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東北大学遺伝生態研究センター通信 NS No. 6

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東北大学遺伝生態研究センター通信 NS No. 6

著者

東北大学遺伝生態研究センター

発行年

2000-02

(2)

遺伝生態研究センター通信 NSNo.6

泉北人拳

A@@ノ朝生餅免t },胡

JGE

′、 ′■■ヽ 2000. 2. NSNo. 6

藻類を材料とした鞭毛・中心体研究の可能性

北海道大学理学部附属海藻研究施設  本村 泰三 10年位前に学会誌に藻類の研究分 野で面白いのは鞭毛だと書いたこと がある.百分の研究対象が藻類細胞 で,興味の中心がセントリオール (中心子)とセントロゾーム(中心体) であることもその要因である.藻類 の大部分は鞭毛をもっており,その 根っこにセントリオールが存在して いる.この鞭毛・セントリオールの 貞核細胞における起源については今 もって不明である.しかし,その構 造形態は若干の違いがあるものの, すべての真核細胞において共通して いる.このことからも,それが原核 生物の共生によって生じたものか, 別の要因によって生じたものか(そ -申---目      次 れなら,それはいったい何?)といっ た問題はおいておくとしても,きわ めて初期の段階で獲得されたもので あるのは間違いないと思われる. セントリオール・セントロゾーム の働きは細胞内においてきわめて多 岐におよんでいる.鞭毛基部装置と して,微小管形成中心として,そし て紡錘体極として機能しているが, それに関連して極性発現,形態形成 などにも大きな影響を及ぼしている. 微小管形成中心としてのセントロ ゾームの構造と機能に関する分子レ ベルでの解析がすすんでおり,荒っ ぽく書くと以下のような事実が明ら かになっている. 藻類を材料とした 鞭毛・中心体研究の可能性 一       一一北海道大学理学部附属海藻研究施設  本村 泰三 1 根粒菌「染色体」上の共生遺伝子        一東北大学遺伝生態研究センター  三井 久幸 4

ワークショップ"Perspective of Plant Research in Space"を終えて

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セントリオールがまず存在し,そ れをセントリオール周辺物質が取り 囲んでいる.中JL、子周辺物質にはセ ントリン,ペリセントリン,および 様々なキナーゼ,フオスファクーゼ, さらにはユビキチン等が存在してい る.微小管重合中心として機能する γ-チューブリンはリング構造をとり, セントリオール周辺物質に付着して いる. γ-チューブリンを鋳型として チューブリン分子からなる微小管が 伸長する. 最近では,癌細胞においてセント ロゾームが多数存在し,そのため核 分裂に異常をもたらすことが明らか になり,またいくつかの細胞周期制 御因子はセントロゾームに局在して いることも明らかになりつつある. 現在も細胞生物学の分野で,セント ロゾームは,未解決で謎の多い,そ して図り知れないポテンシャルをは らんだ細胞内小器官であることは間 違いない. ところで,鞭毛の運動並びに構成 タンパク質の解析の研究はもっぱら 緑藻クラミドモナスや動物の精子を 材料に進められ,他の生物群ではほ とんど行われてこなかった.しかし, 藻類におい七大きなグループを占め る不等毛藻類(褐藻類,黄金色藻類, 黄緑色藻類,渦鞭毛藻類等)では, クラミドモナスと異なり,長短2本 の鞭毛を有しており,それぞれの鞭 毛は良さだけではなく,構造も機能 も大きく異なる.さらに,細胞分裂 によってできた娘細胞においては, これら2本の鞭毛の長さが運転する ことが知られている.電子顕微鏡で はまだ確認できないが,長短2本の 鞭毛の相違は,その根元にあるセン トリオールのなんらかの違いによる のではないかと想像している. 動物細胞では1組のセントリオー ルが存在しているが,形態的相違か らそれには親セントリオールと娘セ ントリオールの区別がっくと報告さ れており,また親セントリオールに 局在するセネキシンと呼ばれるタン パク質も確認されている.このよう な特異的タンパク質の局在の違いが 長短2本の鞭毛基部においてもある のかもしれない. また,藻類の遊泳細胞に見られる 統制のとれた微小管からなる鞭毛根 についても明らかになっていない. 例えば,コンプの遊走子では鞭毛基 部に5本の鞭毛根が存在しており, それぞれを構成する微小管の数,そ して配向が決定されている.もしも, セントリオールが体細胞におけるよ うに単にセントロゾームの一部とし て微小管形成中心として機能してい るのなら,あれほど見事に統制され た鞭毛根は形成できないと思われる. セントロゾームのモデルに乗っ取っ て考えるなら,微小管の- (マイナ ス)ェンドの鋳型として決ま-つた数 のγ-チューブリンのリングが存在し ていることになる.しかし,実際に は抗γ-チュプリン抗体を用いて調べ てみると,褐藻類などの遊泳細胞に おいては鞭毛某部に朗著なラベルは /確認できない.本当にγ`-チューブリ ンが存在しないのなら,遊泳細胞に は体細胞の場合とは異なる微小管重 合中心のメカニズムが存在している ことになる. 鞭毛研究のためには大量の鞭毛を

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遺伝生態研究センタ-通信 NSNo.6 ■-/′■、 必要とする.神戸大学の川井・村上 両氏との共同研究で,臨海研究施設 の地の利を活かして,かなりの量の 鞭毛を集めることができることがわ かった.海藻研究施設の前浜には大 量の海藻類が繁茂しており,寒さに 耐えて1時間程度採集すれば,翌日 にはpacked volumeで50ml程度の遊 泳細胞を得られる.それらから鞭毛 フラクションが単離できる.なんと か不等毛藻類の鞭毛構成タンパク質 について,分子レベルの研究を進め ることも可能になったと考えている. 藻類を材料とする研究は昔から系 統分類学が主流であり(現在も大き くは変わっていないと思うが),その ためにきわめて詳細な電子顕微鏡を Taizo, Motomura

Institute of AlgologlCal Research

Faculty of Science,

Hokkaido University

E-mail : motomura@bio. s°i.hokudai.ac.jp

図1.褐藻カヤモノリ配 偶子の前鞭毛の断面. 用いた観察が行われてきた.核分裂, 細胞質分裂,鞭毛基部装置の微細構 造の研究がよい例で,系統関係を調 べるための詳細な形態学的基盤がで きている.これは,今後生化学的な 解析を進める上で,大きな財産にな ることは間違いない.藻類細胞を材 料にした分子レベルの研究はさらに 進展をみせると思われる. 藻類というと,すぐに奇妙な生物 という意味で,多様性という言葉に リンクする傾向があるが,藻類を用 いた研究は,生物全般をこおける様々 な生物現象に対する一般性を確立す るためには不可欠であり,またそう いった概念的な考察を可能にできる 生物群だと考えている. 図2.褐藻カヤモノリ栄      図3.褐藻カヤモノリ接合子の核分裂像.中心体から紡錘体微小 養細胞の中心体.         管が染色体に向かって伸びる. 3

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根粒菌「染色体」上の共生遺伝子

東北大学・遺伝生態研究センター  三井 久幸 マメ科植物の根には, 「根粒」と呼 ばれる小さなコブが付いているのが 見られますが,それは根粒菌がそこ に入り込んで窒素固定を行っている という共生の姿です.この共生窒素 固定のおかげで,マメ科植物は窒素 の不足したやせた土地でも生育する ことができます. 根粒菌はグラム陰性の土壌細菌の 一群ですが,多様な種・属が含まれ ます.マメ科植物と根粒菌との間の 共生は特異性が高い関係であり,梶 粒菌のうちの一つを取り上げると, その共生相手(宿主)となるマメ科 植物の種類は特定のものに限られて います(例えば,ダイズ根粒菌はダ イズかまたは近縁の植物とのみ共生 します). 共生相手を選ぶ仕組みについては, 多くの研究の成果により,かなり明 らかになっています.土の中で根粒 菌が宿主となる植物(の根)と出会 うと, Nodファクター(いろいろな 修飾を受けたリボキチン化合物)の 合成(とヵ泌)を開始します. Nod ファクターの生合成は宿主根から分 泌される特定のフラボノイド化合物 の存在下でのみ行われますが,その 制御はフラボノイドが根粒菌の転写 因子NodDを活性化して,生合成遺 伝子(nod遺伝子)の発現を誘導す ることによります. Nodファクターが宿主植物根に作 用すると,根内部の皮層に新たに細 胞分裂が誘起され,そこから根粒原 某が形成されます.また,根毛から 皮層細胞に向かって,感染糸という 管状構造がその間の細胞の細胞質を 横断しつつ形成されます.根粒菌は その感染糸を経由して根粒内部の標 的となる細胞の中に侵入します. Nodファクターは根粒菌の種類ご とに少しずつ異なる構造を有してお り,植物は共生相手以外の根粒菌の Nodファクターには反応しません. 植物が共生特異的な形態形成を開始 する仕組みは興味深い研究対象です が,現在のところ, Nodファクター をシグナルとして受容する仕組みは 不明です.ですが,とにかく,根粒 菌は宿主から特定のフラボノイドを 受け取ることによってNodファクター を合成し,植物は共生相手の根粒菌 の合成するNodファクターを受容し て共生特異的な反応を行う,という 働きが共生の特異性を決定する仕組 みの中心部分であることは明-らかで す. 根粒菌が感染糸から標的細胞内に 送り込まれるのはエンドサイトーシ スと同様の働きによってであり,そ の結果,根粒菌は宿主細胞の原形質 膜に由来するペリバクテロイド膜に 包まれて,オルガネラのように(シ ンビオソームと呼ばれます)存在し ています. 宿主細胞内に存在する根粒菌をバ クテロイドと呼びますが,正常な根

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遺伝生態研究センター通信 NSNo.6 ′■ヽ ′ ヽ 粒菌のバクテロイドは,ペリバクテ ロイド膜の内部で宿主から光合成産 物を受け取り(実際には,光合成産 物がコ-ク酸・リンゴ酸等のジカル ボン酸に変換されたものを受け取っ ていると考えられています),それを エネルギー源として窒素固定を行い ます.窒素固定によって生成された アンモニアは宿主に受け渡され,そ の窒素同化経路に入ります.このよ うな根粒菌と宿主植物の関係が「細 胞内共生系」というわけです. バクテロイド細胞内で窒素固定が 行われるには,酵素ニトロゲナーゼ の合成やその他共生窒素固定に要す る電子伝達系の改変等が必要です. それに必要な遺伝子群がnif遺伝子群 および/ix遺伝子群です.ニトロゲナー ゼの活性が酸素に感受性であること にも関連して,根粒菌のnif/fix遺 伝子群の発現の有無は,まわりの酸 素濃度によって制御されています. 好気的に培養されている根粒菌細胞 ではそれらの遺伝子の発現は見られ ず,その酸素濃度を低下させると発 現が誘導されます.その制御には細 菌の細胞内シグナル伝達系の典型的 な仕組みの一つである二成分制御系 が働いています(酸素センサーとし て機能するヒスチジンキナ-ゼFixL と転写因子FixJ).根粒はその内部 の遊離の酸素分圧が低く抑えられる ような構造をもっているので,根粒 菌は細胞内共生状態に入ると窒素固 定系を動かし始めます. さて,前置きが長くなってしまい ました.私が遺伝生態研究センター で行っている研究の材料は,アルファ ルファ根粒菌Sinorhizobium meliloti (旧名Rhizobium meliloti)です. 根粒菌の共生の仕組みに関する基礎 研究の分野では,これは世界的に見 て最も研究の蓄積の多い種です. S. melilotiのゲノムは特徴的な構成 を有しており,例えば大腸菌のゲノ ムは4,600 kbの大きさの染色体一つ からできていますが, S. melilotiの ゲノムは三っのレプリコンに分かれ ています.それぞれ染色体(大きさ 3,500 kb), pSym-a (1,400 kb), pSym-b (1,700 kb)と呼ばれていま す.後者二つはSymプラスミドと呼 ばれるものですが,それは共生 (symbiosis)特異的な役割をもった 遺伝子が含まれていることから来て います. 前述したnod遺伝子, nif/fix遺伝 子等はSymプラスミド(これらは pSym-a上に存在しています. pSym-b 上には別の共生遺伝子(例えばexo 遺伝子)があります)にのっていま す.細菌としての基本的な機能(と いっても漠然として不正確な表現で すが,実験室的な最適環境下で増殖 するのに最低限必要な機能と考えて 下さい)を果たす遺伝子は染色体に のっています. 冒頭に根粒菌には多様な種類が含 まれると述べましたが,それらを根 粒菌以外の細菌と共に16Sリボソー ムRNAの塩基配列に基づく系統分類 の解析に供すると,根粒菌と非根粒 菌が進化の途中で入り交じったよう な結果が得られます.例えば, S_ melilot摘ゝら見ると,ダイズ根粒 菌Bradyrhi20bium japonicumより 植物病原菌Agrobacterium tumefac iensの方が近縁であるという結果に

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なります. 16SリボソームRNAは, 遺伝子が発現する際,メッセンジャー RNAをもとにタンパク質が合成され る過程(翻訳)に必要なものであり, 上記の「細菌としての基本的な機能」 に含まれるものです(S. melilc)tiで はその遺伝子は染色体上にあります). 一方根粒菌の間では,多くの共生 遺伝子は類似しています.このこと より,根粒菌は多様な細菌が進化の 歴史の途中で共生遺伝子を「水平的」 に獲得したことによって生まれたと 考えるのが自然です.もっとも,系 統分類上,既知の根粒菌はすべてプ ロテオバクテリア・アルファサブグ ループに属し,決してそれ以外の分 類群に属する根粒菌は見当たらない ことから,共生遺伝子によって共生 能を獲得するにはそれに適した遺伝 的な背景(それは染色体上の遺伝子 によって規定される日 が必要であ ると考えられます. 遺伝的な背景とは,具体性のない ゴマカシのような言い方ですが,梶 粒菌の共生遺伝子に関する膨大な研 究の歴史にもかかわらず,共生の分 子機構には不明部分が残っている (特に,共生成立過程の後半に起こる, 窒素固定バ'クテロイドへの分化に関 わる部分)以上,何か従来と異なる 側面から根粒菌を調べなければなり ません. 私が現在研究を進めているS. meliloti の遺伝子は,大腸菌rpoH遺伝子の相 同遺伝子で,それはRNAポリメラー ゼのシグマ因子の一つU32をコードし ているものです.シグマ因子とは, 細菌(真正細菌)において, RNAポ リメラーゼのコア酵素(α2ββ'のサ ブユニット構成. RNA合成の触媒部 分)に結合する(「ホロ酵素」となる) ことによってプロモーター認識能を 付与し,特異的な転写開始を行わせ るタンパク質です. 大腸菌は7種類のシグマ因子(α7{' U38, cT32, 028, uF・,FecI, cT.['4)を持ち, それぞれが異なるプロモーター認識 能を有しています(U別の構造遺伝子 はrpoNです(下記)).また逆に言う と,大腸菌ゲノム上の全ての遺伝子 は, 7種類のシグマ因子のうちのど れかによって読まれる,ということ にもなります(もっとも,大半の遺 伝子は主要シグマ因子cT7日によって読 まれますが).っまりRNAポリメラー ゼは,コア酵素がシグマ因子のうち のどれかと結合する段階で,その酵 素が転写を行う遺伝子の種類が規定 されることになります.逆に,その ような遺伝子群はそのシグマ因子に よって発現が制御される単位(レギュ ロン)であるわけで,結果その遺伝 子群の発現の有無は,第一にそのシ グマ因子の細胞内での活性の大小に よって決まってくるわけです(実際 には,別のいろいろな転写園子が転 写開始過程に参入することによって, より細やかな制御がなされます). ちなみに大腸菌のcT32は,シャペロ ンやプロテアーゼ(いわゆる熱ショッ クタンパク質(Hsp))遺伝子の転写 を行っており,温度が卜昇したとき にcTlI32の活性が上昇する`(この場合は, cT32の細胞内の量の増加)ことによっ て,必要なHspの合成量が増加する ことになります′(熱ショ_ツク応答). 032がシャペロンやプロテアーゼ遺 伝子を読んでいることの重要件は,

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遺伝生態研究センター通信 NSNo.6 ′、 ′ 、 大腸菌ゲノム上のrpoH遺伝子の機能 を破壊してやることによって明確に 理解できるようになります.通常空 適温度として,大腸菌は体温と同じ 37℃で培養しますが,その遺伝子破 壊株は20℃以上では生育できなくな ります. S. melilotiにおいて, nifHDKEオ ペロン(ニトロゲナーゼ構造遺伝子) やfixABCXオペロン等のプロモーター は, rpc'N遺伝子がコードするシグマ 因子によって読まれることが知られ ています.そのためrpoN遺伝子破壊 株は,アルファルファに根粒形成を 行わせることはできますが,共生窒 素固定はできません(Nod+ Fix 表 現型).また,その遺伝子破壊の影響 は培養状態においても現れ,硝酸を 唯一窒素源として増殖することがで きなくなります. さて, S. melilotiのrpoH遺伝子の 方はと言いますと,その破壊株はア ルファルファにおいて窒素固定不能 となりました(Nod+ Fix ).一方, 培養状態においてはその影響は少な く,生育の温度感受性が野生株より わずかに増す程度でした.リッチな 培地(LB/MC)の上で野生株が40 ℃で生育できるのに対し, rp0月破壊 株は39℃までしかダメだという結果 です.より低い温度では,リッチな 培地でも最少培地でも野生株と同様 の生育速度を示しました.これらは, 大腸菌のrpoH遺伝子とかなり異なる 結果です.熱ショックに伴うタンパ ク質合成パターンの変化を調べたと ころ, S. melilo狛こおいてはHspの 生合成にrpoHは関与しているが,同 時に,それとは別の機構も存在して いることがわかりました.一方,共 生窒素固定に必要な何らかの遺伝子 の転写は, rpoH遺伝子がコードする シグマ因子のみが特異的に行ってい るということになります. このようにS. melilotiのrpoHは, 培養状態(単生状態)よりむしろ共 生状態で重要な役割を果たしている 遺伝子であると判明しましたが,ゲ ノム中でのその位置を調べたところ, symプラスミドではなく染色体上に のっていることがわかりました. 前述のrpoNも同じく染色体上です. また,他の種類の根粒菌で, Symプ ラスミド全体の塩基配列が決定され た例がありますが(Rhizoibum sp. NGR234-これは宿主域が例外的に 非常に広いことで有名な種です),そ こにはシグマ因子遺伝子は存在して いませんでした.一方,シグマ因子 以外の共生特異的な転写因子はSym プラスミド上に種々存在しています. S. melilotiの場合,前述のTWd遺伝 子の転写調節因子NodD, nif/fix遺 伝子の(転写)調節因子FixL, FixJ, NifA, FixK等はSymプラスミド卜 に位置し, Nodファクター生合成や 共生窒素固定に必須の役割を果たし ています. とで私は,共生能に対して「根粒 菌の染色体が規定する遺伝的な背景」 なるものを勝手に持ち出してしまい ました.あまり書き過ぎると矛盾が 生じてくるので単純に申しますと, Symプラスミド上の共生遺伝子とは 別に,染色体上にも共生にとって重 要な遺伝子があり得るのだから,そ れらも研究しなければならないので はないかということです.その一例

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として,シグマ因子のようなグロー バルな次元で遺伝子発現を調節する ようなものが挙げられます. 根粒菌細胞内におけるタンパク質 をウェスタンブロッティングによっ て解析したところ, rpoH遺伝子産物 のレベルは培養状態と共生状態(バ クテロイド)との間で変化がないこ とがわかりました.ディファレンシャ ルスクリーニング等の技法を用いて, 共生成立に際して発現が上昇する遺 伝子をスクリーニングするというス トラテジーは,場合によっては非常 に有効ですが,このrpoH遺伝子のよ Hisayuki, Mitsui

lnstitsute or Genetic Ecology, Tohoku Universlty E-mail:[email protected] うなものは見つかってこないことに なります. 最後に,特に日本では研究が盛ん なダイズ根粒菌BradyrhiZDbium jalnnicumやミ ヤコブサ根粒菌 Mesorhizobium loti等では, Symプ

ラスミドは存在せず,共生遺伝子は 他の遺伝子と同じ一つの染色体Lに 存存しています.ただし,この場合 も共生遺伝子は染色体l二で「共生ア イランド」としてまとまって存在し ており,やはり進化の途卜でそれら が「水平的に」獲得されたことが示 唆されます.

ワークショップ"perspective of Plant Research in

Space〟を終えて 遺伝生態研究センター 遺伝子適応生態研究分野  高橋 秀幸 遺伝生態研究センターのワークシッ プの一つとして, "Perspective of Plant・Research in Space''が,平成11 年12月2-3日の2日間にわたって 開催されました.海外2人,国内24 人の研究者が話題を提供し, 12件の 講演と14件の展示発表をすべて英語 で討論するミニ国際ワークショップ になりました.会場は終始40名以上 の参加者で埋まり,内容の濃い討論 で盛り上がりました.準備不足で至 らなかった点や先生方に急に英語で のご発表をお願いしたりで,I-多大な ご迷惑をおかけしましたことをお詫 び申し上げますとともに,ワークショッ プを成功させてくださいました参加 者の皆様方に,深く感謝申し上げま す. さて,今回のワークショップは 「これからの宇宙植物科学を展望しよ う」ということを目的に行われまし たが,本センタノーのワTクショップ としては3回目の宇宙生物学関連の ワークショップということになりま !■ヨ

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遺伝生態研究センター通信 NSNo.6 ′■ヽ ′■ヽ した.第1回目のワークショ ップ 「系統発生と重力反応」は,アメリカ やヨーロッパの宇宙実験が本格化す るなかで,日本にも「日本宇宙生物 科学会」が設立され,日本人宇宙飛 行士による宇宙実験も具体的になっ てきたときに開催されました.第2 回臼のワークショップ「宇宙環境に おける植物生育の諸問題」が開催さ れたのは,日本が組織的にはじめて 行ったスペースシャトルによる宇宙 実験の成果が発表され,国際宇宙ス テーションで実施される候補実験課 題も選考されたときでした. 第1回目のワークショップの内容 は「宇宙植物学の課題一植物の重力 反応-」として学会出版センターか ら刊行され,また,第2回目のワー クショップの話題については,その 後海外から寄せられた論文とともに,

``Plants in Space Biology"として

本センターから刊行されました.前 者では,私たちが宇宙生物学にアプ ローチするにあたっての問題の整理 が行われ,後者では欧米の宇酋実験 の成果とともに日本の宇宙植物科学 研究における課題が紹介されていま す.そして1998年10月には,第2回 目のワークショップでも取り上げら れた4課題に関する宇宙実験が,ス ペースシャトルによって行われまし た. 今回のワークショップでは,日本 が行った植物宇宙実験の成果および 現在宇宙実験が具体的に計画されて いる課題についてご討論いただき, 日本が今後進める植物の宇宙実験を 展望することを試みました.宇宙実 験の場合,その機会が貴重且つ希少 であることからすれば,やはり国際 協力のもとで実施されべきものであ り,また,各国宇宙機関と私たちア カデミック・コミュニティーの密接 な連携のもとに成立するものであり ます.したがいまして,ワークショッ プでは,この分野で活躍される米国 航空宇宙局(NASA),宇宙開発事業 団(NASDA),宇宙科学研究所,氏 間研究機関等の研究者にも参加して いただき,植物の宇宙実験の意義と 手段についても活発な意見交換をし ていただきました. 環境条件が地上実験室とは異なる 宇宙実験の場合,微小重力の宇宙船 の中で植物を育成し,観察・処理し, 地上に回収するための--ドゥエアー が大きな問題になります.たとえば, 微小重力下では自然対流が欠如して おり,重力の存在する対照実験区に は対流が存在します.これまでの芽 ばえを対象とした宇宙実験では,微 小重力下でも閉鎖系実験容器中の種 子は発芽し,モヤシは育つことがわ かっています.しかし,国際宇宙ス テーションを利用した長期の宇宙実 験では,光合成のためのガス交換が 重要な独立栄養成長段階の植物,あ るいは植物の生活環と世代交代も研 究対象になってきます. そのような将来的な宇宙実験に要 求されるのは,そのための環境制御 をはじめとする装置ということになっ てきます.宇宙環境で長期にわたっ て植物を育成する装置ということだ けでなく,宇宙実験を行う場合には 必ずと言っていいほどに,いろいろ な-ードゥエアーの問題に遭遇しま す.実際に,これまでのアメリカと

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ロシアが行ってきた宇再実験から, 多くの問題が装置の改良によって解 決されつつあることを学ぶことがで きます.今回のワ-クショップでは, 日本における植物の宇宙実験のため に開発中の装置,これまで欧米の宇 宙実験に使用された装置と国際宇宙 ステーション用に開発が進められて いる装置,それらの装置開発のため の各種要素技術研究も紹介され,こ れまでの宇宙実験の成果を踏まえて 今後の宇宙実験を展望する意味では, 大変貴重な情報交換になったのでは ないかと考えております. また,アメリカにおける航空宇宙 局と大学と民間が一体となって展開 している植物の研究プロジェクト (いくつかの大学に設置されている NASAの研究センター; NASA Specialized Center of Reseqrch

and Training; NSCORT)の紹介

もあり,日本における宇宙生物学分 野の研究・教育を考える上でも参考 になりました.宇宙生物学のもっと も重要な研究課題のひとつである植 物の重力反応に関する私たちの理解 は,分子遺伝学的研究によって,こ こ10年の間に大きく進展しました. その分子遺伝学に宇宙実験を融合さ せることが, 21世紀の生命科学のシ ナリオのひとつになっていくことは 間違いないでしょう.その分野の現 状と可能性を探ることを意図に,モ デル植物として注目されるシロイヌ ナズナを用いた分子遺伝学研究につ いても話題を提供していただき,討 論していただきました. 以上のような課題を中心に, 「スペー スシャトルによる植物実験」, 「展示 発表」, 「宇宙実験のための植物育成 チャンバーと環境制御」, 「宇宙ステー ションによる長期宇宙実験」, 「総合 討論」の5つのセッションで熱心なご 討論をいただきました. 総合討論の時間が十分でなかった ことが唯一悔やまれますが,その短 い総合討論では, 1)宇宙実験に分 子遺伝学的手法を導入するための実 験系の確立, 2)ひとつのモデル生 物に絞った宇宙実験ではなく,単子 葉植物,双子葉植物,穀類というよ うなカテゴリー別の複数のモデル生 物を選択したプロジェクト研究, 3) 研究者間での宇宙実験試料の共有, 4) -ードゥエアーの国際的な共同 開発と共同利用, 5)そのための本 ワークショップのような情報交換, 各国宇宙機関とアカデミック・コミュ ニティーの連携がいかに重要である かが強調されましたことを紹介して おきます. 私は,植物の宇宙実験には, 1)敬 小重力などの地球上の実験室には存 在しないユニークな環境を生物学の ツールとして利用すること, 2)各種 の目的のために宇宙環境での植物栽 培を成功させること,そして,- 3)こ れらの宇宙環境を利用した研究の成

果から地球環境問題や食糧問題を解

決する糸口を兄いだすという目標が あると考えています.たとえば,植 物の重力反応のしくみを明らかにす る研究には,地球上の重力環境下の 実験と比較できる,あるいは遠心機 で各種の重力環境を創成できる宇宙 環境が最適の実験室ということにな ります.また,人類が宇宙に長期間 滞在することを可能にする宇宙ステー 10

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遺伝生態研究センター通信 NSNo.6 ションのような持続的生命維持シス テムの構築には,その閉鎖系におけ る食糧生産や物質循環のために1次生 産者としての植物の育成が不可欠に なります. そして恐らくもっと大切なことは, このような宇宙環境利用による植物 科学によって,地球生態系を構成す る植物の生活と地球生態系を維持す る物質循環のしくみを解明すること ではないかと考えています.現在の 宇宙実験から,すぐにこのような目 標を達成することはできないかもし れませんが,私たちは,そのための 一歩を踏みだしたといえるのではな いでしょうか. ご多忙にもかかわらず,本ワーク ショップの趣旨をご理解いただき, 多大なご協力を賜りました参加者の 皆様方に,重ねてお礼を申し上げま す. ′■ヽ ′ ・ Hideyuki, Takahashi

lnstitsute of Genetic Ecology, Tohoku University

E-mail:[email protected]

ワークショッププログラム

December 2, 1999 (13:00-18:00)

I. Plant experiments ln space Shuttle missions (Chair: M. Iino)

l ) Plant photosynthesis and carbohydrate metabolism in space: C. S. Brown (NASA

Specialized Center of Research and Training, North Carolina State University) 2 ) Growth regulation mechanisms in higher plants under microgravity conditions: T.

Hoson (Osaka City University)

3) Growth and development, and auxin polar transport in higher plants grown under space conditions: BRIC-AUX on STS-95 space experiment: J. Ueda (Osaka Prefecture University)

4 ) Morphogenesis in cucumber seedlings is negatively controlled by gravity: H.

Takahashi (Tohoku University)

H. Poster session: (16:00118:00)

1 ) Viscoelastic properties of root cell walls affected by humidity and pH: E. Tanimoto

(Nagoya City University)

2) Movement of diffusible IAA and cell wall-bound IAA in the root apex following

gravistimulation under darkness in Zeα primary roots: T. Suzuki, R. Kato (Yamagata

University)

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3 ) Leaf senescence under simulated microgravity conditions on a 3 -dimensional

clinostat: K. Miyamotol, T. Shimazu一・2, K. Satol, T. Yudal, J. Uedal (10saka

Prefecture University, 2Japan Space Forum)

4) Growth and development, and auxin polar transport in higher plants under

simulated microgravity conditions on a 3 1dimensional clinostat: TI Yudal, KI

Miva-motol, T. Shimazul,2, J. Uedal (一〇saka Prefecture University, 2Japan Space Forum)

5 ) Gravity regulates elongation growth of Arabidopsis hypocotyls by modifying

xyloglucan metabolism: K・ Sogal, R・ Morll, Kazuyuki Wakabayashil, seiichiro

Kamisakal, shigeki Kamlgaichi2, sachiko Aizawa2, Ⅰ・ Yoshizaki2, T・ Shimazu3, K・ Fukui3, T. Hoson】 (10saka City University, 2NASDA, 3Japan Space Forum)

6) Water and nutrition control system elements for Space Plant Box (SPB): T. Saito

(Utsunomiya University)

7 ) Development of plant growth chambers for the experiments under microgravity conditions: Effects of microgravlty On Surface temperature and net photosynthetic

rates of leaves in a parabolic alrplane flight experiment: Y・ Kitayal, M・ Kawail, J・ Tsuruyamal, H. Takahashi2, E. Goto3, A. Tanil, T. Saito5, M.Kiyota'(tOsaka Prefecture

Universlty, 2Tohoku Universlty, 3Universlty Of Tokyo, 1T()kai Univer.slty, 5Utsunomlya University)

8) Closed type plant growth system in CEEF (Closed Ecology Experiment Facilities):

Y. Tako, R. Arai, K. Otsubo and K. Nitta (Institute for Environmental Sciences)

9 ) Re-organization of cortical microtubules during peg development in cucumber

Seedlings: T. Muratal, M. Kobayashi2, N. Fujii2, A. Higashitani2, S. Aizawa:i, S・ Kam

igaichi3, T. Shimazu3, K. Fukui4, H. Takahashi2 (lUniversity of Tokyo, 2Tohoku Unive rsity, 3NASDA, 4Japan Space Forum)

10) Ultrastructural changes during peg development in cucumber seedlings:

Y. Kanekol, H. Matsushimal, N. Fujii2, A. Higashitani2, S. Aizawa3, S. Kamlgaichi3,

T. Shimazu4, K. Fukuil, H. Takahashi2 (1saitama University, 2Tohoku University, 3NASDA, 1Japan Space Forum)

ll) A role of endogenohs IAA distribution in peg formation of cucumber seedlings:

T. Fukudal・2, H. Takahashil (lTohoku University, 2University of Tsukuba)

12) Exotic magnetic environment in space experimentation for plant studies: M・

Yama-shital, K. Yokotani-Tomita2, M. Yanagisawaこう, T. Nakamural (lISAS, 2University of Tsukuba, 3waseda University∴1Japan Women's University)

13) Construction of molecular markers for monit/oring plant reproductlV'e growth in

space: T. Sakata, A. Higashitani, H. Takahashi (Tohoku University)

14) Hydrotropic response of lateral roots in space一grown cucumber seedlings:

H. Takahashil, H. Mizuno-, M. Kamadal, N. Fujll-, A. Higashitanll, S. Kamlgaichi2, S. Aizawa2, C. Mukai3, T. Shimazu3, K. Fukui3, M. Yamashital (lTohoku University,

2NASDA, 3Japan Space Forum, 4Institute of Space and Astronautical Science)

(14)

遺伝生態研究センター通信 NSNo.6

′■ヽ

■-December 3, (9:00-17:00)

日. PIant growth chambers and environmental control for spaceflight experiments

(Chair: S. Kamisaka)

1 ) Plant growth facilities for the Space Shuttle and International Space Station:

D. Chapman (Plarlt Space Biology Laboratory, Dynamac Co, Kennedy Space Center) 2 ) Development of plant growth chambers for the experiments under microgravity

conditions. (Ⅰ) Lighting and air circulation systems: E. Goto (University of Tokyo)

3 ) Development of plant growth chambers for the experiments under microgravity conditions. (Ⅱ) Root supporting material and water circulation: A. Tan主 (Tokai

University)

4 ) Biological research hardware from NASDA to lnternational Space Station:

S∴Kamigaichi (Space Utilization Research Center, National Space Development

Agency of Japan)

lV. Plant experiments in space station (Chair: J. Ueda)

1) Long-term experiments with Arabidopsis in the International Space Station:

S. Kamisaka (Osaka City University)

2) Gravitropism, phototropism and mutation in rice seedlings: M. lino (Osaka City

University)

3) Research on growth and gravisensing mechanism of trees under simulated microgravity

condition: T. Nakamura (Japan Women's University)

4) Molecular genetic approach to plant growth in space: M. Tasaka (Nara Institute

of Science and Technology)

V. General discussion (Chair: T. Hoson) (15:50-16:50)

(15)

Errata:前号,遺伝生態研究センタ-通信NS N0.5に脱落がありました.お詫びして訂正.いたし ます. 10ページ右カラム最下行に以下の1行をコピーして貼附してください. 気付くことになったのでした. 編集後記:2000年も人した混乱もなく明けました.今回は昨 年度共同研究に加わっていただいた北海道入学理学部付属海 藻研究施設の本村泰二:.博上と昨年2月に地圏環境遺伝生態研 究分野の助教授に昇格された三井久幸助教授に研究の紹介を 書いていただきました.本村博上は褐藻類を申心に藻類の有 性生殖機構を研究されています.中心子(セントリオール) は父件遺伝することが知られているが,中心子は掲藻の瀞走 (・細胞へ核と葉緑体が1個ずつ/分配される際にも重要な役割 を拝トっている,というお話には人変興奮します. :.)仲プロ:は 根粒菌が特定のマメ科植物を認識し,感染し,根粒を作らせ, 室素固定能を発現するという一連の共生システムがどのよう な転写制御因子の組み合わせで制御されているかを探ろうと しておられます. Nm6には,また,前号発行後開催された宇 rEh'生物学に関するワークショップの報告とプログラムを掲載 しました.前号の編集には間に合わず,ご案内申しロブるこ とができませんでした.このワークショップは英語で行われ ました. また, 1月にはセンター長選挙が行われ, 4月からの次期 センター長に人瀧保現センター長が再任されました. 14 ・、■′ 東北入学遺伝性態研究センター通信 NSNo.6 平成12年(2000) 2月発行 題字は阿部博之東北大学総長の筆です. 東北大学遺伝生態研究センター 〒980-8577仙台市青葉区片T'J・2 rR 1 - 1 電  話: 022-217-5706 (共同利用掛) ファクス: 022-263-9845 H P : http://bansul.1ge.tOhoku.acJp′/

参照

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