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IT好き放題:サイバーセキュリティにおける3つのインテリジェンス

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Academic year: 2021

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(1)最. 象となる場合が多い.今後は,国際政治や社会状況 近いろいろな局面において Intelligence(イ. もデータとして組み込みつつ,セキュリティインテ. ンテリジェンス)という言葉が注目を浴びており,. リジェンスを行うことが必要になっていくだろう.. 異なった意味で使われている.サイバーセキュリテ.  このセキュリティインテリジェンスを行うために,. ィの観点から,この言葉がどのように使われどのよ. 機械学習やデータマイニングなどの技術が使われ始. うに関連するか整理してみたい.. めている.これがもう 1 つのインテリジェンス,ア.  国家間の情報収集のためのインテリジェンスは,. ーティフィシャルインテリジェンス(AI:Artificial. 「政策決定者が,国家の安全保障に関する政策決定 1). Intelligence)である.私は,セキュリティ対策にお. をするために提供される情報収集・分析活動」 を. ける AI の応用分野はもっと広いだろうと考えてい. いう.ここには,スパイ活動による情報入手を行う. る.標的型攻撃等の高度な攻撃に対処できるセキュ. ヒューマン インテリジェンス(Human Intelligence)や,. リティ人材は非常に限られている.そこで,私たち. 通信などの傍受に基づく諜報活動であるシギント. は自動的な応急対応を可能とするとともに,運用者. (SIGINT,英語:Signals Intelligence)がある. サイバー空間のシステムを利用して情報を得ようと いうのが,シギントの発展形であるサイバーインテ リジェンスであり,本稿で対象とする 1 つ目のイ ンテリジェンスである.警察庁によれば,サイバー インテリジェンスとは「情報通信技術を用いた諜報 活動であり,機密情報が窃取されれば,我が国の治 安,外交,安全保障,社会経済活動等に重大な影響 2). 基 応 専 般. [シ ニ ア コ ラ ム]. I T [No.63]. 好き放題. Messag e.  通信の手段が発達してきて,インターネット等の. n Favorite I T so. サイバーセキュリティにおける 3つのインテリジェンス. が適切な対策をとれるようにするため,ルールベー. が生じるおそれがある」としている .インターネ. スの AI を用いた LIFT(Live and Intelligent Network. ットを流れる情報やサーバの中身を監視したり,標. Forensic Technologies:以下 LIFT)システムの開発を. 的型攻撃のようにインターネットを構成するサーバ. 2013 年から行ってきた 3).この結果,過去に起こ. や PC に侵入して情報を取り出すということも行わ. った種々の攻撃には適切な対策がとれる見通しが得. れている.. られた.しかし,新しい攻撃に対応するのは困難で.  サイバーインテリジェンス等の目的のためのサイ. あるという問題が残っている.この問題を解決し,. バー攻撃から自国の安全を確保するためには,適切. Beyond the Attackers の実現を可能にするためマル. なセキュリティ対策を行うことが大切になる.この. チエージェントなどの AI 技術を用いる Super -LIFT. ためには攻撃側の出方を適切に把握するための手段. の研究・開発をスタートした .. が必要になる.これがセキュリティインテリジェン.  今後 AI 機能を持つマルウェアは確実に現れるの. スであり,本稿で扱う 2 つ目のインテリジェンスで. である.攻撃側が賢くなる以上,防御側も AI を用. ある.セキュリティインテリジェンスは, 「セキュリ. いて賢くならざるを得ないと思う.さらに,セキュ. ティ対策に必要な高度な情報やそれを得るための行. リティ技術者は長い間,新しい攻撃が出てきて初め. 動」 と考えておくとよいだろう.情報のもととなるデ. て後追いで研究を行ってきた.これでよいはずはな. ータとしては,通信やシステムの大量のログが主対. いのである.困難ではあるが高い研究目標を設定し,. 3). なんとか先回りして対策ができるようにしていきた いと考えている.. 佐々木良一 Ryoichi SASAKI 東京電機大学 [正会員] [email protected] 1971 年東京大学卒業.日立製作所入社.システム開発研究所にてセキュ リティ等の研究を実施.2001 年より東京電機大学教授.日本セキュリティ・ マネジメント学会会長,内閣官房サイバーセキュリティ補佐官.. 参考文献 1) 伊東 寛:サイバー・インテリジェンス,祥伝社新書(2015). 2) 警察庁:https://www.npa.go.jp/keibi/biki3/230804shiryou.pdf  3) 佐々木良一,八槇博史:標的型攻撃に対する知的ネットワーク フォレンジックシステム LIFT の開発(その 3)−今後の研究構 想−,情報処理学会 DICOMO2015. (2015 年 12 月 19 日受付). 情報処理 Vol.57 No.4 Apr. 2016. 401.

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