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法人税と所得税の統合と公平,中立性,単純性 -- 完全統合方式について --

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Academic year: 2021

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(1)法人税と所得税の統合と公平 , 中立性. 単純性—完全統合方式について 一. 今 〇.. 西. 芳. 治. 序. 今日の所得諜税上の軍要問⑲は, 法人源泉所得と非法人源泉所得間, 法人源 泉所得のうちでも分配利潤と未分配利潤間における税負担の格斧, および未分 ゜. 配利潤を発生諒とする長期キャヒ タルゲインに対する課税上の優遇措置の双方 から発生する税負担の不公平と資諒配分への「歪曲効果」である。 これらの諸問題は法人税の個人所得税への統合によって, 部分的ないし完全 に解決され得るのであるが, この統合方式について種々なものが提案され, そ れぞれの特徴について論じられている。 他方 , Haney (文献(6〕)は税制改革の目枕として, 11)税制をより単純に J. する,(2)より公平にする,(3)経済成長と資源の効率的利用の促進を掲げる(i : 1)。 もちろん, これらの点目枕は必ずしも同ll!y的に達成し得るわけではない。 例え ば, 税負担0)公平と舒済成長や単純性とがトレ ー ドオフの関係にある場合が多 し'o. 本稿では, 法人擬制 , ,党の立楊に立ち, 視 1i アメリカ所得税制の問阻点とそれ を克服する方途としてのぷ々の統合)j式の中で, 完全統合方式,. つ まりパート. ナ ー シップカ式, キャピタルゲインU)充全 ,,屎税)j式. カ ー タ ー )j式U) 3つにつ いて, 上心税制改革の3目椋を比準にして, それぞれの特徴を考察する。 このことは即にアメリカの税制のみにかかわる問題ではなく, 視行税制に近. -17. (7139)-.

(2) 異はあるにしても, 各国の今後の税制改叩の方向を考察するに際して必要な竹 業なのである。 1.. 法人課税の根拠. 課税の論拠として. 利益謡もと義務説が代表的な考え方である。 利益説に法人諜税の論拠を求めるII加法人は実物資腔に対する利i防や, 労働 者の扉用に際するよりJ.�'.員な労働という形の学校教育. 輸込に隙しての迅路辻 設や糾翡といった形でのサ ー ビスから受益するが. これに対する対価と考えら れる。 しかし, これらの公共サ ー ビスは国家よりも地方団休によって::トに供給 されることから. この論拠による法人への独立ふ閉税は[I]税としてよりも地方説 に適すること 。 また. 受益の税度を反映するものとしての諜税標準を法人利潤 よりも付加価仙的に求める方が適して いることから. 杯l税として. 法人利潤を 課税客体とする法人税の論拠としては妥当でない。 むしろ, 地方税としての付 加価値課税の論拠がここに存在する(注 2) 。 義務説とそれに瓜</心能J原則によって法人諜税を逸明する[I .j. 法人が法的に 、. はもちろん. 実虹的にも1�I然人から独立した別個の経祈主1本と名え. その租税 負担能力に応じた謀税をすべきことになる直3)。 し かし, R. M. Musgrave が「公共サ ー ビスの費用をひとびとではなく. 法人にかけられるとしヽう必味におしヽて, 法人にはそれ !'I身の租税負担能力はな い。 法人税が課せられるならば, 株主か. 経党者か. 労働者か梢費者か, とに かくだれ かの富が紐少しなければならない。」(い)そして. 別の文献において. 「明らかにすべての租説は最終化Jには訛か,. つ まり「l然人に洛ちつく.. 法人利. 潤は株主の所得の1部であり, ……彼らの所得の1部として諜税されるべきで ある。」(注 5)と辿べる如<. 法人は1趾1人の擬制体にすぎないと解釈するのが妥当 と思われる。 この議論は次の女IIき側而からも擁設し得る。 もし, 公共サ ー ビスの費用に対し. 独立した経済主体として法人も個人と同 様に租税負担をしなければならないとすれば. 予符を通ずる政府活動の統制. -18. (7140)-.

(3) つ まり経質の規校, 内容及び それに対する視在及び将来の租税負担に関する議 決に際して, 1仙1人と同様法人もj'Jから 一 摩を投ずべき杓利を利しなければなら ない。 し かし, 況に ,,義決における 一 数は法人ではなく Jこl然人のみが有するのは, その背後に前者は後者から独立した存在と考えず, 法人利閥は その株主の所得 とみなされ, 法人税は最終的には且然人=株土の負担となる。 つ まり法人は個 人の擬制体と考えられているためであると解釈できる⑳ 6)。 このような立岨に立つ時, 法人加泉所得の怯人段階での謀税廃止と個人段階 のみでO入集税が, 内部留保利潤0)存在する視行制度下では個人所得税負担に不 公半を生せしめるゆえ, 法人段柏での,晶税を必災とするが, 他)jで それと個人 所得税との統合をも必要とする。 そこで, この統合の必要性を見るため, 怯人に対する独立謀税を行なってい る視行アメリカ法人税制が税負担の公 、',-や食加配分の効率性に対して, どのよ うな彩啓を与えているのかを次に考察することにしよう。 2.. アメリカの現行法人源泉所得課税. アメリカの視行法人i!泉呆所得課税は次の女IIくになっている。 ①. 法人所得は分配 利潤, 未分配利潤に か かわらず48%の税率で課税される。 (但し, 年課税所得が 5万ド)レ超の場合). ②. 株土の受収配当は調整粗所得の中に入れられる。. ③. 長期キャビタルゲインは実視段階で調整粗所得に t;1:入するか, それのみを 259'るの率で 分離諜税するかは,. 納税者の側において有 利な方を選択する。. (所得説の限界説率が50形を越える者にとって後の方を選択するのが有 利。) 内部留保分は法人段階でのみ課税されるのに対し, 支払配当 分は個人段階で 再び調整粗所得に合鉢し, 限界税率で諜税されるゆえ, 重複課税となる。 こ の 正複課税に対する調整は100ドルを限度とする 所得控除のみによって済 まされ る。 かくして, 内部留保分は配当分に比べ軽諜され, さらに それを源泉として 発生する株主にとっての実視キャピタル -19. ・. ゲインは上品の如く個人所得税で俊. (7141)-.

(4) 遇措置が適用される。 そこで, この法人加泉所得に対する諜税制良は以下の女II き経済効果を有する。 まずPechman が示す如く,上辿の叩f糾果税から生ずる配当分への「追加位 担」は限界税率が閻くなるに従って絶対絲においても その配当所得に対する比 率においても小さくなるという意味において逆累進的作用を有する(注7)。 すな わち租負担の垂匝的公平を侵す源泉である。 またこのような「追加負担」は株式保有の税引収益率を引下げ, 人々のボ ー トフォリオ選択において, 株式を相対[内に少なく保有するような力が働く。 し かもこのような税引収益率の低下は均衡状態において他の資産保有形態の税り1 収益率の低下を伴う結果,. )ti 器 そのものに対する 税引収益率の低下となるた. め, 人々の消費と貯苗に関する選択にも影秤するかも知れない。 ただ, この効 果が経済の )ti窓を減少させるか否かについて 一 義的に示し得ない (注8)。 もし, 貯蓄を減少させるものとすれば,. 終済の森木荼枯に悪影料を与えることにな. る。 このように法人利潤のうち支払配''1i分については 「追加負担」 が生ずる反 面, 本来株主の所得であるはずの内部留保分に対しては彼の限界税率と関係な く. 一. 定率での諜税がなされることから高所得株主には有利となる形で垂伯的公 ゜. 平を侵すことになる。 しかも, この内部留保が加泉となる長期キャヒ クル. ・. ゲ. イン諜説に俊辿f-."i置が存在することから, 限界税率の高い林主にとっては, 配 当受取よりも内邪留保を多くしてキャピタルゲインを)<きくする力が有利とな る。 当然, この特別桔i儀は大所得倍によって利用されていることから税負れ[の 垂直的公平が侵される。 ‘. かくして, 限界税率の高い株主Jr··iから, 法人の配 り政策に対して内部留保を °. 増大するよう庄力が生ずる。 逆に低い限界税率の小林主陪はキャヒ クルゲイン よりも配当を好むと考えられるが, 彼らは法人の配当政策に対する彩幌力の小 さいのが通常である。 かくして, 内部留保分への諜税と そこから生ずるキャピタル ・ゲインに対す -20. (7142) -.

(5) る優遇枯i貸は税負担の公平を侵すと同時に法人の配当政染に対して乳中立的と なる。 このような現行税制の配当政策に対する非中立性は, 既存の成熟企業にとっ て投資沼i金を介業)t1 詔に多く依存するような似向を生ぜしめ. そ の投毀0)有利 性や企業規校の悩正に 1及I する負本市4,jのテストを経る必要性を紬じる。 反i恥 内部留保する余裕のない新規参入介文, あるいはそれでは十分でない急成長企 業にとって投資負金を多く負本「h賜に求めなければならないことから貧金澗達 が困難となり. これら諸介菜の投負は抑圧される傾刷が仕ずる(注 9)。 かくして. キャビタ)レ. ・. ゲインヘの優遇廿屑益は成熟企業と新規参入ないし紅. 成長企業間の釘金配分を歪め, これを通じて不効率な資加配分となる。 ’. ある'}1文を非法人形態で営な まれる時, そこからりこずる所得は個人段階で他 所得と合狩,,集税されるのみであるゆえ. 上述の「追加負担」は生じない。 そ れ ゅぇ. 法人i)Jjl泉所得のうち支払陀当分への実効税率は翡法人加泉所得に対する それよりも恥くなる⑲10)。 このような所得加泉が異なることによる租税負 担の況異ないし不公平は以下 の如き資加配分のミスアロケ ー ションを生ぜしめる。 つ まり, 投資家は法人と 非怯人において発住する税リI収益率に設l心を特つとすれば. 両者の収益率が等 j. しくなるよう自己の質本ストックを分‘占1]する。 そこで法人/J) [泉所得に対する実 効税率が汎いことから. 卦法人部門により多くぞ'iii恥が配分されることになる。 これが視行払人税制から1::1:ずる質加配分へのもう1つの「歪曲効果」である。 そして. このような浴加のミスアロケ ー ションがl玉l民所得の0.59,るに等しいi良 四ないし「超過印相」(excess burden)を生ぜしめると推計されている(注11) 。 次に. 視行制度において借入資木に対する支払利了→は損金勘定となるが, 支 払配当分は諜税所得の 一部となることから. 法人が所与の資金調達をする場合 に, 法人税の存在によって株式質本よりも借入汽本を有利とする。 このことから. それぞれの産業, 介業において似務発行による資金調達へ強 い誘引が生ずる。 しかし.. 法人の査本構成において.. -21. (7143)-. 借入資本に対する株式.

(6) 資 本 の 比率 が 小さくなるこ と は,. 不況期における 企 業 破 産 の 危険を 増 大さ せ. る(注 12) 。 さらに, こ のような借入依存を 強 める視行法人税制の 作 用 は, 本来的性質 と して, 株式資 本 に 主 と して依存する 製造業ないし そこに屈する法人 に は 不利 に, 借入資本に主 と して依存する 迎 輸, 金融 等の 産業ないしそこに脱する法人 に は 有利に働 く (注13)。 その 結 果, こ のような 作 用 が存在しない 褐合に比べ, 株 式資本を多 く 必要 と する産業で は 生 産規校 が 相対的に抑 圧され, 逆に, 借入資 本 依 存型産業 の 生産規校 が 相 対的に大き く なる と いう形で, 産 菜 間, 法人間で の資源配分に「歪 仙効 果 」が 生ずる。 かくして, 現行法人税制 は, 個 人 間, 所得加泉の種類間 に税負担の不公平を 生ぜしめる のみでなく, 柾々な形で釘 加配分に 「 歪曲効果」を 生ぜしめるこ と が 明らか と な っ た。 次節以後において, 所得税 と 法人税の完全統合方式が現行法人税のもつこ の よ う な問油点を解 決する 手段 と して, どのよ う な 長所, 短所を 布するのかにつ いて考察する。. 3.. パー ト ナ. ー. シ ッ プ方 式. こ の 方式の下では, 法人税そのもの は 現行法人税制の 如く独 立 の 課税手段 と して存在しな く なる。 法人段階での課税 は法人源泉所得に対する 個人所得税の 加泉徽収手段 と して の 役 割を果す。 つ まり, 法人御泉所得 は 配 当 されよう と 社 内 留 保 されよ う と 個々 の株主に配分計狩し, 株土段階で他所得 と合節課税され る。 この法 人 段 階で の 諒泉徴収分 は 1酌 金, 俸 給 CJ)加泉徴収分 と 同 じ く 株上段 階 で個人所得税額 から税額控 除されるが, 林土の 節 出税額よ り も抑泉徴収分の方 が 大 き ければそ の 超 過分について は 払い 戻 さ れる。 °. 次に, 内部留 保を 反映して 生ずる 長期キャヒ タ ルゲイ ンの発生段階で の 課税 に は, そ の 内 部留保分 について は 個 人段階で諜税される ゆ え, 以後において発 生するキャピ タルゲイ ン からすでに所得税を支払 っ た 内部留保 分を調整する必. -22. (7144) -.

(7) 要がある。 そうでなけれ ば 内部留保分 に対す る「二重 課税」が 生ずる(注 14) 。. パ ー ト ナ ー シ ッ プ方式の特長. こ の方 式 による統合はす べての法人源泉所得. に 対して個人所 得税 率が適 用され, 視行制度下で生ずる 配 当 分 に対する「追 加 負担」 が解梢される形で税負担 0) 垂直的公平が 保 証 さ れるととも に , 法人 と 非 法人 諒泉所得問の税負担の 不公平をなくし, そ の 差 からくる法人 部 門 から非法 人 部門へのf.i 諒配分のバ イ アス な い し「歪 曲効果」も 消 滅する(注 15) 。 つ まり, この方 式の採用 によ っ て, 資 本は生産性の 低い非法人 部門 からより 生産性の高 い法人 部 門への移 動が起こり, 潜在的な囚 民所得の 批 失ないし 「 超 過 負担」が. . . . .. 解 消される 。 F elst ein の 予 測では この 完全統合 そ の も の によって, 1 976年の 国民所得と毀 本の下では 約40億 ドルから 60倍ド)レの 「超過負担」 が餅 消され る(注 16) 。 この統合方式では法人i煽砂及/9[得の うち, 配 当 分 と 社 内 留 保分は 同 一税 負 但と なる。 そ こで, 視行アメリカ税制では法人加泉所得のうち 配 当 分 に 対 する平均 尖効税率は329,ると推定 さ れていること から, 個 人株土 に と っ て 1ドルの内部留 保増加の 機 会 般 用 は68 セン ト と なるが,. パー. ト ナ ー シ ッ プ 方 式を 採用すれ ば 1. ドルの内 部留保の 機会貨用は 1ドルとなる。 このような 内部留保の機会 費 用 増 加は現行税制下における前述の如き 内 部留保培加への誘 引 を解 泊し, 内 部留保 減少と支払 配当 の増加を 生ぜし める。 つ まり, 視行制度下 に 比 べ支払配当 率が 高くなると考 えられる (注 17) 。 このような 傾 向は新規参入企菜や急 成長企業の災 本 巾.J劫での災金 調 達 が 容 易 になる と とも に , す べての企業の投災や適 正 規 校 に つ いて 1 IJJ品のテス ト を経る 必 要性が多 く なり, それだけ臼加の効率的 利用 に 役立つ。 上辿の法人の 支 払 配 当 率は 配 当 と 内 部留保の 相 対的 費 J FJの変化に 敏 感であ り, 租税によ って誘 発される機会 費用が10 ?6増 加すれば, 支払配 当 率が 9 9,る増 加するという推定がなされて いる (注18)。. 一. 方, 法人 諒泉所得のうち, 社 内 留 保. 分は 同額だけ経済の私的肘菩となる が, 配 当 とし て分配されれば 一 部 消 質され -23. (7145 ) -.

(8) る ゆ え , 経済の私的 貯蓄は 前 者 よりも小 さ くなる。 つ まり , 経済の資 本苗私の 観点からはパ ー ト ナ ー シ ソ プ 方 式 は 上記税負 担の公平や資加 の 効 率的 利 用 と ト レ ー ド オ フの 閃 係 に あ る 。 視行税制下 の 「 追加 1 甘「l」 のW1' 1iりは株主にと っ て 桁 本の 税引収益率()) 上 昇と なる。 このこと は 資 本 市場に おける 競 争 を 通 じ て 資 1年 全 休の 税 り I 収益 率0 ) 上 昇 を も たらし , lti袷が そ れ に 弾 )J (\りで あ れ ば 経済のll冒谷性 向 の 上 昇 を 通 じ た lt『松 増加が仕じ ろ 。 し か し , こ の 効 東 に つ し ヽ て 疑 閂 祝 す ろ 人 々 か 多いが· 逆 に 税負 相の公 平 化 から�Iず る 所得分 配へ の 影 翠和を 通 じ て 舒 済 の lti松 を 減少 せし め る こ とも 名 え ら れ る (itl9) 。 さ ら に, こ の よう な 税 引 収 益 率の十 昇 ば , 資E百呆布者の ボ ー ト フ ォ リ オ を 仙 券 よ り も株式へと比叩が よ り 大 き く な る 形で 変 更す る 。 こ の こ とは株 式 に 対す る 資 木市場 の 霊要妍加を通 じ て , 介 光にと っ て も従 来 よ り 株 式発行 が よ り 容 易 にな る よ う イ午 用 す ろ で あ ろう。 一方, 資 金 澗 迂 す る 介 党 は 前述 の 如く 内 部 密 保の 減 少 を 通 じ て 外 部 資 金 を 澗 達し な けれ ば な ら な いが, イ,"i'入 狩木の利 了·と株式配 ''1 と は 同一税負担と な る こ と からイ杵入れ を 奸 む (瑣 向 を 解 泊 する (il:20) 。 つ ま り ,. パー. ゜. ト ナ ー シ ソ フ 方式で は. 企 文 の 外 部 質 金 証',i辻方法 に I\SI し て 中 W的と ぢ ろ た め 、 従 来 に 比 べ て 林 式 資 本 を 澗逹 す る れI 介がJ許 加 す ろ 。 こ の こ とは 枕 人の体 釘 改灼 に 役 ,'rつ に 加 わ え て , 前 餅'j で 論 じ た , 株 式 資 木 依 存刀')}jり業と侶入 資 本 依 存叩憎: 文 間 の 『i ii泉配分 の バイ ア ス 在 解 泊 し , よ り 効 率1'1'、J な 資 泥i 利 用 に 向 か わしめ 7, o パ ー ト ナ ー シ ッ プ方式の欠点. この統合方式の下で は , 林 土は 内 部悧 保分に. 対 し ても 所 得 税 を 支払う こ とか ら , 法人 段 陪 でのi)息呆諜税率を 充 分 闊 く し な け れば,. 支払 配 当 率が 低い 場合, 株 主 は 所得税支払の た めに手叶旋勁性が不足. し , 手拉株式の 完 却 を 強い ら れ る ·J;:性が生ずる (/:t21) 。 そ れ ゆ え , こ の よ うな :J:J: 態にも耐え得る ような大資 )) を 行す る 者のみが 株 式 を 保 行 し , 諜税最低限以下. -2,1. (7 1 4 6) -.

(9) の 者 は 別にし ても小さい資 力の者に は 林式保有 が 困 難になってくる。 もし, こ の ような事態を 回 避し よ うとす れば, 法人の支払配当率を 引 上 げる よう, 圧力 が生 じ, 企 業 貯苫の減少, そ れ ゆ え経済の 私 的 附密の減少をもたらす (注22) 。 いずれ にしても, この 方 式の 場 合, 個人の fi P・[ 選 訳 に 杖]して j「 中 立的となる か,. そ れを 同 泄するた め に は 企 業の 配 当 政 第に関してJI- 中 立的となる。 そこ. で, 現行所得説率をその ま まにする限り, これらを 回 辿するために, 法人段階 で 0) 諜税税率を 充分恥くす れ ば, ここでも 法人lti裕の大幅な 紘少と いう •·i態を 仕ぜし め る 。 次にこ の統合 力 式で は 以下の女IIき実 施上の雌点を有している (注23) 。 法人利 潤を株土に帰 屈するためには, そ の 年 中のすべ て の株式保有者, その 保 有株 式 数 及び 期 間を 記 帳する必淡 がある。 そ のた めの 法人側の費 用 は 相 当 大 きくなると考え ら れる。 他方, 法人 の 木分 配利 潤は株主に配分計算され, ;:果税されている ゆ え, そこ °. から仕ず る 長 期 キ ャ ヒ ク ルゲイ ン に 対する 2 叩 諜税を迎 けるためには. 発 生 キ ャピタル ゲインの諜税 ベ ー スを, 各株主に配 分計狩された木分 配利潤額だ け 旬 期 調整する必 要 がある。. こ れ は 個人 株主にとって 大 き な納税毀用の負担とな ゜. る 。 しかも, 次 節で辿べる 如き, 発作 キャヒ タ ルゲイ ンを実際に 評価する際 の 困 難性 はここに おい ても存在する。 ある 法人が他法人 の が人上であるル沿, 後者が利 潤計狩と林主への 利閥配分計 狩 をする まで, 袖 者の利 潤計 狩と林主への 利 潤 配分 計鉗がで きない。 そこで, 株 式の保有係伐I が板雑に入 り 込んでいるJ払合に . 税務行 政上の 費用は相 当大き なものとな ろ う。 しかも . 法人が1 秤類の株式でなく, いくつかの秤類 の株式 を発1 J するII \ , パ ー ト ナ ー シ ッ プ 方 式 ば夷 行 不 可能とな ろう。 かくして, 如 初 に 心 べた視金不几を 発 生せし めるという点を別にしても,. パ. ー ト ナ ー シ ‘ノ プ)j式が実行可能であるた めには, 今 11 , アメ リ カ で 一 部非公開 法人に適 用されている よ うに, ただ 一 秤類の株式を 発 行 し, それ は10 人程度の 小人数の林主に よ っ て保布され, し かも株主は法人ではなく個人のみからなる. -25. (7147) -.

(10) 以 合 てあ る (注24) 。. つま り,. 投 雑な 資 本 構成 と 広く 佃人 や 怯 )吐によ っ て 保 有さ. れ, し かも 毀 本巾似での 収 引 を 通 じて不 断に株 ;.\ 保 布者の 変 史がある 大規絞な 公 開法人の以合には 必 ) I] 困 難 となる。 4.. キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン の完 全課税方 式. これは法人利 糾J O)うち配 当分は個人段 栖 で 他所 得 と 合 岱C ,;果脱を行な い, 社 内 留保分に対して は それ 日 体に課税せ す, そこ から発生す る 長 期キ ャ ピ タルゲイ ‘. ンに対 し経 常的に, 全 額 仙人段階 で 他所得 と 合 符 課税され る 。 °. この 力 式では統合が完 全 であるために, キ ャ ヒ タルゲインの発生段階 で 課 脱 されなければならない。 それが 実 現 段 階 で 諜税され る II 如 必却を延期すること によって実効税率を他の隙泉所得よ り も低 く するこ とがで き る (注25) 。 し かも, 後の楊合では, 林式の「H 組効果」 ( lockine ffect) が生じ負本巾場の 円(i'.jな 機能を 害する結果, 経済に悪影聾を 及 ほす(注26) 。. キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン の 完全 課税方式 の 問 題 点 ゜. この方式でも前のパ ートナ ー シ ·ノ フ 方 式の 場 合 と 同 様に, 株上の所得税 納税 に 際する 流動性不足の 問 題が生 し 得 る 。 つ ま り , 支払配当 率が低いJ品合, それ だ け発生キ ャ ビ タル ゲ インが 大 き く なるため, 株土にとっては 日 己の手 許に受 収る 流動性が小さくなる ほ どキャビタルゲインと それに伴う納税額が 大きくな る。 それゆえ, キャビ タルゲインを 含めた課税所得が課税最低 阪以下の株止に は 椙j 雌は生 じないが, それ 以上の 課税所得とな る 株主には納税に際 す る 流動性 不足の発生とそれ ゆ えに保有株式の処分を 強 いられ る 危 険があ る 。 かく して, この統合方式も人々の災 産保有形態の返択に対して完全 に 中 立 的 とならない。 このような事態を 回避するためには, 株主によって支払配当 率 を 高め る 仕)J が働 く か, あ る いは, 株主の納税 上の使 宜のための配応を必要とす る (注27) 。 j)り の場合では企業の 内 部留保の減少と それに伴う経済の私的 肘硲の減少, 後の場 合 では税負担の公平を侵す危険を有してい る 。. -26. (7148) -.

(11) この方式が「完全統合」である た め に 上辿の如く発生段階のキャ ビ タ ル ゲ イ ン ヘの課税がな さ れるに し ても証券市場で取 引 さ れる株式であれば その 評価は 可能であるが, ぅ (注28). 非上場株式の 場合,. キャ ビ タル ゲ インの 評価には 困 難性 を伴. 。. さ らに公開株式の以合でも, 林式の市場価格 は 単に 内部留保のみでなく他の 政 治, 経済情勢の変 化によ っ ても不 断に 変 動している現実下では, 内 部留 保と キ ャ ビ タルゲインの大 き さ と は必ずしも正確に対応し得 な い。 し かも, 評価時 °. 点で大きなキャ ビ タ ル ゲインが 発 生していても . 実 際の元却時点で実現キャヒ. タルゲインが小 さ いと いう 事態もしばし ば 生ずるであ ろ うゆえ, 実現していな いキ ャ ピ タ ルゲインに諜税す ろ ことは不公平で あると の 批 判が生ずるかも知れ な い (注29). 。. いずれにしても. 内部留保への諜税を発生キャ ビ クル ゲインヘの課税でもっ て代用 さ せる こ とは必ずしも税負 担の公平を確 保するのに 適 当 で あるとは 国 い 難 し ヽ。. 5.. カ. ー. タ. 一. 方式. カ ナ グの カ ー タ ー 委 員 会によ っ て 捉 示 さ れ た 統 合方 式 は 次の如 き ものであ っ た。 、法人[関陪 での諜税は個 人所得税の御泉諜税と み な さ れ. そ れ は個人所得税の 最裔税率で 課税する。 この場合 . 個 人所得税の最高説率 は509'ると する。 税 引 後 法 人利潤の う ち. 株式への配当 分に つ いては法人段階ですでに 諜 せ ら れ た税額を 合めるべく,. fl札1 人段陪で グロスア ッ プして課税所得額に 算入 さ れ. る。 そして, 法人段階での源泉徴収分に ついては株主の卵 出税額から税額控除 する。 この税額控 除 は あ ら ゆる源泉からの所得について鉗 出 さ れる税額 か ら 控 除 さ れ, それでも控除し切れな い 場 合 は その不足分 は株主に払い 戻 さ れる。 税 引 後法人利潤のうち 礼 内 留 保 さ れる 部分については株主に 配分計算 し , そ の配分客J'iにつ いて法 人段階ですでに加泉徴収 さ れ た 分を 含 め る べく グロスア ッ. -27. ( 7H9)-.

(12) プし て個人殷階で,よ税 所得 に合料北税するか , 社内 留保分はその ま ま配分計狩 ゜. せずにおくかは法人のオ フ シ ョ ンとする。 前の以合で は そ の 社 内 留 保分につい ての法人 段階での源泉徴収 分は支払配 当 分のら合と 同 じく 個人所得税紐から税 額控 除され る 。 後のJ品合であれば 社 内 留 保分に杖Iしての 法人段階でのib;[泉徴収 ヶ} は税額控 除されない。 留 保社内分が 上 の如く株上に 配分計符される か 否 かに か かわらず, 長期キャ ビ タルゲイ ンが発生する。 そこで, カ ー タ 一 方式では必却, 生 前 賠 与 , 辿 }祖 相 ゜. 続 的所有者が変 更される時点で尖現したキ ャ ヒ タルゲイ ンに ,,呆脱する。 こ の以 合 , 株主に配分計鈴された未 分配利 甜と それが 晶礎となる尖現したキャ ビ タ)レ ゲ イ ンの双方への課税を 回 避するため, 個 々 の株上のキ ャ ピ タルゲイ ン,謀脱に 際し て, 彼の未分 配利潤のうち配分 計 卵 劾 だけその コ ス ト ベ ー ス を 引 上 げる こ と によ っ て 諜税所得に符入する。 逆に, 個々の株主に配分計鉗.された木分配利 °. 澗に比 ベキャヒ タ ルゲインが小さい J品合には, その2げ梱は個人 所得税 ()) 計党に おい て 1員失と みなされる。 未分配 利潤のうち株上 に 配分計狩されない 部分につい て は それ に 少, I; す べきキ ゜. ャヒ タルゲイ ン は 全 額 諜税される。 また, 以 前に株土に配分計狩. さ れた氷分配利潤を, 株土に配 分 さ れたJIりには その 仝 額 を 佃人所得課税の対 象 から は ずす。 このような 内 容から, 法人 iB;砂及所得が 配 当 とし て分配され る か. 社内留保さ れ て も株上に配分計節される 阪りにおい て , こ の 統合方式は完全で あるが, 木 分配利潤のうち株主に配分叶節されない 部分に 1及lし て は 統合は不完 全である。 し かし. こ の統合方式で は 次の 理 由 によっ て 木分配 利 潤 も 林上に配 分計仰さ れるような力が 働 く 。 ゜. 法人税率と 個人 所得税の最高税率が等しい ( 5 0?6 ) こ と と キャヒ タルゲイ ン に つい ての 上辿 の 取扱かい からはり所得J図の株土 にとっ て 法人加泉所得が内 部留 保され かつ配分 計 罫 せ ぬこと から 何んらの有利性 は 生 ま れないのに比べ, 限 界 -28. (7150 )-.

(13) 恥朽が 最 叫兄 率よりも低 い 林J...にとっ て は 木 分 配利 閲 か 配分 』 兄. さ れ る 時, 法 人段 餡でU) il恥泉徴 収 分 に対 し て税額控 除さ れ る ゆ え, 枕 0) 払jノ』 し を受け る こと がで き る。 つ まり, 木分配 利 潤 U)株主への配分 計 邸 によっ て 枕其担が増 人する 者はな く , 辿 に 軽減される者はあ る 。 それ ゆ え, 林 土は法人 に 木 分 配利 潤を配 分 百 I外す る よ う )I_ L力 を かけ, 上 心 U) 不完全統合の間凶はそれによっ て 解泊す る U)である (注30)。. カ ー タ ー 方式 の 特長 この方式によ る 完 全統合は, キ ャ ピ タルゲイン に 対す る 収 扱 か い を 臼 め て, 祝行所得税 制 良 下 におけ る 如 き , 所得加泉U) 必 から米る所得税負担U) 不公半は 鮒 消さ れ , 法人か非法人 形 態 か , 法人 峠 泉所得の 配 当 か 仕 内 留 保 かの選択に つ いて 中 立 的と なる (注31)。 またこの 力 式の採用 は法人 加呆所 得 に 対す る 丈 幼 悦 年 を 低くする こ と から, 株土側で は 附缶 , 企 文 側 て は投 資 を 刺 激する可能且がある (注32)。 し か し, この )、応 に ついてはパー ト ナ ー シ ッ プ 方 式 U) 節で辿べた 如く 一 義的に 諭じ得な い 。 また,. パート. ナ ー シ ッ プ)j人の場合と 1口j 林 に , 企丸の資 金調達におけ る 株 式. 発 り か 仙務 発 1 jかに1丈lし て も 中 立 的と な る 。 し かし, この よ う な株 式 発 行と 仙 務 発打に つ い ての税負担上U) \司 的な 扱 い は株 式 グも 付 を 況 行 より も 増 加させ る こ と によっ て祈説発行の株 式の収 引 費川 を射I )JII さ せ, 企菜にと っ て 社 門 留 保を増 加 さ せ る よ うな 力が働 < ·1 1J 能性 も ある。 また企菜投資の負金が 内 部留保に 依 仔 す る 印J 合が人き し ヽI I \ ' 上辿 の 法 人 仰 泉 所得U) 丈 行税率の 低下は法人投負を刺激 し, そ れ は よ り 多く の 投資 資 金 を必 疫とす る こと か ら , 内 部泣 保率を 砂 めるよ う に i'1 J Iiす る こ と も考えら れ得る ほ33)。 法人税率と 個人所得 税の最 凶税率が 芍し い こ と から, 1iii 叫 2 つの完仝統 合)j 式 において 論 じ た株上い 納税 に 際す る 流 虫)J性が尾 問 迎 は fiii1'. /f'jさ 九 る。 それ ゆ え, 株土 か ら U) 惰 保利 潤 鍼少のLUJ は生せず, 法人配 当 政染 に 対 し て 中 立 的で あると 同Ii り に , 株主の資,l[ 保有形態の 選 択 に 対 しても中ゞ[的と な る 点で前の 2. -29. (7151) -.

(14) つの統合方式よりも飯れて いる。 また. キャ ビ ク ルゲイン課税において林 主に配分計卵された末分配利潤 額 だ け その コ ス ト ベ ー ス を 調 賂 することか ら , 実現キャ ビ タルゲイ ンの完全課税に 比 べて「封鎖効果」 は はる かに 秤 減される (注34) 。 パ ー ト ナ ー シ ッ プ方式で は 法 人株主の存在する 場合に個 人 所得税の 計卵が困 難で あること を指摘されたが. カ. ー. タ 一 方 式の場合 . 他法人から受取 る 配 ""i を. ゜. グ ロ ス ア ソ フして株 主 払 人 の 北税所得に 狩 入し , その税額から前段附で 支 払 っ た法人 税額 を 税額控 除する形て,. 個 人 林:[の場合と 同一手続をと る。 それ ゆ. ぇ, 法 人か ら 怯 人へな さ れ ろ 配 ,111 は その 中 にい く つの法 人 が 介 在しても1 度し か課栢 さ れな し ヽ 。 ( 配分 計 椋 さ れた沐分 配利 ;miに ついて も 同 じ ]以 扱かいがなさ れ る ものと 鮒 釈されて い る ほ35) 。 ) それ ゆえ,. 林主が 個 人 の み でな く法 人で あ. る 場合 に おい て も こ の 力 式 が採用し 1げる。 こ のよう な 実行可能性が大 き し 、とい う 点に加わえて. 納 税 費 用 . 行 政 費 用 が 比校的小 さ く て済む利点も あ る (it36)。. カ. ー. タ ー 方式の欠点. 法 人段階での課税 が 免 除され る 払人i恥呆所 得が存在し得 る ことから, 名 目 税 率と 実効税率の 間 に 究が 生 じ, 後 者は企業によって択な る 。 そこで, カ ー ク ー 方式で は . 法 人源 呆所得 の 配 当分及び 社内 惰保分について株:L 限階 で グロ ス ア ッ プ し, iiか 泉徴 収 分 の税額控 除す る 際 に 月 ]い る 税 率は丈 効 椅 率 とな る 。 これ は 実際 的な方 法で ある反面. 多 く の企業の林 式 を 保 打 す る 林_ 「 にとって企業 ご と に異なった実行税率の下 で税額 や税節控 除の 計 岱Lを せ ねばならず, 納税額 の 決 定が 乳',惰 に 投雑と な る は37) 。 このような完仝統合 そのものが個 人所得税率を不 変にしても現行税制下よ り も 国 家の税収 鍼少をもたらすものと考えられるが, カ ー タ 一 方 式では さ らに個 人所得税の 蚊高税率を 50 %と す る こと からも 大幅な税収減を もたらすで あ ろ う。 (この1党収 減少の予想が,. カ ナ ダに おいて カ ー タ 一 方式を採用されなかっ. -30. (71 S2) -.

(15) た大きな 理 由 である。 ) そ こ で , この税収減少分をカバ ーす べ < '. 低所得脳ヘ. の 税 率 を 罰 く すれば所得税 の 累 迎度低下によ っ て 税負 担の公平性が 損なわれ る 。 逆 に , 所 得 脱 の 最 高税率と 怯 人1茄 率を5096 を 越 えて 引 上 げれば企業 貯蓄 に 懸影聾を及 ぼす危険があ る 。 カ. ー. タ 一 方 式の採用 に よ っ て, 経営者は株式保有者における法人源 泉所得に. 対す る 尖効税 率 に 品 い て企 丸 行 動を 決定しなけれ ば な ら な く な る 。 こ のことは 減 価 恰九l に 関 す る 制 ]文 変 更 や税 額控 除 の 操 作に よ っ て企 業 行 動に影密 を与える 経済政第 手段の有効性 は 減 じ る で あ ろ う (注38)。 五口 a " ". 6.. 結. 現行 ア メ リ カ法人税制 は , 株主に逆進的な 「 追 加負担」 を 生ぜし め, 所得源 泉の秤類間あ る い は 仙 人 間の税負担の公平を侵すのみ でな く , 利々な形で資源 配 分を歪める 根 源 と な っ て いる。 こ の こ とが法 人秘を 個人所得税に統合すべき 重要な根拠とな る 。 本{1翡では 「完全統合方式」 を考察の対琢として き た の であるが, そ の う ち, パ ー ト ナ ー シ ッ プ方 式 は 概念上, 税負担の公平, 中 立性の 目 標を完全に達成し てい る も のとされながら実行 可能性の 而 で 重 大な欠点を 有し て いる。 そ こ で , Mclu re は こ の紐合方式を 他の統合方 式を公平, 中 立性 の 観 点 か ら 検 討するJ品 合の尺 J此と して布用 であると考 え る (tt39) 。 しか し ,. こ の )j 式 に お し ヽ ても,. 株」双) 納税 の た め の 「 流 動性不足」 ( な し ヽし. 「現金不足」) 間 屈 を 打す る こ と か ら , イ品1人の資 庄 迂 択あるい は企業の配当政采 に つ い て 必ず し も 中 立 的 でな いこ と を 明 ら かにし た。 キ ャ ビ タ ルゲイ ン の通祁;所得税 率での完仝晶税 力 式は, 法人の末分配利 潤 ヘ の 課 税 を そ こ か ら 生ずる キ ャ ビ ク ルゲイ ン ヘの諜税 で代用す る わけであるが, こ の 場合 発 仕l唸I紐 で U ) 諜税 で な け れ ば完介統合が大現 し ない こ とか ら , その評 0. 価の 1,1↓ 揺性が存在 す る 上 に , 未分 配利ii',� の 人き さ が 必ずし も 発生段階の キ ャ ヒ °. タ ルゲイ ン を 正 確 に 反 映しな し ヽで あ ろ う し , 実 視 し て いな し ヽ キ ャヒ タ ルゲイ ン. -31. (71 53) -.

(16) に 課 税 す る こ と に 抵抗が あ る か も 知 れ な い 。 さ ら に , 未分配利 潤 の 割合 が 大 き い 場合 に は株主 に お け る 納税 の た め の 「 流動性不足」 問題 も パ ー ト ナ ー シ ッ プ 方 式 と 同 様 に 発生 し 得 る 。 こ れに 対 し ,. カ. ー. タ. 一. 方式は , 法 人 と 個人所得枇 の 統 合 , キ ャ ピ ク )レ ゲ イ ン. 課 税 に お け る 配分計卵 さ れ た 未分配利 潤 の 調賂 , 「 流動性不足」 I 闊 関 の 回 避 が な さ れ る こ と か ら ,. 株主 に お け る 納税 の た め の 税負担の公乎,. 中 立性 を 丈視. し , かつ実行可能性 の 血 で も 他の 2 つ の 方 式 よ り も 似 れ て い る (注4 0) 。 f. い ず れ に し て も 完全統合方式の 採用 は , 所得枕負f \. の 公 平 を 実 現 す る で あ ろ う が,. 一 方 に お い て 利 疫 の 2し こ そ あ れ .. 大 幅 な 税収 減 少 を 仕ぜ し め る で あ ろ. う 。 そ こ で 所柑諜税の 公平ャ t を 実 況 し た 一 方 で . そ の 脱収 馘少 分 を 何 で 補 う か と い う 問匙 が 出 て く る 。. こ の場合,. H JJ1 1 価 仙 税 の 西 入 も 1 つ の 案 と な り 得 る. が, そ れ を ど の よ う な性 屈 0) 租税で も っ て 補J1応 す ろ か に よ へ て . 税 制 介 休 0 ) 負 担公平性 に :iii: び 影 聾 し て く る の で あ る 。 最後 に , 今 n lL人税 は 川 家収 入 澗辻手段 と し て の み で な く , 経 済 の 安定 成長 くり の 「 I tし の た め に 介文 さ ら に け 紆 済 を統制 す る 了段 と し て も 『要 な 役 ·, りJ を 他 じ て い る (ll:41) 。. し か し,. こ の よ う な 完仝統介力 式 は ど の 方 式 を 採 川 す る に し て. も , 従 来 の )JI I 辿 度 伯 却 の 如 き 減 価 伯 却 制 度 や 投資税侑'i控 除 制 度 を 通 ず る 介 党 行 動への紐制効 果 は 切 ま る こ と け 否め な い。. 注 ( ?]' I ). 文献 〔 6 〕 , p. 346.. (注 2 ). 文献 ( 9 〕 , p. 294.. (注 3 ). こ の名 え 方 は 多 数の 株上 に よ り 似行 さ れ. 所 布 と 終':内 の 分離 して い る 大法 人 に. 妥 当 す る と し ば し ば主張 さ れ る 。 例 え ば文献 〔 1 1 〕 , pp. 96�97, 文献 〔 1 2 ) . pp. 70� 7 1 を参照。 (注 4 ). 文献 〔 8 〕 , p. 262.. (注 5 ). 文献 C 9 ) , p. 293. こ こ に お い て , i山人説は転嫁 さ れな い も の と 名え て お く 。. (注 6 ). 文献 〔 3 ) , p. 5 1 の プ キ ャ ナ ン の 次の叙述を参照。. 「…. • • • 法人 は そ れ !'I 休で.. 市場で は 個 人 や家)灰 に な ら ん で i'. J 分の ド ルで投取を行な う 。 公共述抜 に お い て は . かれ -32. ( 7 1 打'1 ) -.

(17) ら は 直接的 に は 「投票」 を しな い 。 (注 7 ). 火」 献 〔 JO〕 , p.170を参照 さ れ た い 。. (注 8 ). 文献 〔 4 〕 , p . 39.. (庄 9 ). [i,j 上, p. 40.. (注JO). 急成長企業は投資資金謁達の た め, 支払配 当率を低 く 抑え る 傾向 があ る 。 そ こ °. で 法人犀呆所 得 に 対す る 低 く かつ比例 的 な 法人段階で の 課税 と キ ャ ヒ タ ルゲ イ ン課税の 俊辿梢置 に よ っ て, 限 界税率の 此jい株主 に と っ て, 非法人企業所有者に 比べて有利な税 負 担 と な る 可能性があ る 。 文献 〔 6 〕 , p. 350を 参照。 (庄1 1 ). 文献 〔 4 〕 , p. 39.. (注12). [r;J上, p. 40.. C 庄 1 3). こ れ に対す る 対策 と し て,. Pechman の 利 子J員金罪入廃 止論を 参照。. 文献. 〔 J O〕 , pp. 1 73� 174. (注14). 例 え ば文献 〔 9 〕 , p. 299を参照。. (庄15). 例 え ば文献 〔 6 〕 , p . . 351 及 び文献 〔 ! 〇 〕 , p. 1 75を参照。. Ciーヒ1 6). x.献 〔 4 〕 , p. 39.. ( 注 1 7). [,,]上, p. 40.. C t tl 8). Iり]」こ. p. 4 1 .. (注19). しか し, こ の点 に お い て も 所 i翡階屈間で限界消毀性向 に ど の程度の左があ る か. に依存す る 。 ま た こ の統合に よ る 税収減少を ど の よ う な 租税で補 う かに も 依存す る 。 (注20). 文献 〔 4 〕 , p. 40や文献 〔 ! 〇 〕 , p. 35 1 を参 照 の こ と 。. (注2 1 ). 文払配当 率がJOO船で あ れ ば こ の よ う な 問題は起 ら な い が,. 視実 に は 必ず一部. は 内 祁留 保 さ れ な け ればな ら な い 。 C / lc22). 文献 〔 6 〕 , p. 355及び文献 〔 IO〕 , p. 1 77 を参照。. (注23). 文献 〔 7 〕 , pp. 563�564を参照。. (注24). 文献 〔 1〇〕 , p. 177.. (注25). 文献 ( 7 〕 , p. 558.. (注26). 文献 〔 5 〕 , p. 197�!98を参照。. (注27). 文献 〔 7 〕 , p. 568を参照。. (注28). Mclure は こ れ に 対 して . 公聞会社に は キ ャ ヒ ク ルゲ イ ン の 完全課税, 非公rJ廿. °. 会社に はパー ト ナ ー シ ッ プ方式を採用 すれば よ い と す る 。 文献 〔 7 〕 , p. 569を参照。 (注29). こ の よ う な批判 に つ い て は 文献 〔 9 〕 , p. 299 の脚注を参照 さ れたい。. Cil=.30). 文献 〔 7 〕 , p. 560を参照n. 儘3 1 ). 文献 〔 2 〕 , p. 1 6を参照。. (注32). 又献 〔 l 〕 , p. 52を参照。. (注33). 同上. Cil:34). 文献 〔 l 〕 , p. 44を 参照。 -��. (71 55) -.

(18) (注35) 文献 〔 7 〕 , p. 571 の脚注を参照。 (注36) 詳細 は 文献 〔 7 〕 , p. 571-572を参照 の こ と 。 (注37) 文献 〔l〇〕 , p, 178を参照。 (注38) 文献 〔 1 〕 , p. 5 1 を参照。 (注39) 文献 〔 7 〕 , p. 550を参照。 (注40) Mclure は 他の完全統合方式は も ち ろん, 支払配 当 控除法, グ ロ ス ア ッ プ方式 等の 部分統合方式 ( こ れ ら は別 の機会に検討 する ) よ り も 優れて い る も の と す る 。 文献 〔 7 〕 , p. 581 を参照。 (注4 1 ) マ ス グ レ イ プ夫妻は法人税の副次的役割 と して 次 の統制 目 的を掲 げ る 。 (1) 独 占 の統制, (2) 企業規模の統制, /3) 緊急時に お け る 超過利潤の吸収, (4) 資本 形成 と 成 長へ の刺激, (5) 企業投資の統制。 文献 〔 9 〕 , pp. 294-295. 参 考 文 献 ( 1 〕 Break, G., "Integration of the Corporate and Personal Income Taxes",. National Tax Journal, 1969, Vol. 22, pp. 39-56. Bucovestsky, M. and Bird, R. M., "Tax Reform in Canada : A Progre­ ssive Report", National Tax Journal, 1972, Vol. 25- 1 , pp.1 5-41 . 〔3〕 Buchanan, J. M., Public Finance in Democratic Process, 1967, 山之内 〔2〕. 光飩 日 向寺純雄沢 「 プキ ャ ナ ン, 財政理論一民主 々 義過程の財政理論ー」 1 971。 Felstein, M . and Frisch, D., "Cor porate Tax Integration : The Esti­ 〔4〕 mated Effects on Capital Accumulation and Tax Distribution of Two Integration Proposals", National Tax Journal, 1977, Vol. 30- 1 , pp. 37-52. ( 5 〕 Good, R., The Individual Income Tax, 1976. Honey, J. R., "Integration of the Corporate and Individual Income", 〔6〕. National Tax Journal, 1 977 , Vol. 30- 3 ,pp. 354-358. ( 7 〕 Mclure, C.E., "Integration of the Personal and Cor porate Income Taxes : The Missing Element in Recent Tax Reform Proposals", Harvard Law Review, 1 975, Vol. 88- 3 , pp. 532-582.. 〔8〕. r. Musgrave, R. A., The Theory of Public Finance, 1959. 木下和夫監訳 マ. ス グ レ イ プ, 財政理論J 1961。 〔9〕 Musgrave, R. A. and Mugrave, P. B., Public Finance in Theory and Practice, 2 nd. ed. 1 976. Pechman, J. A., Federal Tax Policy, 3rd ed., 1 977. 〔 1〇〕. 〔11〕. 井藤半弥, 「租税論」 1957。 〔12〕 佐藤進, 「 法人税原理の変遷」, 西野嘉一郎, 宇 田 川 J陥仁 (�醤) 「現代介業課税論 ー そ の機能 と 課傾 ーJ 1 977, pp.33-99所収。 -34. (71 56) -.

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参照

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