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中山間地域における農業集落の存続要件に関する分析

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Academic year: 2021

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著者

橋詰 登

雑誌名

農林水産政策研究

7

ページ

1-24

発行年

2004-12-16

URL

http://doi.org/10.34444/00000098

Copyright (C) 農林水産省 農林水産政策研究所 Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, Japan

(2)

1。

はじめに

一課題の設定

要 -農林水産政策研究 第7号(2004):ト24 に生産・生活条件の厳しい地域においては,存続 が危ぶまれる事態に陥っている集落も決して少な くない。 2000年農業センサスでは10年ぶりに農 業集落調査が実施されたが,その結果〔13〕をみ ると約5千もの農業集落がこの10年間に減少し ており,その半数以上は中山間地域に所在する農 業集落なのである。  ところで,2000年農業センサスの農業集落調査 については,すでに幾つかの分析結果が報告され ており,集落の機能や活動面を中心とした農業集 落の現状や近年の動向か明らかにされている。た とえば,安藤〔1〕は農業集落の地域資源管理が農 業生産に携わる農家のみで担われる傾向が強まっ ていることを,小口]切〔2〕は山口県の中山間地域 集落を対象とした統計分析から,壮年人口がおお むね3人以下の小規模集落の一部で農業にかかわ る活動のみならず生活や文化にかかわる活動まで も脆弱化しはじめていることを,また,福田〔17〕 は集落特性と集落活動を示す諸変数の相関分析か 1− 研究ノート

中山間地域における農業集落の存続要件に関する分析

 都市的地域と中山間地域で多くの集落が消滅したため,10年前に比べ総農業集落数は4,959の減 少となったが,これら集落の7割には現在も非農家の中に少数の農家が点在していると推計され た。一方,この10年間に農家が全くいなくなった農家消滅集落は全国で1,500程度であり,その多 くは1990年当時,すでに農家数が5戸以下の小規模集落であった。  さらに,中山間地域の農家消滅集落と存続集落との判別分析から,農家消滅集落の主な発生要因 が,小さな集落規模,農家数の急激な減少,役場や小学校といった公共施設へのアクセスの悪さに あったことを明らかにした。  また,島根県の中山間集落を対象に農家数規模別集落数の相関表を作成し,10年間の集落動態を 分析したところ,農家数が5戸以下となった集落において農業集落の農家点在地化と農家消滅の動 きが現れ,3戸以下になるとその動きが急激に加速することも確認された。  これらの分析から,中山間地域における農業集落を存続させるためには,1集落当たり少なくと も5戸程度の農家が必要であることが明らかとなった。 原稿受理ロ2004年9月24日  2000年農業センサス結果は,WTO発足以降の 新たな国際環境下におけるわが国農業構造の変容 を明らかにし,画期を迎えた農政の課題を浮き彫 引こした。それは零細農家の滞留が生じる一方で 上層農家の形成が困難となりつつあることや,農 業労働力の高齢化が一段と加速し,その結果,不 作付け地の急激な増加による農地利用の後退が進 行するといった,これまでとは異なる動き(l)への 対応である。量的な減少傾向から質的な衰退へと 比重が移る新たな段階に突入したわが国の農業構 造は,とりわけ,担い手不足が深刻な中山間地域 等において,地域農業の崩壊,農地資源の荒廃へ と進んでいく危険をはらんでいると言えよう。  そしてこのような農業構造の変化は,農家の存 立基盤である農業集落の弱体化にもつながり,特

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ら,中山同地域の農業集落では農家率の低下(農 家数の減少)によって集落機能を維持することが 困難となる可能性が高いことなどをそれぞれ指摘 している。  これら分析結果は,いずれも今後の集落再編方 策を考える上で示唆に富むものではあるが, 2000 年時点で現存する農業集落が分析対象である以 上,残念ながらこの10年間に統計上から消え 去った農業集落がどのようなものであったのかを うかがい知ることはできない。農業集落の存続要 件を明らかにするためには,この間に農業集落で なくなった集落の直接的な統計分析が不可欠であ り,過去に遡ってこれら集落の自然的・社会的立 地条件や世帯構成,さらには集落活動状況等を捉 える必要かおる(2)。  本稿の課題は,第1に農業集落調査において付 随的に把握されている「農家数がゼロの農業集落 概況表(3)」のデータを独自に集計し,その結果か ら1990年以降に農家が消滅した農業集落の実態 に接近することである。第2は中山同地域に対象 を限定し,同一条件下に立地する存続集落との比 較分析から,農家消滅集落の発生要因を具体的に 明らかにすることである。これらの分析から,厳 しい立地条件下にある中山間地域に所在する農業 集落が存続するために必要な要件を探り,集落再 編等の検討に資する知見を提供する。  本稿の構成は,以下のとおりである。  まず,2.で農業センサスにおける集落定義の変 遷と農業集落数の動向を確認した後,農業集落の 消滅パターンを整理し,この10年間に減少した 農業集落の実態を明らかにする。続く3.では統計 的に分析することが可能な1990∼2000年の間に 農家が消滅した集落を対象に,農家がなくなった 年次やその主な理由について地域性を検討する。 さらに,4.では非都市化要因で農家が消滅した中 山間農業集落と,比較対象として同一地域条件の 旧市区町村(4)から抽出した存続集落との1980年 および1990年農業集落カードデータを用いた判 別分析から,中山間地域における農家消滅集落の 発生要因を明らかにする。また,併せて島根県の 全中山間集落を対象に構造動態表を作成し,小規 模農業集落の存滅状況を明らかにする。最後の 5.ではこれら分析結果を整理の上,農業集落の存 -続可能性を展望しまとめとする。  注剛 2000年農業センサスでみられた新たな農業構造変化    については,橋詰・千葉編著〔16〕を参照。   (2) 1980∼90年の間に消滅した集落を含めて,京都府の    中山間集落(521集落)を対象に, 1960∼90年の既存    データを利用した多変量解折から集落を維持するため    の定住条件を析出したものとして,立川ほか〔7〕があ    る。この分析は,農業集落というよりも生活の場として    の集落を維持するために必要な最低定住条件を明らか    にしようとしたものであり,分析結果から集落が存続    するための限界条件として,①総戸数が9戸以上,②    小学校まで3km未満,③DID地区まで30分圏内を指    摘している。この他,岡山県のY町を分析対象とし,限    界集落の「ルーラル・ミニマム」として戸数規模に着目    した分析を行った立川[8]がある。   (3)「農家数がゼロの農業集落概況表」とは,農家がいな    くなった集落に隣接する農業集落の代表者(実行組合    長,区長等),あるいは市区町村役場の関係者から,こ    の集落の概況(1990年の農家数,2000年の非農家数,    農家がなくなった年次とその理由,耕地の管理状況等)    を地方統計組織の職員が聞き取り,一覧表に整理した    ものであるが,集計結果は報告書等に掲載されていな    い。なお,農林水産省統計情報部〔15〕の末尾にその様    式が掲載されている。   (4)旧市区町村は農業センサス独自の集計単位の一つで    あり,昭和の大規模な市町村合併が始まる前の1950年    2月1日時点に存在した11,582市区町村を指す。 2

集落定義の変遷と集落数の推移

 (1)農業集落調査における集落定義の変遷  わが国で農業集落調査が最初に実施されたのは 1955年(昭和30年)の臨時農業基本調査におい てである(l)。以降, 1960年の農業センサスから10 年ごとに6回の調査が農家調査等と一緒に行われ てきた。今回の2000年農業集落調査は,最初の調 査から約半世紀を経たことになる。  ところで,農業センサスの最も小さな集計・表 章単位である農業集落は,農林水産省独自の地域 範囲であって一般には馴染みがないものである。 しかも,その存立基盤であるわが国の農村は,高 度経済成長を始めとする社会経済情勢の急激な変 化によって大きく変容している。したがって,農 業集落を時系列分析するに当たってば,調査フ レームである農業集落の捉え方が変わっていない ことが前提となる。  そこで,分析に先立ち,農業センサスにおける 農業集落の定義を確認しておくこととする。第1 2−

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橋詰:巾山間地域における農業集落の存続要件に関する分析 第1表 農業センサスにおける「農業集落」および「農家点在地」定義の変遷 農 業 集 落 農家点在地 1955年 臨時農業 基本調査  市町村の区域の一部において農業上形成されている地域社会。  農業集落は,農業上相互に最も密接に共同し合っている農家の 集団(北海道は農事組合)。 一  具体的には,農遵,農業用濯排水施設,共用林野,農業用の各 種建物や農機具等の利用を通じて,あるいは農産物の供出または 共同出荷等の農業経営のあらゆる面にわたる協力はもちろん,冠 婚葬祭その他の生活面にまで密接に結びついている集団。 ほとんど市街化され少数の農家が点在し ている地帯(農家調査を実施するためのみ の「農家点在地調査区」として設定)。 1960年 センサス  市町村の区域の一部において農架上形成されている地域社会。  農業集落は,農業生産上ならびに生活上最も密接に共同し合っ ている農家を中心とする集団(北海道は農事組合)。  具体的には警防・土木・厚生など一連の自主活動を行うため内 部規約を利用し合っている集団。  市街地化されて非農家の間にわずかな農 家が点々と残されているような地域。  具体的には非農家の間に総世帯数の約1 割程度以-ドの農家が点々と残されているも の。 -1970年 センサス  市町村の区域の一部において農築上形成されている地域社会。  農業集落は,一般的に「部落」と呼ばれているもので,もとも と自然発生的な地域社会であって,家と家とが地縁的,血縁的に 同 上 結びつき,各種の集団や社会関係を形成してきた社会生活の基礎 的な単位。  なお,農業集落に属する土地を農業集落の領域と呼び,農業集 落の範囲を属地的にとらえた。一定の上地(地理的な領域)と家 (社会的な領域)とを成立要件とした農村の地域社会であるとい う考え方を取り,これを農業集落とした。 1980年 センサス  市町村の区域の一部において農築上形成されている地域社会。  農業集落は,もともと自然発生的な地域社会であって,家と家 とが地縁的,血縁的に結びつき,各種の集団や社会関係を形成し てきた社会生活の基礎的な単位。  具体的には,農道・用水施設の維持・管理,共用林野,農業用 の各種建物や農機具等の利用,労働力(ゆい,手伝い)や農産物 の共同出荷等の農業経営面ばかりでなく,冠婚葬祭その他生活面 にまで密接に結びついた生産および生活の共同体であり,さらに 自治および行政の単位として機能してきたものである。  ほとんど市街化されて,そのなかにごく 少数の農家が非農家の間に点々と存在して いる地域等で農業集落とは認められない地 域。  具体的には農家率10%未満,かつ農家数 4戸以下のもの。 1990年 センサス 同 上  従前,農業集落としての機能を持ってい た地域であっても,市街化や著しい過疎化 のために農家がわずかになってしまい,農 業集落としての機能があると認められない 地域。 一  具体的には,総附帯数に占める農家数の 割合が10%未満でかつ4戸以下の農業集落 としたが,この場合でも農業集落としての 機能があると認められるものについては, 一般農業集落とした。  なお,「農業集落としての機能」とは,農 業生産や生活等を行うに当たって,農業集 落としての合意形成(意志の統合あるいは 調整)が行われているか否かによる。 2000年 センサス 同 上 同 上 注(1)農業集落調査報告書(各年版)および農業集落調査準備調査の手引きより作成.   (2)前期の定義から変更および新たに加わった部分の中でポイントとなるところに下線を付した. - 3−

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表は, 1955年の臨時農業基本調査から2000年農 業センサスまでの農業集落の定義を,調査対象か ら除外される農家点在地の定義とともに整理した ものである〔9∼14〕。  この表から農業集落についてみると,共通する のは「市町村の区域の一部において農業上形成さ れている地域社会」という記述であり,これが農 業集落の基本定義となっている。しかし,この基 本定義を受けて記されている説明は,その時々の 社会情勢を反映し微妙に変化してきている。  1955年の臨時農業基本調査では「農業上相互に 最も密接に共同し合っている農家集団」となって いたものが, 1960年センサスでは「農業生産上な らびに生活上最も密接に共同し合っている農家を 中心とする集団」というように,「生活上」という 言葉が加わるとともに「農家集団」が「農家を中 心とする集団」へと変わっている。ほとんど全て が農家であった農村部の地域社会に非農家世帯が 出現し,徐々にその数を増やしてくる中で,農業 面だけから調査フレームとなる農業集落の範囲を 確定することが困難になってきたためと思われ る。  そしてその後, 1970年センサスで「自然発生的 な地域社会であって,家と家が地縁的,血縁的に 結びっき,各種の集団や社会関係を形成してきた 社会生活の基礎的な単位」という記述が登場す る。後にみるように農業集落の数が約14万とな るこの時に,農業集落の概念が整理され,現在の 調査のフレームが確定されたとみることができよ う(呪 この1970年定義を受け, 1980年センサス では「農業経営面ばかりでなく,冠婚葬祭その他 生活面にまで密接に結びついた生産および生活の 共同体」というさらに具体的な記述が加わり,以 降1990年,2000年センサスではこの定義が踏襲 されている。  また,調査の対象から除外される農家点在地の 定義も変化してきている。臨時農業基本調査にお いては「ほとんど市街化され少数の農家が点在し ている地帯」とのみ定義されていたものが, 1960 年センサスでは「市街地化されて非農家の開にわ ずかな農家が点々と残されているような地域(非 農家の開に総世帯数の約1割程度以下の農家が点 在)」と具体的な数値の目安が示され, 1980年セ -ンサスで農家率に加え農家数の目安(「農家率 10%未満,かつ農家数4戸以下」)が加わる。  さらに, 1990年センサスになると「市街化や著 しい過疎化のために農家がわずかになってしま い,農業集落としての機能があると認められない 地域(総世帯数に占める農家数の割合が10%未 満,かつ4戸以下の農業集落)」となり,「過疎化」 という言葉が追加される。この定義は2000年セ ンサスでも踏襲されている。それまで,もっぱら 都市化した地域に存在していた農家点在地が,過 疎化の進む中山間地域でも出現しはじめたことを 意味している。  また,このことは見方を変えれば, 1990年調査 の頃から農業集落と農家点在地の判別が難しく なってきたことを示している。 1990年の農家点在 地の説明に初めて「農業集落としての機能がある ものは一般農業集落とした」という文言が登場す るが,これは農業集落内の農家数減少が続き,小 規模農業集落が多数出現してくる中で,農家点在 地の判定に当たっては,あくまでも農業集落の機 能の有無(「農業生産や生活等を行うに当たって, 農業集落としての合意形成(意志の統合あるいは 調整)が行われているか否か」)が優先され,農家 率や農家数の基準は一つの目安に過ぎないことを 再確認する意図があったのではないかと思われ る。  このように,農業集落調査における集落定義の 変遷をみてきたわけだが,今回の分析対象とする 1990年と2000年を比較すれば,農業集落,農家 点在地ともに1990年の定義がそのまま踏襲され ており変化はない。 1990∼2000年間に顕在化した 農業集落数の減少は,農業集落の定義変更を原因 とするものではないということがまず確認できよ つo  しかし同時に,定義の変更はなくても農業集落 機能の有無をどう判定するかによって,集落調査 の客体数である農業集落数が変動する可能性があ るということも指摘できる。農業集落であるか, あるいは農家点在地であるかを判定するための一 つの目安である農家数4戸以下の農業集落が増え てくる中で,農業集落機能を有していないと判定 された集落が多数出現した,すなわち農業集落か ら農家点在地になったことによって農業集落数の 4−

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橋詰:巾山間地域における農業集落の存続要件に関する分析 第2表 農業集落数の地域別推移 (単位:集落,%) 農業集落数 1990-2000年の変化 (参考)減少率 1960 1970 1980 1990 2000年 減少数(構成比) 減少率 80-90 70-80年 全    国 都市的地域 平地農業地域 中間芸業地域 山間農業地域 152,431  142,699 142,377 140,122 135,163     −    −    −  33,726  31,588     −    −    −  36,709  36,443     −    −    −  44,753  43,396     −    −    −  24,934  23,736 4,959 (100.0)   3.5 2,138 ( 43.1)  6.3  266 ( 5.4)  0.7 1,357 ( 27.4)  3.0 1,198 ( 24.2)  4.8 1,6   0.2 −   − −   一 一   一 一   − 北 海 道 東   北 北   陸 関東・東山 東   海 近   畿 中   国 四   国 九州づ中縄 10,112  7,493  7,177  6,975  6,637 18,159  17、560  17、514  17,420  16,982 11、321  11,209  11,110  10,996  10,696 29、810  26,077  26,035  25,760  25,149 12、974  12、624  12,579  12,419  12,007 12,408  12,087  11,919  11,784  11,347 20,252  19,963  19,930  19,591  18,589 11,477  11,034  10,965  10,758  10,406 25,918  24,652  24,438  23,710  22、622  338 ( 6.8)  4.8  438 (8.8)  2.5  300 ( 6.0)  2.7  611 (12.3)  2.4  412 ( 8.3)  3.3  437 ( 8.8)  3.7 1,002 (20.2)   5.1  352 ( 7.1)   3.3 1,088 (21.9)   4.6 2.8   4.2 0.5   0.3 1.0   0.9 t.1    0.2 1.3    0.4 1.1    1.4 1.7    0.2 1,9    0.6 3.0   0.9 資料:農業センサス農業集落調査報告書(各年版). 注巾 1990年の農業地域類型別集落数(全国)は, 2000年の地域類型区分に基づく組み換え集計結果である,  個 1960年および1970年の「全国」,「九州・沖縄」には沖縄県が含まれていない. 減少が起こっている可能性も十分考えられるので ある。この点については後の分析によって明らか にする。  (2)農業集落数の推移と近年の特徴   1)農業集落数の動向  次に,農業集落数の推移を第2表によりみる。 全国の農業集落数は1960∼70年の間に約1:万集 落減少したが, 1970年以降90年までは14万集落 を維持し,大きな変化はみられなかった。この間 における集落数の減少率は, 1970∼80年がわずか 0.2%叫1980∼90年でも1.6%に過ぎず,減少率 が比較的高い北海道と九州・沖縄で3%前後であ る他は,いずれも2%にも満たないものであっ た。それが今回,全国で4,959集落の減少となり, 減少率が3,5%へと跳ね上がった。中国での5.1% を筆頭に,東北,北陸,関東・東山を除く6地域 が3%を超える減少率となっている。  また,農某地城類型別にみると,都市的地域で 2,138と最も多くの農業集落が減少しており,全 体の43.1%を占める。次いで中間農業地域が 1,357集落,山間農業地域が1,198集落となり,両 者を合わせた中山間地域での減少農業集落数 (2,555)は全体の51.5%となる。平地農業地域の 農業集落数にはほとんど変化がないことから,今       − 回の農業集落款の減少は,都市部と中山間地域で 同時に起こったど言える。  このように,生活環境や農業生産基盤が対局に 位置する両地域で,それぞれ農業集落が減少して いることは,集落の減少した理由もまた異なって いると考えられる。そこで,公表されている農業 センサスデータを用い,この10年間に減少した 約5千一集落の減少要因に接近してみた。具体的に は, 1990年当時の農業集落調査都道府県別データ を用い相関分析を実施した。  第3表はその分析結果であるが, 1990∼2000年 間の農業集落数減少率は,都市化や混住化状況を 示す指標である「総戸数500戸以上集落率」や 「農家率10%未満集落率」と有意な正の相関関係 がある一方で,集落の立地条件の不利注や過疎化 状況を示す指標である「農家数5戸以下集落率」 や「DID地区まで1.5時間以上集落率」とも有意 である。この10年間に顕著となった農業集落数 の減少は,都市部を中心とする混住化に起因する ものと,中山間地域を中心とする過疎化に起因す るものとが混在し,発現しているとこの結果から もみてよいだろう。   2)集落の減少パターンと統計把握状況  1990年以降に顕著となった農業集落数の減少 は「都市化を主な理由」とするものと「過疎化を 5−

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農道非管 理集落率 DIDまで 1.5時間以 上集落率 0 0 0 0   − 0。3823 1.0000  [・・]   − 0.2695 0.7413 1.0000  [ ] [・・]   一 6− 都市開発,たとえば空港等の用地に集落全域が対 象となったようなケースであり,数としては極め て少ないと思われる。  次に,「過疎化を主な理由」とするものについて も三つのタイプに分けられる。タイプDは,離農 が進み農家数がごくわずかとなったケースであ り,農家数の動きだけを取り上げればタイプA と同じであるが,集落に存在する非農家世帯数が 格段に少ないところが異なる。離農した農家がそ のまま非農家世帯(土地持ち非農家)として集落 内にとどまる場合には,直ぐには地域社会の崩壊 第3表 農業集落数減少率(90-2000年)と農業集落の規模・機能別集落割合(90年)との相関分析結果       n=47 90-00年集落数減少率 総戸数9戸以下集落率 総戸数500戸以上集落率 農家数5戸以下集落率 農家率10%未満集落率 集落耕かoha未満集落率 実行組合がない集落率 寄り合い開催なし集落率 農道非管理集落率 農業用排水路非管理集落率 DIDまで1.5時間以上集落率 1。0000   − 0 0.3660 -0.3034 1.0000 0 0 0 0 1319 1.0000 []  − 3660 -0.3034 [・] [・] 5556 0.669-1 [・・] [・刈 4527 -0.2651 [・・]  L ] 5583 -0.0672 [・・] [ ] 3062 0.0804 [・] [ ] 0。3442 0.0597  [・] [ ] 0 [・] [ ] 2192 -0.0400 [] [] 1490 0.2013 [] [] [・] [・・] 2545 0.4598 D [・・] 3798 0.219£ [・・] [ ] 0.0624 0.3538 -0.0258 0.3042 1.0000   「 」 [・] [ ] [・]   − 0.6418 0.2977 0,6061 0.3489 0.1602 1 1。0000   − 0.6053 1.0( 00  [・・]   − 1。0000   − 0.2679  [] 0.5543  [・・] 1402 に 9733 [・・] 4996 [・・] 0624 「」 6418 [・・] 0 0 0 H39 0.0881 0.4297 0.2545 0.4598 0.2192 −0.0400 資料:農業センサス農業集落調査報告書(1990年, 2000年). 注.都道府県別データを用いた単相関分析結果であり,[・・]は1%水準,)]は5%水準で有意であることを示す. [ ] [ ] [・・] 農家・非農家の有無 農業集落 機能の 有  無 地域社会 (集落)の存続可否 農 家 非農家 都市化を 主な理由 A.農家数が減少し点在化(混住化の進展) B.都市化による農家の消滅 C.大規模都市開発による集落の消滅 有(少数)   無   無 有 有 無 無 無 無 可 可 否 過疎化を主な理由 D.農家数が減少し点在化 E.農家の消滅 F.無人化による地域社会の崩壊 有(少数)   無   無 有(少数) 有(少数)   無 無 無 無 当面は可 当面は可  否 第4表 農業センサスにおいて1990∼2000年の間に減少した農業集落のパターン 3335 0.0640 -0.1069 0.3026 -0.0486 0.1918 0.2703 0.0286 0.0691 0.4558 1.0000 い] [ ] [ ] [・・] [ ] [] [ ] [ ] [ ] [・・]  − 0 り 0。2031 0.1722   [] [ ] 0』987 0.3798 0.2199 0.1490 0.2013 主な理由」とするものが混在していると推測され た。そこで,農業集落の減少パターンを整理する と第4表のようになる。  まず,「都市化を主な理由」とするものは次の3 タイプに分類される。タイプAは,混住化の急激 な進展によって離農があいつぎ,農家数がごくわ ずかとなった(農業集落の機能がなくなった) ケースであり,タイプBはその状況がさらに進み 農家が全くいなくなった場合である。両者ともに 集落には多数の非農家世帯が存在しているため, 地域社会は存続されている。タイプCは大規模な       ー

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農業集落 としての 機能がある 農業集落 としての 機能がない 〔1990年〕 農家数が 5戸以上    農家数が    4戸以下  農家点在地 (農家が数戸点在)   非農家のみ集落 し音訓 橋詰:巾山間地域における農業集落の存続要件に関する分析  〔2000年〕 農家数が 5戸以上    農家数が    4戸以下  農家点在地 (農家が数戸点在) 非農家のみ集落 (農家数がゼロ)  無人化集落 (総戸数がゼロ)         第1図 農業センサスにおける集落の把握状況 注,網掛け部分は「農業集落カード」が公表されている集落を示す. にはつながらないが,離農が世帯数の減少,すな わち離村に直結する場合は地域社会の存続が危ぶ まれることとなる。また,タイプEは,過疎化に よって農家が消滅したケースであり,農地等の地 域資源の管理主体がいなくなることによってその 多くが集落存続の危機を迎えていると推察され る。さらに,タイプFは,農業集落が完全に無人 化した場合であり,挙家離村による場合やダム建 設等により集団移転をした場合などが考えられ る。  これら集落は,いずれも農業集落としての機能 が無くなっているため,農業集落調査の対象から は除外されることとなるが,その中の一部(B.C. E,Fの集落)については農業集落調査に付随して 情報収集が行われており,農家がなくなった年次 やその理由等が「農家数がゼロの農業集落概況 表」(以下,「ゼロ集落概況表」と略記する)によ り整理されている。1990年から2000年にかけて の集落(農業集落と農家点在地を合わせたものを 以下では「集落」と表記し,「農業集落」と区別す る)の動きと農業センサスにおける把握状況を模 式図に示すと第1図のようになる。  この図からもわかるように,この10年間に減 少した農業集落(統計調査の対象外となった農業 集落)を「消滅集落」と称するならば,それは農 家は残っているが農業集落としての機能がなく なった「農家点在地(農家点在集落)」と農家が全 くいなくなった「農家数がゼロの集落(農家消滅       − 「農業集落調査」 の調査対象 「農家数がゼロの 農業集落概況表」 で把握 集落)」に大別される。そして後者はさらに,「非 農家のみ存在する集落(非農家のみ集落)」と「無 人化した集落(無人化集落)」に細分することがで きる。  農業センサスの農業集落調査において調査対象 となるのは,農業集落機能を有する集落,すなわ ち農業生産や生活等に関する意志の統合あるいは 調整が行われている集落であり,このうち農家数 が5戸以上存在する農業集落について,集落調査 結果と農家調査の集計結果を編集した「農業集落 カード」が公表されている。  一方,農業集落機能を有さない農家点在地は, 農家調査の集計単位ではあるが,集落調査は実施 されておらず,非農家世帯の状況など集落にかか わる情報を得ることはできない。   3) 10年間に減少した農業集落の現状  前述したように,「ゼロ集落概況表」で把握され ている集落は, 1990年センサス当時に農家が存在 し,それ以降に農家が無くなってしまった集落で あるが,前掲第1図でも明らかなように,すでに 1990年時点で農家点在地(農業集落としての機能 がなく,農業集落調査の対象外)となっていたも のが含まれており,これを峻別することができな い。そこで, 1990年センサス時に農家数が2戸以 上あった集落は全て農業集落であったとみなし, この10年間に減少した農業集落の内訳を推計し た(4)(第5表)。  その結果,今回減少した全国4,959集落のうち, 7−

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第5表 1990∼2000年の間に減少した農業集落の現況(推計結果) (単位:集落,%) 減少農業 集落数  ① 隋剱心安■ftj^-i'xr ? 農家点在地 ④=①−② <参 考> 収ふ似/ノU“(一 なった農業集落 (農家消滅集落)    ② 非農家数もゼロ  (無人化集落)    ③ 90年の総 農業集落数  に対する  ②の割合 90年の総 農業集落数  に対する  ④の割合 実 数    計 都市的地域 平地農業地域 中問農業地域 山間農業地域 4,959     1,476        141      3,483 2,138      575        17      1,563  266      67        12       199 1,357      409        62       948 1,198      425        50       773 1.1      2.5 1.7      4.6 0.2      0.5 0.9      2.1 1.7      3.1 構 成    計 都市的地域 平地農業地域 中聞農業地域 山聞農業地域 100.0     29.8        2.8      70.2 100 .0     26.9        0.8      73.1 100.0     25.2        4.5      74.8 100.0     30.1        4.6      69.9 100.0     35.5        4.2      64.5 注.②および③は農家数がゼロの農業集落概況表から90年に農家数が2戸以上あった集落を集計した.   したがって,④の農家点在地数は推計値であり,実態よりもやや過小である可能性が高い. 農家消滅集落(農家数がゼロとなった農業集落) は約3割(1990年の総農業集落数の1.1%)であ り,残りの7割にはごくわずかな農家が点在して いると推計された。また,完全に無人化したと思 われるもの(農家・非農家ともにゼロとなった農 業集落)は,全国で141集落となり,今回減少し た農業集落数のわずか2.8%であった。しかも, これら農業集落の中には,大規模な土地転用によ るものも含まれていることから,最も懸念されて いた過疎化・高齢化によって完全に無人化した農 業集落,厳密な意味での「消滅集落」はごくわず かであったと推察される。  この10年で顕著となった農業集落数の減少は, 集落自体が消滅したのではなく,農家がごくわず かになった農業集落で農業集落としての機能が消 失したことにより生じた現象,すなわち「農業集 落の農家点在地化」によるものであったと指摘で きる。  なお, 1990年の総農業集落数に対する割合に よって農業地域類型別の特徴をみると,農業集落 から農家点在地となった集落割合は,都市的地域 で4.6%と最も高く,次いで山間農業地域が 3.1%,中間農業地域が2.1%となる。農業集落の 農家点在地化は,混住化か進む都市的地域ばかり でなく,中山同地城でも発現しているのである。 他方,農家消滅集落の割合は,農業集落数の減少 率が高かった都市的地域と山間農業地域でそれ       ー ぞれ1.7%と他の地域類型に比べ高い。 8− 注山 臨時農業基本調査の中に農業集落調査が組み込まれ   た背景やその検討過程については,児島〔6〕に詳しく   触れられている。  (2) 1970年の調査で始めて集団形成の土台となる上地   (領域)の確認に力点が置かれるようになるが,その理   論的裏付けは川本〔4〕および渡辺〔18〕にみることが   できる。  (3) 1970年の調査には沖縄県が入っていないため, 1980   年の農業集落数から沖縄県の710集落を除きこの間の   集落減少率を求めると0.7%となる。  (4)農業集落から農家数がゼロになった正確な集落数を   把握するためには,4.の(2)で行うように1990年,   2000年における農業集落調査および農家調査農業集落   別一覧表の基本指標コードと「ゼロ集落概況表」のコー   ドを全てマッチングさせる必要がある。しかし14万を   超える農業集落全てについて公表データを基にこの作   業を行うことは事実上不可能であり,「農業生産や生活   に当たっての合意形成」が行える可能性かおる農家数2   戸以上の集落を全て農業集落であったと見なすことと   した。したがって,農業集落から農家点在地になった集   落数は実態よりも若干少なく推計されている可能性が   高い。    ちなみに,島根県の全集落(3,795集落:1990年)に   ついてのみこの作業を行ったところ,「ゼロ集落概況   表」で把握されている】26集落のうち, 1990年当時農   業集落だったものは52集落,農家点在地だったものは   74集落であった。なお, 126集落のうち, 1990年当時に   農家数が2戸以上だったものは61集落であり,農業集   落であった52集落を若干上回る。

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3。農家消滅集落の統計分析

 ここでは,「ゼロ集落概況表」で把握されている 集落(1990年に農家点在地であったものを含む) を対象とした集計結果から,この10年間に農家 数がゼロとなった集落(以下,「農家消滅集落」と 称す)についての分析を行う。  (1)農家消滅集落の実態   1)地域別集落数と農家消滅の理由  [ゼロ集落概況表]で把握されている集落(1990 年に農家数が1戸以上存在した集落であり,農家 点在地であったものを含む)は,全国で2,325集 落存在する(第6表)。農業地域類聖別の構成は, 都市的地域が40.7%,中山間地域(中間農業地域 と山間農業地域の合計)が54.3%となり,前掲第 2表でみた1990∼2000年間に減少した農業集落 数の農業地域類型別構成に比べ,中山間地城の割 合がやや高く,都市的地域がやや低い。地域ブ ロック別には九州・沖縄が537集落(23.1%)と 最も多く,関東・東山,中国がそれぞれ382集落, 333集落となり,この3地域で過半を占める。  また, 1990年センサス時に農家数が2戸以上  橋詰:巾山間地域における農業集落の存続要件に関する分析 あった集落はご前掲第5表でも示したように全国 で1,476集落であるが,この数と総数との差849 集落が1990年センサス時に農家が1戸のみ存在 した集落ということになる。農業地域類型別にみ ると,農家が1戸しかなかった集落は都市的地域 に多数存在していたことがわかる。  さらに,農業集落カードが作成されている農家 数が5戸以上あった集落をみると, 452集落のう ち284集落(62.9%)が中山同地域に存在する。地 域ブロック別には,九州・沖縄の88集落を筆頭 に,関東・東山78集落,中国57集落,東北56集 落と続き,北陸が23集落と最も少ない。  なお,これら地域別の農家消滅集落数とその構 成比は,各地域における総農業集落数が大きく異 なる点を考慮しなければならない。そこで,農家 消滅集落数の地域別構成比を2000年の農業集落 数のそれと比較し特化係数で示すと,農業地域類 型別には都市的地域(1.743)および山間農業地域 (1.543)で,地域ブロック別には北海道(2.058)お よび九州り中縄(1.380)で高い。これら地域は, 相対的に農家消滅集落の出現確率が高い地域であ ると言える。これに対し,特化係数が低いのは平 地農業地域(0.183)および東北(0.568)である。  次に,これら集落において農家数がゼロとなっ 第6表 1990∼2000年の間に農家数がゼロとなった集落(農家消滅集落)数        (単位:集落,%) 集 落 数 構 成 比 農家消滅 集落数の 特化係数 農家消滅 集  落 ハハとr:1^ 農家消滅 集  落 nn尤工:rI-'  Jリザlu農家数が 2戸以上 5戸以上  Jり吋りu農家数が 2戸以上 5戸以上 全    国 都市的地域 平地農業地域 中聞農業地域 山閣農業地域 2,325    l,47fi     452  947    575     143  115     67     25  633     409     139  630    425     145 100.0    100.0    100.0  40.7    39.0    31.6  4.9    4.5    5.5  27.2    27.7    30,8  27.1    28.8    32.1 1.000 1.743 0.183 0.848 1.543 北 海 道 東   北 北   陸 関東・東山 東   海 近   腹 中   国 四   国 元什│・沖縄 235     152     43 166     111     56 129     82     23 382    250     78 149     93     28 205     125     34 333    202     57 189     138     45 537    323     88 10.1    10.3    9.5  7.1     7.5    12.4  5.5     5.6     5.1 16.4    16.9    17.3  6.4     6.3     6.2  8.8    8.5    7.5 14.3    13.7    12.6  8.1     9.3    10,0 23.1    21.9    19.5 2.058 0,568 0.701 0.883 0.721 1.050 1.041 1.056 1.380 注(1) 2叩0年農業センサス農業集落調査「農家数がゼロの農業集落概況表」の集計による  (2)特化係数は2000年農業集落数の地域別構成比を分母とする. - 9−

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全    国 都市的地域 平地農業地域 中間農業地域 山開農業地域 道北陸山海畿国国縄     東       沖 海    ・        ・     東       州 北東北関東近中四九 農家消滅 集  落 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 第7表 農家数がゼロとなった主な理由別集落数割合 土地転用 による 13.3 17.2  8.7  8.7 12.9 17.4 23.5  7.0 14.9 20.1 19.0 13.5  2.6  8.2 ダム,空港 ・演習場 2.7 0.3 2.6 3.8 5.1 -3,0 4.2 1.6 1,8 1.3 5.4 6.6 0 . 7 住宅造成   6 . 3 1 3 . 5   3 . 5   1 . 3   1 . 0   7 , 7   3 . 0   0 . 8   7 , 9 1 2 . 8 1 0 . 2   5 . 7   2 . 1   5 . 4 てなくなった 15.7  1.6  9.6 20.7 33.2 15.7 22.3 39.5 13.4 15.4  6.8 15.0 18.5 12.7 都市化 業化の により 家化し 兼展農 ・進非た 46.0 64.8 48.7 39.3 24.0 -38.3 43.4 41.9 55.2 47.0 49.3 44.1 44.4 44.9 その他 24.8 16.3 33.0 31.3 29.5 -27.7 10.8 10.1 16.5 17.4 24.9 27.3 34.4 34.3 (単位:%) 不 明 0.2 0.1 0.5 -0.9 − 1.6 -注巾 2000年農業センサス農業集落調査「農家数がゼロの農業集落概況表」の集計による.  (2)「上地転用による」を主な理由とするものには,内訳として示した「ダム,空港り寅習場」,「住宅造成」の他に   「工場・レジャ一施設」と「その他上地転用」がある, た理由を複数回答によりみると(図表省略),「都 市化・兼業化の進展により非農家化した」とする 集落割合が56.6%と最も高く,次いで「その他」 が37.1%,「土地転用による」が29.0%,「挙家離 村があいつぎ地域社会が保てなくなった」が 19.4%の順となる。農業地域類型別には,都市的 地域で「都市化・兼業化の進展により非農家化し た」が80.7%,「上地転用による」が44.1%と高 く,都市開発や混住化の進展を理由とするものが 大宗を占める。  一方,中山同地域,特に山間農業地域では「挙 家離村があいつぎ地域社会が保てなくなった」と する集落割合が41.4%と「その他」の42.5%に次 いで高く,「都市化・兼業化の進展により非農家 化した」は28.7%と低い。また,「上地転用によ る」とする集落も17.9%存在するが,この中身を みると約3分の1はダム建設によるものであり, 都市的地域で住宅造成が高い割合を占めているの とは異なる。  これら理由のうち,主なものが何かをみると (第7表),全体では「都市化・兼業化の進展によ り非農家化した」が46.0%,「挙家離村があいつぎ 地域社会が保てなくなった」が15.7%,「土地転用 による」が13.3%の順となる。「都市化・兼業化       − の進展により非農家化した」を主な理由とする集 落は都市的地域および平地農業地域で,「挙家離 村があいつぎ地域社会が保てなくなった」は中間 および山間農業地域で,「土地転用による」は都市 的地域および山間農業地域で柑対的に高い割合と なっている。ただし,「土地転用による」の中身は 前述したように農業地域類型によって大きく異な り,都市的地域では住宅造成を主な理由とするも のが13.5% (全体では6.3%)を占めるのに対し, 山間農業地域ではダム等によるものが5.1%(同 2.7%)となっている。  さらに,地域ブロック別にみると,「都市化・兼 業化の進展により非農家化した」を主な理由とす る集落割合が高いのは,三犬都市圏を抱える関 東・東山,東海,近畿の各地域,「挙家離村があい つぎ地域社会が保てなくなった」は東北,北陸, 四国の各地域でそれぞれ高い。また,近畿以西の 地域ブロックで[その他]の割合が高くなってい るが,これは1990年センサスにおける農家定義 の下限規模の引き上げ(西日本の農家の下限規模 が5aから10aに引き上げられ東日本と統一)が 影響している。  この他にも,東北,東海,近畿で「上地転用に よる」が2割前後を占め,東海および近畿では住 10−

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宅造成の割合が10%を超えている等の地域的特 徴がみられる。また,近畿,中国でダム等による ものが5%を超えている点も特筆される。  さらに,「挙家離村を主な理由として農家が消 滅した集落」,すなわち過疎化が原因で農家数が ゼロとなった集落に対象を絞って農業地域類型別 の集落数をみると(第8表),その数は全国で366 集落と決して多くはないが, 57.1%は山間農業地 域の集落であり,これに中間農業地域を加えると 9割を超える。農地資源の維持・管理といった問 題にとどまらず地域社会の存続そのものが問題と なるこれら集落は,もっぱら中山間地域,中でも 生活・生産条件がより厳しい山間農業地域に出現 していることが改めて確認される。  ところで,これら山間農業地域の集落について 第8表 挙家離村を主な理由とした農家消滅集落     における1990年の農家数規模       (単位:集落,%) 計 1990年の農家数規嘆別   一1∼2P 3∼4戸 5戸以h

全    国 都市的地域 平地農業地域 中開農業地域 山間農業地域 366  15  11 131 209 225   77   64  9    2    4  8    1    2  90   20   21 H8   54   37 構 成 比 全    国 部市的地域 彫地農業地域 中開農業地域 山間磯業地域 100.0  4.1  3.0  35.8  57.1 61.5  21.0  17.5  2.5   0.5   1.1  2.2   0.3   0.5 24.6   5.5   5.7 32.2  14.8  10.1 注.「農家数がゼロの農業集落概況表」の集計による. 1990∼91年 1992∼93年 1994∼95年 1996∼97年 1998年以降 0 ■都市的地域    100  橋詰:巾山間地域における農業集落の存続要件に関する分析 1990年当時にどのくらいの農家数が存在してい たかをみると,約8割の集落が農家数4戸以下, 約6割が2戸以下であり極めて少数であったこと がわかる。たとえば山間農業地域では, 209集落 のうち118集落が「1∼2戸」,54集落が「3∼4戸」 であり,農家数が「5戸以上」の集落はわずか37 集落に過ぎない。  このように,「挙家離村を主な理由として農家 が消滅した集落」の多くは,かなり古い時期から 農家数の減少が続き, 1990年当時にはすでに農業 集落としての機能を喪失していたものが少なくな かったと推察される。農家数5戸以上の集落は, 全体でみても,わずか64集落(17.5%)に過ぎな いことから,徐々に農家数が減少し農家点在地と なり,そして農家消滅に至ったことがわかる。な お,表には示さなかったが巾山間地域の340集落 のうち,非農家もいなくなった無人化集落は86 集落である。   2)年次別の発生動向  次に,農家数がゼロとなった年次をみると(第 2図),「1990∼91年」では200集落にも満たない 数であったものが,近年になるほどその数が増え ri998年以降o)」では865集落と5倍近くになっ ている。この10年間に農家数がゼロとなった集 落は2,325集落であるがその4割近くが1998年 以降に出現したことになる。  ちなみに,これら集落を1998年と1999年以降 に細分してみると, 1998年に農家がいなくなった ものが355集落(全体の15.3%), 1999年以降が 510集落(同21.9%)となり,農家消滅集落の2割   ・平地農業地域  口中間農業地域  口山間農業地域 200   300    400   500   600   700          第2図 農家数がゼロとなっだ年次別集落数(農業地域類型別) 注.「農家数がゼロの農業集落概況表」の集計による. - 11 − 800 (集落) 900

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第9表   計 90∼9L年 92∼93年 94∼95年 96∼97年 98年以降 挙家離村を主な理由とした農家消滅集落の農家数がゼロとなった年次 (中山間地域)       (単位:集落,%) 集落数 中山間計  中間農業  山間農業        地域    地域 0 9 2 9 1 Q り 4 1 5 6 7 り / ` C O . -^ 1 0 0 8 6 7 3 1 2 2 2 4 1 9 9 2 t 5 C M O     Q り 4 4 Q ︸ C M 注.「農家数がゼロの農業集落概況表」の集計による. 強がこの1年間に出現している。昭和ヒト桁世代 によってこれまで支えられてきた小規模集落の中 に,高齢化と農業後継者の不在を理由に農業から リタイアする農家が出てきたためと思われるが, 農産物価格の長期低迷といった厳しい農業情勢と も相まって,今後,農家消滅集落がさらに増加す るであろうと予測される。  また,農業地域類型別にみると,平地農業地域 を除く三つの地域でいずれも「1998年以降」に集 落数が急増しており,「1996∼97年」の集落数と 比較すると,都市的地城で169集落(増加率 92.9%),中間農業地域で96集落(同72.7%),山 間農業地域で108集落(同78.8%)それぞれ増え ている。都市的地域のみならず中山間地域でも急 増している点が注目される。  なお,中山間地域における「挙家離村を主な理 由とした農家消滅集落」(340集落)に限定して農 家数がゼロとなった年次をみると(第9表), 「1990∼91年」では19集落であったものが, 「1992∼93年」に52集落と2,7倍に増加し,「1994 ∼95年」ではさらに増加し69集落となったが, 「1996∼97年」はほぼ横ばいの71集落にとどまっ ていた。それが,「1998年以降」に129集落と急激 に増加し三桁を超える数となる。  これを中間農業地域,山間農業地域別にみる と,両地域ともほぼ同様な傾向を示しているが, 「1998年以降」の集落数は,中間農業地域で131 集落のうち47集落(35.9%),山間農業地域で209 集落のうち82集落(39.2%)となる。生活利便性 の低い山間農業地域の方が,農家消滅集落の絶対 数とともに,より近年になって増加する傾向かみ       ー 構成比 中山間計  中間農業  山間農業        地域    地域 100.0  5.6 15.3 20.3 20.9 37.9 100.0  7.6  15.3  21.4  19.8  35.9 100.0  4.3 15.3 19.6 21.5 39.2 られる。   3)残された耕地の管理状況  「ゼロ集落概況表」では,農家が消滅した集落の 耕地が現在どうなっているかについても把握して いる。これを地域別に集計してみると(第10表), 全体の約3分の2の集落にはまだ耕地が残されて おり, 42.5%に当たる約1千集落で元住んでいた 人が耕作を続けている。当該集落から町村の中心 郎等に移り住んだ一部の農家が,通作あるいは農 繁期のみ元の住居に滞在して耕作していると思わ れるが,この割合は農業地域類型別には中山間地 域(中間農業地域45.3%,山間農業地域49.2%), 地域ブロックでは中国(52.6%)や四国(69.3%) といった西目本の地域で高い。  また,耕地のある集落割合とこの集落に元住ん でいた人が耕作している集落割合との差(全国で 13.2%)が,隣接する農業集落の人などが借地を して耕作している場合であるが,この差は耕地の 条件が比較的よい平地農業地域や北海道で大きな 値となっている。  なお,耕地が残っている集落について1集落当 たりの耕地面積を求めてみると,北海道の37.2 haを除けばいずれの地域も10 ha に満たず,特に 中国や四国ではわずか1 ha程度に過ぎない。 2000年農業集落調査結果での1集落当たりの耕 地面積は全国平均で約34 ha, 最も面積が小さい 中国でも約14 ha であることからすれば,これら 集落に存在している耕地は農家数の減少とともに その多くが耕作放棄あるいは農外に転用され,ご くわずかな農地が元住民あるいは近隣集落の農家 により管理されているとみてよいだろう。 12−

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橋詰:巾山間地域における農業集落の存続要件に関する分析 第10表 農家消滅集落における耕地の現状(属地) (単位:集落,%) 集 落 数 構 成 比 1集落当 たり平均 耕地面積  (ha) 農家消滅 集  落 形tJ廻があ る 集落に元 農家消滅集  落 住んでいた人が耕作 mmか あ る 集落に元 住んでいた人が耕作 全    国 都市的地域 平地農業地域 中聞農業地域 山間農業地域 2,325    1,527     988  947    567    359  115     86     32  633     416     287  630    458    310 100.0    65.7    42.5 100.0    59.9    37.9 100.0    74.8    27.8 100.0    65.7    45,3 100.0    72.7    49.2  5.6  1.9 25.3  8.3  4.2 北 海 道 東   北 北   陸 関東・東山 東   海 近   畿 中   国 四   国 九州・沖縄 235     143     54 166     99     62 129     75     50 382    260     146 149     96     62 205     133     67 333    208     175 189     158     131 537    355    241 100.0    60.9    23.0 100.0    59.6    37.3 100.0    58.1    38.8 100.0    68.1    38.2 100.0    64.4    41.6 100.0    64.9    32.7 100.0    62.5    52.6 100.0    83.6    69.3 100.0    66.1    44.9 37.2  9.4  3.7  1.3  1.6  3.0  0.6  1.0  2.5 庄「農家数がゼロの農業集落概況表」の集計による. 第11表 無人化集落(農家数・非農家数ともにゼロの集落)数       (単位:集落,%) 集 落 数 構 成 比

架幄

りU牛に

祭壇

-農家数が 2戸以上 5戸以上 りU牛に 農家数が 2戸以上 5戸以上 全    国 都市的地域 平地農業地域 中間農某地域 山間農業地域 215     141     67 30     17      7 16     12      7 89     62     30 80     50     23 100.0    100.0    100.0  14.0    12.1    10.4  7.4     8.5    10.4  41.4    44.0    44.8  37.2    35.5    34.3 北 海 道 東   北 北   陸 関東・東山 東   海 近   畿 中   国 四   国 九州づ中綿 44     30     11 27     17     12 33     20     6 27     15      6  8      4      1 11     10     6 37     26     18  6      4      1 22     15     6 20.5    21.3    16.4 12.6    12.1    17.9 15.3    H.2    9.0 12.6    10.6    9.0  3.7    2.8     1.5  5.1     7.1     9.0 17.2    18.4    26.9  2.8    2.8     1.5 10.2    10.6    9.0 注.「農家数がゼロの農業集落概況表」の集計による.  (2)無人化集落の状況   1)無人化集落とその地域性  1990年以降に農家,非農家ともにゼロとなった 無人化集落は全国に215集落存在し,このうち 169集落(78.6%)が中山間地域の集落(中間農業       − 地域89集落,山間農業地域80集落)である(第 11表)。  また,これら集落のうち, 1990年当時に農家数 が2戸以上あった集落(141集落)は全体の3.分 の2弱であり,農家数が5戸以上あった集落は67 13−

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0 0 7 CD 0 0 5 4 0 0 0 3 2 1 0 唇) ■都市的地域■平地農業地域口中間農業地域口山間農業地域 ㎜      .●●●●●S●● 19 −       ● ● ●       ・ 19 ● . ● ● ● i . ● 4 ● ● ●. . ● ● ● ● ● ● ・ ・ ・ ● ● ・ ● ・ ● ● ・ ・ ● ● ● ・ ● ・ ● ● ・ ● ・ ・ ● ● ● ● i ● ● ・ ■ ・ ● f ● ● j 29 ㎜       ●●■●・●●●・・●●●S ・●● 20         ● . . . . ● ● ● ●     ● ● ● ● ● . . ● ●         ● ● ● ● ● i ● . ・ ぷ : … … … 四       . f       ● ● I       秦 ● ●       ● ● 13  19 ㎜ 一 一 9 ● ● ● . . t ● . . . ● ● . ● 喩 ● . ■ ● 甲 ご … … … … j : : J . ‘ . I ● ・ ● ・ ‘ ' J j ・ 14 ご J ご : : : : : : : : : : :  18 四  9 ㎜ F -

-幽

闘 脳    90∼91年  92∼93年  94∼95年  96∼97年     第3図 農家数がゼロとなった年次別無人化集落数 注.[農家数がゼロの農業集落概況表]の集計による. 0 土地転用による(ダム,空港,工場敷地,住宅造成等) 挙家離村があいつぎ地域社会が保てなくなった   都市化・兼業化の進展により非農家化した 98年以降 □1戸 □2戸 ・3∼4戸 ■5∼9戸 ■10戸以上        (集落) 10 20  30  40  50  60  70  80  90 100        第4[図 主な理由別にみた無人化集落数(1990年の農家数規模別) 注.「農家数がゼロの農業集落概況表」の集計による. (31.2%)と少ない。農業地域類型別にみると,い ずれも巾山間地域の集落が約8割を占めるが, 「挙家離村を主な理由とした農家消滅集落」(前掲 第8表)に比べ農家数が5戸以上あった集落の割 合が高い。これは,ダム建設等の土地転用による ものが多数含まれているためである(2)。この点に ついては,次の分析において確認する。  なお,地域ブロック別には,北海道,北陸,中 国の各地域で無人化集落の数がそれぞれ30集落 を超えており,農家数が5戸以上あった集落は中 国に多いといった特徴がみられる。  さらに,これら無人化した集落について,農家 数がゼロとなった年次(3)をみると(第3図),こ こでも近年になるにしたがって無人化集落が徐々 に増加していることが確認される。 しかし,農家 消滅集落全体の分析(前掲第2図)で指摘したよ       ー うな1998年以降の急激な増加傾向はみられない。 これは,都市的地域と中間農業地域では1998年 以降に急増する傾向がうかがえるものの,山間農 業地域では1994年以降20集落程度で横ばいと なっているためである。   2)主な要因別にみた無人化集落の特徴  無人化集落における農家の主な消滅理由をみる と(第4図),「挙家離村があいつぎ地域社会が保 てなくなった」とするものが91集落(42.3%)と 最も多く,次いで「土地転用による」が68集落 (31.6%)となる。「都市化・兼業化の進展により 非農家化した」とするものは26集落と少ない(4)。  また, 1990年の農家戸数規模別にみると,農家 消滅の主な理由が「挙家離村があいつぎ地域社会 が保てなくなった」とする集落では,「農家数が1 戸」が45.1%,「農家数が2戸」を加えると全体の 14−

(16)

7割を占め,非農家数が当時どの程度存在したか はわからないが,農家数は極めて少数であったこ とがわかる。これに対し,主な理由が[上地転川 による]集落では,「農家数が5戸以上」あったも のが約3分の2を占める。これは,ダム建設のた めに集落全体が集団移転したケースがここに含ま れるためであり,「農家数が10戸以上」の29集落 のうち27集落,「農家数が5∼9戸」の16集落の うち8集落はダム建設によるものである。 注出 2000年の農業集落調査は, 2000年2月1日現在(沖   縄県は1999年12月1日現在)で調査が行われている   ため,「98年以降」の区分については25ヵ月となり他   の年次区分に比べ1ヵ月分長い(沖縄県を除く)。また   同様の理由から,「90∼91年」の区分は23ヵ月であり1   ヵ月分短い。  (2)全国215の無人化集落で上地転用を主な理由とする   ものは68集落(31.6%),そのうちグム建設によるもの   は44集落(20.5%)に過ぎないが, 1990年に農家数が5   戸以上あった集落に限ると,67集落のうち過半の35集   落がダム建設によるものである。    ちなみに,ダム建設を主な理由とする44の無人化集   落について農家数がゼロとなった年次をみると,「90∼   91年」および「92∼93年」がそれぞれ3集落,「94∼95   年」力nO集落,「96∼97年」および「98年以降」力4そ   れぞれ14集落となっており,98年以降の増加傾向はみ   られない。  (3)離農しても非農家としてしばらく集落にとどまる場   合があるため,農家数がゼロになった年次は集落が無   人化した年次とは必ずしも一致しない。  C小 第4図は,農家数がゼロとなった(農家が消滅した)   主な理由によって「上地転用」,「挙家離村」,「都市化・   兼業化」の三つに区分した。しかし,物理的な要因であ   る「上地転用」は,都市化・兼業化の進展を背景とする   場合や,逆に,それが間接的な原因となって挙家離村を   引き起こしている場合もある。「ゼロ集落概況表」では   農家数がゼロとなった理由を複数選択する(該当する   ものに0,主なものには○)ことになっているが,調査   ではなくあくまで情報収集であるという限界から,農   家消滅の背景(間接的な要因)まで正確に把握されては   いないと思われる。したがって,上記理由の組み合わせ   別の無人化集落数をみると,「上地転用」と「挙家離村」   の両方に該当するものは8集落,「上地転用」と「都市   化・兼業化」のそれは18集落であり,いずれも多くは   ない。また,主な理由が「挙家離村」および「都市化・   兼業化」の集落のうち,「上地転用」に該当するものは   それぞれ3集落,6集落とごくわずかである。 -橋詰:巾山間地域における農業集落の存続要件に関する分析

4。中山間地域集落の存続要件

 (1)農家消滅集落の要因分析  この10年間に農家がいなくなった集落につい て,その年次や主な理由といった農家消滅の経過 を地域性を踏まえ検討した。ここでは,地域社会 の崩壊といった深刻な事態へと直結する可能性が 高い,「過疎化を理由に農家数がゼロとなった中 山間集落」(前掲第4表のE, F)に焦点を当て,こ れら集落が農業集落としての機能を有していた 1990年以前に,現存する農業集落とどのような違 いがあったのかを比較分析し,具体的な農家消滅 集落の発生要因を検討する。   1)分析対象集落の抽出と分析手法  過疎化を理由とする消滅集落の発生要因を分析 するには,無人化集落を分析対象とするのが最も 望ましいと思われるが,先にみたように上地転用 や都市化を主な理由とするものを除けば,その数 は全国で100集落足らずであり,さらに1990年 における当該集落の情報が得られるもの(農業集 落カードが作成されている農家数5戸以上の集 落)となれば全国でわずか20集落程度しか存在 しない。  したがって,以下の要因分析の対象には,2000 年時点で少数の非農家が存在している集落も含 め,次の四つの条件を全て満たす集落とした。  ① 中山間地域に所在する農家消滅集落  ② 農家数がゼロとなった圭な理由が「土地転   用」または「都市化・兼業化」以外の集落  ③ 集落内に都市計画区域の地域指定がない集   落  ④ 1980年および90年の農業集落カードが作   成されている集落(1980年および90年に農   家数が5戸以上)  この四つの条件を全て満たすものは全国で81 集落存在する。  また,これら集落の比較対象とする存続集落 は,自然的立地条件の違いを極力排除するため, それぞれの農家消滅集落ごとに,同じ都道府県内 から同一の農業地域類型(二次区分も同じ)に所 在する存続集落(1)を無作為に抽出した。したがっ て,存続集落数の合計も農家消滅集落と同じ81 15−

(17)

第12表 分析対象とした農家消滅集落の地域属性 (単位:集落,%) 実   数 構 成 比 汁

全   国 水 田 型 田 畑 型 畑 地 型 81     32     49 19      6     13 26     11     15 36     15     21 100.0    39.5    60.5  23.5     7.4    16.0  32.1    13.6    18.5  44.4    18.5    25.9 東   北 関東・束山 東   海 近   畿 中   国 四   国 九   州 20     10     10 13      1     12  2     −      2  3     −      3  7      3      4 19     10     9 17      8      9 24.7    12.3    12.3 16.0     1.2    14.8  2.5     −    2.5  3.7     −    3.7  8.6     3.7     4.9 23.5    12.3    11.1 21.0    9.9    11.1 注. 北海道,北陸, 沖縄には分析対象集落が存在しない 集落となる。  次に,選定した集落(合計162集落)について, 1980年および90年農業集落カードから集落の立 地,規模・世帯構成,集落機能・活動,農業生産 状況等のデータを収集・整理した後,これら指標 を説明変数,農家消滅集落と存続集落の二つの集 落群を目的変数とした判別分析(2)を実施し,農家 消滅集落の発生要因を検討した。  説明変数に用いた指標の種類と年次は,農家数 や世帯員に関するものとして「総農家数(90 年)」,「農家数増減率(90/80年)」,「1農家当たり 世帯員数(90年)」,「農家世帯員の高齢化率(90 年)」の4指標,農業生産状況に関するものとして 「販売農家率(90年)」,「1戸当たり農産物販売額 (80年)」の2指標,農業担い手の賦存状況に関す るものとして「同居跡継ぎがいる農家率(90 年)」,「65歳未満農業就業人口率(90年)」の2指 標,上地利用に関するものとして「集落の耕地面 積(90年)」,「集落耕地面積減少率(90/80年)」, 「1農家当たり経営耕地面積(90年)」,「水田率 (90年)」,「耕地利用率(90年)」,「耕作放棄地率 (90年)」の6指標,集落活動に関するものとして 「年間寄り合い回数(90年)」,「農道の管理強度(3) (90年)」の2指標,生活環境(利便性)に関する ものとして「DID地区までの所要時間(90年)」, 「役場までの道路距離(80年)」,「小学校までの道 路距離(80年)」,「医療施設までの道路距離(80 年)」,「平年の積雪量(80年)」の5指標の計21指       − 標である。   2)分析対象集落の地域属性  第12表は,分析対象とした農家消滅集落の地 域属性である(比較対象として抽出した存続集落 についても全く同じ数値となる)。この表から農 業地域類型別の構成をみると,山間農業地域が 60.5%,中間農業地域が39.5%となり,山間農業 地域における集落の比重が高い。また,農業地域 類型の二次区分をみると,畑地型(水田率が30% 未満)の旧市区町村に所在する集落の割合が 44.4%と高く,水田型(同70%以上)が23.5%と 低い。この傾向は中間農業地域で特に顕著であ る。  さらに,地域ブロック別には,東北,四国,九 州にそれぞれ20集落程度が存在し,東海および 近畿の集落数がやや少ないが,特定の地域ブロッ クに著しく偏ってはいない。なお,北海道,北陸 および沖繩には対象集落が存在しない。   3)分析結果  判別分析結果をみる前に,説明変数として採用 した21指標について群別平均値を比較し,分析 対象集落の特徴を概観する(第13表)。まず,農 家数・世帯員に関する指標では,農家消滅集落が 農家世帯数(7戸),1農家当たり世帯員数(3.2 人)ともに存続集落(27戸, 4.0人)に比べ少な く,農家世帯員の高齢化率にも10ポイントの差 がある。農家消滅集落で農家数の減少とともに世 帯員の高齢化がより進行していたことがわかる。 16−

参照

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