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石炭ガス化スラグの有効利用技術の開発―コンクリート用軽量細骨材への高付加価値化と適用性評価―

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

次世代の発電方式として石炭ガス化複合発電(IGCC : Integrated coal Gasification Combined Cycle)の開 発・実証が進められている(図 1)。IGCC では、石炭中の灰分を溶融スラグとして排出し(図 2)、これを水冷 固化した石炭ガス化スラグ(CGS : Coal Gasification Slag)が副産される(図 3)。資源の有効利用および環境 保全対策のみならず、IGCC の普及にとっても、CGS の有効利用方策を確立することが重要な課題となってい る。これに対し当所では、高付加価値化利用方策の一つとして、CGS の加熱発泡性に着目した軽量化技術の 開発を行っている。大量ニーズの見込める骨材市場で利用されるためには、本技術により製造される CGS 軽 量細骨材の性能を把握し、石炭ガス化スラグのコンクリート用人工軽量細骨材への適用性を評価することが求 められている。

目 的

石炭ガス化スラグを加熱発泡加工し、コンクリート用人工軽量細骨材への適用性を評価する。

主な成果

CGS 軽量細骨材、普通細骨材および市販人工軽量細骨材をそれぞれ用いたコンクリートについて以下の代 表的性能を比較することで、石炭ガス化スラグのコンクリート用人工軽量細骨材への適用性を評価した。 (1)軽量性:市販人工軽量細骨材と同程度の吸水率(約 10 %)ながらも、より低い密度(表乾密度 1.46g/cm3)の CGS 軽量細骨材を製造することが可能である(図 4、5) (2)フレッシュ性状: CGS 軽量細骨材を用いた場合、目標スランプ* 1を満足する単位水量や細骨材率は、 普通細骨材および市販人工軽量細骨材を用いたコンクリートと同等であり、良好なスランプ性状を示す コンクリートを作製可能である。 (3)強度特性: CGS 軽量細骨材を使用したコンクリートでも細骨材の分散状態は良好であり(図 6)、普通 細骨材使用コンクリートと同程度の圧縮強度を、約 10 %低い密度のコンクリートで得ることができる。 また、CGS 軽量細骨材を用いたコンクリートの圧縮強度、静弾性係数、引張強度は、市販人工軽量細 骨材と比較して同等以上である(図 7)。 (4)耐久性: CGS 軽量細骨材を使用したコンクリートの中性化* 2抵抗性は、市販人工軽量細骨材を用いた コンクリートと同等以上である(図 8)。また、CGS 軽量細骨材のアルカリ骨材反応* 3性は無害と判定 された(図 9)。 以上より、CGS 軽量細骨材を用いたコンクリートは、市販人工軽量細骨材と比較して同等以上の性能を発 揮できることを確認した。また、自然環境より原材料を採取する必要のある市販人工軽量細骨材と比較してコ スト競争力が見込めることから、コンクリート用人工軽量細骨材としての適用性を見出した。

今後の展開

より広範な炭種の石炭ガス化スラグから製造された CGS 軽量細骨材の適用性を評価し、骨材市場における コスト・競争力評価を目指す。 主担当者 地球工学研究所 バックエンド研究センター 主任研究員 蔵重 勲 関連報告書 「石炭ガス化スラグの高付加価値化有効利用技術の開発―コンクリート用軽量細骨材への適 用性評価―」電力中央研究所研究報告: N05040 62

石炭ガス化スラグの有効利用技術の開発

―コンクリート用軽量細骨材への高付加価値化と適用性評価―

* 1 :フレッシュコンクリートの軟らかさの程度を示す指標の一つ(JIS A 1101 参照) * 2 :硬化したコンクリートが空気中の炭酸ガスの作用を受けて次第にアルカリ性を失う現象 * 3 :アルカリとの反応性をもつ骨材が、セメント、その他のアルカリ分と長期にわたって反応し、コンクリートにひ び割れ等を生じさせる現象

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2.環境/環境との共生

63 0 200 400 600 800 1000 0 10 20 30 暴露期間(week) 膨張率 (x10 -6) 市販人工軽量細骨材 石炭ガス化スラグ軽量細骨材 JIS A 1146 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法 (モルタルバー法) 6ヶ月(26週)後に膨張率が1000x10-6未満の場合、 「無害」と判定される。 図8 CGS軽量細骨材使用コンクリートの中性化抵抗性 図9 CGS軽量細骨材のアルカリ骨材反応性 0 5 10 15 20 25 30 0 20 40 60 80 100 促進中性化期間(day) 中性化深 さ さ (mm) 市販人工 軽量細骨材使用 促進条件:40℃、60%RH、CO210% 普通 細骨材使用 W/C = 4 0 % 石炭ガス化スラグ 軽量細骨材使用 W/C = 5 5 % 市販人工軽量細骨材使用コンクリートと同等以上の中性化抵抗性を有 する JIS規格試験の結果、無害であると判定された 20 30 40 50 60 70 80 2.0. 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 コンクリートのかさ密度(x103kg/m3 圧縮強度 (N/mm 2) 普通細骨材 市販人工軽量細骨材 材齢28日 使用コンクリート 材齢91日 使用コンクリート 石炭ガス化スラグ軽量細骨材 使用コンクリート 材齢28日 材齢91日 材齢28日 材齢91日 図7 CGS軽量細骨材使用 コンクリートの圧縮強度 市販人工軽量細骨材使用コンクリートと同程度の低 い密度で、普通細骨材使用コンクリートと同等の強 度を得ることができる 1mm 1mm 1mm 1mm 約1.0mm 約0.6mm 約1.0mm 約0.6mm 1mm 1mm 図2 電中研試験炉における溶融スラグ排出状況 図3 水冷・粉砕後の石炭ガス化スラグの例 図4 石炭ガス化スラグ軽量細骨材の例 ←図5 CGS軽量細骨材の内部組織の可視化 多数の球形発泡空隙により軽量化されている 細骨材内部には多数の 球形空隙が存在する CGS軽量細骨材 粗骨材 粗骨材 ←図6 CGS軽量細骨材使用  コンクリートの断面 1700℃程度の石炭ガス化炉内から溶融状態のスラグが 排出される 石炭中の灰分が石炭ガス化スラグとして排出される 石炭ガス化スラグを1000℃前後で加熱発泡加工するこ とにより丸みを帯びた軽量細骨材の製造が可能である CGS軽量細骨材がほぼ均一に分散 している 生成ガス CO、H2、etc. ガス精製 設備 チャー (未反応石炭) 回収装置 燃焼器 空気 圧縮機 蒸気 タービン ガス タービン 空気 高圧 水蒸気 復水器 発電機 煙突 廃熱回収 ボイラ 石炭ガス化炉へ スラグ ホッパ 固化スラグ粉砕 水 溶融スラグ 石炭 ガス化炉 高温高圧 雰囲気 チャー 石炭+ ガ ス 化 剤 (空 気 o r酸 素) 石炭 生成ガス CO、H2、etc. ガス精製 設備 チャー (未反応石炭) 回収装置 燃焼器 空気 圧縮機 蒸気 タービン ガス タービン 空気 高圧 水蒸気 復水器 発電機 煙突 廃熱回収 ボイラ 石炭ガス化炉へ スラグ ホッパ 固化スラグ粉砕 水 溶融スラグ 石炭 ガス化炉 高温高圧 雰囲気 チャー 石炭+ ガ ス 化 剤 (空 気 o r酸 素) 石炭 図1 IGCCプラント系統および石炭ガス化炉の一例 石炭中の灰分が石炭ガス化スラグとして排出される

参照

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