特別支援学校(知的障害)中学部第1学 年 自立活動学習指導案 1 単元「時間に 合わせて活動し よ う」 2 指導観 ○ 本 グ ル ー プは、 1年 生 男 子 生 徒2名で 構成さ れ て い る。と も に 知的障害を 有し自閉的傾向が あ る。 ど ち ら の生徒 も、人 物の絵 を描くことや色 ・形な ど の マッチング 、見本 や手 順 表 通りに組 み 立て た り す る操作 は得意 である 。コミュニケーション の面で は、短文 を読ん で意味を 理解す る こ と は で き る が、文 字の理 解に比 べて音声言語に よ る 指 示の理 解は、弱 い傾向 がある。 表出に つ い ては 、要求 や許可 を得る 自発的 な言葉が 少し ず つ増え て き て い る 。学 校での 生活場面 や作 業 学 習 の時 間においては 、文字 で書か れ た 1日 の予定 や1時 間の学 習の流れなどを 見て予定 を確認し た りチャイム やアラームで 活動を や め る こ と は で き て い る が 、 教室の時 計を見 て時刻を 確認して 行 、 。 、 、 、 動することはなく 教師の指示を待つことが多い また 生徒A は 周囲の環境の変化に 敏感で 教室内外の 音や人 影の動 きなどによって 学習に 集中できなくなることがある 。生徒B は、新し い 活動 や課題 に対し て 「 で き な い 「 むり」と 言って 避けようとする傾 向が あ る。そ こ で、安心 で、 」 きる 環境を 整え、 今できていることや好 きな活 動、得 意な活 動を生か し な が ら指示な し で 一人 で できることを 増やして、自信を 持って行動できるようにしていくことが必要である。 ○ 本 単 元 は 、自閉症生徒 が時刻 や時間を 確認しながら 作業や 休憩時間 の活動 を繰り返 す こ と に よ って 時間的 な見通 しを持 てるようになり 、自 発 的に行 動することができるようになることを目 指 す も の で あ る。自閉症児 は、一 般 的 に時 間や活 動の流 れを把 握することが苦 手で あ る と言わ れ て いる 。時 間 的な見 通しを 持てないために 、物の 操作や 言語、 協調性な ど を あ る程度身 に つ け て き 、 、 、 ている児 童 生 徒であっても 常に 人の動きを見て行動 したり 指示されるのを待っていたりなど 自 発 的に次 の行動 に移れ な い 場 合がある 。本グループ の生徒 に つ い て も、活 動の予定 に つ い て は 理解で き て い る が 「い つ ま で」 とか 「ど れ く ら い」 といった 時 間 的な見 通し に苦 手さがあり 、、 そ れ に よ っ て次の 行動に 移れなかったり 不安が 強くなったりしていることが 考え ら れ る。そ こ で 予 定 表や手 順 表 、 タ イ マ ーの見 方や使い 方の学 習 及 び 実際の 場で使ってみる 学習を通 して、自 分 で進行状況 を把握 し な が ら行動 できる力 をつけていくことが 必要で あ る。ま た、達 成 感や満 足 感 を味 わわせるためには、 与えられたものだけでなく自己選択 ・自 己 決 定する 場面も必 要である 。 自閉症生徒 に と っ て、時 間 的 な 見通しを 持つ こ と に よ り他者 に依存的 に な ら ず、より 少ない支 援 、 、 によって自分 の行動を管理して 計画的で適切な行 動ができるようになることは 就労や日常生活 余暇など将来 の自立生活の充実 につながる意義深 い学習であると考え る。 ○ 指 導に あ た っ て は、視 覚 的 タイマーや 予定表 の使い 方が分 かり、使 い方に 慣れ、作 業や余暇 の 活動 に生か す こ と が で き る よ う に段階的 に指導 し て い く。はじめは、 実物を 使って練 習させ、 モ デル を見せながら タ イ マ ーや予 定 表 の使 い方について 重点的 に指導す る。そ の後、生 徒が安心 し て活 動で き る よ う に活動内容や 教材・教 具の使 用 法 な ど は 同 一のパターンで 繰り返し 、時刻や 時 間を 確認す る回数 を増やしていきながら 教師の 支援を 次第に 減らしていく。 最後は、 タイマー を 使い 、残り 時間に 応じて 好きな 活動を選 んで余 暇を過 ごす活 動を取り 入れる 。各時の 学習に お い ては 、生徒 が興味 ・関心 を持ち 得意と す る活動 を取り 入れ、 作業や学 習の振 り返り な ど、予 定 時 、 、 刻を決めたいくつかの活動を設 定し 生徒が時刻や時 間を確認しながら 行動する必要性を感 じて 主 体 的に活 動できるようにする 。生徒の 時間的 な見通 しの苦 手さへの 支援と し て 、全 体の関係 や 時間 の増減 が目に 見えるように 、残り時 間が視 覚 的 に 確認しやすいタイマー と生 徒 自 身が活動 の 流れ や時刻 を書き 込み、 チ ェ ッ クし な が ら行動 を確認 できる 予定表を 用いる 。さらに 学習への 動 機づ け を 図 る た め に、全 体を通 じて、生 徒の興 味・関 心に応 じた作業 、余暇 の活動を 設定し、 自 己選択・自己決定する場面や安 心し見通しの持て る環境を設定する。 3 単元の目標 ○ 視覚的タイマーや予定表の使 い方を理解し、使 用することができる 。 ○ 時間を確認 しながら作業や余 暇の活動に取り組 むことができる。 ○ 時間に応じ た余暇活動を選択 し休憩時間を過ごすことができる。 ○ 手順表に従 って意欲的に作業 に取り組むことができる。
4 指導計画(全 8時間) 第1次 タイマーと予定表を使 って活動しよう・・・・・・3時間 1 タイマーと予定表を使 ってみよう・・・・・・・・1時間 2 タイマーと予定表の使 い方を練習しよう ・・・・・2時間( 本時2/2) 第2次 タイマーと予定表を使 って一人で活動してみよう・3時間 第3次 時間 に合わせて一人で 活動しよう・・・・・・・・2時間 5 本時指導の考 え方 本時 は、視 覚 的 タイマー を自分 でセット し、そ れ に 合 わせて 作業を す る学習 の第3回 目である 。 前時は 、視 覚 的タイマーの 模型を 使って、 時間が 経過す る と 赤 い帯が減 少し て い く こ と や、セ ッ ト するときに赤 のラ イ ンを合 わせることを見 た上で 、実際 のタイマーを操 作して 時計の図 を見て合 わ 。 、 せる練習をした 教 師が示した時計の 図を見てタイマー をセットすることはできるようになったが 後半の 作業や 休憩の 活動の 場面で タイマー をセ ッ トし、 終了時 に残り時 間を確 認す る に は教師の 指 差しによる指示 が必要であった。 そ こ で、本 時では 、はじめに前 時と同様 に、視 覚 的 タイマー の模型を 使って 、セット の仕方や 時 計の針 が動くことで 赤い帯 が減っていくことを説 明し、 次に実 際のタイマーを 操作させ 、時計の 図 を見て 合わ せ る練習 を さ せ る。そ の後、タイマー と予 定 表を使 って作業 と休憩 をする行 動の流れ の モデル を示し 、予 定 表にチェック す る こ と やタイマーを 見て残 り時間を 確認することを 声に出し て 確認して み せるよ う にする 。このとき、本 時では 予定表 のチェック項目 を減ら し、タイマーに注 意 を向け 、残り 時間の 赤い帯 に注目 す る こ と を意識 させる 。授業後半では 、生徒自身がタイマーを 休 憩終了時刻に セット し、実 際に指 定された 場所に 移動し て活動 する時間 を設定 し、予 定 表と黒板 の 掲示を 確認しながら 一人で 活動で き る よ う に、教 師か ら の直 接 的な言語指示を 減らして 指導する 。 また、 休憩の 終了を ア ラ ー ムでは 知らせず 、生徒自身に タ イ マ ーの赤い 帯がなくなったことで確 認 させるようにする。 学習の 終わりには、教 師に手 伝っ て も ら っ て で き た か、一 人でできたかを生 徒 が振り 返るこ と ができ るように 絵 を示し、 自 己 評 価プリントに 記入後、 が ん ば りシール を貼って 達 成感を 味わわせたい 。また 、それぞれの作業課題 や余暇活動を す る 場所 については、場 所を分け て 配置し、タ イ マ ーや予定表を置く 場所や道具の片付 け場所を明示する。 6 本時のねらい ○ 時計の図を 見て、視覚的タイマーをセットすることができる。 ○ 活動の終 了 時に予定表に印をつけ るこ と が で き る。 ○ 作業終了時 に視覚的タイマー を見て、残り時間 があることが分かる 。 ○ 手順表に書 かれた指示に従っ て正確に作業をすることができる。 7 準備物 ①学 習の め あ てカ ー ド ② ス ケ ジ ュ ー ル表 (全 体) ③ 視覚的 タイ マー ④予 定 表(個 別) ⑤クリップボード ⑥ 鉛筆 ⑦ 時計の図 ⑧シ ー ル ⑨ 視覚的タイマーの 模型 ⑩ タイマーの 図 ⑪ 時刻カー ( 、 ) ド ⑫つ い た て ⑬教材箱 ⑭ 手順表 ⑮作 業 用 具 封筒 カード ⑯休 憩 活 動 用 具( ぬり 絵・ 色鉛筆 、紙 ・サ イ ン ペ ン 、パ ズ ル 、 本) ⑰マ ッ ト ⑱ テーブル ⑲ 自 己 評 価プ リ ン ト ⑳が ん ば りシ ー ル 教 室 配 置 視覚的タイマー 予定表(個 別) 黒 板 作業机 生徒机 休憩場所 休憩場所 テーブル 出入り口 マット 机 な ま え 予 定 表 よ て い ひ ょ う ① 予定表 をつくるよ て い ひ ょ う 作業 をかく □さ ぎ ょ う おわりの 時間 をかく □ じ か ん 休 けいですることをえらぶ □き ゅ う ② 作 業をするさ ぎ ょ う タイマーをおわりにあわせる □ □ タイマーをみる □ (じ か ん時間 がある じ か ん時 間がない) ③ 休 けいするき ゅ う おわり タイマーをみる □ (じ か ん時間 がある じ か ん時間がない) ④ 学習 のまとめをする ( 時 分 ) が く し ゅ う
8 学習展開 教材・教具 配時 学習内容・活 動 指導上の 留意点 ・ 始めに各自が着席する場所が分かるように机に 1分 1 始めのあいさつをする。 名前を貼っておく。 3分 2 本時の 内容を知る。 ①②③④ ◇ 学習のめあてと流れを確認する。・ 「タイマー を見る」ことと「予定表にチェック ⑤ 学習の タ イ マ ーと 予 定 表の する」ことを練習することを黒板に文字と絵を掲 めあて 使い方を練習しよう 示して伝える。 タイマーを見 る ・ 黒板に掲示した活動スケジュール表(全体)に 予定表をチェックする カードを貼っていきながら学習の流れを確認させ る。この際、作業終了時に残り時間があれば休憩 学習の ①予定表をつくる できることを 伝える。 流れ 説明を聞く ②作業をする ③休憩する ④学習のまとめをする 7分 3 予定表 を作成する。 ・ 予定表(個別)を配布し名前を書くように言葉 ②④⑤⑥ ◇ 予定表に作業内容 を書き入れる。 で指示する。 カードをふうとうにいれる ・ 活動スケジュール表(全体)に作業内容を書き 入れて示す。 ②④⑤⑥ ◇ 時計 の図 に休憩 の終 了 時 刻 の 針 ・ 時計の図を活動スケジュール表に貼り、針の位 ⑦ の位置と数字を書き入れる。 置と数字を書き入れて休憩の終了時刻を伝える。 ②④⑤⑥ ◇ 休 憩 時の 活動が 書か れ たシ ー ル ・ 休憩時の活動が選択しやすいように、実物を見 ⑧ か らした い 活動を 選び予 定 表 に 貼 せ、場所を確認させた後、活動が書かれたシール る。 を提示し選択させる。 ・ 予定表の記入が終わったら1つずつチェック 欄 に チ ェ ッ クを 入れ る よ う に活 動ス ケ ジ ュ ー ル表 (全体)を使ってモデル を示して伝える。 8分 4 視 覚 的 タイマー と予定表の使い ・ タイマーの模型を動かしながらセットの仕方を ③⑨⑩⑪ 説明する。特に時間がたつと赤い帯が減少してい 方を練習 する。 ◇ 視 覚 的タ イ マ ー のセ ッ トの仕 方 くこと、セットするときに赤のラインを合わせる を見る。 ことや回転させる方向について説明する。 、 、 、 ◇ タイマー を見て残り時間のある ・ 残り時間のある なしをタイマーの模型で示し なしを確かめる。 生徒に声に出して確認させる。 、 、 ◇ 視 覚 的タ イ マ ー のセ ッ トの仕 方 ・ 各自にタイマーを渡し 時計の図を何枚か示し を練習する。 長針に合わせてタイマーをセットする練習をさせ る。その都度、赤のラインを元に戻させるように する。 ◇ タ イ マ ー と予 定 表の使 い方を 見 ・ 教師がタイマー と予定表を使って作業と休憩を 。 、 る。 する一連の行動の流れのモデルを示す このとき 。 、 予定表を声に出して読んで確認してみせる また 作業終了後 には 「時間が (まだ)あ る」ことを、 タイマーの赤い帯を見て声に出して確かめてみせ る。
15分 5 作業を す る 。 ③ ④ ⑤ ⑥ ⑫⑬⑭⑮ (1) 作業場所 に移動し準備する。 ・ 行動が止まった 場合は、学習のめあてを確認さ ◇ タ イ マ ー を休憩 の終わ り の 時 刻 せ、直接的な指示を減らしていく 。 にセットする。 ◇ 教材箱を準備する。 ・ 個別に教材箱を用意し、手順表を入れておく 。 教材は、休憩時間 を残して終われる分量に調整し (2) 作業をする。 ておく。 ◇ 手順表を見て作業をする。 ・ 間違った操作や行動をしたときには、手順表 と 作業したものを見比べさせてやり直させるように する。 (3) 作業の終了を確認する。 ◇ 活動 スケジュールに 終了の チェ ・ 行動が止まった 場合は、指さすなどして学習の ックをし、道具を片付ける。 めあてを確認させる。 ◇ 次の 活動 まで時 間が ま だ あ る か ・ タイマーを見て「時間がある」ことを言葉にし どうか確認する。 て確認させ、予定表に○をつけさせる。B児につ いては 、声に出して時刻を読むように 促す。 6 休憩す る ③④⑤⑥ ⑯⑰⑱ ◇ 遊び の場 所に移 動し、 終 了 時 刻 ・ 終了時刻の3分前にタイマーを見て残り時間が まで選 ん でおい た 活動を し て 過 ご まだあることを言葉で確認させる 。 す。 ・ 終了時刻になっても、タイマーを確認できない ときは、黒板のタイマーの図を指さして示し、予 定時間になったことを各自のタイマーで確認させ る。 5分 7 学習の 振り返りをする。 ① ② ③ ④ ⑥⑮⑲⑳ ◇ 予 定 表と 作業で 完成し た も の を ・ プリントを配布する。 見て学習を振り返る。 ・ 絵を示して、一人でできたか、手伝ってもらっ てできたかを自己評価させ、プリントに○印を記 ◇ がんばり シールを貼る 入させる。 ・ 教師からシールを渡し予定表に貼らせる 。 ・ 次時の予定を伝える。 1分 8 終わりのあいさつをする 。 9 評価(個 人 目 標) 評 価 項 目 ○ 時計の 図を見て、視覚的 タイマーをセット することができる。 ○ 活動の 終了時に予定表を チェック欄にチェックすることができる。 ○ 作業終了時に視覚的タイマーを見て残り時 間のあるなしが言え る。 A児 ○ 手順表 に書かれた指示に 従って正確に作業 をすることができる 。 ○ 時計の 図を見て、視覚的 タイマーをセット することができる。 ○ 活動の 終了時に予定表を チェック欄にチェックすることができる。 ○ 作業終了時に視覚的タイマーを見て時刻と 残り時間の あ る な し が言える。 B児 ○ 手順表 に書かれた指示に 従って正確に作業 をすることができる 。 評価基準 援助 なしで 直接的 でない 直 接 的な 指差しや ジェスチャー 身体介助 に できた 言葉掛 け で き た 言葉掛け で き た に よ っ て で き た よ っ て で き た 1 2 3 4 5