覧25% 20覧15覧10% 5目。首....10km 1O&#34;&#34;'15km  15&#34;&#34;&#34;20km  20km‑図 8 愛工大学生の距離別帰宅困難割合 次に帰宅困難者を算出した。学内滞留人口は、 2008 年 1 2 月 1 1 日に行われた避難訓練参加学生の 2906 人(大 学対策室会議)とした。訓練は 1 2 時頃に行われており、学内滞留人口のピークと一致

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