大規模災害後に必要な持続可能性のある臨床心理学的アプローチ -学校支援者への研修を通して-
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(2) 大規模災害後に必要な持続可能性のある臨床心理学的アプローチ ー学校支援者への研修を通して−. 佐藤由佳利*・浦本 真信**・本田 莫大*嶋”−*・三上 謙一♯*=・龍島 秀広*****. SustainableClinicalPsychologicalApproachRequiredatPost−Large−ScaledDisasters. −AStudythroughTrainingsofSchooISupporters−. 後には,全国に先駆けて,被災地での全校配置が. 1.はじめに. なされている.スクールカウンセリングは,ちょ 臨床心理士が被災者支授を始めた歴史はそれほ. うど被災者へのケアが始まった歴史と期を一にし. ど古くはない.1993年に南西沖地震が起き,この. ていることになる.. 2011年3月11日東日本大震災が起きた.3月23. 時,現地に赴き,被災者ケアを行った藤森(1995) は,我が国で災害後の心のケアがなされてこなか. 日には日本臨床心理士会,日本心理臨床学会(後. った実態と,その必要性について強調している.. に日本臨床心理士認定協会も参入した)が協働し. 1995年には阪神淡路大震災が起き,日本の心理臨. て「東日本震災心理支援センター」を立ち上げ,. 床は,このような大規模災害に対して何が出来る. さまざまな心理支援活動を展開した.その一つと. のかを真勢に問われることとなった.すなわち,. して学校支援カウンセラー派遣のコーディネート. 今までのような待ちの姿勢の診療所型と呼ばれる. がある.文部科学省の要請により,各県の臨床心. 個別対応のみではなく,アウトリーチ型の社会の. 理士会と協力して,被災地県に学校支授のための. ニーズに合わせて他職種と連携しながら活動する. カウンセラーを派遣した.今回,執筆者になった. ことが社会的には求められるのだということが痛. 5名は,何らかの役割をもって,この事業に携わ. 感させられた時でもあった.. ったものである.. 北海道では2000年に有珠山が噴火し,北海道臨. 被災地の状況は,刻々と変化していく.そこで. 床心理士会は初めて組織的に日赤と連携協力し,. 求められるものも変化する.子どもたちも学校も. 避難所での心のケア活動を行うと共に,北海道教. 生きて変化しており,支援する側もそれに応じて. 育委員会とも連携して被災地の学校支援を行った.. 変化していくことが望まれる.震災から3年を経. 一方,1995年よりスクールカウンセラーの配置. て,今,必要な心理支援は何であり,またそのた. が文部科学省活用調査研究委託事業として始まり,. めに必要な知識や技能は何なのか.今軌 北海道. 配同校数は年々増加している.阪神淡路大震災の. 教育大学共同研究推進経汽の援助を受けて本研究. . YukariSATO:北海道教育大学大学院学校臨床心理専攻 ●* Masanobu URAMOTO:沿岸南部教育事務所巡回型カウンセラー MasahiroHONDA:北海道教育大学函館校 == KenichiMIKAMI:北海道教育大学保健管理センター H+. 雷■=■ HidehiroRYUSHIMA:北海道教育大学教職大学院 キーワード:大規模災害後,スクールカウンセラー,カウンセラー向け研修. 3.
(3) 学校臨床心理学研究 第13号(2015年度). を行ったので,その成果について報告する.. の部屋もあったが,今は弟も一緒でうるさいので, 勉強にも集中できない.部活している時は発散で. 2.被災地の現状と課題. きていたけど,今は何もする気しない.でも,親 も大変そうだからそういうの言ってもしょうがな. 2011年3月11日,東日本大震災が起こった.東. いし」ということだった.. 北のみならず,日本全国に多大な影響を及ぼし,. 震災後,我慢を強いられることは様々な万両で. 人々の心に深い傷跡を残した.甚大な被害を受け. 見受けられ,仮設暮らしや学校のグランドがない. た被災地の児売生徒の多くは,数年経って被災直. などという慢性的なストレス状況下に置かれてい. 後からの混乱から脱し,ようやく平静を取り戻し. る子どもはまだまだ多い.そうした子どもが何ら. ているように見える.しかし,時間が経ってしま. かのきっかけに不適応を呈することは,これから. ったからこそ見えづらくなってしまったケースや,. もありうることである.また,震災以前から問題. 時間が経ったからこそ出てきた問題なども少なく. であった状況(虐待やいじめなど)が,震災後先. ない.. 鋭化し発見され,対応を迫られることも多くなっ. 前者では,ある児童が「合宿に行けなくて悩ん. ている.時が経ち震災直後の多くの支授の手が減. でいる」という保護者からの相談がある.学校で. っていく中で,上記のような,見えづらくなった. は活発で友達も多く,勉強も好きで先生方からの 評判も良い.本人も「なんでそうなるか分からな. 問題を発見し対応する手立てと,顕在化しないよ. い」と話すばかりで,一向に原因が見当たらない.. を乗篤化させないように,長期的に関わっていく. そこで,カウンセラーと会うことになり,会話が. ことが支揺する側には求められている,. 震災時の話に及んだとき「実は地震が恐い.両親. うに予防していく工夫,さらには元々あった問題. 次に,支援者側である「巡回型カウンセラー」. の居ないところへ泊まりに行くことが不安であ. という職は震災後,被災地A県教育委員会で被. る」ということが語られた.保誰者にも聞いてみ. 災地児糞・生徒の心のケアのため新設されたもの. ると,「そういえば,海の近くにある祖父母の家. である.これは,被災地の小中学校を数校担当し,. にも行かなくなった」ということが明らかになっ. 巡回しながら震災後のトラウマケアやその啓蒙活. た.こうしたことは今まで誰にも話したことがな. 動をするにとどまらず,不登校やいじめ,不適応. く,このケースでは,たまたま合宿という機会に. を示す児童生徒,その保護者に対してのカウンセ. 際して顕在化したケースであった その機会がな. リング,教職員に対するコンサルテーションなど. かったならば,この児乗の略っていた気持ちに気. をするスクールカウンセリング業務の他,地域の. づくのは至難の菜と言わざるを得ない.. 病院や相談機関,教育委員会と連携するための会. また,落ち弟きがないということで学校から相 談を受けたケースがある.中学入学時は大人しく,. 議に出席したりと幅広い職務内容を求められてい る.また,震災後の多くの心理支援が単発,もし. 部活に打ち込む生徒であったが,三年生になり部. くは不定期に訪問という形をとる中で,被災地現. 活を引退したあたりから,常にイライラするよう. 地に移住し,支授に当たっているというのも特徴. になり,暴言を発することが多くなった.家は流. の一つである.この移住という形をとらざるを得. されてしまったが,直接津波を見たわけではなく,. なかったのには,元々A県全体の心理専門職の数. これまでも落ち着いていたため,特段のサポート. が少なく,沿岸部に行くとその傾向はより顕著に. が入ることはなかった.筆者と会ってもイライラ. なることが理由としてあげられる.. とし,「何でもない」というばかりで,当初はな. また,現在筆者の一人が巡回している沿岸部B. かなか会話にならなかった.しかし,数回目の面. 地区には,震災後に他県から移住した心理専門職,. 談で「もう疲れた」と話し始め,「震災後,r頑張 らなきゃJと常に自分に言い聞かせてきたが,も. た心理専門職等が活動をしているが,その年齢屑. A県内陸部から来た心理専門職,元から現地にい. う限界.仮設の隣の家の青も気になるし,自分の. は20代半ば∼30代半ば,臨床経験は1年から10年. プライベートの場所がどこにもない.以前は自分. 未満の者が多く,その大半が初学者といえるもの.
(4) 大規模災害後に必要な持続可能性のある臨床心理学的アプローチ. である.初学者ゆえに,未曾有の大災害に見舞わ. て個々に打合せをし,研修内容を構成した.研修. れた被災地域での心理支授については,常に不安. 会終了後,アンケートを取り,研修会の効果測定. を抱えている.そうした不安を払拭するためにも. と,被災地支授に必要な知識や技法について問う. 自己研紆の道を模索している.しかし,A県の心. た.. 理職の8割方は内陸部にある県庁所在地に集中し ており,県内の多くの研修会がそこで開かれるた. 研修は,第1回を離島,第2回を佐藤,第3回 を三上,第4回を本田が担当した.. め,被災地支授の最前線の最も研群が必要である 現地の若手心理専門職は,遠方でしか開催されな. 3−1.実践報告. いという物理的な理由で研修の機会が少なくなっ. 第1回研修会 2014年8月. てしまっている.前段落で述べたように,これか. テーマ:ソリューション的インシデント・プロセ. らの被災地での心理支授は複雑化したケースに対. スによる事例検討 −その場で,準備な. して幅広い視点を持って,長期に関わっていく必. く事例を検討し,できることを導き出す. 要がある.その場合,関わる側である心理専門職 も準備が大切になってくる.その準備の一つは,. ・事前準備不要の事例検討の方法を体験してみま. 複雑なケースに対応するための様々な方法論や正. しょう. しい知識を持つことがあげられる.現在被災地で 働いている心理専門職の専門とする理論背景は皆. というタイトルとうたい文句で開催した.この 研修は,多くのケースに短い時間内に対応しなけ. それぞれ違うが,少なくとも初学者の一つだけの. ればならない状況におかれている若手心理職に,. 方法論で対処できるようなケースはすくなくなっ. 比較的短時間で実施可能なコンサルテーション的. ている.心理教育ヤ啓蒙活動なども予防的関わり. な方法のひとつを紹介し,体験してもらうことを. のため重要であるが,何よりも正しい情報を伝え. 意図して企画,実施した.内容は,以下の2部構. ることが必須である.もう一つの準備として,心. 成で,前半はソリュー. 理専門職自身のメンタルヘルスの意識をしっかり. プローチの概説とワーク2つ.後半は,「ソリュー. 持つことである.援助側が健康でなければ,間違. ション的インシデント・プロセスによる事例検. いなく長期的に関わることは難しい.さらに,被. 討」とした.. ション・フォーカスト・ア. 災地の多くの心理専門職が一人職場で仕事してい るため,ともすれば孤立がちである.それを防ぐ ためにも,心理専門職同士の交流を持ち,連係し て問題に当たるなどの基本を大事にしなければな らない.また,未曾有の大災害に関わっていく上 では,必要に応じて新たな方法論を考えていくこ とも視野に入れていきたい.それらを可能にする ためにも,被災地あるいは被災地に近い場所での 研修会の実施は心理専門職,ひいては被災地の子 どもたちの未来への力強い支援となると考えられ. 表1研修会プログラム 1 ソリュー. ション・フォーカスト・アプロー. チ ∼解決を構築するということ∼ (1)ワークその1 24時間のワーク (2)解決志向アプローチ概説. (3)ワークその2 万引をほめる 2 ソリューション的インシデント・プロセス による事例検言寸. る.. 前半の講義とワークについて. 3.方 法 2014年8月から2015年3月までの期間に,被災. ソリューション・フォーカスト・アプローチ. (SolutionFocusedApproach)は,家族療法及び Milton H.Ericksonの心理療法の流れを汲むブ. 地県で児童生徒の支授をしている支授者を対象に. リーフセラピー(BriefTherapy)のひとつである.. 研修会を4回行った.研修会は特定の技法に偏ら. 創始者の1nsooKimBerg,StevedeShazerは,. ないように工夫した.また現地のニーズに合わせ. 1986年の初来日以来,2005年にスティーブ,2006.
(5) 学校臨床心理学研究 第13号(2015年度). 年にインスーが亡くなるまで,ほぼ毎年,来日し. ション的インシデント・プロセスによる事例検. ており,日本各地でワークショップが開催され,. 討」を実施した.. ブリーフセラピーの中では,日本でもっとも普及,. 後半の事例検討の方法について. 実践されている方法と思われる.. 「インシデント・プロセス(TncidentProcess)」. その最大の特徴は,〈心理療法の対象となる問. は,企業の経営について教育するための方法とし. 題の「解決」は,その「原因」と無関係に可能で. て開発されたものだが,現在では,教育,医療な. ある〉 と考えるところにある.何かの問題がある. どの分野の教育方法としても活用されている.今. 時には,必ずその「原田」となるものがあるはず. 回の研修では,元々は「教育の方法」である「イ. だが,その「原因」とは無関係に,その間題の「解. ンシデント・プロセス」を,学校,施設,病院等. 決」を作ることができるとする(「解決構築」と. の実際に問題が発生している現場で,問題を解決. も言う).もちろん,「原因」に対処して問題を「解. する手段として活用する方法として紹介した.す. 決」することを否定するわけではない.ただ,「原. なわち,ソリューション的考え方を基礎におきつ. 因」の追究に拘って「解決」を困難にしてしまう. つ,「インシデント・プロセス」のやり方で,そ. ことを意識的に回避する考え方,やり方である.. の「問題」を検討することにより「解決」のため. このような発想を基礎として,問題の「解決」を. に使える「リソース」を探すことができることを. 作るために使える(問題の当事者であるクライエ. 体験してもらうことを目指した.. ント自身の)「リソース」を探す方法の数々がソ. そのため,参加者から,提供可能な「今」困っ. リューション的な技法として開発,提案されてい. ている問題を掟示してもらいそれについて「ソリ. る.. ューション的インシデント・プロセスによる事例 今回の研修の前半では,上述のソリューション. 的考え方の基本を体験してもらうためのワークと. 検討」を行った. 国1に示した流れに従って実施することで,提. して「24時間のワーク」,さらに,「リソース」発. 供されたケース(「知的障害を自覚しはじめ自信. 見のひとつの方法として,一般的には「悪い」と. を失いかけている子どもへの心理職としての対. される行為を実行する「能力,才能」の中に,問 題を解決する「リソース」があることを発見して. 応」)について,「そのケース」で実行可能だろう 「リソー ス」(図では「対応策(具体的で可能な. もらう「万引をほめる」ワークを体験してもらっ. 対応方法)」)として,以下のような方策が導き出. た.. された(一部). 今回の「万引をほめる」ワークで,「万引をす. る能力,才能」として参加者が挙げた一部を以下. (D 心理教育. 困り感→気持・行動→対処法 のストレスマネ. に示す.. ジメント,対処のバリエーションを増やす,本人. ・周りの状況をよく見ている ・ものおじしない. が意識できるように,本人が分かるように. ・緊張感やスリルを楽しめる ・上手に人を使う ・リスクを取れる状況判断力 ・深く考えない楽天的. ex.具体的な場面で,つまずきを発見して実施 ex∴手帳や福祉サービスについて教える ② 強化が必要(実際の場面で具体的に一つ一つ. ・計画性(力)・万引きで抑えられる力. 対応する). ・仲間思い(絶対ちくらない,断らない). 自信のなさに対し,本人の判りやすいもので「オ. ・器用さ ・忍耐力(きょろきょろを我慢). レできた!」感を増やす.楽しいこと,ポジティ. ・社会の評価を気にしない. ブになる時間の確保 ex.キャッチボール続けながら「うまいな」. ・義侠心(盗品を配る)・大胆な行動力 ・ことば巧みに言い訳をする(言語力) ・人を見る目(このおばさんなら大丈夫) 以上のソリュー. ション・フォーカスト・アプ. ローチの体験的概論を踏まえて,後半の「ソリュー. ex.一緒にご飯食べながら「+」のフィードバッ クを増やす (ヨ ノーマライズ. 実際の行動場面で,長所,短所をノーマライズ.
(6) 大規模災害後に必要な持続可能性のある臨床心理学的アプローチ. 園1 ソリューション的インシデント・プロセスによる事例検討. (皆,得手,不得手があるね) 実施後のアンケートでは,5年未満の若手心理. 関わり方について研修を行った. 前半は,「学習する学校一自ら発展する組織作 り」と題して,心理臨床で求められるリーダーシ. 職から「ソリューションのワークを通して技術を. ップの在り方,それによって変化していく組織,. みがき直す機会になった」「検討方法は参考になっ. 組織自らが学習し,良いサイクルで循環していく. た」,11∼20年の中堅・ベテランから「数多くの. ことなどについて説明した.そのためには,まず. ケースがあるのでコンパクトな検討方法は役立つ. 自分のビジョン(向かいたい方向)をはっきりさ. と思う」などの感想があり,企画の意図はある程. せ,相手と対話することで双方の考えを共に活か. 度達成できたかと思う.. し,生成的な会話を積み重ねることで共有ビジョ ンを作っていくプロセスが必要である.. 第2回研修会 2014年10月 テーマ:プロセスワークの視点から学校組織を見 立てる 個別の事例をアセスメントしていくことが大事. これらを具体化するために,「心理職」から発 展させるマインドマップを参加者に作成してもら. った.マインドマップとは,TonyBLIZanが開発 した,頭の中にある事を視覚化して整理する方法. であることは言うまでもないが,被災地支授の心. である.1枚の紙の真ん中にテーマを置き,そこ. 理専門職は診療所型(クライエントを相談室で待. から放射線状に,枝をだしていく.一種のブレイ. つ)ではなく,様々な学校へと出向き,その学校. ンストーミングにもなり,思考を整理したり,拡. に応じたコンサルテーションを行っていくことが. 散させたりするのに有益な方法である,. 求められる.また本研修会にはスクールカウンセ. 後半では,「プロセスワークの視点から学校を. ラーだけではなく,地域の子どもたちを支える福. 見立てる」と親して,ユング派の流れを汲む. 祉関係者等もいた.そのため学校組織だけではな. ArnoldMindellが創始したプロセスワークの理論. く,自分が属する組織も含めて,組織と自分との. から,ロールとランクの概念を抜き出し,説明す.
(7) 学校臨床心理学研究 第13号(2015年度). を提案している. (1) ある問題に対して,場にどのようなロー ルがあるかを明らかにする.とくに発言して いない人たちに発言を促して,場に存在する 立場を漏れなく拾い上げる. (2)それぞれのロールから問題を見た時に, どのように見えるのか,その輪郭をはっきり させる.. (3)ロール間のやり取りを促す.そのとき,「ホ ットスポット」や「ゴーストロール」を見逃 さないことが大事である. 図2 マインドマップの例(Wlkipedlaより). (4)ロールスイッチを促す.あるロールの発言 者が自分とは別なロールの意見を発言した瞬. ることで,学校(組織)そのものをアセスメント. 間を見逃さず,(例「あの人は∼と考えてい. していくことについて講義した.. るに違いない」等),その時はそのまま自覚. (1)ロール 個人は,いつも統一されたアイデン. 的に別なロールの意見を想像して述べてもら. ティティで考えたり行動したりするわけではなく,. う.. 時として矛盾したことをする.それは,一人の人 の中にいくつものロールがあり,そのロールがそ の人にさまざまな言動を取らせているのだと解釈 される.. 集団においても同様のことが起こる.集団にな ると,個々人のロールが複雑に集団という場で入. さらに,真の対話をするための技法について, 以下のように掟示した. (1)話し合いの途中,析に触れて場に存在する ロールの整理をする.(例「ちょっと整理さ せてください.今,Aという立場と,Bとい う立場がありますね.Aは−と考えていて,. り乱れる.従って,場にどんなロールが動いてい. Bは−と考えていますね」)話をまとめたり,. るのを見極め,明確化していくことが望まれる.. 結論を導きだそうとしたりせず,場に存在す. また場に浮上しないロールは,陰口のような形で. るロールを並列的に捷示して,参加者の自覚. 表現されやすい.これをゴーストロールと呼び, だれも担いたがらないが,確実に場に存在する. を高める. (2)あるロールの発言に対する恐怖やあるロー. ロールである.. ルから発言することへの恐怖(エッジ)を,. (2)ランク ランクとは,人と人との間にあるさ まざまな格差である.社会的ランク,心理的ラン. 場の参加者全員が無意識的に共有する瞬間を ホットスポットと言う.これをスルーせずに,. ク,スピリチュアルランク,文脈的ランクがある. 必ずそこに立ち戻って,丁寧にエッジの向こ. とされる.高いランクを持つ人は,自分のランク. う側にある小さな声に耳を傾ける.(例:「今,. に無自覚で,自分のパワーをだれもが共通して持. −−の立場が意見を述べた後,場が緊張して. っていると考えがちで,低いランクの人を傷つけ. 凍りついたように思いました.何が起きたの. ることがある.低いランクの人は,いつも自分が. でしょうか.」.. 不利益をこうむっていると被害的になり,怒りっ. (3)何度も話し合いの中の発言に含まれている. ぼくなりがちである.どちらのランクにある人も,. ロールであるにも関わらず,そのロールから. 自分のランクとパワーを自覚し,適切に使うこと. 発言する人がいない場合,そのロールの声を. が必要である.無自覚でいると,双方の対話の妨. ゴーストロールと言う.それを場の中に呼び. げになり,エネルギーが滞り,組織は硬直化する.. 寄せる.(例:「さっきからCという立場が. これらの概念を使って,青木(2011)は以下の. 何度も話題に登場していますが,誰も生徒の. ように学校(組織)をアセスメントしていくこと. 立場から発言する人がいませんね.どなたか.
(8) 大規模災害後に必要な持続可能性のある臨床心理学的アプローチ 生徒の立場を代弁していただけますか」.場. 学や社会心理学などの実証心理学の中で発展して. から排除された弱いゴーストロール,あるい は場を支配する強いゴーストロールの言い分. いくこととなった.そこで大きな役割を果たした. を含めることが大切である.多くの場合,ゴー. ジシチュエーション法(SSP)である.SSPはア. のが70年代にAinsworthらが開発したストレン. ストロールを意識化できると新たな展開が生. タッチメントの個人差を分類するための実験的観. まれやすい.. 察場面である,SSPによる基本的分類はA(回. 大学や大学院では,個人心理療法をベースとし. 避型),B(安定型),C(アンビヴアレント型). て講義と訓練が行われる辛が多い.今回のような. の3つである.後に,この3分類に当てはまらな. 体験は新鮮であると受け取られたようだった.こ. いD(無秩序型)がMainによって発見された.. の回は,たまたま初学者が参加出来ない日程であ. さらにMainは成人のアタッチメントを測定す. ったが,初学者にも受けてほしい研修だったとの. る半構造化面接法であるアダルト・アタッチメン. 感想があった.. ト・インタビュー(AAI)を80年代半ばに開発し た.この分類はSSPに対応しており,回避型は. 第3回研修会 2015年1月. アタッチメント軽視型に,安定型は安定自律型に,. テーマ:アタッチメント研究と対人関係療法を学. アンビヴアレント型はとらわれ型に,無秩序型は. ぶ.. 研修会は以下の3部構成で行われた.. 未解決型に,それぞれ対応している.このAAI が開発されたことで母親のAAIの分類とその子 どものSSPの分類を対応させて,アタッチメン. 第1部 アタッチメント理論の基礎 第2部 アタッチメント研究の新しい発展:ア. トの世代間伝達研究など臨床家にとっても興味深 い研究が多数行われるようになった.こうして90. タッチメントと適応の力動一成熱モデ. 年代以降,徐々に臨床家の間でアタッチメント理. ル(DMM)とは何か. 論が再評価されるようになった.. 第3部 対人関係療法の基礎. 第1部後半は筆者の考える「アタッチメントに 基づいた心理療法」の考え方を紹介した(三上,. 第1部はまず前半でBowlbyの経歴からアタッ. 2009;2013).臨床場面ではクライエントとセラ. チメントの基礎的な分類までを解説した.アタッ. ピスト双方のアタッチメントの内的作業も持ち込. チメント理論の創始者であるJohnBowlbyは初期. まれて相互作用が生じる.その中でセラピストほ. の臨床経験の中で非行少年らの多くが家族関係に. クライエントの内的作業モデルを「確証」する古. 問題を抱えていることに注目していた.その後. いアタッチメント対象(共犯者)として振る舞う. Bowlbyはクライン派精神分析のトレーニングを. 代わりに,それを「反証」する新しいアタッチメ. 受け始めたものの,環境要因を重視しないクライ. ント対象として撮る舞う必要がある.. ン派精神分析の姿勢に疑問を持つようになり,そ. 第2部はまず上記の発達心理学研究の中で生ま. れがやがてアタッチメント理論を構築する動機づ. れたアタッチメント分類と,臨床研究の中から生. けになった.Bowlbyは精神分析理論を基盤にし. まれたDSM(精神疾患の診断・統計マニュアル). つつも,それを最新の科学的知見でアップデート. のアタッチメント(愛着)障害との関係について. するために,動物行動学や認知科学を取り入れて, 60年代から80年代にかけてアタッチメント理論を. 説明した.次に上記のAinsworth−Mainによる 「ABC+D」モデルでは臨床群のほとんどがD. 構築していった.アタッチメントの基本的な定義. 群に分類されてしまうという限界を指摘し,それ. は,子どもが危機に遭遇して不安や恐怖などの否. を乗り越える新しい試みとしてCrittendenによ. 定的感情を体験した時に,それを低減するために. る「アタッチメントと適応の力動一成熱モデル. 特定の対象に近接する行動,というものである.. (DMM)」を紹介した(Crittenden&Landini,2011).. アタッチメント理論はBowlbyの思惑とは異な り,当初は臨床家たちからは無視され,発達心理. DMMではアタッチメント方略は成熟と経験の相 互作用で発達していくと想定しているため,.
(9) 学校臨床心理学研究 第13号(2015年慶). ABC+Dモデルよりも,はるかに複雑で多様な. 動療法とは生活上の具体的な問題状況に焦点を当. 分類体系を提唱している.そのため,DMM−AAI. てて個人と環境の相互作用の点から悪循環をとら. は従来のAAIよりも臨床群の鑑別に優れている. え,セルフコントロールの向上を目的とする心理. のである.. 療法であること(坂野・鈴木・神村,2005)を講. 第3部では対人関係療法(IPT)の基礎につい. 義した.次に「行動への介入. て講義した(水島,2009).欧米ではIPTはエビ. 」として,行動の記. 述の仕方,機能分析,目標設定などについて講義. デンスに基づく心理療法として,認知行動療法と. した後,不登校状態にある子どもの架空事例を用. 双壁を成す短期心理療法である.アメリカ精神医. いて登校行動形成のための不安階層表を作成する. 学会のうつ病治療ガイドラインなどでも有効な治. 演習を行った.そして「認知への介入」では自動. 療法として位置づけられている.うつ病以外に. 思考を中心に講義を行った後,不登校状態にある. 様々な障害,患者群へ向けて修正され,効果が検. 子どもの架空事例を用いて自動思考への介入を行. 証されてきた.60年代末に開発されたが,効果検. うロールプレイを行った.. 証のための臨床研究を優先させたため一般臨床に. 第2部は「集団への介入」として対人関係ゲー. 普及するようになったのは90年代に入ってからと. ムを取り上げた.対人関係ゲームとは学級集団の. いう特殊な歴史を持っている.講義ではIPTの. 人間関係づくりのための技法であり,人間関係の. 医学モデルおよび4つの問題領域(悲哀・役割を. 改善によって児童・生徒の学校での社会生活が豊. めぐる不和・役割の変化・対人関係の欠如)を中. かになるとともに学校で起きている問題の解決を. 心に臨床場面に即して解説していった.. めざすものである(田上,2003).学級や級友と. 今回の研修では参加者が少人数であったため,. の対人行動に伴って生じる不安・緊張を低減する. これらの講義の間に適宜質問を受けながら試論を. ために,不安・緊張と括抗する反応として身体運. 深めていった.特に被災地では子どものトラウマ. 動反応・発声を起こす楽しい活動(遊び)を取り. が問題となっており,その意味でもアタッチメン. 入れることが特徴である(田上,2010).演習で. トを中心とした今回の研修は被災地の援助者にと. は不登校状態から学級復帰して間もない子どもが. ってある程度役に立つものとなったのではないか. いる学級を想定して,集団の人間関係づくりを行. と考えている.. うための介入について演習した.その際に,不登 校から複帰間もない子どもが活動中に傷つきにく. 第4回研修会 2015年3月. い実践の構造を意識し,ソーシャルスキル教育(相. テーマ:子どもを対象とした集団・個別の認知行. 川・佐藤,2006)と対人関係ゲームを組み合わせ た実践方法を紹介し,演習を行った.. 動療法 事前の打ち合わせにより被災体験に直接関連さ. 第3部は地域コミュニティにおける認知行動療. せたストレスマネジメント教育などではなく,学. 法の実践に関する内容であった.前半は「多職種. 校からの相談として多く寄せられる不登校を中心. の認知行動療法」として,「自身の仕事または領. とした内容を取り上げることとした.また,研修 の参加者がスクールカウンセラーのみではないこ. 域(医療,福祉,教育など)の中で各技法(行動 への介入,認知への介入,集団対象の介入)を使. とが予想されるため,異なる領域の心理職同士で. う上で予想されるメリットとデメリットを自由に. 認知行動療法について話し合う時間を設け,地域. 挙げて下さい」と教示して各自付箋に番いた後,. の心理職同士の交流を図ることとした.以上を踏. グループに分かれて話し合い,異なる実践領域に. まえて研修会では認知行動療法による個人への介. おける共通点や相違点,認知行動療法の技法の取. 入(第1部),集団への介入(第2部),地域コミ. り入れやすさなどを話し合った.後半は「援助を. ュニティにおける認知行動療法の実践(第3部),. 求めない心理への介入」として,援助要請のカウ ンセリング(本田,2015)について紹介した.援. を取り上げた. 第1部は主に個人への介入の講義と演習を行っ. 助要請とは「情動的または行動的問題を解決する. た..まず「認知行動療法の基礎」として,認知行. 目的でメンタルヘルスサービスや他のフォーマル 10.
(10) 大規模災害後に必要な持続可能性のある臨床心理学的アプローチ またはインフォーマルなサポート資源に援助を求. 体的な理論や方法論が記述されていた.実際に学. めること」と定義され(Srebnik,Cause,&. 生時代に被災地でリラクセーションを経験してい. Baydar,1996),ニーズがあっても自ら相談しな. る人もいた.. い者の心理に関する概念である.本田(2015)の. 30代は,基本的な面接技法,当事者の気持ちに. 授助要請の心理のアセスメント方法を解説し,ス. 寄り添う等,カウンセリングの基本的な態度や知 識についての記述がされていた.. クールカウンセラーや病院の心理士などに授助を 求めることをためらう心理,援助を求めない者へ. 40代以上は,役立つと思われたものはない,現. の介入における倫理,援助要請スキル(本田・新. 状とかけ離れているというような記述が多かった. 年代によって大学や大学院で学ぶ内容に大きな. 井・石隈,2010)への介入方法について紹介した.. 変化があったことが分かった.. 以上の内容の中で,学校における子どもを対象 とした認知行動療法の実践上の留意点や工夫(神. 質問2 大学および大学院で授業として,今後,. 村・佐藤・小林・本田・尾形・吉田・谷・元村,. 被災地支援にかかわるためにどのような授業があ. 2012;本田,2014)を適宜伝えた.第4回研修会. ったら役立つと思いますか.. では認知行動療法について講義と演習を行い地域. 年代等による差ほなく,実際に現場で役立つも. の心理士からの要望である「不登校」を事例とし. のを求める記述が多かった.pFA(Psychological. て演習を行った点,さらに相談室内での認知行動. FirstAid),緊急支援,心理教育などといった言. 療法の実践に限定せず,地域コミュニティを意識. 葉が並んだ.. した内容を取り入れた点が特徴である.. 質問3 その他(感想,ご意見等) 講師への感謝や,研修会への感想が多かった.. 3−2.アンケート結果. 4.考 察. 研修会参加者に,終了後,アンケート提出を求 めた.なお,複数回参加している場合には,初回 のみの掟出とした.. 今回の研修内容は,被災地のニーズに合わせて. 質問は以下の5つで,5件法で尋ねた.(5点 非常に当てはまる 4点 まあまあ当てほまる 3点 普通 2点 あまり当てはまらない 1点. 行われた.緊急支授的な要素は既に被災4年後だっ. 全く当てはまらない). められていた.. たので求められず,日常臨床の中に生じてくる悲 嘆反応や生活変化からくる影響などへの対応が求 こうしたニーズを受けて,第1回では,ソリュー ション・フォーカスト・アプローチを理論的ベー. ①研修内容は今後の自分の仕事に役立ちそうだ 4.3点. スにして,短時間で小さな出来事でも取り上げる. ②研修内容は被災地支援に役立ちそうだ4.0点. ことが可能なインシデントプロセスを紹介し,演. ③研修内容は教育現場への支援に役立ちそうだ. 習を入れながら事例検討を行った.多くの学校に 巡回していたり,短期決戦が求められる被災地で. 4.4点 ④今回の研修の講義部分は有意義だった4.5点 ⑤今回の研修の演習(事例検討を含む)は有意 義だった. の支援者にとって,有益な技法といえる. 第2回では,プロセスワークを理論的ベースと して,学校そのものをアセスメントする方法や,. 4.6点. 集団の中で起こってくる出来事を読み解く理論に 自由記述では,以下の3つの質問に回答を得た.. ついて説明し,演習で物事を整理するための技法. 質問1 大学および大学院で授業で,現在の被災. を交えながら研修を進めた.学校現場で多くの教. 地支援の臨床に役立ったことはどんなことですか.. 職員と関係を即座に構築していかなければならな. 年齢層によって,大きな遠いがあった.20代は,. い支援者たちにとって有益であると考えられる. 第3回では,アタッチメント理論の最新の研究. 「緊急支授」,「悲嘆カウンセリング」,「被害者支 授」,「家族支援」,「リラクセーション」等の,具. 成果を踏まえ,被災地に多く起きる喪失感とも関 11.
(11) 学校臨床心理学研究 第13号(2015年度). 連するアタッチメントの査定方法について講義し. ことが必要であることが研究からは明確になった.. た.被災後は,実際に家族を失わなかったとして も,失業や転居に伴って家族力動には大きな変化. 本研究は,平成26年鹿北海道教育大学学長裁景経. が起きる.それだけではなく,今まで固定した地. 軒協働研究推進経費により行った.. 域社会であったものが,対人関係も大きく変容す る.カウンセラーは,子どもたちだけではなく,. 文 献. 子どもを取り巻く保護者や教職員ともかかわって いく.そうした激動の変容をした関係性へのアプ. 藤森和美・藤森立男(1995).心のケアと災害心. ローチをしていくために,本研修は有意義であっ. 理学.芸文社.. たと思われる.. インスー・キム・バーグ他(著)桐谷弘江他(訳). 第4回では,認知行動療法をベースとして,個. (2008).解決のための面接技法(第三版).金. 人から集団さらに地域コミュニティまでのアプ. 剛出版.. ローチを順を追って積み上げていった.前述した. 相場幸子他(2010).みんな元気になる対人援助 のための面接法.金剛出版.. ように,学校における心理臨床は,個別対応のみ. 阿部幸弘(2014).解決のための面接研究会(2014.. ならず,集団や地域社会との関わりが重要である. 本講義では,学校での心理教育も含め,具体的で. 5.13)で「テリー・ピショー(TeriPichot). 支援者にも子どもたちにも役立つ実践的な理論と. 氏のワークショップから」として紹介された. 方法について学べたという意味で,貴重なもので. ワーク.. 百海正一(2002).ケース・メソッド教育.南緯. ある.. 論叢,28(1).17−111.. 4人の講師は,それぞれ異なった臨床心理的ア プローチをもっている.しかしながら,それぞれ. Wikipedia.マインドマップhttps://ja.wikipedia,. に被災地支授に必要なものを十分に理解し,地域. org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%9E. と時期のニーズに合わせた研修を行うことが出来. %E3%83%83%E3%83%97.(2015年8月25日取 得).. た.. 参加者からのアンケートによれば,20代は大学. 青木聡(2011).学校アセスメントの視点とグルー. および大学院で,緊急支援や心理教育等を学んで. プ・ファシリテーションの技法.子どもの心と. 学校臨床,5.38−46.. おり,実際に被災地に教員と行って実践をした人. ピーター・M・センゲ他(著)リヒテルズ直子. もいた.30代は,そうした具体的な授業の経験は ないが,自分が学んだ理論が現場では役立つこと. (訳)(2014).学習する学校一子ども・教員・. を実感している.40代以上になると,大学での講. 親・地域で未来の学びを創造する∼.英治出版.. 義が実践とは結びつかなくなっている.これは,. トニー・ブザン(著) 近田美季子(訳)(2008).. 既に大学での学びから遠くなっていたり,その後. マインドマップ超入門.デイスカヴァー・トウ. の学びの方が大きくなっていることも関係してい. エンティワン.. るとは思われる.しかし,同時に,臨床心理学の. Crittenden.P.M.andLandini,A.(2011).Assessing. 世界そのものがこの20年ぐらいで変わってきてお. AdultAttachment:A Dynamic Approach to. り,大学の授業カリキュラムが地域コミュニティ やコンサルテーション,コーディネーションに重. DiscourseAnalysis.NewYork:W.W.Norton. &Company. 三上謙一(2009).安全基地を確立するためのセ. きを置くようになってきているためとも考えられ. ラピストの機能について:アルコール依存症の. る.. 今後の大学および臨床心理士研修では,それぞ. 父親をもつ女子大学生への愛着理論によるアプ. れが自分の拠って立つ理論を極めると共に,理論 が地域社会のニーズとどのようにつながっている. 三上謙一(2013).愛着理論から見た心理療法の. かを見通した上で,自らの臨床を発展させていく. 行き詰まりとその回複過程:逆転移としてのセ. ローチ.心理臨床学研究,27.59ト602.. 12.
(12) 大規模災害後に必要な持続可能性のある臨床心理学的アプローチ ラピストの眠気の意味,心理臨床学研究,31, 33−48.. 水島広子(2009).臨床家のための対人関係療法 入門ガイド.創元社. 相川充・佐藤正二(2006).実践!ソーシャルス キル教育 中学校.図書文化. 本田莫大(2014).スクールカウンセラーが行う 認知行動療法への動機づけを高める工夫(金井. 嘉宏・石川信一・本田莫大・大月友・道城裕貴 学校・教育現場における行動療法・認知行動療 法家の実践 モチベーションを高める工夫 日 本認知・行動療法学会第40回大会抄錦集, 42−43.) 本田莫大(2015).援助要請のカウンセリングー「助 けて」と言えない子どもと親への援助−.金子 市房. 本田莫大・新井邦二郎・石隈利紀(2010).授助 要請スキル尺度の作成.学校心理学研究,10, 33−40.. 神村栄一・佐藤寛・小林奈穂美・本田莫大・尾形 明子・吉田沙蘭・谷晋二・元村直靖(2012). 子どもと思春期に対する認知行動療法 工夫と 秘訣の展覧会.認知療法研究,5,3ト40. 坂野雄二(監修)鈴木伸一・神村栄一(著)(2005). 実践家のための認知行動療法テクニックガイド 行動変容と認知変容のためのキーポイント.北 大路啓房,. Srebnik,DリCause,A.M..&Baydar,N.(1996). Help−Seeking pathways for children and adolescents,JournaEq[Emo[ionalandBehavionl βf∫〝dβ門,4,210−220.. 田上不二夫(編著)(2003).対人関係ゲームによ る仲間づくり 学級担任にできるカウンセリン グ.金子書房. 田上不二夫(監修)(2010).実践グループカウン セリング 子どもが育ちあう学級集団づくり. 金子市房.. 13.
(13) 学校臨床心理学研究 第13号(2015年度). SUMMARY SustainableClinicalPsychologicalApproachRequiredatPost−Large−ScaledDisasters. −AStudythroughTrainingsofSchooISupporters−. YukariSATO*・MasanobuURAMOTO=・MasahiroHONDA*** KenichiMIKAMI**=・HidehiroRYUSHIMA=*** 「●〔ノ用(JJ/〟什.ヾ√か川//イノご〟椚、JJ/わJJ.JJの柚〝Jイ√)【1J汗り叫1・q/’Jt、√ナノハ、〝/わ,り 「‥.l∫‘・かノ/ノJ川川封イ〃r./わ・(JJヾ郁ん、J−q仲l、/l,(J〟r√けヾノブJ/:、J仰川−り研什q/’〃〟〝−・〝/J〃Jり 「tt●〃〟カ〃〟〟/=、〝川♪JJ∫.〟J朗〝J(J〃J■扉J・…巾・′イ/ご(JJJ〃J/わ,り 「‥t●〟用J仙.・レ/ナナJわ∼雨JW〟√川ぐ川/げ.几ノ仙〟J(ルJ●扉J・り叫l・q/’だ前J−、〝/J〃り /‥‥†.・l(ル〝〃∩、〟71、肌、かJ・/恒心∫J川J(ノ/JJ√n、ん小ナナ汀W/ハγぽm札/血仙血れ「か肌雨小可 ̄Jご/JJJl、′丁/わノり. AftertheGreatEastJapanEarthquake,COunSelorswer・ePlacedatschooIstohelpchildrensufferin from thedisaster.Manyofthesecounselors were fr,Om prefecturesotherthan thedisaster ar・eaS,and SOmedid nothaveadequatecareersasclinicians.Underthesedifficultconditions,SyStemStOSuppOrtthe COunSelorswererequired.In thisstudy,Withanassistanceofacoordinatoratthespot,Pr’OVideddeman,. ded trainings tosuch counselors.Afterthetraining,aSurVey WaSCOnducted with particIPantS.The re− Sultsindicated thatlectures and seminars regardingindividualpsychother・aPy aSCurrentlytaughtatuni− VerSities andgr・aduateschooIs are notfulfillingthe needs,hencethedevelopmentofabilitiesofconsulta− tion andcoordinationwerealsonecessarytorespond tosocialneeds.. Keywords:Afterlarge−SCa)edisasters.schooIcounselor.counselor’straining 14.
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