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SigSai201311 Obashi Recent site activity jsaisigsai

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Academic year: 2018

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(1)

RoboCup Rescue シミュレーションに対する距離概念を導入し

た平均探索情報量の提案

Proposal of the average search information that introduces the

concept of distance against RoboCup Rescue Simulation

尾橋大

1∗

川村 真之

1

伊藤 暢浩

1

大原 滝也

1

堀江 幸生

1

Dai Obashi

1

Masayuki Kawamura

1

Nobuhiro Ito

1

Tatsuya Ohara

1

Sachio Horie

1

1

愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科

1

AICHI INSTITUTE OF TECHNOLOGY Graduate School of Business Administration and

Computer Science

Abstract: By defining the complexity of the urban, to reveal the relevance of environment and agent in a multi-agent simulation. Further, it is intended to predict the activity of the agent results from the Relevance. In this paper, we use the urban maps as the urban road networks to illustrate the concept of navigability in networks and investigate how different network topologies influence the average amount of information that is needed to move from one node to another node in the network. Furthermore, we compare with the idea that added the concept of distance to the idea. Putting our purpose, we analyze representative maps used by RoboCup Rescue simulation and consider the relations of the agent strategy and each maps effectiveness of the disaster management by analyzing relevance with the map information and agents.

1 はじめに

近年,世界各地で大規模な自然災害による被害が頻 発しているため,地震災害に対しての警戒が高まって いる.このような地震災害に対する取り組みの一つに 災害救助シミュレーションとしての RoboCup Rescue シミュレーションがある.これは被災した仮想都市に おいて,様々な種類の災害や災害救助部隊,市民の振 る舞いをシミュレートするマルチエージェントシミュ レータである.RoboCup Rescue におけるエージェン トの活動評価は,シミュレーションの環境とエージェ ントの戦略に依存しているため,エージェントと環境 との依存関係を調べる必要がある.

この問題に対し,瀬戸口の「道路ネットワークの複 雑さと移動型エージェントシミュレーションとの依存 関係について」[1] では道路が複雑になるほど移動難易 度が高くなり,災害救助戦略の評価が悪くなると結論 がでている.また,瀬戸口の研究に基づいた堀江らの

「平均探索情報量とマルチエージェントシミュレーショ ンとの関連性についての考察」[2] では,都市の道路網 の複雑さを数値化し,定量的に示す指標である平均探

連絡先:愛知工業大学

      愛知県豊田市八草町八千草 1247

TEL:(0565)48-8121 FAX:(0565)48-0277       E-mail: [email protected]

索情報量を用いて,都市の道路構造と災害救助の評価 との依存関係の分析を行った.しかし,堀江らが研究 で用いた平均探索情報量は災害救助にそのまま用いる には十分であるとはいえない.また,彼らの研究は実 験数が少ないため,災害救助の評価と密接なかかわり があると断言できなかった.

そこで本研究では,平均探索情報量を用いて,都市 の道路網の複雑さと RoboCup Rescue シミュレーショ ンにおける災害救助シミュレーションとの,より詳細な 関係の分析をおこなう.また,平均探索情報量をもと に災害救助に適した,より詳細な都市道路ネットワー クの定量化指標の提案をおこない,RoboCup Rescue シミュレーションとの依存関係の分析をおこなった. 平均探索情報量は,Rosvall ら [3] によって提唱され た,都市道路網の複雑さを数値化する指標である.こ の指標は道路に注目した解析をおこなうため,道路ネッ トワークをグラフへと変換する際に道路をノード,交 差点をエッジとして表現する.これにより,通常のグ ラフ理論で表現される交差点をノード,道路をエッジ としたグラフとは異なり,道路から道路への結合にの み注目したグラフが得られる.変換後のグラフでは道 路が起点となるため,道路の「どの位置」から「どの 位置」へ移動するのか,という情報が無い.そのため,

「距離」という情報を含まないグラフとなる.

(2)

災害救助を考える上で目的の場所へ素早く到達する ことは重要であり,目的地までの距離は短いほど早く 目的地へ移動が可能となる.そのため,目的の場所へ 早くたどり着くために目的地までの経路の距離情報は 重要である.本研究では,この「距離」という情報を, 重みという形で平均探索情報量に与えることによって, RoboCup Rescueシミュレーションにより適した指標 の提案をおこなう.

道路から道路への距離を求める場合,移動主体が道 路の「どの場所」にいるのか,道路上の「どの場所」が 目的地なのかという問題がある.そこで,道路から道 路へ移動する場合に始点と終点を定義することにより, 道路から道路への距離を求める.「始点」は,移動を開 始する道路から次の道路へ入る交差点であり,移動を 開始する場合は始点を起点とする.「終点」は,目的の 道路の全長の中心点であり,エージェントの移動目標 道路上の終点を目的地とする.この始点と終点により, 道路から道路への距離を求める.そして,より距離の 短い経路ほど選択しやすくするために,経路の距離の 逆数を平均探索情報量の経路の選択確率に重みとして 与え,距離を考慮した平均情報探索量を定義する.

本研究では,以上の距離を考慮した平均探索情報量 を用いて,都市の道路の複雑さと RobpCup Rescue シ ミュレーションにおける災害救助との関係の分析をおこ なった.その結果,道路網が複雑な場合,RoboCupRes- cueシミュレーションにおける評価に影響を与える道 路以外の要素も密に集まると考えられるため,災害救 助が難しくなる.そのため,道路網の複雑さにより, RoboCupRescueシミュレーションにおける評価との 間に依存関係があることはわかった.しかし,シミュ レーションの結果は,用いるエージェントアルゴリズ ムにより変わる可能性があり,道路ネットワークだけ では,RoboCupRescue シミュレーションにおける評価 を推測することは難しいと考えられる.

また,距離概念を導入した平均探索情報量により RoboCup Rescueシミュレーションにおける評価を推 測することは,評価に影響を与える道路以外の要素に よる影響が無視できないことから,「道路網の複雑さ」 と「道路以外で評価に影響を与える要素」を分析する 必要があることがわかった.

2 RoboCup Rescue シミュレーシ

ョンにおける評価

RoboCup Rescueシミュレーションは地震災害によ る火災 や建物倒壊,道路閉塞が発生した被災都市にお いて,災害救 助隊が市民の救助および火災の消火をお こなうシミュレー ションである.RobocupRescue にお けるエージェントの活動評価は,そのエージェントに

よる消火活動や救助活動などにより,市民の死傷や火 災といった都市の被害を次式(1)によって求まる都市 価値 V によって評価する.ただし P は災害救助活動後 に生存しているエージェントの数,S は災害救助活動後 におけるすべてのエージェントの体力の合計,Sintは 災害救助活動前におけるすべてのエージェントの体力 の合計,B は災害発生に燃え残った建物の面積,Bint

は災害発生前におけるすべての建物の面積である.

V = (

P+ S Sint

) √ B Bint

(1) しかしエージェントの活動評価は環境に依存してお り,環境である地図の変更によって,エージェントの 活動評価が変化する.すなわち,エージェントの持つ 純粋な能力の評価をおこなうためにはエージェントと 地図の間に存在する関連性を明らかにする必要がある.

3 平均探索情報量

3.1 平均探索情報量とは

2章の背景に対して,堀江らは Rosvall らによって提 唱された平均探索情報量 [3] をもとに,環境として与 えられる都市の道路ネットワークに注目し,道路ネッ トワークを数値化てしエージェントの活動評価との依 存関係の考察をおこなった.平均探索情報量はネット ワークの複雑さを数値化し定量的に表すことののでき る指標である.

Rosvallらはインターネットや細胞組織のようなネッ トワークにおける情報の伝播を説明するために,様々 な構造をもつネットワークで,ある地点からある地点 へ向かってどのように情報が伝わるかを考察した.ま ず,ネットワーク全体における情報伝達にかかるコス ト(情報量)に着目し,都市道路ネットワークに適用 した.都市の中で道路を歩く人が,ある場所から目的 の場所を見つけるために実際の移動距離は必要ないと 考え,道路ネットワーク上で目的の場所に移動する場 合に距離,移動時間をゼロとし,必要な情報のみに着 目した.その後,道路の結合だけを表すグラフを作成 し,その複雑さを定義するために平均探索情報量「S」 値を定義した.

3.2 平均探索情報量と道路ネットワーク

平均探索情報量では用いる道路ネットワークに以下 の制約を与えている.

1. 任意の点において,自身と繋がる道路(自己ルー プ)は存在しない

(3)

2. 対となる任意の点同士の間には複数の道路は存在 しない

3. 任意の 2 点において,一方から他方への経路は必 ず存在する

これらの制約に従い,道路ネットワークのグラフへ の変換を行う.しかし,RoboCup Rescue シミュレー ションにおいては現実の道路網をもとに作成されるこ とが多いため,これらの制約に従わない場合が存在す る.以下に本研究での制約に従わない道路ネットワー クの扱いについて述べる.

自身と繋がる道路が存在する場合

自身と繋がる道路が存在する場合,平均探索情報 量を求めることができない.そのため,本研究で は自身へと繋がる道路は存在しないものとし,存 在する場合はその道路を削除する.

対となる任意の点同士の間に複数の道路が存在する場合 現実の道路ネットワークにおいては,中央分離 帯に区切られた並走した道路が存在する.並走し た道路が存在する場合,平均探索情報量を求める ことができないため,本研究では並走する道路を 1つの道路として扱う.

任意の 2 点において経路が存在しない場合

任意の 2 点間において経路が存在せず到達不可能 な地点が存在する場合,平均探索情報量を求める ことができない.また,到達不可能な地点が存在 する場合,平均探索情報量での扱いは 2 通り考え られる.

1. その地点への経路の情報量は 0 である(到 達できない)

2. 到達不可能な地点がある地図データを除外 する

1の方法を採用することは平均探索情報量におい て複雑さを表す「S」値が変化してしまう可能性 がある.そのため,本研究では 2 の方法を採用 し,到達不可能な地点が存在する地図データは使 用しないものとする.

3.3 道路間の結合を表すグラフへの変換

平均探索情報量は,都市の景観分析で用いられるス ペースシンタックス理論をもとに道路ネットワークを 道路同士の結合を表すグラフへの変換をおこなう.ス ペースシンタックス理論は,空間解析の手法の一つで あるが,解析対象とする空間を特に指定していない.そ

のため,平均探索情報量ではこの解析対象を都市の道 路ネットワークと考える.

道路間の結合を表すグラフへの変換は,道路ネット ワークにおける「道路」をノード,「交差点」をエッジ とみなし変換を行う.変換例を 図 1 に示す.

図 1: 道路ネットワークから道路結合を表すグラフへの 変換

図?? の左図は道路 1,2,3,4,5 から構成される道路ネッ トワークとなっている.この道路ネットワークにおい て道路間の結合のみに着目した解析をおこなうために, より単純なグラフへの変換を行ったのが右図である.変 換後のグラフでは道路間の結合のみに注目したため,距 離や移動時間をゼロと仮定されている.そのため,グ ラフの変換により目的の場所への「距離」という情報 が取り除かれている.

3.4 平均探索情報量の定義

起点となる道路 s から終点となる道路 t に到達する 確率 P [p(s, t)] は式(2)で表される.k1

s は出発点での

確率,k1

j−1は s から t へ移動する途中の各ノード j に おける確率を表しており,kiはノード i の次数,kjは ノード j の次数である.

P[p(s, t)] = 1 ks

j∈p(s,t)

1

kj− 1 (2) 起点となる道路 s から終点となる道路 t に到達する 遠回りしない複数の経路が存在する合計確率から求め られる経路の情報量は,次式(3)で表される.ここで,

「遠回りしない」とは,起点となる道路 s から終点とな る道路 t に到達する経路の中で,エッジの数がもっと も少ないことを意味する.

S(s → t) = − log2

p(s,t)

P[p(s, t)]

 (3) すべての起点とすべての終点についての S(s → t) の 和を,自身の点を含まない始点終点の数 N(N − 1) で 割ったものが S 値であり,式(4)式で表される.

S= 1 N(N − 1)

N

s6=t

S(s → t) (4)

(4)

3.5 平均探索情報量を災害救助に用いる場

合の問題点

災害救助では,目的地まで素早く到達することが重 要であり,より短い距離で目的地まで移動することが 必要となる.そのため,目的地までの「距離」という 概念は災害救助を考える上で切り離すことはできない. そのため,目的地までの「距離」の概念が存在しない 平均探索情報量は災害救助に適した指標ではない.

そこで本研究では平均探索情報量へ「距離」の概念 を導入し,RoboCup Rescue シミュレーションの評価 に適した指標を定義し,RoboCup Rescue エージェン トとの関連性の分析をおこなうことにする.

4 距離概念を導入した平均探索情報

4.1 道路同士の距離の算出

平均探索情報量における経路の選択確率を,始点か ら終点までの距離によって重みづけをおこなう.「始点」 とは経路同士が始めに繋がる交差点をさし,「終点」と は到着目的である道路の長さの中間点を指す.例を 図 2に示す.道路 1,2,3 が存在し,道路 1 から道路 3 まで の道路 2 を経由した距離は,始点と終点間で示された 距離となる.

図 2: 道路同士の距離の算出法

4.2 閉路となる道路について

4.1節で述べた距離概念の算出法を用いるにあたり閉 路となる道路を展開する必要がある.展開例を図 3 に 示す.

図 3 左図では,道路 1 が閉路となっている.閉路と なっている道路は任意の場所から閉路を展開し,1 本 の直線な道路として処理をおこなう.図 3 右図は展開 処理をおこなった例である.

図 3: 閉路の展開例

4.3 距離概念を導入した平均探索情報量の

定義

起点となる道路 s から終点となる道路 t までの距離 を ds→tとし,距離重み D[p(s, t)] を式(5)で表す.

D[p(s, t)] = 1 ds→t

(5) 式(5)求められた重みを,式(2)の選択確率に与 え,得られる経路の情報量 Sd(s → t) を式(6)に表す.

Sd(s → t) = − log2

p(s,t)

P[p(s, t)] ∗ D[p(s, t)]

 (6) すべての起点とすべての終点について Sd(s → t) の 和を,自身の点を含まない始点終点の数 N(N − 1) で 割った値を Sd 値と定義し,式(7)に表す.

Sd= 1 N(N − 1)

N

s6=t

Sd(s → t) (7)

5 分析内容・結果・考察

5.1 分析内容

本研究での RoboCup Rescue シミュレーションの設 定は, 瀬戸口らの実験に基づき以下のように設定する. エージェントアルゴリズム

動作するエージェントアルゴリズムによって道路 網の複雑さの指標と災害救助エージェントの評価 との依存関係が変化することが考えられる.よっ て本研究では RoboCup2007 において MRL チー ムの開発したエージェントアルゴリズム(以下 MRL)と,NAITO-Rescue チームによって開発 されたエージェントアルゴリズム(以下 NAITO) の 2 種類を用いて実験を行う.

(5)

災害救助エージェントの評価方法

RoboCup Rescueシミュレーションにおける評価 とは,災害救助エージェントの災害救助活動によ り,震災時における都市の被害をどの程度抑える ことができたかを 2 節で述べた都市価値に基づ いて評価することである.しかし都市価値は地図 上に存在するエージェント数により値が大きく異 なるため,異なる地図におけるエージェントの評 価を比較することができない.

そこで本実験では,シミュレーション開始時の都 市価値に対するシミュレーション終了時の都市価 値の割合を都市価値維持率として定義し,都市価 値維持率を用いて評価を行う.シミュレーション 開始時の都市価値を Vini,シミュレーション終了 時の都市価値を Vendとするとき,都市価値維持 率は次式(8)で数値化される.

Vrate= Vend Vini

(8) 地図データ

名古屋市の千種区・北区・中川区・天白区のうち, 東海・東南海連動地震の震度予測が公開されてい る地域 [4] から 18 の地域を選択する.公開され ている震度予測地図の一部を図 4 に示す.

図 4: 中川区の震度予測地図

5.2 分析結果・考察

都市価値維持率を従属変数,Sd 値を説明変数とした 回帰分析及び,S 値を説明変数とした回帰分析との比 較をおこなった.得られた相関係数と自由度調整済み

決定係数を表 1 に示す.また,相関の強弱の基準とし て参考文献 [5] をもとに表 2 に示す基準を用いる.

表 1: 回帰分析結果

相関係数 自由度調整済み決定係数 MRL S値 −0.7726 05717

Sd値 −0.7870 0.5955 NAITO S値 −0.6057 0.3272 Sd値 −0.6186 0.3441

表 2: 相関の強弱の基準 相関係数 (絶対値) |r| 相関の強弱

|r| ≥ 0.7 強い相関がある 0.7 > |r| ≥ 0.4 中程度の相関がある 0.4 > |r| ≥ 0.2 弱い相関がある

0.2 > |r| ほとんど相関がない

ここで,回帰直線の精度を判定するにあたり,本研 究では決定係数を用いた.決定係数による回帰直線の 精度の基準として,参考文献 [6] をもとに表 3 を用い, 決定係数が高ければ(本研究では 0.5 以上),回帰式は 従属変数の推測に使えると判断することとする [6].

表 3: 決定係数による回帰直線の精度の基準 決定係数 R2 回帰直線の精度

R2≥ 0.8 精度よい 0.8 > R2≥ 0.5 精度ややよい

0.5 > R2 精度よくない

5.2.1 都市価値維持率との依存関係

距離概念を導入した平均探索情報量と都市価値維持 率の相関関係は MRL で強い負の相関,NAITO でやや 強い負の相関があり,距離概念を導入した平均探索情報 量が高い地図データほど都市価値維持率が低くなること がわかる.よって,本設定のもとでおこなう RoboCup Rescueシミュレーションでは距離概念を導入した平均 探索情報量ほど災害救助エージェントは災害救助活動 をおこなうことが難しいと考えられる.

また,MRL の決定係数が 0.5955 であり回帰直線の 精度がよいことから,距離概念を導入した平均探索情

(6)

報量から都市価値維持率の推測が可能であると考えら れる.対して NAITO の決定係数は 0.03441 であり,回 帰直線の精度がよくないため,都市価値維持率の推測 は難しいと考えられる.この決定係数の差はエージェ ントアルゴリズムの違いが大きく影響を及ぼしている. そのため,距離概念を導入した平均探索情報量からだ けでは都市価値維持率を推測可能なエージェントと推 測の難しいエージェントが存在すると考えられる.

5.2.2 平均探索情報量との比較

都市価値維持率との依存関係は,平均探索情報量よ り距離概念を導入した平均探索情報量の方がどちらの エージェントアルゴリズムでも強くなっている.この 結果から,RoboCup Rescue シミュレーションを考え る上で「距離」の概念は取り除くことができない情報 の一つであり,距離概念を導入した平均探索情報量は 平均探索情報量より RoboCup Rescue シミュレーショ ンの評価に適した指標であると考えられる.

6 まとめと今後の課題

本研究では,災害救助を考える上で取り除くことの できない「距離」の概念を平均情報探索量に導入し,災 害救助エージェントと都市構造の依存関係の分析を行っ た.そして,平均探索情報量と距離概念を導入した平 均探索情報量との結果を比較することで本実験で定義 した距離概念を導入した平均探索情報量の検討をおこ なった.その結果,距離概念を導入した平均探索情報 量が高い地図データほど都市価値維持率が低くなる傾 向があることがわかった.また,エージェントアルゴ リズムによって道路ネットワークが都市価値維持率に 与える影響の大きさが異なると考えられた.

今後の課題として,地図情報とシミュレーション結 果との関係は建物情報や発火点,使用するエージェン トアルゴリズムなど道路ネットワーク以外の環境によ り大きく変わる可能性があるため,道路ネットワーク 以外の要素と都市価値維持率との依存関係についての 検証が必要である.また,本研究では 18 の地域と 2 つ のエージェントアルゴリズムを用いて分析を行ったが, より詳細な依存関係を求めるためにも,より多くのエー ジェントアルゴリズムや災害状況,地図データを用い ての分析が必要である.

参考文献

[1] 瀬戸口陽一.”道路ネットワークの複雑さと移動型 エージェントシミュレーションとの依存関係につ いて ”,2007.

[2] 堀江幸生,伊藤暢浩,幸塚義之,園田純.”平均探 索情報量とマルチエージェントシミュレーション との関連性についての考察 ”,2010.

[3] M. Rosvall, A. Gronlund, P. Minnhagen, and K. Snep-pen,“Searchability of networks”. Physical Review E72, 046117,2005.

[4] 名古屋市公式ウェブサイト, http://www.city.nagoya.jp/

[5] 菅民郎.”らくらく図解統計分析教室 ”, Ohmsha. [6] 田中敏.”実践心理データ解析’ ”, 新曜社,1996.

参照

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