国際金融論演習 20xx年 月 日
山大 好男 アジアの国際シンジケート・ローン市場
-ミクロ・データによるシンジケート構造の分析-
『アジア研究』第 53 巻第 4 号、2007 年、山口昌樹
I 全体の要約
対象:アジア地域の国際シンジケート・ローン市場、市場構造、市場行動 課題:① 貸出行動についてアジア系銀行と欧米系銀行との違いは? ② 行動の違いを説明する要因は何か?
③ どのような市場構造になっているか?
II 本文 はじめに
先行研究の批判: マクロ・データに依拠 → 銀行行動は分析不能 分析の枠組み: 下の3つを組み合わせ
イ. 産業組織論:市場行動(参加行数の決定)、市場構造(アジア vs 欧米) ロ. 情報の経済学 ← 金融活動の説明要因
ハ. 計量経済学: 実際のデータを統計的に分析 論文の構成
1.シ・ローン市場の概要
(1)対外資金調達における位置づけ
資金調達は全体として増加基調 ← 図表1より シ・ローンは重要な資金チャンネル
・高いシェア ・情報生産機能/契約の柔軟性 アレンジャーの役割
・オリジネーション ・ローン販売 ・条件交渉
アジア市場:アジア系銀行が欧米系銀行に比肩 cf. 南米、東欧と異なる。
(2)先行研究
アジア市場についての既存研究
・少ない ・国籍別分析 ・単純な市場構造の認識を批判 米国市場の先行研究
Dennis and Mullineaux(2000)
説明要因:情報問題、信用リスク、アレンジャーの評判、融資期間 --- 途中省略 ---
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国際金融論演習 20xx年 月 日
山大 好男
-- III 結論
① アジア系銀行: 情報ギャップが大、長期、少ない参加行数 欧米系銀行 : 情報問題が小、多くの参加行
② 長期的な融資関係 → 信用情報の蓄積 ≒ 情報生産費用の低下
包括的な取引関係 ≒ 決済取引、為替取引 → 追加的な情報取得の機会
↓
情報問題の解決で優位な立場
3 すみわけ構造: アジア系は relationship lending 欧米系は transaction lending を志向
以上
(山口ゼミではここまで。通常は以下の項目も報告者に要求される。)
IV 意見
・著者の結論に対する批判を具体的な根拠を示して分かりやすくまとめる。
・論点ごとにタイトルをつけ、自分の意見を述べる。
V 論点
・報告の聞き手と議論したいポイントを簡潔にまとめる。
・上記に述べた自分の意見に対するほかの人の意見を求める。
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