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平成29年度 第23回 ディスクロージャー優良企業選定報告書 優良企業選定結果(本年度受賞企業)|日本証券アナリスト協会

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(1)

証券アナリストによる

ディスクロージャー優良企業選定

(平成 29 年度)

平成 2910

ディスクロージャー研究会

(2)

ディスクロージャー研究会委員

座 長 許斐 潤 野村證券

座長代理 伊藤 敏憲 伊藤リサーチ・アンド・アドバイザリー

河村 哲孝 明治安田生命保険

北山 信次 明治安田アセットマネジメント

津田 和徳 大和証券

中熊 靖和 野村アセットマネジメント

森田 正司 岡三証券

横沢 泰志 みずほ銀行

(五十音順)

ディスクロージャー研究会各専門部会長

建設・住宅・不動産 水谷 敏也 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

食 品 佐治 広 みずほ証券

化 学 ・ 繊 維 竹内 忍 SMBC 日興証券

医 薬 品 田中 洋 みずほ証券

石 油 ・ 鉱 業 塩田 英俊 元 SMBC 日興証券

鉄 鋼 ・ 非 鉄 金 属 山口 敦 SMBC 日興証券

機 械 齋藤 克史 野村證券

電 気 ・ 精 密 機 器 嶋田 幸彦 SMBC 日興証券

自動車・同部品・タイヤ 北山 信次 明治安田アセットマネジメント

電 力 ・ ガ ス 新家 法昌 みずほ証券

運 輸 一柳 創 大和証券

通 信 ・ イ ン タ ー ネ ッ ト 増野 大作 野村證券

商 社 成田 康浩 野村證券

小 売 業 小場 啓司 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券

銀 行 高井 晃 大和証券

コ ン ヒ ゚ ュ ー タ ー ソ フ ト 上野 真 大和証券

広 告 ・ メ テ ゙ ィ ア ・ ケ ゙ ー ム 前田 栄二 SMBC 日興証券

新 興 市 場 銘 柄 納 博司 いちよし経済研究所

個人投資家向け情報提供 西澤 隆 野村證券

(3)

1

はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

ディスクロージャー優良企業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

高水準のディスクロージャーを連続維持している企業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

ディスクロージャーの改善が著しい企業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

各 専 門 部 会 報 告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

建設・住宅・不動産 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

食 品 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

化 学 ・ 繊 維 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

医 薬 品 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30

石 油 ・ 鉱 業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36

鉄 鋼 ・ 非 鉄 金 属 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

電 気 ・ 精 密 機 器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50

自 動 車 ・ 同 部 品 ・ タ イ ヤ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60

電 力 ・ ガ ス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67

運 輸 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73

通信・インターネッ ト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80

商 社 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87

小 売 業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 93

銀 行 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100

コンピューターソフ ト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 106

広 告 ・ メ デ ィ ア ・ ゲ ー ム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112

新 興 市 場 銘 柄 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 119

個人投資家向け情報提供 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 126

- 1 -

(4)

2

は じ め に

日本証券アナリスト協会ディスクロージャー研究会は、企業情報開示の促進・向上を目

的として、 「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」制度を平成 7 年度

からスタートさせましたが、 このほど平成 29 年度 (第 23 回) の選定結果がまとまりまし

た。

本制度における業種ごとの優良企業選定は、 当初は 7 業種を評価対象としてスタートし

ましたが、 その後対象は漸次増加し、 これまでに評価対象とした業種は 17 となりました。

本年度は、建設・住宅・不動産、食品、化学・繊維、医薬品、石油・鉱業、鉄鋼・非鉄金属、

電気・精密機器、 自動車・同部品・タイヤ、 電力・ガス、 運輸、 通信・インターネット、 商社、

小売業、銀行、コンピューターソフト、広告・メディア・ゲームの 16 業種を評価対象とし

ています。

また、平成 17 年度から開始した、新興市場銘柄および個人投資家向け情報提供におけ

る優良企業選定を本年度も継続しています。

当研究会は、今後もこの制度による優良企業の選定を通じて企業情報開示の促進・向上

に寄与して参りますので、関係各方面のご理解とご支援をお願いします。

- 2 -

(5)

3

ディスクロージャー優良企業

各業種毎に第 1 位、新興市場銘柄および個人投資家向け情報提供において各々上位

3 位の評価を受けた企業に表彰盾を贈呈することとしました。

〔業種別〕

建 設 ・ 住 宅 ・ 不 動 産 大 東 建 託 ( 7 回連続 8 回目 )

食 品 アサヒグループホールディングス ( 1 3 回 目 )

化 学 ・ 繊 維 三 井 化 学 ( 2 回連続 2 回目 )

医 薬 品 塩 野 義 製 薬 ( 初 受 賞 )

石 油 ・ 鉱 業 コスモエネルギーホールディングス ( 初 受 賞 )

鉄 鋼 ・ 非 鉄 金 属 住 友 金 属 鉱 山 ( 7 回連続 7 回目 )

電 気 ・ 精 密 機 器 日 本 電 産 ( 6 回 目 )

自 動 車 ・ 同 部 品 ・ タ イ ヤ S U B A R U ( 4 回連続 4 回目 )

電 力 ・ ガ ス 東 京 瓦 斯 ( 6 回連続 11 回目 )

運 輸 A N A ホ ー ル デ ィ ン グ ス ( 2 回連続 3 回目 )

通 信 ・ イ ン タ ー ネ ッ ト 日 本 電 信 電 話 ( 3 回連続 3 回目 )

商 社 三 井 物 産 ( 2 回 目 )

小 売 業 J . フ ロ ン ト リ テ イ リ ン グ ( 初 受 賞 )

銀 行 三 菱 U F J フ ィ ナ ン シ ャ ル ・グ ル ー プ ( 4 回連続 6 回目 )

コ ン ピ ュ ー タ ー ソ フ ト 野 村 総 合 研 究 所 ( 9 回 目 )

広 告 ・ メ デ ィ ア ・ ゲ ー ム リ ク ル ー ト ホ ー ル デ ィ ン グ ス ( 初 受 賞 )

- 3 -

(6)

4

〔新興市場銘柄〕

フ ロ イ ン ト 産 業 ( 初 受 賞 )

セ リ ア ( 4 回連続 4 回目 )

エ ン ・ ジ ャ パ ン ( 3 回 目 )

〔個人投資家向け情報提供〕

ア サ ヒ グ ル ー プ ホ ー ル デ ィ ン グ ス ( 2 回連続 4 回目 )

シ ス メ ッ ク ス ( 5 回連続 5 回目 )

三 菱 U F J フ ィ ナ ン シ ャ ル ・ グ ル ー プ ( 3 回連続 3 回目 )

- 4 -

(7)

5

高水準のディスクロージャーを連続維持している企業

本優良企業選定制度において直近 3 回連続して第 2 位または第 3 位の評価を受けた次

5 社を高水準のディスクロージャーを維持している企業として称賛状を贈呈すること

としました。

ディスクロージャーの改善が著しい企業

デ ィ ス ク ロ ー ジ ャ ー の 改 善 が 著 し い と 評 価 さ れ た 次 の 3 社 に 称 賛 状 を 贈 呈 す る こ と

としました。

食 品 日 本 ハ ム

化 学 ・ 繊 維 住 友 化 学

石 油 ・ 鉱 業 J X T G ホ ー ル デ ィ ン グ ス

通 信 ・ イ ン タ ー ネ ッ ト N T T ド コ モ

商 社 双 日

食 品 日 清 食 品 ホ ー ル デ ィ ン グ ス

鉄 鋼 ・ 非 鉄 金 属 古 河 電 気 工 業

小 売 業

セ ブ ン & ア イ ・ ホ ー ル デ ィ ン グ ス

- 5 -

(8)

6

ディスクロージャー研究会 座 長 許 斐 潤

本ディスクロージャー優良企業選定は本年度で23回目を迎えたが、その概要は次のとおりである。

1.評価対象

(1) 業種別については、東証一部の上場株式時価総額上位企業を基準として、建設・住宅・不動産(16社)、食品

22社)、化学・繊維(18社)、医薬品(19社)、石油・鉱業(6社)、鉄鋼・非鉄金属(14社)、電気・精密機器(21 社)、自動車・同部品・タイヤ(19社)、電力・ガス(14社)、運輸(19社)、通信・インターネット(13社)、商社

7社)、小売業(20社)、銀行(14社)、コンピューターソフト(13社)、広告・メディア・ゲーム(19社)の 16業種合計254社を対象とした。

(2) 新興市場銘柄については、ジャスダック、マザーズ、セントレックス、Q-Boardおよびアンビシャスの5つの 市場に上場している企業の中で、時価総額が上位であって、かつその企業を調査対象としているアナリストの数 が一定数以上の28社を対象とした。このうち12社は前回からの継続評価、5社は前々回以前に対象としたこと のある企業の再評価、11社は新規評価である。

(3) 個人投資家向け情報提供については、本年度のディスクロージャー優良企業選定対象である各業種(16業種) および新興市場銘柄についての選定結果における上位1割(小数点切上げ)のうち、平成287月から296 月までの間において、「個人投資家向け会社説明会」を開催している24社を対象とした。内訳は、前回に引き続 き対象となった企業が15社、前々回以前に対象としたことのある企業の再評価が5社、新規企業が4社である。 (4) 評価対象としたディスクロージャーの期間は、原則として、平成287月から平成296月までの間であ

る。

2.評価方法等

(1) 業種別評価基準は、各業種共通項目として、(a) 経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基本スタンス、 (b) 説明会、インタビュー、説明資料等における開示、(c) フェア・ディスクロージャー、(d) コーポレート・ ガバナンスに関連する情報の開示、(e) 各業種の状況に即した自主的な情報開示、の5つの分野から成って いる。各分野の配点(計100点満点)については、ディスクロージャー研究会本会が一定の配点枠を定めて いるが、本年度、上記(b)(d)(e)の分野について配点枠を変更し(注)、本会の下に設置された業種別の各専門 部会がその配点枠内で評価項目と配点を設定した。

(注)変更前後の配点枠は以下のとおり。

② 業種別の専門部会の中には、金融商品取引法の改正により今後導入されるフェア・ディスクロージャー・ ルール等により、企業から開示される情報がより限定的になる懸念があることを踏まえ、「開示の後退があ りませんか」、「適切なレベルの情報開示を維持または改善していますか」といった質問項目を新設または追 加した専門部会が多く見られた。また、制度導入後2年目となったコーポレートガバナンス・コードについ て、「進捗状況」を含めた説明状況を評価する質問項目に変更したほか、「統合報告書」という言葉を「自主 的な情報開示」内の評価項目に付け加えた専門部会も多く見られた。

評 価 分 野 変更後の配点枠 変更前の配点枠 (b) 説明会等 25点~5030点~60点 (d) コーポレート・ガバナンス関連 10点~2510点~20点 (e) 自主的情報開示 5点~258点~30

- 6 -

(9)

-7-

各専門部会 決定 業種別評価基準 基 証券 経験 数3 以 当 業種担 当概 2 以 過去1 間 当 企業 接触回数 要件 4回以 自主申告

満 い 者 延 458 評価 行

(2) 新興市場銘柄 い 記(1) (a) (d) 加え 各業種 状況 即 自主的 情報開示

今 新設 11 目 評価 目 設定 評価基準 基 当 企業 情報開示 関 ン

実績 あ 63 評価 行

(3) 個人投資家向 情報提供 個人投資家向 会社説明会 開催等 開示 等 業報告書等 内容 316 目 評価 目 設定 評価 目 う 5

い 各評価対象企業 実関 関 ン 調査 実施 そ 回答結果 基 評点 付

残 11 目 い 証券会社 い 個人投資家向 情報提供 携わ い 構

成 い 個人投資家向 情報提供専門部会 委員15 評点 付 最終評価 両者 評点 合算 行

(4) 評価結果 各専門部会 18部会 127 委員 各部会

告書 行 当研究会 報告書 基 優良企業 び 高水準

連 維持 い 企業 改善 著 い企業 選定 行

.評価結果

評価結果 細 後掲 各専門部会 報告 示 あ そ 概要 次 あ

(1) 業種別 評価 均点 建設 宅 動産69.0点 前回68.1点 食品67.6点 前回66.3点 学・繊維73.8点 昨 73.2点 医薬品72.1点 前回72.7点 石油・鉱業68.7点 昨 67.5点 鉄 鋼・非鉄金属72.3点 昨 72.2点 電気・精密機器74.2点 昨 74.8点 自動車・ 部品・ 69.9 点 昨 66.0点 電力・ガ 63.4点 昨 63.7点 運輸65.4点 昨 66.4点 通信・ ン ネ ッ 69.0点 昨 68.9点 商社73.3点 昨 72.7点) 売業76.8点 昨 73.1点 銀行77.0

昨 75.7点 ン ソ 68.0点 昨 65.4点 広告・ ・ 63.3点 昨 62.2点 全評価対象企業 評価 均点 70.2点 昨 69.3点 あ 注1 本 述 情報開示 後退懸念 い 各業種別専門部会 評価結果

審議や 評価 行 意見等 総合的 案 各業種 位企業 い 情報開示

後退 ほ い 全体 次情報 開示や ン

企業 あ 情報開示 後退 散見 い ガ ン い 説明状

況 総 改善 い 位 評価 企業 統合報告書 作成 例 多い

注1 水準 い 評価 目 増減や内容 修 配点 見直 対象企業 追加 削減 い 点等 考慮 必要 あ 一概 数値 増減 昨 比較 難 い 加 え 業種間 評価 目 内容や 異 業種間 比較 意味 い

(2) 新興市場銘柄 評価 均点 62.4点 昨 58.4点 あ 注2

評価実施 意見 見 経営陣自 IR 行 い 組姿勢や IR部門 対応 い 評価 声や 業種 状況 応 開示や 決算説明会以外 開示 自主的

積極的 組 企業 評価 声 あ 一方 ガ ン 関連 2

資本政策 株主還元策等 開示 経営機構 経営資源 び内部統制 い 得点率 多数 企業 概 20 50%台以 今後 改善

注2 本 評価対象企業28社中 再評価5社 新規評価11社 含 い 案

一概 数値 増減 昨 比較 難 い

(10)

8

(3) 個人投資家向け情報提供部門の評価対象企業の評価平均点は73.7点(昨年度73.2点)であった。(注3) 個人投資家向け会社説明会の内容をホーム・ページに掲載している企業(17社)の内、配付資料に加え動画 掲載又は音声配信により視聴等ができる企業が13社(76%)あるなど、多くの評価対象企業が個人投資家に 対する情報提供を充実するための努力を行っている様子がうかがえた。

また、「統合報告書」において、代表取締役が自社の長期ビジョン、中期経営方針、注力テーマについて方針 を語っており投資家にとって有意義であることや、財務・非財務情報がコンパクトにまとめられていることが 評価された企業もみられた。

(注3)本年度は評価対象企業24社中、再評価5社と新規評価4社が含まれていることなどを勘案すると、 一概に数値の増減だけで昨年度と比較することは難しい。

(4) 全体を通してみれば、企業による情報開示は基調的には向上傾向にある。しかし、フェア・ディスクロージ ャー・ルールの導入等に伴い、情報開示の後退のおそれがあることから、当研究会としては、そうならないよ うに、企業に対しフィードバック等の際に働きかけていきたい。

最後に、本年度の評価作業には、各専門部会委員およびそれ以外の多数の経験豊富なアナリストが参加されたが、い ずれも多忙を極める中で、企業ディスクロージャーの促進・向上を目指し、真摯な姿勢で精力的な作業に当たっていた だいたことに対し、ここに深甚なる感謝の意を表したい。

- 8 -

(11)

9

【各専門部会報告】

18 部会

(注1)社名は平成 291011 日現在の登記社名に統一。

(注2)評価実施アナリストの所属会社名は原則として評価実施時点

( 平成 29 6 ) で統一。

- 9 -

(12)

10

建設・住宅・不動産

1.評価対象企業(16社)

大成建設、大林組、清水建設、長谷工コーポレーション、鹿島建設、大東建託、大和ハウス工業、 積水ハウス、東急不動産ホールディングス、TOTOLIXILグループ、リンナイ、三井不動産、 三菱地所、東京建物、住友不動産

(証券コード協議会銘柄コード順)

2.評価方法等

1 評価基準(スコアシート)の構成および配点

評価分野 下記本文中の略称

評価 項目数

配点

①経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基 本スタンス

経営陣のIR姿勢等 4 25

②説明会、インタビュー、説明資料等におけ る開示

説明会等 7 33

③フェア・ディスクロージャー フェア・ディスクロージャー 5 17

④ コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 連 す る 情 報 の開示

コーポレート・ガバナンス関連 3 13

⑤各業種の状況に即した自主的な情報開示 自主的情報開示 3 12

22 100

(注)評価項目の内容および配点は14頁参照

2 評価実施(スコアシート記入)アナリストは31名(26社)である。(15頁参照)

3.評価結果

1)総括(「ディスクロージャー評価比較総括表」(13頁参照)

① 当業種は、優良企業の選定を平成28年度休止し、本年度再開した。従って、本年度において比較参照する過 去の数値は同27年度の数値(以下「前回」という。)である。本年度は、経営陣のIR姿勢等において内容変 更1項目、説明会等において削除1項目、内容・配点変更2項目、フェア・ディスクロージャーにおいて内容 変更3項目、コーポレート・ガバナンス関連において内容変更2項目(併せて1項目の項目名も変更)、自主的 情報開示について内容変更3項目を行い、評価を実施した。このため、前回と同列には比較できないが、本年 度の総合評価平均点は69.0点(前回68.1点)となった。また、対象企業の総合評価点の標準偏差は5.6点(前 回6.9点)であった。

② 業態別の評価平均点を比較すると、高得点順に、住宅・不動産(9社:長谷工コーポレーション、大東建託、 大和ハウス工業、積水ハウス、東急不動産ホールディングス、三井不動産、三菱地所、東京建物、住友不動産 ): 70.5点(前回同点)、建設(4社:大成建設、大林組、清水建設、鹿島建設):67.1点(前回66.2点)、住宅設 備(3社:TOTOLIXILグループ、リンナイ):67.1点(前回63.9点)となった。前回に比べ住宅設備がや や改善し、業態間の差は縮小した。

5つの評価分野毎に平均得点率(評価対象企業の平均点/配点〈以下省略〉)を見ると、経営陣のIR姿勢等が 72%(前回69%、説明会等が69%(前回71%)、フェア・ディスクロージャーが73%(前回72%)、コーポレ ート・ガバナンス関連が62%(前回60%)、自主的情報開示が64%(前回62%)となり、説明会等を除く4分 野において前回の水準をわずかに上回った。

- 10 -

(13)

11

④ 評価項目を見ると、全22項目のうち、次の2項目が平均得点率で80%以上となり、大半の企業において80% 以上の高い得点率(評価点/配点〈以下省略〉)の評価となった。

(a) 「四半期ごとに業績動向に関する説明会または電話会議を開催していますか」(平均得点率82%、得点率: 10013社)

(b) 「経営陣およびIR部門が情報開示に際し、不公平や混乱が生じないよう十分な注意を払っていますか」(平 均得点率81%、得点率:80%台11社)

⑤ 一方、次の項目は、平均得点率が最も低く、約半数の企業で50%以下の得点率に留まった。平均得点率に満 たない企業においては今後の改善が強く望まれる。

「説明会または電話会議のリプレイは、電話やウェブキャストで迅速かつ十分な期間の視聴等が可能 ですか」

(平均得点率58%、得点率:101社・301社・403社・502社)

なお、「経営分析に必要かつ重要な情報開示の継続性に配慮がなされ、維持・改善されていますか」と質問を 実質的に新設したところ、平均得点率は70%(得点率:50%台1社・60%台7社)となった。平均得点率に満 たない企業については今後の改善が望まれる。

2 上位3企業の評価概要

1位 大東建託(ディスクロージャー優良企業〔7回連続8回目〕、総合評価点79.8点〔前回比-1.8点〕)

① 同社は、説明会等(得点率〈以下省略〉80%)、フェア・ディスクロージャー (81%)、コーポレート・ガバナ ンス関連(78%)が第1位、経営陣のIR姿勢等(84%)、自主的情報開示(73%)が第2位となった。

② 経営陣のIR姿勢等においては、経営陣が説明会又はミーティングに出席し、現況を伝えようとする前向きな 姿勢や投資家・アナリストとの対話を経営に活かしているなど、経営陣のIR姿勢が高く評価された。また、IR 部門に十分な情報が集積されており、担当者と有益なディスカッションができることなど、同部門の機能が充実 していることも高い評価を受けた。さらに、経営分析に必要かつ重要な情報開示の継続性に配慮がなされている など、IRの基本スタンスも高く評価された。

③ 説明会等においては、短信および説明会資料等において、実績および計画を明記し、理解を深めるような十分 な説明がなされているほか、質疑に対する会社側の回答が十分満足できるなど、説明会、インタビューにおける 開示について高い評価を受けた。また、説明資料に部門別の受注または売上見通しが記載され、かつ部門分けが 業態に即していること、部門別の利益率の実績と見通しが十分に開示されていることなど、詳細で充実している 説明資料における開示が評価された。さらに、四半期決算の内容の理解に必要な補足情報に加えて、タイムリー な話題の掲載などにより、十分に開示されている点も高い評価を受けた。

④ フェア・ディスクロージャーにおいては、情報開示に際し、不公平が生じないよう配慮して説明会の質疑応答 の要旨をホーム・ページで情報提供している点や、投資家にとって重要と判断される月次受注の開示が充実して いることで総じて高い評価となった。

⑤ コーポレート・ガバナンス関連においては、具体的な株主還元策の数値目標を明示している点が高い評価を受 けた。

⑥ 自主的情報開示においては、「ストラテジーレポート」や統合報告書の内容が充実していることや、粗利益率 の増減要因が開示されていることも評価された。

これら同社の努力と姿勢は、ディスクロージャーのさらなる進展のために他の企業の模範となると認められる ので、同社を本年度の当業種における優良企業として選定した。

2位 大和ハウス工業(総合評価点77.5点〔前回比+0.4点〕、前回第3位)

① 同社は、自主的情報開示が第1位(74%)、フェア・ディスクロージャー(79%)、コーポレート・ガバナンス 関連(73%)が第2位、経営陣のIR姿勢等(80%)、説明会等(78%)が第3位となった。

- 11 -

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12

② 経営陣のIR姿勢等においては、定期的に経営方針説明会を実施しており、経営陣が投資家、アナリストと対 話しようとする積極的なIR姿勢が評価されたほか、IR部門に十分かつ正確な情報が集積されており、IR担当 者と有益なディスカッションができることなど、同部門の機能が充実していることも高い評価となった。さらに、 経営分析に必要かつ重要な情報開示の継続性に配慮がなされているなど、IRの基本スタンスも高く評価された。

③ 説明会等においては、決算説明会等の質疑応答において誠実に回答していることなど、説明会、インタビュー における開示が評価された。また、部門別の受注または売上見通しが記載され、かつ部門分けは業態に即してい ることや、部門別の利益率の実績と見通しに加えて、必要な補足情報が十分に開示されていることなど、説明資 料等における開示も評価された。

④ フェア・ディスクロージャーにおいては、決算説明会資料や期中のデータが公平かつタイムリーに提供されて いるなど、この分野全体について総じて高い評価を受けた。

⑤ コーポレート・ガバナンス関連においては、資本政策、株主還元策が客観的かつ合理的に説明されているなど、 資本政策、株主還元策が評価された。

⑥ 自主的情報開示においては、工場見学会などを積極的に実施していることや、統合報告書が評価された。

3位 長谷工コーポレーション(総合評価点76.0点〔前回比-1.5点〕、前回第2位)

同社は、経営陣のIR姿勢等が第1位(86%)、説明会等が第2位(79%)、フェア・ディスクロージャーが第 7位(74%)、コーポレート・ガバナンス関連が同得点第7位(63%)、自主的情報開示が同得点第9位(64%) となった。

経営陣のIR姿勢等においては、業績にかかわらず経営トップが積極的に説明会等に対応しているほか、業界 動向まで含めて丁寧に説明し、質問に対する回答も的確であることなど、経営陣の IR姿勢が高く評価された。 また、IR部門に十分情報が集積されており、担当者と有益なディスカッションができることに加えて、部門別 取材対応や定期的なマンション市場説明会の実施等、IR部門の機能が充実している点も高い評価を受けた。さ らに、経営分析に必要かつ重要な情報開示の継続性に配慮がなされているなど、IRの基本スタンスも高く評価 され、この分野でトップの得点率となった。

③ 説明会等においては、短信および説明会資料等において実績および計画を明記し、理解を深めるような十分な 説明の数値や、文言の理解を深めるような十分な説明を行っている点に加え、質疑応答が満足できることなど、 説明会、インタビューにおける開示について評価された。また、 説明資料に部門別の利益率の実績と見通しが 十分に開示されているほか、部門別の受注および売上見通しが記載され、かつ部門分けが業態に即している点、 資料がコンパクトで分かりやすいなど 、説明資料等における開示も高い評価となった。さらに、四半期ごとの 説明会資料が分かりやすく、決算発表当日の電話会議が有益であることも高く評価された。

3 上記以外の企業についての特記事項

〇 LIXILグループ(総合評価点69.7点〔前回比+6.0点〕、第7位〔前回第11位〕)

① 同社は、フェア・ディスクロージャーが第 3位(79%)、自主的情報開示が同得点第4位(68%)、経営陣の IR姿勢等が同得点第5位(72%)、コーポレート・ガバナンス関連が同得点第7位(63%)、説明会等が同得点 第11位(67%)となり、全ての評価分野の得点率が前回を上回った。なお、全評価項目中、前回と比較可能な 13項目のうち12項目の得点率が改善し、総合評価点および順位の上昇(総合評価点および順位の上昇幅ともに 第1位)につながった。

特に、次の2項目において得点率が著しく改善し、順位も上昇した。

(a) 経営陣のIR姿勢に関する評価項目「社長は説明会またはミーティングに出席し、実質的な討議に参加し ていますか」(得点率84%(前回比+6ポイント)、同得点第2位(前回同得点第7位))

(b) フェア・ディスクロージャーへの取組姿勢に関する評価項目「投資家にとって重要と判断される事項の適 時開示は迅速に行われていますか」(得点率80%(前回比+10ポイント)、第2位(前回同得点第10位))

- 12 -

(15)

評価点 順位 評価点 順位 評価点 順位 評価点 順位 評価点 順位

1 (1878) 大東建託 798 209 2 2 3 1 137 1 101 1 88 2 1

2 (1925) 大和ハウス工業 775 200 3 25 3 135 2 95 2 89 1 3

3 (1808) 長谷工コーポレーション 7 0 214 1 2 2 2 125 7 82 7 77 9 2

4 (1928) 積水ハウス 718 175 8 239 129 92 3 83 3 4

5 (8802) 三菱地所 709 179 5 240 4 130 5 78 12 82 4 7

(8801) 三井不動産 70 179 5 240 4 131 4 79 9 77 9 5

7 (5938) LIXILグループ 97 179 5 220 11 134 3 82 7 82 4 11

8 (1802) 大林組 89 173 9 235 7 124 8 79 9 78 8 9

9 (1801) 大成建設 80 171 11 220 11 123 9 84 4 82 4 8

10 (1803) 清水建設 4 1 8 14 22 8 120 12 70 14 80 7

11 (5947) リンナイ 2 189 4 200 15 119 13 79 9 75 12 10

12 (3289) 東急不動産ホールディングス 0 170 12 222 9 118 14 83 5 7 15 15

13 (5332) TOTO 55 173 9 204 14 121 10 83 5 74 13 12

14 (1812) 鹿島建設 48 1 0 15 222 9 121 10 8 15 77 9 1

15 (8804) 東京建物 4 170 12 21 13 11 15 73 13 71 14 13

1 (8830) 住友不動産 571 155 1 191 1 108 1 4 1 53 1 14

評価対象企業評価平均点 899 1790 228 1244 808 771

平成29年度 ディスクロージャー評価比較総括表 (建設・住宅・不動産)

 

総 合 評 価

(100点)

1.経営陣のIR姿勢、   IR部門の機能、IR   の基本スタンス

2.説明会、インタビュー、       説明資料等における   開示

3.フェア・ディスク   ロージャー

4.コーポレート・ガバナ   ンスに関連する情報   の開示

5.各業種の状況に即した   自主的な情報開示

評価対象企業

評価項目

(単位:点)

(配点25点) 評価項目4

(配点33点) 評価項目7

(配点17点) 評価項目5

(配点13点) 評価項目3

(配点12点) 評価項目3

() 評価対象企業各社の総合評価点の標準偏差は、本年度は5.6点(前回6.9点)であった。

-13-

(16)

配点 (25)

1

10

5

2

5

3

5

配点 (33)

1

10

5

2

5

4

3

3

2

4

配点 (17)

1

4

4

2

5

3

1

4

3

配点 (13) (1)

4

2

5

3

4

配点 (12)

5

5

2

(注1)「部門別」については、業態により・・

 ゼネコン:国内・海外および官・民・土・建・その他、住宅:戸建て・アパート・一般建築・分譲・賃貸・その他、不動産:分譲・賃貸・建設・委託業務・その他、  住宅設備:製品別・その他  ・・と読み替えて下さい

(注2)「受注または売上げ見通し」については、業態により・・

 建設・住宅については受注・売上げの見通し、不動産・住宅設備については売上げの見通し  ・・と読み替えて下さい

(注3)投資家にとって重要と判断される事項は、東証のTDnetへの登録を含む下記のような事項です。

 例えば・・受注動向、指名停止、訴訟、労災、災害、環境汚染、取引先の倒産、海外市場での変動、大型プロジェクトの事業費概算、資産の取得・売却、  新技術・新商品開発、雇用政策の変更、バランスシートおよび債務保証における大きな変動等である。

説明会、インタビューにおける開示

29年度評価項目および配点(建設・住宅・不動産)

1.経営陣の IR 姿勢、 IR 部門の機能、 IR の基本スタンス

経営陣のIR姿勢

全体として経営陣のIR姿勢をあなたはどう評価しますか。

社長は説明会またはミーティングに出席し、実質的な討議に参加していますか。 IR部門の機能

IR部門に十分かつ正確な情報が集積されており、IR担当者と有益なディスカッションができますか。 IRの基本スタンス

経営分析に必要かつ重要な情報開示の継続性に配慮がなされ、維持・改善されていますか。

2.説明会、インタビュー、説明資料等における開示

フェア・ディスクロージャーへの取組姿勢

短信および説明会資料等において、実績および計画(前提条件等を含む)を明記のうえ、理解を深めるような十分 な説明がなされていますか。

質疑に対する会社側の回答は十分満足できるものですか。 説明資料等(短信およびその付属資料を含む )における開示

部門別(注1)の受注または売上見通し(注2)が記載され、かつ部門分けは各々の業態に即したものですか。 また、部門別(注1)の利益率の実績と見通しは十分に開示されていますか。

企業分析に必要な連結子会社・関係会社・海外事業等の資産・負債・収益の状況が十分に説明されていますか。 キャッシュフロー計算書の実績と見通しは分かりやすく説明されていますか。

四半期情報開示

四半期ごとに業績動向に関する説明会または電話会議を開催していますか。

[四半期ごと開催:2点、3回開催:1点、その他:0点]

四半期決算の内容の理解に必要な補足情報(単体の業績動向等を含む)が十分に開示されていますか。

3.フェア・ディスクロージャー

目標とする経営指標等

経営陣およびIR部門が情報開示に際し、不公平や混乱が生じないよう十分な注意を払っていますか。 投資家にとって重要と判断される事項(注3)の適時開示は迅速に行われていますか。

ホーム・ページにおける情報提供

決算説明会資料や期中のデータが公平かつタイムリーに入手が可能ですか。 説明会または電話会議のリプレイ

説明会または電話会議のリプレイは、電話やウェブキャストで迅速かつ十分な期間の視聴等が可能です か。[1点、0.5点、0点の評価とする]

英語による情報提供

英語による情報提供は公平かつタイムリーで、日本語と同等の内容になっていますか。

4.コーポレート・ガバナンスに関連する情報の開示

コーポレートガバナンス・コード

コーポレートガバナンス・コードの各項目について、進捗状況を含め十分に説明がなされていますか。

統合報告書、ファクトブック等の内容は充実していますか。

中・長期経営計画の進捗状況、達成のための具体的方策 につ いて 、開 示資 料に記載 のう え十 分説 明さ れて いま すか。

資本政策、株主還元策

資本政策、株主還元策が客観的かつ合理的に説明されていますか。

5.各業種の状況に即した自主的な情報開示

マネジメント等の発言内容・情報開示は、迅速かつ十分な公平性をもって開示されていますか。 生産・施工現場、研究開発施設および展示場、開発プロジェクトの見学会等を積極的かつ公平に実施し ていますか。  [過去1年間を目安に評価]

- 14 -

(17)

15

建設・住宅・不動産専門部会委員

長 水谷 敏也 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 部会長代理 川嶋 宏樹 SMBC日興証券

伊藤 昌哉 アセットマネジメントOne 竹川 克彦 三井住友信託銀行 寺岡 秀明 大和証券

前川 健太郎 野村證券 望月 政広 クレディ・スイス証券

評価実施アナリスト(31名)

浅川 直騎 朝日ライフ アセットマネジメント 富田 展昭 極東証券経済研究所 姉川 俊幸 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 七澤 奈緒子 みずほ証券

石井 宏 三菱UFJ国際投信 橋本 浩 富国生命投資顧問 伊藤 昌哉 アセットマネジメントOne 橋本 嘉寛 みずほ証券 今泉 達矢 アセットマネジメントOne 福島 大輔 野村證券

入沢 健 立花証券 細貝 広孝 QUICK

大室 友良 東海東京調査センター 堀部 吉胤 ティー・アイ・ダヴリュ

沖野 登史彦 UBS証券 前川 健太郎 野村證券

尾原 香代子 アライアンス・バーンスタイン 水谷 敏也 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 川嶋 宏樹 SMBC日興証券 水野 年章 農林中金全共連アセットマネジメント 木村 勝 岩井コスモ証券 道脇 祐介 三菱UFJ信託銀行

坂口 真人 三菱UFJ信託銀行 牟田 知倫 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント 嶋田 利佳 JPモルガン・アセット・マネジメント 望陀 謙智 明治安田アセットマネジメント

宝田 めぐみ 東洋証券 望月 政広 クレディ・スイス証券

竹川 克彦 三井住友信託銀行 八掛 達格 三井住友アセットマネジメント 寺岡 秀明 大和証券

() 上記各アナリストの評価実施企業は、各人それぞれ異なることに留意。

- 15 -

(18)

16

食 品

1.評価対象企業(22社)

日本水産、日清製粉グループ本社、江崎グリコ、山崎製パン、カルビー、ヤクルト本社、

明治ホールディングス、日本ハム、アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、 コカ・コーラボトラーズジャパン(新規)(注)、サントリー食品インターナショナル、伊藤園、 不二製油グループ本社、キッコーマン、味の素、キユーピー、ハウス食品グループ本社、ニチレイ、 東洋水産、日清食品ホールディングス、日本たばこ産業

(証券コード協議会銘柄コード順)

(注)コカ・コーラボトラーズジャパンは、経営統合(本年41日)前のコカ・コーラウエストおよび経営統合 後に持ち株会社体制へ移行した同社の評価実績である。

2.評価方法

1 評価基準(スコアシート)の構成および配点

評価分野 下記本文中の略称

評価 項目数

配点

①経営陣のIR姿勢、IR部門の機能、IRの基 本スタンス

経営陣のIR姿勢等 6 32

②説明会、インタビュー、説明資料等におけ る開示

説明会等 8 30

③フェア・ディスクロージャー フェア・ディスクロージャー 3 12

④ コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 連 す る 情 報 の開示

コーポレート・ガバナンス関連 4 18

⑤各業種の状況に即した自主的な情報開示 自主的情報開示 3 8

24 100

(注)評価項目の内容および配点は21頁参照

2 評価実施(スコアシート記入)アナリストは19名(18社)である。(22頁参照) 3.評価結果

1 総括(「ディスクロージャー評価比較総括表」(20頁)参照)

① 本年度は、経営陣のIR姿勢等において配点変更2項目(うち1項目は内容も変更)、説明会等において2項 目の統合・配点変更、配点変更2項目(うち1項目は内容も変更)、フェア・ディスクロージャーにおいて削除 3項目、新設1項目、内容変更1項目、配点変更1項目、コーポレート・ガバナンス関連において内容・配点変 更4項目、項目名の新設3項目、自主的情報開示において削除1項目、新設1項目を行い、評価を実施した。 また、新規の対象企業もある。このため、昨年度と同列には比較できないが、本年度の総合評価平均点は67.6 点(昨年度66.3点)となった。また、総合評価点の標準偏差は8.9点(昨年度10.9点)であった。

5つの評価分野毎に平均得点率(評価対象企業の平均点/配点〈以下省略〉)を見ると、経営陣のIR姿勢等 が70%(昨年度67%)、説明会等が65%(昨年度67%)、フェア・ディスクロージャーが77%(昨年度78%)、 コーポレート・ガバナンス関連が63%(昨年度61%)、自主的情報開示が65%(昨年度58%)となり、昨年度 に比べ自主的情報開示が上昇(昨年度比+7ポイント)したが、他の分野は昨年度とほぼ同じレベルであった。

③ 評価項目について見ると、24の評価項目のうち次の3項目が平均得点率で80%以上となった。

- 16 -

(19)

17

(a) 「経営陣および IR 部門が情報開示に際し、不公平や混乱が生じないよう十分な注意を払ってい ますか」

(平均得点率97%、得点率:10011社・958社・903社)

(b) 「決算短信および決算説明会資料の英語版は、日本語版公表後ホーム・ページでも入手可能ですか」(平 均得点率89%、得点率:10017社)

(c) BS の主要項目に大きな変動がある場合の増減理由は十分に記載されていますか」(平均得点率 80%、 得点率:90%台5社・80%台7社)

④ なお、昨年度の評価項目「経営分析に必要かつ重要な情報開示の継続性に配慮がなされていますか」につき、 今回その質問に加え、「情報開示の後退はありませんか」と質問を追加し、評価点を4点から6点にアップ したところ、6社を除き各社とも得点率が低下した。

⑤ 一方、次の2項目は平均得点率が40%台である。低水準の得点率に留まっている各企業において、今一層 の改善が強く望まれる。

(a) 「次期の連結業績予想にかかわる営業外収支、特別損益のみならず、法人税等、少数株主損益の見通し、 ならびに予想の主な根拠が十分に記載されていますか」(平均得点率44%、得点率:20%台4社・30% 台4社・40%台5社)

(b) 「キャッシュフロー計算書の実績のみならず、フリーキャッシュフローの見通しとその前提についても合 理的に説明されていますか」(平均得点率47%、得点率:20%台1社・30%台7社・40%台6社)

2) 上位3企業の評価概要

1 位 アサヒグループホールディングス(ディスクロージャー優良企業〔13 回目〕、総合評価点 85.6

〔昨年度と同点〕、昨年度第2位)

① 同社は、経営陣のIR姿勢等(得点率〈以下省略〉88%)、説明会等(83%)、フェア・ディスクロージャー(91%)、 コーポレート・ガバナンス関連(83%)が第1位、自主的情報開示が第3位(85%)となった。

経営陣のIR姿勢等においては、経営トップが決算説明会またはアナリストミーティングに出席し、投資家の 注目する指標を盛り込んで分かりやすく説明しているほか、投資家との意見交換を積極的に行い、投資家の意 見や期待を吸収しようとする姿勢や、IR部門への権限委譲と情報集積の支援、企業価値向上のためのステーク ホルダーとの対話など、経営陣の積極的なIR取組姿勢が高く評価された。また、IR担当者が経営の方向性に ついて理解し適切な情報開示を行うなど、同部門が十分に機能している点も高く評価された。さらに、経営分 析に必要な情報開示の継続性に配慮して、情報開示が後退していないことや、企業価値向上の展望を示してい る点など、IRの基本スタンスも高い評価となった。

説明会等においては、決算短信・添付資料と同時に、企業分析に必要な補足資料がホーム・ページで入手で きることおよび買収後の市場環境情報の充実や丁寧な説明が評価された。また、説明資料に、連結の事業種類 別・地域別の業績および利益増減要因について詳細に記載されているほか、平均得点率が低水準となった上記 (1)(a)(b)についてトップの得点率となるなど、説明資料等における開示も評価された。さらに、四半期決 算の内容の理解に必要な補足情報を開示していることも高く評価された。

④ フェア・ディスクロージャーにおいては、その取組姿勢、ホーム・ページにおける情報提供等を含め、この 分野全体について高い評価となった。

⑤ コーポレート・ガバナンス関連においては、企業価値向上についての発信や取組に沿った説明などから納得感 が高いことなど、この分野全体について高い評価となった。

⑥ 自主的情報開示においては、業界を分析する上で有益な海外市場動向を含む情報がタイムリーかつ積極的に 開示されていることや、統合報告書、ファクトブック等の内容が充実していることなどが評価された。

これら同社の努力と姿勢は、ディスクロージャーのさらなる進展のために他の企業の模範となると認められる ので、同社を本年度の当業種における優良企業として選定した。

- 17 -

(20)

18

2位 キリンホールディングス(総合評価点83.3点、〔昨年度比+6.8点〕、昨年度第4位)

① 同社は、経営陣のIR姿勢等(88%)、説明会等(79%)、コーポレート・ガバナンス関連(81%)、自主的情 報開示(86%)が第2位、フェア・ディスクロージャーが同得点第4位(86%)となった。昨年度に比べ全て の評価分野の得点率が改善し、特に、フェア・ディスクロージャーの得点率が昨年度比+13ポイントとなった。 なお、全評価項目中、昨年度と比較可能な15項目のうち11項目の得点率が改善し、総合評価点および順位の 上昇につながった。

② 経営陣の IR姿勢等においては、社長が決算説明会またはアナリストミーティングに出席し、投資家との意 見交換を積極的に行い、有意義なディスカッションができることや、IR部門への権限委譲と情報集積の支援、 企業価値向上のためのステークホルダーとの対話など、経営陣の積極的なIR取組姿勢が高く評価された。ま た、経営陣の考えがIRを通して深く理解できる点や、同部門が各事業部のトップや事業部門全般について語 れる人へのインタビュー等をアレンジしていることなど、同部門の機能も高く評価された。さらに、企業価値 向上の展望を示しているなど、IRの基本スタンスも評価された。

説明会等においては、決算短信・添付資料と同時に、企業分析に必要な補足資料がホーム・ページで入手で きることが評価された。また、説明資料に、連結の事業種類別・地域別の業績および利益増減要因について詳 細に記載されているなど、説明資料等における開示も評価された。さらに、四半期決算の内容の理解に必要な 補足情報を開示していることも高く評価された。

④ フェア・ディスクロージャーにおいては、その取組姿勢、ホーム・ページにおける情報提供等の充実により、 この分野全体について評価された。

⑤ コーポレート・ガバナンス関連においては、企業価値向上についての発信や取組に沿った説明などから納得感 が高いことなど、この分野全体について高い評価となった。

⑥ 自主的情報開示においては、業界全体に係るデータの開示や、有益な海外事業説明会の開催のほか、CSV説 明会の実施、統合報告書、ファクトブック等の内容が充実していることなどが評価された。

3 位 日本ハム(高水準のディスクロージャーを連続して維持している企業、総合評価点 78.2 点〔昨年度比

0.6点〕、昨年度第3位〔平成26年度第2位〕)

同社は、自主的情報開示が第1位(90%)、経営陣のIR姿勢等が同得点第3位(80%)、説明会等(72%) が第4位、コーポレート・ガバナンス関連が同得点第4位(78%)、フェア・ディスクロージャー(81%)が同 得点第8位となった。

経営陣のIR姿勢等においては、経営陣がROEなど投資家目線の指標を重視し、対話しやすい経営姿勢で あるほか、社長にアナリストや投資家の意見を聞こうとする熱意が評価された反面、投資家の関心事について のディスカッションに更なる工夫を求める声や、経営陣の熱い思いやメッセージが伝わり切れていないとの声 も一部にあった。また、四半期決算説明会の開催など積極的なIR姿勢に加えて、経営分析に必要な情報開示 の継続性に配慮しているなど、IRの基本スタンスも高い評価となった。

説明会等においては、決算短信・添付資料と同時に、企業分析に必要な補足資料がホーム・ページで入手で きることが評価された。また、説明資料に、連結の事業種類別・地域別の業績および利益増減要因について分 かりやすく十分に記載されているなど、説明資料等における開示も評価された。

コーポレート・ガバナンス関連においては、ステークホルダーとの対話を通じて経営の透明性と効率性を高 める基本姿勢により、中・長期経営計画を公表し、その後の進捗状況・達成のための具体的方策が十分説明さ れているなど、目標とする経営指標等が高い評価となった。また、資本政策について、客観的かつ合理的に説 明されていることも評価された。

自主的情報開示においては、携わっている業界の基礎情報を分かりやすくかつ積極的に開示していることや、 有益な工場見学会の開催、統合報告書・ファクトブック等の内容などが高く評価され、トップの得点率となっ た。

同社は3回連続して第2位または第3位の評価を受けたので、「高水準のディスクロージャーを連続して維 持している企業」に選定した。

- 18 -

(21)

19

3) 上記以外の企業についての特記事項

○ 日清食品ホールディングス(ディスクロージャーの改善が著しい企業、総合評価点71.4点〔昨年度比 +14.9 点〕、第6位〔昨年度第19位〕)

同社は、コーポレート・ガバナンス関連が第6位(74%)、経営陣のIR 姿勢等(73%)、説明会等(66%) が第10位、フェア・ディスクロージャーが第7位(82%)自主的情報開示が第9(65%)となった。昨年度 に比べ4つの評価分野の得点率が改善し、特に、コーポレート・ガバナンス関連で+32ポイント、経営陣のIR 姿勢等で+22ポイント、自主的情報開示で+15ポイントとなった。なお、全評価項目中、昨年度と比較可能 な15項目のうち13項目の得点率が改善し、総合評価点および順位の上昇(総合評価点および順位の上昇幅と もに第1位)につながった。

同社はこのようにディスクロージャーの改善が著しいので、「 ディスクロージャーの改善が著しい企業」に 選定した。

○ 日本水産(総合評価点70.6点〔昨年度比 +8.1点〕、第7位〔昨年度第15位〕)

同社は、自主的情報開示が第5位(80%)、説明会等が第6位(70%)、フェア・ディスクロージャーが同得 点第8位(81%)、コーポレート・ガバナンス関連が第10位(64%)、経営陣のIR姿勢が第11位(69%)と なった。昨年度に比べ全ての評価分野の得点率が改善し、特に、自主的情報開示の得点率が昨年度比+32ポ イントとなった。なお、全評価項目中、昨年度と比較可能な15項目のうち11項目の得点率が改善し、総合 評価点および順位の上昇(総合評価点の上昇幅第4位、順位の上昇幅第2位)につながった。

- 19 -

参照

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