∪・D・C・[占21.311.21十る21.311.25::る21.039.5].004.58‥る81.323
火力及び原子力発電所における異常診
計算機システム
用
Computerized
Diagnosis
SYStem
for
Fossiland
Nuclear
Power
Plants
火力及びJ京子力発電プラントは,電力供給の根幹をなす重要な装置であり,電力 の安定供給の点からも高い信頼性が要求されている。このため,発電プラントの異 常の前兆をとらえ,事故の未然防止を図り,プラントの高稼動率運転を実現するこ とが切望されている。この一つの方法として,プロセス計算機を用い,プラント各 部の状態量を計測し,これに統計処理や周波数分析を施したり,計算機に内蔵した プラントモデルでの計算値と実測値とを比較照合するなどにより,プラント異常の 早期発見や原因究明を行なう試みがなされている。 この論文では,火力及び原子力発電プラントの事i牧防護への計算機の適用に関す る最近の動向について概説する。 n 緒 言 火力及び原子力発電プラントは,我が国での電力供給の大 部分を占め,電力の安定供給の観点からも高信束副生,高稼動 率が要請されている。高信束副生,高稼動率を達成する方法と して,プラントを故障しないように設計,製作することはも ちろんのことであるが,万一事故が避けられない場合でも異 常の前兆を早期にとらえ,防護策により事故を未然に防止し たり,事故原因を究明して事故発生後の対策,処置を容易に することも有益である。以下,この論文では,制御用計算機 を火力及びJ京子力発電プラントの診断に通用した日立製作所 の実施例について述べる。 自 火力発電プラント予防保全システム 火力発電プラントへのコンピュータの導入は,これまで主 として省力化,プラント性能の向上を目的として推進されて きたが, ̄最近では,プラントの安全性,信束副生の向上にi舌用 されるようになってきた1),2)。火力発電プラント予防保全シ ステムは,プラントの起動,停止あるいは負荷急変などの過
卜検知+識肘--一一1(制御)
異常の早期検出 故障発生の予知 原因(位置) の 推 定 事後処置診断 ≡事■■弓 ≡●: 予防制御 抑制制御 安全停止 図l 予防保全システムのねらい 火力発電プラント予防保全システ ムでは,事故を防ぐための安全停止だけでなく,異常を早期に検出Lて運転操 作により予E方制御あるいは抑制制御させる点に着目Lている。山崎莞命*
和泉敏太郎**
飯田 宏***栗原伸夫****
加藤監治*****
上下利男****** l七mqzαん∫ んαmノJ Jz〟mg 月∼乃!αγ∂ ∫よd8 〃gγ05んJ 払γJムαγα+Vo占以0 〟α≠∂粘れノf J∂gp Tもぎん言0 渡運転時に生ずる各種のストレスを監視したり,機器の突発 的な故障発生を監視して稼動率の向上を図る総合監視システ ムである。すなわち,システムのねらいは,図1に示すよう に,常態時の事故の予防制御あるいは異常兆候の抑制のため の情報を提供することにある。以下,これらのうち代表的な 監視例について述べる。 2.1 予防保全システムの機器構成 予防保全システムの対象は,火力発電プラントを構成する 多種多様な機器のうちでも設備全体の稼動率に及ぼす影響の 大きさから,ポイラ,タービン及び発電機の主機が中心とな る。図2に予防保全システムの機器構成を示す。適用するコ ンピュータは日立f別御用計算機HIDIC 80とその下位機種で あるマイクロコンピュータHIDIC O8である。上位コンピュ ータでは,多数の検出信号を用いて複雑かつ高精度なi寅算を 必要とするが,下位コンピュータでは,突発的な異常の進行 が比較的遅い対象を速い周期で監視するが,単純な論理で ありかつ検出信号はローカルな部分で済むような対象を選定 総 合 監視装置(蒜詣妄雷雲君とゾ)
HIDIC 80 データフリーウェイ ST ST ボイラ自動制御 装置・監視装置 HIDIC O8 燃 臣亡 ST 料 系 統 視 装 置 川DIC O8 ST タービン軸振動 監 視 装 置 HIDIC O8 ST タービン速度 制 御 装 置 H=〕】C O8 注:略語説明 ST(ステーション) 図2 予防保全システムの機器構成 複雑かつ高精度な演算は上位コ ンピュータで.突発的な異常発生は下位コンピュータで速い周期で監視する。 *東京電力株式会社原子力管理部技術課 **中国電力株式会社島根原子力発電所技術課 ***日立製作所大みか工場 **** 日立製作所日立研究所 ***** 日立製作所エネルギー研究所 ****** 日立製作所電力事業本部 57818 日立評論 VO+.引 No.11(19了9-1り 検出 タービン流入・流出蒸気の温度・圧力 検 知 l l + 回転数 伸び差 蒸気条件モデル 伝熱遅れモデル ロ ー タ 部 ケーシング部 遠心応力モデル モデル修正 ■ --■一+ 伸び差 ‡反 大 値 識 別  ̄■ ̄`” ̄一 ̄ ̄「 1 1 異常 程度 推定 ロータ部-ケーシング部 間隙モデル 注:略語説明 ご(加算器) 図3 総合監視装置における伸び差監視方法 タービンロータ部とタービンケーシング部の伝熱遅れ の差から伸び差を計算して,挙動を監視する。 している。ここで各種の下位の監視機器は,データフリーウ ェイで_ヒ位コンピュータ及びサブループf別御装置と結でナされ るので,各々の監視内容の一指表示,あるいは自動処置も可 能である。 2.2 タービン熱応力・伸び差監視 起動・停止あるいは大幅な負荷変動時にユニット各部に大 きな温度,圧力の変化を生じ,内部応力や伸び差によって機 器の‡員傷及び機器寿命の短縮の原因となることがある。図3 に総合監視装置での伸び差監視方法を示す。伸び差は深夜停 止・起動のような短時間停止後の熟間起動時に蒸気7且度とメ タル温度のアンバランスから増大しやすく,その結果,ター ビンブレードとラビリンスのギャップがi成少し,接触のおそ れを生ずる。この伸び差監視では,図3に示すように蒸気条 件により変動する伸び差の動的モデルを上位コンピュータに 内蔵し,この結果から得られる計算値と・油気のタイ ミングや なんらかの異常J京因の発生により変動する測定値との偏差か ら,伸び差の異常を早期に検出できる。また蒸気条件の変化 に対する数十分後の伸び差を予測したり,タービン内部での 伸び差の分布を監視することができる。 2.3 ボイラ自動制御装置・監視装置 火力発電プラントでのボイラ自動制御装置は,大規模なア ナログ制御装置であることから,信頼性に対する要請が特に 強い。この監視装置は,制御装置の内部のイ言号を検出して, 制御系統の節に相当する手動介入操作区分ごとに異常の発生
「蒜 ̄ ̄
l 「 ̄ ̄ ̄' ll + ∴血 /ノル 「 ̄ ̄ ̄一 ̄ 加 算 器 =二二 ̄1 ______-_-._+ フ下 箇所を識別し,運転対応のガイドを提示する。監視の方法は 図4で示すように,制御回路を構成する加算器,積分器など の演算モジュールにつき機能ブロック別に演算モデルとして 内蔵し,計算値と測定値を比較するものである。更に,この 結呆をあらかじめ設定した決定論理テーブル("0''i11''パター ン)と照合して手動介入箇所を求める。 8原子力発電プラント異常時集中監二規システム
J京子力発電所では,万一異常が発生した場合でも異常を確 実に検出し,的確な対応処置をとることによって事故への発 展を未然に防止することが特に強く要求される。このような 要求に対応する手段の一つとして,プラント運転状態を計算 機を使って集中監視し異常の兆候を早其引こ検出する機能,及 び異常発生時にプラント状態の把握と対応処置に必要な情報 を集約して表示する機能が電力会社と共同で積極的に開発さ れてきた。原子力発電プラント異常時集中監視システムは, これまで開発されてきた異常検出機能とプラント運転情報集 約表示機能とを総合したシステムである。 3.1 プラント異常時集中監視システムの構成 プラント異常時集中監視システムは,匡15に示すようにシ ステムメ犬態モニタ6〉,常時監視ディスプレイ7)胡),プラント 喜今断6)・7)・9)などによる異常検出部と,異常時の優先情報自動i窒 択1ト3),対話式データアクセス6ト8)などによる運転情報の集 約表示部から構成されている。表1に各々の異常検出機能の 動 的 モデル r.1 ̄ド 計 量 フ′口 --1-■--L一B 1---トク ー ッ 〓 比例積分器 フ'ロックA 自動 手動切替 一【 二  ̄ ̄1 L__ 注:略語説明 __ _.._.._._ _ _..._J ■ ________+ .r(検出信号),ご(偏差信号),オ(異常判定信号) 静 的 モデル 検知部 異常判定レベル と の 比 較 異常判定レベル と の 比 較 ∂l あ 異常箇所判定 ブロック ざ1 爺 A 1 B 0 1識別部⊥→
異常診断 図4 ボイラ自動制御装置監視方法 制御機能ブロック別の演算モデルにより異常を検知L,決定論理 テーブルで異常箇所を判定する。 58[
ア ラ ー ム システム状態 モ ニ タ プ ラ ン ト テ デ ー タ 処 理 図5 プラン 常 時 監 視 ディスプレイ プラント診断 =====+ 異常検出部TT言 ̄「
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卜- 「.■-「‖ 優先情仰報 {日動選択甜{
情報表示制御 対 話 型 データアクセス==+
卜異常時集中監視システム 情報集約表示部CRTr呂≡;h詫e)
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キーボード プラント異常時集中監視 システムは,プラントの健全性を常時監視し.万一異常が発生Lた場合も早期 かつ的確に検出する異常検出部と異常原因の究明と対応処置の決定に必要な情 報を自動的に選択表示する情妻板集約表示部とから構成される。 特性を比較して示す。システム状態モニタはプラントを給水 系,再循環系などの系統別に分割し,各系統の構成機器の運 転二状態を監視する信号をそれぞれアラームレベルなどの運転 制御レベルで正規化し,その中の【最大値をもって対象系統の 監視指標とする。この指標が0に近いほど,対応する系統は 運転制限レベルに対して余裕をもって運転されていることに なる。常時監視ディスプレイは原子炉圧力,給水流量などの 主要なプラント信号の正常値を原子炉出力の関数として常時 求め,これらの正常値と実測値との偏差を上・下限値ととも に一つの画面に表示し,正常なプラント状態からのずれを一 計 測 系 中性子計測系 原子炉圧力計測系原水炉水位計測系 給水流量計旦り系主蒸気流量計測系 系 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄1 1 1 1速度制御器l l l トーーーーー1 1 1:発電横構卜頂曙
+--->耳二+ ′///(宗晶驚硯L与二ニンノ
炉心部 「 ̄ ̄ ̄ 火力及び原子力発電所における異常診断用計算機システム 819 表l 異常検出機能の特性比き較 プラント異常時集中監視システムで は,従来のアラーム系による異常検出横能のほかに,システムニ状態モニタ,常 時監視ディスプレイ及びプラント診断により,機器単体の異常,制御系の動作 特性の異常などを早期に検出する新Lい異常検出機能をもっている。 特性 異常検出機能 機 能 の 特 徴 監 視 イ言 号 ア ラ ー ム 系 ○系統・機器の安全運転 ○原子炉出力 監視 ○原子炉圧力 ○オンーオフ表示 ○原子炉水位 ○給水)充量 ○給水ポンプ入口)充量, ほか システム:状態 モ ニ タ ○系統・機器の運転余裕 度監:悦 ○アナログ表示 タービン駆動給水 ポンプの例 ○ポンプ入口流量 ○ポンプ入口圧力 ○軸受油圧力 0ラジアルスラスト軸受温 度 常 時 監 視 ○原子炉,原子炉まわり ○主蒸気〉託宣 の主要系統のプロセス ○給水流量 デ ィ ス プ レ イ 量のバランス耳犬態監視 ○再循王買駆動水流量 ○アナログ表示 ○原子炉圧力など12の信号 プ ラ ン ト 診 迷斤 ○系統・機器の動作特性 異常早期検出 ○アナログ表示 再々盾環系の例 ○主制御器出力 ○速度制御器出力 ○発電機速度 ○ポンプ差庄 ○駆動水三先量 目で把‡星できるようにしている。 プラント診断は,炉心部及び炉心まわr)の主要制御系を対 象とし,各系統の動作特性の変化を正常時の動特性モデルを 使って検出している。これらの異常検出機能によって異常が 検出されたときには,優先情報自動選択機能にトリガがかけ られ異常原因の詳細究明,対応処置の決定に必要な情報を自動的に選択し,CRT(Cathode Ray Tube)に表示する。対
話型データアクセスでは,運転情報の表示手順を運転モ”ド あるいは系統ごとに階層化し,運転員が表示画面のガイドに 従って容易に運転情報を選択監視できる。 中央制御室 主蒸気配管系 …‖ -一 ・---L"
「管仙廊僧声-+
圧力調整器電 気 式 リレー機構 加 減 弁 サーボ機構 (圧力制御系) 給水操作機構‥⊂)
給水調節器 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄■■■「 l l]給水加熱器r
一■一-1小口1\ノ+H斤丁川斤l l ‡ L_____+ 注一′1
タービンl +____+ lli復水器:
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\ / ヽ / 1て′ ll l _____J 今回の診断 対象フロック lt!制御棒駆動系l
l l -___._..____+ (給水制御系) 「 ̄■ ̄ ̄ ̄ ̄「;完翳雪警ヲ引
+_____+ 図6 プラント診断シス テムの診断対象範囲 炉心部,圧力制御系.給水制 細系及び再j盾環)充量制御系 (A,B系統)を計測系,制御 回路.操作機構,配管系など にブロック分けしている。実 々幾に適用Lた範匪‥ま,再々盾環 流量制御系を除く 3系統であ る。 59820 日立評論 VO+.61No.11(19了9-1り プラント 炉 心 部 圧力制御系 給水制御系 計 装 制 御 盤
F
状態量計算部 炉心部動特性モデル 圧力制御系動特性モデル 給水制御系動特性モデル プラント診断システム 監視量計算部 サブシステ ム監視偏差 フ ロ ッ ク 監視指 標 異 常 判 定 部 ̄ ̄ ̄こTl
表. 示 部 観測信号 + . 図7 プラント診断システムの機能構成 プラント診断システムは,状態量計算部,監視量計算部,異 常判定部及び表示部から成る。診断はブロック単位に行なう。 3.2 プラント診断の実1幾への適用1) プラント異常時集中監視システムの異常検出機能の一つで あるプラント診断(以下,70ラント診断システムと呼ぶ。)は, 中国電力株式会社島根原・子力発電所1号機のプロセス計算機 システムへ新しい監視機能として昭和51年から適用されてい る。適用されたプラント診断範囲は,図6に示すように炉心 部,圧力制御系及び給水制御系の3系統であり,診断に使用 するプラント入力信号は10種,17点である。図7にプラント 診断システムの機能構成を示す。(1)状態量計算部
 ̄状態量計算部は,各系統を複数のサブシステムに分割し, それぞれの正常時の動特性モデルを備え,入力信号からモデ ル出力を常時計算する。(2)監視量計算部
監視量計算部は,上述の動特性モデル出力とこれに対応す る実測値との偏差(サブシステム監視偏差)を計算する。これらの偏差から,異常発生箇所に1対1に対応する監視量(ブ
ロック監視指標)を計算する。 (3)異常判定部 サブシステム監視偏差があらかじめ設定した異常レ/ヾルを 超えたときには,ブロック監視指標のうち最大となっている フふロックを異常発生ブロックと判定する。 30秒 三重禽レペノレ(2.2%) 給水流量調節器偏差 注意レベル 給水流量偏差 注意レベル(1.4%) 注意レベル 異常検出 「 時 間 図8 横手疑異常検出例 給水系の待機ポンプ起動テスト時,この診断シ ステムをバイパスせずに運転した場合∴ポンプを含む給水操作機構の特性変化 を横手疑したことになり,給水;充量偏差が異常レベルを超えて,見壬卦け上異常と 判定される。 60(4)表示
部 表示部は,診断結果をタイプライタ及びCRTに出力する。 ブロック監視指標は,プラント全体の系統図とともに棒グラ フとしてCRTに連続表示され,これによりプラントの状態が 一目で把握できる。 図8に実機での模擬異常検出例を示す。同図には,給水系 の待機ボン70起動テスト時に,見掛け上の異常検出回避のた めの70ラント診断システムバイパス操作を実施せずに運転し た場合の給水調節器出力偏差,及び給水流量偏差が示されて いる。診断システムは,ポンプを含む給水操作機構の特性が 待機ポンプを起動することによって見才卦け上変化したとして 異常を検出しており,このシステムの有効性を示している。 田結
言 以上,火力及び原子力発電プラントの診断への計算機の適 用状況について述べた。計算機によるプラントの診断は,今 後更に開発すべき重要な計算機適用の分骨であり,いっそう の石汗究開発が望まれる。 最後に,プラント診断システムの開発に当たって御協力を いただいた関係各位に対し,深謝の意を表わす次第である。 参考文献 1) 中野:プラントのオンライン信頼性管理,計装,t9,1,21 (1976) 2)栗原,外:火力プラント事故防護システム,第14回SICE学術 講書寅会(昭50-8) 3) 飯岡,外:大規模アナログ制御装置の診断システム,日立評論, 59,753∼758(昭52-9) 4)東風外:アナログ式自動制御装置における異常診断の一手 法,第16回SICE学術講演会(昭52-8) 5)栗原,外:Walsb Hadamard変換を利用した回転機の振動診 断,SICE異状検出予測シンポジウム(昭53-11)6)S,Kobayashi,et al.:Experience With Computer Based
Syste皿Applied to Boiling Water Reactor Power Plant,
Enlarged Halden Program Meeting(1977)
7)Y,Niki,et al∴Impotance of Graphic Display for
Nuclear Power Operation,Proceeding of the Specialist Meeting on ControIRoom Design,
(July1975) 8)平賀,外:沸騰水型原子力発電プラン 計算機応用,日立評論,58,99∼104 9)三宅,外:沸騰水型原子力発電70ラン San Francisco,USA トにおける最近の電了・ (昭5卜2) 卜診断システムの実機 適用とその評価,日立評論,59,561∼566(昭52-7)