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第3章 選択学習,総合的な学習の時間 第1節 「情報」 新教科「情報」

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第3章

選択学習,総合的な学習の時間

第1節

「情報」

新教科「情報」

本論の要旨 新教科『情報』を通して「情報の本質を探究する・情報の活用を実行する・情報の内 容を吟味する」の視点を明確にした学習を深めることによって,生徒の感性と論理的 に考える力を高め,教科等,総合的な時間(BIWAKO TIME等)の学習をさらに充実さ せ,社会に生きる力の育成を図りたい。そこで,従来情報機器利用を中心としていた 本校の情報生活科を,「総合情報学」に基づいて新たに教育課程の開発研究を進める ことが必要だという結論に達し,新教科「情報」を創設しようと実践を積み重ねてい る。ただ,「総合情報学」という学問について専門的に学習する機会に乏しく,中学 生に必要な情報教育の内容について今ひとつ照準が定まっていないので,諸先生方か ら指導を受けて,研究の基盤となる「情報」を1年次に完成させた。 キーワード A領域:情報の本質,B領域:思考と創造,C領域:情報の処理・活用 D領域:コミュニケーション,E領域:情報社会,F領域:データと情報 3つの補間 〔情報科の目的〕 ①現状と課題 本校には,今年で24年目となる総合学習ビワ コタイムがあり,その中で明らかになった情報 教育に関する課題も多い。ビワコタイムとは, 生徒自身が研究テーマを設定し,郷土の人・自 然・社会と出会い,グループで協力して調査し た内容や考えたことを生徒自身の言葉で表現す るものである。生徒はこの学習を通じて,教科 等で学んだ内容を統合したり,深化したりして, 未来へ向かっての提言をまとめている。在校生 や卒業生の意識調査等から,①郷土滋賀の再発 見,再認識につながる②自分の考えを効果的に 伝える③円滑な人間関係に資するという3点に ついて顕著な効果が認められた。このような学 習環境は,一朝一夕に完成するものではなく, 長年にわたって工夫や改善を繰り返し,その時 点で最善と思われる運用方法で継続してきた積 み上げの力である。この改善の過程で,必然的 に総合的な学習の時間に開設されたのが「情報 生活科」である。いわば,ビワコタイムに‘思 いを伝え合う生徒の姿'を求め,さまざまな学 習活動を支援する有効なツールとしての情報機 器利用教育が不可欠であるという結論に至り, 情報機器や手段を主体的に使いこなす力を育成 するのみならず,情報を読み解く力,コミュニ ケーション能力,情報モラルやマナーを扱う学 習を組み込んだことが本校の情報教育の始まり であった。「情報生活科」が担った役割は大き かったといえる。資料の集め方,インタビュー の仕方,情報の処理やまとめの方法を学んだり, 場所や相手を意識した発表を工夫したり,イン ターネットやマルチメディアを効果的に活用し たり,アポイントメントの取り方,取材のマナ ー,情報を活用していく上でのモラルなどを学 ぶものであったからである。この学習で身につ けた力は,教科等の学習や選択教科の中でも活 用され,生徒は情報・コミュニケーション能力 に一層の磨きをかけることができた。しかしそ の一方で,「情報生活科」は,プレゼンテーシ ョンや web ページなどの作品づくりを中心に してきたために多くの内容を盛り込むことがで きず,コンピュータの操作を伴う学習ばかりと なり,時間数に対して十分な学習効果を得るこ とが困難で,何でもコンピュータに頼る傾向を 生じさせてしまった。 ②情報科の目的 滋賀には「近江商人」が広めた「三方よし」と いう知恵があり,ものをただ売るのではなく, 「売り手よし,買い手よし,世間よし」の見方 の大切さを説いている。同様に,情報を,自己 の立場,他人の立場,社会的な立場から見ると き,情報の内容に違いが生まれることを通し, 多面的なものの見方や考え方を習得させること

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が重要である。これらのことから,情報学をよ りどころとして,3つの柱,「情報を科学する」, 「情報を吟味する」,「情報を活用する」を設定 して「中学生版の情報学」を内容とする,情報 の本質的な理解と扱い方を身につけさせたい。 また,学習とはつねに情報を扱うものであり, 情報は,人間により知覚,認知,認識され,思 考によって整理・補充されて,体系的な「知識」 として人間の中に記憶されることから見れば, 情報学に基づくことで,すべての学習活動の場 において,生徒個人相互の感性を磨き,論理的に 考える力を高めることが可能であるといえる。 そこで,本校が総合的な学習の時間に行って きた「情報生活科」を廃止して,新たに情報教 育のよりどころを情報学に求め,全教科の共通 の知識・技能として働く内容を持つ〝情報科〟 を創設する。本研究が成果をあげるためには, 〝情報の時間〟と必修教科等,選択教科,総合 的な学習の教育課程の関連性が図られなければ ならないと考え,〝情報科〟の内容を必修教科 や選択教科に生かし,学習意欲と学力の向上に つなげたい。 〝情報科〟は,単元によっては必要な知識を先 に与え,演習的に作業や体験を行う展開とする。 例えば,「調べ学習」が「丸写し学習」にならな いための複数情報源の比較検討法や,調査データ の読み取り方など,正確な思考を全教科で充分に 働かせるための根底の部分を,体系づけるために 必要な知識・技術を提示するものである。立派な 作品づくりが最終目標ではなく,作品づくりを演 習として位置づける。 〔情報科の内容〕 「情報を科学する・情報を活用する・情報を 吟味する」という3つの柱で〝情報の時間〟を 創設し,必修教科等,選択教科,総合的な学習 の時間の一体的なカリキュラムの開発を試みた い。(第1図) A本質探求 F本質を知って B本質を知って 内容を吟味 活用 E内容吟味 C活用 D内容を吟味 して活用 〝情報科〟の内容として,情報学の3つの視 点<A 本質探求,C 活用,E 内容吟味>を三角 形の頂点にして,その中間にある< B 本質を 知って活用・D 内容を吟味して活用・F 本質を 知って内容を吟味>の3つの補間を設定する (第1図参照)。中学校3年間でこの6つの内容 をベースに捉え,〝情報科〟を構築する。図の 向かい合う1つの視点と1つの補間の2つをペ アにして,各学年に配当するものとする。 〝情報科〟の視点を整理すると次のようにな る。 1年前期 A情報の本質 4単元(計17時間) 1年後期 Dコミュニケーション 5単元(計18時間) 2年前期 C情報の処理・活用 5単元(計20時間) 2年後期 Fデータと情報 4単元(計15時間) 3年1・2期 B思考と創造 4単元(計20時間) 3年3・4期 E情報社会 4単元(計15時間) ただし,実際のカリキュラム・単元の構築に おいては,単独の視点,補間ではなく,それぞ れの接点や流れを意識して扱う必要がある。 A情報の本質=情報の科学的な理解 情報を定義することは大変難しい。定義から ではなく,特性を理解させることによって情報 そのものについて理解させる。旧情報生活科ワ ークブックにも情報の特性をまとめた内容があ る。メディアやモラル・ルールの指導の前に, 情報のふるまいを理解させることが必要である キーポイントは,情報は属物的でも属人的で もないことの理解。手紙の伝達は数日を要する が,メールは瞬時に届く。どちらも情報のやり 取りであることに変わりはない。手紙の伝達に 時間がかかるのは,情報を載せた物理的メディ アである紙の伝達に時間がかかるからであり, 情報そのものと伝達にかかる時間には関係がな い。物理的なメディアが伝達されないメールの 場合は,手紙に対して欠落している情報がある。 情報は属物的ではないが,特定のメディアを使 わないと伝わらない情報も存在する。情報の本 質の理解とともにメディアについての理解もふ かめることが情報の取り扱い方を理解させるた めには不可欠である。 C情報の処理・活用=情報活用の実践力 課題や目的に応じて情報手段を適切に活用す ることも含めて,必要な情報を主体的に収集・ 表現・処理・創造し,受け手の状況などを踏ま えて発信・伝達できる能力 E情報社会=情報社会に参画する態度 社会生活の中で情報や情報技術が果たしてい

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る役割や及ぼしている影響を理解し,情報モラ ルの必要性や情報に対する責任ついて考え,望 ましい情報社会の創造に参画しようとする態度 その中間にある3つの補間 <B思考と創造=本質を知って活用> <Dコミニュケーション=内容を吟味して活用> コミュニケーションの学習では,身の回りで 実現できるコミュニケーションの能力を育成す るとともに,コミュニケーションの本質を正し く捉え,直接的に体験できるコミュニケーショ ン以外についてもただいく理解しておくことが 高度情報通信社会では必要になる。 コミュニケーションで伝達されるのはモノで はなく,コトである。音声言語や文字などのコ ミュニケーションと並んで,表情や雰囲気など といったものも大事である。コミュニケーショ ンの様々な形態とその特徴とともに,それぞれ のコミュニケーション手段で伝わりにくいもの を理解させるとともに,作為的内容をコントロ ールすることは簡単であることに気づかせ,メ ディアに対するリテラシを高めることが必要で ある。 <Fデータと情報=本質を知って内容を吟味> 第1学年 A領域 D領域 第2学年 C領域 F領域 第3学年 B領域 E領域 〔研究成果の評価方法〕 本校教員によって作成する「中学校版の情報学 (〝情報科〟)」について,研究会で運営指導委 員に評価をしていただき,内容の改善を図る。ま た,情報学を専門とする別の外部講師の講演を通 して,作成中の〝情報科〟といわゆる情報学との 接続の関係を運営指導委員と違う視点からも審査 する。 授業研究会においては,授業者の知見,生徒ア ンケート,参観者の知見より分析を行うとともに, テスト等を通じて生徒の発達段階を掴みながら, 〝情報科〟の定着度を調査する。この授業研究会 の場にも運営指導委員を招聘して〝情報の時間〟 の学習指導法についての評価も行う。 〝情報科〟のカリキュラム全体への波及効果を 調べるために,総合的な学習や必修教科の授業 研究会において,研究会指導助言者を招聘して その知見をまとめたり,生徒・教師・保護者ア ンケート等を通して,カリキュラム評価を行う。 以上の成果は学校評価と関連して行う。 〔評価〕 《評価の観点》 ①関心・意欲・態度 情報化社会へ参画する態度を評価する。 ②知識・理解 内容に関する知識・理解を評価する。 ③情報活用の実践力 情報発信の力,情報収集の力,情報加工の 力を評価する。 ○それぞれの観点をA,B,Cの三段階で評価 する。 A:満足できる。 B:おおむね満足できる。 C:努力を要する。 各単元の担当者は,三つの観点のうち,授業内 容に応じて①~③の観点について評価する。半期 ごとに担当グループで総合的に評価し,一年が終 わった段階で偏りなく三つの観点において評価で きるように連携を密にしておく。 〔視点の整理と内容の学年配当〕 情報学の3 つの視点 ①情報の本質を探究する。 ②情報の活用を実行する。 ③情報の内容を吟味する。 情報学の3つの視点<A本質探求,C活用,E内 容吟味>を三角形の頂点にして,その中間にある <B本質を知って活用・D内容を吟味して活用・ F本質を知って内容を吟味>の3つの補間を設定 する。(第1図参照) 中学校3年間でこの 6 つの内容をベースに捉 え,新教科「情報」を構築する。 第1図の向かい合う1つの視点と1つの補間の 2つをペアにして,各学年に配当するものとする。 ただし,実際のカリキュラム・単元の構築におい ては,単独の視点,補間ではなく,それぞれの接 点や流れを意識して扱う必要がある。 〔新教科「情報」の視点の整理〕 ○第1学年(前期) 《情報の本質》 ①情報の特性1 情報の基本的な特性 (旧情報生活科のWBより) ②情報の特性2 情報の特性による影響,瞬時に伝わること, 拡散していくこと,記録・保存できることな どからの影響

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③メディアと情報 メディアの定義・情報とメディアのかかわり を整理する。 ④情報エントロピー 情報は収束せず,複雑さ・乱雑さを増す方向 に変異する。熱力学エントロピーとの対比 ○第1学年(後期) 《コミュニケーション》 ①コミュニケーションとは 人との人とのコミュニケーション,生物のコ ミュニケーション,機械システムのコミュニ ケーション ②時間と距離 情報革命以降の時間と距離,短くなる傾向の 中での人間性,情報通信とのかかわり ③単方向と双方向 放送と通信の違い,コミュニケーションに与 える影響,メディアリテラシ ④言葉と文字・音と言語 定着するコミュニケーションと一過性のコミ ュニケーション,記録と保存 ⑤雰囲気は伝わるか ディジタルでは伝わらないもの,伝わらない ものを伝えるために ○第2学年(前期) 《情報の処理・活用》 ①データの収集 データの収集,A/D変換,効率的な保存 ②DTP パブリッシング表現,画像加工と文字加工, 並列的な表現 ③マルティメディア1(ノンインタラクティブ) シーケンス表現(プレゼンテーション,ビデ オ編集など) ④マルティメディア2(インタラクティブ) インタラクティブ表現(WEBページ,マル チメディアオーサリングなど) ⑤データベース データの表現,モデル化とオブジェクト化, データのリンク,データの抽出 ○第2学年(後期) 《データと情報》 ①数値データの質 平均の見方,分散,検定,誤差,データの欠 損,推定 ②データのつながり グループ化,カテゴリ,ノードとツリー,グ ラフ・表 ③ディジタルデータ ディジタルデータの特徴,符号化・暗号化, 記録・保存・圧縮 ④データ量と情報量 データの信頼性,作為的コントロール,デー タの質と量,メディアリテラシ ○第3学年(前期) 《思考と創造》 ①論理的な読み書き 論理的にとらえる読み方・聞き方 ②アウトラインとモデリング アウトラインプロセッサの利用・マインドマ ップ・イメージマップ,モデリングからのア イデア ③考えをまとめる アイデアをまとめるために論理的に整理する ④論理的な表現 アウトラインからのプレゼンテーション,情 報の階層を表現する ○第3学年(後期) 《情報社会》 ①情報格差を考える デジタルデバイド,都市と田舎,経済的な差, 世代間の差 ②リアルとバーチャル 現実的仮想と仮想的現実,仮想空間での振る 舞い,生活に与える影響 ③情報と経済・犯罪 経済的視点での情報産業,情報通信による犯 罪と身を守る方法 ④ネットワークとユビキタス ネットワーク社会での生活,ユビキタス社会 への移行と生活の変化 〔生徒の感想〕 〝情報科〟の授業における生徒のポートフォリ オを分析すると,成果を端的に表している次のよ うな感想が得られた。 ・今日は人によって考え方がいろいろあっておも しろかったです。どれがどう良いかなどいろい ろ考えられました。 ・今日の情報の学習では,言葉だけでは思うよう に伝えられないこともあるということが分かり ました。 ・受け手の人が分かりやすく伝えることができる ようにしたいと思いました。だからまず,自分 にもよく分かるようにしたいと思います。

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・もっと物をいろんな視点で観察したり,いろい ろなことに興味を持って,ものを見ないと,大 切な情報を見落としてしまうので,もっとしっ かりものを見ないといけないと思いました。 ・これから多数決をするときには自分の意見に自 信を持っていきたいと思います。 ・情報は,伝わっていく間に変化するということ が分かりました。人によって連想するものが違 うから少し危ないなあと思いました。 ・情報を学んで,情報には恐ろしいところもある とがわかりました。 以上のように,〝情報科〟の授業には,新しい 気づきがあったことがうかがえる。 〝情報科〟の授業後に毎時間行った4項目4段 階のマークシートによる生徒の授業評価による と,概ね第2図のような評価を得た。 それぞれの時間によって数値は若干異なってい るものの,〝情報科〟の授業が好評であったこと がうかがえる。(第2図) 〔実践事例〕 1.実践事例1 (1)単元名・対象・時期 「1D-3 単方向と双方向」(第1学年・5期) (2)単元目標 単方向と双方向の情報のやりとりについて,その 特徴を知り,よりよい関わり方を身につける。 (3)学習指導計画〔4時間〕 第1時 一方通行のコミュニケーション 第2時 メディアリテラシー 第3時 通信と放送の違い 第4時 メディアとのよりよい関わり方 (4)学習内容 第1学年では,前期に「情報の本質」について, 後期に「コミュニ ケーション」につ いて学んでいる。 本 単 元 は 後 期 の 「コミュニケーシ ョン」の3番目に 当 た る 単 元 で あ る。これまでの学習内容として,どのようなコミュ ニケーションを図るのがよいのか,携帯電話などの コミュニケーションツールの利点や 問題点について考えたりした。本単元では,それま での学習内容をふまえて,単方向・双方向それぞれ のコミュニケーションについて,その特徴を学ばせ, メディアリテラシーについても学ばせることを学習 の中心としている。 まず,生徒にとって身近なCMやラジオショッピ ング,旅行のパンフレットを教材として取り上げ, その内容を改めて読み取ることで,単方向のコミュ ニケーションに,発信者のどのような意図が含まれ ているのか考えさせた。ドラマの間に流れるCMを, ドラマの内容から予想させてみる。その後,実際に 映像を確認させると,CMがドラマの視聴者を意識 して流されていることに気づく。なぜそのCMが流 されたのか考えることで,放送の持つ特徴に気づか せることができた。 また,自分が情報を発信する場合についても考え させる必要があると考え,インターネットの書き込 みやブログについても学ばせた。特に,ブログにつ いては,実際に書いて発信している生徒が多いこと もわかり,どのような点に気をつけているのか生徒 自身の経験もふり返らせて考えさせた。自分の書い たブログが,実は世界中の人から読まれる可能性が あること,放送と同じように多くの人に影響を及ぼ す場合があることなどに気づくことで,自分の行為 へ の 責 任 を 改 め て 認 識 し た よ う で あ る 。 情 報 発 信 の モ ラ ル や マ ナ ー に つ い て は , 各 学 年 , 発 達 段階に応じて繰り返し学ばせる必要があるだろう。 しかし,生徒の実態として,多くの生徒が何らかの 形で発信者になっていることを考えると,第1学年 の段階で,基礎的な知識や考え方は身につけさせる 必要があろう。 2.実践事例2 (1)単元名・対象・時期

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「2B-3 ディジタルデータ」(第2学年・5期) (2)単元目標 ディジタルとアナログの意味を理解し,ディジタ ル技術を使った方式や機器を正しく評価し,生活に 役立てようとする態度をもつことができる。 (3)学習指導計画〔4時間〕 第1時 ディジタルっぽいものとアナログっぽい ものを比べてみよう 第2時 ディジタルとアナログの本当の意味を知 る 第3時 ディジタルだからできること 第4時 ディジタルだからこまること (4)学習内容 本単元では,高度通信情報社会の中で,自分たち の生活を支えている技術的な基盤について正しく理 解させるとともに,それらを的確に生活に取り入れ, いかしていこうとする態度を育成したいと考えた。 また,伝統的に使われてきたアナログ技術について も正しく理解し,必要な場面で使おうとしていく態 度も身につけさせたいと考えている。 まず,ディジタルとアナログの意味を予想させた。 生徒の意識としては,「ディジタルは近未来的なも の,アナログは過去のもの」と認識していると言う ことがわかった。次に,実際にディジタルで表示や 記録・通信されているものとアナログのものとを比 較させた。CDとレコード,フィルムカメラとディ ジタルカメラなどを用いて記録された情報の質,使 い勝手などを比較させた。 第2時では,デ ィジタルカメラで 撮影した画像を拡 大していき,その 画像が画素単位で 構成されているこ とを理解させた。 アナログは「連続量」ディジタルは「離数量」であ ることがわかると,それぞれの情報が持つ特性が理 解でき,次第にそれぞれの利点について考えが深ま っていった。 3.実践事例3 (1)単元名・対象・時期 「3E-4 ネットワークとユビキタス」(第3学 年・4期) (2)単元目標 ユビキタス社会を支えるネットワークについて正 しく理解し,ユビキタス社会の利便性や問題点につ いて考えることができる。 (3)学習指導計画〔4時間〕 第1時 情報の共有,ネットワークのしくみ 第2時 Web2.0 Google の秘密 第3時 変わってきた私たちの生活 第4時 来るべきユビキタス社会 (4)学習内容 PCの普及,I SDNや光通信の 整備に伴い,私た ちの生活は様変わ りしてきた。特に 最近ではその変化 が著しく,近い将 来,ユビキタス社会へ移りゆくことが考えられる。 ユビキタス社会の中心を担う生徒達にとって,便利 になる暮らしを体感するだけでなく,その仕組みを 正しく理解し,便利さの影に潜む問題点についても 考えることは重要である。 本単元では,生徒達自身を取り巻く社会の変化を 生活に近いところから感じさせながら,ユビキタス 社会を積極的に生き抜いていく姿勢を身につけさせ ることを学習の中心としている。 そこで,本単元では,まず,携帯電話の歴史につ いて学ばせ,生徒達が希望する携帯電話の付加機能 について考えさせた。音声だけでなく,動画を充実 させるなどの実際に備わっている機能の他,手軽に その土地の情報が得られる機能や映像に出てくる物 質の香りがするなどの機能を挙げる生徒が多く見ら れた。その後,ビデオで携帯電話をツールとしたユ ビキタス社会について視聴させた。また,ユビキタ ス社会を支える技術(μ-チップ)の実物を見せ, その仕組みについても学ばせた。実物を見せること によって,ビデオで見た社会の実現がすぐ近くの未 来にまで来ているということを実感させるためであ る。そして,生徒 自身にどのように 感じたか述べさせ るとともに,ユビ キタス社会の利便 性や問題点につい ても考えさせ,自 分自身が生きていく社会として,どんなことを大切 にしていくべきなのか意見を述べさせた。

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