事 項 ｜ 繁 殖 豚 に お け る 窒 素 ・ リ ン 排 池 量 の 低 減 技 術
養 豚 経 営 に お い て は 豚 糞 尿 に よ る 環 境 汚 染 問 題 が 深 刻 化 し て お り 、 排 池 物 や 汚 水 等 を 大 幅 に 低 減 し た 環 境 保 全 型 飼 養 管 理 技 術 が 求 め ら れ て い る 。 このたび ね ら い ｜ 繁 殖 豚 に 対 す る 低 蛋 白 質 飼 料 の 給 与 は 、 繁 殖 成 績 に 悪 影 響 を 及 ぼ す こ と な く 尿 中 の 窒 素 排 池 量 を 低 減 で き る こ と 、 ま た 、 フ ィ タ ー ゼ 添 加 飼 料 の 給 与 に よ り リ ン排池量も低減できることが明らかになったので、参考に供する。
指
1 窒 素 排j世量の低減
繁 殖 豚 の 妊 娠 前 ・ 中 期 （ 交 配 ∼ 75 日 間 ） に 低 蛋 白 質 飼 料 （C P 7 % ）を給与 す る こ と に よ り 、 繁 殖 成 績 に 悪 影 響 な し に 尿 中 窒 素 排 池 量 を 標 準 飼 料
( CP12. 5%）給与に比べて 3 7 %低減できる。
2 リン排池量の低減
フ ィ タ ー ゼ 添 加 飼 料 給 与 に よ り 、 繁 殖 成 績 に 悪 影 響 な し に 糞 中 リ ン 排 池 量 を2 8 %低減できる 。
導
参
3 飼 料 給 与 法
一給与例−
繁殖 時期
給 与量
窒素排池量低減のため の飼料給与法
リン排池量低減のため の飼料給与法
参 考 ： 従 来 の 給 与 法
妊 娠 前 ∼ 中 期 ｜後 期 ｜授 乳 期 ｜ 空 胎 期
2kg
l
不断給与｜ 2kgC P 7%
I
CP 1 2 . 5 %I
C P 1 5 %I
CP 1 2 . 5 % CP 1 2 .5 % I C P 1 5 % I CP 1 2 . 5 % フイターゼ添加は飼料1 kg に対して 1 g考
CP 1 2 .5 % C P 1 5 % I CP 1 2 . 5 %
内 注1 ）繁殖豚（初産） 1 日 1 頭 当 た り の 給 与 量 2 ）各飼料とも T DN7 4 %
月モ・
廿
低 蛋 白 質 飼 料 と フ ィ タ ー ゼ 添 加 飼 料 の 給 与 に よ り 、 尿 中 窒 素 排 排 池 量 及 び 糞 期 待 さ れ る 効 果 ｜
中リン排池量の低減に伴う糞尿処理の軽減と飼料費の節減が期待できる 。 低 蛋 白 質 飼 料 の 給 与 期 間 は 妊 娠 前 ・ 中 期 の 75 日間である 。
利用上の注意事項 ｜
イターゼ添加量は、飼料1 kg に対して 5 0 0 Uである 。 担 当 ｜青 森 県 畜 産 試 験 場 家 畜 部
l
対 象 地 域 ｜県 下 全 域 発 表 文 献 等 ｜平 成 昨 度 青 森 県 畜 産 試 験 場 試 験 研 究 成 績 書-【根拠となった主要な試験結果］
表
1
尿 中 窒 素 排 池 量 （ 平 成9∼ 11年 青 森 畜 試 ）区 分
供 試 頭 数 日 平 均 尿 中 窒 素 排 池 量
（頭） ( g／ 日）
標 準 飼 料 区 8 12. l A ( 100)
低 蛋 白 質 飼 料 区 8 7. 7B ( 63)
注1）標準飼料区： CP12. 5%、低蛋白質飼料区： C P 7%
2) ( ） は 指 数
3) A、B異符号聞に有意差あり Pく0. 01
表
2
糞 中 リ ン 排 池 量 （平成9∼ 11年 青 森 畜 試 ）区 分
供 試 頭 数 リ ン 摂 取 量 リ ン 排 准 量 リ ン 吸 収 率
（頭） ( g／日） (g／日） （%）
標 準 飼 料 区 8 14. 6 ( 100) 9.
s
a
( 100) 32. 8低 蛋 白 質 飼 料 区 8 12. 2 ( 83) 7. 0b ( 72) 42. 3
注1）標準飼料区： CP1 2 . 5 %、フィターゼ添加区 ：C P12. 5%＋フイターゼ
2)
(
I
） は 指 数3) a、b異符号聞に有意差あり Pく0. 05
表
3
繁 殖 成 績 （平成9∼ 11年 青 森 畜 試 ）分 娩 生 産 死 産 南佐 し字 日甫育率 子 豚 体 重 （kg) 発 情 再
区 分 頭 数 頭 数 里 子 頭 数
生 時 4週 齢 時
帰 日 数
（頭） （頭） （頭） （頭） （頭） （日）
標 準 飼 料 区 11. 8 11. 1 0. 7 10. 6 96. 4 1. 3 6. 0 5. 6
低 蛋 白 質 飼 料 区 8. 4 8. 3 0. 1 8. 0 97. 4 1. 4 7. 4 5. 0
標 準 飼 料 区 10. 4 9. 9 0. 5 9. 6 97. 4 1. 5 6. 4 6. 0
フィターゼ添加区 11. 3 10. 4 0. 9 9. 4 92. 3 1. 4 7. 7 5. 9
注1）標準飼料区： CP12 . 5 %、低蛋白質飼料区： C P 7 % 、フィターゼ添加区：CP1 2 . 5 %＋フイターゼ
2）飼料給与区分：妊娠後期・空胎期CP1 2 . 5 %、授乳期CP 1 5 %
3 ）初産の成
4）低蛋白質飼料区及びフィターゼ添加区は、各々の標準飼料区に対して有意差なし
〔その他〕
研 究 課 題 名 ： 「 環 境 保 全 の た め の 家 畜 排 池 物 高 度 処 理 ・ 利 用 技 術 の 確 立 」 予 算 区 分 ： 総 合 的 開 発 研 究
研 究 期 間 ： 平 成9∼ 11年（後期）
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