第1学年○組 道徳科学習指導案
指導者
1.主題及び資料名
つよいこころでがんばりぬく
A―(5) 「わきだしたみず」(光文書院)
2.主題設定の理由
3.目標
(1)自分がやらなければならないことをやり遂げることができれば、自分も周りの人も喜びを得られることが分かり、途中で
辛くなっても強い心で最後まで努力しようする態度を育てる。
(2)あきらめずに頑張っている自分や友達、家族からの手紙を読んで、最後まで 頑張ることの素晴らしさを感じる。
4.本時学習の工夫点
課題意識を高める導入の工夫
追求意欲を喚起する資料活用
交流を活性化する表現活動の工夫
資料① とし て、 事前 アン ケ ート結 果を 提 示
し、生活場面において「何かを頑張ったこと」
「途中 でやめ てし まった こ と」に ついて の 体
験を振 り返ら せる 。そし て 、どち らの自 分 で
ありたいかという問いをもとに、「つらいこと
があっ ても 頑 張る ために は 、どん な心が 大 切
か」と いう課 題に 気付く こ とがで きるよ う に
する。
資料② とし て教 材「 わき だ したみ ず」 を 共
感的に 活用す る。 まず、 水 の少な い池の 中 に
いる死 にそう な魚 たちに 気 付いた 時の主 人 公
の気持 ちにつ いて 話し合 う 。次に 、大き な 石
にぶつ かった 後、 回り道 す ること を考え 、 何
日も土 を掘り 続け た主人 公 の行為 の背景 に あ
る考え方について役割演技を行い、交流する。
最後に 、魚た ちを 助けた 時 の主人 公の気 持 ち
につい て話し 合い 、道徳 的 価値を 見出し て い
く。
本時 では 、 動 作的 表現 活動 を仕 組む 。主 人
公の気 持ち を共感 的に 考え ていく ため に、 動
作化を 取り 入れる 。ま た。 大きな 石に ぶつ か
った後 、回 り道を する こと を考え 、何 日も 土
を掘り 続け た行為 の背 景に ある考 え方 につ い
て気付 かせ るため に、 役割 演技を 取り 入れ 、
交 流 さ せ る 。 そ の 際 に 、「 き つ い な ら や め た
ら?」「回り道は大変だから少し休んだら?」
な ど と 切 り か え り の 質 問 を す る こ と に よ っ
て、一 層主 人公に 共感 させ 、勤勉 ・努 力の 価
値をより深めさせたい。
5.体験等の関連の工夫
内容項目の解釈
「勤勉」とは、仕事や勉強などに一生懸命に励むことである。また、
「努力」とは、自分の目標を達成するために能力のすべてを尽くして
打ちこむことである。人は自分の設定した目標が、単に自分のためで
あるばかりでなく、世のため人のためにもなるという自覚や信念をも
つことで、あらゆる障害や失敗にもくじけない強い心をもつことがで
きる。しかし実際には、困難から逃げたり、途中でくじけてしまった
りする弱さも合わせもっている。この弱さを克服するためには、目標
を達 成す るた め に努 力し た こと が自 分の 快 感情 につ な がる だけ で な
く周 りの 人の 喜 びに もつ な がる とい う有 用 感に 浸る こ とが 大切 で あ
ると考える。低学年のA-(5)においては、たとえ苦しいことがあ
っても、やろうと決めたことを強い心で最後まで頑張ることが大切だ
ということが分かり、さらに努力し、やり遂げたときには喜びや満足
感を味わうことができるということに気付かせたい。このことは、中
学年A-(5)の「自分でやろうと決めた目標に向かって、強い意志
をもち、粘り強くやり抜くこと」への学習へと発展していく。
児童の実態
本学級の子供たちは、係活動や日常生活の中において、自分のし
なければならないことに対して、一人一人が意欲的に取り組むこと
ができている。しかし、途中でやめてしまったり弱音をはいてしま
ったりすることもある。これは、自分でやらなければならないと分
かって いても 目の 前にあ る 困難や 辛いこ と に 対して 、「きつ いな 。」
「逃げたいな。」という欲求にとらわれていることが背景にあると考
えられる。また、困難に耐えて最後までやり通すことは、自分だけ
でなく、周りの人のためになるという実感が薄いことが原因である
と考える。
そこで、やらなければならないことを素直に受け入れ、自分のや
るべきことをしっかりと行うことができるようになるこの期に本主
題を設定する。そして、苦しいことや嫌なことから逃げずに、何事
にも強い心をもって取り組み、やり遂げたときの喜びや充実感を味
わい、最後まで努力しようとする心情を育てたい。さらに、頑張る
ことができた自分に気付かせ、実践への意欲を高めていきたい。
資料の含みもつ道徳的価値
本資料「わきだしたみず」は、日照りが原因で池の水が少なくなってしまい、そこに住む魚たちが死にそうになっていることに 気付いた主
人公が、池に水を流し込むために回り道になっても疲れても何日も 頑張ってやり通し、魚たちを助けるという内容である。
本資料からは、主人公のかにが、大きな石にあたって回り道をしたときの気持ちや疲れても頑張って穴を掘り続けるかにの気持ちに共感さ
せることにより、困難なことにあってもあきらめないで最後まで強い心でやり遂げることが大切であるということを感得し、道徳的価値に迫
ることができると考える。
日常生活
できるようになりたいと思った経験
とできなかった経験の想起
道徳の時間(本時)
教材「わきだしたみず」を通して,
について話し合う。
日常生活
日々の学習
6.本時の展開
段
階
学習活動と内容
教師の支援
つ
な
ぐ
/
う
み
だ
す
ひ
ろ
げ
る
1
事前アンケートの結果をもとに話し合い、本時学習のめあ
てをつかむ。
【最後までがんばったこと】 【途中でやめてしまったこと】
2 資料「わきだしたみず」をもとに、主人公の気持ちについ
て話し合う。
(1)池の水が少なくなってきて、今にも死にそうな魚たちに
気づいた時の「かに」の気持ちについて話し合う。
(2)
大きな石にぶつかった後、まわり道をすることを考えて何
日も堀り続けている時のかにの気持ちについて話し合う。
(3)残った力を出して、いずみまで堀り通した時の「かに」
の気持ちについて話し合い、まとめる。
3 自分たちの生活を振り返り、本時で学んだ価値が自分自身
の中にあることに気付く。
・縄跳びの練習を、何度ひっかかっても頑張ってよかった。
・毎日の給食で苦手なものでも、途中であきらめないことは、
いいことなんだな。
○ これまでの生活における体験を想起させ、めあて
につなげるために、事前アンケート結果を提示し、
振り返らせることで、価値への方向付けを図る。
○ 場面の状況把握を行うために、紙芝居にして読み
聞かせた後、資料を黒板に提示する。
○ 何日も土を掘り続けている時の「かに」の気持
ちを表出させるために、動作化、役割演技を行う。
その際、価値に迫るために理由を問い返す発問を
行う。
○ 勤勉・努力の価値の自覚を深めるために、以下
の深める問いを行う。
◎かにさんがしなくてもいいんじゃない?
◎手が痛くなったら、やめた方がいいよ?
◎きついなら、少し休んでもいいよ?
○ いずみまで堀り通した時の役割演技をすること
で、きつい中でも耐えて最後まで堀り通すことが
できたことのよさや満足感にひたらせる。
○ 臨場感を高めるために、効果音を使用する。
○ 日常生活の中の頑張っている子供達の写真を紹
介したり、家族からの手紙を読んだりすることで、
自分たちの中にも勤勉・努力の心があることに気
付かせ、実践化への意欲を図る。
【めあて】さいごまで がんばるこころを ふくらませよう。
・苦手な食べ物でもがんばって
残さずに食べた。
・ひっかかっても跳べるように
な る ま で な わ と び の 練 習 を
した。
・なわとびの練習を途中でやめ
てしまった。
・漢字を途中から丁寧に書くの
をやめてしまった。
たいへんだ。なん
とかしなくては!
はやくたす
けたい
はやくほらない
とさかなさんが
しんじゃう
しんじゃう
あきらめないぞ
きつくても、ぼくがやらないと
・
さかなたちをたすけることができて、よかった。
・あきらめなくてよかった。
・さいごまでがんばってよかった。
・さかなたちが、よろこんでくれてよかった
くるしくてもにげない ぜったい~する!というつよいきもち
じぶんもあいてもうれしい
さい ご ま でが ん ばる
教科書挿絵
教科書挿絵