Title
[報文]泡盛に含まれる油状成分の除去について
Author(s)
比嘉, 賢一; 島袋, 周仁; 照屋, 比呂子
Citation
南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical
resources technologists, 6(1): 11-17
Issue Date
1990-03-30
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/14016
Vor.6No.11990
報
文
泡盛に含まれる油状成分の除去について泡盛 に含 まれる油状成分の除去 について
比 嘉 賢 一書,島 袋 周 仁書,照 屋 比呂子= (合資会社仲里酒造,事沖縄県工業試験場 =)Removaloftheoilycomponentsfrom "Awamori
KenichiHIGA', SyuzinSHIMABUKURO'andHirokoTERUYA.I *NahazatoShuzouLimitedPartnership,2157UeshL'ro,NahazatoISOn,
shiTnaZin-gun,Ohinawa901-21
**
FoodDivision,IhdustrialResearchInstL'tuteofOhinawaPrefecture,ト 8-39 YoseTnLya,Naha,OkinaLUa902Theoily componentsin a suspension from "Awamori" producesthecottony-preci p-itatecalled "Ori"atalow temperature.Theoilycomponentsweremadeupofhlgherratty
acids (Capricacid,lauricacid,myristlCacid,palmiticacid,stearicacid,oleicacid and linoleic acid) and their esters (ethyl caprate, ethyl laurate, ethyl myristate, ethyl palmitate,ethylstearate,ethyloleateandethyllinoleate).
In thiswork,Westudied theremovalofthe oily componentsfrom "Awamori" by the method of filtration and prevention of cottony-precipitate production.The results obtained wereasfollows; 1)Theoily componentswereisolated from "Awamori" by themethod offiltration.Thecottony-precipitate,nevertheless,wasproduced ata 43 %-ethanolconcentration andthefiltrationtemperatureshigerthan
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2)Itseemed that the filtration flux was dependent upon the pore size of the filters used. 3 ) The organoleptictestswereperformed by 8 panellers.They tended to setlow valueson the ultrafiltratedsamples.4)Weapplieda discrlminantanalysisforfiltrated "Awamori samplesto discriminatethem with thecottony-preclpitateproduced.Although 4 outof 59 "Awamori" sampleswere identitified erroneously,production ofcottony-precipitate ln "Awamori was successfully estimated by introductlOn Of some discriminant functions (Reliabilityforthecorrectdiscriminationtestwas93%).Keywords ; Awamori,011ycomponents,flltrationcottony-preclpltate,discrlminant analysIS,multipleregressionanalysュs,
キー ワー ド ;泡盛,油状成分,漬過,綿状沈殿物,判別分析,重回帰分析
比 嘉 賢 一,島 袋 周 仁,照 度 比昌子 緒 言 泡盛製品に含まれる油状成分 (高級脂肪酸及 びそのエチルエステル)は,低温において,秩, 桐及びカルシウム等の金属酸化物を中心核 とし て凝集 し,オ T)と呼ばれる綿状沈殿物 を形成す る1).西谷 らによるとアルコール溶液 中の過剰 の高級脂肪酸及びそのエチルエステルは,負に 帯電 したコロイ ドとして存在す るため互 いに反 発 しあい安定な状態にあるが,正電荷を もつ金 属水酸化物 (または酸化物 )が共存す ると,主 として vanderWaals 引力によりコロイ ド 粒子が互 いに引 き寄せ合い,電荷が中和 される 結果凝集沈殿を生成す ると報告 されている.棉 状沈殿物の発現 は,九州の焼酎において も認め られてお り,綿状沈殿物発現の原因物質である 油状成分の除去が重要な課題 となっている.泡 盛製品に生 じた綿状沈殿物 は,泡盛の香味にさ して悪影響を与えることはないが,商品 として はかなりのイメージダウンを もた らす.また油 状成分のうち リノール酸 エチルは,酸化 されて 油臭物質であるアゼライ ン酸セ ミアルデ ヒ ドエ チルエテスルに変化す ることが,西谷 らによっ て明 らかにされている3).従 って油状成分 は綿 状沈殿物の主要物質であるのみな らず,油臭の 前駆物質であることか ら何 らかの手段を構 じて 除去する必要がある.油状成分の除去には従来 冷却液過法が有効であるとされているが,研究 報告が少な く十分な知見が得 られていないのが 現状である. 本研究では, ウル トラフィルター並 びにメ ン プランフィルターを用い.油状成分の除去 にお よぽす液過温度, アルコール濃度及び膜孔径の 影響について調べるとともに出荷後の製品にお ける綿状沈殿物発現の予測の検討 を行 ったので 報告す る. 実験方法 (1)供試泡盛 当社の泡盛 (蒸留直後)をアルコール濃度43 %,40%及び30%に制水 して実験に用 いた. 南方資源利用技術研究会誌
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供試漣過膜 本実験では東洋液紙,ザウ トリウス社のウル トラフィルター及びメンプランフィルター等の 各種漬過膜を用いた.(
3
)
遠退方法 渡過容器 はADVANTEC TSU-90A特形 を 用 い,恒温水を波過容器壁間に流す ことによっ て所定の温度に調節 した.波過容器 は 1kg/cnf に加圧 し,サ ンプルを温度平衡化す るために, 所定温度にて30分間保持 した.また漬過操作中 にサ ンプルの濃度分極を防 ぐため,撹拝子によ り撹拝 を行 った.(
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)
分析方法 高級脂肪酸 エチルエステルの抽出は,内部標 準 としてパ ル ミチ ン酸 エチルを添加 した試料20 mlに蒸留水20mlを加えた後 ジクロルメ タンを 加えて行 った.得 られたジクロルメタン相 は無 水硫酸ナ トリウムを加えて脱水 した後, ロータ リーエバポ レータを用 いて濃縮 し, その 3ill についてガスクロマ トグラフィーを行 った.ガ スクロマ トグラフは島津GC15A, カ ラムは島 津 ワイ ドボアキ ャピラリーカラムCBP-20 (P EG-20M相当) ¢0.53mmx25mを用 いた. カ ラム温度100℃ 3分間保持,100-200℃ (罪 温速度4℃/mln),200℃ 10分間保持 によ りスプ リットレス導入法を用いて分析を行 った.(
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官能試験 官能試験 はパネラー8-10名による5点採点 法によ り行 った.採点 は1点 を非常 によい, 3 点を普通, 5点を非常に悪 いものとした. (6)保蔵試験及び綿状沈殿物発現の確認 試料 は保蔵温度5℃及び15℃にて 3週間の冷 蔵保蔵を行い.保蔵期間における綿状沈殿物発 現の有無 は,視覚的観察 によ り行 った. 結果及び考案 (1)メンプランフィルターの膿孔径 と高級脂 肪酸エチルエステルの除去率 との関係 メンプランフィルターの膜孔径 と高級脂肪酸 エチルエステルの除去率 との関係 について調べVol. 6 No.1 1990 るため,膜孔径 の異 なるセル ロースナイ トレー トを用 いてアルコール濃度が43%の泡盛 を漉過 した後,残存す る高級脂肪酸 エチルエステル量 を測定 した.その結果 を図
1
に示す. メ ンプラ ンフィルターによるカプ リン酸 エチル及 びラウ リン酸 エチルの除去率 は渡過膜 の孔径 を変 えて も全般的 に低 い値 (5-15%)であった.また, ミリスチ ン酸 エチルの除去率 は25-35%の範囲 であ り,膜孔径 の増大 と共 に除去率 は除々に低 下 した.一方パ ル ミチ ン酸 エチル, ステア リン 酸 エチル, オ レイ ン酸 エチル及 び リノール酸 エ チルの除去率 は膜孔径が小 さい時には60-80% の高 い値 を示 したが,膜孔径が大 きくなるに従 い50-60%に低下 した. 100 80 放 云 宰 60 ㌔ 、一 40 20 0 泡盛に含まれる油状成分の除去について 0.5 L.0 1.5 ∼.0
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0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 孔 径 (〟 m ) 図 1メンブランフィルターの康孔径と高級脂肪酸 エチルエステルの除去率との関係.●カプ リンIIエチル ○ラウ リンIIエ チ ル D ミ リスチ ン廿エチル fパルミチ ン幹エ チル △ ステア リンか エチル ▲オ レイン廿エチ ル O IJノー ルAeエ チル (2) ウル トラフ ィルターの分子分画量 と高級 脂肪酸エチルエステルの除去率 との関係 次 に, ウル トラフィルター (材質 セルロース アセテー ト)の分子分画量 と高級脂肪酸 エチル エステルの除去率 との関係 について示 したのが 図
2
である.各高級脂肪酸 エチルエステルの除 去率 はメ ンプランフィルターを用 いた時 と同様 に分子分画量が大 きくなる程,低下す る傾向を 示 した.特 に,カプ リン酸 エチル, ラウ リン酸 エチル及 びステア リン酸 エチルの除去率 は,分 子分画量 を増す と急激 に低下す ることが分か っ 図2ウル トラフィルターの分子分画量と高級脂肪鞍 エチルエステルの除去率との関係.●カプリンIIエチル 0ラウリンdIエチJL・ E]ミIJスチン♯エチル Jパルミチン伊エチル △ステアリンdtェチル ▲オレインIIエチル dIJJノール斡エチル た. これに対 して.パル ミチ ン酸 エチル, オ レ イ ン酸 エチル及 び リノール酸エチルの除去率は, 膜孔径の増大 と共 にわずかに低下の傾向を示 し たが,比較的高 い値 を推移 した. ウル トラフィ ルターはメ ンプランフィルターよ り膜孔径が小 さいため高級脂肪酸 エチルエステルの除去率が 高 い もの と期待 されたが,予想 に反 してメ ンプ ランフィル ターと同程度 の除去率であった.そ の原因 については検討中である. (3)漉過精製泡盛 における綿状沈殿物の発現 に及ぼす保蔵温度の影響 表 1に各種 の潰過精製泡盛 の保蔵試験の結果 を示す.各精製泡盛 を15℃ にて保蔵 した場合に は3週間の保蔵で も綿状沈殿物 の発現 は認め ら れなか ったが,約3分の 1のサ ンプルに白濁現 象が認 め られた.保蔵温度が5℃の時は,保蔵 3日目に過半数 のサ ンプルに綿状沈殿物 の発現 が認 め られ, 3週間の保蔵では,芳香族 ポ リア ミド, ポ リサルフォン及 び高分子電解質複合体 等 の ウル トラフィルター櫨過試料 を除 く全ての サ ンプルに綿状沈殿物 の発現が認 め られた. 供試液過膜 による高級脂肪酸 エチルエステル の除去率 について調べた結果,綿状沈殿物の主 成分であ るパ ル ミチ ン酸 エチル及 び リノ-ル蕨 エチルの除去率が高か った波過膜 はセルロース ナイ トレー ト (膜孔径0.01pm∼0.45〟rn)及
比 嘉 耳 - , 島 袋 周 仁, 照 度 比 昌子 去l泌必打.朝地蟻における綿状沈殿物の先卿 こ及 ぼす採 点 itJL蚊の;.13幣 地過般桝田 促成鮎皮 孔1'L 分√分
1
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1rJ,tll 15℃ 5℃ 沈殿物 性班 沈殿物 性状 セルロースナイトレート 0 01- 030FLm - rI私+
油状 0 45- 0_80FLm - l′l舶 ≠ 油状 ポリエーテルサルフォン 0 20- 0.80〟m 一 透明+
油状 IJ叫11化エチレン樹JJH O20- 080FLm - E′憾 # 油状 セルロースアセテ-ト 0 20-0 45FLm 一 遇LT)) ≠ 油状 書け/Iミセルロース 0 2- 045 FLm 一 透明+
油状 セルローストリアセテート 5,000- 20,000MW )l・再版ポリ7ミド20.000MW ポリサルフォン 50,000MW ll.'L分r
LFtZ解Tl触合体 状 状 状 油 油 油+
1 l _IH 明 明 通 透 透 500 l,000MW 一 透明 一 透明 一・紙状沈殿物の党規が溜め られない + .綿状沈殿物の党Blが.iJLJ.め られた い ‥多!'.・0抑状沈殿物の発射が認 め られた州
大 破lrHに・ah状物rIが浮遊 している びセルロー ス トリアセテー ト (分子分画量5,00 0MW)であ った. しか し, セ ル ロー ス トリア セテー トは平均流量値 が比較的小 さいため以下 の実験 で は除外 した. (4)セル ロースナイ トレー トによる高級脂肪 酸 エチルエステルの除去率に及ぼすアルコー ル濃度 の影響 セル ロースナイ トレー ト (孔径0.01FLm) に よるカプ リン酸 エチル及 びパ ル ミチ ン酸 エチル の除去率 をアル コール濃度 を変 えて各港過温度 で調 べた結果 を図3に示 した.パ ル ミチ ン酸 エ チルの除去率 は,精製泡盛 のアル コール濃度 が 40% まで は各液過温度 で極 めて高 い値 を示 し, 100 除.80 去 辛 % 60 40 20 0 南方資源利用技術研究会誌 パルミチン故エチル 戦 転 30 32 34 36 38 10 12 7ルコ-ルi*Lt(㌔) 図3セルロースナイ トレー トによる高級脂肪酸エチルエ ステルの除去率に及ぼすアルコール濃度の影響. ● 漉過 温度10℃ ▲ 漉過温 度15oC L波過 温度20''C アル コール濃度 が43%で も75%∼95%の除去率 を示 した. これに対 して, カプ リン酸 エチルの 除去率 はアルコール濃度が30%の場合 にはパ ル ミチ ン酸 エチル と同程度 の値 を示 したが, アル コール濃度の増加に伴 い著 しく低下 し,アルコー ル濃度 が43%の時 には10-20%の除去率 であ っ た.図中に表示 していないが ステア リン酸 エチ ル, オ レイ ン酸 エチル及 び リノール酸 エチルの 本渡過膜 によ る除去率 はパ ル ミチ ン酸 エチル と 同様 な傾向 を示 し, ラウ リン酸 エチル及 び ミリ スチ ン酸 エチルはカプ リン酸 エチルの除去率 と 同様 な傾向 を示 した. この結果 か ら,高級脂肪 酸 エチルエステルの除 去率 を高 め るには波過温 度 を調整す るよ りも割水等 によ りアル コール濃 度 を低 目に して液過 を行 った方 がよい ことが明 か にな った. (5)セル ロースナイ トレー ト漉過精製泡盛の 綿状沈殿物発現 に及 ぼす保蔵温度の影響 前述 の膜孔径 が異 な るセル ロー スナイ トレー トで渡過 した泡盛 の綿状沈殿物発現 と保蔵温度 との関係 を調 べ たのが表2であ る.各渡過泡盛 を15℃ をで保蔵 した時 にはアル コール濃度及 び 涯過温度 を変 えて も綿状沈殿物 の発現 は認 め ら れ なか った.他方5℃ にて保蔵 した場合 には, 保蔵初期では綿状沈殿物の発現 は認め られなか っ たが, アルコール濃度43% の渡過精製 サ ンプルVol. 6 日0.1 1990 ぷ2セルロースナイ トレー トによる破過rIJl製 泡銭 の綿 状 沈 殿物の党別に及ぼす保戚孤雌 のhLZ幣 股 の アル コール 泣出ih1,度 傑 威 温 度 孔 祥 弧 度 (% ) cc 15℃ 5dc FLm 沈厳物 件 状 沈殿物 性 状 30 10- 20 一 通り1 - 透Pji 0.OI 40 10- 20 - 透明 一 透H)j 43 10 一 透明 一 透明 I5,2 0 1 透u)J + 透明 10- 20 - 透明 - 透明 10- 20 1 透明 一 透明 10- 20 - 透明 + 油状 10- 20 - 透明 一 透明 10 - 透明 一 透u)3 15,20 - 透明 + 油状 43 10- 20 - 透明 + 油状 一 綿状沈殿物の発現が認め られない +.綿状沈殿物の党別が認め られた 油状 液 l仙こ油状物質が浮遊 している については, 3週間の保蔵で膜孔径0.01〝 m, 液過温度
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0
℃の条件を除いて綿状沈殿物の発現 がみ られた.
以上のことより製成泡盛をセルロー スナイ トレー ト(0.01- 0.03〃m )等 の メ ソブ ランフィルターを用 いて渡過処理 を行 うことに より綿状沈殿物の発現 を防 ぐことが可能である ことが明か となった. しか し, アルコール濃度4
0
%
以上の泡盛 については液過温度を1
0
℃以下 に保温 して液過を行 う必要があると推察された. 次に,綿状沈殿物が発現 しなか ったサ ンプル 及び発現 したサ ンプル問の酒質 に差があるのか どうかを調べるため官能試験を行 った結果,冒 能試験値の分散分析 より危険率5%
で試料間に 有意な差 は認め られなか った. しか し,高級肥 肪酸 エチルエステルの除去率が高か ったサ ンプ ルの短評 には 「辛 い」並びに 「刺激」等の指摘 がみ られた∴焼酎に含まれる高級脂肪酸 エチル エステルは,他成分に由来す る刺激味,渋味及 び辛味を和 らげ丸味,甘味及び濃味を付与する とされている.本実験で, 「辛 い」及び 「刺激」
等の指摘があったサ ンプルは渡過 によりマスキ 泡盛に含まれる油状成分の除去について ング成分の高級脂肪酸エチルエステルが高度に 除去 されたため刺激味等が表面化 したものと推 測 される. (6)漉過膿の孔径 と平均漉過流量 との関係 Ruthの定圧渡過理論 において,漬過流量 (F lux)に大 きく影響を与 え るのは抵抗 だ と考え られる. ここでの抵抗 は波過操作中に生 じる各 抵抗の総和であるが,それに最 も大 きく寄与す るのは,膜孔径に依存す る膜抵抗及び涯過の進 行 と共に増加す るフィルターケーク抵抗である と考え られる.そこで,泡盛の波過実験におけ る潰過流量 と抵抗 との関係を調べる目的で材質 の異なるメソプランフィルターを用いて膜孔径 と波過流量 の関係について調べた. 図 4に各種 メソプランフィルターの膜孔径 と Fluxの関係を示す.図中の実線 はFluxデーター 40 地 神 は ( u Tq .p \ p )冠 好 汁 ●tP一汁Ltトト ▲PTFE ● 0.0 0.2 0.4 0.6 03 mfi(FLU) 図 4各種メンブランフィルターの膜孔径と平均流量 との関係 の二次回帰曲線である.図に見るように膜孔径 の2乗 に比例 してFluxは増加 している, 従 っ てFlux変化 に影響 を 与え るのは膜抵抗が主要 因であることが推測 される. 本実験では,泡盛の漉過 における膜抵抗を測 定 していないのでケーク抵抗の寄与についてを 検討 し,Flux変化への影響を推定 した. 各種嬉過膜 を用 いて液過温度25℃におけるFl uxと濃過膜上 に捕集 された高級脂肪酸 エチル エステル量を調べた後,各高級脂肪酸 エチルエ ステル量 を説明変数,Fluxを目的変数 と し, 変数取 り込みは, ステップワイズ法を用いて垂比 嘉 賢 一. 島 袋 周 仁, 照 崖 比昌子 回帰分析を行 った. 得 られる回帰式 は,分散分析の結果,危険率 5%で有意であるが,目的変数 と各説明変数間 の偏相関係数 は低い値を示 し (-0.25-0.20の 範囲),重相関係数及び累積寄与率 も0,37.13.51 % と低い値を示 した. この結果より上記条件の 慮過にお けるFlux変化 は,捕集 された高級脂 肪酸 エチルエステル量では13%しか説明できず, 残 り87%については膜抵抗の影響 によるものと 考え られる. 次に,高級脂肪酸 エチルエステルの除去率が 高かったセルロースナイ トレー ト (膜孔径0.01 LLm∼0.30FLm)について液過温度 10cc∼20℃ におけるFluxと波過膜上 に捕集 された高級脂 肪酸 エチルエステル量を調へ 重回帰分析を行 っ た結果,得 られる回帰式 は危険率 1%で高度 に 有意であった. ステア リン酸 エチル及 びパル ミ チ ン酸 エチルを除 き,各高級脂肪酸 エチルエス テルの偏相関係数 は比較的高 い (±0.30- ± 0.60).また重相関係数及び累積寄与率 も,0.71, 50.6%と比較的高 い値を示すが,高級脂肪酸 エ チルエ ステル量 のみでFlux変化 を説明す るこ とはまだ不十分である.以上の結果より,液過 膜単位面積当 りの泡盛処理量100ml/cJfの童 で は, フィルターケーク抵抗の影響 は小 く,抵抗 の主要因をケーク抵抗及び膜抵抗 とす ると,膜 抵抗の影響が大 きいことが推測 され る.従 って メンプランフィルター及 びウル トラフィルター を用いて擦過を行 う場合,膜抵抗を考慮 しなけ れば液過に長時間を要す ることになる.また, 南方賓源利用技術研究会誌 冷却液過 を行 った場合,高級脂肪酸 エチルエス テルの溶解度の低下に伴 いフィルターケーク抵 抗が増大 し,膜抵抗 と同等 の影響 をFluxに与 えることが考え られる. (7) 判別分析 中村 らは判別関数を用 い,各種含有成分量か ら清酒における日光着色の難易を推定 し
7
)
,玉 城 らは泡盛の古酒及び新酒の半順り及び製造場の 判別等に判別関数を用 いているB). 本研究 にでは保蔵試験 に供 したサ ンプル中の 高級脂肪酸 エチルエステル含有量 と綿状沈殿物 発現 の有無か ら判別関数 を導出 し,半順り分析を 行 った.判別関数を導出す る前に両群の分散共 分散行列を比較するためカイ2乗検定を行 った. 両群より得 られるXoz値は80.6であり,自由度2 8及 び有意水準 1%におけるx 2値 は48.3ぶあ っ た. この結果か ら,両群 の分散共分散行列 は異 なると考え られるので 2次判別関数 を求め, こ の関数 に基づ く判別得点 ヒス トグラムを図5に 示 した. 図中の○印は綿乗沈殿物 を発現 しなかったサ ンプル,『印は綿乗沈殿物を発現 したサ ンプル である.また判別得点の負の値 は計算上綿状沈 殿物が発現 しないと予測 され るサ ンプルで正の 値 は発現す ると予想 されるサ ンプルである.図 に見 るよ うにかなりの正解率で両群 を判別す る ことが可能であ り,正判別率 は93%であった. この結果か ら,泡盛製品中の高級脂肪酸 エチ ルエステル含有量を測定す ることによ り製品の■
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判 別得 点 0.0 図5判別得点ヒス トグラム. o綿状沈殿物を発現しなかったサンプル ■綿状沈殿物を発現したサンプルVof. 6 No.1 1990 保蔵期間中での綿状沈殿物発現の有無 (保蔵温 度5℃, 3週間保蔵の条件)を予測す ることが 可能であった.正判別率を高めるには,綿状沈 殿物の微量構成成分である高級脂肪酸及び金属 元素含有量を判別式に導入すると共に,アルコー ル濃度別等の判別関数を導出いることが必要で あると考えられる. 謝 辞 本研究 は,昭和63年度沖縄県中小企業製品開 発補助事業 として実施 したものであり,御指導, 御助言を賜 りま した沖縄県工業試験場食品室の 職員並びに化学室の他聞研究員に深 く感謝致 し ます. 要 約 各種渡過膜を用いて泡盛の渡過試験を行 い, 以下のことが明かとなった. 1)メンブランフィルター及びウル トラフィ ルタ-を用いて泡盛に含まれる綿状沈殿物成分 の除去が可能であるが,アルコール濃度43%の 泡盛 は10℃以下で波過を行 う必要があることが 分かった. 2)渡過サ ンプルの官能試験値に有為な差 は み られなかったが, ウル トラフィルタ-渡過の 泡盛 はやや悪い傾向にあった.また,ウル トラ フィルタ一波過の泡盛 は 「辛 い