「石狩湾新港発電所」(出力:56.94万kW×3基)は、ほくでんにとって 初めてのLNG(液化天然ガス)※火力発電所です。原子力・石炭火力・
石油火力・水力などに新たにLNG火力が加わることで、発電に使う エネルギー源の多様化が図られます。また、LNG火力(コンバインド サイクル発電)は、高い発電効率を有しているほか、環境特性と運用 性にも優れています。
1号機は2019年2月、2号機は2026年12月、3号機は2030年12月の 運転開始を目指し、着実に建設を進めていきます。
コンバインドサイクル発電は、
組み合わせた発電方式で、従 来の蒸気タービンだけによる 発電方式と比べ、高い発電効 率を有しています。
●電源別の1kWhあたりCO2排出量
ほくでん初のLNG火力発電所
「石狩湾新港発電所」の建設
燃料のLNGは、気体の天然ガスを長距離運搬しやすくするため、 約−160℃に冷やして液体の状態にしたものです。この「液化」する 過程で、ガス中に含まれる硫黄や塵などの不純物を除去するため、 燃焼時にSOx(硫黄酸化物)や、ばい塵は発生しません。また、石炭や 石油に比べて発電時のCO2やNOx(窒素酸化物)の排出量も
少なく、環境特性に優れた燃料です。
石狩湾新港発電所の建設工事のようす
1,000 800 600 400 200 0
LNG火力
(コンバインドサイクル) 石油火力
石炭火力
※(一財)電力中央研究所「日本における発電技術のライフサイクルCO2排出量総合評価」 (平成28年7月、P45)をもとに作成。
※発電時(燃料燃焼時)に加え、発電設備などの建設や廃棄、さらには燃料の採掘・輸送・加工・ 廃棄物処理などのために消費されるすべてのエネルギーを対象としてCO2排出量を算出。 ※各数値は当該報告書に記載の「平均値」を使用。なお、カッコ内は発電時以外のCO2排出量。 (g-CO2/kWh)
●石狩湾新港発電所のイメージ
天然ガス
送電線へ
発電機
蒸気 空気
圧縮機 燃焼器
排熱回収ボイラー 煙突
開閉所
取水口から 給水ポンプ
排ガス
蒸気ドラム
復水器
海
放水口へ
排
煙
脱
硝
装
置
石狩LNG基地から LNGを気化した 天然ガスを ガス導管により 受け入れる
海水ポンプ
②排ガスの熱を利用して蒸気をつくり、 「蒸気タービン」を回す。
変圧器
発電機の起動にかかる時間が短く、また、発電量の調整速度が速い ため、刻々と変化する電力の消費(需要)への即応力があります。
将来を見据え、
電力設備を建設しています。
①天然ガスを燃焼器で燃やし、発生した 燃焼ガスで「ガスタービン」を回す。
発電時
864
(79)
943
発電時
695
(43)
738
発電時
376
(98)
474
474
2017年6月撮影
※LNG(液化天然ガス):Liquefied Natural Gas の略で、天然ガスを冷却して液体にしたもの。 液体にすることで、体積が1/600になり、輸送や貯蔵が行いやすくなる。
ほくでんエネリーフ
電源開発と
設備計画
ガスタービンと蒸気タービンを
蒸気タービン
ガスタービン
高い発電効率
優れた環境特性
優れた運用性
発電所本館(タービン建屋)・管理事務所 排熱回収ボイラー・吸気フィルター室建屋
主要煙突
取水設備
将
来
に
わ
た
り
電
気
を
安
定
し
て
お
届
け
す
る
た
め
、
新
た
な
発
電
所
の
建
設
や
北
海
道
本
州
間
連
系
設
備
の
増
強
を
進
め
て
い
ま
す
。
既存の北本連系設備は、30万kW×2極(計60万kW)で構成されていますが、設備点検 時には半分の30万kWになります。また、設備の使用期間が長くなってきたため、今後の 設備更新に伴い30万kWでの運用が長期におよぶ可能性もあります。
こうした際に北海道内の複数の発電所で故障が発生すると、電気が不足するなどのおそ れがあります。このため、新たに30万kWの連系設備を建設し、常時60万kWの連系量を 確保することで、将来にわたる道内の電力の安定供給を実現します。
新たに建設する北本連系設備を活用し、北海 道内の再生可能エネルギーのさらなる導入 拡大に向けた取り組みを検討していきます。 北海道本州間連系設備(北本連系設備)とは、北海道と本州を連系し、どちらかで
電気が不足するときなど、緊急時の送受電を可能にするものです。既存の設備として 60万kWの連系設備がありますが、新たなルートで30万kWを増強する計画を進めて います。新たなルートは、北海道と本州を結ぶ青函トンネル内にケーブルを敷設。 2019年3月の運転開始に向け着実に工事を進めています。
「北海道本州間連系設備」の増強
北斗今別直流幹線
北斗
変換所 変換所今別
津軽海峡
青函トンネル ●増強工事のようす
電線つなぎ込み作業のようす
竜飛ケーブルヘッド
※の遮風建屋
※架空送電線と地中送電線を接続させる設備
現状の 60万kWでは
点検時に 30万kWに
常時
60万kW
を確保
30万kW 30万kW
(点検中)
既設連系設備
30万kW
30万kW 30万kW
(点検中)
既設連系設備 +
新連系設備
本プロジェクトで 30万kW増強
今別変換所 北斗変換所
青函トンネル
既設ルート
北本直流幹線 (電源開発㈱所有)
60万kW 新たなルート
北斗今別 直流幹線 30万kW
●北本連系設備のルート
変換所 変電所
北海道側 本州側
再生可能エネルギ
ーの
導入拡大にも利用
設備増強の効果
ほくでんエネリーフ