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Maria Büttner: Nachwort, Festschrift, Widmung. Erich Arendt und die „Mittlere“ Autorengeneration der DDR in den 1960er und 1970er Jahren

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Academic year: 2021

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 詩人・翻訳家エーリッヒ・アーレント(Erich Arendt, 1903-1984)は,建国直後の旧 東ドイツ(DDR)で執筆活動をはじめた「旧世代」(ältere Generation)と呼ばれる第 一世代の文化人(Kulturschaffender)であり,DDR文学の中心的な作家として活躍し た。20世紀初頭の文学と,旧世代に続く「中間世代」(mittlere Generation)─1960-1970 年代の新しいDDR文学を繫ぐ架け橋と見なされるアーレントだが,実際にどのような かたちで若手作家たちに影響を与えたかについてはこれまで明らかにされていなかっ た。本書は,アーレント自身の私的・公的な交流がさまざまなかたちで浮き彫りになる 彼の著作の編集後記,アーレント生誕記念論集,さらにアーレントへの献辞を取り上 げ,同作家が1960-1970年代の若き中間世代の作家たちとどのような関係を築いたのか, そして当時のDDR文学界においてどのような役割を担っていたかについて問う。  本書は6章からなる。まず本論(第3章・第4章)に先立ち,著者はアーレントの生 涯について触れ,その人柄や活動,政治姿勢およびアンガージュマンについて記述した うえで(第2章第1節・第2節),ヒンストルフ出版の担当編集者であったハインツ・ チェホフスキー(Heinz Czechowski,1935-2009)と全集『50年間から』Aus fünf Jahrzehnten

(1968)の編集後記をめぐる往復書簡に着目する(第2章第3節)。編者であるチェホフ スキーに文責がある編集後記だが,実際にはアーレントの意向が色濃く反映されてお り,アーレントと編者,そして出版社がDDRの検閲を巧みに搔い潜るための共犯関係 にあったことを本書は指摘している。続く本論で,著者は1970年代に編まれたアーレ ント生誕70年記念論集と生誕75年記念論集に焦点を当てる(第3章)。フランツ・ フューマン(Franz Fühmann, 1922-1984)が発起人となり,「アーレントの親密な友人 サークル」より寄稿を募ってまとめられた生誕70年記念論集はファイルとして綴じら れたが,公刊はされなかった。それに対して,アーレントの75歳の誕生日を祝う生誕 記念論集『粉々の夢』Der zerstückte Traum(1978)は西ドイツの出版社から刊行され,東 西の作家合同の一冊となった。ヴォルフ・ビアマン(Wolf Biermann, 1936-)の市民権 はく奪後,多くの作家がDDRを去った後に発表された東西合同記念論集は政治的なも のであると同時に,参加者の顔ぶれからアーレント自身の交友関係の継続および変化を 如実に物語っている。続いて著者は,アーレントを取り巻く1970年代のDDR文学界 を論じるうえで,アーレントと特に親密な関係にあった若手作家二名─エルケ・エルプ

Maria Büttner:

Nachwort, Festschrift, Widmung. Erich Arendt und die „Mittlere“

Autorengeneration der DDR in den 1960er und 1970er Jahren

西  尾  悠  子

新 刊 紹 介

(2)

(Elke Erb, 1938-)とユルゲン・レナート(Jürgen Rennert, 1943-)を取り上げる(第4 章)。  1960-1970年代のDDR文学界においてアーレントが体現していたのは,「イデオロ ギーからの自由」(297頁),閉ざされた国の中での「異所性(Heterotopie)および拡張 された美学的地平」(同上)であり,その世界観は若手作家たちにとって当初とっつき にくいものでありながらも学ぶところの多いものであった。アーレントのための私的な 誕生日ファイルがそうであったように,DDR時代に上梓された数少ない記念刊行物に 関連する未分析のファイルや往復書簡が今もなお残されているのではないかと著者は推 測する。また,こうした一次資料が複雑な立場に置かれていたDDR文学界の作家たち の関係を解明するとともに,国家機関の介入なしに成立したテクストとして当時の作家 たちの文学・芸術活動を別の角度から照らし出す可能性も示唆している。本書の提示す る研究手法は,DDR文学研究のさらなる展開を期待させるものである。 (Dresden: Thelem 2015)  本書のタイトルにある構文文法(Konstruktionsgrammatik, KxG)とは,認知言語学 の立場に立つFillmore, Kay, Goldbergなどにより提案された文法理論であり,構文その ものを「形式」と「意味」のペアから成る独立した単位として認めるものである。この ような単位を認める意義は,例えば,Pat sneezed the foam off the cappuccino. (Goldberg 1995)「パットはくしゃみをしてカプチーノの泡を吹き飛ばした。」のような例にみてと れる。sneezeは通常一項の自動詞であり目的語を取らない。それにもかかわらずこのよ うな文が可能なのは,Goldbergによると,動詞sneezeではなく,引き起こされた移動 を表す「使役移動構文」が各項を与えているためである。  本書はこの構文文法の視点から,ドイツ語をその実際の言語使用に基づいて考察した ものである。チョムスキーの主張した「能力(competence)」・「運用(performance)」の 二項対立の考え方を越え,Berkeley Cognitive Construction Grammar(バークレー認知 構文文法)のプロトタイプ理論的,記号・意味論的方向付けを拡張することを目的とし ている。

 本書は全17章から構成されており,第1章での導入の後,第2章では生成文法や結

Klaus Welke:

Konstruktionsgrammatik des Deutschen.

Ein sprachgebrauchsbezogener Ansatz

利  啓  和

参照

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