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高知市北西部の第四系

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Academic year: 2021

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高 知 市 北 西 部 の 第 四l系

       満 塩 博 美 ● 甲 藤 次 郎      ’   ・       I.緒     言  近年,第四系についての知識はきわめて多く蓄積されてきた.高知市周辺の第四系についての研 究はまだ数少ないが,古くは三野(1931)の地形面に関する研究や西村ら(1941)の城山磯層につ いての記載があり,また,かつて著者のひとり甲藤(1954)は,高知市北方の万々層について記載 した.  最近,高知市周辺の丘陵地の宅地造成や道路の掘削によって,露頭が著しくましたので,高知市 周辺の第四系や平坦面についてのこれまでの調査をまとめてみた.  なお,基盤岩類については,甲藤・小島・沢村・須鎗(1960)の高知県地質鉱産図があり,また 高知平野の第四系にづいては,甲藤等(1966)による経済企画庁の5万分の1高知図幅(地形・表 層地質・土じょう)がある.       II.基 盤 岩 類  高知市周辺の第四系の基盤岩類は,主として秩父累帯の古生界および中生界よりなり,1部に蛇 紋岩および三滝火成岩類が露出する.  古生界は,主として南帯の虚空蔵山眉群(ペルム紀中世)および中帯の高岡層(ペルム紀中世)’・ 伊野眉(ペルム系?準片岩)であり,また中生層は中帯の下部白亜系および1部は四万十帯の白亜 系である.       ‘  虚空蔭山眉は,砂岩・頁岩のほかにチャートが多く,また石灰岩および凝灰岩をはさむ.高岡層 は,主として砂岩頁岩互層および凝灰岩よりなる.下部白亜系は,主として砂岩頁岩互層よりなる が,また篠岩および砂岩も発達している.四万十帯の白亜系は砂岩勝ちの互層である.基盤岩類の 分布は第1図にその大略を示す.       Ⅲ.第  四  系  A.地形而  高知市周辺には四国山脈南縁にそって段丘地形がよく発連している.これらは高位而・中位面・ 低位而である.高位面は主として侵蝕而であるが,一部には堆積平坦面も存在する.この而は高度 約40∼70mで中位而との比高は約10∼20mである.一部には侵蝕残丘の形状で高位而からつき出 してそびえているものもある.高位面の大部分はかなり開析されているけれども東西によく連続し ている.この高位而は九州では福岡市付近の高位而,有明海周辺では,吉田磯層などの構成する高 位面に比較できるだろう.  中位面も大部分が侵蝕面で構成されている.しかし,高位面と同様に一部には堆積面も存在する が,これはきわめて狭い範囲に限られている.中位而の高度は約20∼30mであり,低位而との比 高は約10mである.この而の分布は高位而ほど広くなくて高位面に連続したような形状であり, それらの境界がはっきりしていないところもある.中位面は,九州では中位の'I面とH面四二つに 細分されるが,これらは段丘堆積平坦而と阿蘇の新期溶結凝灰岩の形成する而との二段である.し かし,四国の西南日本外帯には洪積世の火山がなく,火山性噴出I物がないので,九州におけるよう に明瞭に2段には区分できない.

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54 高知大学学術研究報告 第15巻  自然科学 I 第7号  低位面は,ごく限られていて,その分布は狭い.高知市西方で見られる限りでは,すべて侵蝕面 である.この面は人工によって破壊されている場合が多い.そしてまた,孤立して分布している. 高度は約5∼15mで沖積面との比高は2∼10mである.この低位面は,九州では保田窪砂牒層や, 岱明咽(古川・満塩 1665)などの構成する低位段丘面に相当するであろう.  冲積百iは西方では高度約8mで,東に向って低くなり,国分川・浦戸湾の西岸では標高Om以下に なるところもある.これは沖砧平野であり鏡川・久万川などの河川か流れている高知平野である. ■ B. 10 序  前述したよう.に高知市付近には,平坦面がよく発達しているが,侵蝕面がこれらの大部分をしめ ており,堆猿面は少ない.つぎにこれらの堆積面を形成する地層について述べる.        (a)高位段丘篠眉……高iク4ミlTlj’j巳西方

第2図 地質柱状図

 南針木 (高位段11哩層) ・ . 大谷 万々 0 。

 ︱ !二心吊難鸚

 圀   /

 牒の種類は砂岩・チャート・三沌火成岩類などである. クスは赤色化している. の万々付近に分布する洪積層は,かつて 甲藤・中村(1954)によって万々層と呼 ばれたものである.  また,西方の城山付近に分布するもの は城山磯層と命名されている(西村ら, 1941). これらの地層はいづれも高位段 丘啼眉に相当するものである(第2図).  万々層は中万々およびその西方の岩ガ ラのすぐ南の鹿持雅澄の墓のある丘に分 布する.中万々のものは厚さ約10mであ り,まとして篠層で,その間に1枚づつ の厚い砂層とシルト眉をはさんでいる. ・シルト層には炭化した木片や草の根など の破片か多量に含まれている.木片には 表面のみ炭化し,内部はまだ新鮮なもの  もある.シルト眉の色は同一層準で灰色  から急に茶黄色に変化している.また, 褐鉄鉱の薄い脈のある層準も存在する.  最下部はCobble size の凛が卓越して おり,いわゆる半クサレの状態で亜円篠 状である. 最上部の磯層はPebble sizeでマトリッ  岩ガラ付近の高位段丘はやはり磯節を主とし,その間に約1mのシルト層を2枚はさんでいる. このシルト酒は灰色ないし灰黄色で万々のもののように炭化物は含んでいない.約10度の傾斜で東 に傾いている.層厚は約7.5mである.篠回は最下部はCobbleで,中部・上部はPebbleであ る.磯の種類は,頁岩・砂岩・チャート・三流火成岩類などである.構成磯は亜円陣ないし亜角磯 状の形状を呈している.高度・磯の構成種の類似・層位関係などから,これらのものはほぽ同一の ものであると考えられる.  また愛宕山の東麓と久万にも,これに相当する磯層がある.前者は層厚5m以上の磯層で東方に 傾斜し,大部分はCobble sizeのかなり円磨された磯からなっている.一部にはBoulderもあり, また一部には薄い砂層もパッチ状にはさまれている.この磯層はよく成層しており,マトリックス

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高知市北西部の第四系    (満塩・甲藤) 55・ ぱかなり赤色化していて,あま.り固結していない.久万の磯尼jは人工が加わって破壊されており, 正確な層序・層厚は不明である.磯は円磯∼.亜円磯状で,風化してクサリ磯となっている.  なお.高知市水道浄水所北方で,石鎚山神社西方の切割に蛇紋岩・砂岩の上に不整合に約2mの 磯層が存在し,間に30∼50Gmの泥質砂層を介在する.磯は下部はPebbleないしCobbleであ, り,上部はGranuleないしPebbleである.磯はかなり円磨されており,亜円磯状である.磯種 は砂岩・頁岩である.5度の傾斜で南西方に傾いている.磯はかなりくさっており,マトリックス は茶褐色である.高度や層序関係から考えて高位段丘砂磯層と思われる.  城山磯層は,高知市西部の朝倉付近に広く分布している.全体として西方にうすくなり,扇状地 状の形態である.国道33号線沿いの朝倉西方城山北麓の岩ノ前では,高位段丘磯層の堆積している 基盤との不整合面の高度は約20mである.牒はほとんど全部チ十−トからなり, Cobble size のも の以外はすべて風化してボロボロの状態であり,いわゆるクサリ磯層である.朝倉神社付近ではチ ャートの他に変成岩磯か2,3見られる.マトリックスも万々層最上部の磯層と同様に赤色化し ている.この篠層は城山東麓,高知大学西方では約50 cm のシルト層をはさんでいる.農業試験場 付近のものも同様にマトリックスの赤色化したクサリ篠である.これはさらに南方の大谷では基盤 のチャートの上に不整合に高位段丘のクサレ磯層がのり,この上部に中位段丘磯層がのっている.   (b)中位段丘磯層……I:│:1ぢ£段丘磯層は,前述したように大谷の塵芥処理場付近で見られる.磯 はよく円磨さ・れており,まだ固結しておらず,5∼20 cmくらいのPebble sizeである.との礦層 は東方に傾斜しており,東に向かって厚くなっている.磯はチ十一卜がほとんど大部分をしめてお り,マトリックスは少なく,褐色である.この磯尼と上部は同じと考えられるものか,大谷西方に 分布しているが,ここの磯層はチャートのBlockやPebbleのほかにシルトのパッチを部分的に はさんでいる.マトリックスはやわらかく,黄色である.しかし,この磯層の下部はしだいに角磯 状になっている.ここでは,大谷の中位段丘篠層を大谷層と仮称する.   (c)低位段丘……イ氏位崩は中山東方,鵜来巣山東方のかけぽく山,朝倉南横町付近,神田付近 その他に散点的に分布している.しかし,これらはいづれもチャートの岩盤であり,堆積物はのっ ておらず侵蝕面である.   (d)沖積平野……高知平野の未固結堆積物は,シルト∼粘土尼ト砂層・磯層および火山灰層に 大別される.平野面の高度は東方に向かってしだいに低くなっている.高知平野の中心部では,地 表面下20∼30m内外に著しい磯層かおり,その上位に有機物にとむ粘土層あるいは腐植上層が発達 する.この牒層以下が洪積層であり,地表からこの磯層の上位の地層までが沖積層である.  火山灰層は,高知平野の中心部では,地表面下5∼7m内外にあって,厚さは1m内外である. 高知周辺地域の所々に分布する「おんじ」とよばれる火山灰層は,前述の火山灰層とほぽ同層準で あろう.  高知平野地下の火山灰層および土佐山田の「赤おんじ」の重鉱物組成を示すと次のようになる. 含凛量含砂蚤含泥m

ミP泡

磁鉄砿 しそ輝石 角閃石 抑 石 ジルコン その他 火山灰眉 赤おんじ   %  %  %  0  0.7 99.3 1.3 16.3 82.4  % 1.2 0.4   % 50.0 34.5   % 23.9 30. 1   % 8.5 24.3   % 6.8 3.2   % 7.4 4.9   % 3.4 3.0  これから明らかなように,火山灰はきわめて細粒であり,磁鉄砿が50%をしめており,次にしそ 輝石か多い.丁赤おんじ」は高知平野の火山灰より粗粒であり,重鉱物組成は磁鉄鉱・しそ輝石・ 普通角閃石が多い.これは九州の八女台地に分布する八女粘土層中の褐色軽石質ローム(郷原ら, 1964)に近い〔ノ呟粘土居は新扉郷総結凝灰岩(14C=3バ3000±j州)の同時異相である〕. た

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56 高知大学学術研究報告 第15巻  自然科学 I 第7号 -だし,八女のものにはジルコンは含まれていないのが相違点である.今後高知平野部地下の火山灰 層や「赤おんじ」について詳細に研究する必要がある.  なお,土佐山田の「黒おんじ」と呼ばれるものの重鉱物組成を付記すると,磁鉄鉱65.3^,普通 角閃石16.7^,しそ輝石9.1%,ジルコン4.5%・その他kA96である.この「黒おんじ」の試料に はチャ.T卜の岩片が多く混入しているが,筑後平野・福岡平野などに分布する黒色土に類似してお り,火山灰と云うよりむしろ黒色土と言うほうが妥当のようである. IV.結 語  高知市西方の段丘については,現在つぎの事項か明らかとなった.  1.高知市北西部には,高位・中位・低位の三段の平坦面および冲積平野か存在する.各平坦面 のそれぞれの高度は40∼70 m, 20∼30 m, 5∼10mである.  2.高位面は主として侵蝕面で,一部堆渋面が存在する.この分布範囲は高知市北西方の万々付 近・岩ガラ付近および西方の朝倉城山付近と針木付近である.また,愛宕山東麓にも分布している.  3.高位段丘磯層は万々層および城山磯層であり,いづれもマトコJツクスの赤色化したクサリ磯 層である.一部にシルトJ凹を介在している.  4.中位段丘はほとんど大部分か侵蝕平坦而であり,ごく一部に堆猿面が存在する.これは高知 市西方の大谷に分布しており,大谷層と仮称する.  5.低位面は侵蝕面のみである.      へ 有明海研究グループ(1965) 古片時恭・満塩博美(1965)   83∼100頁.        文      献 : 有明・不知火海域の第四系1地団研専報11号. : 熊本県長洲町付近の第四系.九大理学部研報,地質学之部,8巻,2号, 郷原保真・新堀友行・鈴木康司・野村哲・小森長生(1964): 北九州の第四紀層に関する諸問題.資源科   学研究所彙報,62号,83∼108頁. 甲藤次郎・中村純(1953): 花粉分析と新生代Ii3 (1).植物生態学会報,3巻,1号,14∼16頁. ・ (1954): 花粉分析と新生代J3 (2),讃岐財田及び高知市万々付近の新生代層について. 植物生態学会伽,3巻,4号, 162∼166.頁 ・小島丈二・沢村武川・須鎗和巳(1960, 1961) : 20万分の1高知県地質鉱産図および説明昏 ・須鎗和巳その他(1966): 5万分の1高知図幅,経済企画庁. (昭和41年9月30日受理) 小林貞- (1950):四国地方,日本地方地質誌.朝倉書店. 三野与吉(1931): 高知市付近における侵蝕面の対比と土佐湾東半部の海岸地形誌.地学雑誌,43巻, 507   号, 257∼267頁. 西村嘉助・奥村和夫・山本荘毅(1941)高知市西方の城山渫層について.地質雑, im, 574号, 363∼364   頁.

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高知市北西部の第四系     (満塩・甲藤) abstract

Quaternary System of the Northwestern Part

    ofKochi City, Shikoku, Japan

    HiromiMiTSUSHIO and JiroKatto

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 The Quaternary System distributed in the northwestern part of Kochi City is summarized as follows :

 D The higher terrace is mainly a rocky one, and is partly covered with weathered gravels or the so-called Kusari-reki (corroded gravel). This terrace shows good development and is distributed in east to west direction. ,

 2)The middle terrace is also a rocky one) but with a gravel bed of restricted dis-tribution.      。

 3)The lower terrace is also a rocky one.

 4) The Alluvial deposits of the Kochi p】ain, slightly declines from west to east in the main part of Kochi city. The p】ain is composed of gravel, sand,・mud and partly volcanic

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︵喫毬叫部包岨︶mwvm: s   ︵唖錨函⋮﹃斟赳唯﹄喫驚七黛︰の ほ織9む4り‘柊容罷 心−呻 ︵四、恵山.硲赳荏︶画咄々 巨織り Pi ^ 2) g Y-坂匈覇頌︰凶 6−呻 ︵司鮑函﹁圀趙巡﹂唖々同︰吝 嘔織りむ4坦々同 コー陸

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参照

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