- 411 - フィード、パック制御を含む詐測・制御学習支援方法に関する研究 教科・領域教育専攻 生活・健康系コース(技術・工業・情報) 片 岡 祥 1.はじめに
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年に公示された中学校技術・家庭科(技 術分野)(以下,技術科と略記)の学習指導要領D
情 報 に 関 す る 技 術(3)プログラムによる計測・制 御の内容では,コンビュータを利用した計測・ 制 御 の 基 本 的 な 仕 組 み を 知 る こ と が 規 定 さ れ て い る 。 一 方 , 計 測 ・ 制 御 技 術 を 理 解 す る ヒ で フィードパック制御は重要な概念であり,その 技術を分かりやすく学習支援する方法が必要と されている。本研究の目的は,技術科教育を対 象としフィード、パック制御を含む計測・制御技 術 の 内 容 を 修 得 で き る 学 習 支 援 方 法 と し て , 実 験的・体験的に学習できる教材を開発し,その 有用性を評価することである。 2. 計測・制御学習を支援すでる教材 フィード、パック制御を含む計測・制御技術の 内 容 を 修 得 で き る 学 習 支 援 方 法 に つ い て 検 討 す るために,主に技術科を担当している教員に対 して意識調査を行った。その結果を参考にして, 本教材では,フィード、パック制御としてPID
制 御 を 用 い , ポ テ ン シ ョ メ ー タ を 取 り 付 け たDC
モ ー タ を マ イ コ ン に よ っ て 制 御 し , サ ー ボ 機 構 を実現することにした。 3. 教材のハードウェアとソフトウェア 研 究 開 発 し た 教 材 の 上 面 図 を 図1
に示す。本 教 材 は , 台 座 の 上 に 制 御 基 板 及 びDC
モータと 指 導 教 員 伊 藤 陽 介 減速ギアからなる制御対象部から構成される。 減速ギアの回転軸を検出するためのセンサとし てロータリ型ポテンショメータを用いる。さら に,回転角の指示用ポテンショメータを制御基 板上に備えているO本教材の制御基板には, 8bit の 組 込 型 マ イ コ ン で あ る Microchip 製P
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C
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F
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J
(j3
を採用した。ホストPC
とUSB
通信してプログラムを更新できる。DC
モータ の電力制御と液晶ディスプレイ(
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C
D
)
のコント ラスト調整用電圧発生のためにPWM
信号を出 力する。4
つ の プ ッ シ ュ ス イ ッ チ 操 作 に よ っ てLCD
に階層構造のメニューの一部を表示し各種機能 を指示する。Kp
(比例定数),;
r
(積分時間), 乙(微分時間)の各ノミラメータを制御中にスイッ チ操作で変更でき,PID
制御の効果を実時間で 体験できる。目標位置と現在位置及び制御量は, 回転軸(申=4mm) 部 象 対 御 & 巾 ↓ ン 一 ネ モ テ メ コ コ ポ ヨ の 夕 日 用 シ タ ク 宇 、 ロ ー タ リ 型 USB コネクタ DCジャック 電 源(5,V2A) 指 示 用 ポ テ ン エノヨ メータ題函留重{
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電 源 ス イ ッ チ 底 面165mmx165mm,高さ80mm 図 1 計測・制御教材の構成- 412 - - 411 - LCDに棒グラフまたは数値でリアルタイムに 表示され,学習者が容易に制御状態を目視でき る。なお, PID制御中に過剰な負荷が DCモー タにかけられた場合,保護のため制御を止めエ ラー表示するなどの安全対策を施している。 4.教材の制御用パラメータ値 本教材の制御対象部において最も影響の大き いパラメータである