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利益相反 熊本大学 riekisouhan dl

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(1)

1

利益相反マネジメントとは………2

熊本大学の役員及び職員がすべきこと………4

熊本大学における利益相反体制図………6

申請書の記載方法………7

利益相反に関するQ&A………12

利益相反マネジメントに係る関係規則………22

○ 国立大学法人熊本大学利益相反ポリシー

○ 国立大学法人熊本大学利益相反に関する規則

○ 国立大学法人熊本大学利益相反アドバイザリーボード要項

○ 国立大学法人熊本大学倫理規則

(2)

2

利益相反マネジメントとは

◎ 利益相反それ自体が「問題ある」という考え方は間違いです。

利益相反は、一律に回避すべき問題ではなく、組織的マネジメントにより、弊害が起こることのない ようにコントロールすべき状況として扱います。

そもそも、産学連携を進める上で、大学や職員等が特定の企業等から正当な利益を得る、又は特定の 企業等に対し必要な範囲での責務を負うことは当然に想定され、また必要なことでもあります。

ただ、一方では、教育と研究という使命を持つ大学と、営利や特定の公益を追求する企業等との立場 の違いから、産学官連携活動による利益や責任と、大学における責任とが衝突する状況も生じうると言 えます。

◎ なぜ利益相反マネジメントが必要なのか?

利益相反とは、「大学における責任が果たされていない」という事実を指すのではなく、社会から「大 学における責任が果たされていないのではないか」という疑念を抱かれる状況を指します。よって、法 令違反とは異なる概念であり、適切なマネジメントを実施することで社会への説明責任を十分に果た すことができればよいことになります。

◎ 社会の疑念が生まれかねない状況とは?

・個人的な経済的利益を得るためだけに研究テーマを設定していませんか? ・共同研究先の企業から、個人的に利益供与を受けていませんか?

・職員と個人的に利害関係を持つ企業から、大学の施設や備品を調達していませんか?

・学生を企業との共同研究に関与させる場合、学生の教育より企業の利益や個人の利益を優先させ ていませんか?

上記のような状況下では、適切な利益相反マネジメントを実施することが必要となります。

利益相反(広義)

協議の利益相反と責務相反を含んだもの

利益相反(狭義)

責務相反

教職員等が産学連携活動によって得る利益と大学に おける教育研究の義務が相反する状況

教職員等が兼業活動等で企業等に負う責務と大学に おける教育研究上の責務が相反する状況

個人としての利益相反

大学(組織)としての利益相反

(3)

3 ◎ 本学における取り組み

本学では、国立大学法人熊本大学利益相反ポリシー(平成16年6月24日制定)に基づき、国立大 学法人熊本大学利益相反に関する規則を制定し、次のとおり利益相反マネジメントを実施しています。 ・国立大学法人熊本大学利益相反ポリシー

・国立大学法人熊本大学利益相反に関する規則

(1)マネジメント体制

・熊本大学における利益相反マネジメント体制図(6ページ)

(2)マネジメント方法

毎年1回(3月末)、すべての教職員を対象に、利益相反自己申告書の提出を求めています。詳細 については、4ページをご参照ください。

(3)臨床研究に係る利益相反マネジメント

→ http://www.medphas.kumamoto-u.ac.jp/research/rinri/

※ 事務担当:生命科学系事務ユニット 医学事務チーム 研究支援担当 TEL : 096-373-5657

FAX : 096-373-5979

Mail : ski-shien@jimu.kumamoto-u.ac.jp

(4)利益相反に関する質問(Q&A)

(4)

4

熊本大学の役員及び職員

(※1)

がすべきこと

(1)年に 1 回(毎年 3 月末)「利益相反に関する自己申告書」を提出してください。

熊本大学の役員及び職員(以下「職員等」という)が産学連携活動を行うと、様々な価値観が衝突

し、安心して自らが設定した課題に取り組めないような事態が生じかねません。本人に予見できない

ところで、当該活動が利益相反上問題となる状況になっている場合も想定されます。

そこで、この「自己申告書」を、一定の時期に提出することにより、利益相反検討委員会で利益相 反マネジメントのための調査及び審査を行い安定した助言と指導等を実施することができます。

具体的な流れについては、以下のフロー図をご参照ください。

【3月末】利益相反に関する自己申告書調査(第一次)

すべての教職員宛に、担当事務からメールでご案内いたします。一次申告書の項目 に、一つでも該当のある方は、メール返信にて申告書を提出することになります。

(※項目に該当の無い方は提出する必要はありません。)

【7月末】利益相反に関する自己申告書調査(第二次)

自己申告書(第一次)の項目に該当があり、申告書(第一次)を提出された方宛に、 担当事務から書類(学内便)をお送りしますので、項目に記載し返送いただくことに なります。自己申告書(第二次)では、一次申告書よりもより詳細な内容をお伺いし

ます。

【10月】利益相反検討ワーキンググループ(WG) (※2)

での調査

提出された自己申告書(第二次)等を基に、利益相反検討WGを開催し、利益相反状 況を調査します。

【11月】必要に応じてWGから、資料等の追加提出依頼

利益相反検討WGの結果を踏まえ、必要に応じて、申告者宛に追加調査(資料等の 追加提出依頼)を行うことがあります。

【12月】利益相反検討委員会 (※3)

の開催

WGでの検討を踏まえ、利益相反検討委員会で、利益相反について社会通念上妥当 とされる範囲を著しく逸脱していないかなどについて審議します。

【1月】審査結果を学長へ報告

(5)

5

★様式はhttp://www.kumamoto-u.ac.jp/organizations/kico/coiから入手可能です。

★申請書の記載方法は、7~11ページを参照ください。

【申告書の提出先】

マーケティング推進部 産学連携ユニット sangaku-somu※jimu.kumamoto-u.ac.jp

(2)疑問点や手続きで分からないことがあれば、すぐに相談してください。

利益相反に関する疑問点や、自己申告書の記載方法など手続きのことで分からないことがあれば、

事務窓口にお問合せください。また、本学には、各キャンパス(黒髪北地区、黒髪南地区、本荘・九

品寺地区)に利益相反アドバイザーが配置されています。利益相反アドバイザーは、職員等からの個

別の相談を受けて、対処方法を一緒に考える役割を担います。お気軽にお問い合わせください。

□ 利益相反に関する事務窓口

マーケティング推進部 産学連携ユニット

TEL : 096-342-2036 FAX : 096-342-3239

Mail : sangaku-somu※jimu.kumamoto-u.ac.jp

□ 利益相反アドバイザー

※ご相談を希望される場合は事務窓口までご一報ください。 アドバイザーにお繋ぎいたします。

≪黒髪北地区≫

法学部 三谷仁美 講師 ≪黒髪南地区≫

イノベーション推進機構 橋本崇雄 教授 ≪本荘・大江地区≫

(6)

● 熊本大学における利益相反体制図

__

生命科学

研究部長

不服申し立て

再 審 査 勧 告→

再 審 査 の 報 告

各種

生命倫理委員会

利益相反

検討委員会

助言・提言

審 査 結 果 の 報 告

必 要 に 応 じ て モ ニ タ リ ン グ→

最 終 決 定 の 本 人 報 告

学長

報告等に基づき措置

関係組織

啓 発 ・ 教 育 研 修→ 該

当 職 員 へ の 通 知→

臨 床 研 究 に 係 る 利 益 相 反 自 己

申 告 書 の 提 出

教 職 員

審査結果の報告

随時報告書等の提出

自 己 申 告 書 の 提 出

各地区利益相反

アドバイザー

(本学職員)

協力

審 査 結 果 の 報 告→

助 言 相

諮問

利益相反

アドバイザリーボード

(外部の専門家)

規 則 等 に 基 づ く 措 置

臨床研究利益相反

審査委員会

(産学連携ユニット)

(7)

7

利益相反に関する自己申告書(第1次)

下記項目 1 ~ 5 のうち、1項目でも該当する場合のみ提出願います。

項目

平成26年1月1日以降において、

産学官連携活動の相手企業の公開株式の5%以上を保

有したことがある、或いは現在5%以上を保有している。

該当する

該当しない

項目

平成26年1月1日以降において、

産学官連携活動の相手企業の未公開株

(ストックオプ

ションを含む。

)を保有したことがある、或いは現在保有している。

該当する

該当しない

項目

平成26年1月1日から平成26年12月31日までの間、

産学官連携活動の相手方から、

ロイヤリティ収入を得たことがある、又は今後得る予定がある。

該当する

該当しない

項目

平成26年1月1日から平成26年12月31日までの間、同一企業(又は法人・団体)

から、年間合計100万円以上の兼業報酬を得たことがある、又は今後得る予定がある。

該当する

該当しない

項目

※(上記項目 1 ~ 4 で、

「該当する」方のみ)

平成26年1月1日から平成26年12月31日までの間、

上記項目 1 ~ 4 のいずれか

に該当した相手方企業(又は法人・団体)から、設備・物品の購入又は役務サービスを受

けたことがある、又は今後その予定がある。

該当する

該当しない

以上のとおり相違ないことを申告します。

(申告日) 平成 年 月 日

個人番号

(申告日と個人番号を記入してください。)

提出期限: 平成 年 月 日

提出・問い合わせ先:マーケティング推進部産学連携ユニット

(8)

8

利益相反に関する自己申告書(第1次)

下記項目 1 ~ 5 のうち、1項目でも該当する場合のみ提出願います。

項目

平成26年1月1日以降において、

産学官連携活動の相手企業の公開株式の5%以上を保

有したことがある、或いは現在5%以上を保有している。

該当する

該当しない

項目

平成26年1月1日以降において、

産学官連携活動の相手企業の未公開株

(ストックオプ

ションを含む。)を保有したことがある、或いは現在保有している。

該当する

該当しない

項目

平成26年1月1日から平成26年12月31日までの間、産学官連携活動の相手方か

ら、ロイヤリティ収入を得たことがある、又は今後得る予定がある。

該当する

該当しない

項目

平成26年1月1日から平成26年12月31日までの間、同一企業(又は法人・団体)

から、年間合計100万円以上の兼業報酬を得たことがある、又は今後得る予定がある。

該当する

該当しない

項目

※(上記項目 1 ~ 4 で、「該当する」方のみ)

平成26年1月1日から平成26年12月31日までの間、

上記項目 1 ~ 4 のいずれか

に該当した相手方企業(又は法人・団体)から、設備・物品の購入又は役務サービスを受

けたことがある、又は今後その予定がある。

該当する

該当しない

以上のとおり相違ないことを申告します。

(申告日) 平成 年 月 日

個人番号

(申告日と個人番号を記入してください。)

提出期限: 平成 年 月 日

提出・問い合わせ先:マーケティング推進部産学連携ユニット

花崎琢弥(内線:2036)

平成26年1月1日より前に取得して いた株式(5%以上)を、平成26年1 月 1 日以降に売却等を行い、現在保 有していない場合も「該当あり」とな ります。

(9)

9

平成

年利益相反に関する自己申告書(第2次)

相手企業(法人・団体)名

活 動 区 分

公開株

の保有

取得年月日

売買実績 無 有 無 有 無 有

未公開株

の保有

取得年月日

売買実績 無 有 無 有 無 有

ロイヤリティ

収 入

有りの場合○

今後得る予定の場合○

兼業報酬

100万円以上

有りの場合○

今後得る予定の場合○

兼業申請時 からの変更点

物品購入

等の実績

有りの場合○

以上のとおり相違ないことを申告します。

(申告日)平成27年 月 日

氏 名

提出期限:平成 年 月 日( )

提出先及び連絡先:マーケティング推進部産学連携ユニット 花崎(内線2036)

(10)

10

平成

年利益相反に関する自己申告書(第2次)

相手企業(法人・団体)名 K U 製 薬 ( 株 ) ( 株 ) K U 開 発 ○ ○ 県 庁

活 動 区 分 C ・ D A ・ B ・ D D

公開株の

保有

取得年月日 平 成 2 1 年 3 月 1 日

売買実績 有 無 有

無 有 無

未公開株の

保有

取得年月日 平 成 2 6 年 5 月 1 日

売買実績 有

無 有 無 有 無

ロイヤリティ

収入

有りの場合○ ○

今後得る予定の

場合○

兼業報酬

※100万円以上

有りの場合○ ○ ○

今後得る予定の

場合○

兼業申請時 からの変更点

月 2 回 : 1 回 2 時 間 に 変 更

物品購入等

の実績

有りの場合○ ○

以上のとおり相違ないことを申告します。

(申告日)平成27年 月 日

氏 名

提出期限:平成 年 月 日( )

提出・問合せ先:マーケティング推進部産学連携ユニット (内線2036)

記 載 例

地方公共団体、公益法人、公 的病院などについても、該当 があれば記載ください。

特 に 変 更 事 項 が な け れ ば 、 記 載 い た だ か な く て結構です。

現 時 点 で 保 有 し て い る な ら ば 、 取 得 年 月 日 は 平 成 26年1月1日~平成26

年12月31日に限定され ません。

「共同研究を行っているだけ」、「寄附 金を受け入れているだけ」等の相手企 業については記載する必要はありませ ん。

(11)

11 ≪記入例≫

◇ KU製薬(株)との関係

→ KU製薬(株)の主催するシンポジウムで演者として講演を行い、兼業報酬(100 万円以上)

を得ており、研究室名義ではあるが自分の研究室へ寄付金の受入がある。また、同社の未公開

株式を保有している。

→ 活動区分C・D

◇ (株)KU開発との関係

→ KU開発と共同研究を行っており、特許を技術移転しロイヤリティ収入を得ている。また、同

社の公開株式を保有している。

→ 活動区分A・B・D

◇ ○○県庁との関係

→ ○○県庁のアドバイザー委員として活動のほか、講演会の演者等を行っている。(兼業報酬は

合計で 100 万円以上)

→ 活動区分D

★各種様式はhttp://www.kumamoto-u.ac.jp/organizations/kico/coiから入手可能です。 ・利益相反に関する自己申告書(第 1 次)の提出について(Word 文書)

・利益相反に関する自己申告書(第 1 次)回答用紙(Word 文書)

・Submission of Kumamoto University Conflict of Interest Disclosure Statement (PartI)

(Word 文書)

(12)

12

利益相反に関する関する

Q

A

(回答は、

14

ページから)

■総論

Q1.利益相反とは何ですか?

Q2.責務相反とは何ですか?

Q3.利益相反マネジメントの基本的な考え方とはどのようなものでしょうか?

Q4.利益相反はなぜ問題となるのですか?

Q5.なぜ利益相反マネジメントを行う必要があるのですか?

Q6.利益相反マネジメントの対象者となるのは誰ですか?非常勤職員も含まれますか?

Q7.利益相反マネジメントの対象となるのはどのような場合ですか?

Q8.利益相反マネジメントのための本学の規則等は何がありますか?

Q9.利益相反マネジメントに協力した場合、どのようなメリットがありますか?

Q10.利益相反と法令違反とはどのような相違点があるのですか?

Q11.利益相反に関する具体的なルールや形式基準は明示されているのでしょうか?

Q12.臨床研究(治験・医学研究等)における利益相反について、特別に必要となる手続きはあり

ますか?

■利益相反マネジメントについて

Q13.本学の利益相反マネジメント体制はどのようになっているのですか?

Q14.利益相反マネジメントはどのような手順で進められるのですか?

Q15.利益相反による弊害を大学として許容できない場合、どのような措置がとられるのですか?

Q16.利益相反に関する勧告等に不服がある場合、どのような対応ができますか?

また、勧告等を無視した場合、罰則があるのですか?

(13)

13

Q18.利益相反マネジメントと兼業申請とはどのような関係になるのですか?

Q19.利益相反検討委員会ではどのようなことを行うのですか?

Q20.利益相反アドバイザーはどのようなことを行うのですか?

Q21.大学としての深刻な利益相反の状況が生じていると思ったときはどのようにすればよいの

ですか?

■自己申告書について

Q22.自己申告書は提出しなければならないのですか?申告しない場合はどうなりますか?

Q23.自己申告書ではどのような内容を質問されるのですか?

Q24.臨床研究に係る利益相反自己申告書において、自分だけではなく、家族の利益等についても

報告しなければならないのはなぜですか?

Q25.自己申告書に、誤ったことを報告した場合どうなるのですか?罰則はあるのですか?

Q26.利益相反自己申告書で届け出た内容に変更が生じたときは,利益相反検討委員会へ届け出る

必要がありますか?

Q27.自己申告書を提出した後に、申告者が追加で行うべき手続きはありますか?

■その他

Q28.利益相反に関する情報のうち、自己申告やカウンセリングで報告した 個人情報は秘密とし

て取り扱われるのでしょうか?

情報公開法により請求があった場合、プライバシーはどの程度守られますか?

(14)

14

利益相反に関する

Q

A

■総論

Q1.利益相反とは何ですか?

A1.本学では、主たる活動の一つとして、社会貢献を掲げています。その中で、地域産業の活性化、

新産業の育成などの分野に関わる、大学の知的財産を活用した産学官連携の推進に努めてい

ます。

産学官連携を進めるためには、大学の役員や職員(以下「職員等」とする)が特定の企業から

正当な利益を得たり、必要な範囲での責務を負うことが求められています。その際、大学また

は大学の職員等が企業等との関係で生ずる利益責務が、教育や学術研究という大学における

責務と相反する状況も生じます。これを利益相反といいます。

Q2.責務相反とは何ですか?

A2.職員等が兼業活動で企業等の学外機関に職務遂行責任を負っていて、大学における本来の職務

遂行責任と両立し得ない状態を「責務相反」と呼びます。例えば、外部活動へ時間配分を優先

させるあまり、学生への教育や研究指導がおろそかになるといった状態を指します。

Q3.利益相反マネジメントの基本的な考え方とはどのようなものでしょうか?

A3.本学では、利益相反を一律に回避すべき問題ではなく、組織的マネジメントにより、弊害が起

こることの無いようにコントロールすべき状況として扱います。マネジメントを行うことに

より、職員等が過度の責務を負ってしまうことを未然に防ぎます。職員等が「全く良心にのみ

従って言動」していたとしても、その外観から、「利益供与があったのではないか」との疑義

を大学内外からもたれてしまい、批判につながる可能性があるとき、そのような批判に対し、

職員等に代わって対応し、職員等を大学内外からの批判を守ることを目的としています。

産学官連携の健全な推進と職員等が安心して産学官連携活動に取り組める環境を整備するた

めに利益相反マネジメントが必要です。

Q4.利益相反はなぜ問題となるのですか?

A4.大学本来の活動に対して、十分に職務を果たしていないのではないかという疑念を社会に抱か

せる恐れがあるからです。このことは大学の社会的信頼を損ないかねず、ひいては大学が行う

産学官連携活動の推進そのものが損なわれます。わが国では産学官連携活動が急激に拡大し

つつあり、国立大学法人化や職員等の兼業規制の緩和により、職員等がコンサルティング兼業

で報酬を得ることも日常化しています。

また、技術移転体制も整備され、職員等が自らの特許の実施料収入を得る事例が増加していま

す。

このように、大学の職員等の活動が学内に留まらず、学外での活動が広範囲に行われるように

なると、必然的に利益相反の状況が発生する可能性があるので注意が必要です。

そこで、大学としてはリスク管理の一環として、利益相反が深刻化することを未然に防止する

(15)

15

Q5.なぜ利益相反マネジメントを行う必要があるのですか?

A5.利益相反マネジメントは、決して産学連携活動を抑制することが目的ではありません。

大学の職員等が産学官連携を含む社会活動を行う場合、必然的に学外の企業や団体と経済的

利害関係を持ち、活動に対する報酬などの利益を得ることになります。これらの活動は、社会

の貢献に寄与するものであり、また、その成果の一部を対価として得ることに何ら問題は生じ

ません。

しかし、これらの活動により生み出される公共の利益よりも、関係する教職員の利益を優先さ

せ、その結果として、当該教職員の活動が本来の業務である教育・研究の実施、さらには大学

の中立性や信頼性に悪影響を与えた場合、利益相反による弊害が生じたとして、社会的な指摘

を受けかねません。

このような行為によって産学官連携が停滞することなく、教職員が安心してこれに取り組むこ

とができるよう、熊本大学では利益相反マネジメントを行っています。

Q6.利益相反マネジメントの対象者となるのは誰ですか?非常勤職員も含まれますか?

A6.利益相反マネジメントの対象者は、本学の職員等(学長、監事、理事及び「国立大学法人熊本

大学職員就業規則第 2 条各号に定める職員=教育職員、一般職員、医療職員、有期雇用職員、

再雇用職員、個別契約職員」)です。ですので、非常勤職員も含みます。

Q7.利益相反マネジメントの対象となるのはどのような場合ですか?

A7.以下の項目に示すような産学官連携活動を行う場合には、利益相反の状況が発生しやすいた

め、利益相反マネジメントの対象になると考えられます。

(1)共同研究及び受託研究(治験等を含む。)

(2)技術移転

(3)寄附金等の受入れ

(4)ベンチャー企業経営、コンサルティング活動等の兼業等

(5)その他産学官連携に係る個人的利益に関する活動

ただし、これに該当する場合に、即、活動が抑制される訳ではありません。産学官連携活動を

引き続き継続して頂くための当該状況の確認、マネジメントを行うことになります。また、申

告書で開示して頂く項目は、該当項目全てという訳ではなく、利益相反マネジメント対象事象

のうち特に重要と判断される項目に限定されます。

Q8.利益相反マネジメントのための本学の規則等は何がありますか?

A8.熊本大学では、利益相反マネジメントのために以下のポリシー等の諸規則を策定しています。

・「国立大学法人熊本大学利益相反ポリシー」

・「国立大学法人熊本大学利益相反に関する規則」

・「国立大学法人熊本大学利益相反アドバイザリーボード要項」

(16)

16

・「国立大学法人熊本大学倫理規則」

・「国立大学法人熊本大学職員兼業規則」

等は密接に関係しますので、併せて一読されることをお勧めいたします。

22ページをご参照ください。

Q9.利益相反マネジメントに協力した場合、どのようなメリットがありますか?

A9.産学官連携活動を行う場合、利益相反の状況は不可避的に発生します。よって、利益相反マネ

ジメントは利益相反を防止することではなく、利益相反による弊害を防ぐことにより、大学と

職員等を保護しつつ、大学の社会的信頼を維持することを目的としています。

利益相反マネジメントにご協力頂き、産学官連携活動による利益相反の状況を自己申告書等

で開示して頂いた場合で、利益相反検討委員会が許容し得ると判断した事例に関係する職員

等に対しては、大学が外部からの圧力や追及等から守ります。産学官連携の健全な推進と皆さ

まが安心して産学官連携活動に取り組める環境を整備する責務を大学は有しています。

Q10.利益相反と法令違反とはどのような相違点があるのですか?

A10.「利益相反」は「法令違反」とは異なった概念です。法令違反は、法令上の規制に対する違

反行為で、これらには、法令で定められた一定の制裁・責任(刑事罰・行政罰・民事上の損

害賠償責任等)が科せられ、かつ、公権力(司法や行政)による強制力を伴っています。

一報、利益相反は、必ずしも法令違反となるわけではないものの、周囲の状況によって、社

会から「問題があるのではないだろうか」と疑われる可能性がある状況です。このような

「状況」は、法令上直ちに問題とはなりませんが、公共的性格を有する大学が社会的信頼を

得つつ発展するために、誠実かつ適切な対応が要求されるという性質の概念です。

Q11.利益相反に関する具体的なルールや形式基準は明示されているのでしょうか?

A11.利益相反は具体的なルールや形式基準を決めて規制する性質のものではありません。利益相

反は法令違反とは異なり、社会的疑念を招き、ひいては大学の社会的信頼を損ないかねない

状況を指します。よって、法令を遵守しているかどうかは判断基準にはならず、社会的に受

け入れられるかどうかが主な判断基準となりますが、これは個々の事例によって適切に対

応しなければならない性質のものです。

産学官連携を推進する観点からは、不適当な行為を予め列挙して禁止することは産学官連

携活動を阻害する可能性もあり、望ましいことではありません。本学では個別案件に応じて

適切な対応を図るための利益相反マネジメント体制をまず構築し、その上で個々の事例を

積み重ねることで、利益相反に対する一定の判断基準を形成していく方針をとっています。

Q12.臨床研究(治験・医学研究等)における利益相反について、特別に必要となる手続きはあり

ますか?

A12.臨床研究(治験・医学研究等)における利益相反マネジメントは重要なテーマであり、被験

(17)

17

断が要求されます。

よって、臨床研究(治験・医学研究等)における利益相反マネジメントの基本的な枠組みは、

通常の利益相反マネジメントの枠組みを前提としつつ、さらに追加的な枠組みを定めてい

ます。本学では関連諸規則として「熊本大学生命科学研究部等における臨床研究に係る利益

相反ポリシー」や「熊本大学生命科学研究部等における臨床研究に係る利益相反管理規則」

を別途定めています。

詳細については、以下をご参照ください。

→ http://www.medphas.kumamoto-u.ac.jp/research/rinri/

※ 事務担当:生命科学系事務ユニット

医学事務チーム 研究支援担当

TEL : 096-373-5657

FAX : 096-373-5979

Mail : ski-shien@jimu.kumamoto-u.ac.jp

■利益相反マネジメントについて

Q13.本学の利益相反マネジメント体制はどのようになっているのですか?

A13.以下の体制になっています。

(1)利益相反検討委員会

利益相反マネジメントに関する重要事項を審議します。

委員長:理事

委 員:本学の利益相反マネジメントに直接または間接に携わる若干名の役職員及

び利益相反アドバイザー

(2)利益相反アドバイザー

職員等の利益相反行為に関する相談に応じるとともに、委員会の審査先例に従い、必

要な助言又は指導を行います。黒髪北地区、黒髪南地区、本荘・九品寺地区にそれぞ

れ1名が配置されています。

(3)利益相反外部アドバイザー(利益相反アドバイザリーボード)

弁護士、公認会計士、弁理士、税理士、学識経験者等で学長に委嘱された者が利益相

反アドバイザリーボードを構成しています。利益相反検討委員会委員長の諮問に応

じて、次に掲げる事項について助言又は提言を行います。

1)利益相反マネジメント体制及びガイドライン等に関する事項

2)利益相反及び責務相反(以下「利益相反等」という)に係る諸問題に関する事項

3)利益相反等に係る情報開示に関する事項

4)利益相反等の活動内容及び委員会の判断に関する事項

5)その他利益相反マネジメント等に関する事項

Q14.利益相反マネジメントはどのような手順で進められるのですか?

(18)

18

【定期的な利益相反マネジメント】・・・自己申告書の提出

(1)自己申告書の提出(年1回)

(2)利益相反検討委員会での内容審議

(必要に応じて、対象者からのヒアリングを実施)

(3)審議の結果、(a)~(e)の対応がなされる

(a)利益相反を構成する事実関係を改善すべき旨の勧告がなされる場合

1)利益相反検討委員会から本人へ通知及び併せて学長から利益相反検討委員会

の報告等に基づく措置(関係組織から規則等に基づく措置)

2)審議結果に異議がある場合、学長に不服申し立て

3)学長から利益相反検討委員会への再審査勧告

4)利益相反検討委員会での再審査

5)再審結果について、学長への報告

6)学長から本人へ、最終決定の報告

(b)審議の結果、今後の状況を追跡調査した上で判断する場合

1)その旨を学長へ報告し、必要に応じてモニタリング

(c)特段問題ない場合

1)その旨を学長へ報告

【随時実施可能な利益相反マネジメント】…利益相反アドバイザーへの相談

利益相反アドバイザーへの個別相談については随時実施可能であり、利益相反を構成す

る事実関係発生の事前・事後いずれにおいても対応可能です。

(なお、アドバイザーの助言・指導に基づいて、職員等が行動した場合は、アドバイザー

の助言・指導の内容が利益相反マネジメント委員会での審議で十分に勘案されます。)

Q15.利益相反による弊害を大学として許容できない場合、どのような措置がとられるのですか?

A15.利益相反検討委員会は、自己申告書、対象者へのヒアリング等の調査に基づいて、対象者の

利益相反を構成する事実関係を確認し、本学の利益相反マネジメントが必要か審議します。

審議の結果についてはすべて学長へ報告し、利益相反を構成する事実関係を改善すべきであ

る場合には、利益相反検討委員会から本人への勧告等の通知を行い、必要に応じて、関係組

織から規則等に基づく措置が行われます。

Q16.利益相反に関する勧告等に不服がある場合、どのような対応ができますか?

また、勧告等を無視した場合、罰則があるのですか?

A16.利益相反検討委員会から勧告を受け職員等は、審議結果に異議がある場合には、学長に対し

て不服申し立てを行うことができます。この場合、利益相反検討委員会は再審査を行った上

で、その結果を学長に報告し、学長から最終決定の報告がなされます。

利益相反検討委員会の勧告には強制力はなく、勧告を無視したこと自体での罰則はありませ

ん。利益相反は法令違反とは異なる概念です。しかし、利益相反検討委員会からの勧告を無

(19)

19

ることがあります。

また、職員等が、外部から利益相反の疑いを持たれた場合で、大学として警鐘を鳴らしたに

もかかわらずそれを無視した場合には、大学として当該職員等を保護することはできないこ

とがあります。

Q17.利益相反の状況が心配になった場合、どうすればいいですか?事前相談はできますか?

A17.利益相反の状況で心配になった場合には、随時、利益相反アドバイザーに相談することがで

きます。担当部署にご連絡いただけますと、遅滞なく利益相反アドバイザーにその旨を知ら

せ、事前相談を実施します。

利益相反アドバイザーへの事前相談を行い、かつ、アドバイザーの助言・指導に基づいて職

員等が行動したにもかかわらず、事後において利益相反に関して問題となった場合でも、利

益相反検討委員会の審議は、アドバイザーの助言・指導の内容を十分に勘案した上で実施さ

れ、大学として職員等の保護に努めます。

Q18.利益相反マネジメントと兼業申請とはどのような関係になるのですか?

A18.兼業申請の手続を行っていれば、利益相反マネジメントの対象外となる訳ではありません。

また、利益相反マネジメントにおける自己申告書等を提出していることにより、兼業申請が

省略できる訳でもありません。

利益相反マネジメントはすでに人事院規則や大学により認められている兼業に関する許可

に影響を与えるものではありません。しかし、兼業が認められている職員等が新たに兼業先

の株式や新株予約権を取得する場合やロイヤルティなどの収入を得る場合、あるいは兼業先

の企業等と共同研究・受託研究を行う場合等において、利益相反マネジメントが必要な場合

があります。また、兼業申請の内容が実質的に変更されている場合にも利益相反マネジメン

トが必要な場合があります。

兼業申請する前でも利益相反が心配な場合には、利益相反アドバイザーへの相談を積極的に

ご活用下さい。

Q19.利益相反検討委員会ではどのようなことを行うのですか?

A19.利益相反検討委員会は次の審議を行います。(熊本大学利益相反に関する規則第6条)

(1)利益相反ガイドライン及び利益相反防止に関する施策の策定

(2)次に掲げるものの取りまとめ及び審査

イ)利益相反に関する自己申告書

ロ)利益相反に関する随時報告書

ハ)モニタリングの状況

(3)「職員等が、本学の職務に対して、個人的な利益を優先させていると客観的に見られ

る場合」及び「職員等が、本学における職務活動よりも外部活動への時間配分を優先さ

せていると客観的に見られる場合」に該当する利益相反行為を防止するための調査、審

(20)

20

Q20.利益相反アドバイザーはどのようなことを行うのですか?

A20.利益相反アドバイザーは、職員等の利益相反行為に関する相談に応じるとともに、委員会の

審査先例に従い、必要な助言又は指導を行います。(熊本大学利益相反に関する規則第13

条)

Q21.大学としての深刻な利益相反の状況が生じていると思ったときはどのようにすればよいの

ですか?

A21.皆さまが大学としての組織上、深刻な利益相反の状況にあると思われた場合には、随時、問

題提起を行うことができます。その場合、まずは利益相反アドバイザーにご相談ください。

利益相反アドバイザーと必要に応じて部局長等を含めて対応を協議します。

また、特に重要な案件の場合は、利益相反検討委員会委員長へ報告された上で、利益相反検

討委員会で審議を行う場合もあります。審議の結果、大学としての利益相反を構成する事実

関係を改善する必要があると判断した場合には、学長に報告します。

■自己申告書について

Q22.自己申告書は提出しなければならないのですか?申告しない場合はどうなりますか?

A22.自己申告書を提出しなかったとしても、そのこと自体での罰則はありません。しかし、外部

から利益相反の疑いを持たれた場合で、大学として警鐘を鳴らしたにもかかわらず、対象者

が自己申告書を提出しなかった場合には、大学として対象者を保護することはできないこと

があります。

Q23.自己申告書ではどのような内容を質問されるのですか?

A23.自己申告書の内容については、7ページをご参照下さい。

Q24.臨床研究に係る利益相反自己申告書において、自分だけではなく、家族の利益等についても

報告しなければならないのはなぜですか?

A24.「厚生労働科学研究における利益相反(Conflict of Interest:COI)の管理に関する指針」の

『Ⅱ-3本指針の対象となる「機関」及び「研究者」』において、「研究者と生計を一にする

配偶者及び一親等の者(両親及び子ども)についても、厚生労働科学研究におけるCOIが想

定される経済的な利益関係がある場合には、COI 委員会等(IV2に規定する「COI 委員会

等」をいう。)における検討の対象としなければならない。」とされています。

詳細については、

http://www.medphas.kumamoto-u.ac.jp/research/rinri/ をご参照下さい。

Q25.自己申告書に、誤ったことを報告した場合どうなるのですか?罰則はあるのですか?

A25.自己申告書に、誤ったことを報告した場合、利益相反検討委員会は誤った情報をもとに判断

(21)

21

いると判明した場合には、大学として対象者を保護することはできないことがあります。誤

った報告がなされたことに気づいた場合は、速やかに担当窓口にご相談ください。

Q26.利益相反自己申告書で届け出た内容に変更が生じたときは,利益相反検討委員会へ届け出る

必要がありますか?

A26.再提出いただくことが必要です。

職員等の利益相反マネジメントについて、本学が的確な説明責任を果たすには、常に最新の

情報をもとにマネジメントすることが不可欠です。そのため、ご提出頂いた自己申告書の内

容に変更が生じる場合には、速やかに自己申告書を再提出してください。

【例】未公開株の保有を増やす等の変更が生じる場合等

Q27.自己申告書を提出した後に、申告者が追加で行うべき手続きはありますか?

A27.自己申告書(第一次)提出後の手続き、流れについては、4ページをご確認ください。

■その他

Q28.利益相反に関する情報のうち、自己申告やカウンセリングで報告した 個人情報は秘密とし

て取り扱われるのでしょうか?

情報公開法により請求があった場合、プライバシーはどの程度守られますか?

A28.本学が職員等に求める情報については、必要最小限の範囲に限定しており、自己申告書やカ

ウンセリングで報告された個人情報については秘密情報として万全を期します。

利益相反に関する取り組みが、大学への社会の信頼を維持することを目的としている観点

から、個別事例が社会的に問題となった場合には、公表可能な範囲を必要に応じて開示する

可能性があります。これは、「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」、

「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」等により、法人文書の開示請求があ

った場合は開示しなければならないことによります。ただし、特定個人を識別する記述等に

ついては、個人の権利利益が害されるおそれがあるため非開示情報となります。

利益相反マネジメントでは、情報の開示を大学組織内で積極的に行うことにより透明性が

確保されますが、大学の組織外へすべての情報を開示しなければならない訳ではありませ

ん。

Q29.利益相反ポリシー等と倫理規則はどのような点で異なりますか?

A29.国立大学法人化前の国立大学の教職員は国家公務員であったため、国家公務員法や国家公務

員倫理法等の規制のもと活動してきました。法人化後は、各国立大学法人に倫理規則を定め

て運用されています。本学においても、「国立大学法人熊本大学倫理規則」が平成16年4月

1日より施行されています。

利益相反ポリシー等は倫理規則とは異なり、法的拘束力を有していません。よって、倫理規

則に記載されている禁止行為に対しては、本学の職員等としての禁止義務がありますが、こ

(22)

22

● 利益相反マネジメントに係る関係規則

○ 国立大学法人熊本大学利益相反ポリシー

○ 国立大学法人熊本大学利益相反に関する規則

○ 国立大学法人熊本大学利益相反アドバイザリーボード要項

○ 国立大学法人熊本大学倫理規則

(23)

国立大学法人熊本大学利益相反ポリシー

平成16年6月24日

利益相反検討委員会

1.目的

国立大学法人熊本大学(以下「本学」という。)は、教育と学術研究という基本的使

命に加え、研究成果の直接的な社会還元を目的として産学官連携を推進する。

産学官連携を推進する過程で、役員及び職員(以下「職員等」という。)が有するこ

とになる利益や負うこととなる義務が、大学がその使命に基づき職員等に求める義務

(大学の利益)と衝突する場合が生じうることも考えられる(いわゆる利益相反)。そ

こで本学は、産学官連携の推進に当たり、利益相反の問題について、本学及びその職員

等が取り組むべき姿勢と対処するためのルールを、利益相反ポリシーとしてまとめ、以

下に示す。

2.利益相反ポリシーの基本的な考え方

本学は、産学官連携ポリシーに定めるように、産学官連携による大学の研究成果の社

会還元を積極的に推進する。また職員等のそのような活動を奨励する。

しかし、その過程で生じる利益相反による大学の使命・利益の侵害は防止する必要が

ある。そこで本学は、産学官連携を公正かつ効率的に推進するために、社会通念上、妥

当とされる範囲を著しく逸脱したと判断される利益相反行為を防止し、解決するため

のルールを設ける。

3.利益相反ポリシーのルール

本学の職員等は、産学官連携に携わるに当たって、産学官連携に伴う個人的な利益や

提供先の利益等を優先する結果、大学の本来の使命である教育・研究を、疎かにするよ

うなことがあってはならない。また、本学及び職員等は、そのような利益相反行為がな

されているとの疑いを社会から招かないように努めなければならない。

このようなルールを守るために、適切に対処するための利益相反マネジメント体制

及び利益相反マネジメントを構築することとする。

4.利益相反マネジメント体制

(1) 利益相反検討委員会の設置

本学に利益相反検討委員会を設置し、利益相反マネジメントに関する重要事

項を審議する。

(2) 利益相反アドバイザリーボードの設置

利益相反検討委員会は、審議内容の専門性を勘案して、種々の助言を得るため、

(24)

ドバイザリーボードを別に設ける。

(3)利益相反アドバイザーの配置

本学に利益相反アドバイザーを配置する。利益相反アドバイザーは、利益相反

問題を抱える職員等の相談等、日常的にマネジメントの推進を行う中心的な役

割を担う。

5.利益相反マネジメント

(1)報告と記録・調査

■兼業報酬、実施料収入、未公開株式等について、一定額以上の収入がある職員等

は、利益相反検討委員会に対して、その活動内容を届け出るものとする。

■利益相反検討委員会は、金銭的情報の記録と保存及び事実関係の調査を行う。

(2)対応方策の検討

■利益相反検討委員会は、調査結果に基づき対応方策の検討を行い、是正すべき事

態に至ったと判断される場合には、速やかに是正勧告等を行う。

■当該職員等は、異議申し立ての機会を有することとする。

(3)情報公表・管理

■本学は、プライバシーを侵さない配慮をしつつ、基本的に情報公表の原則に従い

活動内容を公表し、その透明性を確保するとともに社会的な説明責任を果たす。

■本学は、機密漏洩がないように十分な情報管理を行うとともに、必要な場合は学

(25)

国立大学法人熊本大学利益相反に関する規則

(平成16年9月30日規則第274号)

改正 平成18年6月30日規則第181号 平成19年3月30日規則第265号 平成20年3月31日規則第168号 平成20年12月26日規則第321号 平成21年3月26日規則第114号 平成21年12月24日規則第306号 平成22年9月30日規則第228号 平成25年3月29日規則第98号 平成27年2月27日規則第16号

(目的)

第1条 この規則は、国立大学法人熊本大学利益相反ポリシー(以下「ポリシー」という。) に基づいて、国立大学法人熊本大学(以下「本学」という。)の産学官連携活動における役 員及び職員(以下「職員等」という。)の利益相反問題を円滑に解決することにより、産学 官連携の健全な推進に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この規則において「利益相反」とは、次に掲げる状態をいう。

(1) 職員等が産学官連携活動に伴って得る利益と教育研究という大学における責任とが相

反している状態

(2) 職員等が産学官連携活動に伴う職務遂行責任と教育研究という大学における責任とが

両立しえない状態

2 この規則において「職員等」とは、次に掲げる者をいう。

(1) 本学の学長、監事及び理事

(2) 国立大学法人熊本大学職員就業規則(平成16年4月1日制定)第2条各号に定める職員

3 この規則において「産学官連携活動」とは、次に掲げる活動をいう。

(1) 共同研究及び受託研究(治験等を含む。)

(2) 技術移転

(3) 寄附金等の受入れ

(4) ベンチャー企業経営、コンサルティング活動等の兼業等

(5) その他産学官連携に係る個人的利益に関する活動

4 この規則において「部局」とは、各学部、大学院社会文化科学研究科、大学院自然科学

研究科、大学院生命科学研究部、大学院法曹養成研究科、各研究所、医学部附属病院、大学 院先導機構、イノベーション推進機構、グローバル推進機構、国際先端医学研究機構、熊本 大学学則(平成16年4月1日制定)第9条第1項に規定する学内共同教育研究施設及び保健 センターをいう。

5 この規則において「事務組織の各部等」とは、監査室、経営企画本部、マーケティング

(26)

6 この規則において「部局等」とは、部局及び事務組織の各部等をいう。

7 この規則において「部局長等」とは、部局等の長(運営基盤管理部にあっては、総務担当

部長、財務担当部長及び施設担当部長とする。)をいう。

(利益相反の判断基準)

第 3 条 職員等は、利益相反について、社会通念上妥当とされる範囲を著しく逸脱しては ならない。

2 職員等が、利益相反について、社会通念上妥当とされる範囲を著しく逸脱したと判断す

る基準は、次の各号に該当する場合とする。

(1) 職員等が、本学の職務に対して、個人的な利益を優先させていると客観的に見られる

場合

(2) 職員等が、本学における職務活動よりも外部活動への時間配分を優先させていると客

観的に見られる場合

(利益相反検討委員会)

第 4 条 本学に、利益相反に関する重要事項等について審議するため、国立大学法人熊本 大学利益相反検討委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(委員会の組織)

第5条 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 学長が指名する理事 3人

(2) 教育研究評議会評議員のうちから学長が指名するもの 若干人

(3) マーケティング推進部長及び運営基盤管理部の総務担当部長

(4) その他学長が必要と認めた者

2 前項第4号の委員は、学長が委嘱する。

3 第1項第4号の委員の任期は、学長が委嘱の都度定めるものとし、再任を妨げない。

(委員会の任務)

第6条 委員会は、次に掲げる事項を行う。

(1) 利益相反ガイドライン及び利益相反防止に関する施策の策定

(2) 次に掲げるものの取りまとめ及び審査

イ 利益相反に関する自己申告書(以下「自己申告書」という。) ロ 利益相反に関する随時報告書(以下「随時報告書」という。) ハ モニタリングの状況

(3) 第3条第2項各号に該当する利益相反行為を防止するための調査、審査及び啓発

(4) その他利益相反に関する重要な事項

2 委員会は、法令、本学の規則、ポリシー及び委員会の審査先例(過去の審査の事例におけ

(27)

(委員会の委員長)

第7条 委員会に、委員長を置き、第5条第1項第1号の理事のうちから、学長が指名す る者をもって充てる。

2 委員会は、委員長が招集し、その議長となる。

3 委員長に事故があるときは、第5条第1項第1号の理事のうちから、委員長があらかじ

め指名する者がその職務を代行する。

(委員会の開催)

第8条 委員会は、委員の過半数が出席しなければ、議事を開くことができない。

2 委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数の場合は、議長の決す

るところによる。

(意見の聴取)

第9条 委員長は、必要があるときは、第11条に規定する利益相反アドバイザリーボード に諮問してその意見を聴くことができる。

(異議申立て)

第10条 職員等は、委員会の審査結果に不服がある場合は、学長に異議を申し立て、再度 審査を要請することができる。

2 学長は、前項の異議申立てがあった場合は、委員会へ再度審査を依頼する。委員会は、

再度審査を行い、審議結果を学長に報告するものとする。

3 学長は、審議結果、次条に規定する利益相反アドバイザリーボードの意見等を総合的に

判断して、最終決定を行い、職員等に通知する。

(利益相反アドバイザリーボード)

第11条 本学に、委員会の専門的事項を諮問するため、外部の専門家及び学識経験者等で 構成する利益相反アドバイザリーボードを置く。

2 利益相反アドバイザリーボードに関し必要な事項は、学長が別に定める。

(利益相反アドバイザー)

第12条 本学の黒髪北地区、黒髪南地区及び本荘・大江地区に、それぞれ利益相反アドバ イザー(以下「アドバイザー」という。)を1人配置する。

2 アドバイザーは、本学の職員等のうちから委員会の推薦に基づき、学長が委嘱する。

3 アドバイザーの任期は、2年とし、再任を妨げない。

(アドバイザーの任務)

第13条 アドバイザーは、職員等の利益相反行為に関する相談に応じるとともに、委員会 の審査先例に従い、必要な助言又は指導を行う。

2 アドバイザーは、委員会の活動及び報告に協力しなければならない。

(自己申告書)

(28)

(随時報告書)

第15条 部局長等は、当該部局等において、ポリシーに定めるルールに違反し、又は違反 するおそれのある事案が発生した場合は、速やかに随時報告書を委員会に提出しなければ ならない。

(モニタリング等の実施)

第16条 委員会は、必要に応じてモニタリング及び調査を行うものとする。

(報告書の提出)

第17条 委員長は、自己申告書及び随時報告書並びにモニタリング及び調査の結果につい ての審査が終了したときは、10日以内(休業日を除く。)に学長に報告書を提出しなければ ならない。

(事務)

第18条 委員会の事務は、マーケティング推進部産学連携ユニットにおいて処理する。

(雑則)

第19条 この規則に定めるもののほか、利益相反の管理及び委員会の運営等に関し必要な 事項は、学長が別に定める。

附 則

1 この規則は、平成16年9月30日から施行する。

2 この規則施行後、最初に委嘱されるアドバイザーの任期は、第12 条第3項の規定にか

かわらず、平成18年3月31日までとする。

附 則(平成18年6月30日規則第181号) この規則は、平成18年7月1日から施行する。 附 則(平成19年3月30日規則第265号) この規則は、平成19年4月1日から施行する。 附 則(平成20年3月31日規則第168号) この規則は、平成20年4月1日から施行する。 附 則(平成20年12月26日規則第321号) この規則は、平成21年1月1日から施行する。

附 則(平成21年3月26日規則第114号) この規則は、平成21年4月1日から施行する。 附 則(平成21年12月24日規則第306号) この規則は、平成22年1月1日から施行する。

附 則(平成22年9月30日規則第228号) この規則は、平成22年10月1日から施行する。

(29)
(30)

国立大学法人熊本大学利益相反アドバイザリーボード要項

(趣旨)

第1条 この要項は、国立大学法人熊本大学利益相反に関する規則(平成16年9月30

日制定)第11条第2項の規定に基づき、国立大学法人熊本大学アドバイザリーボード

(以下「アドバイザリーボード」という。)に関し必要な事項を定める。

(組織)

第2条 アドバイザリーボードは、次に掲げる外部アドバイザーをもって組織する。

(1)弁護士 1人

(2)公認会計士 1人

(3)その他弁理士、税理士、学識経験者等で国立大学法人熊本大学利益相反検討委員

会(以下「委員会」という。)の委員長(以下「委員長」という。)が必要と認めた者

1人

2 外部アドザイザーは、委員会の推薦に基づき、学長が委嘱する。

3 外部アドバイザーの任期は、2年を超えない範囲で学長が委嘱の都度定めるものとし、

再任を妨げない。

(任務)

第3条 アドバイザリーボードは、委員長の諮問に応じて、次に掲げる事項について助言

又は提言を行う。

(1)利益相反マネジメント体制及びガイドライン等に関する事項

(2)利益相反及び責務相反(以下「利益相反等」という。)に係る諸問題に関する事項

(3)利益相反等に係る情報開示に関する事項

(4)利益相反等の活動内容及び委員会の判断に関する事項

(5)その他利益相反マネジメント等に関する事項

(諮問)

第4条 委員長は、必要に応じてアドバイザリーボードに諮問するものとする。ただし、

委員長が諮問の内容に応じて必要があると認めるときは、外部アドバイザー個人に対し

て直接助言又は提言を求めることができる。

(秘密の保持)

第5条 外部アドバイザーは、その他任務上知り得た秘密及び個人情報を他に漏らしては

ならない。その職を退いた後も同様とする。

(事務)

第6条 アドバイザリーボードの事務は、マーケティング推進部産学連携ユニットにおい

て処理する。

(雑則)

第7条 この要項に定めるもののほか、アドバイザリーボードの運営に関し必要な事項は、

委員会の議を経て、委員長が別に定める。

附 則

(31)

○国立大学法人熊本大学倫理規則

(平成16年4月1日規則第44号)

改正 平成18年3月23日規則第86号 平成19年3月26日規則第88号

平成22年3月30日規則第51号

(趣旨)

第1条 この規則は、国立大学法人熊本大学(以下「本学」という。)の役員及び職員(国立大

学法人熊本大学職員就業規則(平成16年4月1日制定)第2条に定める職員をいう。)(以下

「役職員」という。)の倫理に関し必要な事項を定める。

(目的)

第 2 条 この規則は、役職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずるこ

とにより、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、

もって本学の業務に対する国民の信頼を確保することを目的とする。

(定義等)

第3条 この規則において、「事業者等」とは、法人(法人でない社団又は財団で代表者又は

管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のため

にする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。

2 この規則の適用については、事業者等の利益のためにする行為を行う場合における事業

者等の役員、従業員、代理人その他の者は、前項の事業者等とみなす。

3 この規則において、「利害関係者」とは、役職員が職務として携わる次に掲げる事務の区

分に応じ、当該各号に定める者をいう。

(1) 売買、賃借、請負その他の契約に関する事務 これらの契約を締結している事業者等、

これらの契約の申込みをしている事業者等及びこれらの契約の申込みをしようとしている

ことが明らかである事業者等

(2) 入学試験における合格者の決定に関する事務 本学への入学を志願する者及びその関

係者

(3) 学生等の懲戒処分の決定に関する事務 当該懲戒処分の対象となる学生等及びその関

係者

(4) 卒業判定又は修了判定の決定に関する事務 当該判定の対象となる学生等及びその関

係者

(5) 学位論文(大学院の課程を修了するための論文を除く。)の審査に関する事務 当該学位

論文審査の対象となる者及びその関係者

(6) 役職員として採用する者の決定に関する事務 本学に役職員として採用を希望する者

及びその関係者

4 役職員に異動があった場合において、当該異動前の役職に係る当該役職員の利害関係者

であった者が、異動後引き続き当該役職に係る他の役職員の利害関係者であるときは、当該

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税関に対して、原産地証明書又は 原産品申告書等 ※1 及び(必要に応じ) 運送要件証明書 ※2 を提出するなど、.

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第 3 章  輸出入通関手続に関する利用者アンケート調査結果 現在、通常の申告で問題がない。