2015.10.6.
宿題
17
提出期限:10.13の講義開始時.
問題
1. S, T をフィルトレーション{Fn}に関する停止時刻とし,S ≤ T とする.また,
Hn =
1 if S < n ≤ T 0 otherwise
とおく.このとき,{Hn}は可予測であることを示せ.また,この結果を使って,{Xn}が 優マルチンゲールなら,
E[XT ∧n] ≤ E[XS∧n], ∀n ≥ 0
が成り立つことを示せ.
2.-6. Durrett 5.2.11, 5.2.13, 5.2.14, 5.3.1, 5.3.2.
7. (Azumaの不等式) この問題の目標は,次のAzumaの不等式 を証明することである*1.
Theorem (Azuma (1967)). {Xn}をフィルトレーション{Fn}に関するマルチンゲール とし,ある数列cn > 0が存在して,|Xn− Xn−1| ≤ cn a.s. (∀n ≥ 1)が成り立っていると する.このとき,任意のλ > 0に対して,
P (Xn− X0≥ λ) ≤ e−
λ2 2∑ni=1c2
i (*)
が成り立つ.
以下の手順に従い,定理を証明せよ.
(a) ξをξ ∈ [−1, 1]なるr.v.とし,E[ξ] = 0を仮定する.このとき,任意のt ∈ Rに対し て,E[etξ] ≤ et2/2を示せ.ヒント:E[etξ] ≤ 12et+ 12e−tを示せ.
(b) (a)の結果を使って,E[et(Xn−X0)| Fn−1] ≤ et(Xn−1−X0)et2c2n/2を示せ. (c) (b)の結果を使って,(*)を導出せよ.
*1Azuma-Hoeffdingの不等式と呼ばれることもある.
1
8. (McDiarmidの不等式)各i = 1, . . . , nに対して,Xiを可測空間(Si, Si)に値をとるr.v.と し,X1, . . . , Xnは独立とする.f :∏ni=1Si→ Rを(∏ni=1Si)/B可測な関数であって,あ る定数c1, . . . , cn > 0が存在して,任意のi = 1, . . . , nとxi, x′i∈ Siに対して,
sup
x1,...,xi−1,xi+1,...,xn
|f (x1, . . . , xi−1, xi, xi, xi+1, . . . , xn)−f (x1, . . . , xi−1, x′i, xi+1, . . . , xn)| ≤ ci
が成り立つとする.このとき,Y = f (X1, . . . , Xn)とおくと,Y は可積分であって,任意 のλ > 0に対して,
P (Y ≥ E[Y ] + λ) ≤ e−
λ2 2∑ni=1c2
i
が成り立つことを示せ.ヒント:Azumaの不等式を使う.
問題7と8に現れる不等式は,集中不等式と呼ばれる不等式の一例である.集中不等式は数理統 計学や理論計量経済学の研究において極めて重要な役割を果たす.集中不等式に関する平易な教科 書として,Boucheron et al. (2013)を挙げておく.
参考文献
Azuma, K. (1967). Weighted sums of certain dependent random variables. Tohoku Math. J. 19357-367.
Boucheron, S., Lugosi, G., and Massart, P. (2013). Concentration Inequalities: A Nonasymp- totic Theory of Independence. Oxford University Press.
2