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IRUCAA@TDC : 「学力低下」は本当か? : 英語基礎力テストから見えてくるもの

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

「学力低下」は本当か? : 英語基礎力テストから見えて

くるもの

Author(s)

森田, 雅義

Journal

歯科学報, 113(2): 178-184

URL

http://hdl.handle.net/10130/3039

Right

(2)

抄録:近年,大学生の学力低下が叫ばれている。で は,本学の学生の実態はどうなっているのだろう か。私は,本学学生の英語の基礎学力の実態を把握 するために,本調査を実施した。 調査に使用したデータは,入学直後に新入生に対 して実施している「英語基礎力テスト」である。テ ストの問題はほとんど基本的な問題で,彼らが中学 校から概ね高等学校の1年くらいまでに必ず学習す るものである。調査の結果は,平均点が58.9であ り,これは私が期待していた点数よりかなり低かっ た。また比較的点数が高かった学生の中にも,基本 的な質問に答えられなかったり,簡単な英語の綴り が書けない学生も相当数見られた。このような結果 から判断すると,学力低下は深刻な状況であると言 わざるを得ないかもしれない。今後の授業を計画し ていく際には,今回の調査結果を十分考慮する必要 があるだろう。 はじめに 「学力低下」が社会的に大きく取り上げられてい る。文部科学省も「教育振興基本計画(平成20年7 月1日発表)」で次のように述べている。『近年,教 育をめぐって,子どもの学ぶ意欲や学力・体力の低 下,問題行動など多くの面で課題が指摘されてい る。』多くの大学においても,学生の学力低下が 大きな問題となり,リメディアル教育[Remedial

Education:米 国 で は Developmental Education と 言うことが多いようである]と称して,数学や国語 (日本語)の補習を行っている。本学においても,こ こ数年入学してくる学生の学力低下が問題となり, 補習による,よりきめ細かな指導等が検討されてい るところである。 ところで,学力低下といっても,一体その実態は どうなっているのだろうか。よく引き合いに出され るのが「大学生になっても分数の計算ができない。」 とか「まともに文章や漢字が書けない。」である。 しかし,本当に基礎学力は落ちてしまっているのだ ろうか。また,私が担当している英語の基礎学力の 実情はどうなっているのだろうか。教える側とし て,何となく学力低下はあるような気はするが,具 体的にはよく分かっていない。そこで本調査では, 毎年,入学後すぐに実施している英語基礎学力テス トを通して,本学に入学してきた学生の英語の基礎 学力の実態を検証してみたい。 1 英語基礎力テストについて 1)レベル 英語基礎力テストのレベルは,中学校レベルの本 当に基礎的な問題から,高等学校1年生くらいまで の基本的な問題がほとんどある。数問やや難しい問 題も含まれているが,全て必ず中学校,高等学校の 教科書で学習することになっている内容である。ち なみに,現在の高等学校の教科書では,高校2年生 までの教科書の学習が終了すれば,文法項目等の基 本的な学習は一応全て終えたこととなり,センター 試験等も原則的にはここまでの学習範囲から出題さ れることになっている。

調査報告

「学力低下」は本当か?

―英語基礎力テストから見えてくるもの―

森田雅義

キーワード:学力低下,リメディアル教育,英語基礎力 テスト 東京歯科大学英語研究室 (2012年11月2日受付) (2012年12月7日受理) 別刷請求先:〒101‐0062 東京都千代田区神田駿河台2−9−7 東京歯科大学英語研究室 森田雅義 178 ― 62 ―

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2)構成 ① 選択式(マークシート)による文法問題 40問(100点満点に換算し,点数化) ② 記述式基礎文法問題 16問 ③ 英単語の綴りを書く問題 34問 ※②と③については記述式であるので,実際に書 かれたものを採点する。 3)年度別の成績比較 各年度別入学生の比較をするために,最近3年間 の比較を表1に示す。 データを見ると,平成22年度入学生の平均点が若 干高くなっている。しかしながら,その平均点の差 はごく僅かであるし,各問題の正答率においても, 各年度ほぼ同様の傾向が見られる。ということで, 本報告においては,一番新しい平成24年度入学生の 結果を元に,分析していくこととする。 2 選択式(マークシート)による文法問題の結果 ここからは,基礎力テストの構成にしたがって, 個々の結果について考えていきたい。 まず,選択式の文法問題であるが,基本的には一 つの設問に対して,4つの選択肢がある。この中か ら正しいものを1つ選ぶという形式である。 ここでの問題も前述のとおり,そのレベルは,中 学校から高等学校のだいたい1年生くらいまでのも のである。 例えば,問題1は次のとおりである。 問題1 A:Where is Tom? B:He( )a shower.

① take ② takes ③ is taking ④ took ※太字が正解 この問題のポイントは中学校1年生で学ぶ「現在 進行形」であり,当然100%の正解率を期待したい ところであるが,正解できなかった学生の数は別表 2に示すとおり29名(正解率77.9%)である。単なる 勘違いであって欲しいが,間違えてしまった理由を 聞いてみたい気持ちになる。 以下,同じようにして,正答率の高かったものと 低かったものを,それぞれ3つずつ取り上げて,そ の原因を探ってみたい。 [正答率の高かった問題] 問題3(正答率92.4%)

Please( )quiet for a while. I m writing an essay about Hemingway.

① keep ② keeps ③ kept ④ keeping 表1 英語基礎力テスト入学年度別集計(選択式文法問題) 問題 No. 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平均正答率 1 79.2 76.0 77.9 77.7 2 70.8 70.5 81.7 74.3 3 88.5 91.5 92.4 90.8 4 64.6 55.8 61.1 60.5 5 54.6 46.5 45.8 49.0 6 53.8 69.0 64.9 62.6 7 17.7 26.4 21.4 21.8 8 54.6 54.3 51.9 53.6 9 23.1 24.8 26.7 24.9 10 36.9 38.8 35.9 37.2 11 56.9 54.3 55.0 55.4 12 72.3 64.3 63.4 66.7 13 84.6 86.8 83.2 84.9 14 62.3 62.0 53.4 59.2 15 65.4 69.0 65.6 66.7 16 8.5 9.3 6.1 8.0 17 68.5 69.0 69.5 69.0 18 90.0 86.0 87.8 87.9 19 85.4 82.9 86.3 84.9 20 73.1 69.0 74.0 72.0 21 78.5 72.1 74.0 74.9 22 89.2 85.3 90.8 88.4 23 77.7 67.4 70.2 71.8 24 58.5 49.6 44.3 50.8 25 38.5 42.6 48.9 43.3 26 56.2 50.4 55.7 54.1 27 73.8 77.5 73.3 74.9 28 76.2 79.8 74.0 76.7 29 71.5 73.6 69.5 71.5 30 33.1 33.3 37.4 34.6 31 70.8 65.1 60.3 65.4 32 60.8 55.8 66.4 61.0 33 76.2 68.2 68.7 71.0 34 77.7 73.6 73.3 74.9 35 20.8 29.5 27.5 25.9 36 13.8 14.7 20.6 16.1 37 57.7 57.4 61.1 58.7 38 60.0 65.1 57.3 60.8 39 31.5 29.5 36.6 32.5 40 31.5 49.6 43.5 41.5 平均点 59.5 58.6 58.9 58.9 歯科学報 Vol.113,No.2(2013) 179 ― 63 ―

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中学校1年生で学ぶ「命令文」の問題。

「命令文は動詞の原形を用いる」は,よく覚えて いるようである。

問題22(正解率90.8%)

( )I be excused from the table, please? ① Do ② May

③ Have ④ All right

この問題も中学校の比較的早い段階で学習する項 目「助動詞」である。意味から答えを推測しようと すると(日本語にすると,「ちょっと離席してもよろ しいですか?」という感じ),意外に難しい問題だ と思われる。ところが正解率は非常に高くなってい る。おそらくこれは,( )I ∼の時は,May が 入ると条件反射的に入れた学生が多いのではない か,と思われる。もし問題が,例えば,(Do)I have to leave now? Yes, I think you should leave right now. という問題だったら,正答率はもっと下がっ ていたかもしれない。

問題19(正解率86.3%)

How many times( )to the United States? ① did you ② were you

③ you went ④ have you been

「経験」を表す時の現在完了形の問題。中学校3 年生で学習する。「∼したことがある」という経験 を言うときには,現在完了形 have[has]+過去分詞 形にするというのは比較的理解しやすいようで,よ く記憶している学生が多い。中学生のレベルでも定 着率が高い内容である。ただし,次のような問題で あると,正解率がだいぶ下がることが想像される。

(例)The student( )his ID card. ① lost ② loses

③ has lost ④ will be lost

正解は③で「ID カードをなくしてしまった(まだ 見つかっていない)。」という意味になる。

[正答率の低かった問題] 問題16(正解率6.1%)

“Can( )have a drink?” “Sure. Help yourselves.”

① we ② you ③ I ④ anyone この問いのポイントも前述の問題22と同じで,助 動詞であるが,やはりここでも Can( )と来た ら,I を反射的に入れてしまったのであろう。Help yourselves. に注目して,複数形にならなければな らないのを見逃してしまったものと思われる。 問題36(正解率20.6%)

A:Do you know about the accident? B:Of course. I saw it( ).

① happen ② happened ③ was happening ④ to happen

ここでのポイントは(何となく覚えている方も多 いと思うが),see+目的語+動詞の原形という文で あり,高校の1年生くらいで学習する項目である。 正答率が低い理由としては,構文自体を忘れてし まっていることと,「それが起こったのを見た」と 解釈して it happened と考えたものと推測できる。 ちなみに似たような表現だが,see+目的語+∼ing の構文は中学校で学習する項目である。 問題9(正解率26.7%)

Mike, I hear that you( )married next month. Who is the lucky girl?

① are ② get ③ will ④ are getting

いわゆる現在進行形が近い未来の事柄を表すこと がある,というのがこの問題のねらいであり,高校 で学習する項目である。next month と未来のこと を言っているのに,現在形の get を選んでしまった 学生が76名いた。 以下,選択式問題の全体のテスト結果を表2に示 す。 森田:「学力低下」は本当か? 180 ― 64 ―

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3 記述式基礎文法問題の結果から この問題のねらいは,選択式の問題だけだと本当 に文法・語法が理解できているか分からない部分が あるので,記述式で改めて問うてみたものである。 ここでは正解率の高かったものから2問,低かっ たものから2問取り上げ,更に誤答として多かった ものを紹介する。 [正答率の高かった問題] 問題41(正解率92.6%)

Raymond(buy) several CDs last week.

bought

単純に過去形に直す問題であり,中学2年生で学 習する。基本中の基本の問題であり,当然正解率は 100%にならなければならない問題である。しかし,

6人が正解できなかった。誤答としては,buys, have bought,will buy などである。last week を見 て,即座に bought が入らないと,かなり基礎力が ないと言わざるをえない。

問題47(正解率80.0%)

They(arrive) some time tomorrow morning, won t they? will arrive

この問題も tomorrow morning となっている の で,すぐに未来形の文であると分かるはずであり, これも中学校2年で学習する。したがって,正解率 が100%になっていないほうが,むしろ驚きである。 誤答としては,arrived,will arrived,were arriving などである。won t を過去形だと誤った判断をした のかもしれない。

[正答率の低かった問題] 問題48(正解率34.8%)

It s noon. Everybody(eat) lunch at this cafeteria now. is eating

現在進行形の問題で,前述のとおり中学2年で学 習する。誤答としては,are eating,eating,is eat-ting などがあった。特に are eaeat-ting としている解答 がかなりあったが,everybody は単数扱いとして考 える,というもう一つのポイントを忘れてしまって いるのが原因であろう。

問題54(正解率37.8%)

Does a shower always use(little) water

than a bath? less

比較級の問題で,little の比較級は less になるこ とを問う問題。「比較級」自体は中学校で学習する が,little の比較級は高校での学習事項になる。誤 表2 平成24年度入学生英語基礎力測定テスト結果 (1∼40文法選択) 受験者数 131名 平均点 58.9点 選択肢→ ① ② ③ ④ 正答率↓ 1 2 27 102 0 77.9 2 0 19 5 107 81.7 3 121 2 0 7 92.4 4 0 80 50 1 61.1 5 60 4 7 60 45.8 6 85 38 2 6 64.9 7 0 28 6 97 21.4 8 3 50 68 10 51.9 9 9 76 11 35 26.7 10 23 15 46 47 35.9 11 4 48 72 7 55.0 12 13 1 83 34 63.4 13 10 109 8 4 83.2 14 13 70 8 40 53.4 15 1 86 11 33 65.6 16 19 103 1 6.1 17 91 6 14 20 69.5 18 3 7 6 115 87.8 19 6 2 10 113 86.3 20 11 11 97 11 74.0 21 97 20 4 9 74.0 22 2 119 8 1 90.8 23 15 92 11 13 70.2 24 45 16 12 58 44.3 25 19 27 64 21 48.9 26 43 13 73 3 55.7 27 3 16 16 96 73.3 28 31 97 3 0 74.0 29 5 7 28 91 69.5 30 19 43 49 20 37.4 31 79 2 3 47 60.3 32 41 2 87 1 66.4 33 4 28 7 90 68.7 34 96 15 6 14 73.3 35 11 36 53 30 27.5 36 27 71 20 12 20.6 37 10 27 15 80 61.1 38 50 5 75 2 57.3 39 8 16 59 48 36.6 40 35 57 22 15 43.5 正答率の高かった問題 正答率の低かった問題 太文字が正解 歯科学報 Vol.113,No.2(2013) 181 ― 65 ―

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答には,a little,more little,worse などがあった。 less という単語も非常に多く使われる語であるが, 実際に使えるレベルに達している学生はかなり少な いと思われる。 記述式文法問題全体の正答率は,表3に示す。 4 英単語の綴りを書く問題の結果から この問題の目的は,単に単語の綴りが書けるかど うかだけでなく,品詞の違いを学生が認識している かを測るものである。例えば,問題87「安全」の答 えは safety であり,その形容詞形の safe(中学校で 既習)は不正解として採点した。ここでの問題とし ては,中学校で学習するものと高等学校で学習する ものを混ぜてある。綴りについては,普段実際に書 いていないと忘れてしまいがちなので,書けなくて も仕方がない部分もあるが,英語の基礎学力を測る 一つの尺度であると考え,出題している。ところ で,現在中学校では,英語を聞くこと,話すことの 指導が中心となっており,書くことの指導をあまり 行っていない。そのためかどうか不明であるが,こ の基礎力テストに出題された単語がほとんど書け ず,白紙に近い学生も散見された。 ここでは正答率の高い問題と低い問題を5問ずつ 紹介する。 (問題の指示文) 次の日本語に相当する英語を書きなさい。ただし, 与えられたアルファベットで始まる語を書くこと。 (例)違い(名詞)(d ) [正答率80%以上の問題] 問題73(正解率88.1%) 事故,偶然の出来事(a accident) (学習時期)高等学校 問題64(正解率87.4%) 医者(d doctor) (学習時期)中学校 問題79(正解率85.2%) 重要な,大切な(i important) (学習時期)中学校 問題60(正解率83.7%) 笑う(l laugh) (学習時期)中学校 問題57(正解率83.0%) 文化(c culture) (学習時期)高等学校 問題83(正解率83.0%) 美しい(b beautiful) (学習時期)中学校 [正答率30%未満の問題……正解率の低い順] 問題90(正解率21.5%) 必要な(n necessary) (学習時期)中学校 問題76(正解率23.7%) 政治(g government) (学習時期)高等学校 問題84(正解率23.7%) 舌(t tongue) (学習時期)高等学校 表3 記述式文法問題正答率 問題 No.↓ 正答率 41 92.6 42 19.3 43 67.4 44 71.9 45 74.1 46 91.1 47 80.0 48 34.8 49 54.8 50 56.3 51 51.1 52 89.6 53 59.3 54 37.8 55 41.5 56 68.9 正答率の高かった問題 正答率の低かった問題 森田:「学力低下」は本当か? 182 ― 66 ―

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問題87(正解率24.4%) 安全(s safety) (学習時期)高等学校 問題71(正解率25.2%) 説明(e explanation) (学習時期)高等学校 問題86(正解率28.1%) 正しい,正確な(c correct) (学習時期)高等学校 当然のこととは思うが,中学校で学習する単語の 正解率のほうが,高等学校で学習する単語の正解 率よりも高くなっている。例えば,「政治」govern-ment,「舌」tongue 等は,とても難しい綴りである。 とは言え,「必要な」necessary,「説明」explanation など,英語の論文等でも非常によく使われる単語で さえ,四分の一の学生しか正答者がいないというこ とは結構深刻かもしれない。 [その他] 問題67(正解率54.8%) (単科)大学(c college) (学習時期)中学校 この単語の綴りを正確に書けない学生が,驚いた ことに約半数いた。TDC は Tokyo Dental College と 正確に書けるようにさせたいものである。 単語の綴りを書く問題の正答率を表4に示す。 5 まとめ 過去5年間「英語基礎力テスト」を実施してき て,年度別の平均点の比較等は行ったが,個々の解 答についての細かい分析は行わなかった。今回,一 つ一つの問題を精査しながら,その状況をみること によって,学力低下(しているかどうか)についての 実情がだいぶ明らかになったような気がする。調査 の結果は,平均点が58.9点で,これは私が期待して いた点数よりかなり低かった。私が期待していた点 数は70点以上であり,今回のテストで70点を超えた 学生は34名であった。一方,得点が40点未満のかな り基礎力が不足していると思われる学生が7名い た。また,得点の高い学生の中にも,基本的な文法 の質問に答えられなかったり,簡単な英単語の綴り が書けていない学生も相当数見られた。この結果か ら判断すると,学力低下は深刻な状況であると言わ ざるを得ないかもしれない。10年前,20年前といっ た過去のデータがないので,単純な比較はできない が,少なくとも私にとって,「もう少しできるだろう」 という思いであった。この状況だと,将来英語でコ ミュニケーションを図ったり,或は英語で論文を書 いたりするのはかなり難しいと思われる。 ただ,学生の立場に立って考えると,気の毒な部 分もある。彼らが英語の最も基本となる中学校レベ ルの英語を勉強するのは,せいぜい高校入試の時ま 表4 単語綴り問題正答率 問題 No.↓ 正答率 57 83.0 58 74.1 59 71.9 60 83.7 61 51.1 62 58.5 63 50.4 64 87.4 65 60.7 66 44.4 67 54.8 68 37.0 69 48.1 70 62.2 71 25.2 72 48.9 73 88.1 74 50.4 75 82.2 76 23.7 77 41.5 78 68.9 79 85.2 80 14.8 81 31.9 82 57.0 83 83.0 84 23.7 85 17.8 86 28.1 87 24.4 88 48.9 89 77.8 90 21.5 正答率の高かった問題 正答率の低かった問題 歯科学報 Vol.113,No.2(2013) 183 ― 67 ―

(8)

でで,それ以降はおそらくほとんど学習する機会は なかっただろう。もちろん,そのレベルの内容が大 学入試で問われることは,ほぼ皆無である。した がって学生たちは高校入試以降,これらの本当に基 礎となるべきレベルの英語を身につけずに大学に入 学してくることになるわけである。それでも,まだ 本学に入学して来る学生のレベルであれば,今回示 したような文法等なら,「ああ,そう言えば,そう いうの習った。」という感じで思!い!出!せ!る!学生がほ とんどなので,まだよいほうだと考えるべきなのか もしれない。 いずれにしても,私にとって今回の調査を通し て,「学力低下」の実態を把握することとともに, 英語における学生たちの弱点を見い出すことができ た。これらの結果を踏まえて,今後の自らの授業内 容の更なる工夫・実践を行い,「英語を使って世界 で活躍できる」ような歯科医師を一人でも多く輩出 したい,というのが私の願いである。

Is Student Academic Performance Really in Decline?

―Lessons to be learned from the English Achievement Test for Freshmen―

Masayoshi MORITA

English Lab., Tokyo Dental College

Key words : academic performance decline, remedial education, English achievement test

Recently,the academic performance of students at universities and colleges has often been said to be in decline. Therefore,the purpose of this study was to investigate this situation with regard to the learning of English at Tokyo Dental College.

Data obtained from English Achievement Test for Freshmen administered soon after entry to this college were used for the analysis. This test mostly consists of the type of basic question that they would have been expected to learn how to answer in junior high school or in the first year of senior high school.

The average score was 58.9 points,which was far lower than predicted. Moreover,even among those students who got a relatively higher score,quite a few could not answer a basic grammar question or spell simple vocabulary.

The present results showed that student academic performance in English at this college is in serious decline,indicating the need for this to be taken into consideration in the preparation of future lesson plans. (The Shikwa Gakuho,113:178−184,2013)

森田:「学力低下」は本当か? 184

参照

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