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授業におけるコンピュータネットワークの活用

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Academic year: 2021

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(1)Mem. S c h o o . 1B .O .S .T .K i n k iU n i v e r s i t yN o .1 1:156~ 162 (2002). 1 5 6. 授業におけるコンビュータネットワークの活用 仲幸彦 要約 コンビュータネットワークを授業に利用する試みについて述べた.講義のノートに相当す る内容をインターネットのホームページに掲載して板書の手聞を軽減し,授業への集中力を 高める利用をうながした.予習と試験前の復習にアクセスが多く見られ,効果があったと考 えられる.電子メールによる質疑応答について,運用と影響について考察した.インターネッ トを利用する授業の可能性についても考察した.. 緒論 学生が大学で修得すべきことが増加している.社会における技術の進歩はとどまることが ないことに比べ,義務教育や高校の授業の内容が制限されているため,そのギャップ左大学 教育が受け止めなければならないからである.また,大学においても研究の高度化により, 学生に対して限られた時間で急激なレベルアッフを求めている.しかし,大学で開講できる 授業の量については限界があ仏教員の余裕もなくなってきている.したがって,学生自身 のいっそうの努力と教員の効果的な教育方法が必要となっている. インターネットの発達はめざましいものがあり,今まではで、きなかった情報の交換ができ るようになっている.ホームページとして知られる. W o r l dW i d eWebは,研究者どうしの. 情報の共有を目的として開発されたが,今日では研究者や学生のみでなく,一般の個人や企 業など多くの人が容易に情報の収集や発信の手段として利用している.さらに,ホームペー ジを記述する言語の機能が拡張され,従来では考えられなかったような用途が広がっている. インターネットのホームページは, HTML言語(1)によって記述され,文章だけでなく, 図や写真あるいは動画などを表示することができる.物性値などのデータを表にして表示す ることも容易であり,数値を引き続く計算に利用することもできる.数式や化学式の表現は いまのところ十分ではないが,式を G I F形式の図として作成すれば印刷物と同じ内容を表示 できる.ホームページの何よりの特徴は,リンクにより関連する記述を参照することができ ることである.インターネット上での検索を利用して,我々の想定しない関連する記述を探 し出すこともできる. コンピュータネットワークは, 24時間利用できるので,学生はいつでもアクセスするこ とができる.このことは,授業に有益な情報を早く学生に伝えることに役立つ.授業中に説 明不足であった部分について補足説明することや,間違った内容について訂正する場合には 特に有益である.電子メールは,学生と教員の生活や行動の時間差をうめて,質疑応答を可.

(2) 1 5 7 能にすることから積極的活用により学習効果を高めることができる. インターネットのホームページを授業に活用する試みがいくつかの大学で始まっている が,シラパスの公聞を越えるような利用はまだ少ない. ( 2 ) 本論文は,インターネットを利. 用した学習支援ホームページの運用と電子メールの活用について述べる.. 方法. ファイルの作成は, Machintoshの S i m p l e T e x tを用い,サーバーへの転送は, F e t c hを利 用した.ホームページの先頭ページのファイルは,大学内のサーバーに置き,その URLは ,. " h t t p : / / w w w i . n f o . w a k a . k i n d a . i a c J p /冶 a k a /i n d e x . h t m l "である.ホームページの主要なファイ ルは,私や学生の自宅からのアクセスの容易さを考慮して. OCNのサーバーに置き,その. URLは , I h t t p : / / w w w 4 . o c n . n e J p r q u i m i c a / c h e m n o t e . h t m l "である.. 5回分の毎週の授業のタイトルとキーワードを用意し,タイトルをクリック 目次には, 1 することで,それらのタイトルの本文ページに移動できる.各ページの構成は,授業 1回分 であるが, A4のサイズでプリントアウトした状態で 2-3ページに相当する内容を用意した. 本文には, E -メールで、の質問の際に項目の指定が容易にで、きるように,項目の番号,パラグ ラフ,図および表にはできるだけ番号を付した.写真は,幅 320ドットとし,ページ内に. 2列に配置できる大きさとした.より詳細な写真の参照が必要な場合は,呼び出すことがで きるようにした.数式は, HMTL言語で表示しにくい場合には,数式作成ソフトの. MathTypeを利用して, G I Fフォーマットの図として掲載した.本文中の記述で授業の範囲 を超える内容は,参考として該当する項目をクリックすることで参照できるようにした.参 照ページから他のページへのリンクは,構成の複雑化をさけるためにおこなっていない. 本文の構成は,授業のノートに相当する内容とした.これは,黒板に書き出した内容をノー トに写し取る手聞を省くことで,より授業に集中させるためである.事前にノートに相当す るプリントを準備しておき,気づいたことを学生自身が書き加えるように指導した.. 結果と考察 アクセスの状況 一年生向けに開講している化学の授業に対応したホームページの運用は,平成 13年の 4 月から開始した.平成 13年の夏からはアクセスカウンタを化学のホームページの目次ペー ジに設置し,定期的にアクセス状況を観察した.図 1は,平成 13年の 8月から平成 14年 の 8月までについての 1か月ごとのアクセス数である.アクセス数は総数であり,生物理 工学部以外からのアクセスも含まれるため,この数値から受講生のアクセス数を分離するこ とは今のシステムではできていない.平成 13年 度 後 期 に は 日 平 均 10人程度のアクセ.

(3) 1 5 8. M e m o i r so fT h eS c h o o lo fB .O .S .T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN o .1 1( 2 0 0 2 ). 1500. 〈. 、 、 1000 h m h n 訴代以・-. 500. O. 5. 平成 13年度. 平成 14 年度. 月 図 1 月ごとのアクセス数の変化. スがあり,試験時期の 1月には 2倍のアクセスが見られた.授業に出席している学生の人 数は,およそ 50人程度で、あったので,各受講生は,毎週 1回はホームページの閲覧をして いたものと思われる. 平成 1 4年度 4月からのアクセス数の変化は,月ごとに増加している.これは,一年生が コンビューターの操作の仕方やインターネットの利用の仕方になれてくることに,利用数が 依存していることを示している.高校でのインターネットの利用の指導や個人での利用が進 むことが考えられるので,今後はこのような傾向は減るものと期待される.インターネット の利用になれていない学生は,他の学生のフリント出力をコピーして授業に出席しているの で,受講には支障はないようであるが,全員がコンビュータネットワークを利用できるよう に,早い時期の指導が望まれる.平成 1 4年度前期の出席者は,約 100人であるが, 6月の アクセス数の平均は 1日あたり 35人でなので,前年度より利用が進んでいるといえる.平. 4年度前期においても,試験月である 7月には,アクセス数が多い.少なくとも,試験 成1 時期の総復習には寄与していると言える. 図 2は,平成 1 4年の 4月 1 5日から平成 1 4年の 7月 20日までについて,曜日ごとの. アクセス数の平均を示している.平成 1 4年度前期の化学 Iの授業は,水曜日と木曜日に開 講しているが,木曜日と金曜日にアクセスが多いことは,次回の授業のページの参照が授業 の終了した後に多いことを示している.授業前日にも増加しているが,授業が終了してから アクセスしている学生のほうが,予習に活用しているのではないかと推察している..

(4) 1 5 9. 15 〈 ¥、. 採 10. r く キJ . t : ¥ h. 宮. E ト. 5. Q. 回 , ー ー. O 日. 月. 火. 水. 木. 金. 土. 曜日 図 2 曜日ごとのアクセス. ホームページの効果 ホームページによるノートに相当する内容の事前の公開の第一の目的は,黒板の内容を ノートに書き写す手聞を省き,学生をより講義に集中させることである.以前は,学生はノー トに書き写すことに注意をうばわれ,教員が述べる重要なポイントを聞き逃している危険性 があった.平成 13年度の授業では,ホームページの利用法について特に指導をしなかった ためか, 1年間分のノートを公開することで,授業に出ない学生がいたようである.利用の. 4年度前期には,学生に 仕方を周知させないと,逆効果になる場合があると言える.平成 1 対してホームページの内容は講義中に黒板に書く内容とほぼ同じであることを示し,ホーム ページをプリントアウトして授業に持ってくるようにしたうえで,講義を聴き重要なポイン トを書き込んでいくように指導した.ホームページを利用する効果を評価することは難しく, 今のところ感覚的な評価にとどまっている.授業中の学生を観察すると,講義を聴くことに 集中している学生が以前にまして見られた.試験の解答内容から受ける印象は,ホームペー ジの利用を始める前と比べると,効果があるように思われる.アンケートが客観的なな評価 を与えるわけではないが,試験とアンケートによる調査を組み合わせた評価方法が有効と考 えられる. 電子メールによる質疑応答 授業中の質問は,学生が授業の理解を深める上で重要である.また,学生の理解度を教員.

(5) 1 6 0. M e m o i r so fT h eS c h o o lo fB .O .S .T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN o .1 1( 2 0 0 2 ). が知ることもできる.質問の形態としては,授業中の学生からの質問が最も望ましい.これ は質問において,その問題に気が付いていない他の学生に対しても良い影響を及ぼすからで ある.学生が授業が終了してから質問に来る場合には,質問している学生と対話しながら指 導できるので,この学生個人にとっては効果的ではあるが,他の学生に対しては影響力がな いので全体としては効率的ではない. 電子メールを利用すると,効果的な質疑応答が期待できる.電子メールで送られてくる質 問に対して個別に回答するのではなく,質問内容と回答をホームページ上で公開した.なを,. 4年度前期の化学 1の試験において,試験期間の質 質問者の名前は公開していない.平成 1 問は 39件あった.質問件数は,期待した数よりは少なく受講生の約 3分の lにとどまった. しかし質疑応答を全員が閲覧できるようにしたので,質問者の数に限定されない効果があっ たものと考えている.電子メールを利用した質疑応答はいままで、になかった効果が得られる と考えるので,今後の授業の運営では質問が増えるように指導法を考えていきたい. インターネットは世界に公開されているので,さまざまなところから質問がくる.受講生 以外の外部からの質問者は. 1 他大学の学生, 2 高校生, 3 社会人に分類される.他大. 学の学生からの質問は,往々にして,レポートの課題をそのままこちらに質問しているよう である.そういった質問に対しては,まるまる解答するわけにはいかないので,書籍の紹介 もしくはヒントを伝える程度にとどめている.大学に所属する学生であれば,自分の大学の 教員に質問するのが本来の姿であり,それがさらに学習効果を高める.化学に関係ない分野 の学生からの質問は,今までのところ送られて来てはいない. 高校生からの質問には,勉強の支援と将来化学に興味を持ってもらうために,できるだけ 答えるようにしている.また,高校生の学力を知る上でも,高校生との質疑応答は価値があ ると考えている. 社会人からの質問は,ホームページの内容とは直接関係ない場合が多い.簡単には答えら れない場合もあり,回答には手間と時聞がかかる.さらに,名前や所属,目的を示さない質 問も見られた.仮に簡単に答えられる場合でも,保安上の理由により答えられない質問もあ る.安易に回答することは,むしろ社会的責任上さけるべきである.業務に関わる質問であ れば,正式な手続きをへて相談に応じるべきであるので,回答は簡単な説明にとどめ,大学 ヘ来れば説明すると伝えるか,あるいはリエゾンセンターを紹介するようにしている.. その他の問題点 インターネットの性格上,ページは完全に公開となる.このため,ホームページの内容に ついては,著作権上の問題が発生しないように配慮しなければならない.他のホームページ からの引用や出版物の無断転載はできない.文や図,表,写真などは,すべてオリジナルに.

(6) 1 6 1. しなければならない.物性値は,便覧からの引用であるが. 出典を明記することで利用可能. と考えられる.ホームページのリンクする機能を利用すると,著作権上の問題を軽減するこ とができる.もともと公開している内容についてのリンクは,リンク先の了解は得やすい. ホームページ相互のリンクは. より効果的な学習支援ページの発展性が期待できる.. 今後の課題 ホームページの構築は,教員にとって新たな負担になる.しかし,期待できる効果も大き いので,多くの教員が授業について,学生の学習を支援するホームページの構築が望まれる. 単年度に一気に構築するのは大変であるので,段階的に進めていけばよい.多くの授業で ネットワークから参照できるホームページができてくれば,関連する項目がリンク機能に よって効率よく調べることが可能になり,学習の効率化が期待できる.効率よく調査ができ ることは,必ずしもいいとは限らないので,学生が自分で図書館などで調べることも平行し て指導する必要もある. カリキュラムでは開議されていない科目を設置することは,学生の潜在的な要求を満足さ せることができる.インターネットは. 時間と場所学部の所在地を越えた授業を可能にす. る.すでに,インターネットを介した通信教育は始まっていることを考えると,他の学部や 大学との間でインターネットによる単位互換が現実になりつつあると言える.こういった変 化に対応するためにも準備をしておく必要がある.. 参考文献. ( 1 )L a u r aLemay,武舎広幸ら(訳), HTML入門, 1 9 9 5,フレンティスホール,東京. ( 2 ) 竹内 敬人, (2001)ノートレス講義の試み,. 大学教育と情報, 1 0, 1 ..

(7) 1 6 2. .O .S .T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN o .1 1( 2 0 0 2 ) M e m o i r so fT h eS c h o o lo fB. A p p l i c a t i o no fComputerNetworkt oClassroomL e c t u r e YukihikoNaka. 1 a s s r o o ml e c t u r ew i t ht a k i n ga d v a n t a g eo ft h ec o m p u t e rn e t w o r ki s Ana t t e m p to ft h ec d e s c r i b e d .Thepub1 i s h e dc o n t e n t so ft h eh o m e p a g e sc o r r e s p o n dt ot h en o t e b o o kf o rt h e e v e r yweekl e c t u r e s .As u g g e s t i o ni sg i v e nf o rt h es t u d e n t st ob r i n gt h ec o p yo ft h ehomep a g ea st h en o t e b o o kandt ow r i t ewhatt h e yt h i n ka si m p o r t a n ti n t ot h ec o p y .Thep e a k a c c e s s e sbys t u d e n t si sr e c o r d e dj u s ta f t e rt h el e c t u r eandi ti sc o n s i d e r e dt h a tt h ehomep a g ei sw o r t hf o rt h ehomeworko fe v e r yweek .E m a i li sa l s ou s e f u lf o ri m p r o v i n gt h e u n d e r s t a n d i n go ft h es t u d e n t sbyq u e s t i o nanda n s w e rc o m m u n i c a t i o n s .Thea u t h o rt h i n k s t h ea p p i 1 c a t i o n so fc o m p u t e r n e t w o r kw i l lh e l pb o t hs t u d e n t sandt e a c h e r s ..

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参照

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