8 ( 東 女 医 大 誌 第 時 第2号 頁 38 平 成 問4
月
)
第80回東京女子医科大学学会総会 シンポジウム「東京女子医大 小児医療の最前線!一“なおらない"から“なおる!"ヘー
J
日 時 平 成2
6
年9
月2
7
日(土)1
3
:
0
0
-
-
-
1
6
:
0
0
会 場 東 京 女 子 医 科 大 学 弥 生 記 念 講 堂 座長 (小児科学)永田智 開会の挨拶 (学長代行)吉岡俊正 1.小児腎臓病診療の進歩 (腎臓小児科)服部元史 2.こどもの心臓病のカテーテル治療 (循環器小児科)杉山 央 3.ハイリスク新生児の予後改善 (母子総合医療センター)楠田 聡 4.新生児・乳児領域における小児外科医療の最前線一内視鏡手術を中心に一 (外科学(第二))世川 修 5.現在(いま),小児脳神経外科に求められること (脳神経外科学)藍原康雄 6.腸内細菌とこどもの病気 (小児科学)永田 智 7.点頭てんかんからこどもを守る (小児科学)小園弘量 質疑・総合討論 ※Part,1 Part 2に分けて掲載いたします. 序 文 成人は,内科,外科というきわめて大きなカテゴ リーの中に独立した臓器別,機能別診療科が複数存 在するが,昔から本邦の小児科は一つの独立科であ る.しかしその中にあって本学の小児医療は,独 特の進化を遂げてきたといえよう.循環器,新生児, 腎臓,神経,小児外科,脳神経外科の各分野別診療 科が他施設に先駆けてセンター化しながら成長し, それぞれの専門分野で全国トップクラスの実績を誇 るまでになったことは,本邦では他に類をみない. 一方で,最近では,1
小児科医は子どもの総合医で あるJ
という言葉が,小児科医のアイデンティティー の提言として用いられている.今後は,各方面で発 展を遂げた本学の小児医療部門が,お互いの連携を 密にして「東京女子医科大学小児総合医療センター」 としての総合力を発揮する時期であろうと考える. 「子どもは大人のミニチュアではない」という言葉 が示すように,小児医療には成人の内科・外科とは (小児科学)永田智 一線を画する特殊性と専門性がある.子どもは,大 人に比べると身体能力,精神力,免疫力は確かに未 熟である.しかし細胞が新鮮である分,生きょう とするポテンシャルや再生能力は高く,治療に一生 懸命反応しようとしてくれることをわれわれはよく 感じる.われわれ小児科医は,その子どもの「一生 懸命生きょうとする力」に心から敬意を表しながら, 元気づけられてきたと言ってよいであろう. 今回のシンポジウムでは,1
“なおらない"から“な おる!"へ」をテーマに,腎臓小児科,循環器小児 科,新生児科,小児外科,小児脳外科,小児科の各 科が,それぞれの得意分野をプレゼンテーションさ せていただく.わが国の小児医療に一筋の明るい光 をさすことができたら, というわれわれのささやか な願いが,聴衆,読者の皆さまに届いたら本望であ る.Satoru NAGATA (Department of Pediatrics, Tokyo Women's Medical University School of Medicine): Preface for
the frontier pediatric practice at Tokyo Women's Medical University -38ー