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カンボジア国における食糧需要と農業生産に関する一考察 [A Study on the Food Requirement and Agricultural Production in Cambodia]

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(1)

カンボ ジア国 にお ける食糧 需要 と農業生産

に 関 す る 一 考 察

居 正 治

A Study on theFood Requirementand Agricultural Production in Cambodia

by

Masaharu MATSUI

1

は し が き カ ンボ ジア国 は東 南 ア ジア諸 国 の 中で も有 数 の農 業生 産 国で あ り, また米 の 輸 出 国 で もあ る。 熱帯 の豊 か な光,水 ,土 地 に恵 まれ ,将 来農 業生 産を飛躍 的 に拡大 させ る可能性 を有 し, 将来世界 の食 糧供 給 国 と して期待 され る国で もあ る。 筆 者 は

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月 の問, カ ンボ ジア国 に滞在 し, この国 の農 業 開発 に関す る調査 (カ国 かん が いお よび森林 開発計 画調 査一 日本 政府) に参加 す る機会 を得 た。 本 稿 は その際, 現地 において見 聞 した事項,収 集 し得 た資 料 を 中心 と して,表題 の考察 を進 めた もので ある。 この研究 は次 の よ うな疑 問 =この国 は米 の輸入 国で はな く輸 出国で あ る。 それ 故 国 内の食 糧 供 給量 は充分 で あ り, この面 で積極 的 な食糧増 産 の必要 が な いので はなか ろ うか 。" を解 明 し よ うとす る ことか ら出発 した。 す なわ ち, この研究 は, カ ンボ ジア国 にお け る食 糧 を国 内需要 面 と国外 輸 出面 か ら検 討 して食糧 増産 の必要 性 の有無 と, も し必要 あ りとす るな らば, その 目 標値 は将 来 の あ る時点 において どの程 度 に定 め るか, これ を数 量 的 に試 算す る ことを 目的 と し た。 この試 算値 は, カ ンボ ジア国 の農 業 開発 諸施 策を検 討 す る上 にお いて も, また経 済 開発 の 諸施 策を検討 す る上 にお いて も非 常 に有 効で あ る と考 え られ る。 もち ろん,入 手 し得 た諸資料だ けで は到底上記 の 目的 にそ うよ うな正確 な数字 を掴 む ことは 至難 の業 で あ り, これ を追求 す るた め に,相 当荒 っぽ い大胆 な仮 定を設定 して研究 を進 め ざる 1) を得 なか った。 ことに, 基本 と した計 画省 発行 の統計 年報 資料 その もの につ いて は, 地 方県 庁 , 出先 機 関で収 集 した資 料 に よる諸数 値 と異 な る もの もあ り, その正確 さにお いて,若 干 の

1) Direction delaStatistiquea desEtudesEconomiques,AnnuaireStatistiqueduCambodge 1962・Phnom Penh:Ministeredu Plan,RoyaumeduCambodge・

(2)

高精 度 の統計資料 を要 求 す る こと 自体甚 だ無 理 な注 文で あ る し, また これ は この国唯一 の全 国 的 な統 計資 料 で ある等 の理 由 か らこの統 計 によ る ことに した。 研究 の方法 は,統計資 料 か ら国民 栄養摂取 量 の実態 を推 算 し,栄養 改善 の 目標 を定 め計 画年 にお ける食 糧 の必要 量 を求 め た。 また年 々輸入 額 は増加 す る傾 向 にあ り, また,輸 出額 との収支 は毎年赤字 を 出 して い る経済 事 情 にあ る。 この国 の主要 輸 出品 目の大部 分 は農 産物で ある。 それ故 ,計 画年 において輸入額 とバ ランスの とれ た輸 出額 の実現 を計 るには, その農産物 は どの位 生産 され ね ば な らな いか を求 め, この両 者 を加 算 して計 画年 にお ける主要 農産物 の必要 生産 高 とす る方 法 を と った。 な お,計 画年 は1970年 を採用 した。 また カ ンボ ジア国 にお け る通 貨単位 は Rielで あ りその換 算値 はおお むね次 の とお りで あ る。 1U.S.S-35Riels, 1Rie1-10.27yen

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-松 居 :カン ボ ジ ア国 にお け る食糧 譲 要 と鼻 薬 生 産 に 関す る一 考 察

2

カ ンボ ジア国 の食 糧 生 産 を め ぐる現 況 カ ンボ ジア国 は,北 緯 100-150, 東 経 1020-1080に位 置 し, 熱帯 ア ジア季 節風 地 ′[1日こ属す る。 その面 積 は お よ そ 181,000km2で 北海 道 の約2倍 に相 当す る。 東 南 ア ジア最 大 の Mekong河 は, この国 の北東 部 か ら南 部 にか けて, 大 き く折 曲 して貫 流 し, ベ トナ ム国 に流入 す る。 また この国 の西 部 中央 には Grand Lacが あ り, これ を 源 とす る 2)

ThonleSap河 は, 首 府 Phnom-Penhの南 方 で Mekong河に合 流 す る。

この国 は概 して平 野 が 多 く南 西部 お よび東 北 部 には山地 が存在 す る。 気 温 , 降水 量 は モ ンスー ンと深 い関係 が あ り,12月∼ 5月 まで は乾 期 (北 東 モ ンスー ンの季 節) お よび6月∼11月 の雨 期 (南 西 モ ンスー ンの季 節) に 区別 さ れ る。 Phnom-Penhに お け る年平 均気 温 は 27

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4oC で あ り,年 平 均 雨 量 は お よそ 1,400mm で あ る。Mekong

は雨 期 に は増 水 し8- 9月 に は ピ- クに達す る。 これ ら の 時 期 に は 洪 水 は ThonleSapを 逆 流 して 3) GrandLacに流入 す るのが常 で あ る。 この国 の土壌 は低 地 沖積土 壌 , 台 地 残 積土壌 に大別 され 更 に低 地 沖

土壌 は Mekong河 ま た は Grand Lacの増 水 に よ り浸 水 し, 泥土 の供 給 を うけ る メ コ ン沖 積土 壌 (主 と して, と う もろ こ し, タバ コ, まめ類 ,甘 藷 等 の畑 作物 が栽 培 され る) お よび 中生代 の Ⅰndosinias属

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砂 岩 に 由来 す る砂 質 沖 積土壌 (一 部 で は西瓜栽 培 が行 なわれ て い るが, 大 部分 水 田 と して 利用 され この面 積 は国 内水 田土 壌 の約2/3を 占め る) さ らに Grand Lacの湖 成 沖 積 の粘 土 質土壌 (国 内水 田面 積 の約 1/3を 占め る) に分 け られ る。 台 地 残 積 土壌 は Terre-Rouge玄武岩 系赤

色 土 壌 (ゴム, コ- ヒ-, こ し ょう,パ イ ンア ップル , バ ナ ナ園 と して利用 され て い る。

K0-mpong-Cham には, フ ラ ンス人 の 開 園 した世 界 最 大 の ゴム園 が あ る) と Terre-Noire石 灰 岩 系 黒色 土 壌 (最 近 桶 作適 地 と して急速 に開発 が進 んで い る) が あ る。 これ らの土 壌 の うちで は メ コ ン沖 積土 壌 と赤 色 土壌 お よび黒 色土壌 が他 に くらべ て有 効 態 の窒秦 , 燐 酸 が 多 く生 産 力 が 2) Phnom-Penhの人 口は1962年 403,500人である。 3) Mekong河はPhnom-Penb において,河口より332km,流域面積 668,000km12,河岸の標高は平 均海水面上 11m,低水位約 2-3m,高水位約 10-llmである。又1960-1962隼の最低流嵐,最大 流量の観測結果は次のとおり 1960 1,250m3/S(4月18日) 43,300m3/S(8月29日) 1961 1,680m3/S(4月13-15日) 49,700m3/S(8月28日) 1962 2,030m3/S(4月14-15日) 44,200m3/S(8月13日) GrandLacはMekong河の水位変動に応 じてその水位 も変動 し,洪水の大貯溜池の役割を果す。 Mekong河か らの年間流入量は約363億 m3,歳大洪水時には約250億 m3の水を貯溜しうると見枯 ら れている。増水期には湖面積は拡大 し乾期の約3倍 10,000km2に達する。 この湖は水産資源 はアジ アでは最 も豊富であり捕獲魚は氷詰又は干魚 として外国にも輸出されている。水文に関する詳細は次 記文献を見 られたい。

ECAFE,DevelopmentOf WaterResourcesz'ntheLowerMekongBasin,FloodControlSeries

N0.12:邦訳,科学技術庁資源局資料第19号,昭和34年,HydrologicDataMekong RiverBastn, 1960,1961,1962.

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図 2 Phnom-Penhにおける気温 と雨量 19

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図 3 Battambangにおける気温 と雨量

(5)

-松 居 :カソポジ ア国 にお け る食糧 寓要 と農業 生産 に関す る一 考 察 高 い。 また Mekong本 流 の水 質 は ほぼ 中性 で pH値 は6.9-7.3で あ り,加 里, 珪 酸 の天 然 4) 供 給 量 が比 較 的多 い。 この国 で は これ らの 自然条件 の制約 の もとに, それ に順応 した農 業 が 営 まれ ,大部 分 が一 年 5) 一 作 の無 肥料栽 培 で あ る。

か んが いはMekong河 の増水 を 利用 して行 な う沈 泥か んが い (Kompong-C血am 16,640ha), および 中小 た め 池 に よ るか んが い (全 国18カ所 10,473ha),河川 か ら直接取 水 す るか んが い

(Bovel地 区 45,000ha,Prey-Chhor地 区 6,000ha,Barai一〇ccidental13,000ha伯)等 が 実 6) 施 され主 と して雨期 作 にお け る用水 補給 に利 用 され てお り乾 期 には殆 ん ど利用 され て いな い。

Mekong河 沿岸 地帯 および GrandLac周辺 の平野 は農 業 の主 生産 地 で あ る。 特 に Batta一 7) mbang地 方 に は大型 農業 機械 がか な り導入 され て お り機 械化 農業 の 中心地 とな って い る。 カ ンボ ジア国 は総人 口の約70%が農民 で あ り, この国 の輸 出品 目の大 部分 は農 産 物- ゴム, 米 , と うもろ こ し- が代 表 的で あ る。 農 業 の主 力 は米 作で あ り, その作付 面 積 は約 170万 ha, もみ 収穫 量 は約170万 tonで , もみ単位 収量 は約 1ton/haで あ る。 一 方 畑 作物 作付 面積 は お よそ25万 ha で,主 作物 は と うもろ こ し, いんげ ん まめ, だ いず, 落花 生, 桶等 が栽 培 され て い る。野 菜類 は Phnom-Penh周辺 で栽 培 され て い る。 地方 の大 部 分 の農民 は果 物,野 草 を採 取 して食 用 に供 して い る ものが 多 い。過去 にお け る カ ンボ ジア国 の農業 生産状況 を統 計資料 か ら整 理 して表 記す る と表 1の とお りで あ る。 一 方輸入 品 目は金 属, 金 属製 品,鉱産 物,繊維 製 品 が約70%を しめ るが, 乳製 品,野 菜, 果 物, 小麦 粉,砂糖 等 の畜産 物 お よび農産 物 もまた輸入 せ ざるを得 ず, その比 率 は総輸入 額 の約 10% に も達 して い る。 近 年 にお け る輸 出入 記 録か ら各年 の産 物別 比率 を計 算 し図化 すれ ば, 図 4, 図5の とお りで あ る。 これ か らも上 記 の ことが理解 で きるで あ ろ う。 また年 々輸入 額 が輸 出額 を上 廻 って い る状態 で あ る。 カ ンボ ジア政 府 に よる第1次5カ年計 画 (1960-1964)は, 国民 経済 の繁 栄を はか るため国 民 1人 当 り年 間国 内純 生 産3%の 引 上 げ,5カ年 で15%の 引上 げ を 目標 と し資 金80億 Riels 4) 安尾正元 「カンボジアにおける水 ・土壌と生産力

『東南 アジア研究』(京都 :東南アジア研究センタ ー,1966),第3巻第4号 この他兵庫農大発行カンボジア学術調査報告第2号にこの国の土壌につ いて報告がある。 5) この国では堆厩肥を生産する習慣はなかったので家畜,家 きん等の糞尿は殆 ん ど利 用 されていない が,近年政府の奨励に応 じて厩肥の生産利用の気運が各地で見 られるようである。化学肥料は殆んど 用いられていない。 6) これ らについては,現地で筆者と行動を共にした田中氏の論文にくわしく述べ られている。 田中義朗 「カンボジアのかんがい排水施設

『東南アジア研究』第 3巻第 4号 7) Battambang地方では 100ha以上の水田経営を行なっている農家 もみ られる。全 国平 均経営耕地 面積は3ha,農家-戸当 りの平均家族数は5人程度であるO地方においては畜力が農耕に利用されて いる。耕転作業は牛又は水牛の二頭立てで行なわれる。1960年において牛約 125万頭,水牛約45万頑 の飼養が記録 されてお り,耕地 1ha当 り牛0.81頭,水牛0.27頭となっている。 - 135- 633

(6)

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(8)

図4 カ ンボ ジア国 の輸 出 4.5,2,㌧〇〇〇000000000・T華ER [=コ 膜産 物 お よび高 l唯物 3 匠;ヨ 鉱 産 物 395 ,583 3 ⊂ コ 紙 維 製 品 3p320 25l ∈≡∃ 金属 お よび fl三属加 二I二】l"1. ・2 7…4.l8lj 26t 皿 そ の 他 2.6 12 ;-20 孝や :ll声J 亘 .llもt 1l6鶴2 I75t( !30 lI3. 1%2 班lIl %I日I 図5 カ ンボ ジア国 の輸入 (その うち

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% は国 内資金

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年度 よ り出発 した。 この計 画で は農業生産 の増大を はか るため, かんが い事業 による早ばつ の防止 ,堆 厩肥,緑 肥等 の天然肥料 による土壌 の改良,各作物 の品種 改良 ,農業 の機械 化 ,新 規開墾地 の造 成 およ び入 植農民へ の各種補 助等 の実施を重点施 策 と してい る。

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カ年計 画 の効果 は早 くも

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年 に おいて は,増産計画年 3%の 目標 を いずれ も上廻 る好成績 を あげ た。 つ ぎに人 口統 計資料 か らカ ンボ ジア国の近年 の人 口増加率 を計算す る と下限

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を示 してかな りの変動が あ る。 これ は統計値 が,異 な る機 関 によ って調査 され た もので あるか らやむを得 ない もので あ ろ う。 したが って, いま将来 の人 口 増加率 を

3%

と仮定す ると,国民 総生産 の増産 目標 が

3%

の現計画 はあ くまで も第一段 階の基 本 的な もので あ り, 人 口増分だ けでバ ランス して しま うことにな るか ら国民経済 の繁栄 のため には さ らに農産物 の増産が必要 条件 とな ろ う。 次 に後続 の研究 に利用す るため,各年 の人 口を統計資 料を もとに して推定すれ ば,表 2の と お りで ある。 636

-1

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-松 居 :カン ボ ジ ア国 にお け る食糧 需 要 と農 業 生 産 に 関 す る一 考 察 表 2 カンボジア国各年人口表 年 5 ′0 7 8 0ノ 0 1 2 5 5 5 5 5 ′b ′0 ′0 9

人口

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年 にお け る国民 栄養 摂 取 量 の試 算 カ ンボ ジア国 民 の生 活水準 を 判 断す る- 指 標 と して, 国 民

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1

日当 りの栄 養供 給 の状 態 を 調 べ る ことに した。 1961, 1962年 につ いて試 算結 果 を表 3に示 す 。計 算 にあた って は表注 に示 した よ うに, 種 々の仮 定 を設 定 した。 もち ろん国 民

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日当 りの供 給 量 とい って も現 実 の

1

人 1人 を指 して い るので はな い し, また これ らの量 が均 等 に各 人 に配 分 され て消費 され て い る 8) ので もな いが, 国 全 体 の栄 養供 給状 態 を 判 断 す る上 に は甚 だ有 効 な指 標 と考 え られ る0 表 3に関す る若 干 の説 明を 次 に記 述 す る。 (a) 総 生 産 高 計 画省 統 計 (1962年版 ) に よ って求 め た数 字 で, もみ は米 に, 落 花 生 は子 実 に, また獣 肉類 は頭 数 か ら食 肉量 に換 算 した数 字 を使 用 し, ぴ ん, か んづ め類 の統 計値 はすべ て可 食 部 とみ な した。 (b) 輸 出量 ・輸 入 量 前 述 の計 画省 統 計 年報 (1962年報 ) よ り求 めた数字 で あ る。 (C) 供 給 可能 量 供 給量 は生産 高 か ら貯蔵 中 の変化 を加 減 し, さ らに輸 出入 量 を加 減 して求 め た数 字 で あ る。 これ は食 糧 に供 され る資 源 の総 量 を示 す もので あ る。 計 算 に 当 って は

蔵 中の変化 は Dataを欠 くた め無 視 して あ る。 (d) 純 食 糧 供 給可能 量 か ら種子 用 , その他 の損 耗 (飼 料, 加工 , その他) を差 引いた粗食 糧 に歩 留 りを乗 じた もので純粋 に人 が 口にす る ことの 出来 る と想 定 され る食 糧 で あ るo この計 算 8) カンボジア国のこの種の分析資料は国連統計 (1965版)にも記載 されていない。 - 13 9 - 537

(10)

蓑 3 カ ンボ ジア国 1人 当 り食糧 供 給高 食 品 名

1,000t

1,000

量t 輸入量 1,000t 純食糧 1,000t 1人1年 当供給 量 kg 1人 1日当 り供 給量 純giir糧僅 a戸 い も類lさ つ ま い も l 2

6

・5 ト I L 2 6 ・ 5日 5・8L 2・8 9 】 7 ・91 9・OZ o ・ 1 さ と う 類 パル ミラ ヤシとう 砂 糖

ま l 7 ・9 1 6 ・Ol i l ・9l l・6L o ・2 9 018 事 5・O L o・2 l o・4 1415・8

調 味品巨 し ょ うI l・3 r 1.3l - 1 01 01 0 o・ o o o ∩ し 好 飲 料 類 538 3

-

-茶 ビ ノレ ブ ド

-

酒 リキ ュ ー ル 酒 そ の 他 計 0 0 0 0 0 0 0 総 計 1,12

8

.

8

I

4

1

6

.

2

L

46.1

7

5

8

.7】59

8

.71109.401299.7!1,007.0120 .7 - 140

(11)

-松 居 :カソポ ジ 7国 に お け る食糧 胃 要 と兼 業 生 産 に 関す る一 考 察

の試算 (1961年,1962年)

(12)

表3の注 : a.試算 に用いた各食 品別成分 ,種子量,損失等 は次 の とお りで あ る。食 品成分 は科学技術庁資源調査 会編 の 日本食 品成分表を参考 に して定 めた。 1.米 :100gr(可食部) 当 り355Cal,蛋 白質 6.5gr,脂肪 0.8gr;もみ生産高 よ り精米歩留65C/0, もみ種子量 80kg/ha,損失 5%程度見込む 2.とうもろ こし:100gr (可食部) 当 り353Cal,蛋 白質 8.2gr,脂肪 4.6gr;種子量 30kg/ha, 損失 5% 3.小麦粉 :100gr(可食部) 当 り354Cal,蛋 白質 8.5gr,脂肪 1.Ogr;損失 5C/0 4.いんげん豆 :100gr(可食部) 当 り 325Cal,蛋 白質 20.2gr,脂肪 2.2gr;種子量 40kg/ha, 損失 5C/0 5.大豆 :100gr(可食部) 当 り392Cal,蛋 白質 34.3gr,脂肪17.5gr;種子量 40kg/ha,損失 5C/0 6. らっかせい :100gr (可食部) 当 り553Cal,蛋 白質 25.6gr,脂肪 46.6gr;か らつ き生産高 よ り子実歩合65%として計算 した,種子量 70kg/ha,損失 5% 7.さつまい も :100gr(可食部) 当 り 120Cal,蛋 白質 1.3gr,脂肪 0.2gr;廃棄率10C/0,損失30 %程度見込む 8.パル ミラヤ シ砂糖 :100gr,(可食部) 当 り300Cal(推定値),損失 5C/0 9.さとう :100gr(可食部) 当 り387Cal,損失 5C/0 10 ごま :100gr(可食部) 当 り564Cal,蛋 白質 19.7gr,脂肪 50.9gr ll.水産物 :100gr(可食部) 当 り 160Cal,蛋 白質 26.5gr,脂肪 5.Ogr;廃棄率40%, こい,ふな, ます,えび,か に,あみ,ど じょう, くんせ い (さけ)等 の成分 の平均 よ り推定 12.かんづ めの水産物 :100gr (可食部) 当 り180Cal,蛋 白質 22.5gr,脂肪 9.Ogr;かつあ さけ, さば,いわ し,ぶ りの成分 の平均 よ り推定 13.牛 肉 :100gr (可食部) 当 り237Cal,蛋 白質 17.6gr,脂肪 17.8gr;牛 1頭-400kg枝 肉歩留 55%,精 肉歩留70%, とさつ数 よ り計算 '6138,800頑 '6243,000頭 14.水牛 肉 :牛 肉の80%と仮定,100gr (可食部) 当 り 190Cal,蛋 白質 14.1gr,脂肪 14.2gr;水 牛1頭-400kg,枝 肉歩留550%,精 肉歩留70C/0, とさつ数 よ り計算,'613,500頭 '622,200頭 15.豚 肉:100gr (可食部) 当 り357Cal,蛋 白質 14.1gr,脂肪 32.9gr;豚1頭-70kg,枝 肉歩留 65C/0,精 肉歩留80C/0, とさつ数 よ り計算,'6134,400頭 '6235,500頭 16.乳製品:100gr (可食部) 当 り485Cal,蛋 白質 15.6gr,脂肪 36.Ogr;チーズ,バ ター,粉乳, 練乳の成分 の平均 よ り推定 17.生野菜 と果物 :100gr(可食部) 当 り 35Cal,蛋 白質 1.Ogr,脂肪 0.3gr;廃棄率20C/0, 損失 30C/0,にん じん,かぼちゃ, さん とうさい, き ゅうり, しょうが, きゃべつ, とまと,す いか, とうが らし,なす, しろ うり,たまねぎ,パ インア ップル,パパ イア,バ ナナ,オ レンジ等 よ り 仮定 した 18.かんづ め 野 菜 と果 物 :100gr(可食部) 当 り80Cal,蛋 白質 0.8gr,脂肪 0.2gr;アスパ ラガ ス, トマ ト,なつみかん,みかん,あんづ,パ イン, りんごのかんづめ,およびジ ャム等 よ り仮 定 した 19.こしょう :100gr(可食部) 当 りOCal,蛋 白質 8.7gr,脂肪 5.5gr. 20.ビール:100gr(可食部) 当 り37Cal,蛋 白質 0.5gr,脂肪 Ogr. 21.ブ ド一宿 :100gr(可食部) 当 り80Cal,蛋 白質 0.2gr,脂肪 Ogr. 22.リキ ュール酒 :100gr(可食部) 当 り274Cal,蛋 白質 Ogr,脂肪 Ogr.

b.統計資料 は AnnuaireStattstiquedeCambodge1962,Royaumedu Cambodge Ministere du Plan発行 によ った。

C. 人 口は1961年 5,472,000人,1962年 5,740,000人 を使用 した。

(13)

142-松居 :カンボ ジア国 にお け る食糧 需要 と鼻業 生産 に関す る一 考察 で は農産 物 の うち食 糧 と家 畜飼 料 との数 量 的分離 が困難 で あ るので これ らはすべ て食糧 と して利 用 され る もの と した。 (e) 1人 1年 当供 給量 純食 糧 を各年人 口で除 した もので あ る。 (f) 1人 1日当供給 量

1

1

年 当供 給量 を

3

6

5

日で除 した もので , この 中 に含 まれ る栄 養成分 を食 品成 分表 に よ って計 算す る と1人 1日当 りの熱量 ,蛋 白質 ,脂肪 の供給 量 が求 め られ る。 (g) 食 糧 自給 率 総生産 高 を供 給可能 量 で除 した値 で あ る。 次 に

,1

9

6

1

,1

9

6

2

年 にお け る

1

1

日当 り供給 量 (熱量,蛋 白質 ,脂肪) に Jfめ る各品 目 別比 率 お よび植 物性 食糧 ,動 物性食 糧 の比 率 を求 め る と表 4の とお りで あ る。 蓑 4 1人 1日当 り供給量 に 占め る各 品 目別 比率 項 別 品 と 小 ま い さ 魚 肉 そ 総 植 動 冒 こ ろ 米 も 麦 め も ナ「ノ 食 食 性 性 物 物

1熱

し 粉 類 類 類 類 類 他 計 糧 糧 0 /O

弓蛋

P

o

質 !脂

C

/

O

肪 74.8 64,2 2.0 2.3 2.7 3.3 3・6 t 913 3・8 ; 7・9 0 0 っHJ 4 2 4 9 0 0 1 8 0 2 4 3 4

1

9

6

2

C

/

O

喜蛋

P

o

q / 2 3 1 8 3 5 9 0 1 2 0 ′b 0ノ 5 0 2 5.5 0.8 1

(

X).0 1

(

X).0 1〔X).0 1

(

:0.0 95.2 80.5 52.8 96.6 4.8 19.5 47.2 3.4 5 1 7 ﹃ ′b 5 6 0 0ノ ′0 1 7 〇 一b 5 防 9 0 0 ′b 0 O 1 0

30 2 L 19 4 3 4 0 9 1 8 . 00 61 38

一J

9 0 5 5 0 .

87 12 1 表

3

にお け る 試 算 の 結 果 ,

1

9

6

1

年 にお ける国民

1

1

口当 りの 総熱量

1

,

0

0

7Cal

,蛋 白質

2

0

.

7gr

,脂 肪

7

.

4gr

で あ り, また

1

9

6

2

年にお け るそれ らは

1

,

5

7

7Cal

,3

2

Ogr

,9

7gr

と計 算 され た(つ これ らの数 字 は栄養水準 か ら判断す る と甚 だ低 い数字 で あ る。 又表4は このEliTの熱 量 供 給 源 が大 部分植物性 食 糧 (特 に米 ) に よ って占め られ て お り,動物性食 糧 の占め る比 率 は極 端 に少 な い ことを示 して い る。 これ らの ことは,将来 改

の方 向 と して, 国民 1人 1「1当 りの総熱 量水準 の 向上 と,動物性 食糧 の供 給 増加 に重点 を お くべ きことを示 唆す る もので あ ろ う。 しか し上記 試算値 が正 し く国 民 の栄 養状 態 を反 映 した もので あ るか につ いて は疑 問 の点 もあ ー 143 - 541

(14)

飼 養 しそれ らの肉類 , あ るい はた ま ご等 を, また近 くの河川,水 た ま り等で魚 を捕獲 して食 用 に供 して い るのが実態で あるが, これ らは統計年報 に収録 され て いな い し, また一 般 品 目につ いて も農家 にお ける 自家消費 分 が正確 に把握 され て いな い危供 もあ り,更 に統 計作成 上 の誤 差 9) もまぬがれ な いで あ ろ う。 従 って上部計 算値 を そのま ま国民栄養 摂取量 とす ることは適 当で はな い。現地調査 時 に見 聞 した各村 落 の市場 にお け る農産物 の出廻状況 や国民 の体 格等 か ら察す ると実態 は この数字 を上 廻 るで あ ろ う。今 ここで統計 漏れ に よ る修正分 を 1人 1日当 り熱量 400

Cal

,蛋 白質 20gr,脂 10) 肪 10grと仮定 す ると, 1962年で は1人 1日当 り総熱量 1,977

Cal

,蛋 白質 52gr,脂肪 19.7gr とな る。 このよ うに安 全側 に見 積 って もや は り栄養水準 は低 く,栄養改善 - の努 力が必要で あ る。 ll) 表5は国連 の統 計年鑑1965年版 よ り近 隣諸 国 の1人 当 り食糧供 給高を抜粋 した もので あ る。 これ よ りカ ンボ ジアはア ジアにお け る開発途 上 の国 々とほぼ同 じ栄養水準 に位 置す るもの と思 料 され る。 さ らに表

3

の試 算結 果 よ り次 の ことが指摘 出来 る。 す なわ ち1961年, 1962年 の国民 1人 当 り の供 給高 に大 きな開 きが あ るのは1961年 に農産物 の主 力で あ る米 が不 作で あ った こと, お よび 既 に述べ た よ うに この国 の外貨 獲得 の主源 が農産物 で あ り, そのため に米 , と うもろ こ し等 は 表 5 近隣諸国の1人当り食糧純供給高 (1960-1962) 名 9) 筆者の現地調査時感 じたことはこの国の農民一般の計量概念はタイあたりの農民にくらべると貧弱で あるということであった。自己の所有面積や米の自家消費量について殆んど満足のゆく解答は得 られ なかった。 10) この仮定値は国民1人1日当り次の食糧を摂取 したことに相当する0 米 40gr, いんげんまめ10gr, らっかせい 10gr, 鶏卵 10gr, 鶏肉10gr, 魚肉30gr, 野菜果物 300gr

lD UNITED NATIONS.StatisticalYearbook1965.国際連合統計局編,邦訳 (乗京 :原書房,昭和 41年)pp.500-503.

(15)

-松居 :カソポジア国におけ る食糧需要 と農業生産 に関す る一考察 た とえ災害 によ る不作年で も,輸 出に廻 さざ るを得 ない経折状態 にあ り, 国民 の栄養 もこれ ら の事情 によ って犠牲を強制 され る等 の結 果で あ ろ う。 従 って試 算表 におけ る各 品 目の高率 の食 糧 自給 率 は この辺 の事情 を充分掛酌 して判断す る必 要 が あ る。

4

栄養改善 の 目標 と計画食 糧構成 年平 均 の一 国民 の1人 1日当 り平均 カ ロ リー基準量 の計 算方 法 につ いて は,国際連合 食糧農 業機構 (FAO) の カ ロ リー要求 量 算定委 員会 が勧告 した算定方法 が あ る。 この方 法 は温 帯 に 住 む健 康 で栄養状態 の良 い25才 の男女 (男体重 65kg,女 55kg)を 参考 標準 (男 3,200Cal/ 日,女 2,300Cal/冒) と し, カ ロ リー要求 量 に影響す る因子 (基 礎代 謝 率,体格 ,年令労作強 蓑 6 計 画食糧:構成表 (1970年) 食 品 目 こ く 類 Ⅳ

まめ類

米 と うもろ こし 小 麦 粉 小 計 1人 1日当り栄養量 (計画) ・:i-・:Lt; 工 .Il..<r ・''} -2.6:80 I ㌘ 20.5 だ い ず ら っ か せ い 小 計 0ノ 1 0 3 ′0 4 さ つ ま い も L 26 令 4 4 8 6 2 3 2 8 JJJ ..r. -. . -r.■ 1 ..I 国民1人1 日当り計 画供給量 gr 4

10 15 425 0.3 12 61.0 1 32.5 山 g g g 一 k k k 4 7 3 ︰ 9 1 3 十 十 + +2.7kg +2.8kg 十2.9kg 8・0 - +4・9kg 注 :1) 上 表 の食糧 構成 で は,総熱 量 に 占め るで ん粉 質比率 は約70C/Oにな るよ うに設定 した0 2) 摘 要欄 には表3で求 めた1962年 の値 との比較 値 を示 した。 3) 計画 の畜産物 は1人1日当 り牛 肉 5gr,豚 30gr,にわ と り 20gr, たまご 20gr,乳 製品 6gr に 相 当す る。 このよ うに栄養 改善 の重点 を動物性食 品 においた。 ー 14 5 - 543

(16)

名 計 計 さ つ ま い も l 8.0 1 58.2 E 60 1 97 ト 3.3 計 ご ま 】 2.2 F 16.0 l 85 1 18 1 4.5 野 菜 と 果 物 427.7 1 63 \ iii iiiiiil/ 計 水 産 物 l ll.0 I 80.0 1 61 注 :1) もみ換算 1,898×103t 2) か らつ き換 算 55×103t 3) 1970年 におけ る人 口は7,272,000人 4) 比率 は純食糧 と供給可能 量 との比率 で表3によ る 5) 1970年におけ る畜産物 は次 の とお り換算 され る 牛 1頭 400kgとす ると 85,000頭 豚 1頭 70kgとす ると 2,200,000頭 鶏 1羽 1kgとす ると 118,000,000羽 鶏卵100個 6.2kgとす ると1,000,000,000個 を1年間で消費す ることに相 当す る。 皮 , 環 境 温 度 ) に よ って 補 正 し, そ の 国 の 人 口構 成 か ら平 均 カ ロ リー 基 準 量 を 算 定 す る もの で 12) あ る。 しか し現 在 これ らの 計 算 に 必 要 な諸 資 料 を 欠 い て い る の で , この 方 法 に よ る 算 定 は 又 別 の 機 会 に ゆ ず る こ と に した 。

12) FAOCalorieRiquirement,有本邦太郎抄訳 (東京 :第一 一一出版株式会社 , 昭和29年 ),pp.30-40.

(17)

46-松 居 :カソポ ジ ア国 にお け る食糧頚 要 と農 業 生産 に関す る一 考 察 こ こで は諸 外 国 の国民 1人 当 りの カ ロ リー供 給 量 等 を 参 考 に して ,第 一 次 栄 養 改 善 の 目標 を 1970年 に お き,1人 1日当 り総 熱 量 2,200Cal,蛋 白質 60grに設 定 して ,国民 の 必 要 食 糧 を 研 究 す る こ と とす る。 これ らの 目標 を 達 成 す るた め の国民 1人 1日当 りの食 糧 構 成 を 種 々吟 味 した結 果 適 当 と考 え 得 る一 案 を定 め ,国民 1人 1年 当 りの供 給 量 を求 め た。 次 に提 案 され た 食 糧 構 成 お よ び国民 1 人 当 りの計 画 供 給 量 を表 6に ま とめ た 。

5 1

9

7

0

年 に お け る国 民 栄 養 上 必 要 な食 糧 供 給 可 能 量 の 計 算

4

項 で 定 め た 1人 1日当 り計 画 供 給 量 を 使 用 して,1970年 に お いて 必 要 な 品 目別 食 糧 の供 給 可能 量 を計 算 す る と表 7の とお りで あ る。 6 過 去 に お け る輸 入 額 の年 次 変化 傾 向 と将 来 の 予 測 カ ンボ ジ ア国 に お け る工 業 製 品 の輸入 量 は年 々増 加 の傾 向を 示 して い るo 図

5

か ら も

らか な よ うに輸 入 品 の うち金 属 お よ び金 属 製 品 ,繊 維 製 品 は最 も大 き な比 重 を しめ て お り, これ ら 諸 製 品 は近 い将 来 に お いて も輸入 に頼 らざ るを 得 な いで あ ろ う。 この増 加 傾 向 を 過 去 の記 録 よ り求 め うる な らば将 来 の輸 入 額 もあ る程 度 推 定 で き る。 基 本 的 に は輸入 品 も人 口増 に もとづ く 需 要 の増 大 に 関連 す る もの と考 え られ るので 過 去7年 間 の統 計 資 料 か ら国民 1人 当 りの輸 入 額 を 求 め , そ の増 加 傾 向を調 べ る こ とに した 。 す なわ ち計 画 省 統 計 資 料 (1962)よ り過 去 の年 別 輸 入 額 ・人 口 ・国民 1人 当 り 輸 入 額 を 求 め る と,表

8

の とお りで あ る。 1955年 を基 準 と した経 過 年 次 を (t),そ れ に 表 8 国民1人 当 り輸入額 (年 次別 ) 隼 次 序 6^Ri。1%sB lil.3人口 5 ′0 7 8 9 0 1 2 5 5 5 5 5 ′0 ′0 /D 9 荏 人 口は表 2に よ る 両亘i二(当 り輸入額 Riels 372 434 438 551 492 637 620 624 対 応 す る国民 1人 当輸 入 額 を (y)と して , この 関 係 を 求 め るた め (y) を対 数 軸 に と って ,プ ロ ッ トして み る とお おむ ね 直 線 上 に分布 す るか ら こCJj関 係 は指 数 曲 線 (y

-

γeβt) とみ な す こ とが で き る。 よ って1955年 を t-0 と して最 小 二 乗 法 に よ って 近 似 式 の 係数 を求 め た 結 果 , y-403eO・0718tを得 た。 これ を図 化 すれ ば 図 6の とお りで あ る。 よ って本 式 を使 用 し,将 来 各 年 次 の匡Ⅰ民 1人 当輸 入 額 ,総 輸 入 額 を計 算 すれ ば表 9の とお り で あ るr, - 147- 545

(18)

図6 国民1人 当 り年輸入額 ゝ S

a 左 2.I.00009

8

70060050000

C

O00 L 300l200oo e 07l81 y-403 く l 蓑 9 将来各年総輸入額 の推算

7 1

9

7

0

年 における輸 出農 産物 の必要数豊 年 々増大 す る輸入 に相応 して輸 出を振興 しな けれ ば ,いつ までで も貿 易の赤字 を解 消 させ る ことは出来 ない。 ここで は計画年 を1970年 において ,前項 で計 算 した輸入額 と同額 の輸 出を は か る ことを最低 目標 と し,輸 出品の必要生産高 を求 め る ことに した。1970年 の輸 出品 はや は り 農 産物 が その大部分 を しめ るで あろ うと想定 され る。 また この年 にお いて も現況 の輸 出主 力

3

品 目の うち,米 および と う もろ こ しは主要輸 出品 とな るで あろ う。 したが って それ らの割合 を 過去 の実績 を参考 に して米40% , と う もろ こ し25% ,まめ類 は各種 2% と推定 し,また ゴムの 生産量 は樹液採取可能 にな るまで 7- 8年 を要 す るので ,1962年 の植樹本数 を もとに して推定 13) した。1958-1962年間 におけ る輸 出農産物単 価 ,1962年 の生産者販売価格 および農 業省 農業局 農業統計部 の生産費資料 (1964)等を整理 して表記 すれ ば ,表10の とお りで あ る。 この表 か ら 米 , と う もろ こ しの輸 出単 価 は国 内生産者販 売価格 の80%前後で ,いずれ も生産費 を上廻 って 13) ゴムの統計は次のとおりである。 年 植樹面 積 ha 採取面 積 ha 生産量 tons 1958 1959 1960 1961 1962 546 34,012 27,769 35,947 27,991 37,757 28,435 39,509 28,415 41.680 28,851 - 148 -33,555 34,128 36,779 39,629 41,183

(19)

転居 :カンボ ジア国にお け る食糧需要 と農業生産 に関す る一 考察 表10 輸 出農産物 価格 と生産者販 売価格 および生産費 生 産 者 販売 価格 I 人 力畜 力 種 子 代 農 薬 代 償 却 貴 地 税 計 L 5,027 Riels/ton ヨ ー Riels/ton 1,804 Rュels/ton 233 125 50 2,212 \l T ⋮ --・

・I--1J.

3,

1

1

2

R

i

e

l

s

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t

o

n もみ生産費 ha当収量 1,200kgと して計算 と う も ろ こ し 生 産 者 販売価

人力畜

種 子

農 薬

償 却

計 輸 掲単価 Riels/ ton い ん げ ん 豆 輸出額 ;輸 出単価 224i 1,915 110.2 l l;;:2 上 三:≡ 1 1,654 1 5・9 2,052 t 9.1

米 粉

出量 103 ton 酪再

痴葡

J由宵 砧 Rli

O

e

6

1

S

Riels/n 43

t6

7

1,558 1,458 1,313 1,417

1

,

176 Ri

e

l

s/ton 精米の 生 産費 は もみの 生産費 を 基準 に して計 算す ると 約 3,500Riels/t とな る。 大 豆 32・5 1 84 6.5 【 17 ご ま

R

i

2

e

6

l

i

s

BrRLLiHe-E;-/面 】 ton 2,615 i183:≡ 9,518Rュels/ton 4,000Riels /ton 80 ′′′′ L 533 ′′ 66 7 〝 40 〝 375 ′′ 917 ′/ 375 ′′ 917 ′′ 40 〝 〈 100 ′′ √ 100 -1・693 " 1 5 ・675 ′′ 1 6・059 〝 注 :生産費中の労

費は 25Riels/day であ る。 --149- --13,703 Riels/ton 4,541Riels/ton 400 ′′′′ 250 ′′ 167 ′′ 5,358 ′′ 547

(20)

を下 廻 って い る こと等 か ら考 察 すれ ば ,将 来 輸 出 品 の重 点 はや は り米 , と う もろ こ しに お かれ る ことが首 肯 され よ う。

つ ぎ に , 1970年 に お け る 輸 出単 価 を米 お よび砕 米 (平 均 )3,000Riels/ton,と う もろ こ し 1,900Riels/ton,ゴ ム 15,000Riels/ton,いん げん ま め 4,000Riels/ton,だ いず 2,500Rュels/ ton,ら っかせ い 6,000Riels/ton, ご ま 5,000Rュels/ton と仮 定 した場 合 の輸 出農 産 品 の必 要 数 量 を計 算 す る と表11の とお りで あ る。 蓑11 1970年における輸出農産品の必要数量 亡コ ロロ 巨 ヒ率 C/O闇 惣1elisBi態 e/T L雪祭 戸 i 摘 要 ゴ ム 米 とうもろこし いんげんまめ だ い ず ら っ か せ い ご ま そ の 他 計 1) ゴム採取可能 40,000ha 生産量40,000×1.4t/ha 2) 米 :もみ換算 1,764×103t, 歩留 り65C/0 3) らっかせい :か らつき換算 45×103t,歩留 り65C/0 4) 1人当 り計画輸出額 1,183Riels 人 口 7,272,000人 次 に1970年 に お いて 国民 1人 当 り輸 入 額 を 700Riels に制 限 した場 合 につ い て これ に見 合 う 14) 農 産 輸 出品 の必 要 数 量 を計 算 すれ ば表12の とお りで あ る。 蓑12 1970年における輸出農産品の必要数量 (輸入制限の場合) ロ ロロ 目 t比率

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ゴ ム 米 とうもろこし いんげんまめ

い ず ら っ か せ い ご ま そ の 他 計 摘 要 1) ゴム採取可能 40,000ha 生産量 40,000×1.4t/ha 2) 米 :もみ換算 1,044×103t, 歩留 り650% 3) らっかせい :か らつき換算 26×103t歩留 り65% 4) 1人当 り輸出額 700Riels 人 口 7,272,000人 14) 輸入制限というような政治的措置がとられる可能性がある。 1人当 りの輸入額を現状程度に押えるも のと予測 して 700Rielsと仮定 した。 548 - 150

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-松 居 :カンボ ジア由におけ る食糧需要 と農業生産 に関す る一 考察

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年 に お け る農 産 主 要 食 桂 の 必 要 生 産 高 栄 養 改善 上 か らみ た1970年 の国 内消費 用 の食 糧 必 要 量 と1970年 に お け る計 画 輸 出農 産 物 の必 要 量 の合 計 は少 な くと も1970年 に は生 産 され な けれ ば な らな い。 農 産 主 要 食 糧 につ いて各 品 目 ご とに必 要 生 産 高 を表 示 すれ ば表13の とお りで あ る。 ま た この 表 に は1962年 と比 較 す る便 宜 の た め に その生 産 高 の比 率 を もつ け加 え た。 表13 計画年 (1970年)における農産主要食糧の必要生産高 Eコ ロロ ち と い こ ま ろ ん も げ う ん 目 み し め だ い ず らっかせい(か らつき) さ つ ま い も パ ル ミ ラ ヤ シ と う さとうきび (さとう) 国 内消費 必要食糧 輸出用 生産高 Case1FCase2 ご ま : 18 野 菜 と 果 物 必要食糧生産高 生産高 1970/1962

CaselFCase2jCasellCase2

注 :輸出用生産高は表11,表12の値をそのまま使用した。実際は品質規格の統一や貯蔵中の損耗な どがあ り,この数字よりも多 く生産 される必要がある。 上 表 の Caselは輸 入 額 が過 去 に お け る増 加 の傾 向 を保 持 しな が ら上 昇 した場 合 これ に見 合 う輸 出額 を もとに して 算 定 され た必 要 食 糧 生 産 高 で あ る。 ま た Case2は1人 当 り輸 入 量 を 700Rielsに制 限 した場 合 同様 の手 法 で 求 め られ た必 要 食 糧 生 産 高で あ る。 この表 よ り明 らか な よ うに国民 生 活 の 向上 ,国 民経 済 の発 展 の観 点 よ り展 望 すれ ば1970年 に は , もみ :370万 t,と う もろ こ し :120万 t,まめ類 :28万 t,糖 類 :14万 t,さつ ま い も :10 万 t,ご ま :5万 t,野 菜 と果 物 :70万 t,程 度 の生 産 の達 成 が要 望 され る。 さ らに この他 上 記 試 算 過 程 で は触 れ られ て い な い家 畜 ,家 きん類 の飼 料 生 産 の課題 や農 産 加 工 原 料 の生 産課 題 が残 され て い る ことを考 慮 すれ ば , こ こに 明 らか に した計 算値 はむ しろ農 業 生 産 の最 低 目標 線 で あ る ことが理 解 出来 よ う。

9

結 論 以 上 限 られ た資 料 に基 づ いて , は じめ に述 べ た疑 問 を抑 凋す る ため ,2,200Cal/日の栄養 水 準 と計 画 輸 出量 か ら1970年 に お け る農 産 主 要 食糧 の必 要 量 が求 め られ , カ ンボ ジア国 にお け る 1 151 - 549

(22)

これ らの ことに関連 して,国民 の栄養水準 と国民経済 の改善 の観点 か ら次 の基本 的な対 策が 総合 的に組 織的 に確立 され るべ きで あ る。 A.農業の進展 を阻害 してい るあ らゆ る条件 の徹底的な追求 を試 み,その原因を除去 す る対策 を樹立 して積極 的に食糧 の増産 に取 り くむ こと。

B.

食 生活 における動物性食 品の比重 の増加 を可能な らしめ るために,計画 的な飼料生産 (粗 飼料 ,濃厚飼料共),優良種家畜 の飼養 の増大 ,食 肉, 乳 , 卵の生産量増大 を はか る等の 基本 的な方 策 を定 め実施 す る こと。 C.国 内諸産業を振興 し,輸入 品に代替 しうる国産品の開発 をはか り,外貨 の流 出を押 えて輸 出入 の不均衡を是正 し,食糧 の輸 出が国内食糧 の供給面 に加 え る圧迫 を出来 る限 り軽減せ しめ るよ う努力す る こと。 その他食 品以外 の部門で外貨 を獲得 す るよ う努力す ること。 中で も食糧増産 に関 して は

1.

既耕地 における各種作物 の単位収量 の安定増加 をはか る こと。

2

.既耕地 におけ る土地利用の高度化 をはか る こと。 3.新規耕地 の開発 をはか り農業生産 の場 を拡大 す る こと。

4

.農民 の増産意欲を昂湯せ しめ るための流通 機構 の整備 改善 ,経済 的,社会 的諸条件 の改 善。 5.農民 の営農管理技術水準 の向上 に資 す るよ うな農 民指導態勢 の確立。 等 は特 に重要で あ る。年間 を通 したかんがい水源 の確保 ,完全 なかんがい組織 の確立 ,排水糸 統 の整備確立, 洪水防禦施設 の建設等農業基盤 の整備 と作物栽培技術 の改 良 す な わ ち品種数 良 ,多収量 品種 の開発 , 施肥栽培 の導入 , 適地適作 の土地利用 , 輪作体系 の確立 , 病虫害防 除 ,機械化農法-の転換等 は食 糧増産 の根幹で あ り,お互 に相関連 して効果 を発揮 す る もので あ る。 これ らには,地域 によ って は高額 の投資 を必要 とす る大規模 な もの もあ るが,既 に完成 した 中小規模 の水利諸施設 の効率的運営 を 目指 して再検討 を行 ない,必要 な場合 は追加投資 を行な って カ ンボ ジア国 における食糧増産 の模範 的な農業 区を実現 させ ること もまた意義のあ ること で あろ う。 カンボジア国 は熱帯 の豊 かな光 ,土地 ,水 に恵 まれて お り,食糧増産 の

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を有 して い るので , この実現 のために上述 したよ うな各方面 にわ たる一層の努力が望 まれ る。 現在約

1

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カ所 の中規模 の 水 利 計画が カンボジア政府 の手で実施 され てお り, また

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2-松居 :カンボジア国におけ る食糧需要 と鼻業生産 に関す る一考 察

河 開発 等 の大規 模 な開発 計画 (Sambor,Thonle Sap,PrekThnot,Battambang計画 等) に 対 して は諸外 国 に その援 助 を求 めて い る。 これ らの事 業 の成功 は この国 の食 糧増 産 ,国民栄養 の改善 に大 き く貢献 す る もの と して期 待 され る。

1

0

あ と が き 1966年4月 ,東京 で 開催 され た東南 ア ジア閣僚会議 において ,東南 ア ジアの経 済 開発 に しめ る農 業 開発 の重 要性 が強調確認 され , これ らの諸 問題 を討議 す るための農業 開発会議 の開催 が 本年 中に予 定 され て い る。 また11月 には ,域 内の経 済 開発 と域 内 の連 帯 を高 め るための ア ジア 開発銀行 の設 立 総会 が東京 で 開催 され る。 さ らに本 年8月 ,東京 で 開催 され た第11回太平 洋学 術会議 にお いて も, シ ンポ ジウムの重 要 な一 つ の主題 と して人 口 と食 糧 の問題 が と りあ げ られ ,太平 洋地域 の急激 な人 口増加 と深 刻 な 食糧 不足 にい か に して対処 す るかが真 剣 に討議 され た。特 に FAO統 計 部長 P.Ⅴ.ス カ トメ 博士 は =いまで も開発途 上 の国 々で は国民 の20% が栄養不良 で あ り50%が栄養失 調 で あ る日 と 発 言 し, また- ワイ大学 経済 学 部教授 - リー ・オ オ シマ博士 は, =ァ ジアの開発途 上 の国 々で は ,食 糧不足 の ため農 民 は働 く気 力 と体 力 を失 って お り, それ が食糧 生産 高 を落 す要 因 にな っ て い る" と指摘 した。 これ らは充 分注 目に値 す る もので あ り,今 や食 糧 問題 は世界 的 な課題 と して その解 決 が要 望 され て きて い る。 この よ うな情勢 下 にお いて本 稿 が将 来 の カ ンボ ジア国 にお け る栄養 お よび食糧 問題 の追求 に 役 立 てば幸で あ る。 参 考 文 献

Ministeredu Plan,Royaumedu Cambodge.AnnuaireSiatistiqueduCambodge1962. Phnom Penh:1964.

FAO.CalorieRequirements.有本 邦太郎抄 訳 ,東 京 :第----出版KK,1954

海外 技術協 力事業 団編 『日木 カ ンボ ジア経 済技 術協 力協 定 によ る農業技 術 セ ンター建設 のための準備事 業 に 関す る報告書 』 昭和38年 海外 技術協 力事業 団編 『日本 カ ンボ ジア経済 技術協 力協定 によ る畜 産 セ ンター建設準備 業務報告書』1962年 12月 外務省 ア ジア局編 『Cambodia王 国便 覧』1961年 外務 省経済 局 ア ジア課編 『Cambodiaの農林畜産 業』経 ア資 料 第162号,昭和38年2月 資 源協会 編 『日本 の食糧 』 昭和37年 科学技術庁 資 源調査会編 『日本食 品標準成分表 』三 訂 ;昭和39年 厚生省公衆衛 生局栄養課編 『新 し く採 用 され た 日本人 の栄養所 要 量』第5版 ;昭和38年 海 外技術協 力事 業団編 『カ ンボ ジア国 かんが い及 び植林 開発 計画 調査 報告書 (かんが い編 )』 昭和39年12月 - 1

5

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図 3 Ba t t a mb a ng における気温 と雨量
図 4 カ ンボ ジア国 の輸 出 4. 5,2, ㌧〇〇〇000000000・T華 ER [ =コ 膜 産 物 お よび高 l 唯物匠;ヨ 鉱産物 395 3 , 583⊂ コ 紙維製品3p320325l∈≡∃ 金属 お よび fl三属加二I二】l&#34;1.・2 7…4.l8lj 26t皿その他2.6 12;‑20孝や:ll声J亘 .llもt1l62鶴I75t(!30lI3.1%2lI班l%日I I図5カ ンボ ジア国 の輸入 (その うち 6 9 % は国 内資金 ,31 % は外国援 助)で 1
図 6 国民 1 人 当 り年輸入額 ゝ S 一 a 左 2.I . 00009 87 60050000 C00 O 0 0L 300l200oo e 0 7 l 8 1y‑403 くl 蓑 9 将来各年総輸入額 の推算 7 1 9 7 0 年 における輸 出農 産物 の必要数豊 年 々増大 す る輸入 に相応 して輸 出を振興 しな けれ ば ,いつ までで も貿 易の赤字 を解 消 させ る ことは出来 ない。 ここで は計画年 を1970 年 において ,前項 で計 算 した輸入額 と同額 の輸 出を

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