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若年女子産婦人科受診者の実態調査

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Academic year: 2021

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仙台市立病院医誌 12,93−96,1992     索引用語 産婦人科若年受診者     実態調査

若年女子産婦人科受診者の実態調査

山岸律子,宍戸祥子,村口喜代

はじめに

 若年女子が産婦人科を受診することは,最近で は,一般的なこととなってきている。現在の診療 体制下では,精神的にも,社会的にも未成熟な若 年女子の対応は,特に配慮が必要とされる。当科 では,昭和57年9月以降,思春期特殊外来を開設 し,週1回の診療体制を組んできた。この特殊外 来にこだわらず当科を受診した,すべての若年女 子患者について,過去10年間の動向と,今後の対 応を再検討するうえで,臨床的検討を試みたので 報告する。 対象および方法  昭和56年1月から平成2年12月までに当科を 受診した,2歳から18歳までの902名を対象に病 歴から得られた情報を分析,検討した。 結 果  1.年度別受診者数(図1)  受診者は年々増加している。産婦人科外来の新 患者総数のうち,若年女子受診者の占める割合は, 昭和61年では3.3%にすぎなかったが,平成2年 では5%に上昇している。各年度別思春期外来の 取扱い患者数は,昭和62年度101名,平成2年で は117名に達し,全若年受診者数のうち60.6%を 占めた。  2.年齢別受診者数(図2)  2歳から11歳までの受診者は年齢による差は あまり認められず,平均11.7%であった。12歳の いわゆる初経開始年齢に一致し増加傾向を示し, 17歳では179名(19.8%),18歳は最も多く279名 (30.9%)となった。17歳と18歳でほぼ半数を占 めていた。  3.疾患別受診者数(図3)  月経異常が最も多く,412名(45.6%)ついで, 外陰腔炎が118名(20.8%),妊娠98名(10.8%) であった。その他96名の内訳は,腹痛,月経変更, 外陰奇形,腔閉鎖,自律神経失調症などである。診 察の結果,何ら異常所見を認めなかった者は46名 (5%)であった。 ノ\ 150 P「 ] 100 Il 1‘↓ s口 1)1ド、 “1 7ド、 74,、 丁1’ 50 三↓ドs 」7’、 F  , 17, 旦i6 41’、 n 29ノ lf)人

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S 56 一声、)〆 58 59 60 61 62 63 II  l 2 図1.年度別受診者数S56∼H2

口口

5撒

膓‖ Xi叢   ㍑   者 279 ,k 10 11 12 13 14 15 16 17 18‘k 仙台市立病院産婦人科 図2.年令別受診者数 Presented by Medical*Online

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94    日向引馴1 ノ比;,∼rl:24,、 2チハ”。

その他 96人 ほ1.1%/  妊娠 98人 UO.8/ 総 数 902ノ\ 緯;ご炎1  (20.8γ)1‖ 月経異常 412人 [45.6%) 図3.疾患別内訳 1, u 川〔1 ll 異,6

50 /    ノ 今’ yト陰、 脾 灸i ./ %/・%   / 勇w妨、 / その他

S56| 57 I      I     ‘ 58 59 60 ‘ 61 1      ‘  62  I     l63 H1 2 図4.疾患別分類の遷移

  鴛

ち、 冷く・, .:月経困難症:li  100人  24.2% 続発無月経 129人  31.3% 図5.月経異常の内訳 ll:1 ‘ン’1川廿

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l    l    l    l 1 一 S56’1 57   58   59   60   61   62   63  H l   2 図6.月経異常分類の遷移  4.疾患別分類の遷移(図4)  疾患の中で最も多かった月経異常,外陰腔炎,妊 娠について,年度別遷移をみると,月経異常の取 扱い数は,明らかに年々増加している。その割合 は昭和56年では30.3%,昭和61年50.5%,平成 2年65.8%でした。外陰腔炎は毎年月経異常につ いで多くみられるが,この10年間ではほとんど変 動がない。妊娠の取扱い患者は徐々に減少してき ている。  5.月経異常の内訳(図5)  月経異常の412名のうち,続発無月経が最も多 く129名(31.3%)であった。ついで機能性子宮出 血102名(24.7%),月経困難症100名(24.2%)と なった。原発無月経12名,稀発,頻発,過多月経 はいずれも10名であった。  6.月経異常の遷移(図6)  月経異常について,年度別遷移をみると,過去 10年間を通して,続発無月経を機能性子宮出血の 受診者は,ほぼ横ぽい傾向を示しているが,月経 困難症についてみると,その割合は平成1年では 35.5%,平成2年36.6%と増加している。  7.外陰膣炎の年齢分布(図7)  低年齢でも結構多く,各年齢にわたり認められ る。しかし16歳から18歳までが多く,全体のほ ぼ半数を占めており,このことは,明らかに性行 動の活発と関連あるものと推察される。  8.入院症例の内訳(図8)  妊娠,分娩例27名(40.2%)と最も多く,卵巣 腫瘍18名(26.8%),骨盤腹膜炎10名,外陰外傷 6名,強度の貧血を伴った若年出血2名であった。 Presented by Medical*Online

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95 \0 40 30 20     12 1〔}   8 9      75  4 6  6  5   5 8 9  8 5  22 19 54         ノへ23456789101112131415161718歳 ” i卵巣腫瘍18%名i   (26β%)      妊娠・分娩27人       (40.2%) 入院症例 67名

顯灘職墨

図8.入院症例の内訳 図7.外陰,膣炎症例の年令分布  9.妊娠症例の検討(図9)  妊娠症例98名のうち,17歳と18歳が圧倒的に 多く,ほぼ9割を占めていた。初診時の妊娠週数 では,初期の者が全体のほぼ7割を占め,中期の 者と後期の者が15名ずつとなった。妊娠経過で は,1回のみの受診で以降来院せず,不明の者が約 4割を示した。人工妊娠中絶のため,他院に紹介し た者が25名,当院で分娩した者18名,他院で分 娩した者3名,自然流産5名,子宮外妊娠3名,胞 状奇胎1名であった。  10.分娩症例(図10)  年齢は15歳から18歳までで,相手の年齢は15 歳から45歳までと幅広く分布し,初診時結婚して いた者は2名で,他12名は,妊娠分娩後に入籍し ている。家庭的背景は,家庭内の不和,両親の離 婚,別居など家庭環境の不安定さが指摘される。初 診時の妊娠週数では,後期の者が多く10名を示し た。妊娠,分娩経過は早産となった者1名,切迫 早産,前期破水,妊娠中毒症などで早期から入院 管理となった者が4名で,産科学的にも問題があ る。    図9.妊娠症例の検討 1.年齢 15歳 16 17 18 4人(4.0%) 5 (5.1 ) 29  (29.5  ) 60  (61.2  ) 98人 2.初診時妊娠週数 考 察 Ssi∼7wi∼11    ﹁     i    I∼15i    ‘     i∼1gi    , ∼23     : ∼ 27i    ‘     :   1     ’    :    ‘       1 ∼ 31i∼35i    「      1 ∼39      1

42人:26     : gi   I 4i   I 2 8i   ,

3i2i   ‘       1 2 69.3% 15.3 15.3 3.妊娠の経過 近年,性成熟の早発化,性行動の活発化と相まっ 入院 分娩   自然流産   子宮外妊娠   胞状奇胎 当院で人工中絶 他院で分娩 KAとして他医紹介 不  明

斗一

9

25        (25.5%) 39       (39.7%) Presented by Medical*Online

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図10.分娩症例

症例 年齢 相手の年齢 婚姻関係 家族的背景 初診時妊娠月数 妊娠分娩経過 1 18 ⑱ 産後に結婚 両親離婚 7ヵ月 初診より10日後分娩 1.900g 2 17 25 妊娠中に結婚 4ヵ月 39週自然分娩 3.380g 3 17 20 相手蒸発 両親別居 2ヵ月 40週自然分娩 3.040g 4 18 ⑱ 妊娠中に結婚 7ヵ月 40週吸引分娩 2.770g 5 17 21 妊娠中に結婚 4ヵ月 34週切迫早産で入院 2.980g 40週自然分娩 6 18 ⑱ 妊娠中に結婚 両親離婚 3ヵ月 30週切迫早産で入院 2.960g 40週自然分娩 7 18 25 妊娠中に結婚 3ヵ月

29週PROM入院

3.424g 38週自然分娩 8 18 21 妊娠中に結婚 7ヵ月 39週自然分娩 3.070g 9 18 30 結 婚 8ヵ月 41週自然分娩 3.280g 10 18 22 結 婚 夫失業中 5ヵ月 妊娠中毒症 2.540g 39週自然分娩 11 17 35 妊娠中に結婚 27週 37週自然分娩 2.846g 12 18 ⑲ 妊娠中に結婚 38週 42週吸引分娩 2.910g 13 18 ⑱ 妊娠中に結婚 夫 無 職 28週 39週吸引分娩 3.096g 14 17 ⑰ 妊娠中に結婚 両親離婚 13週 38週吸引分娩 2.752g 15 18 45 妊娠中に結婚 夫 再 婚 9週 40週自然分娩 2.384g 16 16 ⑱ 分娩当日に入籍 母親死亡 32週 38週吸引分娩 2.936g 17 15 ⑮ 未 婚 両親離婚 40週 39週自然分娩 2.596g 18 18 25 未 婚 両親離婚 34週 40週吸引分娩 2.494g て,若年女子が産婦人科を受診することは一般的 なこととなってきている。今回の結果をみても明 らかに総外来患者数に占める割合は年々増加して いる。昭和57年より開設した思春期特殊外来への 受診者も増えており,若年女子受診者の約6割を 扱うまでになってきた。疾患では,月経異常の受 診者が増えており,なかでも続発無月経と月経困 難症の患者が多く,長期的治療,管理が必要とさ れる症例で占められている。  今回の結果を踏えて,今後の思春期特殊外来の 整備,充実を改めて検討していきたい。 文 献 1)村口喜代,宍戸祥子:思春期外来患者の臨床的検   討.仙台市立病院医誌7,51−59,1982. 2) 高橋健太郎,吉野和男,渋川敏産,北尾 学:島   根医大産婦人科外来を訪れた思春期小児婦人の   現状について.思春期学2,70−74,1982. 3) 武田 敏,川野雅資:看護と性,思春期の性行動,   P144−145. 4) 加藤宏一:小児思春期婦人科学73. Presented by Medical*Online

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