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平成15年度シドニー大学看護学部学生研修に関する報告

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平 成15年 度 シ ドニ ー大学 看 護 学 部 学 生 研 修 に関 す る報 告

子,森

美,河

The Report

on the Students'

"Shadowing"

Program

at Faculty

of Nursing,

the University

of Sydney

2004

NAKAJIMA Ritsuko, MORI Masarni, KAWAI Yoko

キ ー ワ ー ド:学 生,海 外 研 修,シ ド ニ ー 大 学,看 護 学 部,評 価

Key  words:students,  shadowing  program,  the  University  of  Sydney,  Faculty  of  Nursing,  evaluation       -1.は じめ に   昨年 度 に 引 き続 き、 「本 学 部 が 学 術 交 流 協 定 を締 結 し た シ ドニ ー大 学 看 護 学 部 の学 生 との交 流 や 、施 設 の見 学 な どを通 して、 オ 一 ス トラ リアの 文化 や 医療 、 看 護 を知 り、 国 際 的視 野 を養 う」 こ とを 目的 に、 平 成15年 度 シ ド ニ ー大 学 看 護 学 部 学生 研 修(以 下 、 学 生 研 修)が 開催 さ れ た。   平 成15年 度 の学 生 研 修 につ い て は、 そ の実 施 要 領 の検 討 、 学 生 の募 集 と参 加 学 生 の選 考 、 旅 行 代 理 店 の選 定 を シ ドニ ー大 学 との交 流 担 当小 委 員 会(委 員 長:森 雅 美 教 授)で 検 討 し、 そ の後 の シ ドニ ー大 学 看 護 学 部 との調 整 や、 学 生 へ の オ リエ ンテ ー シ ョ ン、 旅 行 代 理 店 との連 絡 や調 整 、学 生 の事 前学 習 等 は同 行 した委 員 を 中心 に進 め 、 直 前 の プ レゼ ンテ ー シ ョ ンの準 備 に あ た って の学 生 へ の 援 助 は同 行 教 員2名 で 行 つた。 平 成15年 度 の研 修 に は、 中 嶋 律 子 シ ドニ ー大 学 と の交 流 担 当 小 委 員 会 委 員 と尾 崎 伊 都 子 助 手 が 同 行 した。 2.学 生 研 修 の 概 況 1)学 生 の 選 考     平成15年 度 は6名 の募 集 に対 し7名 の応 募 が あ った。   シ ドニ ー大 学 との 交 流 担 当 小 委 員 会 にお いて1名 の 増 名 古 屋 市 立 大 学 看 護 学 部 シ ドニ ー 大 学 と の 交 流 担 当 小 委 員 会 委 員

Nagoya  City  University  School  of  Nursing(Project  Team  for  Academic  Exchange  between  Nagoya  City  University School  of Nursing  and  Faculty  of Nursing,  the  University  of Sydney}

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員 に つ い て 検 討 した 結 果 、 増 員 は可 能 で あ ろ うと判 断 され た た め 、 応 募 学 生 に説 明 した 後 、 応 募 の あ った7 名 全 員 を 参 加 学 生 と して 選 考 した 。 そ の後 辞 退 者 もな く、 平成15年 度 は、2年 生3名(加 賀 田聡 子 ・加 藤 有 美 ・藤 野 泰 平)、3年 生4名(佐 古 真 利 乃 ・千 田 美 咲 子 ・北 條 真 依子 ・船 戸 千 寿)の 計7名 が 研 修 に参 加 し た。 2)事 前 準 備 出発 前 に、 オ ー ス トラ リア の 医療 や 看 護 に 関 す る事 前 学 習 、 シ ドニ ー大 学 で の学 生 との 交 流 会 で の プ レゼ ンテ ー シ ョ ンの準 備 、 学 生 研 修 に 関 す るオ リエ ンテ 一 シ ョ ンな ど を、 計6回 に わ た って実 施 した。 事 前 学 習 で は、3回 に わ た っ て オ ー ス トラ リア の 医療 や看 護 に つ いて 日本 語 で 紹 介 さ れ た文 献 を基 に オ ー ス トラ リア と 日本 の違 い につ い て も触 れ なが ら学 習 を進 め た。 交 流 会 で の プ レゼ ンテ ー シ ョ ンの準 備 に つ い て は、 学 生 が 、 選 ん だ テ 一 マ につ い て分 担 して準 備 し、 そ れ らを 持 ち寄 って 調 整 す る と い う形 で 進 め たが 、 全 体 の調 整 や 英語 に訳 す こ とに時 間 を要 し、 交流 会 前夜 まで リハ ー サ ル と微 修 正 が 続 く こ と となっ た。 参 加 学 生 が2学 年 にわ た って い た た め、 時 間 割 や実 習 の ス ケ ジ ュ ール 等 が 異 な り、 学 生 間 で の話 し合 い の時 間 が十 分 に確 保 で き なか つた こ とな どが 原 因 とな って い た。 学 生 研 修 に関 す る オ リエ ンテ ー シ ョ ンに加 え、 出 発 約1ヶ 月 前 に旅 行 代 理 店 の担 当者 か ら、 現 地 の気 候 や 治 安 の 状 況 、 旅 行 に向 け て準 備 す る こ とな どにつ い て 説 明 を 受 け た。7名 中4名 は今 回 が 初 め て の海 外 旅 行 で あっ た ため 、 旅 行 代 理 店 の担 当 者 か らの説 明 を通 し て 旅 行 に関 す る情 報 を 得 る ことが で き、 具 体 的 な準 備 に取 りか かれ た よ うで あ る。 しか し、 オ リエ ンテ ー シ ョ ンだ けで は解 決 で きな い学 生 個 々の 疑 問 もあ り、 そ れ らにつ い て はそ の 都 度 対 応 した。 3)シ ドニ ー 大 学 看 護 学 部 で の 研 修 研 修 日 程 と 、 シ ドニ ー 大 学 看 護 学 部 で の 研 修 プ ロ グ ラ ム は 表1と2に 示 した と お り で あ る 。 初 日 に 、 研 修 の オ リエ ン テ ー シ ョ ン と 、 そ れ に 引 き 続 い て オ ー ス ト

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ラ リア の ヘ ル ス ケ ア シス テ ム や看 護 な どにつ い て講 義 を受 け、2日 目か ら授 業 に参 加 した り、 病 院 を見 学 し た。 事 前 学 習 が、 初 日の講 義 の 内容 を理 解 す るの に役 だ って い た。 事 前 に シ ドニ ー大 学 側 か ら初 日の オ リエ ンテ ー シ ョ ンと講 義 、 病 院 見 学 に は通 訳 をつ け て欲 しい 旨が 伝 え られ た為 、 この3回 に は通 訳 者 を依 頼 した。 通 訳 が あ る こ とで学 生 は正確 か っ十 分 に理 解 で き ただ けで な く、 積 極 的 に質 問 した り意 見 を述 べ た りで き て い た。 (1)授 業 へ の 参 加 今 回学 生 が参 加 した授 業 科 目は、 昨 年度 とは異 な り、 全 て シ ドニ ー大 学 看 護 学 部2年 次 に開 講 され る新 カ リ キ ュ ラム の科 目で あ った。 シ ドニ 一大 学 看護 学 部 で は 、 今 回 の 参 加 学 生 が 本 学 の2年 次 と3年 次 の カ リキ ュ ラ ムを 修 了 した 学 生 で あ る こ と は承 知 して い たが 、 シ ド ニ ー大 学 看 護 学 部 が 現 在 新 カ リキ ュ ラム へ の 移 行 期 に あ り、 改 善 され る前 の もの(3年 生 、4年 生 に 開 講 さ れ る科 目)に 参 加 して も らう こ と は望 ま し くな い とい う理 由 で この よ うな プ ロ グ ラ ムが 計 画 され た 。 科 目の 構 成 が 本学 とは全 く異 な って い た た め 、学 生 は 、既 習 の科 目 とい うよ り も、 習 った こ との あ る内容 が 出 て く るが 少 し違 う科 目 とい う印象 を抱 いて い た。 ま た、習 っ た こ との あ る内容 が少 しずつ 含 ま れ て い た こ とが、 英 、 語 で の授 業 を理 解 す る助 け に なっ て い た。 授 業 へ の参 加 に あた って は、研 修 の約1ヶ 月半 前 に、 学 生 研 修 に計 画 さ れ て い る科 目 の概 要 と学 生 が参 加 す る 日 の授 業 の シ ラバ スが 本 学 に届 け られ、科 目 の概 要 と シラバ ス に リス トア ップ さ れ て い る参 考 文 献 を読 ん で くる よ うに と い う指 示 が あ った。 チ ュ ー トリア ルが 3科 目 あ る の で学 生2∼3名 に分 か れ て参 加 す る よ う に と い う こ とで あ っ た た め、3グ ル ー プ に分 か れ 、 そ れ ぞ れ に 自分 の参 加 す る科 目 を選 ん で 科 目概 要 を読 ん ,で準 備 して 行 っ た と こ ろ、 初 日 の オ リエ ンテ ー シ ョ ン で配 布 され た 資 料 で は、2∼3名1グ ル ー プ に分 か れ て3科 目全 て の チ ュ ー トリアル に参 加 す る こ と に な っ て い た と い うハ プ ニ ングが あ っ たが 、 それ ぞ れ に読 ん で きた科 目概 要 を他 の学 生 に説 明 す る こ とで 対 応 で き て い た。 しか し参 考 文 献 につ い ては 、 出 発 時 に確 認 し た と ころ、全 員 の学 生 が読 ん で い ない とい う状 況 で あ っ た。 そ の理 由 は、 語 学 力 、の 問題 か ら与 え られ た 時 間 内 で は科 目概 要 を読 む の が精 一 杯 だ った、 文 献 リス トを も とに 自分 で文 献 を集 め て予 習 す る とい う こ とを理 解 して い な か つた、 手 渡 され た シ ラバ ス を文 献 と勘 違 い して い た、 な ど で あっ た。 科 目概 要 と シ ラバ ス が届 い てか ら出発 ま で の約1ヶ 月 半 の間 に は、 後 期 期 末 試 験 や1∼2週 間 の実 習 が あ り、 時 間 的 に十 分 な ゆ と りが なか った こと も影 響 して い る と考 え られ るが、 学 生 達 は授 業 等 で 教 員 か ら与 え られ た もの を こな す こ とが 当 た り前 と な って お り、 自分 で準 備 す る とい う こ とに不 慣 れ で あっ た こ と も影 響 して い た。. 今 回 の 研 修 で は、 学 生 が 参 加 した授 業 の ほ とん どが チ ュー トリアル 形 式 で あ った。 この チ ュー トリア ル に よ る教 育 は、 看 護 学 部 独 自 の もので は な く、 シ ドニ ー 大 学 が 大 学 全 体 で 導 入 して い る教 育 方 法 で あ る。 学 生 は各 科 目、 週1回 の 講 義 と週1回 の チ ュ ー トリア ル を 受 講 す る こ と にな って い る。 チ ュ ー トリア ル の グ ル ー プ数 は学 部 や 科 目に よ って 異 な るが 、 看 護 学 部 で は、 1週 間 に同 一 科 目で8グ ル ープ の チ ュ ー トリア ル を開 講 して い る とい う こ とで あ っ た。 各 チ ュ ー トリア ル に は約20名 の 学 生 が 配 され て お り、 今 回 の研 修 で は その 中 に 本学 の 学 生2∼3名 が 加 わ る と い う状 況 で あ った が 、 教 員 や 他 の 学 生 が 今 取 り組 ん で い る内 容 な ど を丁 寧 に説 明 して くれ た お 陰 で 、 学 生 達 は参 加 しや す か っ た よ うで あ る。 特 に、交 流 会 後 の チ ュー トリアル で は 、 交 流 会 に参 加 して くれ た学 生 と一 緒 に な り、 さ らに参 加 しや す くな って い た よ うで あ る。 研 修 期 間 の 早 い時 ノ 期 に交 流 会 が 開催 さ れ た こ とが功 を 奏 して い た。 チ ュ ー ト リア ル で は、 教 員 や学 生 か らそ の 日の テ ー マ に関 連 して 日本 の状 況 につ い て質 問 を 受 け る場 面 が あ った。 そ の よ うな時 に は説 明 す るの に 同 行 教 員 の サ ポ ー トを要 す る こ と もあ った が、 そ れ以 外 で は、 学 生 達 は 自分 たちで 話 し、積 極 的 に参 加 して いた。 シ ドニ ー 大 学 看護 学 部 の担 当者 か ら も、 積極 的 に授 業 に参 加 し、 学 生達 と も積 極 的 に交 流 して いた点 を評 価 され て い た。 ② 病 院 見 学

昨 年 度 と 同 様 、Royal  Prince  Alfred  Hospita1と Royal  North  Shore  Hospitalの2カ 所 を 見 学 し た 。

こ の2病 院 は そ れ ぞ れ 、 ニ ュ ー サ ウ ス ウ ェ ー ル ズ 州 の Area Health ServicesのMetropolitan & Greater S y4ney地 区 を さ ら に8分 割 し た 小 さ な 地 区(図1)の 基 幹 病 院 で あ り 、 ど ち ら も シ ドニ ー 大 学 看 護 学 部 の 実 習 や 、 そ の 他 の 実 習 や 研 修 を 受 け 入 れ て い る教 育 病 院 で あ る 。 病 院 見 学 で は 、 そ れ ぞ れ の 病 院 で 、Nurse Managerか ら そ の 病 院 の 概 要 や 看 護 につ い て 説 明 を 受 け た 後 、 病 院 内 を 見 学 し た 。 見 学 場 所 は 、 学 生 の 希 望 を 踏 ま え な が ら、 そ の 時 に 見 学 可 能 な 状 況 に あ る 場 所 が 選 ば れ た 。ICU、NICU、 移 植 外 来 、 外 科 系 病 棟 、 内 科 系 病 棟 、 小 児 病 棟 な ど を 見 学 し た 。 こ の 病 院 見 学 時 の 説 明 を 理 解 す る上 で 、 初 日 の オ ー ス トラ リ ア の へ, ル ス ケ ア シ ス テ ム や 看 護 に 関 す る講 義 が 役 だ っ て い た よ う で あ る 。

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(3)交 流 会 研 修2日 目の夕 方 に交 流 会 が 開催 され た。 シ ドニ ー 大 学 か ら は副 学 部 長 は じめ学 生 や教 員 約20名 に参 加 し て頂 い た。 交 流 会 で は、 本 学 の学 生 達 は 日本 の看 護 制 度 や、 名 古 屋 市 立 大 学 に つ い て紹 介 す るプ レゼ ン テ ー シ ョ ンを行 った。 参 加 学 生 達 は 自分 た ち の こ と と比 較 しなが ら関 心 を も って聴 い て お り、 そ の後 の交 流 で も プ レゼ ンテ ー シ ョ ンの 内容 を き っか け に会 話 が拡 が り、 有 意 義 な交 流 会 とな った。 プ レゼ ンテ ー シ ョ ンを や り 遂 げ た達 成 感 や 、 シ ドニ 一大 学 の学 生 達 と話 す 時 間 を 持 て た こと に対 す る満 足 感 が あ り、 交 流 会 は学 生 達 に と って満足度 の高 い研修 内容 とな ってい た。講義 やチ ュー トリア ル の際 に は、 シ ドニ ー大 学 の 学 生 か ら説 明 して も ら う こ とは あ って も、 自分 た ち か ら話 しか け る こ と が で きず 、 「会 話 」 を す る機 会 が 乏 しか っ た だ け に 、 交 流 会 は今 回 の研 修 で も学 生 達 に と って 満 足 度 の 高 い 時 間 と な って い た と考 え られ る。 ま た 、3日 目以 降 の チ ュ ー トリア ル で交 流 会 に参 加 して くれ た 学 生 と一 緒 にな り、 さ らに 交流 を深 め る こ とが で きた よ うで あ る。 3.学 生 研 修 の 成 果 学 生 研 修 最 終 日 に ま と め を行 った。 ま ず 、学 生 個 々 に1週 間 の 振 り返 り と、 研 修 を通 して 自分 が 変 化 した こ とにつ いて 記 述 して も らい、 そ の後 、 全 員 で 今 回 の 学 生 研 修 につ いて デ ィ ス カ ッ シ ョ ン した。 こ こで記 述 され た 文 章 と帰 国 後 に提 出 され た研 修 へ の評 価 を、 学

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生 研 修 の成 果 を評 価 す るた め の資 料 と して使 用 す る こ とにつ い て学 生 の承 諾 を得 た後 、 そ の 内容 に つ い て分 析 を お こな った。 な お、 研 修 を通 して 自分 が変 化 した こ とを記 述 した文章 の提 出 にあ た って は無 記名 と した 。 学 生 研 修 に対 す る学 生 の評 価 を表3に 示 した。 学 生 達 は チ ュ ー トリア ル な ど初 め て の形 態 の授 業 に参 加 で きた こ とや 、 講 義 と チ ュ ー トリアル と い う異 な る形 態 の 授 業 に参 加 で き た こ と、 そ して 通 訳 が あ った こ とを 良 か っ た点 と して 挙 げ て い た。 事 前 に オ ー ス トラ リア の 医 療 や 看 護 につ いて 学 習 した こ と につ いて は、 シ ド ニ ー大 学 で の 講 義 終 了 時 に は 「事 前 に学 習 して い たの 下 で 、聞 き覚 え の あ る単 語 が 出 て きて わ か りやす か った」 と半 数 以 上 の 学 生 が 言っ て いた が 、 最 終 的 に は1名 が も 良 か った 点 と して 挙 げ たの み で あ った 。 しか し、 後 述 す る研 修 の 成 果 とあ わ せ て 検 討 す る と、 そ の 必 要 性 は あ る と考 え られ る。 また 、 語 学 力 で学 生 を 選 考 して い な い現 状 で は 、 部 分 的 な 通 訳 は 必要 で あ る と考 え られ る。 改 善 して 欲 しい 点 で は、7名 中6名 が 期 間 を も う 少 し長 く して欲 しい と考 え て い た。 研 修 最 終 日に学 生 が 研 修 を振 り返 って 、研 修 を通 し て 自分 が変 化 した こ とにつ い て記 述 した 内 容 を分 析 し た結 果 、 「オ ー ス トラ リアや 日本 の看 護 に関 す る理 解」、 「学 習 の姿 勢 や 方 法 の 違 い に関 す る発 見 」、 「自分 自身 の学 習 態 度 に 関 す る反 省 や 気 づ き」、 「人 間 的 成 長 」、 「視 野 の広 が り」、 「将 来 へ の展 望 」 と 「語 学 力 不 足 の 認 識 」 の7因 子 と 「そ の他 」 が抽 出 さ れ た(表4)。 こ の結 果 か ら、 学 生 達 は研 修 を通 して、 単 に オ ー ス トラ リア の看 護 を知 った だ け で な く、 我 が 国 の看 護 に 対 して も興 味 を持 ち、噺 しい知 識 を得 て い た ことが わ か っ た。 研 修 前 に オ ー ス トラ リア の医 療 や看 護 につ い て 学 習 して い た際 に 、 「これ に つ い て 、 日本 で は ど う だ ろ う」 とい う疑 問が よ く発 せ られ て い な こ とか らも、 「他 」 を知 る こ と に よ って 、 自分 た ち の こ とに対 す る 興 味 が 増 して い た こ とが うか が え る。 ま た、 こ の段 階 で生 じた疑 問 が プ レゼ ンテー シ ョンの テ ー マにつ なが っ て い た こ とか ら、 準 備 の過 程 で 日本 の 看 護 制 度 な ど に つ い て 調 べ る機 会 を得 る こ と と な り、 新 しい知 識 を得 る こ とが で きた と考 え られ る。 また 、 研 修 期 間 中 、病 院見 学 な どを通 して オ 一 ス トラ リアの 医 療 や 看 護 の 実 際 を知 る機 会 を 得 、 そ の 都 度 、 日本 と比 較 しなが ら理 解 した り考 え た り した こ とが 、 オ ー ス トラ リアの看 護 だ け で な く、 日本 に つ い て も理 解 す る良 い機 会 とな っ て い た よ うで あ る。 シ ドニ ー大 学 看 護 学 部 の学 生 と一 緒 に授 業 に参 加 し た経 験 は、 チ ュー ト リア ル とい う未 体 験 の学 習方 法 を 知 る だ け で な く、シ ドニ ー大 学 の学 生 の授 業 に対 す る 準 備 の 状 況 や、 授 業 へ の参 加 の仕 方 な ど、 学 習 に対 す る姿 勢 につ いて 様 々 な発 見 をす る機 会 とな って い た。 それ と同 時 に、 今 まで の 自分 自身 の学 習 に対 す る姿 勢 を振 り返 り、 問 題 点 に気 づ い た り反 省 した りす る機 会 とな って い た と考 え られ る。 さ らに、 研 修 を 通 して 様 々 な看 護 者 と出 会 った こ と や 、 日本 以 外 の国 につ いて知 つた ことで、 視野 が広 が っ た り、 他 の 国 へ の 関 心 が 引 き起 こ され て い た よ うで あ る。 この 様 々 な 人 々 との 出 会 い は、 学 生 達 に とっ て 、 将 来 へ の 希 望 や 意 欲 、 新 しい展 望 を 抱 く機 会 に もな つ て い た よ うだ。 その他 、7人 で1つ の プ レゼ ンテー シ ョ ンを 仕 上 げ た 経 験 、10日 間 今 まで は親 しいつ きあ い の な か った 学 生 と集 団 で 行 動 した 経 験 な ど、 研 修 を 通 し た様 々 な経 験 が学 生 自 身 を成 長 させ る機 会 に な って い た よ うで あ る。 ま た、 オ ース トラ リア 滞 在 中 の経 験 か ら、 改 め て 、 語 学 力 が 不 足 して い る こ とを 認 識 して い た よ うで あ る。 4.学 生 研 修 の評 価 前 述 の よ うな結 果か ら、平成15年 度 の研修 は シ ドニ ー 大 学 看 護 学 部 学 生 研 修 の 目的 を概 ね達 成 して い た と評 価 で きる。 ま た、 研 修 の 目的以 外 に も学 生 達 に は多 く の成 果 が あっ た と考 え られ る。 昨年 度 の参 加 学 生 が 研 修 を終 え て 「不 備 だ と思っ た点 」 と して挙 げ て い た事 項1)に つ い て は 、 今 年 度 の学 生 の反 応 の 中 に は認 め ら れ ず、 改 善 で き た と評 価 で きる。 今 年 度 の学 生 研 修 の 成 果 と昨 年 度 の 評 価1)を 比 較 す る と、 概 ね 同 様 の反 応 で あ り、 この学 生 研 修 が学 生 に とっ て有 意 義 な経 験 と な っ て い る こ とが わか る。 この よ うな ことか ら も、 学 生 研 修 を継 続 して い く意 義 は あ る と考 え られ る。 今 後 の 研 修 に向 けて は、 チ ュ 一 トリア ル な ど本 学 で は導 入 して い な い形 態 の授 業 を含 め た複 数 の授 業 へ の 参 加 や 、 病 院 見 学 、 交 流 会 を継 続 で き る よ う調 整 して い く必 要 が あ る と考 え られ る。 ま た、 通 訳 の必 要 性 が 2年 連続 で 認 め られ て お り、 現 在 の よ うに選 考 の基 準 に語 学(英 語)や 英 会 話 の能 力 を設 定 しな い選 考 方 法 を 継 続 す る間 は、 初 日 の オ リエ ンテ ー シ ョ ンや 病 院 見 学 時 の 通 訳 は必 須 で あ る と考 え られ る。 今 回 の評 価 で は学 生 研 修 の 目的 の1つ で あ る 「オ ー ス トラ リア の文 化 を知 る」 と い う点 の 達 成 につ いて は評 価 で き なか っ た。 この点 につ いて は次 年 度 以 降 の 研 修 に向 け た検 討 課 題 で あ る。 さ らに、 研 修 期 間 につ い て 、 昨 年 度 の 参 加 学 生 の 半 数 が、 今 年 度 の参 加 学 生 で は7名 中6名 が、 「期 間 を も う少 し長 く して欲 し い」 と希 望 して い た。 この2年 間 の結 果 か ら は期 間 の延 長 を考 慮 す る こ との 必 要 性 が 見 い だ せ る が、 期 間 の延 長 に つ い て は、 シ ド ニ ー大 学 に 支 払 う研 修 費(現 行1週 間 あ た りA$500) を は じめ とす る研 修 にか か る費 用 、 学 生 が受 け る こ と

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の で き る補 助 金 、 参加 学生 が 確 保 で き る可 能 性 、 本 学 で の履 修 との 関 係 な ど様 々 な 点 か ら、 期 間 延 長 の可 能 性 や延 長 す る場 合 ど の程 度 の期 間 とす るの か な ど につ い て、 慎 重 に検 討 して い く必 要 が あ る と考 え る。 5.お わ りに 平 成14年 度 に 引 き続 き、平 成15年 度 も シ ドニ ー大 学 看 護 学 部 に お け る1週 間 の学 生 研 修 を実 施 した。 今 年 度 の学 生 研 修 で は シ ドニ ー大 学 看護 学 部 で 開講 さ れ て い る3科 目 の講 義 と チ ュ ー ト リア ル に参 加 し、2カ 所 の病 院 見 学 、 シ ドニ ー大 学 看 護 学 部 の学 生 や 教員 との 交 流 会 を実 施 した 。 そ の 結 果 、 本 研 修 の 目的 で あ る 「本 学 部 が学 術 交 流 協 定 を 締 結 した シ ドニ ー 大 学 看 護 学部 の学 生 と の交 流 や 、施 設 の見学 な どを通 して、 オ ー ス トラ リア の文 化 や 医療 、 看 護 を知 り、 国 際 的視 野 を 養 う」 は概 ね達 成 で きた と評 価 で きた。 た だ し、 今 回 の研 修 で は オ ー ス トラ リア の文 化 を知 る とい う点 につ いて は、 学 生 の振 り返 りか らは評 価 で きな か つた。 こ の点 につ い て は次 年 度 以 降 の研 修 に 向 け た検 討 課 題 で あ る。 ま た こ の研 修 は、 学 生 達 自身 の成 長 の機 会 と も な って い る こ とが わか り、 研 修 の 目 的以 外 の成 果 も評 価 す る こ とが で きた。1週 間 とい う短 期 間 の研修 で あ っ て も、 学 生 に は有 意 義 な研 修 で あ った こ とが わか っ た。 シ ドニ ー大 学 看 護 学 部 の担 当 者 と の最 終 日 の打 ち合 わ せ で は、 学 生 の積 極 的 な参 加 態 度 を評 価 す る コ メ ン ト が あ り、 問 題 等 の 指 摘 も な く、 来 年 度 も継 続 して本 学 か らの 研 修 の受 け入 れ る こ と を前 提 と した 内容 が 話 し 合 わ れ て い る。 今 後 の 研 修 に向 けて は、 チ ュ ー トリア ル な ど本 学 で は導 入 して い な い形 態 の授 業 を含 め た複 数 の授 業 へ の参 加 や、 病 院見 学、 交 流会 、 オ リエ ンテ ー シ ョ ンや 病 院見 学 時 な どの 通 訳 を 継 続 して 実 施 して い く必 要 が あ る。 ま た、 研 修 期 間 の延 長 を希 望 す る声 も あ り、 この点 に つ い て も検 討 して い く必 要 が あ る。 最 後 に、現 在 の と こ ろ、 本学 の研 修 に対 す る シ ドニ ー 大 学 看 護 学 部 か らの正 式 な見 解 は示 され て い な い が 、 2回 の 研 修 に は協 力 的 で あ り、 平 成16年 度 の研 修 に 向 けて もプ ログ ラム の改 善 な ど を本 学 と協 議 して前 向 き に取 り組 む 姿 勢 が 示 され て い る こと、2回 の研 修 で シ ドニ ー 大 学 看 護 学 部 の 担 当 者 と本 学 の担 当 委 員 会 と の 間 に太 い パ イプ が で き今 後 の大 学 間 交 流 を発 展 させ て い く基 礎 作 り とな って い る こ と な どか ら も、 本 研 修 を 継 続 させ て い く意 義 は あ る と考 え られ る。 謝 辞 今 回 の 研 修 に あ た り、 学 生 の 研 修 プ ロ グ ラム を調 整 し て くだ さ り、 研 修 期 間 中 の 学 生 の 様 々 な活 動 につ い て支 援 し て く だ さ っ た シ ドニ 一 大 学 看 護 学 部Alumni& Professional  Relations  OfficeのDirectorで あ るMs.

Judith  Romanini、  Ms.Romaniniの 補 佐 と して 学 生 の 活 動 を 細 や か に 援 助 し て く だ さ っ たMs.Nada Dunda、 病 院 見 学 な ど の 通 訳 を 務 め て くだ さ っ たMs. Taeko Rocheに 感 謝 申 し上 げ ます 。 さ らに、 研 修 の旅 行 を取 り扱 い 渡 航 準 備 の 説 明 等 ご協 力 くだ さ い ま した近 畿 日本 ツー リス ト名 古 屋 教 育 旅 行 支 店 渡 辺 泰 三 氏 、 牛 島 美 由 紀 氏 、 シ ドニ ー に同 行 して くだ さ った尾 崎 伊 都 子 助 手 、学 生 研 修 の た め の事 務 手 続 きを は じめ学 生 研 修 を支 え て くだ さい ま した 看 護 学 部 事 務 室 の皆 様 に深 謝 申 し上 げ ま す。 今 回 の 学 生 研 修 は、 名 古 屋 市 立 大 学(大 学 間 交 流 学 生 派 遣 費 用 旅 費 補 助 金)と 名 古 屋 市 立 大 学 後 援 会 か らの補 助 を受 け ま した。 文 献 1)森 雅 美,河 合 洋 子:シ ドニ ー大 学 看 護 学 部 で の 本 学 学 生 の研 修 一 平 成14年 度 研 修 に対 す る参 加 学 生 の評 価 に つ い て 一,名 古 屋 市 立 大 学 看 護 学 部 紀 要,4,41-48,2004. (受 稿 平 成16年10月15日) (受 理 平 成16年12月7日)

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3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

(参考)埋立処分場の見学実績・見学風景 見学人数 平成18年度 55,833人 平成19年度 62,172人 平成20年度

向井 康夫 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 牧野 渡 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 占部 城太郎 :

関西学院中学部 2017年度 3年生 タッチフットボール部 主将 関西学院中学部 2017年度 3年生 吹奏楽部 部長. 巽 章太郎