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CXCR4 antagonist AMD3100 accelerates impaired wound healing in diabetic mice.

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 西村 幸秀 論 文 題 目

CXCR4 Antagonist AMD3100 Accelerates Impaired Wound Healing in Diabetic Mice. 論文内容の要旨 創傷治癒過程では血管新生が必要不可欠であり、既存の血管内皮細胞による血管新生(angiogenesis)と骨髄 由来の血管内皮前駆細胞(EPCs)などによる新たな血管新生(vasculogenesis)がある。糖尿病患者で創傷治癒 が遅延する大きな要因として、さまざまな因子の影響(既存の血管内皮細胞によるangiogenesis の障害、肉芽組 織の形成の低下、細胞の成長因子の反応低下、末梢血管血流量の低下など)によって血管新生が障害される事が 挙げられている。創傷治癒過程において炎症期では炎症細胞の浸潤とそれに伴う各種増殖因子放出、壊死細胞の 貪食、創傷の浄化などが起き、以降の増殖期における肉芽組織形成などに重大な影響を与える事が知られている。 近年、著者らの所属する研究室では、CXC-ケモカインレセプター4 (CXCR4)の阻害剤であるAMD3100 が骨髄 から再生血管系へのEPCs の動員を増大させることにより、血管密度の増加と血管新生を活性化させ、心筋梗塞 後の虚血組織の心筋機能の改善に寄与する事を明らかにした。しかし、CXCR4 に結合するstromal cell-derived factor-1(SDF-1)は、炎症と細胞遊走の両方に貢献するため、それらの相互作用が創傷治癒に貢献するとされてい るが、その詳細なメカニズムはいまだ明らかではない。そこで著者は創傷治癒が遅延される糖尿病マウスを用い た創傷治癒モデルでも、CXCR4 の阻害剤である AMD3100 が同様のメカニズムにより血管新生を促進し、その 結果創傷治癒を促進すると仮説を立て、以下のように研究を行った。 2 型糖尿病モデルマウスである、レプチンレセプター欠損マウス(db/db マウス)の背部に 8mm パンチバイオプ シー器具を用いて皮膚全層切除創を作成した。創を作成した直後に、AMD3100 溶液と生理食塩水(コントロー ル)をそれぞれの創床部に局所投与し、半透明のドレッシング素材で覆った後に周囲を創の収縮に影響がでない ように縫合した。創傷治癒の評価に関しては、0 日目、7 日目、14 日目において、肉眼的(画像の分析)、組織学 的(顕微鏡による分析)にそれぞれ検討を加えた。 創の閉鎖割合(%)では、14 日目において AMD3100 投与群(89.97±2.55%)がコントロール投与群(33.07± 1.82%)より有意に大きかった。創組織を組織学的に検討したところ、上皮化スコアと肉芽形成スコアでは 14 日 目においてAMD3100 投与群が有意に高く、炎症スコアでは 7 日目(より有意差を認めた)と 14 日目において それぞれAMD3100 投与群が有意に高かった。14 日目の創においては、AMD3100 投与群がコントロール群に 比べて、分厚い肉芽組織、広範囲な再上皮化、表皮肥厚を認め、真皮深層での赤血球を内腔に含む太い機能的な 血管を多数認めた。コラーゲン形成については、創中心部で評価を行い、14 日目において AMD3100 投与群で 有意にコラーゲン繊維の形成を認めた。CD68 陽性細胞(monocyte/macrophage)の細胞浸潤は7 日目において AMD3100 投与群で有意に多く認められ、14 日目における血管内皮細胞マーカーの BS1-lectin による毛細血管 の密度とαSmooth-Muscle-Actin 陽性の平滑筋合有血管の密度はそれぞれ AMD3100 投与群が有意に高かった。 mRNA の発現に関しては、7 日目の創組織で、CD68 と SDF-1α、Platelet-Derived-Growth-Factor(PDGF)-B についてAMD3100 投与群で有意にUp Regulation を認めた。骨髄から末梢循環への骨髄由来細胞の動員を評価 するため、7 日目のマウスの末梢血を採取し、免疫染色で EPCs とマクロファージ、活性化マクロファージをそ れぞれ同定したところ、EPCs 数、全マクロファージ数、活性化マクロファージ数のそれぞれがAMD3100 投与 群で有意に多く認められた。

一方in vitro では db/db マウスから培養した細胞(皮膚繊維芽細胞、骨髄由来 EPCs、骨髄由来マクロファー ジ)を用いて、それぞれAMD3100 によってアクティビティに影響があるかを検討した。皮膚繊維芽細胞の遊走 能と増殖能、骨髄由来マクロファージの増殖能と貪食能はそれぞれAMD3100 によって有意に増強されたがそれ 以外は有意差を認めなかった。さらに3T3 繊維芽細胞には CXCR4 が発現しないことが知られているが、3T3 繊 維芽細胞を用いて同様の検討をおこなったところ、AMD3100 によって遊走能と増殖能が有意に増強された。 mRNA 発現については AMD3100 処理の 12 時間後において、SDF-1α、PDGF-B、Monocyte Chemotactic Protein(MCP)-1 のそれぞれについてAMD3100 投与群で有意に Up Regulation を認めた。

これらの結果は、AMD3100 の局所投与が糖尿病マウスにおける創傷治癒を促進する事を示している。創の閉鎖 割合は14 日目に 2.5 倍以上に完成されており、組織学的にも有意に創傷治癒が促進されており、創傷部位でのよ り大きなマクロファージの蓄積とPDGF-B の発現にも関連していた。PDGF-B はマクロファージの活性化、繊 維芽細胞の増殖、両細胞の動員を促進するが、AMD3100 は両細胞を含めた、骨髄由来細胞の末梢からの動員を 始めとしたさまざまな効果を誘導することで相乗的に創傷治癒を促進していると考えられる。CXCR4 を発現し ない3T3 繊維芽細胞も刺激したことを考えると CXCR4 を介さない未知のメカニズムの関与も考えられる。以上 より、AMD3100 が糖尿病の創傷治癒を遅延させる動物モデルでの創傷治癒を促進させた事は、難治性の皮膚潰 瘍の治療薬などへの潜在的な有用性を示す可能性があると言える。

参照

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