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99回 月例発表会(200105月) 知的システムデザイン研究室

ユビキタスコンピューティング

Ubiquitous Computing

中村 康昭,長谷 佳明

Yasuaki NAKAMURA, Yoshiaki NAGAYA

Abstract: The word ”Ubiquitous Computing” is used in various meanings. In this paper, the word is used with its original meaning. The present conditions, the problems, and the required method of controling the devices for the realization of the Ubiquitous Computing environment are also mentioned in this paper.

1 はじめに

ユビキタスという語は「至る所にある」「いつでもど こでも」という意味である.「Ubiquitous Computing」 という言葉は、ゼロックスのパロアルト研究所の研究者 であったマーク・ワイザーが 80 年代から提唱していた もので,端末を携帯することなく,どこでもコンピュー ティングができる環境という概念である.ワイザーは, 常にネットワークに結合されたデバイスが至る所でユー ザーを取り巻き,ユーザーがコンピュータを意識せずに 情報にアクセスできる環境のことだとしている.

2 ユビキタスコンピューティングの定義

概念の広がりにともない,ユビキタスコンピューティ ングの定義が曖昧になっている.例えば,人によっては PDA1などのモバイルツールを用いたネットワーク環境 を含め,ユビキタスコンピューティングということもあ る.これはモバイルコンピューティングとユビキタスコ ンピューティングの適用される範囲が非常に似ているた めであると考えられる. また,現時点において,私たちの周りでは,すでに多 くの電化機器の中にプロセッサが組み込まれている.だ が,前章でも述べたとおり,ワイザーの提唱に従うと, ユビキタスコンピューティング環境と呼ぶにはそれらの 電化機器はネットワークに接続されている必要がある. 論点を明確にするため,本発表では,ユビキタスコン ピューティングについて,ワイザーの提唱に従い,以下 のように定義し,考察を行う.   常にネットワークに結合されたデバイスが至る所 (壁の中でも)でユーザを取り巻き,ユーザがコン ピュータを使っていると気づくことなく,どこにい ても情報にアクセスできる環境  

1Personal Digital Assistance

3 ユビキタスコンピューティング環境におけ

る制御

ユビキタスコンピューティング環境において各機器を 制御するには,リアルタイム・マルチタスクを実現でき, 優れた HMI2を持つ,共通基盤を確立する必要がある. MS-DOSや Windows はリアルタイム・マルチタスクで ないという意味で制御プログラムには向かない.例えば ファイル入出力や画面描画の際には,その処理が終わる まで他のイベントが発生しても,そのイベントハンドラ が起動されない場合がある. 一方リアルタイム OS は,ある決められた時間3以内に 確実にイベントハンドラが起動されることを保証する機 能を持つ.このためリアルタイムにイベントの処理を行 わなければならないような用途に向いている.だが,制 御系に用いられるリアルタイム OS は一般に画面制御機 能が弱く,優れた HMI を実現するのが困難である.ユ ビキタスコンピューティング環境での制御には,これら OSの利点をともに備えた OS が必要となる.特に本発 表では、このような OS としてトロンを紹介する。

4 ユビキタスコンピューティングに向けて

4.1 トロンプロジェクト トロンプロジェクトは 1984 年に東京大学の坂村健が 「どこでもコンピュータ」の社会を目指して立ち上げた プロジェクトである.「どこでもコンピュータ」とは身の 回りのさまざまな「物」にコンピュータが組み込まれ, それらがネットワークで相互接続されて協調動作するこ とを目指している. トロンの使用は,対象とするプラットフォームごとに 分かれており,汎用コンピュータに対する OS の仕様は, BTRONの中で定められている.BTRON はリアルタイ ム応答性および保守性や拡張性,分散環境への対応など を考慮し,モジュール化構造をとっている.具体的には

2Human Machine Interface 310µsec∼数 10µsec

(2)

Table 1 BTRONの仕様でのモジュールの管理対象 分類 管理する対象 中心核 周辺核以上の階層やデバイスドラ イバで使用するタスクやメモリな どの資源 周辺核 ファイル,プロセス,イベント 外殻 グラフィック機能,ウィンドウシス テムなどの GUI に関連した部分 OSを中心核,周辺核,外殻の 3 層に分けている.各層 の管理対象を Table 1 に示す. 3層のうち,周辺核や外殻の機能はその操作対象に応 じて独立したマネージャにより実現する.マネージャの 実体は中心核の下で動くタスク群である.また,デバイ スドライバの実体も中心核の上で動作するタスク群であ る.このように OS の持つ機能の一部やデバイスドライ バをカーネルではなくタスクで実現させ,OS 内部をモ ジュール化することにより保守性や拡張性が向上する. また,OS(周辺核や外殻)の実行中であっても,割り 込みを受け付けることが容易になり,応答性を高めるこ とも可能となる.このような構造はマイクロカーネル方 式と呼ばれている. 4.2 デジタルミュージアム ユビキタスコンピューティングを達成する前段階とし て,東京大学総合研究博物館内のデジタルミュージアム が挙げられる. 実物資料に電子タグをつけてコンピュータに認識でき るようにし,来館者に携帯端末を貸し出して個々の人の 位置や属性をコンピュータが認識して,各自が必要な情 報をその場で引き出せる環境を実現している. Fig. 1 デジタルミュージアム内における HMD の機能 具体的には,来館者は HMD4を貸し出され,展示物 の情報が現実世界の視界と融合し,表示される.また HMDに付属するヘッドフォンにより,展示物に近づく と,注目している展示物の音声による説明を受けること ができる.これは HMD に装着されているカメラによっ て,来館者が注目しているものが何であるか,その距離 がどの程度であるかといった計測を行っているからであ る.また来館者側も非接触型の電子タグを持ち,どうい う来館者が近くにやってきたかを展示物側が認識してい る.このように,来館者と展示場のあらゆるところに電 子タグを埋め込み,その電子タグが出力する情報を利用 して,より柔軟な情報提供が行われている.

5 ユビキタスコンピューティングの問題点

e現在ユビキタスコンピューティングを実現するにあ たり,以下の 2 つの問題がある. インフラ構築: 現在のネットワークでは十分なキャパ シティーを備えてはいない.ユビキタスコンピュー ティング環境ではさまざまな情報をネットワークを 通じて共有するため,高速・大容量のネットワーク が必要となる.また,様々な機器の相互接続を実現 するため,統一した規格が必要となる. セキュリティー: ワイザーの提唱するユビキタスコンピ ューティング環境では,ありとあらゆるものがネッ トワークでつながり,互いに情報を交換するように なる.情報の共有化により,情報の信頼性と情報漏 洩への対策が重要になる.

6 まとめ

現在の電気機器はすでにマイクロチップを内蔵した状 態であり,いわばコンピュータである.そこでコンピュー タの歴史を考えれば,次にネットワークでつながると想 像することは難しくはない.それぞれの情報を互いに享 受しあうことで,ユーザーにとって利便性の向上を図る ことができる.そのためにネットワークが整備され,各 機器間の接続インタフェースの仕様の策定が必須となる のである.これらの過程の先にワイザーの提唱したユビ キタスコンピューティング環境の実現がある.

参考文献

1) TRON PROJECT OFFICIAL HOMEPAGE

http://www.tron.org

2) Mark Weiser. Some Computer Science

Is-sue in Ubiquitous Computing. 1993.

http://nano.xerox.com/hypertext/weiser/UbiCACM.html 3) Mark Weiser. Ubiquitous Computing. 1996.

http://www.ubiq.com/hypertext/weiser/UbiHome.html

4Head Mount Display

参照

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