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従業員持株制度の法律上の問題点と今後のあり方

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Academic year: 2021

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(1)

従 業員持株 制度 の法律上 の問題 点 と今 後の あ り方

Legal

Problems

and

The

Future

as it

ought

to be on the

System

of

Employees'

Holdings

Hideto

Yoshida

Now in Japan, many companies introduce the system of employees' holdings. It aims at the formation of employees' wealth, the improvement of workers' consciousness of the participation in management and the formation of stable stockholder. But, in the system of employees' holdings, there are many problems of the custom and of the legal effect on the contract.

This paper studies these legal problems and compares them with the system of employees' holdings in U.S.A.. I want to make clear the future as it ought to be on the system of employees' holdings in Japan.

1.は じ め に 従 業 員 持 株 制 度 は、 日本 に お い て戦 前 に そ の先 駆 を見 い 出す こ とが で き るが 、 現 在 、 各 企 業 に お け る本 制 度 の導 入 は著 しい もの が あ る。 周 知 の よ うに 、 本 制 度 に お け る法 律 上 の 問 題 点 は数 多 く存 在 す る。 こ れ らの 点 に つ い て、 公 開会 社 ・閉鎖 会 社 お よ び従 業 員 株 主 ・従 業 員 以 外 の 株 主 等 それ ぞ れ の 立 場 か ら検 討 を加 え、 そ れ ぞれ の 目的 に 沿 っ た従 業 員 持 株 制 度 につ い て考 察 す る。 2.従 業 員持 株 制 度 の 意 義 と現状 従 業 員 持 株 制 度 導 入 の 目的 は 多様 で あ るが 、従 業 員 の 勤 労 の 成 果 と して の財 産 形 成 と会 社 との 共 同 意 識 の 高 揚や 経 営 参 加 意 識 の 向 上 等 で あ る。 本 制 度 は 、 通 常 、会 社 以 外 の持 株 会 に よ り運 営 され て お り、 証 券 会 社 方 式(名 義 人 は持 株 会 代 表 者)と 信 託 銀行 方 式(名 義 人 は信 託 銀 行)の 二 方 式 が あ る。、ま た、 株 式 取得 形 態 か ら月掛 投 資 型 と一 時 分 譲 型 が あ るが 、 多数 の 公 開 会 社 は 証 券 会 社 方 式 の 月掛 投 資 型 に よ る方 法 が と られ て い る。 さ ら に、 月 掛 投 資 方 式 に は 間 接 投 資方 式(全 員 会 員 方 式)と 直 接 投 資 方 式(少 数 会 員 方 式) が あ り、 前 者 は 、 参 加 従 業 員 全 員 で持 株 会 を組 織 し、 取 得 株 式 は組 合 財 産 とし、 各 組 合 員 の 出 資 額 に 応 じ持 分 権 を有 し、 そ の持 分 権 を理 事 長 が 管 理 信 託 す る もの で あ る。 後 者 は、 有 志 従 業 貝 が 持 株 会 を組 織 し、 取 得 株 式 は全 貝 の共 有 物 とな り持 株 会 に信 託 さ れ る(注1)。

(2)

公 開会 社 にお い て は 、 市 場 に お い て 誰 で も株 式 を購 入 す る こ とが で き、 従 業 員株 主 も退 職 時 に 持 株 を 自由 に 処 分 で き る。 そ れ ゆ え 、会 社 側 は株 主 が従 業 員 で あ るか 否 か 、 そ の個 性 は 問題 と な らな い し、 従 業 員 側 も持 株 の処 分 に つ き会 社 側 に依 存 す る必 要 は な い 。 とこ ろ が 、 閉 鎖 会 社 に お い て は従 業 員 持 株 会 が 存在 せ ず 、 会 社 創 業 者 や そ の一 族 等 の 個 人 や 会 社 が 運 用 して い る もの が 少 な くな い。 そ の うえ、 公 開会 社 株 式 の よ うに 市 場 価 格 が 存 在 しな い か ら評 価 が 難 し く、 公 正 とは い え な い不 明 瞭 な価 格 で 売 買 が 行 わ れ て い る こ とが 多 い 。 こ の よ うに 、 閉 鎖 会 社 は 資 金 調 達 の 範 囲 が 限 られ、 また 、 好 ま し くな い者 が 株 主 とな っ て会 社 経 営 を混 乱 させ る こ とを 防 止 す る必 要 が あ り、 株 主 の個 性 は重 要 な もの と な る。 従 業 員 株 主 が退 職 後 持 株 を処 分 す る場 合 、 そ の ため の 市場 は存 在 せ ず 、 そ の 株 式 を保 有 し続 け な け れ ば な らな い とす れ ば、 長 年 の 勤 労 の成 果 を享 受 で きな い。 そ れ ゆ え 、 持 株 の現 金 化 に つ き会 社 側 に 依 存 せ ざ る を得 な い 。 ま た、 会 社 側 に とっ て も、社 外 の 第 三 者 に株 式 が 流 出 す るの を 防止 す る必 要 が あ る。 しか し、 高 配 当 を続 け て い る よ うな会 社 に お い て は 、従 業 員 が 退 職 後 も生 活 安 定 の た め 、 また は 、 有 利 な 資 産 と して株 式 の保 有 を望 む こ と もあ ろ う。 一 方 、 低 配 当 な い し無 配 の会 社 に お い て は 、従 業 員 は 退 職 後 、 公 正 な価 格 に よ る会 社 の 株 式 買 取 を望 む で あ ろ う し、 会 社 は 買 取 資 金 を用 意 し な け れ ば な ら な い。 こ の よ うに、 従 業 員 と運 営 主 体 との 間 で、 保 有 株 式 の 譲 渡 禁 止 や 特 定 の 者 へ の 譲 渡 制 限 の 定 め 、 持 株 会 脱 会 時 や 退 職 時 に お け る保 有 株 式 の買 い戻 しの 定 め が な され る こ とが 多 い。 ま さ に 、 この 状 況 が 問 題 の 多発 す る原 因 で あ る とい え よ う。 (注1)河 本 一 郎 「従 業 員 持 株 制 度 の 問 題 点 」 ジュ リス ト110頁 3.従 業 員 持 株 制度 の 法律 上 の 問 題 点 (1)株 式 の 譲 渡 制 限 ① 譲 渡 禁 止 契 約 商 法204条1項 本 文 は 株 式 譲 渡 の 自由 を保 障 し、会 社 に よ る譲 渡 制 限 で あ れ ば 、契約 に よ る もの で あ れ 定 款 や 約 款 に よ る もの で あれ 規 制 対 象 とな る が、 会 社 と関 係 な い 者 に よ る譲 渡 制 限 を対 象 とす る もの で な い と解 さ れ る(注2)。 商 法204条1項 但 書 は 会 社 が定 款 に よ っ て株 式 の 譲 渡 を制 限 す る こ と を認 め て い る。 これ は特 に 閉鎖 会 社 の 場 合 、 好 ま し くな い 者 が 株 主 と して会 社 の 運 営 を混 乱 させ る こ と を防 止 し、 株 主 の 投 下 資 本 回 収 を保 障 す る必 要 性 が あ るか らで あ る。 しか し、 株 主 に 投 下 資本 回 収 を保 障 す る ため 、 譲 渡 制 限 の 内容 は 法 定 され て お り、 会 社 が定 款 に よ っ て株 式 の 譲 渡 に取 締 役 会 の 承 認 を要 す る と定 め る こ とに よっ て 、 取 締 役 会 に 先 買 権 者 を指 定 す る権 限 を留 保 す る こ との み を認 め て い る(注3)。 商 法204条1項 但 書 は 定 款 に よ る株 式 譲 渡 制 限 を認 め て い るが 、定 款 に よ らず 契約 に よ る株 式 譲 渡 制 限 の効 力 が 問 題 とな る。 学 説 で は、 契 約 当 事 者 の一 方 が 会 社 で あ るか 否 を判 断 基 準 とす る。 す な わ ち、 イ)会 社 と個 々 の株 主 との 間 の 契約 と、 ロ)株 主相 互 間 の 契 約 ま た は特 定 人 と個 々 の 株 主 との 間 の 契約 が あ る。 イ)は 原 則 と して 商 法204条1項 本 文 お よ び但 書 の 規 定 の 脱 法 手 段 と し て無 効 で あ る が 、 ロ)は 商 法204条1項 但 書 とは 無 関 係 な もの で 原 則 と して 有 効 と解 され る(注 4)。 なお 、株 式 譲 渡 契 約 が 有 効 で あ る と して も債 権 的 な効 力 しか 有 し な い 。そ れ ゆ え、株 主 が そ の契 約 に 反 して株 式 を譲 渡 して も、 そ の譲 渡行 為 自体 は有 効 で あ り、 債 務 不 履 行 に よ る損 害賠 償 責 任 また は 違 約 罰 を負 うにす ぎ な い(注5)。 従 業 員 持 株 制 度 にお い て 、 会 社 が 従 業 員 との 間 で行 う持 株 譲 渡 制 限 契約 の 効 力 は、商 法204条1項 但 書 に よ っ て 法 定 さ れ た 内容 しか 許 され な い とす れ ば無 効 とい うこ とに な ろ う(注6)。 しか し、従 業 員 持 株 制 度 は会 社 か ら奨 励 金 が支 給 さ れ補 助 が な さ れ て い る。 こ の補 助 に よ り取得 し た株 式 を、 従 業 員 が 取得 後 た だ ちに 処 分 し、 奨励 金 を只 取 りす る こ と は本 制 度 の 目的 か ら許 され な い。 そ れ ゆ え、 会 社 の 補 助 等 の 関 係 か ら無理 が な い と思

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わ れ る一 定 期 間 につ い て は 、 従 業 員 に株 式 譲 渡 を禁 止す る こ とは 許 され る。 た だ し、 こ の一 定 期 間 を超 え る株 式 譲 渡 禁 止 は 、従 業 員 持 株 制 度 の 目的 で あ る従 業 員 の財 産 形 成 お よ び商 法204条1項 に 反 し許 され な い(注7)。 ま た、 会 社 が 定 款 で従 業 員 持 株 制 度 に よ り取 得 した株 式 に つ い て 、 そ の 譲 渡 に つ き取 締 役 会 の承 認 を要 す る旨 を定 め る こ とは 、 株 主 平 等 の 原 則 に反 し許 され な い で あ ろ う。 しか し、 持 株 会 が従 業 員 との 間 で 譲 渡 につ き一 定 の 制 限 を定 め る こ とは 、株 主 平 等 の 原 則 と全 く関係 が な い か ら さ しつ か え な い(注8)。 した が って 、 従 業 員 と従 業 員 持 株 会 との 間 で 譲 渡 制 限契 約 を行 うこ とは 、従 業 員 の財 産 形 成 と好 ま し くな い者 が株 主 とな る こ と を防 止 す る とい う 従 業 員 持 株 制 度 の 目的 に 沿 う もの で あ り、 特 定 人(持 株 会)と 個 々 の 株 主 との 間 の 契 約 は 、 商 法 204条1項 但 書 と は無 関 係 な もの とな り有 効 で あ る。 ② 従 業 員 の 退 職 時 に お け る会 社 との 株 式 買戻 契 約 従 業 員 持 株 制 度 の 運 営 上 、従 業 員 が 退職 時 に会 社 が 株 式 を買 い戻 す 契 約 は、商 法204条1項 に 違 反 しな い か ど うか が 問 題 とな る。 従 業 員 持 株 制 度 に お け る約 定 は 附 合 約 款 的 な もの で あ り、 従 業 員 は この よ うな約 定 を し な け れ ば 、従 業 員 持 株 制 度 に よ り株 式 を取 得 す る こ とは で きな い 。 経 済 的 弱 者 で あ る従 業 員 が か か る約 定 を了 承 して い る と して も、 対 等 の立 場 に あ る 当事 者 が合 意 を し た上 で 契 約 を した もの で は な い 。従 業 員 に一 方 的 に不 利 益 で 不 当 な 内容 の約 定 は、 従 業 員 が それ を知 って 契 約 を し た とい う こ との 一 事 を もっ て 有 効 とな る もの で は な い(注9)。 定 款 に よ って 譲 受 人 を特 定 す る こ とお よ び従 業 員 の 退 職 を停 止 条 件 とす る会 社 の買 戻 契約 は、 譲 受 人 を特 定 して い る と と もに 、会 社 が 従 業 員 で あ る株 主 か ら株 式 を保 有 し続 け る 自由 を奪 う もの で あ り、商 法204 条1項 に違 反 す る もの で あ る(注10)。 しか し、 商 法204条1項 は会 社 が 株 主 との 間 で個 々 に締 結 す る債 権 契 約 の 効 力 につ い て 直 接 規 定 す る も の で な く、 この 契 約 が株 主 の 投 下 資本 回収 を不 当 に 妨 げ る もの と は い え な い か ら、 この 契 約 が 当 該 規 定 に違 反 す る もの と い えず 、 契 約 に よ る株 式 譲 渡 が 無 効 と され るべ き理 由 は な い(注11)。 も っ と も、 商 法204条1項 但 書 の認 め る定 款 の 譲 渡 制 限 規 定 に よ って 退 職 した従 業 員 が 株 式 を譲 渡 しよ う とす る場 合 、 会 社 は先 買 権 者 を指 定 で き る。 し たが っ て 、 会 社 は 自 ら好 ま し くな い 者 が株 主 とな る こ とを 阻 止 で き、 従 業 員 を先 買権 者 に指 定 す る こ とに よ り従 業 員 持 株 制 度 を維 持 す る こ とが で き る(注12)。 さ ら に、 譲 渡 人 が譲 渡 の 相 手 方 選 択 につ い て 有 す る利 益 は 重 要 性 が な い 。 譲 渡 人 は 投 下 資 本 を回収 して会 社 か ら離 脱 す る の で あ り、 自分 に 代 わ っ て株 主 とな る者 の個 性 は も はや 重 要 で は な い(注13)。 ま た、 従 業 員 に とっ て も 公 開 会 社 な ら と もか く、 市 場 が 存 在 し な い閉 鎖 社 会 の 場 合 、 株 式 の 処 分 が で きな い の で 、 閉鎖 会 社 の株 式 の 現 金 化 を行 い 投 下 資 本 を回 収 す る た め に は 、 会 社 に よ る株 式 買戻 契約 は 必 要 とな る。 しか し、 こ の 契約 は 譲 受 人 を特 定 して い る と と もに 、 退 職 後 も従 業 員 株 主 が株 式 を保 有 し続 け た い とい う意 思 が あ る場 合 、 そ の 自由 を奪 う もの で あ り商 法204条1項 に反 す る とい え る。 (2)自 己株 式 取 得 禁 止 規 定 商 法210条 は会 社 に よ る 自 己株 式 取 得 を禁 止 して い る。その 立 法 趣 旨 と して 、会 社 が 有 償 で 自 己 株 式 を取 得 す る こ とは、 株 主 に対 す る 出 資 の 払 い戻 し とな り、 会 社 資産 の 充 実 を害 し、 株 主 や 会 社 債 権 者 の 利益 を害 す るお そ れ が あ る こ と、 会 社 の 自己株 式 取 得 に よ り、 会 社 に株 式 を売却 す る 株 主 と売 却 しな い株 主 との 間 に機 会 の不 均 衡 を もた らす 。 す な わ ち 、 買 付 価 格 が 実 価 よ りも高 く て も低 くて も売 っ た株 主 と売 ら なか っ た株 主 の どち らか が 損 を し、株 主 平 等 の 原 則 に 反 す るお そ れ が あ る こ と、 自己株 式 の 売 買 に よ り個 人 的 利 益 追 求 に よ る不 当 な 投 機 や 株 価 操 作 が行 わ れ 、 株 主 や 一 般 投 資 家 の利 益 が 害 され る お そ れ が あ るこ と、 自 己株 式 の 取得 が 会 社 支 配 権 を維 持 す る 目 的 で 議 決 権 を利 用 す る と き は、 株 主 お よび 会 社 債 権 者 の 利 益 が 害 され るお そ れが あ る こ と等 が あ げ られ よ う(注14)。 しか し、 自 己株 式 取 得 禁 止 の違 反 は いず れ の 場 合 も処 罰 され るが 、 取 得 の私 法 的 効 果 は 、 会 社 名 義 で 取 得 す る場 合 は 無 効 で あ るの に 対 し、 他 人 名 義 で取 得 す る場 合 は、 取 引

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安 全 の考 慮 か ら、譲 受 人 が 悪 意 で な い 限 り無 効 で は な い と解 す べ きで あ る(注15)。 さ ら に、 同 条 の 立 法 趣 旨 が 会 社 の財 産 安 全 確 保 に あ る こ と に鑑 み る と、 同 条 に よ り保 護 され るべ き者 は 会 社 、会 社 債 権 者 、 一 般 株 主 等 で あ って 譲 渡 人 で は な い か ら、 同 条 に よ る無 効 の 主 張 は譲 渡 人 を保 護 すべ き事 情 が な いか ぎ り会 社 側 に の み 認 め られ 、 譲 渡 人 か ら これ を主 張 す る こ とは許 され な い もの と 解 す る のが 相 当 で あ る。 この よ うに解 して も、 譲 渡 人 は 当 初 の 契 約 どお りに株 式 を譲 渡 す る こ と に よ っ て、 自 己 の望 む結 果 を得 られ 何 ら不 利 益 を被 らな い の で あ っ て 、 この 場 合 保 護 され るべ き 会 社 側 が 当 該 契 約 の無 効 を望 ま な い に も拘 らず 、 保 護 の 対 象 とな っ て い な い譲 渡 人 の 利 益 の た め に 無 効 を認 め るべ き合 理 的理 由 を見 出 だす こ とは で きな い(注16)。 しか し、 会 社 が 自 己株 式 を 買 い戻 す 旨の 約 定 は、先 に見 た よ うに商 法210条 に違 反 し無 効 で あ る。 そ して、この無効 を会 社側 が主 張 す る こ とは 認 め ら れ て い る。 それ ゆ え、 日本 の 従 業 員 持 株 制 度 に お い て 、 会 社 に よ る株 式 買 戻 契約 が あ る場 合 に 、 同契 約 に よ って 従 業 員 が会 社 に株 式 の 買 い 戻 し を請 求 し た場 合 、会 社 は 同 契 約 の 商 法210条 違 反 を主 張 し て株 式 買 戻 を拒 否 で き る こ と とな ろ う。だ が 一 方 、多 くの 学 説 に よ れ ば 、譲 渡 人 は商 法210条 違 反 に よ る無 効 を主 張 で きな い の で あ っ て、会 社 が株 券 の 引 き渡 し を請 求 す れ ば 、従 業 員 は これ を 引 き渡 さ ざ る を え な い 。 つ ま り、 日本 の 従 業 員 持 株 制 度 に お い て 、 会 社 に よ る株 式 買 戻 契約 の あ る場 合 に は 、 会 社 は 買戻 義 務 を 負 う こ とな く、 従 業 員 の 危 険 負 担 にお い て、会 社 が 投機 的 利 益 を得 て い る よ うに 思 わ れ る。従 業 員 の側 に 株 式 を保 有 し続 け る正 当 な利 益 が あ る。 また 、商 法210条 の 立 法 趣 旨 の ひ とつ と して、株 主 間 の機 会 の 不 均 衡 を も た らす よ う な行 為 を、会 社 は なす べ きで な い とい うこ とが あ げ られ て い る。従 業 員株 主 か らの株 式 の 買 付 価 格 が 実 価 よ り高 け れ ば、 従 業 員 株 主 を不 当 に優 遇 す る こ と と な り、 また 実 価 よ り低 け れ ば 、 残 っ た 他 の 株 主 が得 を し て売 っ た従 業 員 株 主 が 損 をす る こ とに な る。 さ らに 、従 業 員 持 株 制 度 に お け る株 式 買 戻 契 約 は 附 合 契 約 的性 質 を有 す る もの で あ り、経 済 的 強 者 で あ り、そ の 一 方 的作 成 者 で あ る会 社 が 自 らそ の 無 効 を主 張 で き る とす れ ば 、 そ れ とのバ ラ ン スか らい って も、 経 済 的 弱 者 で あ る従 業 員 に も無 効 の 主 張 を認 め るべ き で あ ろ う(注17)。 また 、 従 業 員 持 株 制 度 に お い て 、従 業 貝 が 退 職 し 会 社 が そ の 株 式 を買 い 取 る こ とに な っ て い る と、 会 社 が 買 取 資金 を負 担 して 自 己株 式 を 取 得 す る こ と とな り、 参 加 従 業 員 全 員 を 同 じ取 り扱 い に しな け れ ば な らな い 。 会 社 の 経 営 状 態 が 良 好 な と きは よ いが 、 悪 化 した と きに も 多数 の参 加 者 が 退 職 して 株 式 の 買 い 取 りを求 め る と、 会 社 は その 買 取 り資金 を負 担 しな け れ ば な らな い 。 この よ うな行 為 は会 社 資産 の 充 実 を 害 し、 会 社 債 権 者 を 害 す る お そ れ が あ り、株 主 平 等 の 原 則 に反 す る もの として、他 の株 主 か らの 無 効 の 主 張 も可 能 で あ ろ う。商 法210条 違 反 の 取 引 は 原 則 と して 無 効 で あ って 、そ の 無 効 を主 張 す る につ き、正 当 な 利 益 を有 す る もの は その 無 効 を主 張 で きる と思 わ れ る。 退 職 後 も株 式 を保 有 し続 け る こ とに正 当 な利 益 を有 す る 者 は 、 商 法210条 違 反 に よ る無 効 を主 張 で き る と思 わ れ る(注18)。 ま た、 問題 は 持 株 会 に よ る会 社 の 株 式 の取 得 が 、 会 社 の計 算 に お い て株 式 を取 得 す る こ とに な るか 否 か で あ る。 も し会 社 か ら従 業 員 に対 す る貸 付 金 の 形 を と り、 そ の支 払 金 利 と配 当金 とを相 殺 し、 か つ 、 株 式 の 値 下 が りの 損 失 を保 証 をす る とす れ ば、会 社 の 計 算 で株 式 を取 得 した こ とに な り、商 法489条2号 だ け で な く商法210条 に も違 反 す る。 しか し、奨 励 金 の 形 を と って いれ ば 問題 は生 じな い が 、持 株 会 が会 社 と経 済 的 に 一 体 で あ れ ば 違 法 と考 え られ る余 地 も あ る。 持 株 会 の 株 式 取 得 資 金 の大 部 分 は従 業 員 の 拠 出 金 か ら な る もの で あ り、 配 当 金 は従 業 員 に 帰 属 し、 株 価 値 下 が りに よ る損 失 も従 業 員 の 負 担 とな る こ とか ら、 会 社 の 計 算 に よ り取 得 して い る とは い え な い(注19)。 した が っ て 、 会 社 が 自己 株 式 を取 得 す る こ とは株 主 に対 す る 出資 の払 い戻 し とな り、 会 社 資産 の 充 実 を 害 す る こ と とな る。 ま た 、 自 己株 式 売 買 に よ り不 当 な 投 機 や 株 価 操 作 が 行 わ れ た り、 自己株 式 取 得 が 会 社 支 配権 を維 持 す る 目的 で利 用 され る とき は 、 株 主 お よび会 社 債 権 者 の 利 益 を害 され る こ と と な る。 そ れ ゆ え、 会 社 名 義 で会 社 の 計 算 に よ り自 己株 式 を取 得 す る こ とは 無効 で あ るが 、 持 株 会 が 会 社 か ら支 給 さ れ る奨励 金 を株 式 取得 資 金 の一 部 と して株 式 を取 得 す る こ とは、 自 己株 式 取 得 禁

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止(商 法210条)に 反 す る もの で は な い。 ま た、 学 説 ・判 例 に よれ ば 、 商 法210条 の 立 法 趣 旨 が 会 社 財 産 の確 保 に あ り、 同 条 に よ り保 護 され る の は会 社 ・会 社 債 権 者 ・一 般 株 主 等 で あ り譲 渡 人 で は な い こ とか ら、 譲 渡 人 が 同 条 に よ る無 効 を主 張 す る こ とは 認 め られ な いが 、会 社 側 が 主 張 す る こ とは 許 さ れ る とい う もの で あ る。 これ は、 片 手 落 ちで 不 合 理 な もの で あ る と思 わ れ る。 保 護 の 利 益 は 重視 す べ き こ とで あ るが 、 無効 の 主 張 は 双 方 対 等 の権 利 と して 認 め るべ きで あ ろ う。 (3)譲 渡 価 格 の 有 効 性 ① 譲 渡 価 格 の算 定 方 法 従 業 員 持 株 制 度 は従 業 員 の財 産 形 成 を 目的 とす る もの で あ り、 従 業 員 が 自 己都 合 や 退 職 等 に よ り持 株 会 か ら脱 会 す る際 、 取 得 した株 式 を会 社 また は持 株 会 に 譲 渡 す る こ とが約 定 さ れ て い る と き、 株 式 の 譲 渡 価 格 が 問 題 とな る。 公 開 会 社 に お い て は市 場 価 格(時 価)が あ り、 原 則 と して こ の価 格 が 公 正 な譲 渡 価 格 と考 え られ るが 、 閉鎖 会 社 にお い て は 市 場 が 存 在 し ない ため 、 脱 会 の 都 度 、 譲 渡 価 格 と して の 公 正 な価 格 の 算 定 は容 易 で は な い。 特 に 取 得 後 短 期 間 で譲 渡 して 利 鞘 を稼 ぐよ う な場 合 は 、 取 得 価 格 ま た は 一 定 の 価 格 を譲 渡 価 格 と して も正 当化 され よ う。 本 制 度 に よっ て 会 社 の 株 式 を取得 す る従 業 員 は、 会 社 に 対 して 確 定 額 の金 銭債 権 を有 す る者 で な く、 会 社 の株 式 に 投 資 す る 者 で あ る。 会 社 の 株 式 に投 資 す る こ とに よ って 、従 業 貝 は会 社 の 事 業 経 営 の危 険 を負 担 す る と と もに 、 その 成 功 の 利 益 を直 接 に 享 受 す る。 す な わ ち、 従 業 員 は そ の 取 得 す る株 式 に つ いて 利 益 配 当 を受 け 、 会 社 の 持 分 価 値 が 増 加 す れ ば 、株 式 を売 却 す る こ とに よ って 売 却 益 を得 る利 益 を有 す る(注20)。 し た が っ て 、 配 当性 向 が100%な ら ば取 得 価 格 を譲 渡 価 格 と して も認 め られ るが 、 利 益 の 一 部 を利 益 配 当 と し、 残 部 を 内部 留 保 し、 株 式 の持 分 価 値 が 増 加 し て い る と きは 、 株 式 売 却 に よ る キ ャ ピ タル ゲ イ ン獲 得 の 機 会 が 与 え られ なけ れ ば な ら な い。 会 社 も し くは持 株 会 と従 業 員 の 間 で、 取 得 価 格 や 一 定 の価 格 で の買 戻 価 格 を約 定 した場 合 、 従 業 員 に 対 して従 業 員 持 株 制 度 に よ って 取 得 す る株 式 に つ き、売 却 益 の獲 得 を否 定 す るこ とで あ り、株 式 投 資 の利 益 を利 益 配 当 に 限 定 しな け れ ば な ら な い こ と を意 味 す る。 しか し、 こ の こ とは 会 社 の 事 業 経 営 に よ る利 益 が す べ て 利 益 配 当 と して 株 主 に分 配 され る場 合 を除 いて は、 株 式 投 資 の 本 質 に 反 す る もの で あ り(注21)、 事 実 上 従 業 員 の 危 険 負担 に お い て会 社 が 投 機 し て い る とい っ て も よ か ろ う。 ま た、 従 業 員 は株 式 投 資 の危 険 を負 担 しな が ら、 何 年 た っ て も キ ャ ピタ ル ゲ イ ン を獲 得 で き な い の で は 、 株 式 投 資 の 本 質 に反 す るの み な らず 、 従 業 員 持 株 制 度 の 目的(従 業 員 の 財 産 形 成)に も反 す る こ と とな ろ う(注22)。 しか し、 特 に 閉鎖 会 社 に あ って は、 株 主 は株 式 を他 に譲 渡 し て換 金 し よ う と して も事 実 上 不 可 能 で あ り、 制 度 運 営 主 体 に よ って 買 い取 られ る こ とが む しろ 唯 一 の換 金 方 法 で あ る。 そ して 、 そ の 買 取 価 格 を株 式 の 実 価 と した 場 合 に は 、制 度 とし て た ち ま ち買 い 取 り資 金 の枯 渇 を き た し、 制 度 そ の もの が 成 り立 た な くな る(注23)。 また 、 本 制 度 に お い て 、 従 業 員 と会 社 も し くは 持 株 会 が譲 渡価 格 に つ い て合 意 す る こ と は合 理 性 は 認 め られ るが 、 そ の よ うな合 意 が 有 効 で あ る ため に は 、 その 合 意 に した が っ て算 定 され る価 格 が 、株 式 の 真 実 の価 値 と合 理 的 な関 連 性 を持 って い る こ とが 必 要 で あ る。 しか るに 、 株 式 の真 実 の価 値 と合 理 的 に 関 連 す る もの と認 め られ る、 株 式 の純 資 産 価 格 また は 類 似 業 績 会 社 の 株 価 等 とは全 く無 関 係 に 、株 式 の取 得 価 格 や 一 定 の 価 格 を譲 渡 価 格 とす る合 意 は 、 か か る合 意 の 有 効 性 の 要件 を欠 く もの と し て無 効 と断 ぜ ざ る を得 な い(注24)。 この よ うに 、従 業 員 と会 社 も し くは持 株 会 とが 譲 渡 価 格 を決 定 し合 意 す る こ とは合 理 的 で あ るが 、 そ の価 格 の 算 定 方 法 は株 式 投 資 の本 質 や従 業 員 持 株 制 度 の 目的 か ら、 公 開会 社 に あ っ て は譲 渡 時 に お け る時 価 を譲 渡 価 格 と し、 閉鎖 会 社 に お い て は純 資 産 価 格 ま たは 類 似 業 績 会 社 の株 価 等 を譲 渡 価 格 とす る方 法 が有 効 と思 わ れ る。 利益 の す べ て を配 当 と して分 配 しな い 場 合 、 取 得 価 格 を譲 渡 価 格 とす る約 定 は合 理 性 を認 め られ ない 。 ② 公 序 良 俗 違 反 との 関 係

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会 社 の 利 益 の 相 当部 分 を利益 配 当 と して株 主 に分 配 され な い場 合 に は 、 取 得 価 格 を譲 渡 価 格 と す る よ うな約 定 は 、 従 業 員 持 株 制 度 に よっ て 株 式 を取 得 し た従 業 員 か ら、 その 者 が本 来 受 け るべ き重 要 な利 益 を奪 う もの で あ り、不 合 理 な も の と して 公 序 良 俗 に 反 す る無 効 な もの と解 され る(注 25)。 ま た、裁 判 所 が 買 戻 価 格 は 時価 も し くは公 正 な 価 格 よ り著 し く低 い価 格 で あ っ て も、公 序 良 俗 に 反 しな い と判 断 した理 由 は 五 つ あ げ られ る。 1)株 式 を 時価 よ り安 い価 格 で 取 得 して い る。 2)毎 年 高 額 の 配 当 を受 領 して 利 益 を得 て い る。 3)定 款 の 定 め に よ り株 式 譲 渡 に 取 締 役 会 の承 認 を要 す るの で 、 株 式 に つ い て は も と も と市 場 に お け る 自由 な 売 買 が 予 定 され て い な い。 4)未 上 場 株 式 に つ い て退 会 の都 度 個 別 的 に 引 取 価 格 を定 め る こ とが実 際 上 難 しい 。 5)株 式 取 得 後 、 株 式 の 時 価 が 無 視 し得 な い ほ ど高 騰 した こ と を確 認 す るに 足 り る的確 な証 拠 が な い(注26)。 そ も そ も、 公 序 良 俗 違 反 な る もの は具 体 的 に は これ を定 義 す る こ とは で きず 、 法 政 策 的 、 倫 理 的 判 断 の 根 拠 を裁 判 官 に付 与 す る ため の一 般 条 項 で あ る。 実 際 に は契 約 の あ る部 分 の み を切 離 し て観 察 す る と、 そ の 部 分 自体 は別 段 公 序 良俗 違 反 で は な い が 、他 の部 分 を含 め て 契約 全 体 を観 察 して は じめ て、 そ の 契 約 が 公 序 良俗 違 反 で 無効 だ とい うべ き場 合 は少 な くな い。 この 場 合 も、 取 得 価 格 や 一 定 の価 格 を譲 渡 価 格 とす る約 定 自体 は 合 理 性 を有 し有 効 で あ るが 、 合 意 が あ っ て も経 済 的 弱 者 で あ る従 業 員 が 会 社 や 持 株 会 と行 う契 約 は 自由 な合 意 と認 め られ な い。 そ れ ゆ え、 高 配 当 で か つ キ ャ ピ タル ゲ イ ン も獲 得 可 能 な もの で なけ れ ば、 株 式 投 資 の本 質 に も反 し従 業 員 持 株 制 度 の 目的 に も反 す る こ と とな り、 この 約 定 は 無効 とい わ ざ る を得 な い し公 序 良 俗 に 反 す る とい え る。 この よ うに 、個 々 の 契 約 が 強行 法 規 に 反 しな く と も、 全 体 と して 無効 とす べ きで あ る とい う よ うな総 合 的 判 断 が 必 要 で あ る。 (4)奨 励 金 支給 上 の 問 題 点 ① 利益 供 与 禁 止 規 定 従 業 員持 株 制 度 は 、 従 業 員 で あ る持 株 会 会 員 が 株 式 購 入 の ため に支 払 う毎 月 の積 立 額 に 応 じて 会 社 が 奨励 金 を支 出 し、 株 式 の議 決権 は持 株 会 理 事 長 が行 使 す る こ とに な っ て い る。 こ の奨 励 金 供 与 が 、 商 法294条 の2に 規 定 す る利 益 供 与 禁 止 規 定 に違 反 す るお そ れ は な い か と い う問 題 で あ る。 この 点 につ い て 熊 谷 組 持 株 会 事 件 に お い て 昭 和60年3月29日 の福 井 地 方 裁 判 所 判 決(昭60・ 3・29資 料 版 商 事 法 務60年4月 号22頁 、 金 判720号40頁)に よ り、 裁 判 所 は 奨 励 金 の 支 給 は 当該 規 定 の株 主 の 権 利 行 使 に 関 して、 財 産 上 の利 益 を供 与 した もの と推 定 を受 け る こ と を認 め た が 、 熊 谷 組 持 株 会 規 約 に よ る と、 会 員 が 毎 月積 み 立 て た 積 立 金 は株 式 投 資 に 充 て られ 、 これ に よ り取 得 した株 式 は 、 会 員 の積 立 口数 に 応 じて 登 録 配分 し、 会 員 は 自 己 に登 録 配分 され た株 式 を持 株 会 理 事 長 に 管理 させ る 目的 を もっ て信 託 す る もの と し、 理 事 長 が 受 託 す る株 式 を、 理 事 長 名 義 と し て 会 社 の株 主 名 簿 に名 義 を書 き換 え る も の とす る。 こ の よ う に理 事 長 名 義 に 書 き換 え られ た株 式 の 議 決 権 は 、 理 事 長 が理 事 会 の決 議 に 基 づ き行 使 す る の で あ るが 、 会 員 は そ の登 録 配 分 株 数 に 応 じ て株 主 総 会 ご とに持 株 会 理 事 長 に 特 別 の指 示 をす る こ とが で き る。 この 場 合 、 理 事 長 は理 事 会 の 決 議 と異 な っ て、 そ の 会 員 の指 示 に従 っ て議 決 権 を行 使 し なけ れ ば な ら な い の で 、 通 常 はp決 権 の不 統 一 行 使 を しな け れ ば な らな い。 こ の よ う な規 定 が持 株 会 規 約 に お い て設 け られ て い る ため 、 取 得 した株 式 の議 決 権 の 行 使 に つ い て も制 度 上 は 各 会 員 の独 立 性 は確 保 され て い る。 そ して 、 持 株 会 の役 員 の 選 出 方 法 が 持 株 会 総 会 の 決 議 に よ る こ と を含 め 、 熊 谷 組 の 取 締 役 の 意 思 を持 株 会 会 員 の有 す る株 式 の議 決 権 行 使 に 反 映 させ る 方 法 は 制 度 上 は な く、 一 定 数 を超 え た 保 有 株 式 を 自 由 に処 分 で き る し、 奨励 金 の 額 また は 割 合 も、 持 株 会 の趣 旨 な い し 目的 以 外 の何 らか の他 の 目的 を

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有 す る ほ どの もの で は な い との事 実 認 定 が な され た。 この 認 定 に よ り、 裁 判 所 は 「奨 励 金 の 支 払 は … … 従 業 員 に 対 す る福 利 厚 生 の 一 環 等 の 目的 を もっ て した もの と認 め るの が 相 当 で あ るか ら、 株 主 の 権 利 行 使 に関 して な した もの との前 記 推 定 は覆 る もの とい うべ き で あ る。」と判 示 した(注 27)。 しか し、持 株 会 理 事 長 が 理 事 会 の 決 議 に 基づ き議 決 権 を行 使 す るに つ き、持 株 会 会 員 が 株 主 総 会 ご とに 持 株 会 理 事 長 に対 し特 別 の指 示 を なす こ とが で き る と規 約 上 定 め られ て い て も、 理 事 会 の 決 議 お よび 理 事 長 の議 決 権 行 使 は、 通 常 は取 締 役 の 意 思 に した が っ て な さ れ るか ら、 会 員 は 会 社 の上 司 の 意 思 に反 して独 自の 見 解 を主 張 す る こ とは ほ とん どで き な い の が通 常 で あ る。 会 貝 は 当該 会 社 に お け る将 来 の 出 世 や 身分 を断 念 しな い か ぎ り、 理 事 長 に対 し特 別 の指 示 を なす こ と は で きな い と考 え る の が 実 際 に 適 合 した 見 方 で あ る。 す な わ ち 、 実 際 上 は会 員 の議 決 権 行 使 の独 立 性 は な く、この 奨 励 金 支 出 は 商 法294条 の2に 違 反 す る利 益 供 与 と解 す るの が 正 当 と思 う。契約 自 由 の 原 則 は制 度 上 は 認 め られ て い るが 、 実 際 上 は 多 くの 部 門 に お い て契 約 の 内容 お よ び締 結 は 自 由 で は な く、 経 済 上 の 強 者 の 一 方 的 強 制 に よ り締 結 され て い る場 合 が 多 い の で あ る。 い わ ゆ る、 附 合 契 約 お よび 当事 者 の 地 位 の 強 弱 の著 し い場 合 が そ れ で あ り、 こ の場 合 に は制 度 上 は 自由 で あ っ て も実 際 上 は 自由 で な く、 そ の契 約 の 内容 お よび 締 結 方 法 に つ き、 強者 を抑 制 し弱 者 を保 護 す る た め に 特 別 な法 令 が 作 られ た り(例 えば 借 地 法 、 借 家 法 、 諸 労 働 法)司 法 的 救 済 が 認 め られ て い る。 す な わ ち、 制 度 よ り も実 際 の運 用 が ど うな って い るか に 主 眼点 をお い て 判 断 しな け れ ば な らな い(注28)。 こ の よ う に熊 谷 組 持 株 会 事 件 の 判例 は、従 業 員 持 株 会 に対 す る奨 励 金 の 支 出 は、規 定 上 株 主 議 決 権 行 使 の独 立 性 が 制 度 上 定 め られ て い る の で 、 利 益 供 与 禁 止規 定 に 反 しな い と い う もの で あ るが 、 実 際 上 は 強 者 の側 の 意 思 に した が って 理 事 会 の 決 議 お よび理 事 長 の 議 決 権 行 使 が 行 わ れ るの で あ るか ら、 利 益 供 与禁 止 規 定 に 反 し な い と決 す る こ とは で きな い と思 う。 さ ら に、 本 制 度 に よ り株 式購 入 の ため に積 み 立 て を行 う従 業 員 に 、会 社 が 一 定 割 合 の 奨 励 金 を補 助 と して 支 出 す る こ とは 出 資 の 払 い戻 し と考 え る こ とが で きる。 また 従 業 員 株 主 の み が こ の よ うな 奨 励 金 を供 与 され る とい う こ とは、 他 の株 主 との 関 係 上 株 主 平 等 の 原 則 に 反 す る。 ② 取 締 役 の 忠 実 義 務 との 関係 会 社 が 持 株 会 な い しは従 業 員 に 対 して支 出 す る奨 励 金 が 、 取 締 役 の 忠 実 義 務(商 法254条 の3) に違 反 し な い か ど うか が 問題 と な る。 こ の 忠 実 義 務 の本 質 は会 社 す な わ ち株 主 の利 益 だ け を 図 る こ とに あ り、 取 締 役 個 人 また は会 社 以 外 の 第 三 者 の利 益 を図 らな い 限 りにお い て適 法 で あ る。 こ の 問題 は奨 励 金 支 出が ど うい う 目的 で な され るか に よ り、 取 締 役 が 自 己の 地 位 を国 内 或 い は 国外 の 第 三 者 に対 して 防 衛 す るた め で あ る な らば 、 す な わ ち、 内 国 また は 外 国 資 本 に よ る乗 っ取 り防 止 の ため で あ る な らば、 そ れ は取 締 役 の 地 位 保 全 の た め で あ っ て 、 必 ず し も会 社 の た め とは い え な い か ら忠 実 義 務 違 反 とな る疑 いが あ る。 したが っ て 、 株 主 安 定 工 作 とい う面 を強 調 し、 そ れ の み を 目的 とす る と違 法 の 疑 いが あ る。 この 制 度 は従 業 員 の財 産 形 成 政 策 を 目的 と し、 そ れ が従 業 員 の 福 祉 を増 進 して そ の 定 着 に貢 献 し、 ひ い て は会 社 に お け る労働 者 の 勤 労 意欲 の 増 進 を狙 って い る限 りに お い て、 奨 励 金 の 支 出 は会 社 ひ い て は総 株 主 の利 益 に 合 致 して、 取締 役 個 人 ま た は 会 社 以 外 の 第 三 者 の利 益 を図 る もの とは い え な い か ら忠 実 義 務 違 反 とは い え な い(注29)。 こ の よ う に 、 本 制 度 に お け る奨 励 金 支 給 は従 業 員 株 主 の利 益 が 図 られ る限 り適 法 で あ る し、 会 社 が株 主安 定 効 果 を 目的 とす るの は 合 理 的 な こ とで あ る。 しか し、 強者 の 論 理 に よ り、 実 際 上 株 主 議 決 権 行 使 の 独 立性 が 保 障 され て い な い場 合 は 忠 実 義 務 違 反 とな る場 合 もあ り う る。 (5)株 券 交 付 ・不 交付 の 問題 従 業 員 持 株 制 度 に お い て、 従 業 員 株 主 は株 式 その もの を単 独 に所 有 す る こ とな く、 会 社 や 持 株 会 が 預 か り保 管 し株 券 の 交 付 を受 け な い とい う契 約 を定 め た 場 合 、 株 券 は従 業 員 株 主 が 毎 月 積 み 立 て た積 立 口数 に 応 じて登 録 配分 され た持 分 に 応 じ共 有 権 を有 す るが 、株 式 そ れ 自体 は 持 株 会 理

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事 長 に 管 理 させ る 目的 を もっ て信 託 され 、 理 事 長 名 義 と して株 主 名 簿 に登 録 され る。 こ の 場 合 、 株 券 不 交付 契 約 の有 効 性 や 議 決 権 行 使 が 問 題 とな る。 株 券 不 交付 契 約 の 目的 は 、 従 業 員 所 有 株 式 を一 括 して 特 定 の 者 の 支 配 下 に 置 き続 け る事 で あ り、 こ の よ うな 契 約 は、 分 割 可 能 な共 有 財 産 の 分 割 請 求 を禁 止 す る特 約 と見 る こ とが で き る。こ の契 約 は 民 法256条1項 但 書 に よ り5年 間 しか 効 力 を有 しな い と考 え られ 、この 分 割 禁 止期 間 は更 新 で き るが 、民 法256条2項 に よ り更 新 時 よ り5 年 を超 え る こ とは で きな い。 しか し、従 業 員 が特 定 の 株 券 に対 して 所 有 権 を有 す る場 合 に は 、 た とえ そ の 返 還 時 期 が 契約 に よ り定 め られ て い た と して も、民 法662条 に よ り従 業 員 は いつ で もそ の 株 券 の返 還 を請 求 で き る(注30)。 従 業 員所 有 株 式 を一 括 して特 定 の 者 の 支 配 下 に 置 き続 け る こ と の 意 義 は、 議 決 権 を一 括行 使 させ よ う とす る点 に あ り、 持 株 会 理 事 長 に信 託 さ れ 理 事 長 名 義 と な っ て い る。 こ の株 式 の議 決 権 は理 事 長 が理 事 会 の決 議 に 基 づ き行 使 す る の で あ るが 、 従 業 員株 主 は そ の登 録 配 分 株 数 に 応 じ持 株 会 理 事 長 に 特 別 の指 示 をす る こ とが で き、 理 事 長 は 議 決 権 の 不 統 一 行 使(商 法239条 の2)の 手 続 き を と らな け れ ば な ら な い。 こ の よ う に株 券 の 不 交 付 契 約 が な さ れ て い て も従 業 員 が 所 有 権 を有 し、 配 当 請 求 権 、 残 余 財 産 請 求 権 も従 業 員 株 主 に 帰 属 す る場 合 は 、 株 券 返 還 時 期 が 契 約 で定 め られ て い て も、民 法662条 に よ り従 業 員 は いつ で も返 還 請 求 で き、株 券 の 交 付 を受 け た場 合 と全 く同 様 の 法 的効 力 が あ り法 律 上 の 問 題 は 存在 し な い。 しか し、 従 業 員 所 有 株 式 の持 分 に 応 じ、 持 株 会 理 事 長 に特 別 の 指 示 をな す こ とが で き る と規 定 上 定 め られ て い て も、 実 際 上 、 議 決 権 行 使 は取 締 役 の 意 思 に した が っ て な され るか ら、 会 員 は 独 自の 見解 を主 張 す る こ とは 将 来 に影 響 す る こ と とな り、 会 員 の議 決 権 行 使 の独 自性 は な い と思 われ る(注31)。 議 決 権 の 従 業 員 株 主 に よ る直 接 行 使 を、 信 託 契 約 に よ り制 限 す る こ と 自体 は違 法 で は な い が 、 会 社 が積 極 的 に 働 きか け る形 で議 決 権 を現 経 営 者 に有 利 に 行 使 させ よ う とす るな らば 、 決 して 好 ま しい こ と で は な い(注32)。 し たが っ て 、 株 券 不 交 付 契約 の 目的 は 、 従 業 員 所 有 株 式 を一 括 して 特 定 の 者 の 支 配 下 に置 き続 け 、 売 却 を防 止 す る こ とで あ り、 議 決 権 を一 括 行 使 させ る とい う点 に あ る。 株 券 を交 付 し、 従 業 員 株 主 が 善 意 の 第 三 者 に売 却 し た場 合 、 議 決 権 行 使 に 当 然 影 響 が 出 て くる 。 や は り、 株 券 の 交 付 ・不 交 付 に お け る法 律 上 の実 質 的 問題 は 、 議 決 権 の独 立 性 の有 無 に あ る。 株 券 の 名 義 を持 株 会 理 事 長 で な く従 業 員 株 主 と し株 券 は不 交 付 とす れ ば、 株 券 を一 括 管理 し売 却 防 止 で き る と同 時 に、 投 票 の 直 接 秘 密 性 と独 立 性 は通 常 の株 主 同 様 保 た れ る。 (注2)市 川 兼 三 「従 業 員 持 株 制 度 に お け る退職 時 の株 式 買 戻(中)」 商 事 法務1322号28頁(1993) (注3)上 柳 克 郎 新 版 注釈 会 社 法(3)59頁(1990) (注4)上 柳 克 郎 前 掲(注3)71頁 (注5)市 川兼 三 「従 業 員 持 株 制 度 と株 式 買 戻(中)」 商 事 法 務1153号23頁(1988) (注6)鈴 木 ・竹 内 会 社 法(新 版)147頁(1989) (注7)市 川 兼 三 前 掲(注5)23頁 (注8)矢 沢 惇 「い わ ゆ る 『新 従 業 員 持 株 制 度 』 の商 法 上 の 問 題 点 」 商 事 法 務480号3頁(1969) (注9)神 崎 克郎 「従 業 員 持 株 制 度 に お け る譲 渡 価 格 約 定 の 有 効 性 」 判 例 タ イ ム ス510号7頁(1983) (注10)市 川 兼 三 前 掲(注5)24頁 (注11)龍 田 節 「従 業 員 持 株 制 度 と株 式 の譲 渡 価 格 」 商 事 法 務1055号103頁(1985) (注12)市 川 兼 三 前 掲(注5)24頁 (注13)前 田雅 弘 「契約 に よ る株 式 の譲 渡 制 限 」121巻1号40頁

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(注14)蓮 井 良憲 新 版 注 釈 会 社 法(3)227頁228頁229頁(1990) (注15)鈴 木 ・竹 内 前 掲(注6)142頁143頁 (注16)龍 田 節 前 掲(注11)102頁 (注17)市 川 兼 三 「従 業 員 持 株 制 度 と株 式 買 戻(下)」 商 事 法 務1154号65頁66頁(1988) (注18)市 川 兼 三 前 掲(注2)32頁 (注19)矢 沢 惇 前 掲(注8)2頁 (注20、21)神 崎 克郎 前 掲(注9)6頁 (注22)市 川 兼 三 前 掲(注17)68頁 (注23)河 本 一 郎 前 掲(注1)111頁 (注24、25)神 崎 克郎 前 掲(注9)7頁 (注26)市 川 兼 三 「従 業 員 持 株 制 度 にお け る退 職 時 の株 式 買戻(上)」 商 事 法 務1321号10頁(1993) (注27)河 本 一 郎 前 掲(1)110頁 (注28)田 中誠 二 「利益 供 与 禁 止規 定 の 厳 格 化 お よ び この 規 定 と従 業 員 持 株 制 度 」 商 事 法 務1071号7頁8頁(1986) (注29)矢 沢 惇 前 掲(注8)2頁3頁 (注30)市 川兼 三 「従 業 員 持 株 制 度 にお け る退職 時 の株 式 買 戻(下)」 商 事 法 務1323号18頁(1993) (注31)田 中 誠 二 前 掲(注28)8頁 (注32)谷 川 久 「従 業 員 に よ る 自社 株 式 取 得 な い し保 有 の ため の制 度 の 問 題 点 」 商 事 法 務255号5頁(1962) 4.む す び 米 国 で は従 業 員 持 株 制 度 は年 金 制 度 の一 種 とされ 、 そ の 目的 は従 業 員 の 勤 労 意 欲 を高 め て 生 産 性 を向上 させ る と と もに、 従 業 員 の退 職 後 の 所 得 増 加 に あ る。 従 業 員 の 退 職 の 際 、 原 則 と して従 業 員 は会 社 に対 して 売 渡 義 務 を負 うこ とな く売 付 選 択 権 を与 え られ て い るの で、 彼 が望 む な ら退 職 後 も株 式 保 有 を継 続 で き、 株 式 の現 金 化 を望 む な ら株 式 の 買 手 を 自由 に 探 す こ とが で きる。 た だ、 会 社 は従 業 員 が この よ うに 探 し出 した善 意 の 買 手 と同 等 以 上 の条 件 を提 供 す る こ とに よ っ て の み 、優 先 的 に従 業 員 か ら株 式 を買 い戻 す こ とが で き る優 先 先 買 権 を有 す る。 従 業 員 は 会 社 以 外 に買 手 を見 つ け 出 す こ とが で き な い場 合 に は 、 会 社 に対 して 株 式 の 買 取 を請 求 で き る。 こ の場 合 の会 社 の 買 戻 価 格 は 公 正 な評 価 方 式 に よ って 定 め ら れ る。 た だ、 米 国 の従 業 貝 持 株 制 度 に お い て も、 会 社 が 定 款 ま た は付 属 定 款 に よ っ て 、 実 質 的 に み て従 業 員 全 体 の 共 有 物 とさ れ て い る よ うな 場 合 に は 、 例 外 的 に従 業 員 持 株 制 度 は 、 退職 す る従 業 員 に 対 し株 式 に代 え て現 金 を交 付 す る こ と が 認 め られ て い る。 こ れ は会 社 で働 い て い る従 業 員 全 体 の 利 益 を守 る た め の もの で あ ろ う(注 33)o 日本 に お け る従 業 員 持 株 制 度 の 立法 的解 決 方 法 と して 、 市 川 兼 三教 授 は、 会 社 外 の 第 三 者 を買 受 機 関 と して 設 定 す る こ とに よ っ て 、従 業 員 に持 株 の 現 金 化 を保 障 す る こ とが 可能 とな り、 商 法 204条1項 違 反 の 問題 も生 じな い 。従 業 員 が 株 式 を現 金 化 す る必 要 の生 じた場 合 に 、従 業 貝 の求 め に 応 じて 、 公 正 な価 格 で そ の 株 式 を買 い 取 る会 社 外 の 買 受 機 関 を用 い る こ とは、 閉 鎖 会 社 に お い て従 業 員 持 株 制 度 を採 用 した 経 営 者 の 道 義 的 責 任 で あ る(注34)。 と言 及 さ れ て い る。 そ れ に対 し て、 田 中誠 二 教 授 は、 日本 で は全 部 が 記 名 株 式 で あ るか ら、 従 業 員 に配 分 さ れ た株 式 を直 ち に従

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業 員 名 義 に 書 き換 え、 そ の株 券 を持 株 会 に寄 託 す る こ とに す れ ば、 従 業 員 は株 式 の 譲 渡 は で き な い が 、 議 決 権 の行 使 は独 立 し直 接 秘 密 投 票 で き る の で 、 この 制 度 に 改 め れ ば従 業 員 持 株 制 度 が 利 益 供 与 禁 止 規 定 と抵 触 しな い で 存 続 して ゆ くた め の 良 い方 法 と考 え る(注35)。 と述 べ られ て い る。 私 見 と して は 、 買 受 機 関 を設 定 す るの も妙 案 と考 え るが 、 従 業 員 所 有 株 式 を持 株 会 理 事 長 名 義 とす るの で は な く、 直 ち に従 業 員 名 義 に 書 き換 え る こ とに よ り、 買 受 機 関 に 多額 の 手 数 料 を支 払 わ な くて 済 み 、 当事 会 社 の執 行 部 と買 受 機 関 との 親 密 関 係 に よ り、 投 票 の 秘 密 が 当事 会 社 の執 行 部 に 漏 洩 す る お そ れ も な い 。 し たが っ て 、 直 接 秘 密 投 票 に よ る議 決 権 行 使 の独 立 制 が 守 られ 、 奨 励 金 供 与 に よ る利益 供 与 禁 止 規 定 に も抵 触 し な い(注36)。 ま た、 米 国 の従 業 員 持 株 制 度 に み られ る よ うな 、 持 株 会 に 対 して 売付 選 択 権 を認 め る こ とに よ り、 株 式 譲 渡 自由 の原 則 お よ び 自己株 式 取 得 禁 止 規 定 に も違 反 しな い 。 その うえ 、公 正 な譲 渡 価 格 に よ る た め 、合 意 の有 効 性 を欠 くもの で は な い し公 序 良俗 に も反 しな い 。 す な わ ち、従 業 員 は会 社 に対 して で は な く、 持 株 会 に対 し て 売 付 選 択 権 を有 す る こ とに よ り、 退 職 後 も株 式 を保 有 継 続 で き、 現 金 化 を望 む な ら善 意 の買 手 に 自由 に 売 却 す る こ と もで き る。 ま た、 好 ま し くな い 者 が 株 主 とな っ て会 社 経 営 を混 乱 させ る こ と を 防 止 す る ため 、持 株 会 に対 して 、 善 意 の 買 手 と同 等 以 上 の 有 利 な価 格 に よ る優 先 先 買 権 を認 め る。 この 場 合 、 先 買権 に よ る買 戻 価 格 と通 常 の 買 入 価 格 との 差 額 は会 社 が 補 充 し、 従 業 員 拠 出金 との合 計 額 に よ り、 先 買 権 に よ る買 戻 株 式 を購 入 し他 の従 業 員 名 義 とす る。 た だ し、 買 戻 資 金 の 増 大 が 予 想 さ れ るの で、 あ らか じめ 会 社 と持 株 会 が協 力 して 計 画 的 に 資 金 を積 み 立 て て準 備 す る 必要 が あ る。 (注33)市 川 兼 三 前掲(注17)67頁 (注34)市 川 兼 三 前掲(注17)68頁 (注35)田 中 誠 二 前掲(注28)10頁 (注36)田 中 誠 二 前掲(注29)9頁 (文教 大学経 営情報専 門学校)

参照

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