• 検索結果がありません。

膵疾患と腸内細菌

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "膵疾患と腸内細菌"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

は じ め に 細菌学の始まりは諸説あるが,ロベルト・コッホによ る炭疽菌の発見が細菌学の始まりと一般的に考えられて いる.以後,様々な細菌が病原体として同定され,菌克 服,すなわち抗生剤治療等の医療の発展進歩へと繋がっ た.細菌のもたらす疾患の克服は,人類の健康そして寿 命の延長に大きく寄与してきた.細菌学が人類の発展に 大きな恩恵をもたらしてきたことは明らかである.一方 で,抗生剤の乱用により多剤耐性菌が出現し,世界的な 対応が将来的には必要とされており,細菌と人類は切っ ても切り離せない,まさしく‘共生’の関係にあるとい える. ヒトは腸内細菌叢からさまざまな恩恵を受けているこ とが多く知られている.したがって,その腸内細菌叢が 乱れた結果,様々な疾患を引き起こすことが予想され る.腸内細菌叢の乱れを Dysbiosis という.近年,発癌 においても Dysbiosis が関連していることが報告される ようになってきた.腸内細菌叢は全身の免疫系に関与し ていることから,Dysbiosis により腫瘍微小環境が変化 することが考えられる.興味深いことに,免疫チェック ポイント阻害薬や化学療法の治療効果は腸内細菌叢に依 存していることが報告されている.このことからも,腸 内細菌叢が発癌に関連する腫瘍免疫系を介して発癌や進 展に大きく影響を及ぼしている可能性があることが推測 される.大腸癌と腸内細菌叢の関連性は最も多く研究さ れているが,膵疾患・膵臓癌と細菌叢の関係性に関する 報告は少ない.本稿では,膵疾患・膵臓癌と腸内細菌叢 の関連性についての知見を考察する.

膵疾患と腸内細菌

伊藤 善翔

,小井戸薫雄,大草 敏史

東京慈恵会医科大学附属柏病院 消化器・肝臓内科

Pancreatic Disease and Cancer and Intestinal Bacteria

Zensho ITO*, Shigeo KOIDO and Toshifumi OHKUSA

*Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Internal Medicine, The Jikei University School of Medicine, Kashiwa Hospital

要 旨 膵疾患は急性膵炎といった common disease から自己免疫性膵炎や癌まで様々である.そのなかで,膵臓癌は我が 国においてだけでなく,全世界的に未だ予後不良の疾患であり,その対応には急務が求められている.近年,様々な消化器 癌において腸内細菌(Gut microbiota)の関与が報告されているが,膵疾患領域においても細菌叢の解析が蓄積されてきて いる.膵疾患においても良悪性疾患を問わず細菌が疾患に関係することが示唆されてきており,細菌叢から疾患を考察する ことは,未だ解明されていない癌化プロセス等の解明に繋がると考える.

Abstract Pancreatic diseases range from common diseases such as acute pancreatitis to autoimmune pancreati-tis and cancer. Among them, pancreatic cancer is still a disease with a poor prognosis not only in Japan but also worldwide, and urgently is requires a remedy. In recent years, the involvement of intestinal bacteria in various gastrointestinal cancers has been reported, and the analysis of bacterial flora has also been undertaken in areas of pancreatic disease. It has been suggested that intestinal bacteria are involved in pancreatic disease regardless of whether it is benign or malignant. It is thought that studying the disease through the bacterial flora will lead to the elucidation of the canceration process.

Key words : pancreatitis;pancreatic cancer;bacterial flora

総  説 腸内細菌学雑誌 35 : 13-18,2021

2020 年 2 月 28 日受付 2020 年 7 月 9 日受理

〒 277-8567 千葉県柏市柏下 163-1

163-1 Kashiwashita, Kashiwa, Chiba 277-8567, Japan

(2)

最近の研究では,クロストリジウム・ディフィシル 腸炎,抗生物質関連性腸炎,敗血症などさまざまな疾 患におけるプロバイオティクスおよびシンバイオティ クス療法の有効性について検証されている.急性膵炎患 者に対する前向き試験がオランダの Besselink らにより 報告されている.その試験デザインは,無作為化割付け により急性膵炎患者 296 人を 2 グループに分け,種類 の異なる Bifidobacterium 2 種,Lactobacillus 3 種お よび Lactococcus 1 種を含むプロバイオティクス混合物 投与群とプラセボ投与群の観察研究を行うものであっ た.この結果,感染性合併症は 2 つのグループで差はな かったが,プロバイオティクス投与グループはプラセボ グループと比較して死亡率が高く(16%対 6%),腸虚 血の発生率が高い(6%対 0%)結果となった.この研 究で使用されたプロバイオティクス混合物の負荷が死亡 率増加と因果関係にあったと考察されている(6).結 論として,重症膵炎患者の死亡率を上昇させる可能性が あり,臓器不全をともなう重症膵炎患者に対してプロバ イオティクス投与をすべきでないと述べられている.こ の研究では,重症膵炎に移行する患者を対象としてお り,重症化する膵炎に対するプロバイオティクス投薬 が,使用する菌種によるが,全身状態を悪化させる可能 性があること,すなわち,プロバイオティクスが腸管か ら全身へ影響を及ぼすことが膵炎の病態下であるが証明 された興味深い研究であるといえる.その後,さらなる retrospective な解析が行われ,初期に臓器不全をとも なわない重症急性膵炎の患者に投与した場合,プロバイ オティクス治療の明らかな予後への影響は示されなかっ たと結論づけられている(7).有益と考えられるプロバ イオティクスの投与も時として有害になり得る.今後, 膵炎の研究だけでなく,前向き比較試験等を行う場合, 特に臓器障害をともなう重症者においては,プロバイオ ティクス投与がリスクになりえることを十分考慮し研究 がなされることが重要である. 慢性膵炎は,膵臓に慢性炎症をきたし膵臓実質の荒廃 から膵内外分泌機能の低下をきたす.膵外分泌機能の低 下は下痢や消化吸収不良を生じ,コントロール困難な疼 痛を生じることもある.その原因として,過剰なアル コール摂取や喫煙,遺伝的な背景等の様々な因子があげ られる(8).慢性膵炎による内外分泌機能低下は糖尿病 を発症させる誘引となる.このような慢性的な膵臓の炎 症は膵臓癌発症のリスクの一つとなる.消化管ホルモン の一つである Cholecystokinin(CCK)は,膵臓の腺房 細胞に発現する CCK receptor(CCKR)を介し,膵臓 酵素(消化酵素など膵臓から産生される酵素)の分泌を 促進する.過剰な飲酒や高脂肪食の摂取は CCK-CCKR 膵良性疾患(急性膵炎,慢性膵炎)と腸内細菌叢 急性膵炎の原因はアルコール性が頻度として高いこと が知られているが,結石性や薬剤性および自己免疫性な ど様々である(1).また,同じ原因の膵炎でありなが ら,その重症度は個々により異なることを臨床では経験 する.急性膵炎は良性疾患であるが,時に致死的な経過 をたどる場合もあり,初期治療から重症化の可能性を念 頭におき治療をしなければならない.急性膵炎の病態に おいて,その死因としてあげられるのは,初期における 循環不全である.これに対し,急性膵炎の初期では十分 量の補液治療が重要であることはガイドラインにおいて も明記されており,初期治療における適切な輸液管理 は予後を改善させる(1, 2).重症膵炎後の経過におい て,第 2 の関門といえるのが感染症である.強い炎症を 起こした膵臓および膵周囲組織に細菌感染を起こし,抗 生剤加療のみで改善せず遷延することもある.膵周囲感 染(Walled-off necrosis: WON)の形成は抗生剤加療の みでは難渋する場合があり,膿瘍ドレナージ等の外科的 治療を必要とすることもある.重症膵炎後に WON を形 成し治療に難渋する場合,全身状態と栄養状態が不良で あることが多く,外科的手術は侵襲が大きいため予後不 良の転機をたどることもある.近年,内視鏡治療の進歩 により,胃壁や十二指腸壁より WON へアプローチし, ドレナージする治療法が開発された.消化管からのドレ ナージで不十分である場合,経消化管のルートを用い瘻 孔より内視鏡を挿入し壊死物質を除去する endoscopic necrosectomy(内視鏡的壊死組織除去術)が追加され ることがあり,より低侵襲な治療を手術前に行う選択肢 が増え,難渋する重症膵炎の合併症治療を大きく変え た.しかしながら,膵炎の初期段階では集中治療を要す る重症膵炎を予測することは難しく,また,後期合併症 となる WON を形成する病態にどのような背景や因子が 寄与するかはっきりしたコンセンサスは得られてはいな い. 急性膵炎においてその 60%の患者で腸管バリアの破 綻がおきているとの報告があり,腸内細菌叢や腸管免疫 の機序がその病態もしくは臨床経過に大きく関係してい ることが示唆されている(3, 4). Tan らは 44 例の重 症急性膵炎患者の腸内細菌叢を解析し,健常人に比べ重 症急性膵炎患者において,Enterobacteriaceae および Enterococcusが多く,Bifidobacteria が少ないことを 報告している(5).また,これらの細菌は炎症の程度 と相関していることより,腸内細菌叢の変化が急性膵炎 の重症化に関与することを示唆しており,非常に興味深 い結果といえる.

(3)

しい癌である.FOLFIRINOX 療法(5-FU・イリノテカ ン・オキサリプラチン・レボホリナートの多剤併用療 法)や GEM/ nab-PTX(ゲムシタビン・ナブパクリタ キセル)療法等の新しい化学療法の登場や,手術症例に おいても術前および術後の化学療法の併用により,短期 的な予後は明らかに改善が期待できるようになってきて いるが,5 年生存率は未だ大きな延長を期待できないの が現状である.Stage Ⅰの症例に関して 3 年生存率は約 60%と比較的良好であり,早期診断の重要性が示されて いる.特異的な marker や超音波内視鏡による画像検索 による早期診断が試みられており,予後改善につながる ことが期待されている.欧米では膵臓癌の罹患率が上昇 していることから,我が国においてもさらなる罹患率の 上昇が予想されている(15).これからを見据え,特異 的な診断や予後に関連するバイオマーカーについての 報告が散見されるようになってきた.マイクロ RNA と いった早期診断マーカーや膵臓癌リスク因子の同定など から,膵臓癌の発癌メカニズムの解明に少しずつ近づい てきていると期待されるが,大きなブレイクスルーは未 だおきてはおらず,絶対的な早期診断マーカーは確立さ れていない.患者背景に関する大規模な解析がなされ, 家系内で膵臓癌が多発する症候群おいては,遺伝性膵癌 症候群という概念が提唱されている.そのなかには,遺 伝性膵炎のほか,遺伝性乳癌卵巣癌症候群(hereditary breast and ovarian cancer; HBOC),Peutz-Jeghers 症 候群(Peutz-Jeghers syndrome; PJS),家族性異型多 発母斑黒色腫症候群(familial atypical multiple mole melanoma syndrome; FAMMM),家族性大腸腺腫ポリ ポーシス(familial polyposis coli; FPC)など常染色体 優性遺伝疾患が含まれており,これら疾患罹病者の家系 内では膵臓癌が多発する.特に,遺伝性膵炎の罹病者は 膵臓癌の発生リスクが 50〜90 倍と非常に高いことが知 られている.また,糖尿病,喫煙,膵管内乳頭粘液腫瘍 (Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm; IPMN)等 も膵臓癌のリスクとしてコンセンサスを得られており, 臨床的に高リスク患者を抽出し,経過観察することが可 能となってきた(16).高リスク患者の振り分けは,膵 臓癌の早期発見につながり,ひいては予後改善となるこ とが十分に期待される.このように,高リスク患者の抽 出が可能となっているが,それでも我が国において膵臓 癌患者は増加の一途を辿っている.その理由の一つとし て,衣食住の欧米化,肥満や糖尿病罹患者の増加が原因 と考えられている.これら食の欧米化は腸内細菌叢を変 化させ,膵臓癌の発癌と関係していることが推測されて いる. 腸内細菌は食物繊維から酪酸を産生し,この酪酸は腸 経路を過剰に活性化させ,膵臓内における膵臓酵素の活 性化を引き起こし,慢性的な炎症を惹起すると考えられ ている.膵外分泌の低下は腸内細菌への影響も考慮され る.渡辺らは,慢性膵炎における腸管バリア機能の破綻 と Bacterial Translocation の観点から慢性膵炎モデル を樹立している.これによると,低用量 CCKR agonist の繰り返し刺激により腸管バリア機能の破綻が誘導さ れ,さらに,自然免疫担当細胞に発現し腸内細菌の自然 免疫反応に関与する Nucleotide-binding oligomerization domain 1(NOD1)刺激が組み合わされることにより, 膵臓への炎症細胞浸潤および繊維化が誘導され慢性膵 炎を発症することが示された.さらに,CCKR 経路と NOD1 経路が相動的に作用し,1 型 IFN や IL-33 を介す ることにより,膵臓において慢性的な炎症を惹起するこ とを示している(9, 10, 11).このことから,膵臓にお ける慢性炎症に腸内細菌が関与し,腸内細菌が慢性炎症 から癌化への引き金に関与している可能性があることを 示した研究の一つといえる. 一方,慢性膵炎患者では重炭酸塩に富む膵外分泌機 能が低下し,胃酸中和機能の低下がおき,腸管内アル カリ化の減弱から小腸内細菌増殖(Small Intestinal Bacterial Overgrowth; SIBO)の罹患率が高い(平均有 病率は約 35%前後)ことが知られている(12, 13).慢 性膵炎患者の腸内微生物叢の特徴として,Firmicutes/

Bacteroides(F/B) の 比 率 が 増 加 す る こ と が 示 さ れ た(14). ま た, こ の 研 究 で は 二 次 的 な 解 析 が な され,糖尿病を合併した慢性膵炎患者においては,

Faecalibacterium prausnitziiお よ び Ruminococcus

bromiiの比率が健常人群に比較し有意に低下している ことが示されており,慢性膵炎に二次的に生じる糖尿病 と腸内細菌が関係する可能性についても言及されてお り,非常に興味深い. 以上のように,急性膵炎だけでなく慢性膵炎において も腸内細菌が疾患に関与することが報告され始めてい る.膵炎の病因としてだけでなく,慢性的な疾患におい ては多彩な症状を呈するため,これらと細菌を結びつけ て検証することが困難であることはいうまでもない.し かしながら,慢性膵炎や未だ解明されていない疾患の一 つである IgG4 関連疾患等における腸内細菌叢の解析が 進むことにより,病因メカニズムの解明や疾患コント ロールにつながる可能性があり,今後の研究がさらに期 待されるところである. 膵臓癌と腸内細菌叢 膵臓癌は全ての癌種において予後不良であり,早期診 断され手術療法へ移行できたとしても根治が非常に難

(4)

も発見されている(20, 21).また 2015 年,Mitsuhashi らは膵臓癌組織において細菌が検出され,そのなかの Fusobacteriumに着目し検証している.彼らの報告に よると,10%弱の膵臓癌組織に Fusobacterium が検出 され,Fusobacterium が検出された群では生命予後が 不良であることを報告している(22).Fusobacterium が組織において癌とどのような相互作用をしているかに ついては不明であるが,少なくとも膵臓癌における生命 予後バイオマーカーの一つとなる可能性が示唆されたと いえよう.これらの研究は,今までは無菌と考えられて いた臓器内に細菌の存在を証明したインパクトのある研 究であり,今後新たな診断・治療に結びつく礎となった といえる. 膵臓癌の前癌病変である IPMN に着目した研究が Shan らより報告されている(23).この研究では,経 内視鏡的に膵嚢胞液を採取し,嚢胞液内の細菌について 検証をおこなっている.報告によると,解析した約 70 サンプルほぼ全てにおいて 16sRNA を用いた細菌 DNA の検出が可能であった.嚢胞液には 408 菌属の細菌が存 在することが示され,膵嚢胞内には Bacteroides spp.,

Escherichia / Shigella spp.,Acidaminococcus spp. が多く存在していることがわかった.膵嚢胞において局 管上皮細胞や免疫細胞に作用し抗炎症作用を有すること が知られている(17).一方,高脂肪食は腸粘膜バリア の破綻や炎症性サイトカイン誘導による腸粘膜の炎症を 惹起することが報告されている.特に糖尿病や肥満,高 脂肪食の摂取増加による膵負荷は膵臓に慢性炎症を引き 起こし,発癌の誘引となる.食の欧米化といわれる低繊 維高脂肪食の摂取増加にともない,腸管内の細菌叢の変 化として dysbiosis が起こり,腸管粘膜バリア機能の低 下や炎症惹起を介し,発癌に関係することが推測されて いる. 膵臓癌と腸内細菌叢の関係について検討された報告 は,2010 年頃より散見される.特に,口腔内細菌と 膵臓癌の関係性が数編報告されている.膵臓癌患者の 口腔内細菌において,歯周病菌として知られている

Porphyromonas gingivalisは増加し,Neisseria

elon-gata, Streptococcus mitis は減少していることが報告さ れており,膵臓癌に関連する菌として注目されている (18, 19).一方,癌細胞や担癌モデルマウスを用いた実 験から,膵臓癌患者の癌組織内から単離された細菌が, 膵管腺癌(PDAC: pancreatic ductal adenocarcinoma) などで広く使用されるゲムシタビンなどの化学療法剤 の代謝を変化させ,化学療法への耐性を誘導すること

(5)

(4) Wu LM, Sankaran SJ, Plank LD, Windsor JA, Petrov MS. Meta-analysis of gut barrier dysfunction in patients with acute pancreatitis. Br J Surg. 2014; 101: 1644–1656.

(5) Tan C, Ling Z, Huang Y, Cao Y, Liu Q, Cai T, Yuan H, Liu C, Li Y, Xu K. Dysbiosis of intestinal microbiota associated with inflammation involved in the progression of acute pancreatitis. Pancreas. 2015; 44: 868–875.

(6) Besselink MG, van Santvoort HC, Buskens E, Boermeester MA, van Goor H, Timmerman HM, Nieuwenhuijs VB, Bollen TL, van Ramshorst B, Witteman BJ, Rosman C, Ploeg RJ, Brink MA, Schaapherder AF, Dejong CH, Wahab PJ, van Laarhoven CJ, van der Harst E, van Eijck CH, Cuesta MA, Akkermans LM, Gooszen HG, Dutch Acute Pancreatitis Study Group. Probiotic prophylaxis in predicted severe acute pancreatitis: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet. 2008; 371: 651–659.

(7) van Baal MC, Kohout P, Besselink MG, van Santvoort HC, Benes Z, Zazula R, Rijkers GT, Gooszen HG. Probiotic treatment with Probioflora in patients with predicted severe acute pancreatitis without organ failure. Pancreatology. 2012; 12: 458–462.

(8) Braganza JM, Lee SH, McCloy RF, McMahon MJ. Chronic pancreatitis. Lancet. 2011; 377: 1184–1197. (9) Watanabe T, Asano N, Kudo M, Strober W.

Nucleotide-binding oligomerization domain 1 and gastrointestinal disorders. Proc Jpn Acad Ser B Phys Biol Sci. 2017; 93: 578–599.

(10) Watanabe T, Asano N, Fichtner-Feigl S, Gorelick PL, Tsuji Y, Matsumoto Y, Chiba T, Fuss IJ, Kitani A, Strober W. NOD1 contributes to mouse host defense against Helicobacter pylori via induction of type I IFN and activation of the ISGF3 signaling pathway. J Clin Invest. 2010; 120: 1645–1662.

(11) Tsuji Y, Watanabe T, Kudo M, Arai H, Strober W, Chiba T. Sensing of commensal organisms by the intracellular sensor NOD1 mediates experimental pancreatitis. Immunity. 2012; 37: 326–338.

(12) Bures J, Cyrany J, Kohoutova D, Forstl M, Rejchrt S, Kvetina J, Vorisek V, Kopacova M. Small intestinal bacterial overgrowth syndrome. World J Gastroenterol. 2010; 16: 2978–2990.

(13) Dutta SK, Russell RM, Iber FL. Impaired acid neutralization in the duodenum in pancreatic insufficiency. Dig Dis Sci. 1979; 24: 775–780.

(14) Jandhyala SM, Madhulika A, Deepika G, Rao GV, Reddy DN, Subramanyam C, Sasikala M, Talukdar R. Altered intestinal microbiota in patients with chronic pancreatitis: implications in diabetes and metabolic abnormalities. Sci Rep. 2017; 7: 43640.

(15) Rahib L, Smith BD, Aizenberg R, Rosenzweig AB, Fleshman JM, Matrisian LM. Projecting cancer incidence and deaths to 2030: the unexpected burden of thyroid, liver, and pancreas cancers in the United States. Cancer Res. 2014; 74: 2913–2921.

所的な細菌叢が形成され,その細菌叢に特徴があること が示された.膵嚢胞の発生については未だ解明されてお らず,細菌が関与している可能性がある.膵嚢胞の一部 は癌化することが既に知られており,特定の細菌が関与 しているとなれば,これらの細菌を持つ IPMN 患者は 膵臓癌の高リスク群としてより高度な層別化が可能にな る.特定の細菌の同定は,膵臓癌へ移行するバイオマー カーとしてだけでなく,胃癌におけるピロリ菌の除菌治 療といった制菌治療へ将来的に繋がることも期待され る. 最近,Berk らは真菌と膵臓癌の関係について報告し ている(24).これによれば,膵臓癌モデルマウスの真 菌叢を amphotericinB で除去すると,膵臓癌の形成が抑 制され,マラセチアを再び投与すると膵臓癌形成が促進 されており,マラセチアは発癌促進に作用していると考 えられた.真菌叢の変化が発癌の原因か,または発癌の 結果であるかを完全に論じることは困難であるが,膵臓 癌と真菌叢を検証した最初の研究であり,今後さらなる 詳細な研究が期待される分野である. お わ り に 以上述べた膵臓癌における局所細菌との関係および膵 臓癌患者における腸内細菌(25)との関係を図 1 にま とめた.Mitsuhashi らの報告(22)にもあったが,膵 臓癌内において細菌叢は形成されており癌化に関係する ことが示唆されている.前癌病変である膵嚢胞内の細菌 叢についてもその存在が確認されている.膵臓において 局所細菌叢が形成され病変と関係していることは明らか になってきており,さらなる検証が膵臓癌の病態解明に 繋がることが期待される. COI 開示 発表内容に関連し,開示すべき COI 関係にある企業 などはない. 引 用 文 献 (1) 急性膵炎診療ガイドライン 2015 改訂出版委員会 編.急 性膵炎診療ガイドライン 2015 第 4 版.東京:金原出版; 2015. (2) 陣内秀仁,入澤篤志,土田幸平.早わかり内視鏡関連ガ イドライン 2018.(1)急性膵炎診療ガイドライン (2) 膵仮性嚢胞の内視鏡治療ガイドライン 2009(3)膵炎局 所合併症(膵仮性嚢胞,感染性被包化壊死等)に対する 診断・治療コンセンサス(解説 / 特集). 消化器内視鏡. 2018; 3: 1299–1305

(3) Ammori BJ. Gut barrier dysfunction in patients with acute pancreatitis. J Hepatobiliary Pancreat Surg. 2002; 9: 411–412.

(6)

gemcitabine. Science. 2017; 357: 1156–1160.

(22) Mitsuhashi K, Nosho K, Sukawa Y, Matsunaga Y, Ito M, Kurihara H, Kanno S, Igarashi H, Naito T, Adachi Y, Tachibana M, Tanuma T, Maguchi H, Shinohara T, Hasegawa T, Imamura M, Kimura Y, Hirata K, Maruyama R, Suzuki H, Imai K, Yamamoto H, Shinomura Y. Association of Fusobacterium species in pancreatic cancer tissues with molecular features and prognosis. Oncotarget. 2015; 6: 7209–7220.

(23) Li S, Fuhler GM, Bn N, Jose T, Bruno MJ, Peppelenbosch MP, Konstantinov SR. Pancreatic cyst fluid harbors a unique microbiome. Microbiome. 2017; 5: 147.

(24) Aykut B, Pushalkar S, Chen R, Li Q, Abengozar R, Kim JI, Shadaloey SA, Wu D, Preiss P, Verma N, Guo Y, Saxena A, Vardhan M, Diskin B, Wang W, Leinwand J, Kurz E, Kochen Rossi JA, Hundeyin M, Zambrinis C, Li X, Saxena D, Miller G. The fungal mycobiome promotes pancreatic oncogenesis via activation of MBL. Nature. 2019; 574: 264–267.

(25) Pushalkar S, Hundeyin M, Daley D, Zambirinis CP, Kurz E, Mishra A, Mohan N, Aykut B, Usyk M, Torres LE, Werba G, Zhang K, Guo Y, Li Q, Akkad N, Lall S, Wadowski B, Gutierrez J, Kochen Rossi JA, Herzog JW, Diskin B, Torres-Hernandez A, Leinwand J, Wang W, Taunk PS, Savadkar S, Janal M, Saxena A, Li X, Cohen D, Sartor RB, Saxena D, Miller G. The pancreatic cancer microbiome promotes oncogenesis by induction of innate and adaptive immune suppression. Cancer Discov. 2018; 8: 403–416.

(16) 膵臓癌ガイドライン 2019 改訂出版委員会 編.膵臓癌ガ イドライン 2019 第 1 版.東京:金原出版;2019. (17) Tilg H, Moschen AR. Food, immunity, and the

microbiome. Gastroenterology. 2015; 148: 1107–1119. (18) Fan X, Alekseyenko AV, Wu J, Peters BA, Jacobs

EJ, Gapstur SM, Purdue MP, Abnet CC, Stolzenberg-Solomon R, Miller G, Ravel J, Hayes RB, Ahn J. Human oral microbiome and prospective risk for pancreatic cancer: a population-based nested case-control study. Gut. 2018; 67: 120–127.

(19) Farrell JJ, Zhang L, Zhou H, Chia D, Elashoff D, Akin D, Paster BJ, Joshipura K, Wong DT. Variations of oral microbiota are associated with pancreatic diseases including pancreatic cancer. Gut. 2012; 61: 582–588. (20) Lehouritis P, Cummins J, Stanton M, Murphy CT,

McCarthy FO, Reid G, Urbaniak C, Byrne WL, Tangney M. Local bacteria affect the efficacy of chemotherapeutic drugs. Sci Rep. 2015; 5: 14554. (21) Geller LT, Barzily-Rokni M, Danino T, Jonas OH,

Shental N, Nejman D, Gavert N, Zwang Y, Cooper ZA, Shee K, Thaiss CA, Reuben A, Livny J, Avraham R, Frederick DT, Ligorio M, Chatman K, Johnston SE, Mosher CM, Brandis A, Fuks G, Gurbatri C, Gopalakrishnan V, Kim M, Hurd MW, Katz M, Fleming J, Maitra A, Smith DA, Skalak M, Bu J, Michaud M, Trauger SA, Barshack I, Golan T, Sandbank J, Flaherty KT, Mandinova A, Garrett WS, Thayer SP, Ferrone CR, Huttenhower C, Bhatia SN, Gevers D, Wargo JA, Golub TR, Straussman R. Potential role of intratumor bacteria in mediating tumor resistance to the chemotherapeutic drug

図 1 膵臓癌に関係すると考えられている細菌

参照

関連したドキュメント

健康人=於テハ20.61%ナリ.帥チ何レモ胃腸 疾患=於テ一斗康人二比シテ相當減少スルヲ認

たらした。ただ、PPI に比較して P-CAB はより強 い腸内細菌叢の構成の変化を誘導した。両薬剤とも Bacteroidetes 門と Streptococcus 属の有意な増加(PPI

High rates of long-term renal recovery in survivors of coronavirus disease 2019–associated acute kidney injury requiring kidney replacement therapy.. Figure 1Renal outcomes

We present sufficient conditions for the existence of solutions to Neu- mann and periodic boundary-value problems for some class of quasilinear ordinary differential equations.. We

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A

Definition An embeddable tiled surface is a tiled surface which is actually achieved as the graph of singular leaves of some embedded orientable surface with closed braid

The important dynamical difference between the transient AIDS state in the acute infection stage and the chronic AIDS state that signals the end of the incubation period is the value

Medicine (Baltimore).. A model to predict survival in patients with end-stage liver disease. Urinary neutrophil gelatinase-associated lipocalin as a marker of acute