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発達障害児とその保護者への支援の必要性

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発達 障害児 とその保護者への支援 の必要性

A Study

of the Necessity

of the Support

for Developmental

disabled

Children

and their

Parents

滝村 雅人、穐丸 武 臣、野 中 壽子、奥平 俊子

Masato Takimura

Takeomi

Akimaru

Hisako

Nonaka

Tosiko

Okudaira

要 旨  地 域 で生 活 す る た め には 日々 様 々 な選 択 や 決 定 を 自 ら行 っ て い く力 が 必 要 で あ る。 障 害 者 は そ の障 害 ゆ え に 、 そ う した 力 を獲 得 す る機 会 が 乏 し くな りが ちで あ る。 したが っ て、 早 い 時 期 か らの健 常 児 と同 じ よ う な 生 活 習 慣 や 社 会 性 獲 得 の た め の トレー ニ ン グが 必 要 で あ る。 と くに発 達 障 害 児 に と って は集 団 生 活 へ の適 応 が 課 題 とな る 。 さ らに、 保 護 者 に と って は、 「わ が子 の 障 害 の 受 容 」 とい う高 い ハ ー ドル が あ る。 その 意 味 で 障 害 児 本 人 へ の支 援 と同様 に 、 そ の 家 族 ・保 護 者 へ の 子 育 て に 関す る支 援 も重 要 と な る。 本 学 人 文 社 会 学 部 棟 の一 室 を使 って 実 施 して い る親 子 教 室(み る くク ラブ)の 実 践 は、学 齢 前 の 子 ど もとそ の保 護 者 を対 象 に、 親 子 が 一 緒 に な って 活 動 で きる場 を開 設 して きた もの で あ る。 さ ら に保 護 者 だ け の集 ま りの 場 を 設 け て、 保 護 者 の気 持 ち に寄 り添 う活 動 も平 行 して 実施 して い る。 ここで の実 践 か ら、他 者 に対 して も言 葉 が発 信 で き る よ う に な っ た こ とや 、 家 族 以 外 の他 者 へ の 接 触 行 動 が 表 れ た こ とな どは、 人 間 関 係 の 構 築 が 一 歩 一 歩 前 進 して い る こ と を証 明す る もの で あ る 。 ま た 、粗 大 運 動 系 の 活 動 は、 子 ど もの 間 で 混 乱 が 生 じや す いが 、 対 人行 動 を中 心 と した社 会 的 ス キ ル の発 達 に効 果 的 であ る とい え る。 キ ー ワ ー ド:発 達 障 害 、 トレー ニ ング 、社 会 性 の獲 得 、 子 育 て 支援  親 子 活動 は じ め に わ れ わ れ は 、地 域 で 生 活 す る た め に は 日 々 様 々 な 選 択 や 決 定 を 自 ら 行 っ て い く力 が 必 要 で あ る 。 人 間 誰 も が 、 学 校 、 職 場 、 友 達 、 近 隣 等 の 人 と の 関 わ り の 中 で 社 会 人 と し て 成 長 し て い く。 こ れ は 障 害 者 で も健 常 者 で も 同 様 で あ る 。 し か し、 障 害 者 は そ の 障 害 ゆ え に 、 そ う し た 力 を 獲 得 す る 機 会 が 乏 し く な り 、 そ の ま ま 地 域 生 活 に 入 る と 、 様 々 な 困 難 に 直 面 し、 時 に は 地 域 か ら 阻 害 さ れ て し ま う危 険 に 陥 る の で あ る 。 こ う し た こ と を 防 ぎ 、 将 来 に わ た っ て 、 地 域 で の 生 活 を 営 み 、 労 働 の 場 面 に 従 事 し て い く た め に も 早 い 時 期 か ら 、 健 常 児 と 同 じ よ う な 生 活 習 慣 と社 会 性 の 獲 得 に

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よ る対 人 関係 を維 持 す る力 を身 に つ け る トレー ニ ングが 必 要 とい え る。 障 害 が あ るか ら身 につ け る必 要 が な い とか 、身 につ くはず が な い とい う、誤 解 と偏 見 は払 拭 しな け れ ば な らな い。 そ して 、 そ う した機 会 の提 供 こそ 、 障 害児 へ の 支援 、 ひ い て は保 護 者 へ の支 援 に もな る ので あ る。 と くに発 達 障 害 の 学齢 前 の 子 ど もた ちへ の公 的支 援 は貧 困 な状 態 に あ る。 こ う した子 ど もた ち は、社 会 的 規 範 や教 育 制 度 の 要 請 に沿 った 行 動 が とれ な い こ とが多 く、 地 域 で他 の子 ど もた ち と 一 緒 に活 動 す る こ とで 得 られ る刺 激 や 経 験 が 乏 し くな りが ち で あ る。 そ れ ゆ え この よ うな発 達 障 害 を有 す る子 ど もた ち とそ の 保 護 者 に と って は、 集 団 生 活へ の 適応 に つ い て の不 安 が 大 きい の で あ る。 さ らに、 障 害 児 の保 護 者 に とっ て は、 超 え ね ば な ら ない 「わ が 子 の 障 害 の 受 容 」 とい うハ ー ド ルが あ る。 そ れ に加 え て、 日々 の生 活 上 欠 か せ ない 子 ど もへ の ケ ア は、 健 常 児 の そ れ とは 比較 で きな い ほ どの 困難 が つ きま とい、 育 児 に対 す る 身体 的 ・精 神 的 負 担 感 は計 り知 れ ない 。 その 意 味 で 障害 児 本 人へ の支 援 と同 時 に 、 そ の家 族 ・保 護 者 へ の子 育 て に 関す る支 援 も重 要 と な る。 次 世 代 育 成支 援 や子 育 て支 援 事 業 が あ る が 、 こ れ らは少 子 化 対 策 で あ る とい う性 格 か ら、 障 害 児 を抱 え て い る保 護 者 へ の支 援 とい う意 味 で は ほ とん ど機 能 して い な い。 ま た特 別 支 援 教 育 が 動 き出 し た が 、 これ も教 育現 場 で の 支 援 で あ っ て 、 そ こに保 護 者 支 援 の視 点 は ほ とん ど見 あ た らな い。 学 齢 児 だ か ら とい っ て 学 校 教 育 の 側 面 だ け で は 本 当 の 意 味 で の子 ど もの生 活 と成 長 ・発 達 の支 援 に は至 ら ない の で あ る。(滝 村 雅 人) 1.障 害 児 の 親 子 教 室 「み る くク ラ ブ」 と保 護 者 の 集 い の 実 践 1-1.活 動 の経 緯 親 子 教 室 「み る くク ラ ブ」(保 護 者 の 命 名 に よ る)の 実 践 は、2004年8月 に 地域 の 保 健 所 か ら の 要 請 を受 け て、 本 学 人 文 社 会 学 部 棟 の一 室 を使 って 、 学 齢 前 の子 ど も とそ の 保 護 者 を対 象 に 、 親子 が 一 緒 に な っ て 活 動 で きる場 を 開 設 して き た もの で あ る 。 翌2005年 に は、 人 間 文 化 研 究 所 の 共 同研 究 と して位 置 づ け る こ と に な る。 そ して2006年 度 か ら2007年 度 に は名 古 屋 市 立 大 学 特 別 奨励 研 究 費 の 対象 と な り、 今 日 に至 って い る。 さ らに、2007年 度 か らは 、 保 護 者 を対 象 と して、 保 護 者 の 精 神 的負 担 感 と情 緒 の 安 定 を は か るた め に、 保 護 者 だ けの 集 ま りの場 を設 けて 、 保 護 者 の 気 持 ち に寄 り添 う活動 も平行 して 実 施 し てい る。 1-2.活 動 と研 究 の 内容 (1)み る くク ラ ブ の実 践 この 親 子 の 集 団活 動 の 目的 は、 普 段 家 庭 で は で き ない よ う な遊 び の 場 を提 供 す る と と もに 、

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そ の活 動 の 中 で の子 ど も た ち の個 々の 行 動 を 「運 動 発 達 」 「生 活 動 作 の習 得 」 「対 人 行 動 」 等 々 の観 点 か ら分 析 す る こ と に よ り、 地 域 で 生 活 す る障 害児 とそ の 保 護 者 の ニ ー ズ に応 え られ る よ り効 果 的 な支 援 方 策 を検 討 す る と こ ろ にあ る。 対 象 は、 名 古屋 市 瑞穂 区 内 の多 動 性 障 害 、 ア ス ペ ル ガー症 候 群 、 高 機 能 自閉 症 な ど と診 断 さ れ た 子 ど も とそ の 保 護 者 、お お む ね12組 で あ る。 実 際 の 活 動 場 面 に は、障 害 を もた な い 「き ょ うだ い 」も参 加 して い る。 活 動 開始 当 初 は就 学 前 の 子 ど もた ち を主 た る対 象 に してい たが 、徐 々 に 年齢 が 上 が り、現 在 で は 障 害 を もつ ほ とん どの子 ど もが学 齢 期 を迎 え て い る。 活 動 内容 は 主 と して保 護 者 が プ ロ グ ラ ム を決 め て い る。 原 則 と して 月 に2回 、年 少 児 は木 曜 の午 後4時 ∼5時 、 年 長 児 は午 後5時 ∼6時 ま で の各 一 時 間 で あ る。 活 動 は、 あ い さつ か ら始 ま り、 主 活 動 とな る親 子 遊 び を行 な っ た後 、 お や つ を食 べ て帰 る とい う もの で あ る。 中心 とな る親 子 遊 び は、 子 ど もた ち の 集 中 力 の 持 続 時 間 を 考 えて 、 説 明 の 時 間 を除 く とお お む ね30分 程 度 で あ っ た。 保 護 者 に 対 して は、 事 前 に子 ど もた ち の様 子 の 観 察 記 録 を 付 け 、VTR撮 影 を 行 う こ とを説 明 し、 同意 を得 た上 で 実 施 して い る。 活 動 は建 物 内 だ け で な く、 年 数 回 は外 に 出 て 大 学 の キ ャ ンパ ス 内 にて 行 って い る。2006年 度 か ら2007年 度 に か け て の 具 体 的 活 動 につ い て は後 述 す るが 、 年 度 に よ って 活 動 内 容 に も変 化 が 見 られ る。 具 体 的 に は、 ① 観 察 記 録 と ビデ オ撮 影 を中 心 に 集 団 活 動 時 の 行 動 の 記 録 と分 析 を行 う。② 保 護 者 に も毎 回 の 感 想 や 気 づ い た こ とな どの 記録 を とっ て も ら う。③ ボ ラ ンテ ィ アの 学 生 に も毎 回 記 録 を とっ て も ら う。④ そ の 記録 を も とに保 護 者 と会 談 し、 子 ど もの 成 長 ・発 達 過 程 に つ い て 認 識 を 共有 す る 。 この よ うな記 録 を積 み重 ね て 、 よ り よい 親子 の 活 動 の 支 援 や プ ログ ラム の あ り方 を検 討 す る もの で あ る。 そ して、 こ の よ うな子 ど もや保 護 者 へ の発 達 支 援 策 は、 地 域 の ニ ー ズ と して位 置付 け る こ と が で き、 そ う した支 援 の必 要 性 を 自治 体 へ 働 きか け て い くこ とが 求 め られ て い る。 こ の活 動 の 中 で・大 切 な点 は、主 人公 は 障害 を もつ子 ど も とそ の保 護者 で あ る こ と。 そ して 、 あ くまで も子 ど も の成 長 ・発 達 と くら し を支 え る活 動 で あ る と い う こ と に あ る。 (2)保 護 者 との 懇 談 活 動 この 活 動 は、 親 子 教 室 の 実 践 を展 開 す るな か で 、保 護 者 との 懇 談 の 機 会 が 十 分 持 て ない とい う実 態 が あ っ た こ とか ら、 定 期 的 に保 護 者 とだ け懇 談 す る機 会 を もつ こ とに した もの で あ る。 子 育 て の 支援 と して 、 具体 的 な 日常 生 活 の 問題 に対 す る相 談援 助 活動 を行 う こ とで 、保 護 者 の 精 神 的 な負 担 感 の軽 減 と情 緒 の安 定 を は か り、 保 護 者 の エ ンパ ワメ ン トの 実践 を 目指 す こ と を 念 頭 に行 っ て きた もの で あ る。 対 象 は、 親 子 教 室 に参 加 して い る保 護 者 のみ な らず 、 ひ ろ く名 古 屋 市 瑞 穂 区 内在 住 の 障害 児 を養 育 して い る保 護 者 で あ る。 方 法 と して は、 毎 月一 回(約2時 間 程 度)開 催 して い る。 参 加 した保 護 者 に よ る フ リー トー

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キ ン グ及 び 必 要 に応 じて ケ ー ス ワー ク、 グ ルー プ ワー ク を行 っ て い る 。参 加 した保 護 者 個 人 の 感 想 と全体 の 参 加 者 の 発 言 の 記 録 を と り、年 度 末 に は 、保 護 者 に対 す る ア ンケ ー ト調 査 を行 い 、 グ ル ー プ全 体 の 評価 と保 護 者 自身 の 自己 評価 を行 う と と もに 、全 体 的 な観 察 と記 録 の結 果 を分 析 ・評価 す る もの で あ る 。 以 下 の 章 で は 、 これ らの2つ の 実 践 の 結 果 を用 い て 、 子 ど も とそ の保 護者 の支 援 の有 り様 に つ い て検 討 す る 。(滝 村 雅 人) 2.子 ども の社 会 性 の発 達 に つ い て 2-1.親 子 教 室 に お け る 子 ど もの発 達 記 録 方 法 に つ い て 観 察記 録 票作 成 の基 本 姿勢 は 、保 護 者 か ら提 供 され た子 ど もの プ ロ フ ィー ル に記 され た 障害 の 内容 と保 護 者 が 望 む子 ど もの発 達 課題 を参 考 に し、 そ れ に対 応 で きる よ うに した もの で あ る。 子 ど もた ち の多 くは 自閉症 の 診 断 を 受 け て お り、 主 要 な発 達 課題 が社 会性(対 人 関係 を含 む)の 育 成 で あ る と理解 され た 。 そ こで 、 自閉 症児 の発 達 段 階 とそ の重 点 課題 に つ い て 、後 藤(2004)が 作 成 した対 人 関係 チ ェ ック リス トに よる 観 察 記録 と ビデ オ撮 影 に よる 資料 か ら対 象 児 の発 達 過 程 に つ い て考 察 す る 。 な お 、 観 察 の 分析 法 は 奥 平(2005)を 参 考 と した 。 (1)記 録 の期 間 親 子 教 室 の 開 催 後 、 観 察 記 録 の 収 集 は2005年10月 か ら開 始 し、2008年7月 ま で の も の で. あ る。 観 察 は共 同研 究者 が分 担 して 、 親 子教 室 の 年少 ク ラ ス と年 長 ク ラ ス か ら各1名 を対 象 と して縦 断 的 に観 察 記 録 を 蓄積 した 。 今 回 は年 長 ク ラス のT君 につ い て 報 告 す る。 (2)観 察 対 象 児T君 に つ い て T君(5歳 ・男)の 保 護 者 が 開 設 時 に提 出 した 子 ど もの プ ロ フ ィ ー ル に つ い て は 以下 の よ う. で あ っ た。 1)障 害 の 診 断 名:自 閉 症 。2)障 害 の程 度:軽 度 。3)当 面 の発 達 課 題:① 自立 的 生 活 行 動: 衣 服 の着 脱 。 ② 運 動 能力 の 向 上:特 に 記 述 な し。③ 言 語 能力:現 在 は 一語 文 で あ り、 滑 らか な 発 語 と、 二 語 文 が 使 用 で き る よ う に な る。 ④ 社 会 性(対 人 関係 を含 む):友 達 と一 緒 に遊 ぶ よ うに な る。 ⑤ 情 緒 の安 定:特 に記 述 な し。 ⑥ そ の他:物 事 に落 ち着 い て 取 り組 め る よ う に な る、 で あ っ た。 (3)T君 の行 動 的特 徴 T君 は 、毎 回 、活 動 の 部屋 に 入 っ て くる な り、足 音 も立 て な い で非 常 に軽 や か に室 内 を何 周 も走 り回 り、 観 察 者 が驚 くほ どの 身 の こな しを す る。 ま た、 校 舎 の2機 の エ レベ ー タ の 内、 向 か っ て左 の エ レベ ー タに こだ わ りを持 っ て い て 、 間違 え て乗 る と もう一 度1階 ま で 降 りて乗 り 直 す な どの行 動 を とる 。 ま た 、絵 の 具 や粘 土 な どで手 が 汚 れ る事 が 気 に な る。 衣 服 の着 脱 の順

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番 が 決 ま っ てい て、 間違 え る と始 めか らや りなお す な どの 特 徴 が あ る。 (4)活 動 中の 観 察 記 録 用 紙 につ い て 子 どもの 社 会 性 の 観 察 内 容 は、1)意 志 の伝 達 に 関 わ る チ ェ ック項 目 と して、 ① 要 求 の有 無 、 ② 拒 否 、 拒 絶 、 ③ 感 情 表 現 、 ④ 社 会 習 慣 な どで あ っ た 。2)対 人 関係 に 関 わ るチ ェ ッ ク項 目 は、 ① 他 者 と視 線 を合 わせ る、 ② 他 者 と手 をつ な ぐ、 ③ 他 者 と遊 ぶ 、 な どで あ っ た 。 また 、3)行 動 発 達 に関 す る内 容 は 、① 運 動 発 達 、② 固 執 行 動 に つ い て 自由 記述 を行 っ た 。 2-2.T君 の社 会性 の発 達 過 程 (1)意 思伝 達行 動 に つ い て 観 察 開 始 当 初(2005年)、 自己 の 要 求 や 拒 否 な どの意 思 伝 達 行 動 は 、教 師 が 紙 芝 居 を演 じて い る時 、 母 親 が紙 芝 居 を見 る よ う に とT君 へ 呼 び か け た の に対 して 、 い や な場 合 は、 無 言 で 拒 否 の態 度 を示 し、 逃 げ よ う とす る行 動 が観 察 さ れ た。 ま た、 風 船 遊 び の と きに、 姉 が 持 っ て い た風 船膨 らま し器 を無 言 で 奪 い 取 る な ど、 言 葉 に よ る要 求 や 拒 否 の行 動 は 見 られ なか っ た。 ピ ンク色 の風 船 が 気 に入 っ て、 他 児 が 持 っ て い る ピ ンク の風 船 を無 言 で 取 り合 う場 面 が 見 られ た。 無 言 で あ るが 自分 の要 求 を他 者 に対 して強 く示 した こ と は新 しい 行 動 と して 記 録 され た 。 野 菜 ス タ ン プ の製 作 活 動 にお い て は、 他 児 が 持 って い る野 菜 が 欲 しい と き は、 母 親 の 手 を引 き身 振 りを使 っ て母 親 に 自分 の要 求 を伝 えて い た。 2006年3月 の ボ ー リ ング 遊 び に お い て 、 母 親 が ボ ー リ ン グ遊 び に参 加 す る よ う に誘 っ た と き に、 「い や 」 とい う言 葉 に よ る拒 否 行 動 を示 した 。 活 動 中 に観 察 さ れ た 最 初 の 言 葉 に よる拒 否 の 行 動 で あ った 。 シ ャボ ン玉作 りにお い て 、 母 親 に シ ャボ ン玉 を作 っ て欲 しい、 足 につ い た石 鹸 を拭 い て欲 し い な ど、母 親 の 手 を引 っ 張 っ て 要 求 をす る場 面 が多 く見 られ た。 手 につ い た汚 れ な どの感 触 を 嫌 が っ て い る様 子 で あ っ た。 2007年7月 の 活動 にお い て 、お や つ の袋 が 自分 で 開 け られ ない 時 、「あ か ない 」と言葉 を発 し、 ボ ラ ン テ ィ ア の 学 生 に黙 っ た ま ま袋 を渡 し開 け て も らっ た 。10月 に もお や つ の 袋 を 開 け て も ら うた め に、 学 生 の手 を引 くな ど母 親 や 姉 以 外 の他 者 に要 求 行 動 を通 して の 関 わ りが 多 く観 察 され る よ う に な っ た。 ま た、 気 に入 らない こ とに対 して 「い や 」 とい う言 葉 も多 く発 す る よ う に な った 。 自分 の 要 求 や 拒 否 の 言 葉 の 著 しい 発 達 が 認 め られ た 。 (2)社 会 習 慣 につ い て こ こで は 、 活 動 の 始 ま りと終 わ りの 出 席 点 呼 で 行 わ れ た シ ー ル 張 り とお や つ の 時 の 「い た だ き ます 」 「さ よ な ら」 の挨 拶 、 遊 び にお け る約 束 事 につ い て 述 べ る。 2005年10月 の 活動 の は じめ の あ い さつ で 、 出席 を取 っ て い る 間 も座 っ て い るの が 苦 痛 の様 子 で あ っ た。 お や つ で は先 生 の 「い た だ きます 」 の言 葉 に対 して、 手 を合 わせ て頭 を下 げて い

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た。 お や つ の"ポ ッキ ー"を 姉 に も ら う と き 「ち ょ うだ い 」 とい う発 語 が あ っ た。 姉 との信 頼 関係 が 非 常 に強 い こ とが うか が われ た。 そ して、 母 親 に促 さ れ て、"ポ ッキー"を 筆 者 に分 け て くれ た。 他 者 に物 を与 え る こ とは、 人 間関 係 の 構 築 に と って 重 要 な要 素 だ と考 え られ た 。 2006年 に お い て は 、 活 動 が 終 了 後 、 さ よ な らの挨 拶 と して 、 言 葉 は無 い が 、 手 を振 る動 作 が 出現 した。 また お やつ の ゴ ミを 自分 で ゴ ミ箱 に捨 て 、 皿 を先 生 に渡 す な ど、 無 言 で あ るが社 会 習慣 行 動 の発 達 が著 しい。4月 に は、は じめ の挨 拶 で 先 生 か ら名 前 を呼 ば れ た と きに 「は い」 と小 さな 返事 と手 を挙 げ る行 動 が観 察 され た。 さ らに、 お や つ の時 に手 を合 わせ て 「ご ちそ う さ ま」 と言 葉 を使 って挨 拶 が で きる よ うに な っ た。 家 庭 で の 指 導 で 引 き出 され た挨 拶 な どの社 会 性 の発 達 が、 親子 教 室 に お い て も発 揮 され る よ う に な って い る と思 わ れ た 。 (3)対 人 関係 の発 達 につ い て 2005年10月 の キ ャ ンパ ス 内 の落 ち葉 拾 い の 活 動 に お い て 、T君 は他 児 と視 線 を合 わせ る行 動 は見 られ なか っ た。 ま た、 楽 器 遊 び にお い て は姉 と共 同 して 遊 ぶ こ とが 多 くみ られ た。 しか し、 た くさ ん の子 ど もが 落 ち葉 拾 いや 楽 器 遊 び活 動 を行 って い て も、 そ の 中 に入 って 一緒 に遊 ぶ行 動 は観 察 で きな か っ た 。11月 の 風 船 遊 び に お い てT君 は ピ ン クの 風 船 をF君 と取 り合 い、 他 児 と争 う関係 が初 め て観 察 され た。 2006年 の活 動 で は、 粘 土 遊 び に興 味 を示 し、 先 生 と一 緒 に他 児 が 作 っ て い る物 を見 に行 く な ど、他 者 に対 す る 関心 を示 した。5月 の滑 り台 活 動 で 、滑 る前 の約 束 と して、「先 生 の手 に タ ッ チ す る こ と」、 つ い で 「言 葉 と タ ッチ を一 緒 に行 う」 な どの 課 題 に対 して 数 回 の 練 習 を繰 り返 した 後 にそ れ を習 得 した 。 この こ とか ら、 身 体 を使 っ た 楽 しい 遊 び の 約 束 事 は 学 習 され易 い よ う に思 われ た。 独 楽 作 りの活 動 で は、 母 親 や 姉 とと も に活 動 に集 中 す る行 動 が 観 察 され る よ うに な っ た 。11 月 の リー ス作 りに お い て は、 ホ ッ トボ ン ドに興 味 を示 し、 母 親 にモ ー ル をつ けて も らっ て い る と き、ボ ン ドが 熱 か った の か 「熱 い と」 と 自己 の 感 覚 を言 葉 で 表 現 した 。 滑 り台遊 び で、「だ め」 な どの 言葉 の 頻 度 が増 加 した。 ス ラ イ ム作 りで は母 親 に対 して人 参 や ジ ャガ イモ を作 って な ど 要 求 を しな が ら製作 を楽 しむ行 動 が観 察 され た。 2007年 の活 動 にお い て は 、教 室 に入 っ て くる と、 筆 者 に 向 か っ て 「こ ん に ち わ 」 と挨 拶 を 言 葉 で 表 現 した 。 他 者 に対 す る社 会性 の発 達 が伺 え た 。7月 の 「く もの巣 作 り遊 び」にお い て 、 子 ど も た ちの 中か ら鬼 ご っ こが 始 ま った 。 今 まで にな い 、 活 動 の 出 現 は驚異 的 な 出 来事 で あ っ た。 「 T君 がN先 生 に近 寄 り、 手 で 触 る な ど今 まで 見 られ なか っ た行 動 が 出現 した 。 ダ イナ ミ ッ ク な動 き を伴 っ た活 動 が 、T君 の 心 を開 放 的 に した の か も知 れ な い。9月 の バ ル ー ン遊 びで は、 バ ル ー ンの動 きに合 わせ た積 極 的 な動 きが 見 られ、 バ ル ー ンの上 下 動 で姿 が 隠れ た り現 れ た り

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す る こ とが 楽 しい様 子 で、 笑 顔 が数 多 く観 察 さ れ た。 2008年 の 活 動 で は 、 ジ ャ ンピ ング マ ッ ト、 ケ ンケ ン とび 、 滑 り台 な どの ダ イ ナ ミ ッ ク な体 育 的 な運 動 遊 び に お い て 、 最 初 は ぎ こ ち な か っ たT君 の動 きが 繰 り返 しの 練 習 に よっ て 次 第 に滑 らか な動 き とな り、 さ らに、 道 具 を並 べ 変 え て多 様 な遊 び の活 動 を行 っ た。T君 は ジ ャ ン ピ ング マ ッ トで姉 と手 をつ な ぎ共 同 して ジ ャ ン プ を楽 しむ な ど、家 族 間 の交 流 は非 常 に 良好 で、 こ れ を基 点 と した他 者 へ の 人 間関 係 の構 築 が 期 待 さ れ た。 サ ン ドイ ッチ 作 りにお い て は、 先 生 の 説 明 を良 く聞 き、 手 洗 い を素 早 く済 ませ 、 ハ ン 力チ を 使 っ て手 を拭 くな ど、 生 活 習慣 の発 達 を確 認 す る こ とが で き た。 自分 で 作 っ たサ ン ドイ ッチ を 母 に促 され た と は い え 、 筆 者 に手 渡 して くれ た 行 為 は、 前 述 し た"ポ ッキ ー"の 時 と同 様 に、 T君 の 社 会 性 の発 達 を見 る こ とが で きた 。 また 、 家庭 にお い て は 、 母 親 との 遊 び で 、 「か き」 「キ リ ン」 な どの し りと り遊 び をす る よ う に な った とい う報 告 が あ っ た。 言葉 で の コ ミュ ニ ケ ー シ ョンが 著 し く発 達 して い る こ とが伺 わ れ た 。 7月 の独 楽 を使 っ た遊 び は大 変 興 味 を示 し、光 る独 楽 を母 親 と一緒 に組 み 立 て た り、 他 児 が 回 して い る独 楽 を寝 転 ん で楽 しそ うに観 察 した後 、K先 生 に近 づ い て行 き、 先生 の持 っ て い た 独 楽 を ピス トル に見 立 て、 楽 しそ うに交 流 した。 また 、他 児 の 回 して い る独 楽 は 踏 まな い よ う に避 け る行 動 が見 られ、 他 者 に対 す る意 識 の発 達 が 認 め られ た 。 8月 の屋 外 に 出 て の シ ャボ ン玉 遊 び で は,大 小 の道 具 を使 っ て母 親 や姉 と一 緒 に シ ャボ ン玉 づ く りを楽 しみ なが ら、 そ の合 間 に、 敷 地 内 の 山桃 の木 登 りに挑 戦 し、2段 目の高 さ ま で登 れ る よ う に な っ た 。 母 親 は 親 子 教 室 に参 加 す る よ う に な っ て木 に 登 る楽 しみ を味 わ え る よ う に な っ た と報 告 して くれ た。 10月 の ハ ロ ウ ィ ンの 面 作 りの 活 動 は、 画 用 紙 に顔 を書 き面 の製 作 で あ っ た。 母 親 と姉 が 製 作 を して い る横 で 、T君 は カ ラ ー ペ ンで 、 ア ル フ ァベ ッ トの大 文 字 と小 文 字26文 字 す べ て を 3色 を使 って 書 き上 げ て 満 足 そ うで あ った 。 母 親 はT君 が 自宅 で 、 お もち ゃの 学 習 機 器 を使 っ て い た もの を覚 えて 、初 め て ア ル フ ァベ ッ トを書 くの を見 た そ うで あ る。そ の 彩 色 と グ ラデ エ ー シ ョンの 美 しさ に驚 か され た 。 さ ら に、 自分 が 作 った そ の ア ル フ ァベ ッ トの 画 用 紙 を筆 者 の ビ デ オ カメ ラの 前 に置 き、撮 映 を して 楽 しむ 行 動 に、 他 者 へ の 関 心 が 育 って きて い る こ と を確 認 した 。 2-4.観 察 結 果 の ま とめ 観 察 対 象児 、T君 の約3年 間 に わ た る縦 断 的観 察 記録 か ら、 自閉 症 児 の社 会性 の発 達 を 意 思伝 達 要 素 と人 間 関 係 要 素 に 絞 っ て 行 動 変 容 を記 述 した 。 筆 者 は、1986年 に オ レゴ ン州 立 大 学 発 達 障 害児 教 育 研 究科 に お い て、 す べ て の 障害 児 は必 ず発 達 す る 、 そ の た め に は健 常 児 の何 倍 もの 時

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間 と適 切 な環 境 を用 意 し発 達刺 激 を与 え る必 要 が あ る とい う こ と。 さ ら に、発 達 を きめ細 か く観 察 し見 逃 さ ない とい う こ と を学 ん だ 。 本 学 で 行 っ てい る親 子 教 室 は保 護 者 に子 育 て支 援 の場 を提 供 す る こ と を 目的 と して 開始 され た。 大 学 の研 究 者 は環 境 を提 供 し、 保 護 者 の 自主 的 な 活 動 プ ロ グ ラ ム を支 援 す る立 場 を 堅持 した 。 こ こで 記 述 したT君 の発 達 の様 子 は 、親 子 教 室 の わ ず か1 時 間程 度 の 断 片 的 な 観 察 記 録 を も と に 記 述 した もの で あ り、 子 ど もの家 庭 や 学 校 で の 様 子 とは ギ ャ ッ プが あ るか も しれ ない 。 しか し、T君 が 家 庭 と異 な った 生 活 空 間 で 、保 護者 を 中心 と した 親 子 で 楽 しむ 学 習 プ ロ グ ラム の 実践 にお い て 、伸 び伸 び と軽 や か に動 き回 る姿 に は、 心 身 の解 放 状 態 を読 み と る こ とが で きた 。 また 、T君 が 自分 の 意 思 をい や な場 合 には 「い や」 と言 葉 で表 現 で き る よ う に なっ た こ と、社 会 習慣 の 基 本 と な る 「こん に ちわ 」 「さ よ な ら」 「い た だ きます 」 な どの 言 葉 が他 者 に対 して も発 信 で き る よ う に な った こ と、 人 間 関係 にお い て も家 族 以外 の他 者 へ 関心 を示 し、 時 々見 られ る他 者 を受 け 入 れ た接 触 行 動 な ど は、 人 間 関係 の構 築 が一 歩 一 歩 前 進 し て い る こ と を証 明 す る もの で あ る。 しか し、 保 護 者 の発 達 課 題 で あ る、2語 以上 を使 っ た意 思 伝 達 や友 達 との共 同遊 び の発 現 は まだ観 察 され な か つた 。 した が っ て 、 これ らの課 題 を達 成 す る た め に子 ど もた ち が一 緒 に遊 び や生 活 を す る環 境 と学 習 プ ログ ラム(楽 しい遊 び)の 開発 は今 後 も 探 求 され るべ き課 題 で あ る。 <参 考文献> 1)後 藤千 晴(2004)自 閉症児の遊 びによる対人 関係 の変化.名 古屋 市立大学 人分社 会学 部 人間科学科 卒業論文(未 発表)。 2)奥 平洋子(2003)早 期発達 支援 はなぜ必 要か 一特別支援 教育の展 開にむけて 一札幌学院大学心 理臨床 セ ンター紀要第5号(穐 丸武臣) 3.活 動 内 容 別 にみ た対 人 的 行 動 につ い て 本 章 で は、 親 子 教 室 の 観 察 を通 して、 運 動 発 達 、 対 人 行 動 の観 点 か ら、 粗 大 運 動 的 活 動 が 集 団 生 活 へ の適 応 に対 して与 え る影 響 につ い て述 べ る。 3-1.観 察 の方 法 観 察 対 象 は、 全 体 のVTR画 像 に よ る観 察 や 保 護 者 の話 か ら》 集 団的 活 動 にな る と他 の 子 ど も を叩 く、 蹴 る な どの攻 撃 的 な行 動 が 目立 つA児(診 断 名:広 汎性 発 達 障 害 、 ア ス ペ ル ガ ー症 候 群) で 、 ハ ンデ ィ カ メ ラで 個 別 にVTR撮 影 して行 動 観 察 を行 な っ た。 そ の 画 像 を も とに 、 対 人 的行 動 が 生 起 した 回 数 を 力 ウ ン ト した 。 そ の 際 、対 象 者 を 「母 親 」 「他 の 子 ど も」 「そ の他 」 に分 類 し、 対 人 行 動 は 「友 好 ・共 同 」 的 行 動 と、 「攻 撃 ・反抗 」 的行 動 に分 け た。 な お、 対 象 者 の 「そ の他 」 は、 親 子 教 室 の 指 導 者 や ボ ラ ンテ ィ アの 学 生 、 お よ び観 察 者 で あ る。

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3-2,観 察 結 果 (1)活 動 内容 2006年 度 と2007年 度 に 実 施 した 親 子 遊 び は 下 記 の 通 りで あ る 。 [2006年 度] 製 作 系 遊 び(9回):紙 コ ップ剣 玉 作 り、 ク リス マ ス リー ス作 り、 楽 器 作 りな ど 操 作 系 遊 び(6回):シ ャ ボ ン玉 遊 び、 楽 器 遊 び、 お 手 玉 ・フ ー プ遊 び な ど 粗 大 運 動 系 遊 び(1回):風 船 遊 び そ の 他(2回):人 形 劇 観 賞 、 落 ち葉 ・木 の実 拾 い [2007年 度] 製作 系 遊 び(8回):絵 本 作 り、 写 真 力ー ド作 り、 パ ズ ル作 りな ど 操 作 系 遊 び(4回):シ ャボ ン玉 遊 び 、小 麦 粘 土 、 ジ ャ グ リ ン グ体 験 な ど 粗 大 運 動 系 遊 び(6回):ゴ ム の くもの 巣 遊 び 、 パ ラバ ル ー ン、 遊 具 サ ー キ ッ トな ど そ の他(1回):ジ ャグ リ ング観 賞 2006年 度 は、 半 数 が 製作 的 活 動 で 、 そ の 他 は積 木 遊 びや シ ャボ ン玉 遊 び 、 ス ラ イ ム遊 び な ど用 具 を使 っ た操 作 的 な 遊 び で あ り、 全 身 を使 っ た 粗 大 運 動 遊 び は わ ず か に風 船 遊 び の み で あ っ た。 筆 者(野 中)ら が 親 子教 室 終 了 後 に、 室 内 にあ る遊 具 を使 った粗 大 運動 系 の遊 び を活 動 に加 え た と こ ろ、 子 ど もた ち に も好 評 で 、2007年 度 は 親 子 遊 び の粗 大 運 動 系 活 動 が6回 に 増 えた 。 (2)対 人 的 行 動 図3-1は 、A児 の 「製 作 的活 動 」 「操 作 的 活 動 」 「粗 大 運 動 的活 動 」 の各 活 動 内容 の典 型 例 にお け る対 人 的行 動 に つ い て、 「母 親 」 「子 ど も」 「そ の 他 」 の 対 象 者 別 に示 した もの で あ る 。 製 作 的活 動 に お い て は、 こ の時 はす ぐ隣 の母 親 と も 目を合 わせ た り言 葉 を交 した りす る こ と は ほ とん ど見 られず 、 ひ と りで 活 動 を して い た 。他 の 親 子 と の接 触 もほ とん どな か っ た た め、 問題 行 動 も起 こ らなか っ た。 しか し、操 作 系 の 活 動 で は 、用 具 の 貸 し借 りの 際 の トラブ ル に よっ て、 他 児 を 叩 くな ど の攻 撃 的行 動 が 見 られ た。 一 方 で ボ ラ ン テ ィ ア学 生 に お 手 玉 を投 げ た り、 魚 釣 りで 釣 れ た もの を指 導 者 に見 せ に行 った り、 母 親 以 外 の 大 人 に 自発 的 に か か わ る姿 も多 く 見 られ た 。 粗 大 運 動系 の 活 動 で は 、 遊 具 で 遊 ぶ 中 で他 児 との 身体 接 触 が生 じる と、 相 手 を叩 く、 蹴 る攻 撃 的 行 動 が み られ た が 、他 児 と手 を つ な ぐな どの 友好 、共 同 的行 動 も出現 した。

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3-3.考 察 一 般 に、軽度発達障害の対人行動の特徴 と して、人へ の反応やかか わ りが乏 し く、社会的関係 の形 成 や 、同 年 齢 の仲 間 関係 をつ くる こ とが 困 難 で あ る こ とが挙 げ られ る。 本 研 究 の対 象 児 ら も、 初 め の 頃 は、親 子遊 び を す る 中 で母 親 以 外 の他 者 と 自発 的 に 関 わ る こ とが な く、喧 嘩 も起 きな か っ た。 しか し、 肥 後 ら(1994)が 指 摘 す る よ う に、 子 ど も 同士 の 遊 びの 成 立 を保 証 す る た め の ス キ ル群 と して、 他 者 へ の 自発 的 な関 わ りや ル ー ル の 理 解 が 重 要 で あ る。 時 に は同 年代 の子 ど も と衝 突 した り、 様 々 な刺 激 や 経 験 を得 る こ と も必 要 と な っ て くる。 子 ど もの 対 人 関係 に関 わ る 自己 の 要 求 や 感 情 の 出現 頻 度 は、 活 動 内 容 に よ って 、 ま た、 子 ど もの 興 味 の 有 り様 に よ つて か な り差 が 見 られ る た め、 対 人 関 係 を助 長 す る とい う観 点 か らの 親 子 遊 びの 活 動 内 容 を考 えて い くべ きで あ る。 ま た、 本 研 究 の 対 象 児 ら は、 ル ー ル を守 った り、 周 囲 の 状 況 を判 断 した りす る こ とが特 に 困 難 で あ り、 他 者 と協 同 して 行 動 す る こ と もほ とん ど見 られ なか った 。 しか し、粗 大 運動 系 の 遊 び に よ って 他 者 と関 わ ら ざ る を得 な くな った 時 、 人 へ の 反 応 や 関 わ りが 乏 しか っ た子 ど もに は様 々 な 混 乱 が 生 じる。 た と えば 、 子 ど もた ちが 最 も好 む ジ ャ ン ピ ン グマ ッ トで の 活動 の場 合 、押 し合 っ た りわ ざ と倒 れ て 他 の 子 ど もの 邪 魔 を した りす る姿 が 見 られ た 。 狭 い 中 で 大 勢 の 子 ど もが 遊 ぼ う とす るの は困 難 で あ る こ とに 気付 か せ 、 順 番 待 ち ル ー ル につ い て視 覚 的 に提 示 した とこ ろ 、順 番 を待 つ とい うル ー ル につ い て は 子 ど もの 中 で徐 々 に定 着 して きた 。 A児 にお い て も、 製 作 的 活 動 の 場 面 で は、 横 にい る親 と も 目 を合 わ せ る こ とが な く、他 者 との か か わ りが ほ とん ど見 られ な か っ た の が 、粗 大 運 動系 の 遊 び で は 、自発 的 な対 人 行 動 が 発 現 した 。 ジ ャ ン ピ ン グマ ッ ト遊 び の 時 に は、 自分 の ス ペ ー ス を確 保 し よ う と相 手 を押 す 行 動 が 目立 っ た が 、 他 の子 ど も と手 をつ ない で 一 緒 に ジ ャ ン プ し よ う とす る な ど、 攻 撃 だ け で な く、 友好 ・共 同 の行 動 も見 られ た 。 しか しそ の 動 き を継 続 させ る こ と は な く、 す ぐ手 を離 して 思 い 思 い の ジ ャ ン

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プ に 戻 っ て し ま っ た 。1回 の 成 功 例 に よ っ て 協 同 的 な 活 動 が 定 着 し た と は 考 え ら れ な い が 、A児 は 元 々 、 他 者 と の か か わ り は 持 ち た い と 思 っ て い て 、 そ れ を 同 じ 時 期 に 入 っ たB児 に 対 し て 表 わ す こ と も あ っ た 。 く も の 巣 遊 び で は 、 鬼 ご っ こ の 場 面 に な る と、 鬼 で は な い に も か か わ らずA児 はB児 を 追 い か け 回 し、B児 は 嫌 が っ て 逃 げ 回 っ て い た 。 ま だ 相 手 の 気 持 ち を 察 す る と い う 社 会 的 ス キ ル を 獲 得 す る に は 至 っ て い な い が 、 こ の よ う な 多 少 混 乱 し た 状 態 が 許 さ れ 、 暖 か く見 守 る 周 囲 の 環 境 が 整 っ て い れ ば 、 相 手 の 気 持 ち を 推 察 で き る よ う に な る の で は な い か と期 待 さ れ る 。 こ の よ う に 、 親 子 遊 び プ ロ グ ラ ム の 中 で も、 粗 大 運 動 系 の 活 動 は 、 空 間 的 自 由 度 が 高 い 活 動 で あ る た め 混 乱 は 生 じや す い が 、 対 人 行 動 を 中 心 と し た 社 会 的 ス キ ル の 発 達 に 効 果 的 に 作 用 し て い る こ と が 示 さ れ た 。 <参 考 文 献> 1)肥 後 祥 治,中 山健,新 垣 さ ゆ り,小 野 田笛 子,笹 田 秀 夫,澤 村 まみ,高 橋 ゆ う子(1994)軽 度 発 達 障 害 児 へ の 就 学 直 前 の 小 集 団 訓 練:プ ロ グ ラ ム の 開 発 とそ の 実 施 結 果,情 緒 障 害 教 育 研 究 紀 要,13, 13-20 2)池 田 友 美,郷 間英 世,川 崎 友 絵,山 崎 千 裕,武 藤 葉 子,尾 川 瑞 季,永 井 利 三 郎,牛 尾 禮 子(2007)保 育所 に お け る気 に な る子 ど もの特 徴 と保 育 上 の 問題 点 に 関 す る 調査 研 究,小 児 保健 研 究,66(6),815-820 3)石 川 道子(2002)軽 度 発 達 障 害児 の発 見 と対 応,障 害者 問題 研 究,30,98-107 4)井 澤 信 三,鈴 村 健 治(2002)「 軽 度 発 達 障 害」 の あ る 児 童 ・生 徒 に お け る社 会 性 支援,特 殊 教 育学 研 究, 39,141-142

5) Reichenberg, A. Gross, R. Weiser, M. Bresnahan, M. Silverman, J. Harlap, S. Rabinowitz, J. Shulman,

C. Malaspina, D. Lubin, G. Knobler, HY. Davidson, M. Susser, E. (2006) Advancing paternal age and

autism, Arch Gen Psychiatry, 63, 1026-1032 ( )

4・ 保 護 者 との 懇 談 活 動(通 称:み る くサ ロ ン)に つ い て 4-1.親 支援 の 必 要性 親 に とっ て 、 わ が子 の 誕 生 ほ ど喜 び に満 ちた こ と は ない で あ ろ う。 然 る に、 そ の子 に な ん らか の 障 害 が疑 わ れ た り、 あ る い は 、 医 師 に よっ て 障 害 を告 知 され た な ら、 親 は どの よ うな気 持 ち に な る で あ ろ うか。あ る親 は、ず っ と子 ど もの発 達 に つ い て 、何 か 普 通 で は ない と思 って きた の で 「や は り…」 とい う気 持 ち で冷 静 に受 け止 め られ た、 と話 す。 しか し多 くの親 に とっ て は、 ま さに 晴 天 の霹靂 、ま るで 、子 ど もや 自分 の 家 族 の 将 来 が な くな った よ う な絶 望 的 な感 情 に お しつ ぶ され 、 自分 を責 め た り、 未 だ に、 祖 父 母 に 障害 につ い て話 せ て い な い親 もい る。 そ れ ぞ れ の受 け止 め方 が あ るが 、 そ れ は子 ど もの障 害 の状 態 、 あ る い は家 族 の状 況 、 親 自身 の こ れ ま で の生 き方 、 価 値 観 な ど、 さ ま ざ ま な要 素 に よ っ て異 な る もので あ ろ う。 い ず れ にせ よ、 障 害 は子 ども の一 生 を通

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して、 継 続 す る もの で あ り、 子 ど もの成 長 と と もに、 発 達 課 題 が 変 化 す る と同 じよ う に、 支 援 の 目標 も変 化 す る。 乳 幼 児 期 で は、 援 助 の 目標 は、 障 害 受 容 と子 育 て 支 援 で あ ろ う。 児 童 期 か ら思 春 期 にか け て の 支 援 は、 学 校 にお け る適 応 問 題 と対 人 関 係 の 問 題 。 青 年 期 で は 自立 に伴 う問 題 が 主 た る支援 の 目 標 と い え る。 特 に、 子 ど もが 乳 幼 児 期 で あれ ば、 親 の 関 わ りが 子 ど もの 発 達 に大 きな影 響 力 を持 つ 。 筆 者(奥 平)は 以 前 、 地 域 の就 学 前 の 障 害 児 に対 す る 親 子 療 育 教 室 で発 達 相 談 員 を して い た。 そ の 当 時 も、 親 が 障 害 に対 して 肯 定 的 に受 け 止 め られ た 子 ど も と、 悲 観 的 否 定 的 に しか 障 害 を 受 け 止 め る こ とが で き なか っ た子 ど もで は、 子 ど も の 障 害 の 軽 重 に 関 わ らず、 子 ど も 自身 の 表 情 、 意 欲 、 健 康 状 態 に さ え も大 き な違 い が 見 られ た こ と に よ り、 障 害 児 を持 つ 親 支 援 の 重 要性 を 認識 した 経 験 を持 つ 。 法 制 度 等 の ハ ー ド面 で の 支 援 や 医 師 、保 健 師、発 達 相 談 員 、力 ウ ンセ ラー 、ソ ー シ ャ ル ワー カー 、 教 師 、 等 々 の専 門職 に よ る障 害 児 の ラ イ フス テ ー ジ に即 した 支 援 の 必 要 性 は言 う まで もな い が 、 親 た ち に とっ て 、 同 じ障 害 児 を もつ 親 同士 の 交流 は 、 と もす れ ば 地 域 の 同 年 の 親 か ら孤 立 しが ち な 親 を 守 り、 親 自身 が 自信 を回復 し、 エ ンパ ワメ ン トの 実践 を 目指 す こ とに 非 常 に 効果 が あ る。 以 下 で は 、 親 子教 室 に お け る 親 の 集 い に つ い て 、 実践 報 告 と保 護者 支援 の あ り方 につ い て考 察 を す る 。 4-2.懇 談活 動(み る くサ ロ ン)に つ い て (1)開 催 の理 由 と経 緯 本 学 で行 っ て い る親 子 教 室 の プ ロ グ ラ ム の基 本 コ ンセ プ トは 、 「親 子 で 製作 して 一緒 に遊 ぶ」 で あ る 。 親 子 教 室 で の観 察 か ら、 親 子 で プ ロ グ ラム 活 動 を楽 しん で い る様 子 が 見 え る一 方 で 、 子 ど もの動 きに振 り回 さ れ る親 、 子 ど もの興 味 関心 とは お か ま い な しに 強制 的 に活 動 を強 い る 親 、 学 生 ボ ラ ンテ ィ ア に子 ど もを ま かせ 遠 巻 きに様 子 を見 て い る親 、 子 ど もに は製 作 を任 せ ら れず 、 あ れ こ れ と指 示 的言 動 を取 る親 な ど、 活 動 に対 す る親 の参 加 の仕 方 へ の と ま ど い、 あ る い は、 活 動 に入 れ な い子 ど もに 困惑 して い る親 の様 子 も見 られ た。 本 来 な らば、 親 子 遊 び の後 で子 ども のみ の活 動 と併 行 して親 の グ ル ー プ ワ ー ク を行 い 、 そ れ ぞ れ の親 の思 い を 聞 き と る こ と で、 そ れ を親 子 の 関 わ り方 や 次 回 の活 動 に生 か す こ とが で きる の で あ る が 、 時 間 的 な制 約 が あ り、 十 分 に親 の思 い を把 握 す る こ とが で きな い 現 状 が あ っ た。 そ こ で 、2007年 度 か ら、 親 子 教 室 とは 別 に保 護 者 との 懇 談 の 時 間 を設 け る こ とに した。 障 害 児 の親 の子 育 て 支 援 は、 先 に も述 べ た よ う に、 子 ど も 自身 の 支 援 と同 じ く らい に 重 要 で あ る。 どの よ う な学 習 プ ロ グ ラ ムで も、 そ こ に関 わ る親 子 の関 係 性 を抜 き に して論 じ る こ とは で きな い。 障 害 を もつ 子 ど もや 家 族 との 日々 の 生 活 の 中 で 、 親 た ち が ど の よ うな感 情 や悩 み を持 ち、

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真 に ど の よ う な支 援 を求 め て い るの か 、 そ の よ うな こ と を気 楽 に話 せ る カ タル シス の場 、 本 音 で 語 り合 え る場 所 の 必 要 性 を感 じて い た か らで もあ る 。 (2)活 動 方 法 以 上 の よ う な こ とか ら、 月 に1回 親 との懇 談 活 動 を行 う こ とに した 。 対象 は親 子 教 室 に通 う保 護者 の み で な く、 多 くの親 の想 い を聞 き取 りた い と考 え、 瑞 穂 区 内 の 障 害 児 を養 育 して い る保 護者 を も対 象 と した が、結 果 的 に は、2007年12月 の 第7回 目の 「特 別 支援 教 育 に関 す る保 護者 との話 し合 い」 の 時 を 除 い て は、 親 子 教 室 の保 護 者 以 外 の参 加 はゼ ロで あ った 。参 加 は強 制せ ず、 任 意 参 加 。 出席 者 に よる フ リートー キ ング を基 本 に し、 木 ま た は 月 の 午 前10時 半 か ら約2時 間、グル ー プ ワー ク形 式 で 行 った 。2007年 度 は計10回 実 施 した 。 参 加 人 数 は 、 毎 回 一定 で は な いが 、 平 均5∼6人 程 度 で必 ず し も多 くの保 護 者 の参 加 が 得 られ た わ け で は な い が、話 題 は家 庭 生 活 、家 族 の人 間 関係 、また 障 害 を最 初 に 知 ら され た と きの感 情 、 現 在 抱 え て い る 問題(特 に 学校 生 活)、 将 来 に対 す る不 安 や 要 望 な ど尽 きる こ とな く、 い つ も 2時 間 を超 え る こ とが 常 で あ っ た。すべ て の 親 に参 加 して も らえ な か っ た こ とは残 念 で あ るが 、 親 が 子 ど もの こ とに 関心 が ない とか 、 話 し合 い の 場 を必 要 と して い ない わ けで は な く、 子 ど も が 就 学 した こ とに よっ て、 親 自身 も就 労(ほ とん どが パ ー ト勤 務 で あ るが)や 、 資 格 取 得 の た め の講 座 出席 な どの社 会 的 活 動 に従 事 し、 自分 の 時 間 を 自分 の た め に使 え る余 裕 が で きる よ う に な っ た とい うこ とで あ り、 必 ず しもマ イ ナ ス に捉 え る こ とは ない と思 って い る。 記 録 は、 毎 回の 参 加 者 の 逐 語 記 録 を参加 者 了解 の も とに作 成 し、 今 後 の研 究 の 資料 と して活 用 した 。 4-3.ま とめ と考 察 (1)ま ず 、 障 害 児 及 び 保 護者 の ラ イ フ ス テ ー ジ に対 応 した援 助 の必 要性 で あ る。 ① 子 ど もた ち の 多 くが 学齢 期 に達 した こ とで、 保 護 者 の主 要 な 関心 は学 校 生 活 で あ る。 学 習 面 や社 会 関係 、即 ち教 師 、子 ど も同士 との 関係 形 成 につ い て の心 配 や 不 安 、不 満 を感 じて い る。 特 別 支援 教 育 に つ い て も期 待 感 と同時 に不 安 感 、 不 満 感 も強 い。 保 護 者 の もつ 子 ど もの 情 報 は 、子 ど もへ の理 解 を深 め る た め に学 校 現 場 で も大 い に活 用 で き る とい え るが 、 現状 で は保 護 者 と学 校 側 との コ ミュ ニ ケ ー シ ョンが 不 十 分 で あ る と感じ る。 「子 ど も の よ り よい発 達 を 願 う」 目標 は と もに 同 じで あ るの で 、就 学 前 か ら就 学 後 を通 して の一 貫 した保 護 者 と各 機 関 ・ 学 校 間 の連 携 の組 織 造 りの 必 要 性 が あ る。 ② 軽 度 発 達 障 害 児 は、発 達 検 査 で は高 いDQ(Developmental  quotient:発 達 指 数)を 示 す た め 、 現 行 の療 育 手 帳 制 度 で は障 害軽 度 の判 定 しか 出 ず 、重 度判 定 の子 ど もた ち に比 べ 様 々 なサ ー ビス の 外 に置 か れ て い る現 状 が あ る。 しか し、 知 的発 達 は軽 度 で あ っ て も行 動 障害 が 重 度 の 子 ど も もお り、家 族 に も重 い負 担 が か か っ て い る。 知 的 障害 の程 度 の み で判 定 す る現 行 の 療

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育 手 帳 制 度 は、 軽 度 発 達 障 害 児 に は な じ ま ない 制 度 で あ り、新 た な制 度 が望 ま れ る。 (2)懇 談 会 は、 同 じ障 害 を もつ 親 同士 、 日 ご ろ抱 えて い るス トレス を発 散 し情 緒 の安 定 を は か る 場 と して の効 果 も大 きい 。 ま た、 会 を重 ね る毎 に、 各 種 サ ー ビス の情 報 や、 親 の会 で の活 動 の 情 報 、 専 門書 や 講 演 会 の 情 報 な ど を互 い に伝 え合 い 、 共 有 す る場 とな っ て い っ た。 親子 教 室 開 始 当初 は支 援 の受 け手 で あ っ た親 が 、 自 らが 支 援 の発 信 者 と して 成 長 し合 えた こ とは 大 きな 成 果 で あ ろ う。 親 自 身が 重 要 な社 会 資 源 で あ る こ とを強 く認 識 で きた 。 (3)「み る く」の 活 動 に は 障 害 児 とそ の 親 と と も に「き ょ うだい 」が参 加 して い る。障害 を持 つ 「き ょ うだ い」 の面 倒 を見 る子 もい る が、 特 に年 齢 差 の少 な い 「き ょう だい 」 で は、 ラ イバ ル意 識 を 持 ち 、些 細 な物 の取 り合 い や 、 親へ の甘 え を ス トレー トに 出せ ず 、 す ね る、 ふ くれ る な どの 屈 折 した行 動 で 表 す子 、 こ と さ ら承 認 を 強 く求 め る子 な どが い る。 家 庭 内 で も 「き ょう だ い」 の 成 長 と と もに 、 障 害 を持 つ 「き ょ うだ い 」 に対 して 、攻 撃 的 な態 度 や 無 視 す る とい っ た、 や や 屈 折 した 感 情 を行 動化 す る 様 子 の 報 告 もあ っ た 。 障 害児 本 人 や 親 の支 援 の み で な く、 障害 児 を 持 つ 「き ょうだ い 」 へ の 情 緒 的 支 援 の 必 要 性 を感 じた 。 『「み る くク ラブ 」 の 活 動 の 日 を子 ど もた ち は楽 しみ に して い る』 とは 懇 談 会 で の すべ て の 親 の 感 想 で あ る。そ れ は 親 自身 も同 じで あ る。親 と子 を繋 ぐ場 ・子 と子 を繋 ぐ場 ・親 と親 を繋 ぐ場 ・ 子 と親 や 家 族 とは異 な る他 者 を繋 ぐ場 ・親 と他 者 を繋 ぐ場 と して 重 要 な 場 とな って い る。 親 の 主 体 的 な活 動 に よ る親 子 教 室 で 、親 子 とそ れ に 関 わ る者 全 員 が 成長 変 化 す る機 会 を与 え られ た。 こ の よ うな場 が 名 古 屋 市 内 の各 地 域 で、 障 害 児 を持 つ 親 子 に早 期 か ら実 施 で き る よ う な支 援 体 制 を整 備 す る こ とが 急 が れ る。 〈参考文献 〉 1)「知的発 達障害の家族援助 」 早樫 一男他編 金剛出版(2002年9月) 2)「知的障害者家族の臨床社 会学」 中根 成寿著 明石 書店(2006年6月) 3)「オ レは世界で二番 目か?」 広川 律 子編 クリエ イツか もがわ(2003年8月)(奥 平俊子) お わ り に 本 論 は、発 達 障 害 児 とそ の 保 護 者 の支 援 と して、本 学 で の 実践 を基 に考 察 して きた もの で あ る。 こ の活 動 は、 前 述 した よ うに、 あ くま で 主体 は 障害 児 とそ の保 護 者 で あ り、 わ れ われ はそ の活 動 を側 面 的 に支 援 す る 立場 で あ る 。 しか し、 一 方 で こ う した活 動 の 内容 につ い て客 観 的資 料 か ら分 析 ・評価 す る こ とを 通 して 、 よ りよい 支援 の 方 途 を考 察 す る 必 要 が あ る。 す な わ ち実 践 の理 論 化 で あ る 。 障 害 児 は 、 どれ ほ ど障 害 が 重 か ろ う と も人 間 で あ る 以 上 必 ず発 達 す る。 た だ そ の発 達 の ス ピー ドが 健 常 児 に比 して 遅 い とい うだ け で あ る。 また 、 人 間 は 集 団 の 中 で こそ 人 間 と して発 達

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す る の で あ る。 こ の こ とか ら障 害 児 へ の支 援 は、 集 団 活 動 を通 して 、 子 ど もた ち の発 達 ・成 長 を 見 守 る こ とが 重 要 とな る ので あ る。 さて 、 前 章 まで の考 察 か ら次 の よ う な こ とが 考 え られ る。 まず 、 第2章 で 触 れ た よ う に、 家 庭 と は異 な った 自由 に動 き回 る こ とが で き る空 間 で 、 子 ど も の 心 身 の 解 放 状 態 を読 み と る こ とが で き る。 また 、 社 会 習 慣 の 基 本 と な るあ い さつ な どの 言 葉 が 他 者 に対 して も発 信 で き る よ うに な っ た こ とや 時 々見 られ る他 者 を受 け入 れ た 接 触 行 動 な どは、 家 族 以外 の 他 者 へ 関 心 を示 し、 人 間 関 係 の構 築 が 一 歩 一 歩 前 進 して い る こ と を証 明 す る もの で あ る 。 しか し、 こ の他 者 へ の 関 わ りに お け る 自己 の 要 求 や 感 情 の 出 現 頻 度 は、 活 動 内 容 に よ っ て、 また 、 子 ど もの 興 味 の あ りよ うに よっ て か な り差 が み られ る 。 そ の 意 味 で 、 対 人 関係 を助 長 す る 活 動 内容 を 考 え て い か な け れ ば な らな い 。発 達 障 害 の子 ど もた ち は 、全 般 的 に 、 ル ー ル を 守 っ た り、 周 囲 の 状 況 を判 断 した りす る こ とや、 他 者 と協 同 して 行 動 す る こ と に 困難 さ を もっ て い る。 こ れ に対 して、 粗 大 運 動 系 の遊 び に よっ て他 者 と関 わ らざ る を得 な くな っ た 時 、 人へ の 反応 や 関 わ りが 乏 しか っ た子 ど もに は様 々 な混 乱 が 生 じる。 こ の よ う な多 少 混 乱 した状 態 が 許 され、 暖 か く見 守 る周 囲 の環 境 が 整 っ て い れ ば、 相 手 の気 持 ち を推 察 で き る よ う に な る の で は な いか とい え る。 す な わ ち、あ る程 度 の 葛 藤 を経 験 す る場 面 が 必 要 なの で あ る。 そ の 繰 り返 しが 、体験 とな り、 周 囲 と の 関 わ り方 を学 習 し、 社 会 性 の獲 得 に有 効 に働 くと考 え られ る。 適 切 な環 境 を用 意 し発 達 刺 激 を与 え る こ とが 重 要 な ので あ る。 も ち ろん 、「み る くク ラ ブ」 の活 動 だ け で子 ど も の発 達 が 促 さ れ た とい う わ け で は な いが 、日 々 の 生 活 の なか で 、 こ う した 集 団 で の 活 動 が 大 き な意 味 を持 って い る こ とが 理 解 で き る。 さ ら に保 護 者 へ の 養 育 上 の 支 援 も重 要 とい え る 。 保 護 者 の 集 い に よっ て 、様 々 な情 報 交 換 を し、 そ れ を 共 有 す る 場 とな っ て い っ た 。 親 子教 室 開 始 当初 は 支援 の 受 け 手 で あ っ た保 護 者 が 、 支援 の 発 信 者 と して 成 長 で きた こ とは大 きな 成 果 で あ る。' そ して 、 も うひ とつ重 要 な 点 は 、 障 害児 の 「き ょ うだ い」 へ の情 緒 的 支援 で あ る。 一 般 的 に 障 害 児 本 人 とそ の保 護 者 へ の 支 援 はい わ れ る が、 「み る くク ラ ブ 」 の 活 動 を通 して 明 らか に な っ た こ とは、 そ の 「き ょ うだ い」 へ の支 援 も重 要 な要 素 で あ る とい う こ とで あ る。 一 方 で、 保 護 者 と小 学 校 等 との コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンが 不 十 分 で あ る こ とが わか っ て きた。 名 古 屋 市 にお い て も特 別 支 援 教 育 の展 開 に そ っ て、 就 学 前 か ら就 学 期 へ の移 行 期 が ス ム ー ズ に行 くシ ス テ ム の構 築 が 図 られつ つ あ る。 そ こで は子 ど もの そ れ ぞ れ の 時 期 で の発 達 状 況 、 年 齢 等 に合 わ せ て 、 そ れ に沿 っ た適 切 な プ ロ グ ラ ム を構 築 して い くこ とが 重 要 と な る。 か つ て 瑞穂 区 以 外 の 保 護 者 か ら も受 け入 れ の 希 望 が 出 た こ とが あ る。 つ ま り他 の 地 域 で も こ う した 活 動 の ニ ー ズ が 存在 す るの で あ り、全 市 的 な取 り組 み が 求 め られ て い る とい え る。 また 、 よ り低 年齢 の 子 ど も とそ の保 護者 へ の 支援 体 制 の構 築 が課 題 とな っ て い る。 この よ う な子 ど もの 成 長 ・発 達 に 資 す る 実 践 ・研 究 は、 一 朝 一 夕 に答 えが 出 る もの で は な く、

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長 い 時 間 を 要 す る も の で あ る こ と を 認 識 し 、 今 後 も展 開 し て 行 か な け れ ば な ら な い 。

<参 考 文 献>

1)高 橋 脩 「高 機 能 自閉 症 児 の 幼 児 期 か ら青 年 期 の 発 達 」 『障 害 者 問 題研 究』Vol30.No2、2002年

参照

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