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情報連携基盤を用いた地域医療情報連携

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 73 回全国大会. 4E-5. 情報連携基盤を用いた地域医療情報連携 楠本. 嘉幹 1). 和歌山大学 1). 吉野. 入江. 真行 2). 和歌山県立医科大学 2). 1. はじめに 現在政府において社会保障と税に関する番号 制度や国民 ID 制度の検討が進められている [1] . 一方,情報通信技術の進歩により,現在の社会 の様々な分野やサービスにおいて,個人に関す るデータがそれぞれ個々に附番された個人番号 や整理番号で管理されている.これらの番号を すべて新しい番号に統一するのには莫大な作業 が必要となり,現実的ではない.そこで既に附 番されている個々の番号と統一的な番号を連携 させる厳格な本人識別に基づいた医療分野にお ける ID 連携基盤の確立が必要となる[2]. この情報連携基盤が実現されることで,地域 医療の分野において,散在する個人の医療情報 を連携させることが可能となり,より安全で効 果的な医療が実現される. 本研究の目的は,情報連携基盤を用いた地域 医療情報連携の仕組みを構築し,住民の利便性 の検証とシステムの構築手法の検証である.本 稿では平成 21 年度厚生労働省「社会保障カード (仮称)の制度設計に向けた実証事業」における結 果をもとに,情報連携基盤を用いた場合の地域 医療情報連携の構築手法を報告する. 2. 「社会保障カード(仮称)の制度設計に向けた実 証事業」の概要 「社会保障カード(仮称)の制度設計に向けた実 証事業」は全国 7 カ所で実施された[3].本稿は その1カ所として実施された「わかやま安心医 療・社会保障コンソーシアム」の実証内容をも とに報告する.「わかやま安心医療・社会保障コ ンソーシアム」では「情報通信端末の多様化」・ 「社会基盤としての保健医療ネットワークの構 築」・「運営組織の在り方」を実証の目的とした. 「情報通信端末の多様化」では地上波デジタル テレ ビ(以下, 地デジ)・携 帯電話の活 用を , 「社会基盤としての保健医療ネットワークの Regional Health Information Exchange on Information Exchange Platform Yoshiki KUSUMOTO 1) Takashi YOSHINO 1) Masayuki IRIE 2) 1) Wakayama University 2) Wakayama Medical University. 孝 1). 構築」では地域の共通診察券サービスや医療情 報共有ネットワークの構築を,「運営組織の在り 方」では住民の声から運用組織に求められるニ ーズと課題の抽出を実施した. 住民はパソコン・地デジ・携帯電話から情報 連携基盤の ID 連携を介し,自分の情報にアクセ スできる.医療機関は,患者の健康保険資格の 即時確認や過去の検査結果・投薬歴にアクセス できる.情報連携基盤のイメージを図 1 に示す.. SAML2.0 によるシングルサインオン ID-WSF2.0 による属性情報流通. 図 1 情報連携基盤イメージ図 情報連携基盤におけるポータルサイト・利用 者認証基盤・情報保有機関の連携部分は標準化 されている仕様を採用した.ユーザ認証機能は SAML2.0,データ連携 IF 機能は ID-WSF2.0 に 準拠した設計とした. 情報連携システムの構成図を図 2 に示す. ・シングルサインオンするた めのユーザ認証 ・仮ユーザーIDとの紐付け ・WEBサイトのリダイレクト. 情報連携基盤システム構成 ・各種情報へのアクセス 利用者認証基盤 利用者認証基盤 (DSIDP (DSIDP // 認証サーバ) 認証サーバ). 情報保有機関 (WSP / データプロバイドサーバ). 認証(IDPWD or ICカード) 社会保障カード(仮称). 住民. ID-WSF(DS機能)   位置情報 仮名ID-実ID SAML(IDP機能)   変換情報. DB接続APL       実ID 情報 サービス連携機能 仮名ID-実ID 連携 変換情報. アカウント連携 SAML(SP機能) ID-WSF(WSP機能)   . シングルサインオン. 認証機能     . 情報 連携 機能. 認証情報. 機能. アカウント連携 シングルサインオン. 医療機関 WEB連携 サーバー. ポータルサイト ポータルサイト (WSC (WSC // Web連携サーバ) Web連携サーバ). 属性情報流通. 実ID ポータルAPL             . サービス連携機能. 仮名ID-実ID 変換情報. SAML(SP機能)  ID-WSF(WSC機能)   . 情報 連携 機能. 図 2 情報連携基盤システム構成図 SAML2.0(Security Assertion Markup Language2.0)とは OASIS で標準化されたシステ. 3-463. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 73 回全国大会. ム間で認証及び認可されたデータを交換するた め の XML 規 格 で あ り , ID-WSF2.0(Identity Web Services Framework2.0) と は Liberty Alliance Project で標準化された安全かつ相互運 用可能な Web サービスを構築するためのフレー ムワークである. 3. 情報連携基盤を用いた地域医療情報連携 検査結果や投薬情報,及び医師による診療サ マリ等の医療情報を複数の医療機関で共有する ことは,住民(患者)が安心・安全な医療を受 けるために期待される仕組みである. しかし,患者の検査結果や投薬情報は,それ ぞれの医療機関においてカルテ情報として各々 保存されている.カルテ情報は各医療機関独自 のカルテ番号で管理されている.患者の生活圏 でさえ,患者一人に対して複数のカルテ番号が 存在し,医療情報共有の課題となっている. 情報通信技術を活用した地域で患者を支える 地域医療情報ネットワークを構築するためには, 患者を一意の番号で特定する必要がある.この 課題の解決策として,情報連携基盤を活用した 地域の共通診察券の仕組みを構築した.. 図 3 情報連携基盤を用いた共通診察券 本提案により,各医療機関で管理されている カルテ番号はそのままで,情報連携基盤を活用 することにより,地域の共通診察券番号を実現 することができた. カルテ番号が連携されることにより,患者の 医療情報の共有が可能になる.「わかやま安心医 療・社会保障コンソーシアム」では,地域の共 通診察券の機能を実現し,地域の医療機関にお ける検査結果と投薬履歴の共有ができる地域医 療情報連携システムを構築し,住民の利便性と システム構築手法の検証を行った.実証実験に 協力を得た医療機関は地域の中核病院を含む 18 医療機関と検査会社 5 社であった.医療機関へ のシステムの導入に際しては,コスト面での現. 実性を考慮し,新たに別のネットワークを増設 するのではなく,既存の医療機関独自のネット ワークに本システムを追加する形とした.その 結果,構築の工数は要したが,新たなネットワ ークコストが発生することなく,全 18 医療機関 での稼働が確認できた. さらに患者の自宅から自分の医療情報にアク セスできる仕組みを実現した.本提案の特徴と して情報にアクセスできる端末をパソコンのみ ではなく,地デジと携帯電話も可能とした.地 デジに関しては USB 接続端子がなく,本実証で 使用した IC カードでの認証機能が利用できず本 人の認証に関する課題が残ったが,実際に放送 波を利用して,情報連携基盤を利用が可能であ り,放送と通信が融合したシステムの実証がで きた. 4. おわりに 日本国内において個人を一意の番号で特定す る基盤が実現され,その仕組みとなる情報連携 基盤が地域社会で利用可能になれば,情報通信 技術を活用した地域医療情報共有の仕組におい て根底にあった課題が解決され,より一層地域 医療情報の共有化が進展すると期待される.ま た,既に地域ごとに構築されている地域医療情 報連携システムを再設計することなく連携可能 になり,例えば,引っ越し等で地域が変わった 場合でも日本国内であれば医療情報の連携が広 域的に可能になる. 政府主導のもと情報連携基盤の仕組みが構築 されると考えられるが,国の行政サービスだけ ではなく,地域住民に利便性をもたらす仕組み となるよう,民への開放を政府に提言する.一 方で,制度化および構築するサービスに関して は個人情報保護には細心の注意を払い,かつ国 民のプライバシー保護がなされ,人権が確保さ れる仕組み[4]となるよう政府に提言する. 参考文献. 3-464. [1] 首相官邸情報通信技術(IT)担当室: 国民ID制度における国民IDコードの考え方 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/denshigyousei/ dai7/gijisidai.html. [2]中安一幸:我が国における EHR に関する一考察∼ 社会保障カード構想を通じて∼(海外社会保障研究 No 172),国立社会保障・人口問題研究所(2010 年 9 月),pp.42-56. [3]入江真行: 和歌山県海南市における社会保障カード (仮称)の実証実験について, 第30回医療情報学連合大会論文,pp.987-992. [4]月刊ガバナンス:共通番号制度国民 ID 制の論点, 株式会社ぎょうせい(2010 年 12 月号),pp.26-28. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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