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外国語活動と中学校英語をつなぐ文字指導の必要性 : 「文字」を提示するまでの時間的隔たりが及ぼす影響

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外 国 語 活 動 と 中 学 校 英 語 を つ な ぐ 文 字 指 導 の 必 要 性

「文字」を提示するまでの待問的爾たりが及ぼす影響ー

J

工 美 佐

1.はじめに 20 II年 度 よ り 小 学 5,6年 生 に 外 国 語 活 動 が 必 修 化 さ れ た 。 小 学 校 学 習 指 導 要 領 第 4挙 「 外 周 諸 活 動Jに お け る 指 導 目 標 は

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外 国 語 を 通 じ て , 言 語 や 文 化 に つ い て 体 験 的 に 理 解 を 深 め , 秘 俗 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う と する態度の育成をsIり,外閑語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら, コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 素 地 を 養 う Jことである。また,アノレファベット な ど の 文 字 や 単 語 の 取 扱 い に つ い て は

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児擦の学智負担に配応、しつつ,音声 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 補 助 す る も の と し て 用 い る こ とJと位 霞付 け て いる(文部科学省, 2008.)。 外国語活品での文字の取扱し、に関

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て は , 音 声 の 補 助 的 な 役 割 以 外 は 積 極 的 に 議 論 さ れ る こ と が 少 な か っ た 。 小 学 校 で は 音 声 中 心 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 を 行 い , そ こ で 培 わ れ た 音 声 而 の 京 地 を 中 学 校 で 文 字 に 結 び 付 け る 指 導が一般的となっている。しかし,中学生の英語嫌し、は中学 l年 の 後 半 か ら 始 ま り , そ の 原 因 の つは「英語が討しめないj ことである。小学校と司:学校 との間の「文字の唆」が大きく意識されている。 この f文 字 の 壁j を 低 く す る た め に , 小 学 校 か ら で き る こ と は な い だ ろ う か 。 勿 論 , 現 在 の 週 1回 の 外 国 語 活 動 内 で はb 時 間 的 に も 文 字 指 導 に 踏 み 込 む こ と は 難 し い と い え る 。 し か し , 今 後 外 悶 語 活 動 が 教 科 化 さ れ る こ と も 示 唆 さ れ て お り , そ の 場 合 , 授 業 時 間 数 が 地 え , 評 価 基 準 も 明 確 に 示 さ れ , 中 学 校 の カ リ キzラ ム と の 接 続 も 検 討 さ れ る こ と に な る 。 そ こ に は 文 字 指 導 に 関する議論も含まれよう。本:fi

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はそのための基礎研究との位置付けで,タト息 詰 活 動 に 音 声 指 導 と 共 に 文 字 指 導 を 導 入 す る こ と の 妥 当 性 を 検 討 す る も の で ある。 2 先 行 研 究 2.1 中 学 生 の 意 識 調 査 ベ ネ ッ セ 教 育 研 究 開 発 セ ン タ ー (2009)による全闘の中学 2年 生 2,967名を 対象にした調ままでは,小学生時の英語活動について, 7 Wlj以 上 が f内 容 が 簡 l

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11.4 現 在 3 9 2 の 夏 休 み 後 2.' 9 2 の 夏 体 み 頃 u 州 市 2 の 総 の 頃 7ρ 。 も の 低 学 M ゆ も の 混 体 み 後 52 中 , @ 夏仲怜み頃 中 3 の 始 的 関 。 学 H U に 入 手 前 ‘ は0 3同

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単 だ っ たJ

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楽 しか っ たj と答 え て い る 。 そ し て

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最 も や る 気 が 高か っ た 時 期Jは 中 1の 始 め頃だが, そ れ も 中 1の 夏休 み 頃 に は急降 下 する (図 1)。さ らに

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英 語 を 若 手 と 感 じ る よ うになった時期Jは中 lの 後 半 が 最 も 高 い 値 を示 し て いる (図 2)

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26.6 ゃ ー の 後 半 英

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置を苦手と感じるようになった時期 (ペネッセ,2009) a ま た

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技 能 の う ち の 好 きな 学 習 をそ れ ぞれ た ず ね た と こ ろ, 「英

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苦を聞 くこと (47.1%)J, f英 語 で 話 す こ と (46.8%)J , f英 語 で 書 く こ と (46.3%)J , f英 語 で 文 章 平 本 を 説 む こ と (34.0%) Jの 煩 で あ っ た。「読む こと」 は, 他 の

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技 能 と 比較 す ると低 い 割合 に なっている。 さらに,生徒のつ ま ずきの原因 の 上 位は 以 下 の5点である(ベヰ ッセ 教 育 開 発 研 究 セ ン タ ー , 2008)

単 語 ( 発音 ・綴り ・k1:味)を党えるのが苦手なこと (68.6%) 2 英語に 限 ら ず学 習 習慣 が な い こ と (68.0%) 3 英 詩 に限 ら ず 学 習 へ の

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欲 がないこと (61.0%) 英 語 の 文 や 文章 を 帯くことが苦手なこと (58.3%) 英 語 の 文 字 や 文 章 を 読 め な い ( 文 字 か ら 音 に う ま く 変 換 で き な い ) (50.2日) 中 学 入 学 時 の 英 語 学 習 へ の や る 気 は,中 学 1年 の 後 半 に は す で に f苦 手 意 減Jに 取 っ て 代 わ る。 中学 校 で は , 文 法 を 学 ぶ こ と で 間 違 い が 指 摘 さ れ , 読 み

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きが 同時に学習され, テスト によって

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下面されると い う 厳 し い 現 実が, 生 徒の十背絡函に 大 き く 影 響を 及 ぼし て い る と 考 えられる。 特 に , 中 学 l年 生 の前には

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読 むJ

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おく」 技 能 習得 に 関 わ る 「文 字 の壁」が 大 き く 立 ち ふ さがっている。 こと 2.5 2009) 現 在 英踏をやる草が最も高かった時期 {ペネッセ, 州 市 2 の夏休み 12.9 ゆ 2 の夏体み ゆ 2 の 仙 怖 の 収 中 ー の 夏 休 み ゅ ー の 夏 休 み 16.2 ゅ ー の 紛 の 頃

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。 学 的 U に λ 掌 旦 図2 極 1 O S O S O S O

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-「 文 字 は 音 声 に よ る コ ミ ュ エ 外 国 語 活 動 に お け る 4技 能 の 扱 い 外 国 語 活 動 で は 基 本 的 に 文 字 指 導 は 行 わ ず , ー2同 2.2

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ケーシ ョ ン の 補 助j と位置付ける理由をまとめたい。 外 国 語 活 動 の 成 果 を 性 急 に 求 め る あ ま り , 文 字 を 無 理 に 読 ま せ た り 脅 か せ た り することは, 児 援 に 過 度の 負 担 を強いるニと になり, 遡 l回 し か ない 外 国 語活 動 に お い て, 結 果 的に 児 蛍 期 に効 果 的 な 音声 面 の 指 導が 減 少 してしま う危険性があるという。また, 日本語 の 習 得 に おい て も , 開く こ と や 話 すこ と が で き る よ う に な っ て か ら 読 む こ と や お く こ と を 学 ん だ こ と か ら , 外 回 語 を 初 め て 学 ぶ 小 学 校 に お い て も , ま ず は 音 声 面 で の 指 導 を 中 心 に 行 う こ と が 大 切 で あ り , 本 格 的 な 読 み 書 き の指導 は 中 学 校 か ら で 椛 わ な い と さ れ る ( 安 彦.2008)固 さ ら に , 従 来 の 中 学 校 外 国 語 科 で は 中 学 校 に 入 学 し た 段 婚 で4技 能 を 一度 に 取 り 扱う点で, 指 導 上 の 難しさも指摘されてきた。 そ こ で, 外 国 路 活動 で は , 外国 絡 を 初 めて学習する ことを踏まえ , 児 童 に 過度 の 負 担をか けない た め に

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外 国 語 を 附 いたり, 話 し た り す る こ と」を主 な 活 動 の 内容に 設 定 し て い る ( 文 部 科 学 省 .2008.)。 小学校で『聞くJ

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話すjことに償れ親しませ,それを中学校で『説むJ

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書 くj技能へと幣げていくことは, 一見 問 題 が な いようにみえる。 ところが,

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の 調 査 で は , 中 学

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年 生 に な る と , す ぐ に ア ル ファベットの統み書きから 単 語 や文 の 読み 密 き が 始 ま ち,そこでつ ま ず く 生徒が多いこと が 明 ら かにな った。 音 声 中心 で 行 わ れ る コ ミュ ニケーション能力の紫地作り としての外国 語 活動 に 奥 論 は な い が

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児 童 へ の 過 度 の 負

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Jとして 小学 校 で は 扱 わ ない 文 字 の 問 題 が , 結 局li中学校へ繰り越され.

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中学 生 へ の 負 担j として存在して いるこ とは見 逃 すことができない。 本 研 究

3.

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研 究 課 題 外 庖 諸活 動 内で 文 字 指 導 を 行 わ な い 理 由 が .

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週 l[ij]しかないため1.

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児 訟 に 過 度 の 負 担 を か け な い た め 」 と い う だ け で は 論 理 性 に 欠 け る。また, 小 学 校 で は 『聞くJr,~すj ことを十分に習得し r読む J

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書く』こ と は 中 学 校 か らでよい と い う 風 潮 が あ る が , む し ろ 説 み 魯 き 指 導 の早 期務 入 の 重 要 性 を指 摘 す る 研 究 結 果 が 各 国 で 出 始 め て い る と い う ( パ トラー後様. 2004)。 畑 江

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年 間 を ひ と く く り に し て 「小 学 生 は 音 声 に よ る 溜 得 が 得 意 で あるJとする現 在 の 外 国 結 活動 に 対 して , 自 然 な 言語 習得 を 可 能 に す る

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の 低 下 と , 論 理 的 ・分析 的 に言 絡を捕らえる ことのできるメタ認 知 能 力 的上 昇の 両 方 が 起こる,高学年児童の言語習得は, そ れ 以前 の 児童 の 言 語 習 得 止 異 な る こ と を 指 摘 した。そ して,外 国 語 活 動 内 で , ア ル フ ア ベ ッ トの 大 文 字 ・小 文 字 を 扱 う 段 階 か ら . 系 統 立 っ た カ リ キ ュ ラ ム の も と で 徐 々 に 音 声 と 共 に 文 字 を 導 入 す る こ と が,高 学 年 児 童 の 発 達 に

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合っ た 内 容 のある 活 動 を 可 能にするとした。 本稿では.

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音声と文字と の提示 の

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に 時間的 な 隔 た り を置くことが, 後の 読 む 技 能 に 何 ら か の 影 響 を 及 ぼ す の で は な い かJという研究課題のもと

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読 むj行為の認知メカエズムに照らし,外国語括的Jに 音 声 と 共 に 文 字 を 導 入 し, 中学 校 で の 英 語 学 習 に 撚 げ る こ と の 妥当性 を明らかにしたい。 3.2

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音声Jと 「文 字J提 示 の時間的附たり 小 学 校 外 国 語 活 動 は f聞く J

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話 すj 活 動 が 中 心 と な り ,本 格 的 な f読 むj

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くJ技 能 習 得 は 中 学 校 で 始 め ら れ る。第2言 語 習 得 は 母 語 獲 得 と 同 織 に,

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目く→話す→読む→書く Jとい う 過 程 を と る と さ れ て い る が , こ の 論 が 日 本にも深〈担ざしているのは,ハロノレド ・E・パー マ ー(HaroldE. Palmer)の影 響 が 大 き い と い え よ う 。彼 は OralMethod (口頭教授法)を提唱し. 1922年 に 来日

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て 以 来 , 英 語 教 授 研 究 所 を 設 立 して日本 の 英語教 育 改 善 に 大 き く 貢 献 した.彼の OralMethodは,欧 米 で の TheAudio-Lingual Method (耳とロによる 教授法)にも共通す る と こ ろ が多い。これらの教 授 法 で は 聞 く

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話す」 こ とが「統むJ

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書く 」ことに先行した。そ の理由 は,少なくζ もヨーロッパ系 言 語 を 母 穏 に 持 つ 学 習 者 の 場 合 , 英語で諮かれたものを初めから提示すると, 既に習 得 している 自 国 語 の 発 音 と 結 びつい て し ま い,誤 っ た 発 音 に な っ て L まうからである(ヲヴアース. 1987)。そ の た め,新 し い 教 材 の 口 頭 導 入 と 文 字に よ る 提 示との

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lfJに時間的lこ間隔 を あけるこ と (timelag)が必要だと 主 張 されたという。 テキ ス 卜 に は一切 線 ら ずb 全く 口 頭 の み で 学 習 が 逃 む と , 次 に 生 徒 は 印 刷 さ れ た 文 字 の 読 み 方 を傾に導入されていく 。音 声 と 文 字 艇 示 の

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の 時 間 的間隔 の 隔 は,一 回 の 授 業 時間内 の こ と も あ れ ば , 数 週 間 に 渡 る こ ともある。これにより

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つ の言語 が 似 て い る 場 合 に 起 こ り が ち な , 印 刷 文字 からの迎想で自国語 の 発 管習 慣 を持 ち 込 む干 渉

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を 減 少 するのに 役 立 っ と考 えられていた. 次 に , こ れ を 日 本 入 学 習 者に照ら して 考 察 す る。欧 米 の 研 究 者 が f聞く j 「話す』を 先 行 さ せ る 理 由 は 2つ の言語 の 表 記 法 が 似 て い る 場 合 に 母 語 の 発音 に よ る 干渉を 受け るか ら であ る 。 例 えば, フランス入学習 者 の 場 合,英 語の綴 り が 先に 提示 さ れ る と, そ れ を 母 語であるフランス語の発音に当ては めて読ん で し ま う た め , 英 語 の 音 声 で の イ ン プ ッ ト を 先 行 さ せ,そ の 後 文 字 を 見 せ て , 正 確 な 読 み 方 を 習 得 さ せ る。内聞 (2001)は,言語I'

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格 差 の 大 き い 日 本 語 を 母 穏 と す る 英 語 学 習 者 の 場 合

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語 の 音 声 の み で 文 字 を 想 像 す る 知識 は , ひ らがな読みをおてはめた ロ ー7 字程 度 で,言 語照格差の小さい閏 に見られるよ うな 「 説 むJ技能へ の 円 滑 な 転 移 を 製 む こ と は 期 待 で き な いと 述べる。アルファベッ ト文 字 を 持 た な い日本 入 学 習 者 に と っ て は,英 語 の 綴 り を 見 て も 母 語 の 発 音 に よ る干渉は殆どない。また,この時間的

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隔 は

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-回 の 授 業 時 間 内 か ら 数 週 間 に 渡 るJ '"されている。 2年聞の外岡語活動中, い く ら 音 声 を 先 行 す べ き で あ っ て も , 文 字 提 示 ま で の 間 隔 を 2年 間 も あ け る

ことは,本来の理論から逸脱しているのではないか。現在の外国語活動では,

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声 が 先 , 文 学 は そ の 後 」 と い う 部 分 だ け を 強 調 し て 取 り 上 げ , 安 易 に 外 国 語 活 動 に 当 て は め て い る の で は な い か と い う 懸 念 が 生 じ る 。

また, The Audio回LingualMethodの 欠 点 は , 音 声 に よ る 「 聞 く J

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話 すJ学

習 と 「 読 むJ

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謀、く」学習を分降して指導卒した点にあるという。音がどのよう に文字化されるか示さずに対話とドリノレをしたことにより,学習してきたも の を 後 か ら 文 字 に し て 見 せ ら れ た と き , 結 局 は 母 語 の 発 音 の 習 慣 が 使 わ れ て しまったという(クラッシェン, 1986)。 ヨ ー ロ ッ パ 系 言 語 を 母 語 に 持 つ 学 習 者 に こ の よ う な 弊 容 が 起 き る の で あ れ ば , 書 記 体 系 の 全 く 呉 な る 母 諾 を 持 つ 日本〆、学習者に対して,音声と文字を分敵して指導する有効性はどのくらい めるのだろうか。 3.3 日本人の第 2言 語 習 得 の 留 意 点

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こ , 日 本 人 が 音 声 と 文 学 を 統 合 的 に 運 用 し て 英 語 を 習 得 す る こ と を 困 難 にする原因を,日本語の書記体系が英語の:i!i記体系とは全く異なる点から検 討する。 Nation (2001) は , 第 1雷 語 の 古 記 体 系 が 第 2言 語 と 異 な る 場 合 t N2言 語の文字の形に格別な注意ーを払う必嬰があると指摘する。流暢に読むために は , そ れ ら の 文 字 と 音 声 の 問 方 を 伴 っ た 練 習 が 盛 要 だ と 述 べ て い る 。 日 本 人 大 学 生 1004¥を対象

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こした「開く J能 力 と 「 読 むJ能力の相関伎を調ヨました 実験では,日本話の調査では向い相関心 ~0.857 ,p<O.O 1) が み ら れ , 英 語 の 調 査では低い相関心 ~0.247) がみられた。つまり,英語では,母語のように 2 つ の 技 能 を 統 合 的 に 運 用 す る 能 力 が 備 わ ら ず , そ れ ぞ れ の 技 能 が 別 々 に 処 理 されていると推測される(大石, 2006)。 ま た , 母 誌 の

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記 体 系 が 異 な る ア ラ ビ ア 人 , ス ベ イ ン 人 , 日 本 人 の , 外 国 語 と し て 英 語 を 学 ぶ 学 習 者 を 対 象 に 実 施 し た 調 査 に よ る と

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聞く J能力と 「読む

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能 力 と の 関 係 はE 日 本 人 以 外 の 学 習 者 で は 非 常 に 相 関 が 沼

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く,間技 能が棺互に強く関連しあっているのに対L..,日本入学習者の場合では,取る に足らない程度にしか相関が認められなかった(内田, 2006)。 そ し て そ の 理 由が, :f辻語が表諾式文字体系を持っか,表音式文字体系を持っかによるとし, そ の 逃 い に よ っ て 学 習 効 果 や 方 略 な ど 異 な る 影 響 を 与 え る こ と が 予 想 さ れ る と い う 。 こ れ ら の 調 査 結 果 を 考 察 す る 限 り , 英 語 と の 芯 記 体 系 の

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藍いが日本 人 の 英 語 を 「 読 むJ技能の習得を悶難にしていると考えられる。 人 間 の 言 語 能 力 は4技 能 が 関 連 性 を 持 た ず に 存 在 す る の で は な く 1つの 全 体 的 ま と ま り を 形 成 し て い る と い う 認 減 は , 心 理 言 語 学 , 神 経 心 理 学 な と

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-5-の学際的分野では一般的である(門田, 2006).母語 狼 得の過程 か ら も 4技 施 は 飼 わ り を 保 ち な が ら ス パ イ ラノレ式に 発 達 し て い く と 考 え ら れ る。クラッ ンェン (1986) はa 読 む こ と の 位 置 付 け に つ い て , イ ン プ ッ ト 仮 説 は 聴 覚 的 イ ン プットと 密き こ と ば に よ る イ ン プ ッ ト の 区 別 を し な い こ と に雷 及

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, 読 む こ と に よ っ て 仲 び る 能 力 は , お く こ と だ け に 留 ま ら ず

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技 能 全 て を 含 む 全 体的 な 能力 に役 立つと している。 日 本 人 の よ う に , 英語 の音 声 に も 文 字 に も馴染みの 少 ない 場合 , 音声 をjf,点的に 強化 し ても, そ の 後, 何の 段 階も経 ず に 文 字 へ の 転 換 が ス ムー ズ に いくと は 考 え に く い 。 よ っ て , 初 期 段 階 か ら 音 戸 と 文 字 の 両 方 の イ ン プ ッ ト 母 を 増 や す ニ と が 重 要 で は な い だ ろ う か 。 中 学 校 学 習 指 導 要 領 に お け る 外 国 語 科 の 内 容 に は,小 学 校 の 外 国 語 活 動 で 音声に

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れ親 し んでき て い る こ と を 受け,

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音声と 絞 り と を 関 連 付 け て 指 導 す ることjが挙げられ,フォニック λ(phonics)が提示されている(文部科学省, 2008b) 0 7ォ エ ッ ク ス は 音 声 と 綴 り の 焼 則 性 を パ タ ー ン と Lて 覚 え る 学 習 法 で , 中 学 入 学 後, 数回 の 授 業 で 習 得 できる性 質 の も の で は な い 。 そ の 前段 階 として,アノレブアベットの大文字 ・小文字の統み書き,音酎, (議) レベノレの 認知 (phonological awareness)の 過 程 を 経 る こ と が 必要 で ある。 音 声 と 文字 に 長 期 間 触 れ さ せ , 馴 染 ま せ,その 特 徴 に 気 付 か せ る と い っ た 長 期 ス パ ン で の 指 導は, 中 学 校 よ り も む しろ小学校 の 外 国語 活動 が適 し ていると考 え られ る。

3

.4 二重アクセスモデノレ 「聞く Jと い う 行 為 の 場 合 , 図

3

の 友 の 図 が 示 す よ う に , 音 声 情 報 が 提 供 さ れ , そ の 音 声 を 処 理 し て 単 語 や 文 の 意 味 の 認 殺 に 至 る .一方 , 二 重 ア ク セ スモデノレ (dualaccess modeJ)とは,図 3の 右 の 図 が 示 す よ う に , 文字情 報 に よって視覚 的 に提 示さ れ た 単 語 の ス ベリング(=正書法表象)を認知した後, そ れ を い っ た ん 心 の 中 で 音 戸 化 ( = 音 韻 符 号 化 ) し て 昔 飢 表 象 を 形 成 l,そ の 上 で 意 味 を 認 践 す る ( = 意 味 表 象 に 至 る ) と い う ル ー ト Aと,音 組 表 象 を 経由 しないで JEi!F法器象から直接, 7J、味の認識に~るとい うノレー ト B を同 時に活崩しているそデノレのことである(河田, 2001) .ノレート Aは英 語のア ル フ ア ベ ットや日 本 語 仮 名 な ど の 表 音 文 字 の 処 理 に 関 係 し,ルー ト Bは, 本

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字処理の場合などに中心となるノレートであると考えられる。また,ノレ ート A が自 然 な 意 味 へ の アクセス 経 路であり ,ノレート Bより優 先される とさ れ,ルート Bは ルート Aの パ ッ ク ア ッ プ 的 な 機 能 を 担 う こ と が 示 唆 さ れ て い る . 表 意 文 字 で あ る 淡 字 の 処 理 で も, 両ノレートによるこjfiア ク セ ス が 行 わ れ ている可能性がある(門JJl, 2007).

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読む

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過程 では , 視党 を通 し て取り 入 れ た 文 字 情 報 を 必 ず 心 の 中 で 音 声 処 理 す る た め , 視 覚 処 理 か ら 背 戸 処 理 に 至 る 部 分 の 経 路 の 強 化 が 重 要 に な る と い う 。 文 字 を 見 て そ れ を 簡 単 に 音 声 化 日 ゆ 6

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(7)

できれば, 意 味 の認 識 に到 達 す る の で ある。

出 ニ

場一文字情報 +ー音声情報 [聞く j過 程 f読むJ過 程 関 3 音声と文字情報の単語認知経路 {門田.2001) 日 本 人 の 英 語 学 習 者 の 場 合.

3

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3で 明 ら か に さ れ た よ う に .

r~IJ <J こ とと 「読むj こと の そ れ ぞ れ で 異 な っ た 音 声 ・ 音 韻 表 象 を 作 っ て し ま っ た こ と , つまり.

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聞く J ことと 「読 UJ ことの帯 雌 が 問題 と し て 挙 げ ら れ る。外 国 語 活 動 は

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聞く Jことが 中 心 であるため, 阻

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のtr.の図のように, 音声情 報 が 与えられ,それが処理 さ れ 意味認知に逮する。しかし,中学校に入り

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説む」 学 習 が 始まり,図

3

の 右 の 図 が 示 す よ う に, 文 字 情 報 が 与 え ら 札た 時, 日 本 人 の 生 徒 は そ れ ま で に 英 結 の ス ベ リ ン グ , つ ま り 正 書 法 表 象 に ほ と ん ど 慣 れ てい な い た め. そ れ がすぐに 音 声 処 理 に燃 が ら ない。よってa 視覚 処理から 音 声 処 理に至る経 路 が う ま く 機能しないと推 測 さ れるe 例 え ば , 小 学 校 での「聞く Jことに よ る 単 語 認知 で は , リ ン ゴのイラ スト を見なが ら「アポー

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と聞こ え る 音声情報を得て芯;味 恕 解 に否る。 ニの

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寺点 ではe 子 ど も の 発 音 も 完 盤 で 意 味 理 解 も 正 し く , 問 題 は 全 く な い。 しかし, 中 学 校 で 始 ま る f読むJ学習によって,先に“apple"と い う 文 字 情 仰 を 得 た 場 合, そ れ が 「ア ポーj と 心 の 中 で 音 声 化 で き な け れ ば , 既 習 語 だ と し て も そ の 意 味理 解 に至 ら な、し。 そ しc.意味を訳させ 統 ま せると 『アップノレj と発 音寸るよ うになる。 ヨー ロ ッ パ系 言 語 を 母語に 持 つ 学 習 者では

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聞く jから 「読むj に 容 易 に 転移 す るが,アノレフアベ ッ ト を母 語 に 持 た な い 日本人にと って,英語 を 読 める よ う に なるためには , 見 た 文 字を即座に 音 声 化 す る 経路 の強化が震聖書である 。 そ の ため に は , 初 期段 階 から少しずつ長期に 渡 っ て 音 声 と 文 字 と の 陪l時インプッ トが必要となろう. 3.5 文 字 に 関 す る 実 証 実 験 畑 江(2005)の 制 査 で は , 高 学 年 児 童 21名,,低 学 年 児 童 21名 に,綴 り の 添

-7

(8)

-え ら れ て い る ピク チ ャ ー カ ー ド ( 図 4) を使って 30 単 語 の 発 話 練 習 を 迎に一度, 「綴りを党 え な さ いJとの指示 は一切 せ ず , 回 5分 間1を B週 繰 り 返 し た (Appendix表 3・4).事剖J1:事後に同一 テス トを実施l.-,個 別 に 文 字 の み の カ ー ド{図 5)を提示 して 読 ん で 答 え さ せ た. そ の 結 果 を 「 正 答→

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誤答j と 『誤 答『正 答Jに 変 化 し た 悩 の 比 率 の 差 を7 ク ヰ マ } 検定 で 処理 し た 。 事 前テストと 事 後 テ ス ト における 「正答→誤答Jと 「誤答 → 疋 答J の和 が 10以 下 な の で2 有 窓 確率 は二項 検 定

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図4 練習用ピクチャーカード

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図5 予スト用文字カード による正確な p 値 を 算出し た 。 結 果 , 商 学 年 児 童 に お い て はl 事前テス トで は 絵 を 見 て も 英 語 で 答 え る こと が で き な か っ た 未習語 ( 例 broom. dustpan. vacuum cleaner等 ) に お け る 単 語 の 絞 り の カ ー ド の 読 み に 有 意 な 差 が 表 れ た (表1)。 一方,IlE前 テ ス ト で 絵 を 見 せ た と こ ろ 既に英 語 で 答 え る こ と が で きた既習語(伊IJ: kangaroo, desk, chair等)に関しても同様 の 被 習 を 縫て綴りの カ ー ド を 読ませるテス トしたと ころ, lJf.前 ・7jf後テスト に お い て 単語の綴り のカー ドの読みには有意差 が 表 れな か っ た ( 表 2)。 以上の 実 験 を 考 綴 す る と , 絵 を 提 示 しても 英 語 で 答 え ら れ な い 米 習語につ いては,最初の 段 階 か ら 音 声 ・意味付金)・文 字 の3点 を 伺 時 に 能 不 す ること で,高 学 年 児 蛍 が,与えられた全ての悦報に注意を払ったといえよう。 LAD の 低 下によ っ て 昔 だ け で 単 語 を 覚 え る ことが困難になりつつある彼らが,メ タ認 知 能力 の 上 昇 に 助けられ, 文 字 も 情 報 の ーっと し て 取 り 込 ん だと考えら れる。 一方, 絵 を 擬 示す る と 既 に英 語 で 答 え られていた既習 搭については, 後から文字 の あ る ピ ク チャーカー ド を 促 示 し でも, 文 字 情 報 に 額 ら ず とも意 味が理解 で き た た め , 文 字悩報 に は 注 意 を 向 け る 必 要 が な く 1 読 み の習 得に は 至 ら な か っ た と いえる。リグアース (1987)は, 初 期 の 教 え 方 が 後 の 学 習 に 大 い に 影 響 す る とし,将来外国語で物を考え, 口頭 に しろ 文 平 に しろ 1 つ lつ 翻 訳 し な く て も 理 解 で き る 力 を つ け て い く に は,初期段階でどのよう に言 語 学習に取 り 組 ん だかが大いに関係する と述べる。 綴 り を 提示した 指 導が 商 学 年 の児 滋 に 有 効であると する恨拠は, この実験 における 30個の英明i認 の 「読み 」 の 智 得 に 関して, 事 前 ・事後テス トにおい て1- 3年 生 の 低 学 年 児 童 に は 1%及 び 5~も未満で有意義が表れたのが 4 単 語 で あ っ た の に 対 l.-, 4 - 6年生のEJ,学 年 児

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ではそれが 20単語であったこ とである (Appendix表 5).3.1で述べた,前学年児童のメタ言語 能 力 の 向上 が こ れ ら の 理 解 を 促Lたと考えられる。

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(9)

褒 1 高学年由来官官苦由『読みJの習得(焔江。 2005) QrQQ血 (11=21 ) dustpan (11=21) (絵) 事 桂 (続み) 事 桂 (絵) 率 桂 (読み) 事 桂 正 誤 正 誤 正 誤 正 誤 事 E

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前 誤 16 5 p< .01 p< .01 議 2 高 学 年 目 既 習 諮 由

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読 みJの 習 得 ( 畑 江 . 2005) kangarQQ (11=2J) desk (11=21 ) (絵) 事 佳 (読み) 事 後 {結) 事 桂 (読み) 事 韓 正 誤 正 誤 正 韻 正 議 事 正 14

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事 正 14 D 率 正 6

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chair (11=21 ) (絵) 事 桂 (読み) 2事 桂 正 鼠 正 誤 事 正 12

事 正 3

前 誤 7 2 前 誤 17 p< .05 /JS 4 結 論 と 今 後 の 課 題 4.1 音 声 と 文 字 の 提 示 時 期 「 音 声 と 文 字 と の 提 示 の 附 に 時 間 的 な 隔 た り を 置 く こ ζ が , 読 む 技 能 に 何

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-9-らかの影響を及ぼ す の ではないかlという課題のもと, 日本請 を 母 語lこもっ 我 々 の 第 2言 語 習 得 に 焦 点 を 当 て て 検 討 し て き た。 外国 語 活 動 で 支 持 さ れ て きた 『音 声 を 習 得 して か ら 文 字 を 提 示 す べ きiとするのは,習 得の 順序 と し て は 正 し い が , 文 字 の 提 示 ま で の 時 間 的 編 た り を 2年 間 も あ け る こ と は,後 の 「 読 むJ技 能の 習 得 に 影 響 を 及 ぼ す と 考 え ら れ る 。 音 声 学 習 を 先 行 さ せ る こ と が 後 の 文 字 学 習 に プ ラ ス に 転 移 す る の は , ヨーロッパ系言 諮 を 母語 に持 つ学習者ーであり ,日 本 語 を 母 語 に 持 つ 学 習 者 の 場 合 は , 英 語 の 音 声 情報のみ な ら ず,潜 記 体 系 の

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韮う文字情報も非 常 に 不 足 し て い る た め, 前 者 の よ う な プ ラ ス の 転 移 は 簡 単 に は 起 こ ら な い。そ れ 以 前 に , 馴 染 み の 薄 い 英 語 の 音 声 と文字の両方 に皐 く か ら 慣れるた め に , 学 習 の 初 期 段階から音 声 と 文 字 の 大 抵 の イ ン プットが 重 要 であると言 え よ う。 文 字 の 介 入 な

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で覚えた単語を,中学校で文字として初めて目にしたとき, 心 の 中 で 音 声 化 が で き ず , 視 覚 処 理 か ら 音 声 処 理 へ と 進 め な い た め , 次 の 意 味 認 知ま で た ど り 着 け な いことが起 こ る 。 ま た , 文 字 が 読 め な い た め,単 語 の上にカタ カナで読み仮名 を振る こ と や,ロー7 字 読 みを当てはめる ため, 結 局 発 音 は悪く な る 。 こ れは 「聞く」技能と 「読む」技能とが 結 び つか ず, 音声と文字とが別々に処理されていると考えられ。「聞く j こ と か ら 「 読 む』 ことへの円滑な 転 移 が 起 こ っ て い な い こ と を 示 している。アノレ7 ァベッ ト以 外 の 表 記 体 系 を 持 つ 日 本 人 学 習 者 は 特 に,音声 と 文 字 の 導 入 時 期 に 時 間 的 隔 たり を長 く阪かず , 初 期の 段 階か ら , 両者 に密 接 な 関わりを持たせる こと が 重姿だという結論に至った。 4.2 外 国 語 活 動 内 で の 文 字 指 導 に つ い て 人 間 は 「読むJ行 為 を 通 し て 言 語 自 体や 言絡 が 媒 介する情 報 を 肢も深く 理 解 す る と い う ( 竹 内 .

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聞く」こ とによっ て 記憶 さ れる情報には限り がある。外国語活動を音声のみで行おうとすると,内容が限定され,倫理的, 分 析 的 認 知 能 力 の 高 ま る 高 学 年 に は 幼 稚 で つ ま ら な い も の と な る 場 合 が あ る 。 さらに,少 し で も 自 分 が 学 習 し た こ と を 確 認 し , 理 解Lた こ と を 次 の 学 習 に 繋 げ る た めには, 音 戸 だけではなく文字として残1.-.文字を自分 で 統ん で復 習 で き る 形の 活 動で あ ればよい。 要 は そのやり 方である。 小学 校 か ら少 しず つ 文 字 に 慣 れ 親 し む こ と は で き る は ず で あ る.それをせずに中学校に入学1.-. い き な り 数 時 間 で f統み書きj を教え込まれa 英 語 が 苦 手 に な る の で は , 外 国 語 活 動 を す る 意 味 が な い 。 し か し , 現 在 の 外 国 施 活 動 内 で 体 系 的 に 文 字 指 導 を 位 置 付 け て 指導する ことは, 非 常 に風 当 た りが強いのも事 実 で ある。 「子 どもが文字を欲 しがるとい うことも聞き ます が , 実 は 文 字 を 使 い た い の は 先 生 の ほ う か も 知 れ ま せ ん 。 子 ど も が 音 戸 と して 記 憶 で き る 範 囲 を 超 え た活動 ま で 求 め る とLた ら , 文 字 が あ っ た ほ う が指 導 し や す い の は 当 然 の こ と でL ー

(11)

10-ょう(金森.201¥)J等 の 研 究 者 の 声 も ま だ 多 数 を 占める. 例 え ば 1回 目 の 授 業 で は 新 出 語 紫 及 び表 現は 音 声 に よ る 練習を L-.その 後 音 声に恨 れ た

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問自の授業 か ら 少 し ず つ 文 字も提示する。 ただし, 必 ず 音 声も伴った活動をする。 する と音声 と 意味情報 に 結び 付 い た 文 字 情報 が 自 然 に 記 憶 に 蓄 え ら れ て い く ことになる.

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読 む」 の イ ン プ ッ トを切 り離さ ず に 段 階 的 及 び 継 続 的 に行 う こ と こ そ が , 将 来 の 読 む 力 に 燃 が る で あ ろう。 必 修 化 の 可 能 性 も あ る 外 国 語 活 動 も 含 め た , 長 い ス パ ン で 日 本 の 英 語 教 育 を 見 通 し た 時 , 安 易 に 「音 声 指 導 は 小 学 校 で , 文 字 指 導 は 中 学 校 で よ い 」 と せ ず, 小 学校 か ら 音声と共に 自然に 目 に 触 れ る 形で 文字 に 慣 れ 親 し ま せる指 導 を 続ければ,児 童 の 負 担 になる ど こ ろ か 文 字 を含むコ ミュニケーショ ン活 動 が 可 能とな り , 高学 年 児蛍 の 英 語 へ の 興 味 ・ 関 心 を 持 続 さ せ , ま た , 読 む こ と へ の 不 安 を 取 り 除 き

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文 字 の 壁jを 低 く し て 中 学 校 に 探 げ る こ と が で き ると考 え る。 i ぽ ポ 4.3 今 後 の 課 題 児 蛍の 認知 発達 , 及 び音 声 と文字 提 示 の 聞 の11寺間的隔 た り の 問 題 を 鑑み ると , 負 担に な ら な い 方 法さえと れ ば 適 切 な 文 字指 導 は可 能 で あ り 有効 で あ る と 考 え ら れ る 。 外 国 語 活 動 で 使 用 さ れ て い る 共 通 教 材

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endsl~ (文部科学省.2012)はイラ ス ト が 中 心で , 文 字 を伴う ページ が 殆 ど ない。 音 声 か ら 始 め る 外 国 語 活 動 と し て 相 応 し い が , 中学 校 で 音戸 と 綴 りとの関 連を 学 ぶ 前 段階 の 文 字 認 織や , 自 分 で 「説 むj こ と が で き る 能 力 に は結 び 付 か な い 。 外 国語 活 動 の内 容 を 音 声 に よ っ て 樽入した後, そ の 内 容 に絡 め て 文 字に 親 しま せ る た め の ワーク シ ー ト 都 ( 絵 と 文 字の 線つ なぎ や 迷 路な ど,楽しみな が ら 文 字 に 触れ る 工夫 を 焔 し た もの ) をそ れ ぞ れ の レ ッ スン に 準 備 し,計 図 的 ・ 段 階 的 に 外 国 語 活 動 内 で 活 用 し , 児 童 の 情 意 函 及 び 文 字 認 知 医に お け る 変 化 を 検 証 し た い。 そ して,児 童 の 実 態 に 合 わ せ て 活 用 可能なサプ ・ テキス ト を作成 し,広 く 小学校に提策すること が,今後の事~ ~である。 引用文 献 外 国 語 活 動 編 』 東 京 『小 学 安彦忠彦 (2008) 教 育 出 版 パ トラ ー 後 藤 裕子 (2004)

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ア ジ ア の 視 点から小学校英語を考える」 校 英 語 教 育 学会 紀 要 』 第 5 号. 1-6 『小学校 学 習 指 導 嬰領 の 解 説と展開

1

1

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[

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ミ徒調査]J (http://benesse.jp/berd/center/open/report/chu_eigo/ seito soku/index.html) 畑 江 美 佳 (2005) r単 語 レ ベ ル で の 『 読 み 』 の 特 徴 に 関 す る 研 究 一 学 年 差 と 習 得 率 に 若 限 し て ーJ W小 学 校 英 語 教 育 学 会 紀 袈 』 第 6号, 55-60 畑r工美佳 (2013) r外 国 語 活 動 に お け る 文 字 導 入 の 適

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と 方 法 に 関 す る 研 究 小 ・ 中 接 続 カ リ キ ュ ラ ム を 視 野 に 入 れ て ーJ

W

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(13)

-Appendix 薮 3 記述統計璽(畑江.2005) 学 年 平均{車 機準備差 11 翠 前 子 ス ト 低 学 年 0.76 1.22 21 高 学 年 3.95 4.46 21 総 和 2.36 3.61 42 署事後子スト 低 学 年 3.43 3.88 21 高 学 年 13.95 9.44 21

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8.69 8.90 42 被 験 者 向 効 果 田 検 定 ( 姐 江 2005)

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翌年における率前・率後 正答→誤答・誤答→正答の?ロス集計 修学年(",21) 高学年(",21) 2 2 No単 語 正 誤 鼠 正 x (1) Sig. 正 談 誤 正 x(1) Sig. 1. rice 0-3 3.00

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-7 7.00 刻与 0-7 7.00 牢 12.pig 0-6 6.00 省幹 0-4 4.00 ns 13‘fox 0-7 7.00 型炉 0-10 10.00 *本 14. sheep 0-1 1.00 JlS 2-9 4.45 ns 13

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参照

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