東京 平成22年度 設問1(ミクロ・マクロ基礎) 小問1
1.
MRSxy1 = 32x
11=2y1
x13=2 = 3 2
y1 x1
MRSxy2 = 4xx234y2
2 = 4
y2 x2
完全競争均衡では,予算制約下の主体の効用最大化と需給均衡が成り立つの でp = p1=p2とおくと
32yx11 = 4
y2
x2 = p
px1+ y1= 10p px2+ y2= 10 x1+ x2= 10 + 0 y1+ y2= 0 + 10
を満たすような配分が完全競争均衡配分.したがって ((x1; y1); (x2; y2)) = ((16; 8); (4; 2)) ; p = 2
2. (1) 定義より
10M 50 ; 40 10M 70 ; 60
したがって
5 M 6
(2)
利得表からナッシュ均衡となり得るのは(a; d); (b; d); (a; f ); (b; f ) (b,d)がナッシュ均衡となる範囲
50 10M ; 11 2M
よりM 5
(a,f)がナッシュ均衡となる範囲
40 5M ; 60 10M
より6 M 9
(b,f)がナッシュ均衡となる範囲
51 5M ; 2M 11
より11=2 M 51=5
以上より(a; d)が唯一ナッシュ均衡となるのは
5 M 6かつ5 < Mかつ[M < 6または8 < M]かつ[M < 112 または515 < M]
より5 < M < 11=2 (3)
同様にして [M < 5
かつ6 < M]かつ5 < Mかつ [M < 6
または8 < M]かつ 11
2 M 51
5 < M] より8 < M 51=5
小問2 1. (1):c 理由:
GDPとGNIの違いは海外との要素所得の支払いまたは受け取りから生じる. したがって多くの国民が国外で働くと彼らの給料はGDPには入らないが, GNPには入るため違いが大きくなる
(2):b 理由:
GDPには最終財から中間財を除いた分が含まれる.労務費や税金などはそれ ぞれ雇用者所得,営業余剰に含まれる
(3):c 理由:
計算するとi = 9%; e = 6%; = 8% より re = i e= 3%
r = i = 1%
(4):a 理由:
海外の分を除くと輸入で差し引いてる分二重計算になる (5):a
理由:
経常収支は貯蓄と投資の差になる.簡単に考えると Y = C + I + G + NX Y + IB = C + I + G + NX + IB
GNI C G I = CA S I = CA
2. (a)
経常収支は財・サービスの純輸出,純要素所得,経常移転収支の合計なので 90
(b)
経常収支と資本収支の合計は常に外貨準備純増と一致し,その差額分が誤差 脱英の漏洩となるので30
※ 資本収支をどのように捉えているのかわからないため若干曖昧.文字通り 合計すると誤差が 90 50 + 10 = 130となってしまうためさすがにこれ は・・・
3.
(a)右下がり (b)右上がり (c)シフトしない (d)右にシフトする
(e)利子率は下落し,国民所得は増加する (f)右にシフトする
(g)シフトしない
(h)利子率は上昇し,国民所得は増加する
4.IS曲線は実質利子率,LM曲線は名目利子率に依存する.したがって実質利
子率を縦軸にとった場合では,期待インフレ率がある場合LM曲線は期待イ ンフレ率分だけ下にシフトする.
したがって(名目利子率が一定の場合)実質利子率は減少し,国民所得は増 加する
設問3(ミクロ・マクロ応用) 小問1
1.
消費者1の需要関数は@B1=@x1= 2 p = 0より D1(p) =
0 (p > 2) 任意 (p = 2) 1 (p < 2)
消費者2の需要関数は@B2=@x2= 2 p = 0より D2(p) =
0 (p > 2) 任意 (p = 2) 1 (p < 2)
したがって全体の需要関数は
D(p) = D1(p) + D2(p) =
0 (p > 2) 任意 (p = 2) 1 (p < 2) (1)
完全競争均衡では企業は価格と限界費用が等しいように供給を決める.した がって供給関数は
S(p) = 12p
需給均衡からx = 1; p = 2 (2)
消費者の余剰は
B = B1+ B2= (1 p)x
企業の余剰は
= px x2
したがって総余剰は
T B = B + = x x2
@T B=@x = 0よりx= 1=2 (3)
(1)と同様にして考えると,需要関数は
D0(p) =
0 (p > 2 t) 任意 (p = 2 t) 1 (p < 2 t)
したがって均衡の生産量をx= 1=2とするためにはt = 1
2.
ゲームを定式化すると
i 2 fA; B; Cg ; pA2 R+; pB 2 R+; sC 2 fAB; A; B; Ng uA(pA; pB; sC) =
{ p
A 10 (sC 2 fAB; Ag)
0 (otherwise) uB(pA; pB; sC) = { p0B 10 (sC 2 fAB; Bg)
(otherwise)
uC(pA; pB; sC) =
100 pA pB (sC 2 fABg) pA (sC 2 fAg) pB (sC 2 fBg) 0 (otherwise) (1)
後ろ向き帰納法で解く Cの最適反応戦略は
BRC(pA; pB) =
AB (100 pA pB 0) fN; Ag (pA= 0; 100 < pB) fN; Bg (pB = 0; 100 < pA) N (otherwise)
つぎにsC2 BRC(pA; pB)をもとにしてA,Bのそれぞれ最適反応戦略は BRA(pB; sC) =
{ 100 pB (pB 90) [10; 1)
(otherwise) BRA(pA; sC) = { 100 p[ A (pA 90)
10; 1) (otherwise)
したがって部分ゲーム完全均衡は
(pA; pB) 2 f(pA; pB)jpA+ pB= 100; pA; pB 10g∪ [90; 1) [90; 1)
sC 2 BRC(pA; pB)
であるので組み合わせは
f(pA; pB; AB)jpA+ pB= 100; pA; pB 10g f(pA; pB; N)j(pA; pB) 2 [90; 1) [90; 1)g
(2)
同様にして後ろ向き帰納法で解く Cの最適反応戦略は(1)と同じ Bの最適反応戦略は
BRB={100 p[ A (pA 90) 10; 1) (otherwise)
Aはこれらを所与として戦略を決めるので BRA= 90
以上より,部分ゲーム完全均衡はpA= 90; pB = 10; sC = ABでありAとB のライセンスを買うことは起こり得る
※ CにとってABでもNでも無差別であるがこれは微小にpAとpBを小さく すればCの利得は正なのでABのみが最適である.この極限のように考える ためにABとしてよい(らしい)
詳しくは「ミクロ経済学 戦略的アプローチ」などを参照してください
小問2 1.
マネーサプライはM = C + DかつM = 6; C = 2よりD = 4.したがって B = C + R = 2 + 0:25 4 = 3
2. (a) a-1.
M
P = k y =一定 (1)
よりMが2倍になると,Pも2倍になりM/Pは変化しない a-2
(1)を対数をとり微分すると M_ M
_P P = 0
したがって,M=M_ が10%になると _P=P も10%になる.このとき Pt= P0e0:1t ; MP =一定
(b) b-1
M
P = k(r)y 利子率が変化しないのでa-1と同じ b-2
Pはa-2と同じ.
利子率が上昇するとマーシャルのkは減少するため,M=P はある時点Tで 減少し,そのままの水準で推移する
グラフは下図 3.
(a)
IS曲線 : Y = C + I(q) + G LM曲線 : M=P = L(Y; d=q)
であり,式2本に対し未知数2つなので,それ以外の定数が与えられれば未 知数であるY,qは決定される.
(b)
上の2式をそれぞれ全微分すると
Y = I0(q)q 0 = LYY + Lr( d=q2)q
整理すると
q
Y = 1 I0 > 0
q
Y = LYq2
Lrd < 0
よりLM曲線が右下がり (c)
貨幣供給量の増加はLM曲線の右シフトをもたらす.したがって,株の実質 価格を上昇させ,生産量を増加させる.