高等学校普通科において生徒に経験された情報教育の調査と分析
全文
(2) 32. たり1時間の高校も1校ある。内訳(講義・実表2から,設備としては16ビット機を設置し 習)については,実習のみの高校から,授業時ている高校が9高校中8校であることがわか 数の半分を講義形式で実施している高校まである。また,そのうちの3校はLANを持っている。 る。ただし,講義の時間と実習の時間は区別さ台数については2高校が48台,その他の高校は れず, 1時間の中で両方が実施されている14-25台である。 表3使用教材とソフトウェア -/ 'I > h. B A S IC ソ フ ト. A. 自作. テキス ト. 作成. 〇. B. 市販. 作成. 〇. C. 市販. 作成. D. 無し. 作成. ワ ー プロ ソ フ ト. そ の他 (ソ フ ト). ○ ○. 〇. 〇. ロ ゴ ライ ター キ ャ ラ ク タ エ デ ィ タ (自作 ), 関 数 グ ラ フ生 成 ソ フ ト (自作 ), アニ メ ー シ ョン作 成 ソフ ト, T urbo. E. t l f. 無し. F. マ ニ ュア ル 無し. 作成. 〇. G. 作成. 〇. H. 市販. 作成. 〇. I. 市販. 作成. 〇. C , 作 図 ソフ ト. L IS P 〇 キ ー 練 習 プ ロ グ ラ ム (自作 ), マ ニ ュア ル 〇. 表4実施されている情報教育の主な内容 主 な 内容 A. (括 弧 内 は課 題 な ど, ■印 は 調査 時 点 で実施 済 み の もの). .. キ ー ボ ー ド操 作. (英 文 タ イプ用 ソ フ ト). B A S IC ‥■直 接 モ ー ド (電 卓的 利 用 ), ■コ マ ン ド . 流 れ 図 . プ ロ グ ラム の 保 存 (連 接 構 文 に よ り公 式利 用 プ ロ グ ラ ム の作 成 ), ■分 岐 . 関数 (ゲ ー ム, 平均 値等 ), 反 復 . サ ブ ル ーチ ン (数 列 計 算 等) , グ ラ フ イ ツ クス (棒 グ ラ フ等 ), 配 列 (確率 計 算 ), シー ケ ン シ ャル フ ァイ ル - ■課 題 作 成 [ 1 ]. 課 題 作 成 B. B A SIC. 2. (市 販 の 自習 書 を使 用 ). 卒 業作 品 の制作 , 合 評 ) ‥■導 入 , ■コマ ン ド - プ ロ グ ラ ムの 保 存 , ■文 , ■グ ラフ ィ ックス (三角. 関 数等 ) - ワー プ ロ :一 般 文 , 公 文書 , 古 典文 , 随 筆 (レポ ー ト作 成 ) C. .■ワー プ ロ ‥キ ー ボ ー ド練 習. D. Logo .. キー ボ ー ド操 作 , "O S,. コ ン ピ ュー タの し くみ. 蝣b a sic - ワー プ ロ, 作 図 ソ フ ト (同 窓会 案 内状 つ く り) E F. Lisp プ ロ グ ラ ミン グ (■こ とば あそ び , i 数 列, ね ず み算 ) - . ワープロ B A S IC. G H. b a sic :文 法 , プ ロ グ ラム の作 り方 , 自作 プロ グ ラ ムの作 成 .■キー ボ ー ド操 作. (練 習 用 プ ロ グ ラム ). B A S IC ‥■入 出力 . 代 入 (連接 構 文 に よ り公 式 利 用 プ ロ グ ラム の 作 成 ), ■分 岐 . 関 数 . 流 れ 図 (解 の判 別 プ ログ ラ ム の作 成 ), 補 助記 憶 装 置 の利 用 , 自由作 品制 作 (ク イズ ), 反復 , デ ー タ文 , グ ラ フ ィ ック I. ス . l キー ボ ー ド操 作 . ワー プ ロ (■デ イク ス ラベ ル作 り) B A SIC ‥■暗 記 カ ー ド作 り, ■流 れ 図 (A 高 校 の生 徒 作 品 を利 用 して) , C A Iプ ロ グ ラム作 成 グ ラフ ィ ック. (数学 用 ),.
(3) 高等学校普通科において生徒に経験された情報教育の調査と分析. 表3および表4から,どの高校も実習を行い, その中で言語教育を行っていることがわかる。 言語ではBASICが最も多く, 9校中7校で利用 されている。その他, Logo, Lispが各1校で利 用されている。また,ワープロは5高校で使わ れている。 情報教育においては,テキストなど教材をど のようにするかが大きな問題である。現在すで. 33. して,兵庫県の高等学校普通科における情報教 育が,普通科における職業教育として出発した ことが推察される。 また,生徒の進路希望であるが, 2, 3年生 では文系の4年制大学,理系以外の短大,就職, 専門学校でほとんどを占めていた。すなわち, 情報関係の授業は文系クラスの生徒が選択して い>.. に商業の「情報処理I」などのテキストがあり, これらが利用可能である。調査した高等学校で. 2授業全体に対する理解・興味. は表3のように, 4校で市販のもの, 1校で自. 2.1方式によって授業の赦しさは大きく異なる. 作のものが使われているが, 4校ではテキスト. 調査では「授業が難しいと感じているかどう. を使っていない。. か」について質問し,図1の結果を得た。約半. 表5は評価に関する調査結果である。情報教 育での評価は重要な課題である。記憶中心の ペーパーテストに対して,課題や作品による評. 数の生徒は「ふつう」の選択肢を選び,約4割 の生徒は「難しい」を選んでいる。ところが, 「難しい」と回答した生徒の割合は高校によっ. 価は教師にとって時間の労力の負担が大きい。. て大きな差がある。そこで「難しい」の回答が. にもかかわらず, 9校中7校で作品提出の形式. 特に多い3高校と,特に少ない2高校を比較す. を含めた評価は行われていた。ただしそのうち. る。. の3校ではペーパーテストも行われていた。 教育内容の全体的な傾向としてはコンピュー タのハードウェアならびにソフトウェアの教育. ア) 「難しい」の回答が多い高校 ①Lispを使っているケース(E校). が中心となっている。すなわち,従来の商業あ. Lispという言語自体が高校生にとってや. るいは工業の内容の影響が大きい。この一因と. や親しみにくい言語になっていると考られ. 表5情報教育の評価項目と評価の観点 評価項 目. 評価 の観 点. A. オ リジ ナル 作 品 の 提 出. B. B A SIC で は ペ ー パ ー テ ス ト ワ ー プ ロで は作 品 提 出. C. 作 品提 出, ワ ー プ ロ. プロ グ ラ ムの 質 と内容 , アル ゴ リズ ム の質 , 検 定基 準 (ワー プロ). D. 作 品提 出. アイデ ア とオ リジ ナ リテ ィ ー, プロ グ ラ ミ ング 能力. E. 出席. F. ペ ーパ ーテ ス トと作 品提 出. G. プ ロ グ ラ ム作 成. H. ペ ーパ ーテ ス ト (中 臥. 期 末) ,. 作 品提 出 (右 に評価 の観 点) I. 作 品提 出 ( 3 回 ). 動 くこ と, 見 や す い こ と, エ ラ ーが な い こ と, 注意 点 を守 っ て い る こ と.
(4) 34. サ O * c o c ォ o L A A T 3 2 1. ETLmレuLm^*rnuLuuFT^FUmLFk. OOA=><=><=><=><=>∧HVO∧HVO. 回答した生徒の割合. L難しい□ふつう団易しいL何ともいえない. 図1情報教育の実習の難易 る。この場合, Lispの特徴をうまく活かす. それぞれについて,授業に対する興味を質問し. ような教育内容と方法の開発が必要であ. た。図2および図3にそれぞれの集計結果を示. る。. す。. ②BASICプログラミング中心のケース(G校). 授業開始時点の生徒の興味(図2)を見ると,. 内容がBASICプログラミングの習得を中. 半数近くの生徒が「大変興味があった」を選択. 心とし,評価もプログラム作成で行われて. しており, 「少し興味があった」を選択した生. いるケースである。 ③既成サブルーチンを利用しているケース(I 校) BASICプログラムの作成において,準備. 徒を加えると8割をこえている。コンピュータ 利用の授業に対する生徒の興味は非常に高いと いえる。この興味を効果的に学習に結びつける ことが望まれる。. されたサブルーチンを部品として利用する. 全然興味がなかった. など,応用に重点がおかれた内容である。 イ) 「難しい」の回答が少ない高校. 大変興味. ①ツール利用中心のケース(D校). ・JUBs. 教材ソフトとして教師が開発したツール. 47.7%. の利用が多いケースである。 ②教材内容・方法を生徒の特性に合わせて実. 図2授業開始時の興味. 施しているケース(H校) 個人差やレベルに応じた教材を与えると ともに,進んだ生徒には教える側に回らせ るなどの方法を実施しているケースであ. i* *>. 全然興味がない. 興味がない. る。. 大変興味 mm 41.3%. 2.2方法にかかわらず興味は持続されている 授業が難しいと感じる場合,生徒はその授業. 少し興味があ. に対して興味を持続させることは困難てあろう と推測される。そこで,授業開始前と調査時点. 図3調査時点での興味.
(5) 高等学校普通科において生徒に経験された情報教育の調査と分析. 35. 調査時点での興味(図3)と図2を比較する と,数パーセント減少しているものの,全体と. には高校別の内訳(図5-図7)を見る必要が. しては調査時点でも生徒の興味はなお高いとい える。. ア) 「プログラムの作成」について. 学校別にみると, B高校では「大変興味があっ た」と「少し興味があった」を選択した生徒の 合計が8割弱から6割弱に減少した。その他の 高校では8割以下のケースはなかった。 B高校のカリキュラムの特徴として,対象ク ラス数が4クラスと最も多いこと(表1を参照) があげられる。このことから文系志望生徒の相. 答が約8割ととくに高い高校が2校ある。うち. 000000. . 0 ' 一 一. 」 V. ABCDEFGHI. 故放牧故枚故殺枚故 国5 「プログラムの作成」が分かりにくい生 徒. 0000. 8 6 ・ ・ t. ム内容としている高校も多いので,分析のため. 0. 回答した生徒の割合. 「プログラムの作成」と「BASIC言語の学習」 への回答が多い。しかし,これらをカリキュラ. A. と思った内容について,図4の8項目からの選 択を求めた。その結果は図4に示すとおり,. 0. 生徒が「わかりにくい」あるいは「難しい」. (%) 1. 3内容と生徒の理解・興味 3.1わかりにくい内容. 1校はLisp言語を使っているケースであり, Lisp言語による情報教育の内容と方法がまだ十. 0. 興味が高く,低下の度合もわずかであり,とく に,前項ア)で「難しい」の回答が多い高校も 興味は他の高校と同様に高いことである。この 原因についてさらに次節以降で分析する。. 図5を見ると, 「プログラムの作成」への回. 回答した生徒の割合. 当数がこの授業を選択することになり,コン ピュータが好きでない生徒も多いことが推測さ れる。 注目されることは, B高校以外はどの高校も. ある。. ABCDEPGHI. 枚放牧枚放牧放牧枚 函巳MB田?g=ET41ftサ糾 0. 10203040,50. 図6 「BASIC言語の学習」が分かりにくい生 徒. 現代社会とコンfc'l-f. キーの打ち方 BASIC音譜の学習 7.げラAの作成 ワープロの練習 >" 57<7>の学習. 回答した生徒の割合. コンt x-tのしくみ. mam 哩 5K函. 用語・記号の説明 図4分かりにくい内容(全体). ABCDEFGHI. 放校放牧故枚枚放校 図7 「キーの打ち方」が難しい生徒.
(6) 36. 分に確立していないことによりBASICに比べて. 回答した生徒の割合(%) 0川20304050. 高くなっていると考えられる。他の1校は教師 が準備したサブルーチン等を部品として, BASICプログラム作成を行っている。応用に重 点を置いたケースである。. 親代社会とコンf x-i ・BSmoLa腰ra. キーの打ち方. イ) 「BASIC言語の学習」について 図6から「BASIC言語の学習」が難しいと感 じている生徒が他の高校に比べて多い3高校に 共通していることとして,プリント教材を使い, テキストは使われていないことが挙げられる。 その他の高校ではいずれも自作あるいは市販の テキストが使われている。 ウ)その他 その他の項目で注目されるのは「キーの打ち 方」 (図7)である。この項目への回答が他よ り多い2高校のうちの1校は, 1学期にワープ ロを用いている。ワープロは文字キーの他に, 編集のための特殊キー操作も多く,これらが要 因になっていることも考えられる。ところが, 同様に1学期にワープロを行っているにもかか わらず回答の少ない高校もある。こちらの高校 では「無理のない程度の到達度を設定している との担当教師の回答があり,両校の相違は目標 の置き方の違いに因ると考えられる。この両校 の間には「ワープロの練習」 -の回答にも同様 の傾向が表れており,これも目標の置き方の相 違に因るものと考えられる。 他の1校はLispを用いているケースであるo Lisp言語の使用ではエディタの良しあLでその 使いやすさが影響される場合がある。この場合 も生徒がエディタの使用に慣れていないために 「キーの打ち方」に困難を感じたことも考えら れる。 3.2興味を持った内容 ア)授業の内容では 生徒がどの授業内容について興味を持ったか. BASIC言語の学習 7'けラムの作成 ワープロの練習 mBEqョm由 表計算LJ7トの学習. 図8授業内容についての興味 の授業内容に沿って異なる選択肢や質問はして おらず,半数の生徒にとって該当する選択肢が なかったことが考えられる。 回答した生徒(約早数)については図8のよ うに, 「プログラムの作成」 (2割強), 「ワープ ロの練習」 (2割強), 「グラフィックの学習」 (1割強),その他(1割弱)の順であった。 このことから, 「プログラムの作成」は多くの 生徒が興味を持ち得る内容の一つである。しか し,前項では困難を感じる生徒も多いことが示 された。 高校別にみると, 「プログラムの作成」では Lisp言語を用いている高校で約半数と,他の高 校(4割以下)よりも高くなっている。その一 要因には,ことばあそび,数列(表4参照)と いった,生徒が一度は取り組んだことをテーマ に, Lispという道具を用いて別の表現をしてみ るという指導方法が考えられる。 「ワープロの練習」に対しては, 1学期にワー プロを用いた2校の回答が高い。この2校はと もに作図ソフトを用いた案内状作り,暗記カー ド作りなど,生徒にとって身近なテーマを設定 してワープロやBASICの学習を進めるという方 法をとっている。このテーマ設定が興味の一要 因となっていると考えられる。. については,図8のとおりであった。この質問 には無回答が約半数あった。この原因として, 調査内容が全高校について同一であり,各高校. イ)授業内容以外では 授業ではやっていない事柄で興味を持ってい.
(7) 37. 高等学校普通科において生徒に経験された情報教育の調査と分析. ることでは,ゲーム(ゲームプログラムの作成 0. 3 -. 1 〇. 5. 一 l. 0. '. .I. 0 0. ここでは,どのような情報教育の実施方法,. :. ▲. るが多様な興味がうかがわれる。 4生徒の充実感・満足感. .. ヽ. グラフィック,通信,機械語など,少人数であ. 一. (15人)を取り入れる工夫も望まれる。その他,. 〇. たせるために有効であろう。 2番目に多い音楽. 0. ゲーム的要素を持たせることは生徒に興味を持. 0. ムに興味を持つ生徒が多くいる。教育内容に. 回答した生徒の割合. を含む)と記述した生徒力叫7人と最も多く,ゲー. ABCDEFGHI. 故枚校放牧放牧枚枚 図10 「課題作品ができあがった時」充実感・ 満足感を感じた生徒. あるいは場面が生徒に充実感・満足感を与える. ー l H H け 一. して目的のとおりに動いたとき」で,全生徒の. ニ. 回答数の最も多い項目は「プログラムが完成. 〇 も L - l l. 4.1充実感・満足感を感じた場面. 回答した生徒の割合. かを探る。情報の授業中,生徒はどんな時に充 実感・満足感を感じたかを図9に示す。. 3分の2が回答している。調査時点でプログラ. ABCDEFGHI. ミングをしていない1校を除くと,各校6割か. 放牧故故放牧枚枚枚. ら9割の生徒が回答しており,プログラムの完 成がいかに強い達成感・成就感を与えているか. 図11 「プログラムを作っている時」充実感・ 満足感を感じた生徒. がわかる。 次いで, 「課題作品ができあがったとき」,. 得」, 「文書の作成」の2項目は自由記述を拾い. 「プログラムを作っているとき」, 「納得がいく. 上げたもので,他の選択肢と数値を比較するこ とはできない。. までパソコンを操作する時間があったときの3 項目は2割をこえている。逆に少ないのは「授. 全体として実習に関する内容に対して充実. 業を聞いているとき」(約1パーセント)である。. 感・満足感が大きく,講義に関しては少なく. 「キー入力速度の向上,ブラインドタッチの習. なっている。このことから講義形式の授業では 生徒が興味を持てるような内容と方法を工夫す. 回答した生徒の割合(%) 20 40川 mm岨fiV45M:^. プログラム作成時. ることが大きな課題と言えよう。 4.2項目別にみた充実感・満足感 次に特徴的な項目を見てみよう。. パソコン操作時 プログラム完成時 課題作品の完成時. ア) 「課題作品ができあがったとき」 回答が高い高校が2校ある(図10を参照)0. 実用性の高い技能習得. その1校では,ワープロではディスクのラベル. キー操作技能の習得. 作りBASICではあらかじめ用意されているサ. 文書作成技術の習得. 図9充実感・満足感を感じた場面(全体). ブルーチンを部品として用いての暗記カード作 りといった課題を中心に行っている。また他の 1校ではツールを用いて関数のグラフ作り,.
(8) 38. ワープロや図形ソフトでの案内状作りなど,小. 生徒にとって不満足な場合があり,限られた時. 作品の制作という形式での授業を多く実施して. 間での実習は1人1台の台数が望ましいと考え. いる。これらのように,生徒にとって内容と目. られる。この高校の教師からも1人1台が望ま. 的が明確な課題の達成は生徒の充実感・満足感. しいとの意見がでている。. に寄与するところが大であると考えられる。. 回答が次いで高くなっているG校では, 19人. イ) 「プログラムを作っているとき」. の生徒に対して14台でBASICプログラミングを. 充実感・満足感は全体ではそれほど高くはな. 中心とした授業を行っており,生徒のプログラ. いが,高校別の図11を見ると, 3校で約4割と. ミング能力も他の高校より高くなっていると考. 高くなっている。これらの高校では次のような. えられる。このことから,言語教育においても. 実施上の工夫や特徴がみられるD. ある程度プログラミング能力のある生徒に対し. ◎プログラミングに対して. ては1人1台が望ましいと考えられる。. ・複数教師の個別指導に重点を置いている ・生徒による自由なテーマの設定による作品 制作をさせている ◎生徒のレベルに合わせたプログラミング内容 にしている ◎BASICのプログラミング習得に内容を絞り, 週2回,実施している(表1,表4を参照)0. 5充実感・満足感と実施方法の工夫 実施方法に対する工夫として次の3つのタイ プが見られる。 5.1オリジナルな作品の制作を軸にする(A, D榎) A高校はBASICを用い,課題作成を重視して. このため, 「十分な時間配当が可能」で, 「生. いる高校である。充実感・満足感に関するA校. 徒は内容をよく理解できている」と考えられ. の生徒の回答は, 「プログラムを作っていると. る。. き」, 「プログラムが完成して目的のとおりに動. プログラミングは生徒にとって難しい作業で. いたとき」, 「課題作品ができあがったとき」,. ある。しかし,上記のようにプログラム作成に. の3項目に集中しており,課題プログラムの作. 対する指導方法,内容および配当時間-の配慮. 成が生徒に充実感を与えていることがわかる。. が生徒の充実感・満足感につながっている。. すなわち, BASIC言語を用いてオリジナルな作. ウ) 「納得がいくまでパソコンを操作する時 間があったとき」. 品を制作するという目標を掲げ,ある程度時間. 回答が最も高くなっているC校の場合,調査. させることにより達成感を味わっているといえ. 時点まで2人1姐でワープロを実習しているo このことから,ワープロ実習では2人1台では. をかけてBASICの難しさを克服し,作品を完成 る。 D高校はBASICとキャラクタエディタなどの ツールを用いている。 D校の著しい特徴は回答 いることである。評価も作品提出によってなさ れている。さらに評価の観点として,アイデア とオリジナリティーが重視されていることが他. . 1 t. 校にない点である(表5を参照)0 D校の生徒の 充実感・満足感は,使いやすいツールを用いた,. ー 一. 回答した生徒の割合. が「課題作品ができあがったとき」に集中して. ABCDEFGHI. 放牧故枚放牧枚枚枚. オリジナリティーのある課題作成によるところ が大きいといえようBASICでは文法上の規則. 図12 「納得がいくまでパソコンを操作する時. 習得に困難がある。適切なツールを用いる利点. 間があった時」充実感・満足感を感じた 生徒. は,自分の表現したい内容の実現が比較的容易 なことである。.
(9) 高等学校普通科において生徒に経験された情報教育の調査と分析. 5.2生活に密着した作品を制作させる0校) I高校はワープロを少し実習し, BASICに入っ ている。 I校の回答の特徴は「課題作品ができ あがったとき」に集中していることである。表 4を見ても, I校の実施方法はディスクラベル 作り,暗記カード作りと,学校生活に密着した もの(作品)の作成に重点が置かれている。 I 校は実習内容が「難しい」とする生徒が多い高. 39. の情報教育が実施されると思われる。現行の諸 カリキュラムの形を,生徒にとって充実感・満 足感の大きいものになるように,内容と方法を 改善してゆくことが必要である。その経験から 新しい情報科目の内容と方法が生まれてくるこ とが考えられる。そのための手がかりとして, 調査校で実施されている試みを以下にまとめ る。. 校の一つである。それにもかかわらず,生徒が 興味を失わずに高度な内容をこなせている原因 の一つに,上のような方法が寄与していると考 えられる。 5.3内容の程度や進行の速さを,生徒の適性など に応じて,生徒が十分理解できるように考慮 する(H校) H校では8ビット機16台を用い, BASICを学 習している。 「納得がいくまでパソコンを操作. 6.2言語教育における様々な工夫 今回の調査では,プログラム作成を主な内容 としている高校が多かったのであるが,壁徒は プログラム作成を難しいと感じている反面,こ れに最も強く興味を持っている。このような事 情から,プログラム言語およびプログラミング の内容と指導方法に関して,各高校で様々な工 夫がなされている。それらを含め,効果的と思 われるものと今後の課題を次に挙げる。. する時間があったとき」, 「プログラムが完成し て目的のとおりに動いたとき」への回答が多い。 H校は数学の公式利用プログラムなどを作成し, 自由課題は行っていない。また,実習内容が「難 しい」とする生徒が比較的少ない点が目だって いる。内容の程度や進行の速さに十分ついてい けることが,生徒の充実感・満足感につながっ ているようである。. 6情報教育の改善 6.1情報教育実施の現状 調査したどの高校も,数学や商業といった教 科を活用したカリキュラムによっで情報教育を 行っている。その内容はプログラミング言語の 利用が大きな部分を占めている。しかし,重点 の置き方,方法は高校によって異なり, ・文法事項に沿った学習, ・日常生活,学校生活の中の意味のある活動を 課題として取り上げ,その達成を軸にした学 響, ・教師自作のツールによる作品制作を中心とし た学習 などが実施されている。ここ暫くはこのような 形を漸次,改善していく方向で高等学校普通科. ア)指導方法 ・自由度のある課題制作 (例1)卒業記念作品として制作させる (例2)画面に問題を提示して解答の入力 を求めるプログラムを作成する課題 において,入力が誤答の場合の応答 には次のような種々のプログラムが 考えられるが,生徒は自己のプログ ラミング能力などに応じて,ヒの形 のプログラムを作成しても良いとする 1)単に正答を表示する 2)入力によって異なるKR情報を 表示する 3) KR情報により色を変える 4)再入力を許す ・進んだ生徒には教える側に回らせる イ)指導内容 ・教材をきめ細かく精選する ・教材のレベルを高く設定し過ぎない (例1) For-nextループではstepは導入し ない (例2)簡単なプログラム例を多く準備す る.
(10) 40. ウ)テキストの利用. るが,ワープロの使用ではとくにこの2側面で. テキストは生徒がすぐに見返すことができる. 時間的要求に差が大きく,実習内容によって使. 教材として必要性が高いといえる。特に言語教. 用形態を変えることが望ましい。. 育を行う場合には,生徒は文法やプログラム例 を頻繁に見返すことになり,得たい情報を迅速. 6.4その他のツ-ルによる実習. に検索できることが必要になる。調査において. データベース,表計算ソフトウェアなどのビ. ち,テキストを使っている高校に比べ,プリン. ジネスツールは,この調査では使っている高校. トだけの高校ではより多くの生徒がBASIC言語. はなかった。キャラクタエディタ,関数グラフ. の学習を難しいと感じている。すなわち,プリ. 生成ソフトを自作し,使っている高校があった。. ントだけでは生徒は内容を体系的に整理しにく. 今後はデータベース,表計算に加え,アニメー. く,物理的にもプリントは散逸しがちである。. ション,図形作成,音楽などのソフトの活用も. したがって,全体として体系づけられた,検索. 考られる。これらのツールは一般の教科におけ. しやすいテキストがあることが望ましいといえ. る情報活用の観点からも利用が進むものと予想 される。. る。 エ) BASICによる情報教育の問題点 前節でも触れた「課題の達成」を軸にして,. 6.5講義形式の授業について. BASICなどの言語を利用するという形において. 生徒は実習形式の授業においては,プログラ. も,課題の中に情報の把捉,選択,分析,表現. ムが完成して動いたときに充実感・満足感を感. など,情報教育しての望ましい内容を盛り込む. じている。これに対して講義形式の授業におい. よう工夫,改善していく必要がある。しかしこ. てはほとんど充実感・満足感を感じていない。. の方向では,言語の習得に多大の時間がかかる. また現状は,実習に必要な説明は行われている. という困難な点がある。. が「人間の活動と情報の役割」, 「社会における 情報システムの発展と情報化の社会的問題」と. 6.3ワープロ実習とマイコンの台数. いった広い内容は,ほとんど取り扱われていな. ワープロは言語習得のように多大の時間をか. い。このような内容は講義形式が中心となると. けることなく,情報活用の-ツールとして利用. 考えられる。したがって,生徒にとってつまら. 可能である。ワープロの使用には操作技能の習. ないものになることを避けるため,講義だけで. 得を主とする場合と,作品制作すなわち,創作. なく,興味深く,充実感の持てるような実施方. 活動を主とする場合とがある。操作技能の習得. 法たとえば観察や具体的作業を含む課題解決な. を主とする場合には,生徒一人一人が十分マイ. どを講義の中にも取り入れていくことが必要で. コンを操作できる時間を確保することが必要で. あろう。. ある。これは調査にも時間の不足として表れて いる。この場合には1人1台のマイコンが望ま. 本研究の一部は,平成2年度文部省科学研究費補. しい。一方,ワープロを利用して創作活動を行. 助金「中等教育における情報教育のカリキュラム開. う場合には,グループでアイデアを出しながら. 発と教師教育に関する研究(総合研究(A),課題番. 課題を達成していく形が適しており, 1人1台. 号63301100,代表西之園晴夫)」によった。. の必要はない。他のソフトでもこの2側面はあ.
(11) 高等学校普通科において生徒に経験された情報教育の調査と分析. Sll. Survey and its Analysis of the Students'Experience in the Informatics Education in the General Course at the Senior High Schools Hisaaki NAGASE and Kazuhiko SHOWJI. To improve current informatics education, a questionnaire is applied t0 726 high school students in general cource. Through the analysis of the results with following points of view , the real states of the students are discovered. 1 : the relation between the difficulty impressed by the students and the method of teachings as well as students'interests. 2 : understandings and interests about each item of experienced curriculum. 3 : the relation between the situations when the students feld satisfaction and the method of teachings. Key words: informatics education , survey , senior high school.
(12)
関連したドキュメント
The edges terminating in a correspond to the generators, i.e., the south-west cor- ners of the respective Ferrers diagram, whereas the edges originating in a correspond to the
Examples for the solution of boundary value problems by fixed-point meth- ods can be found, for instance, in Section 2.5 below where boundary value problems for non-linear elliptic
Keywords: continuous time random walk, Brownian motion, collision time, skew Young tableaux, tandem queue.. AMS 2000 Subject Classification: Primary:
Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A
The proof uses a set up of Seiberg Witten theory that replaces generic metrics by the construction of a localised Euler class of an infinite dimensional bundle with a Fredholm
This paper presents an investigation into the mechanics of this specific problem and develops an analytical approach that accounts for the effects of geometrical and material data on
Using the batch Markovian arrival process, the formulas for the average number of losses in a finite time interval and the stationary loss ratio are shown.. In addition,
[Mag3] , Painlev´ e-type differential equations for the recurrence coefficients of semi- classical orthogonal polynomials, J. Zaslavsky , Asymptotic expansions of ratios of