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Cedar pollinosis and mortality: A population-based prospective cohort study in Japan

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Academic year: 2021

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Title

Cedar pollinosis and mortality: A population-based prospective

cohort study in Japan( 内容と審査の要旨(Summary) )

Author(s)

森, 健一

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学) 甲第1071号

Issue Date

2018-03-25

Type

博士論文

Version

ETD

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/75210

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 森 健 一(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 1071 号 平成 30 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当

Cedar pollinosis and mortality: A population-based prospective cohort study in Japan

(主査)教授 深 尾 敏 幸 (副査)教授 鈴 木 康 之 教授 清 島 眞 理 子 論 文 内 容 の 要 旨 スギ花粉症は日本において最も流行している季節性のアレルギー疾患のひとつである。これまでに 花粉症と死亡との関連について調査された前向き研究は一つしかなく,その研究では花粉症の診断の 有無を直接質問する方法を用いている。本研究は,1992 年に開始した 35 歳以上の岐阜県高山市の一 般住民約 3 万人を対象に生活習慣と健康および疾病との関連を評価することを目的としたコホート 研究である高山スタディのフォローアップ調査において,スギ花粉症の症状に関する質問を用いるこ とによりその有無を同定し,スギ花粉症と死亡との関連について調査した。 【対象と方法】 高山スタディの参加者のうち,1992 年調査開始時の年齢が 70 歳以下の参加者を対象にして 2002 年 7 月にスギ花粉症に関する質問を含むアンケート調査を行った。45 歳~80 歳の回答者 14,975 人の うち,がん・虚血性心疾患及び脳卒中の既往者とスギ花粉症に関する質問に対する回答がなかった者 を除外した 12,471 人(男性 5,532 人,女性 6,939 人)を解析対象者とした。 スギ花粉症に関する質問は,最近 1 年間のくしゃみ・鼻みず・鼻づまり・目のかゆみの 4 症状の有 無と,ある場合はそれぞれの症状に対してその季節を尋ねた。4 症状のうち 3 症状以上があり,少な くとも 1 つの症状が春のみに起こると回答した者を「スギ花粉症あり」と定義し以下の解析を行った。 この判定基準は調査前の検証において感度は 0.80,特異度は 0.65 であった。 エンドポイントは全死因による死亡とし,追跡期間中(2002-2013)の死亡・死因・市外への転居 に関する情報は,市および法務局より取得した。統計解析は,コックス比例ハザード回帰分析にて, 「スギ花粉症なし」に対する「スギ花粉症あり」の全死亡および死因別リスクを算出した。調整変数 として年齢,性別,ボディマス指数(BMI),運動,喫煙歴,アルコール摂取量,教育歴,婚姻歴,高 血圧や糖尿病の既往の有無をモデルに含めた。本研究は岐阜大学大学院医学系研究科医学研究等倫理 審査委員会の承認を得て行われた。 【結果】 解析対象者 12,471 人のうち 2,444 人(19.6%)が「スギ花粉症あり」と判定された。この群は「ス ギ花粉症なし」群に比べて,平均年齢が低く,男性より女性が多く,非喫煙者が多く,教育歴が長い という特徴があった。 約 11 年間の追跡中に 1,276 人の死亡を認めた。これらのうち死因別で多い順に悪性腫瘍による死 亡が 504 人,心血管疾患による死亡が 278 人,呼吸器疾患による死亡が 181 人であった。共変量を調 整後,「スギ花粉症なし」に対して「スギ花粉症あり」は全死因死亡のリスクが有意に低下していた。

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そのハザード比と 95%信頼区間(以下,95% CI)は 0.79(95% CI 0.65-0.95)であった。死因別で は,スギ花粉症は悪性腫瘍による死亡と心血管死亡による死亡とは有意な関連は認めなかったが,呼 吸器疾患による死亡リスクの有意な低下を認めた(ハザード比 0.38 [95% CI 0.18-0.82])。 加えて,スギ花粉症の定義をすべての症状が春のみに起こる者(感度 0.32,特異度 0.98)として, 死亡リスクの追加解析を行った。976 人(7.8%)が「スギ花粉症あり」と判定された。先の解析と同 様,「スギ花粉症なし」に対して「スギ花粉症あり」は全死因死亡リスクの有意な低下を認めた(ハ ザード比 0.58 [95% CI 0.39-0.86])。悪性腫瘍による死亡と心血管死亡による死亡には有意な関連 を認めなかった。「スギ花粉症あり」の群に呼吸器疾患による死亡者はいなかった。 【考察】 花粉症と死亡に関する前向きコホート研究はこれまでに 1 つしかない。この先行研究では花粉症が 死亡リスクを有意に低下させることを報告しており,疾患の定義の違いはあるが本研究結果と類似し ている。また,先行研究ではサンプルサイズが小さく呼吸器疾患による死亡についての評価は困難で あったが,本研究では初めてスギ花粉症が呼吸器疾患による死亡リスクを有意に低下させる関連を示 した。スギ花粉症は季節性アレルギー性鼻炎に分類されており,日本においてアレルギー性鼻炎の多 くは春に症状が出る季節性の鼻炎であると報告されている。アレルギー性鼻炎と死亡との関連を調査 された先行論文は 2 つあり,1 つは関連なしの結果であったが,もう 1 つの研究ではアレルギー性鼻 炎と診断された患者は有意に死亡リスクが低下すると報告されている。鼻粘液には外界からの異物侵 入に対する防御としての働きがあり,アレルギー性鼻炎患者の鼻粘液は免疫反応を増強すると報告さ れていることから,スギ花粉症患者では好ましい免疫学的環境が形成され,結果的に呼吸器疾患によ る死亡の低下・全死亡の低下へと繋がることが推測される。しかし,生物学的機序以外の要因として, 通院頻度などに表れる健康志向の違いの影響や抗アレルギー薬内服の有無など本研究では調整でき なかった潜在的な交絡因子の存在も否定できないと考えられた。 【結論】 スギ花粉症を有していると全死因死亡リスクが低下し,さらに初めて呼吸器疾患による死亡リスク が低下するという関連が示された。スギ花粉症の死亡リスク低下への影響やその下にあるメカニズム を明らかにするために更なる研究が必要である。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 森 健一は,一般住民を対象としたわが国の大規模疫学調査として先駆的な“高山スタデ ィ”の継続研究において,スギ花粉症であることが全死因および呼吸器疾患による死亡のリスクを低 下させることを明らかにした。本研究の成果は,世界的にアレルギー疾患患者が増える中,重要な知 見をもたらし,アレルギー学および耳鼻咽喉科学の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]

Kenichi Mori, Keiko Wada, Kie Konishi, Yuko Goto, Fumi Mizuta, Sachi Koda, Takahiro Uji, Yatsuji Ito, and Chisato Nagata: Cedar pollinosis and mortality: A population-based prospective cohort study in Japan

参照

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