滋賀大学保健管理センター(2010.12) ノロウイルスってどんなウイルスですか? 秋から春先にかけて非細菌性急性胃腸炎をお こすウイルスです。従来言われていた小型球形 ウイルスのほとんどがこれで、2002年に正式に この名称が採用されました。 ノロウイルスはどうやって感染するのですか? このウイルスはほとんどが経口感染で、次の ような感染様式があるとされています。 (1)汚染されていた貝類を、生あるいは十分 に加熱調理しないで食べた場合。 (2)食品取扱者(食品の製造等に従事する 者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を 行う者など)が感染しており、その者を介して 汚染した食品を食べた場合。 (3)患者の糞便や吐物から二次感染する、あ るいは、家庭や共同生活施設などヒト同士の接 触する機会が多いところでヒトからヒトへ直接 感染する場合。 ノロウイルスによる食中毒は、日本でどのくら い発生していますか? 平成21年度で、全食中毒事例の中で、2番目 に多い27.5%を占め、患者数では約半数を占め ています(図)。ノロウイルスによる食中毒は 11月から3月にかけて多く発生しています。ま た、ノロウイルス感染症発症者についての定点 からの報告では、7歳以下が全体の70%を占め ています。最近では2006年に大流行がありまし た(図)。今冬はここ数年を上回るペースで感 染者が増加しています。 ノロウイルス感染症の症状は? 潜伏期間は24-48時間です。主症状は嘔気・ 嘔吐・下痢・腹痛で、発熱は軽度です。通常こ れらの症状が1-2日続いた後治癒し、後遺症は ありません。 治療法は? このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はあ りません。水分と栄養を十分に補給しましょ う。脱水症状が強い場合には、医療機関で輸液 をおこなうなどの治療が必要になります。下痢 止めは使用しないのが望ましいとされていま す。 原因食品は? 生ガキなどの二枚貝が大半を占めています。 カキではノロウイルスは中腸腺と呼ばれる黒褐 色をした部分に存在しています。調理の際に は、専用の調理器具を用意するなど他の食材へ の二次汚染を防止する工夫が必要です。また、 調理後手指をよく洗浄・消毒しましょう。「加 熱加工用カキ」は新鮮なものでも、決して生食 しないで、十分に加熱してから食べてくださ い。 患者の糞便や吐物を処理する際に注意すること は? ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸 で、嘔吐症状が強いときには、吐物と共にウイ ルスが排泄されます。このため、糞便と同様に 吐物中にも大量のウイルスが存在し感染源とな りうるのです。12日以上前に汚染されたカー ペットを介して感染が起きた事例も知られてお り、時間が経過しても、患者の吐物・糞便・汚 染された床や手袋などに、感染力のあるウイル スが生残している可能性があります。これら感 染源となるものを確実に処理しましょう。 床等に飛び散った吐物や糞便を処理する際に は、デイスポのマスクと手袋を着用し、汚物中 のウイルスが飛び散らないように、糞便・吐物 をペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭 き取った後は、消毒液(次亜塩素酸ナトリウ ム;塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き 取ります。拭き取りに使用したペーパータオル 等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。(こ の際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の消 毒液(次亜塩素酸ナトリウム;塩素濃度約 1,000ppm)を入れる)。また、ノロウイルスは 乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入る ことがあるので、吐物や糞便は速やかに処理し 乾燥させないようにしてください。
市販の塩素剤の多くは 塩素濃度が約5%ですので 50~200倍に希釈します。 1.500mlのペットボトルに、水を半分 1.2Lのペットボトルに、水を半分 入れる。 入れる。 2.そこへ、原液10mlを入れる。 2.そこへ、原液10mlを入れる。 3.水を加え、全体を500mlにする。 3.水を加え、全体を2Lにする。 4.ふたをして、よく振って混ぜ合わせる。 4.ふたをして、よく振って混ぜ合わせる。 ・使用する時は換気を十分に行ってください。 ・有毒な塩素ガスが発生しますので、酸性のものと絶対に混ぜないでください! ・皮膚への刺激が強いので、直接触れないよう、ビニール手袋などを使用してください。 ・皮膚に付着した場合は、直ちに大量の水で十分洗い流し、医師の診察を受けてください。 ・消毒液は、濃度が高いほどノロウィルスに対して有効ですが、反面、金属が錆びたり、漂白(変色) 作用が強くなったりしますので、注意してください。 ・金属に使用した場合は、消毒後、水で洗い流すか、ふき取るなどしてください。 ・作った消毒液は、時間の経過とともに効果が減少していきます。こまめに作って使いきってください。 (原液は、密封のうえ、冷暗所で保存してください。) ・消毒液を入れたペットボトルは消毒液・飲用不可等の表示をして誤飲を防ぎましょう。 【消毒液(次亜塩素酸ナトリウム溶液)を扱うときの注意】 ノロウィルスには、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。 便やおう吐物が付着した床、衣類、トイレなどの消毒をする場合