体 育 科 に お け る 教 師 の 反 省 鵠 襲 識 を 高 め る 授 業 講 究
ー オ ン ・ ラ イ ン ・ モ ニ 歩 リ ン グ と オ フ ・ ラ イ ン ・ モ ニ タ リ ン グ を 手 が か り と し て ー 教 科 ・ 領 域 教 育 専 攻 生 活 ・ 健 慶 系 コ ー ス ( 保 鍵 体 膏 〉 厚 東 芳 樹 1 . 鰭 雷 子 ど も の 学 び を 保 障 す る た め に は , 教 師 の 技 術 的 実 践 だ け で な く , 反 省 的 実 践 も 同 時 に 推 し 進 め て い く 必 要 が あ る . 本 研 究 は , 教 師 の 「 反 省 的 実 践Jを 主 と し て 量 的 研 究 の 側 面 か ら 押 さ え , 質 的 な 事 例 研 究 を 推 進 し て い く 基 礎 的 領 野 を究明しようとするところに動機がある. 反 省 的 実 践 と い う 概 念 は マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 工科大学の Shon,A. D (1983) の研究において提 起 さ れ た 概 念 で あ る . 彼 は , 優 れ た 「 反 省 的 実 践 者j と は 問 題 と な る 状 況 を 外 か ら 眺 め 考 察 す る の で は な く , 常 に 「 活 動 の 中 の 反 省 (reflection in action)Jと「活動にもとづく 反省 (reflection on action)J の r2重 の ル ー プ (double loop)Jか ら , 顧 客 と 対 等 な 関 係 を 築 い て 問 題 の 解 決 を 図 る 実 践 者 で あ る と 述 べ て いる.こうした Shon,A.Dの見解を解釈すれば, この2つの反省の関係は rAction (技術的実践)J を 高 め て い く と こ ろ に そ の 目 的 が あ る た め , rAction (技術的実践)J に対して反省を展開さ せ る 点 で 包 接 的 で あ る こ と が わ か る . ま た 時 間 的空間的には「活動にもとづく反省 (reflection on action) Jの 内 部 事 項 に 「 活 動 の 中 の 反 省 (reflection in action)Jが位置づくことは自 明 で あ り , こ の こ と か ら 両 者 の 関 係 は 包 括 的 で あ る こ と が わ か る . そ れ 故 活 動 に も と づ く 反 省 (reflectionon action)J は「活動の中の反 省 (reflection in action)Jに規定されるもの と解せられる(研究仮説). こ の 研 究 仮 説 を 実 証 す る 手 が か り と し て , 佐 藤 (1990)の 提 示 し た 「 オ ン ・ ラ イ ン ・ モ ニ タ リングj と 「 オ フ ・ ラ イ ン ・ モ ニ タ リ ン グJ が ある.r
オ ン ・ ラ イ ン ・ モ ニ タ リ ン グJ とは,教 指 導 教 官 梅 野 圭 史 自前の授業中の「出来事J に 対 す る 実 接 的 思 考 を 反 映 し た モ ニ タ リ ン グ で あ る こ と か ら 「 活 動 の 中の反省jを,また「オフ・ライン・モニタリン グJ とは,教師の授業後の反省スタイルを反映し た モ ニ タ リ ン グ で あ る こ と か ら 「 活 動 に 基 づ く 反省jを,それぞれ具体的に追求する視点として 有効である. そこで本研究では,①「オン・ライン・モニタ リングJとして,熟練度の相異により授業中の教 師の「出来事Jへの気づきとそれにもとづく f推 論 一 対 処Jが ど の よ う に 異 な る の か を 明 ら か に す ること,②「オフ・ライン・モニタリングj とし て,態度得点の高い教師とそうでない教師とで学 期 末 で の 反 省 的 思 考 が ど の よ う に 異 な る の か を 因子分析法を用いて検討すること,の2点を目的 とした.n
.
小 学 校 体 育 摂 業 に お け る 教 舗 の 授 業 中 の 『出来事』に対する気づきに関する研究 ー 熟 練 度 の 相 違 を 中 心 と し て ー 本章では,小学校高学年 (5・6年生)を担任し ている 12名 の 教 師 を 対 象 に , 態 度 得 点 の 高 い 教 師群とそうでない教師群,および教職経験年数の 多 い 教 師 群 と そ う で な い 教 師 群 と に 振 り 分 け , 授 業 中 の 教 師 の 「 出 来 事jに対する気づきがどのよ う に 異 な る の か を 量 的 側 面 お よ び 質 的 側 面 か ら 比較・検討した. その結果,態度得点を高めるため'には,①まず は「タイプ同一性としての出来事J に多く気づけ るようになること,②教材研究,とりわけ技能特 性 を 熟 知 す る こ と で 「 合 理 的 推 論 ・ 目 的 志 向 的 対 処jの 展 開 が で き る よ う に な る こ と , ③ 子 ど も の 学 習 過 程 を 看 取 し , 相 互 作 用 を 多 く 行 う こ と で 。 , , 山 門 司 U 8 q「文脈的推論・目的志向的対処Jの展開ができる ようになること,④上記 3点を行なうためには, 子どもの技能的な「つまずきJの種類とそれを解 決する手だてを熟知しておくこと,の4点が導出 された.また,経験年数という物理的条件が熟練 度を反映するためには,①まずは「印象的推論j を少なくすること,②「合理的推論・目的志向的 対処Jと「文脈的推論・目的志向的対処j を中心 に 態 度 得 点 を 高 め る 授 業 が 展 開 で き る よ う に な ること,③ fトークン同一性としての出来事J を 感知して「文脈的推論・理解志向的対処jの展開 が可能となること,の3点が導出された. 理 . 小 学 校 体 育 授 業 に お け る 教 輝 の 反 省 的 思 考 に 関 す る 鹿 子 分 析 的 研 寛 一 態 度 調 定 に よ る 体 育 捜 業 診 断 法 の 結 果 を 手 が か りとして一 本章では,小学校高学年 (5・6年生)担任教師 (88名)を対象に,反省的実銭の内部事項である 反 省 的 思 考 が 態 度 得 点 の 高 い 教 師 と そ う で な い 教 師 と で ど の よ う に 異 な る の か を 因 子 分 析 法 を 用いて検討した.このとき,高学年担任教師の結 果を対照するために同低学年 (2・3年生)担任教 師 (89名)も合わせて調査した. その結果,小学校高学年担任教師の反省的思考 は 観 察 ・ 判 断 J