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(1)

膜型混合バイオリアクターとビフィズス菌

特異的増殖因子を利用した生菌製剤の生産

(課題番号09650870)

平成9年度∼平成1 0年度科学研究費補助金(基盤研究C)

研究成果報告書

平成11年3月

研究代表者 谷 口 正 之

(新潟大学工学部教授)

(2)

は じ め に 研究代表者は「膜型混合バイオリアクターとビフィズス菌特異的増殖因子を利 用した生菌製剤の生産」に関して,平成9年度文部省科学研究費補助金を申請し, 採択された。本報告は,上記研究の成果を総括したものである。 ビフィズス菌とその発酵物は,腸内菌叢の改善,腐敗産物の生成抑制,便性改 善等の体調節機能(整腸作用)ばかりでなくコレステロール低下作用,免疫賦活 作用(発癌抑制作用)などの各種生理効果を有する。したがって,ビフィズス菌 は特定保健用食品いわゆる機能性食品中の有効成分として,また生菌製剤として も非常に有用な乳酸菌である。研究代表者らは,これまでに膜漉過型バイオリア クターを用いたスターター微生物としての乳酸菌やビフィズス菌の生産および乳 酸菌による抗生物質,芳香成分,酵素などの有用物質の生産について既に報告し てきた。 本研究では,有用物質の生産に混合培養を積極的に利用することを目的として, 2種類の酵母の混合培養,乳酸菌と酵母の混合培養およびビフィズス菌とプロピ オン酸菌の混合培養について検討した。すなわち,第一にバイオマス加水分解物 からのエタノール生産の効率化を図るために,キシロース発酵性酵母とグルコー ス発酵性酵母の混合培養について検討した。第二に乳酸菌による機能性多糖ケフ イランの生産に対する酵母の存在の影響について検討した。また,各種食品の保 存性を向上するために必要な天然の安全な抗菌剤として,ビフィズス菌とプロピ オン酸菌の混合培養物の生産について検討した。この混合培養においては,これ らの2種類の微生物を用いた逐次転換法によって高い抗菌活性を有する天然抗菌 剤の効率的な生産を試みた。さらに,ビフィズス菌に対するプロピオン酸菌培養 物の増殖促進作用を解析e利用するために,膜型混合バイオリアクターを新規に 開発した。この装置を用いて別々の培養槽でビフィズス菌とプロピオン酸菌を培 養し,ビフィズス菌とプロピオン酸菌の菌体生産について検討した。 以上の研究成果は,微生物間の相互作用を解析し,それらの相互作用を利用し て有用物質を生産する新規プロセスの開発にとって有益な知見を提供していると 確信している。 <i >

(3)

研究組織

研究代表者:谷 口 正 之 (新潟大学工学部教授)

研究経費

平成9年度       1,800千円

平成10年度         1,400千円

計         3,200千円

研究発表

(1)学会誌等 1)谷口正之: ビフィズス菌とプロピオン酸菌の混合培養. 生物工学会誌,第7堵巻4号 p.303-305 (1996).

2) M. Taniguchi, T. Tohma, T. Itaya and M. Fujii :

Ethanol Production丘om a Mixture of Glucose and Xylose by Co-Culture of

Pichia stipitis and a Respiratory Deficient Mutant of Saccharomyces cereγisme。

J. Ferment. Bioeng., Vol.83, No.4, 364-370 (1997) , M. Taniguchi, T. Itaya, T. Tohma, and M. Fujii

Ethanol Production from a Mixture of Glucose and Xylose by a Novel Co-Culture

System with Two Fermentors and Two Micro filtration Modules. J. Ferment. Bioeng., Vol.84, No.l, 59-64 (1997).

4)谷口正之:

プロピオン酸菌によるビフィズス菌増殖因子の生産. 生物工学会誌,第75巻5号 p-366-367 (1997).

5) M. Taniguchi, H. Nakazawa, O. Takeda, K. Hoshino, and T. Tanaka : Production of a Mixture of Antimicrobial Organic Acids from Lactose by Co-Culture of Bifidobacterium longum and Propionibacterium freudenreichii. Biosci. Biotechnol. Biochem., Vol.62, No.8, 1522-1527 ( 1998).

(4)

6)谷口正之: 食用乳酸菌による化粧品素材としての機能性多糖の生産とその改質. 財団法人コスメトロジー研究振興財団研究報告書Vol. 6, 27-34 (1998). 7)谷口正之: 微生物間相互作用の解析と混合培養システムの開発. 化学工学論文集,第25巻2号,印刷中(1999). 8)谷口正之: 食品微生物間相互作用の解析と"擬混合培養法''の開発. 酵素工学ニュ-ス No.41.印刷中(1999). (2)口頭発表 1)堀内賂史,飛田和宏,三揮克博,金子 勉,谷口正之: プロピオン酸菌によるビフィズス菌特異的増殖因子の生産. 日本農芸化学会大会(京都),講演要旨集 p.127 (1996年3月). 2)飛田和宏,三洋克博,堀内終史,森 浩暗,金子 勉,谷口正之: プロピオン酸菌代謝産物のビフィズス菌に対する増殖促進作用. 日本生物工学会,講演要旨集 p.64 (1996年10月). 3)三洋克博,飛田和宏,堀内終史,伊揮佳久平,金子 勉,谷口正之: 混合培養におけるビフィズス菌特異的増殖促進物質の作用. 日本生物工学会,講演要旨集 p.65 (1996年10月). 4)堀内格史,飛田和宏,三洋克博,金子 勉,梅沢 彰,谷口正之: オンライン乳酸コントローラを用いたプロピオン酸菌の培養によるビフィ ズス菌特異的増殖促進物質の生産。 日本生物工学会,講演要旨集 p.65 (1996年10月). 5)野村真志,板谷貴広,田中孝呪谷口正之: 食用乳酸菌による機能性多糖ケフイランの効率的生産. 化学工学会第6 2年会(東京),講演要旨集第1分冊 p.118 (1997年3月). < 111 >

(5)

6)飛田和宏,三洋克博,堀内格史,田中孝明,金子 勉,谷口正之: プロピオン酸菌の生産するビフィズス菌特異的増殖促進物質の作用とその 効率的生産. 化学工学会第6 2年会(東京),講演要旨集第1分冊 p.119 (1997年3月). 7)堀内牌史,飛田和宏,金子 勉,梅沢 彰,谷口正之: プロピオン酸菌によるビフィズス菌特異的増殖因子の生産. 日本農芸化学会大会(東京),講演要旨集 p.246 (1997年4月). 8)飛田和宏,堀内賂史,白石典生,金子 勉,梅沢 彰,田中孝明, 谷口正之: オンライン乳酸コントローラを用いたプロピオン酸菌の培養によるビフィ ズス菌特異的増殖促進物質の効率的生産. 日本生物工学会(東京),講演要旨集 p.93 (1997年9月). 9)谷口正之,野村真志,田中孝明: 乳酸菌によるケフイラン生産に対する酵母の存在の影響. 日本農芸化学会大会(名古屋),講演要旨集p.2 (1998年4月). 10)白石典生,飛田和宏,佐藤信之,金子 勉,梅津 彰,田中孝明, 谷口正之: プロピオン酸菌によるビフィズス菌特異的増殖因子の効率的生産. 平成10年度日本生物工学会(広島),講演要旨集 p.216 (1998年9月). ll)山田英登,飛田和宏,橋本克夫,金子 勉,田中孝明,谷口正之: 膜型混合バイオリタクタ-を用いたビフィズス菌の効率的生産. 日本生物工学会(広島),講演要旨集 p.216 (1998年9月). 12)谷口正之,山田英登,橋本克夫,金子 勉,田中孝明: ビフィズス菌とプロピオン酸菌の相互作用を利用した菌体の同時生産. 日本農芸化学会大会(福岡),講演要旨集,印刷中(1999年4月). <iv>

(6)

目  次 第1章 序 論-一一一一--一  一一一一一-I---I--I-一  一一一一一一一1---I- 1 1. 1 微生物間相互作用 1. 2 混合培養を利用した有用物質の生産 1. 3 本研究の目的 第2章 酵母の混合培養による複合糖基質からのエタノール生産一一一   6

2. 1 緒論

2. 2 実験材料と実験方法

1)酵母と培地

2)植菌

3)比酸素消費速度の決定

4) p. stipitis ¥こよるエタノール生産 5)混合培養によるエタノール生産 6)分析方法 2. 3 結果 1 )エタノール生産に対する酸素供給の影響 2)比酸素消費速度の制御の効果 3)二段階培養と逐次培養によるエタノール生産 4)混合培養によるエタノール生産 2. 4 考察 第3章 膜型混合バイオリアクターを用いた複合糖基質 からのエタノール生産 …一一一一一 一 一一一一1一一一一ー_-  …- 13

3. 1 緒論

3. 2 実験材料と実験方法 1)酵母と植菌 2)膜型混合バイオリアクター 3)混合培養系の液混合特性 4)単独培養によるエタノール生産 <v>

(7)

5)混合培養によるエタノール生産 6)分析方法 3. 3 結果と考察 1)単独培養によるエタノール生産 2)従来の混合培養によるエタノール生産 3 )膜型混合培養系の特性 4)膜型混合培養によるエタノール生産 5)エタノール生産性の比較 第4章 擬混合培養法による機能性多糖ケフイランの生産  --- - ---19

4. 1 緒論

4. 2 実験材料と実験方法

1)ケフイラン生産菌とその培養培地

2)培養方法

3)ケフイランの回収 4)ケフイランの精製 5)ケフイランの分子量測定 6)分析方法 4. 3 結果と考察 1)酵母エキスの影響 2)通気ガス組成とpH制御の影響 3)ラクト-ス濃度の影響 4)ェタノール添加の影響 5)ケフイラン生産量の比較 6)ケフイランの部分精製 7)ケフイランの分子量 8)精製ケフイラン量の比較 4. 4 総括 第5章 ビフィズス菌とプロピオン酸菌の混合培養 による抗菌物質の生産   -        一   一   一1 27 <vi>

(8)

5. 1 緒論

5. 2 実験方法

1)微生物菌株

2)培養方法

3)ホエー培地の調製

4)抗菌活性の測定

5)分析方法

5. 3 結果と考察

1 )有機酸の抗菌活性

2)単独培養による抗菌性培養物の生産

3 )混合培養による抗菌性培養物の生産

4)培養物の抗菌活性の比較

第6章 膜型混合バイオリアクターを用いたビフィズス菌の生産一一一一一一33

6. 1 緒論

6. 2 実験方法および実験装置 1)微生物と培地 2)混合培養 3)分析方法 6. 3 実験結果および考察 1 )プロピオン酸菌培養上澄み液の添加効果 2)従来法の混合培養 3)膜型混合バイオリアクターの液混合特性 4)膜型混合培養 5)乾燥菌体濃度の経時変化 6. 4 結論 第7章 全体の総括   一一日一一    一一 ‥  一一一---‥-I--42 <vii>

(9)
(10)

第1章 序 論

1. 1 微生物間相互作用 人類は,微生物の存在を認識していない時代からワイン,ビール,清酒,チー ズ,ヨーグルト,味噌,醤油,漬物などの数多くの発酵食品の製造に微生物を利 用してきた。このように直接眼に見えない微生物を利用して,生活に役立てきた 人類の英知は,誠に驚くべきものである。その後,微生物の存在が明らかにされ, その性質と能力が解明されるにつれて,特定の微生物がもつ優れた生産能力を利 用しようとする方向-と研究は進められ,微生物利用学は飛躍的に発展を遂げて きた。すなわち,微生物を用いた有用物質の生産は,純粋分離した優秀な微生物 による純粋培養を基本にして発展してきている。ところが,自然界において微生 物は他の微生物をはじめとして植物や動物と相互に影響しあいながら共存してお り,単一の微生物だけで生存していることは希有であると思われる1)。 Aとαの2種の(微)生物間での相互作用の組み合わせは,無関係な場合を (o),プラスの場合を(+).およびマイナスの場合を(-)とした時 00, ++, 一一 +-, +oおよび-0の6種類となる2)。これらのうち,不偏(中立)関 係(neutralism)をはさんで正の相互関係は協調的関係を示す。一方,負を含む相 互関係は敵対的関係と呼ばれる。協調的関係としては,一方は利益を受けるが他 方は影響を受けない片(偏)利共生(commensalism),両方の種の生存に利益があ り,互いに相手がいなくてもよい原始協同(protocooperation),および両方の種の 生存に利益があり,互い相手がいないと生存できない相利共生(mutualism)の関 係がある。敵対的関係としては,一方の種が他を抑制し,その種は他からの影響 を受けない片(偏)害作用(amensalism),両方が互いに他種を抑制する競争 (competition) ,一方の種が他を攻撃しながら他に依存する場合で,一般に攻撃者 は宿主より小さい寄生(parasitism),および寄生と同じく,一方が他を攻撃しな がら他に依存するが一般に攻撃者は被攻撃者より大きい捕食(predation)などがあ る。どんな2種間の個体の関係においても,影響が正確に0となることはめった にないであろうが,問題にならないくらい小さいときには0と考えられる。また, 強い影響が存在しても,正の効果と負の効果が相殺して0となることも考えられ

(11)

-1-る。したがって,お互いの影響が0である中立関係においても,必ずしも種間に 相互関係がないことではない。また,片利共生にしても相利共生しても 2, 3 の物質についての受益バランスからみることは比較的容易であろうが,個体の利 益が総合された種の個体数の増加という面から,相互作用を解析することは非常 に困難になるであろう。このように微生物の相互関係は,たとえ2種の間であっ ても複雑である。しかし,一般に長い進化の歴史の上で,寄生者が片利共生者を 経て相利共生者に進化するのは自然のプロセスである。このことは「今日の敵は 明日の友」と言い表される。 1. 2 混合培養を利用した有用物質の生産 微生物間相互作用を積極的に活用したバイオプロセスとは何であろうか。従来, 各種アルコール飲料や乳製品などの発酵食品の製造および活性汚泥法やメタン発 酵法などの排水処理において,複数の微生物が関与する混合培養を積極的に利用 してきた1)。しかし,混合培養系における各微生物の挙動や相互作用はブラック ボックスであり,あるインプットに対して経験的な予測に基づくアウトプットを 期待して混合培養を利用している状況にあると思われる。混合培養系内の各微生 物の挙動および上述したような相互作用を定量的に解明することは,混合培養系 の安定化や積極的な制御のために不可欠である。したがって,これまでにも混合 培養に関するモデリングやダイナミックスについて多くの研究が実施されてい る。ところが,複数の微生物を同一の空間内で培養する従来の混合培養において は,個々の細胞数の計測だけでも煩雑であり,まして個々の微生物の性質に合わ せて培養環境を制御することは非常に困難である。しかし,混合培養系を定量的 に解析するための培養装置は,これまでほとんど開発されていない。実験書には, セロファン膜によって隔てた2重培養管が記述されているが,この装置は振とう 培養や通気培養には適さない。最近,田中らは底部にメンブランフィルターを装 着した培養槽を2台連結した混合培養解析装置を開発し, Saccharomyces cerevisiae とZymomonas mobilisをモデル菌株として混合培養した結果を報告している3)0 この装置を用いることによって,両菌の細胞数は容易に計測できる。また,上記 の培養槽を3台連結した混合培養解析装置を用いて,サイレージの発酵過程(乳 酸発酵,酪酸発酵および乳酸発酵を阻害する微生物群)に関与する微生物群の混

(12)

-2-合培養を行い,比較的低温では乳酸発酵が支配的であり,高温になるにしたがっ て酪酸発酵が活発になる環境を再現できることを明らかにしている。さらに,磨 敗菌の最適な培養温度においても,活発に乳酸発酵を行い,腐敗を抑制する乳酸 菌の分離に成功し,高温においても高品質のサイレージを調製できることを示し ている4)。 混合培養系における微生物間の相互作用を解明できれば,それらの相互作用を 積極的に利活用した有用物質の合成,有用細胞の生産,物質の機能変換,物質の 迅速分解などを目的とした,バイオプロセスの開発に発展できると考えられる。 特に,自然界の中で寄生者が片利共生者を経て相利共生者-とどのような方法で 進化してきたのか,あるいは両共生関係においては物質レベルでどのように協調 しているのか,などが解明されれば,バイオプロセスにおいて単一の微生物だけ を用いても微生物間の相互作用を模倣した現象を再現することが可能になると考 えられる。 1. 3 本研究の目的 以下で紹介する結果は,現段階では微生物間の相互作用を積極的に活用した混 合培養プロセスと言うよりは,単純に「2種の微生物を用いたバイオプロセス」 について検討したという方が的確であろう。すなわち,まず2種の食品微生物を 用いた逐次転換反応によって安全な抗菌性物質の生産について検討した5, 6)。ま た, 2種の酵母が別々の培養槽で異なる環境条件でも増殖できる膜型混合バイオ リアクターを開発し,この装置を用いてグルコースとキシロ-スからなる複合基 質からのエタノール生産について検討した7, 8)。さらに,発酵乳ケフィア中の乳 酸菌と酵母と相互作用に注目して,機能性多糖ケフイランの生産について検討し た9)。 以上の結果を踏まえて,プロピオン酸菌とビフィズス菌の相互作用に着目し, それらを解析するとともに,生菌製剤としてのビフィズス菌の生産-応用するこ とを検討した。従来,ビフィズス菌自体を効率よく生産する培養手段として, 1) 天然物由来の栄養源を添加する方法, 2)増殖に阻害となる代謝産物(乳酸と酢 酸)を何らかの分離手段(例えば漉過,抽出,吸着,電気透析など)で除去する 方法10 13) 3)増殖促進物質(各種オリゴ糖など)を利用する方法などが従来

(13)

-3-検討されている。また, Kaneko らはプロピオン酸菌の培養液および菌体抽出物 が各種ビフィズス菌の増殖を促進すること,またその増殖促進作用はビフィズス 菌に対して特異的であることを報告している14)最近,このプロピオン酸菌が 生産するビフィズス菌特異的増殖促進物質(B G S :Bifidogenic Growth Stimu-lator)は2-アミノ-3-カルポキシー1,4-ナフトキノンであることを明らかにして いる15)。そこで,プロピオン酸菌の培養液を利用したビフィズス菌の効率的生 産を最終目的として,膜型混合培養法を用いてビフィズス菌とプロピオン酸菌の 間の相互作用および菌体生産について検討した。

文 献

l) Bailey, J. E. and D. F. 0111s ; Biochemical Engineering Fundamentals 2nd ed.,

p. 854- 902, p. 903- 964, McGraw- Hill Book Co, New York, USA (1987)・

2)柳田友道;微生物の生態18,p.1-15,学会出版センター,東京(1992). 3)田中秀夫; "混合細胞培養の新しい展開"化学工学秋田大会,講演要旨集

p. 170-173, (1993).

4) Kuwahara, I, S. Ohmomo and H. Tanaka ; Screening for Lactic Acid Bacteria for

Silage-Making by Simulated Ensilage, Proc. Annual Meeting of Soc. Ferment. Bioeng. Japan, , p.205, Tsukuba, Japan(1993).

5) Nakazawa, H., O. Takeda, T. Itaya and M. Taniguchi ; "Enhancement of Antimicrobial Activity of Bifidobacterial Culture by a Mixed Culture, Proc. Annual Meeting of Japan Soc. Biosci. Biotechnol. Agrochem., p.66, Tokyo, Japan

(1994).

6) Taniguchi, M., H. Nakazawa, O. Takeda, K. Hoshino and T. Tanaka : 'production of a Mixture of Antimicrobial Organic Acids from Lactose by Co-Culture of Bifidobacterium longum and Propionibacterium freudenreichii ' Biosci. Biotechnol. Biochem., 62, 1522-1527 (1998).

7) Taniguchi, M., T. Tohma, T. Itaya and M. Fujii ; Ethanol Production of a Mixture of Glucose and Xylose by C0-Culture of Pichia stipitis and a Respiratory Deficient Mutant of Saccharornyces cerevisiae " J. Ferment Bioeng., 83, 364-370 (1997). 8) Taniguchi, M., T. Itaya, T. Tohma and M. Fujii ; Ethanol Production of a Mixture

(14)

-4-of Glucose and Xylose by a Novel Co-Culture System Using Two Fermentors and Two Micro filtration Modules," J. Ferment. Bioeng., 84, 59-64 (1997).

9) Nomura, M., T. Itaya, T. Tanaka and M. Taniguchi ; Production of Useful polysaccharide (Kefiran) by a Lactic Acid Bacterium of a Food Microorganism, Proc. Annual Meeting of Soc. Chem. Eng. Japan, No. 1, p.118, Tokyo, Japan

(1997).

10) Taniguchi, M., N. Kotani and T. Kobayashi ; High Concentration Cultivation of Bifidobacterium longum in Fermentor with Cross-Flow Filtration, Appl. Microbiol. Biotechnol, 25, 438-441 (1987).

ll) Taniguchi, M., K. Hoshino, K. Shimizu, I. Nakagawa, Y. Takahashi and M. Fujii ; Rapid Production of Pediococcus halophilus Salt-Tolerant Cells by a Cultivation Method Employing Gradual Increase of NaCI Concentration Using a Fermentor with Micro filtration Module," J. Ferment. TechnoL, 66, 633-641 (1988). 12) Taniguchi, M., I. Nakagawa, K. Hoshino., T. Itoh, K. Ohno and M. Fujii ;

Production of Superoxide Dismutase from Streptococcus lactis Using a Bioreactor with a Micro filtration Module, Agric. Biol. Chem., 53, 2447-2453 (1989) ・

13) Taniguchi, M., K. Hoshino, Y. Urasaki and M. Fujii ; Continuous Production of an Antibiotic Polypeptide (nisin) by Lactococcus lactis Using a Bioreactor

Coupled to a Micro filtration Module," J. Ferment. Bioeng., 77, 704-708 (1994) ・ 14) Kaneko, T., H. Mori, M. Iwata, and S. Meguro ; "Growth Stimulator for

Bifidobacteria Produced by Propionibacterium freudenreichii and Several Intestinal Bacteria, J. Dairy Sci., ll, 393-404 (1994).

15) Mori, H., T. Sato, N. Takemoto, T. Kamiyama, Y. Yoshiyama, H. Sato, S. Meguro, and Kaneko, T. ; Isolation and Structural Identification of

Bifidogenic Growth Stimulator Produced by Propionibacterium freudenreichii, ' J. Dairy Set, 80, 1959-1964 (1997).

(15)

第2章 酵母の混合培養による複合糖基質

からのエタノール生産

第2章は下記より転載した。

Ethanol Production from a Mixture of Glucose and Xylose by Co-Culture of Pichia stipitis and a Respiratory Deficient Mutant of Saccharomyces cerevisiae.

(16)

第3章 膜型混合バイオリアクターを用いた

複合糖基質からのエタノール生産

第3章は下記より転載した。

Ethanol Production from a Mixture of Glucose and Xylose by a Novel Co-Culture System with Two Fermentors and Two Micro filtration Modules.

(17)

第4章 擬混合培養法による機能性多糖

ケフィランの生産

第4章は下記より転載した。

食用乳酸菌による化粧品素材としての機能性多糖の生産とその改質. 財団法人コスメトロジー研究振興財団研究報告葺Vol. 6, 27-34 (1998).

(18)

第5章 ピフィズス菌とプロピオン酸菌の

混合培養による抗菌物質の生産

第5章は下記より転載した。

Production of a Mixture of Antimicrobial Organic Acids丘om Lactose by

C0-Culture of Bifidobacterium longum and Propionibacterium freudenreichii. Biosci. Biotechnol. Biochem., Vol.62, No.8, 1522-1527 ( 1998).

(19)

第6章 膜型混合バイオリアクターを用いた

ビフィズス菌の生産

(20)

第6章 膜型混合バイオリアクターを用いた

ビフィズス菌の生産

6. 1 緒 論 ビフィズス菌およびその発酵物は,腸内菌叢の改善,腐敗産物の生成抑制,倭 性改善等の体調節機能(整腸作用)ばかりでなくコレステロール低下作用、免疫 賦活作用(発癌抑制作用)などを有することが既に実証されている。そこで,各 種発酵食品のスターター微生物としてばかりでなく, 「宿主の腸内菌叢のバラン スを改善することにより,宿主にとって有益な作用をもたらす生きた微生物とそ れらの腸内増殖促進物質」と定義されるプロバイオテイクス(生菌製剤)として ビフィズス菌を利用することが検討されている。一般に,ビフィズス菌自体を効 率よく生産する培養手段として, 1)天然物由来の栄養源を添加する方法, 2) 増殖に阻害となる代謝産物(乳酸と酢酸)を何らかの分離手段で除去する方法(例 えば漉過,抽出,吸着,電気透析などの分離方法), 3)増殖促進物質(各種オ リゴ糖など)を利用する方法などが従来検討されている。著者らは,膜漉過型バ イオリアクターを用いたスターター微生物としての乳酸菌やビフィズス菌の生産 1-3)および混合培養による有用物質の生産性向上 蝣7)について既に報告してきた。 また最近, Kaneko らはプロピオン酸菌の培養液および菌体抽出物が各種ビフィ ズス菌の増殖を促進すること,またその増殖促進作用がビフィズス菌に対して特 異的であることを報告している。 8) そこで本研究では,プロバイオティクスとして有用などフィズス菌を効率よく 生産することを目的として,ビフィズス菌に対するプロピオン酸菌培養液の増殖 促進作用を利用する培養方法について検討した。すなわち,新規に作製した膜型 混合バイオリアクターを用いて別々の培養槽でビフィズス菌とプロピオン酸菌を 培養し,両菌を同時に効率よく生産する方法について検討した 9, 10) 6. 2 実験方法および実験装置 1)微生物と培地 ビフィズス菌としてBifidobacterium adolescentis,プロピオン酸菌として

(21)

-33-propionibacterium fieudenreichiiを用いた。培地としてグルコース,ペプトン,酵 母エキスを主成分とするTPY培地(pH6.5)を用いた。 2)混合培養 a)混合培養 1台の培養槽を用いる従来の混合培養では,ビフィズス菌とプロピオン酸菌を 同時に植菌した。植菌比は,ビフィズス菌の生菌数1に対して増殖速度が遅いプ ロピオン酸菌の生菌数を30となるように調整した。 b)膜型混合培養 図6-1は膜型混合バイオリアクターの概略を示す。この装置は, 2台の培養 槽と2本の膜モジュールを組み合わせて作製した。まず, 2台の培養槽にビフィ ズス菌とプロピオン酸菌をそれぞれ植菌し,次のようにして培養液の相互循環を 行った。一方の槽の培養液を6のローラ-ポンプによって膜モジュール内に送り 漉過する。漉過された培養液は, 7のペリスタポンプによってもう一方の培養槽 -移される。もう一方の培養槽においても,同様にして培養液を漉過して,別の 培養槽-移す。漉過する液量は, 4の液面計と連動した7のペリスタポンプによ って制御し,両培養槽内の液量が常に一定になるようにした。 3)分析方法 菌体濃度は,濁度または乾燥重量を測定することによって求めた。また生菌数 はビフィズス菌の場合にはTPY寒天培地を用いて,プロピオン酸菌の場合には 乳酸ナトリウムを含むYEL寒天培地を用いて,それぞれ測定した。乳酸,酢酸 およびプロピオン酸は電気伝導度検出器を備えた高速液体クロマトクラフィーに よって,グルコースは酵素法によって,それぞれ測定した。 6. 3 実験結果および考察 1 )プロピオン酸菌培養上澄み液の添加効果 まず,ビフィズス菌の回分培養において,培地にプロピオン酸菌の培養上澄み 液を添加した。初期の増殖速度は,上澄み液を添加した場合,上澄み液を添加し ない対照の培養の場合に比べて多少遅くなった。しかし,上澄み液を添加した場 合には,培拳10時間目以降も増殖を続け, 24時間目における濁度は,対照の培 養に比べて約1.5倍に達した。したがって,プロピオン酸菌の培養上澄み液中に

(22)

-34-○卓上77-メンタ- ①膜モジュ-ル ①pHコントロールユニット ①液面計    ①ァルカリ液  ①ローラーポンプ ○ペリスタポンプ ㊤ェァ-フィルター①フローメーター ⑲ガス混合器

図6-1膜型混合バイオリアクターの概略

図6-2 従来の混合培養

(23)

-35-はビフィズス菌の増殖を促進する物質が存在すると考えられる。 2)従来法の混合培養 図6-2は,ビフィズス菌とプロピオン酸菌を同時に植菌して混合培養を行っ た結果を示す。選択培地を用いて測定した両菌の生菌数の変化からわかるように, 培養初期において両菌ともわずかに生育した。この点は濁度(両菌の合計として の値)の培養初期における増加と対応している。しかしその後,ビフィズス菌は 急激に死滅し10 b cells/ml以下となった。一方,プロピオン酸菌の生菌数はわ ずかしか減少しなかった。プロピオン酸菌は,ビフィズス菌が生産した乳酸を酢 酸とプロピオン酸菌に変換できるため,乳酸は培養期間を通してほとんど検出さ れなかった。結局,菌体濃度はビフィズス菌の単独培養の結果に比べてほとんど 増加しなかったと考えられる。この混合培養においてプロピオン酸菌の生産する ビフィズス菌増殖促進物質が作用しなかった理由は,現在のところはっきりわか っていない。 3)膜型混合バイオリアクターの液混合特性 図6-3は,実際に培養する前に,膜型混合バイオリアクターの液混合の特性 を調べた結果を示す。混合特性は,グルコースをトレーサーとして一方の培養槽 に添加し, 2台の培養槽内のグルコース濃度の変化を追跡することによって調べ た。図6-3bは,培養液の循環流速を一定にして,漉過流速を0.175, 0.35お よび0.70 1血rに変えた時の実験結果を示す。両培養槽のグルコース濃度は,漉過 流速を遠くすることにより,短時間のうちに等しくなった。図6-3aは, 2台 の培養槽内が完全混合であり,膜モジュールがないと仮定した時のグルコース濃 度の計算結果を示す。計算結果は,実験値とほぼ一致した。したがって,漉過流 速を調節することにより培養液の混合の程度を制御できることがわかった。 4)膜型混合培養 図6-4は,膜型混合バイオリアクターを用いて,漉過流速を0.35 1/hr とし て混合培養を行った結果を示す。混合培養は,先ほど示した1台の培養槽を用い た混合培養と同様,ビフィズス菌とプロピオン酸菌の生菌数の比を1対30 とし て行った。図6-4aはビフィズス菌槽の結果を,図6-4bはプロピオン酸菌 槽の結果をそれぞれ示す。菌体濃度は,両培養槽から培養液をそれぞれサンプリ ングすることにより,濁度として容易に測定できた。また,両培養槽中のグルコ

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-36-図6-3 膜型混合バイオリアクターの液混合特性

図6-4 ビフィズス菌とプロピオン酸菌の膜型混合培養

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-37-ース,酢酸およびプロピオン酸の各濃度は,ほぼ同じように変化した。乳酸はビ フィズス菌槽において,中間代謝産物としていったんわずかに蓄積したが,その 後,もう一方の培養槽のプロピオン酸菌によって酢酸とプロピオン酸に変換され, その濃度は減少した。以上の結果より,培養液は膜を介して両培養槽間を相互に 速やかに循環したことがわかった。 ビフィズス菌の濁度は,図中に示した単独培養の値に比べて高くなった。また, 生菌数は,図中に示した混合培養の結果に比べて多く,長い期間にわたって高い レベルに維持されていた。また,プロピオン酸菌の濃度も同様に,単独培養の値 や混合培養の結果に比べて高くなり,多くの菌体が生産できた。 5)乾燥菌体濃度の経時変化 図6-5は単独培養,従来の混合培養(図6 OIおよび膜型混合培養におけ るビフィズス菌(図6-4a)とプロピオン酸菌(図6-4b)の乾燥菌体濃度 の経時変化を示す。従来の混合培養においては,ビフィズス菌とプロピオン酸菌 をそれぞれ区別して菌体濃度を測定することができないので,それぞれ片方の菌 株しか存在しないと仮定して,菌体濃度を求めた。膜型混合培養を行った場合, ビフィズス菌は長い期間にわたって生育を続け,最大菌体濃度は単独培養や通常 の混合培養の場合に比べて,約2倍となった。また,プロピオン酸菌は,単独培 養の結果に比べて約半分の時間で最大菌体濃度に達した。 6. 4 結 論 表6 - 1はこれまで述べてきた単独培養,従来の混合培養および膜型混合培養 の結果をまとめたものである。ビフィズス菌の単独培養では乳酸と酢酸を生成し, 菌体濃度は, 12時間目に3.6g!1となった。プロピオン酸菌の単独培養では酢酸 とプロピオン酸を生成し,菌体濃度は, 96時間目に5.0g/1となった。従来の混 合培養と膜型混合培養では,乳酸はほとんど検出されず,酢酸とプロピオン酸だ けが蓄積した。また,菌体濃度は,従来の混合培養では直接別々に測定できない が,膜型混合培養ではビフィズス菌が24時間目に7.2gノ1,プロピオン酸菌が52 時間目に5.3g/lとなることがわかった。単独培養で得られたビフィズス菌とプロ ピオン酸菌の菌体量の合計は8.6g/1であり,同じ培地量を用いた膜型混合培養に おける菌体量の合計は12.5g/lとなり,約1.5倍多くなった。したがって,膜型

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-38-図6-5 乾燥菌体濃度の経時変化

表6-1混合培養によるビフィズス菌の生産

N 0 .培養 方 法 菌 株 培養 菌 体 乳酸 酢酸 プ ロ ピオ ン酸 と 時 間 濃 度 植 菌量 の比 [h ] [g / l ] [g / l ] g / 4 ] [g / 4 ] 1. 単独 培養 R et. 24 3 .6 1 (12 )☆ 7.9 1 27 .0 0 2 . 単独 培養 p .f. 9 6 5 .0 0 0 2 .3 2 13 .1 3 . 混合 培養 P .f‥/ 8 .a .= 3 0 5 6 0 .2 1 28 .2 6 .0 7 4 . 膜 型混 合 B .a .(V 5 2 7 .2 0 (24 V 0 .17 16 .9 9 .55 培 養 P .f.(3 0 ) 5 2 5 .3 2 0 1才l3 9 .9 7 B.a∴ Bifidobactenum adolescenぬ

P.f. : Propionibactenumがeudenreich 'n

*( )内は菌体濃度が最大となった培養時間を示す。

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-39-混合培養においてビフィズス菌を効率よく生産でき,同時にプロピオン酸菌も生 産できた。 今後は,ビフィズス菌をさらに効率よく生産するために,プロピオン酸菌培養 物の増殖促進効果の定量法の確立および増殖促進の機構について検討する必要が ある。 文 献

1) Taniguchi, M., N. Kotani and T. Kobayash主"High Concentration Cultivation of Bifidobacterium longum in Fermentor with Cross-Flow Filtration, Appl. Microbiol. BiotechnoL, 25, 438-441 (1987).

2) Taniguchi, M., N. Kotani, and T. Kobayashi ``High Concentration Cultivation of Lactic Acid Bacteria in Fermentor with Cross-Flow Filtration,'

J. Ferment. Technol., 65, No.2, 179-184 (1987).

3) Taniguchi, M., K. Hoshino, K. Shimizu, I. Nakagawa, Y. Takahashi and M. Fujii ; Rapid Production of Pediococcus halophilus Salt-Tolerant Cells by a Cultivation Method Employing Gradual Increase of NaCI Concentration Using a Fermentor with Microfiltration Module, J. Ferment. Technol, 66, 633-641 (1988).

4) Taniguchi, M., T. Tohma, T. Itaya and M. Fujii ; "Ethanol Production of a Mixture of Glucose and Xylose by C0-Culture of Pichia stipitis and a Respiratory Deficient Mutant of Saccharomyces cerevisiae, J. Ferment. Bioeng., 83, 364-370 (1997). 5) Taniguchi, M., T. Itaya, T. Tohma and M. Fujii ; "Ethanol Production of a Mixture

of Glucose and Xylose by a Novel Co-Culture System Using Two Fermentors and Two Micro filtration Modules, J. Ferment. Bioeng., 84, 59-64 (1997).

6) Nomura, M., T. Itaya, T. Tanaka and M. Taniguchi ; "production of Useful Polysaccharide (Kefiran) by a Lactic Acid Bacterium of a Food Microorganism," Proc. Annual Meeting of Soc. Chem・ Eng. Japan, No. 1, p.118, Tokyo, Japan

(1997).

7) Taniguchi, M., H. Nakazawa, O. Takeda, K. Hoshino and T. Tanaka : "production of a Mixture of Antimicrobial Organic Acids from Lactose by Co-Culture of

Bifidobacterium longum and Propionibacterium freudenreichii, Biosci. Biotechnol.

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-40-Biochem., 62, 1522-1527 (1998).

8) Kaneko, T., H. Mori, M. Iwata, and S. Meguro ; Growth Stimulator for

Bifidobacteria Produced by Propionibacterium freudenreichii and Several Intestinal Bacteria, J. Dairy Sci., 77, 393-404 (1994).

9)山田英登,飛田和宏,橋本克夫,金子 勉,田中孝明,谷口正之: 膜型混合バイオリタクタ-を用いたビフィズス菌の効率的生産. 日本生物工学会(広島),講演要旨集 p.216 (1998年9月). 10)谷口正之,山田英登,橋本克夫,金子 勉,田中孝明: ビフィズス菌とプロピオン酸菌の相互作用を利用した菌体の同時生産. 日本農芸化学会大会(福岡),講演要旨集,印刷中(1999年4月).

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第7章 全体の総括

2種の微生物を共存させる意義は, a)一方の微生物の増殖や物質生産にとっ てプラスになる条件(栄養源や増殖促進物質の供給,良好な物理化学的環境の実 現など)を,他方の微生物が提供してくれる,またはb)一方の微生物にとって マイナスになる条件(栄養源の欠乏,阻害物質の蓄積,悪い物理化学的環境-移 行など)を,他方の微生物が防止してくれる,場合であれば十分に存在する。こ れまでは,微生物を用いずに物理化学的環境条件の制御,栄養源の流加,物質移 動の促進,阻害物質の除去などを達成するために化学工学的◎培養工学的研・究が 実施されてきた。 第2章,第3章および第5章に示した実験系は, 2種の微生物を用いた単純な 混合培養の例であるが,プラスになる条件の提供およびマイナスになる条件の除 去を示した適切な例ではない。前者a)の例として第6章で述べた膜型混合バイ オリアクターを利用して,ビフィズス菌とプロピオン酸菌の間の相互作用を解析 した。混合培養系としては,第5章で示したラクト-スの逐次転換反応と同じ微 生物の組み合わせであるが,この場合には菌体増殖に着目して検討してみた。そ の結果,プロピオン酸菌はビフィズス菌に特異的な増殖因子を生産することから, 使用した培地量当たりに得られたビフィズスの菌体量は,同じ培地で単独に培養 した場合の約2倍になった。また,プロピオン酸菌は,単独の培養に比べて約半 分の時間で最大菌体量に達することがわかった。この2種の食品微生物の組み合 わせは,菌体増殖の観点だけから判断すれば,お互いにプラスとなっている。現 荏,この混合培養系について詳しく解析するとともに,増殖因子を利用したビフ ィズス菌生産の最適化に関する検討を続けている。 b)の具体例は,抗生物質や フェノールの分解,酸。アルカリの中和など枚挙にいとまがないが,生産プロセ スに適用できる能力を持つ微生物の検索と利用については,今後検討されるべき 課題であろう。 多くの微生物が関与するプロセス(器官)として最もよく研究されているのは, ルーメン,メタン発酵,ヒトの消化管などであろう。例えばメタン発酵では,物 質酸化を行って水素(電子)を生成する微生物とその水素を消費する微生物との

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-42-間において栄養共生関係が存在する。この中で酪酸やプロピオン酸などの低級脂 肪酸の分解に関する共生微生物系が単離され,それらの種間水素転移が解析され ている。これらの相互作用の解析はメタン発酵プロセス全体の効率化や運転管理 にとって非常に重要であろう。しかし,混合培養系内の複数の微生物の挙動およ び相互作用を定量的に,かつ迅速に把握するためには,第3章および第6章で示 したような膜型混合バイオリアクターだけでは,まだまだ不十分である。比較的 簡単な研究対象によっては,リサイクルを伴う流加培養や連続培養および多段連 続培養などの計測と制御を駆使したシステムを適用することも可能であると思わ れる。今後は,これまで述べてきた微生物間ばかりでなく,さらに微生物と動物 や植物との間の相互作用および相利や片利共生関係を解析するための細胞培養シ ステムが開発されるを期待している。これらのシステムを利用して生物間の相互 作用を分子レベルで詳細に解明できれば,第4章で示したように,その相互作用 を模倣した培養環境に制御することによって単一の微生物や細胞株だけを用いて も,混合培養系と同じようにそれらの機能を発現させることができる可能性があ る。この単一種の細胞を用いる``擬混合培養"系こそ,究極の有用物質生産プロ セスのひとつであろう。

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