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1.8〜2.0GHz帯ディジタル方式移動体通信用の高周波デバイス

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(1)

High-FrequencySemiconductorDevicesforMobileTeIecommunication

Systems

l草野忠四郎*

佐藤和男** 助言乙′05わ/(チC/7紹ゴムオ7省〟7′∠ぶα〃「) Si-MOSFET 高周波電力増幅モジュール 遜ヨ+ L.+言

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壬ぢ 匝嘩∴桓画 ;;号i lさ1 Bi-CMOS周波数シンセサイザIC

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吉田 功* ム〟O 約言/∼∼(ね 河合和彦**Å〟g乙J良放(ノ肋‡〃α才

GaAs-MMIC(低雑音増幅器)

注:略語説明 MOSFET(Met∂ト0×ide-Semiconducto「FiekトEffectT「ansisto「) B卜CMOS(Bi-ComplementaⅣMOS).MMIC(Mic「OW∈〕VeMonol什川CIC) 携帯電話機用の高周波電力増幅モジュール,GaAs-MMIC,および周波数シンセサイザIC 新構造Si-MOSFETで電力効率を向上した小型パッケージ高周波電力増幅モジュール,回路設計の最適化によって小型パッケージ化を実現した 仝整合回路内蔵のGaAs-MMIC,および高周波アナログLS【に適したBi-CMOSプロセスによって低消費電力を実現したPLL(Phase-LockedLoop)周波 数シンセサイザICを開発した。 l三】軌車電話,携帯電話などでの移動体通信システムの 普及は臼覚ましく,利用者の急速な増加が比込まれてい る。こうした状況に対応するためにアナログからディジ タル方式への急速な移行,従来の周波数8nOMHz帯を超 える1.8∼2.OGHz借の高い周波数の利川が進むものと

考える。

一方,小型,軽量で長時間の通話,待ち一夏け可能な携 帯端末を実三呪するためには半導体部品の高性能化,小 型・高集積化が必須課題である。特に竜波の受・送信を 行う無線部を構成する高周波デバイスは,周波数帯が高 くなるにしたがっていっそうの高性能化が要求される。 こうLたニーズにこたえて日立製作所は,1.8∼2.(.) GIiz帯ディジタル ̄方式移軌体通信システムへの適用を R指し,新構造S卜MOSFET(電界効果トランジスタ)を 用い7ご小型パッケージ高周波電力増幅モジュール,全整 合L白_l路を内蔵した走㌢J、型パッケージGaAs-MMIC(マイ クロ波モノリシックIC),および低消費電力のBi-CMOS 周波数シンセサイザICを開発した。 *ll小二斐川三巾、lモノ馴軒‡i業部Ijご二悼1**lり.J二製作所一半や休一1i菜河;

(2)

758 日立評論 Vol.78No.11(1996-11) 1.はじめに

いつでも,どこでも,だれとでも情報交操を可能とす

る移動体通信の普及は目覚ましく,自動車電話,携帯電

話の加入者数は,1996年8月時点で,全世界で9,()00■万人 以上,国内で1,700万人以上であり,さらに年率20%前後 の増加が見込まれている。現在はアナログ方式とディジ

タル方式が共存しているが,今後の加入者増加に対応す

るためにディジタル方式への急速な移行,高い周波数帯

の利mが進むものと考える。

高い周波数帯利川の動きとしては,従来の800∼900

MHz偉から新たに1.8∼2,OGIiz帯,具体的には,わが国 ではPrIS(PersonalHandyphone System),欧州では Ⅰ)CN(PersonalCommunication Network)やDECT (DigitalEuropeanCordlessTelecommunications),米 凶ではPCS(PersonalCommunicationServices)のサー ビスが始められている。特に1.8∼2.2GHz帯は,将来の

公衆陸上移軌体通信システム"FI)LMTS''(FuturePub-1icLandMobileTelecommullicationSystem)用に冊界 共通の榔皮数滞として割り当てられており,この間波数 借の利用が拡大するものと思われる(図l参照)。 一方,移動体通信の普及には,′ト型,軽呆で長時間の 通話,待ち受け ̄吋能な低価格の携帯端末がイ1吋欠である。

こうした期待にこたえるためには半導体部品を中心にし

た電子部品の高性能化,低消費電力化,小型・高集積化

が必須であり,積極的な研究・開発が進められている。

措に電波の受信,送信を行う雑株部を構促する.白川+波デ

バイスには,周波数帯が高くなるにしたがっていっそう の高性能化が要求されている。こうした要前を′受けて口

立製作所は,移軌体通信用の各種半導体デバイスの製■冒一

問発を推進してきた。

ここでは,新たに開発した1.8∼2.OGrIz滞移動体通信

用高榔皮デバイス,S卜MOSFET高榔皮電ノJI馴扁モジュ ール,GaAs-MMIC,およびB卜CMOS周波数シンセサイ ザICについて述べる。

2.移動体通信システムと高周波デバイス

携帯電話の基本ブロックダイアグラムとデバイス技術 を図2に′jけ。機能的には電波の送信,受fi言を行う無線 部,音声信一り一処理および人什.力制御を行うベースバンド 部で構成している。無線部は高周波部と小閑開披部とか ら成っている。高榔皮部は電波(1.8∼2GHz)を受イさ音作り, 送信側に分けるアンテナスイッチ,低雑音増幅器,送仁・ 受信ミキサ,電力増幅器などから,中f苫‖緋皮部は小間周

波増幅器,迫二交変調器,榔度数シンセサイザなどでそれ

ぞれ構収している。 携帯電話は,小型,軽策で,長時間の通乱 作ちノ受け が二要求される。このため,携帯電話に川いられる'F々引本 デバイスは, ̄高集積,低竜山∴ 低消雪電力であることが 常に求められる。特に無線部では1.8∼2.OGHz開披数帯 になると,800∼90()M‡1z帯に比べていっそうの■t副生能 化が必要である。 帯怖刊 MHZ800 GHz 900 1.0001.4 日 本

□__ヱ聖_J

アナログ ⊂L_+■ ト5 1.6 ト7 1.8 1.9 2.0 2.1 2.2 PDC PHS* u 田 米 国 ADC アナログ ■L⊥コ PCS ■■■L⊂=コ 欧 州 GSM PCN DECTホ 山 ■山田 アナログ ■■上コ 将来の公衆移動体通信システム(FPLMTS)* 注:略語説明ほか PDC(PersonalDigH二∂lCellu泊「) ADC(Ame‥canD噛托∂lCe仙l即) GSM(Glob∈】lSystemfo「Mobi【e Te始COmmUnications) ■(携帯機送信).[コ(携帯機受信) *DECT.PHSは共通,FPLMTS は未定 図1移動体通信システムの周波数帯域 現状の移動体通信システムでは主として800∼900MHz帯が利用されているが,加入者の増加に対応するために,高い周波数t.8∼2.OGHz帯を 利用する新しいディジタルシステムの導入が積極的に進められている。FPLMTSは将来の移動体通信システム用に世界共通の周波数帯として割 り当てられている。

(3)

Si-MOSFET GaAs-MMIC 送信 受信 ア ⊇ フ▼ ナ 0.8∼ 2.OGHz 電力 増幅器 アンテナ スイッチ 低雑音 増幅器 BトCMOS 直交 変調器 ミキサ 周波数 シンセ サイザ 中間周波 増幅器

巨司

ベース バンド メモリ マイクロ コンピュータ 表示 一←高周波郡→+中間周波郡+-rベース

\+竺二竺詣鮒⊥+竺竺竺デ=・∼1。k。z

ハンド那 図2 携帯電話の基本ブロックダイアグラムとデバイス技術 携帯電話は,高周波部,中間周波部から成る無線部と,制御,入 出力を行うベースバンド部から成っている。高周波部では高周波特 性の優れたSトMOSFET,GaAs-MMIC技術が,高周波性能に加えて高 集積が要求される中間周波部ではBトCMOS技術がそれぞれ用いら れている。

具体的な無線部朋半導体デバイス技術としては,高Jtl

力・高効率動作が可能なSi-MOSFET,低雑音,低ひず

み,低損失のGaAsデバイス,また高周波動作と高集積の

 ̄付鞍を可能とするBi-CMOS技術などがある。

3.Si-MOSFET高周波モジュール

l_1立製作所は,約25年間にわたってSiパワーMOS-FETの研究開発を続けてきた(図3参月号り。Si-MOSFET は当初,オーディオ用であったが,ゲート材料を多結晶 シリコンから金属モリブデン(Mo)に替えることによっ て高周波性能が飛躍的にl乙J上した。さらに微細加_ ̄1二技術

の適用により,Moゲート構造Si-MOSFETの動作六郎皮

数を1GHz以上に改善し,移動体通信システム用携帯電

話機に適用できる高効率パワーMOSFET(Lシリーズ) の開発に成功した1)。 Si-MOSFET電力増幅貰旨(高周波モジュール)は,1-E力

利得が高く,単一竜源動作,負荷変重力に対する優れた安

定性を兼ね備え,セットでのIロ=格構成が簡単な点を特徴

としている2)。最近では欧州ディジタルセルラGSM (GlobalSystemforMobileCommunications)肘携帯電

話で広く用いられている。この章では,高い周波数帯利

用が進展する小で,1.8∼1.9GI・Iz帯への適用を目指して

開発した新構造MOSFET(L4),および小型パッケージ

技術について述べる3)。 3.0 ′芯2.0 Al/シリサイド 2層ゲート構造 高周波 L4 工 (つ 一亡ぺ 米払 崇≦ 【璽

蓋1-0

0.1 19 高出力用 +3 Moゲート構造 L2 微細加エ オーディオ用 Ll 多結晶Sげ】卜 L l l l 70 1980 1990 1995 2000 西暦年度 図3 日立製作所での高周波Si-MOSFETの開発推移 S卜MOSFETは当初,オーディオ用であったが,Moゲート構造,微 細加工技術により,高周波特性を飛躍的に向上させることができ, 800MHz帯の携帯電話用高効率高出力MOSFETとして製品化に成功 した。今回,新たにAl/シリサイド2層ゲート構造を開発し,2GHz 帯へ適用できる高周波MOSFET(L4)を開発した。 これまでのLシリーズMOSFETに用いたMoゲート屯 梅では,0.7卜111が量産れ1二技術としてほぼ限界であり, また,;将来の高性能化を ̄吋能とするために,L4デバイス

ではゲート屯極構造の変更を行った。L4デバイスと従来

デバイスの断■面構造を図4に示す。L4デバイスの特徴

は,n.5l⊥mに微細化したシリサイドゲート電極とその上

に低抵抗のAl電極を形成した,Al/シリサイド開2層ゲ

ート構造にある。この構造により,ゲート長の微細化と

ゲート抵抗の低減を両立することができ,1.9GHz,電娠

電帖4.8V,ゲート帖7.5mmの素了▲で1W出力,電ノJ付 加効率55%が得られ,従来デバイス(L3,0.8l⊥mゲート

長)に対して出力で30%,電力付加効率で9%の改善を関

ることができた。さらに,1.9GHz帯PCS用の高榔皮モジ ュールを試作した結果,電源電圧4.8Vで,出力電力2W, 総合効率45%と良好な高開披特性を得た。 携帯電話の小型化要求にこたえるため,高周波モジュ ールのパッケージ小型化は重要な開発課題である。H立

製作所は,これまで表面実装型パッケージ,リフロー対

応などの技術を開発し,大幅なパッケージの小型化を実

⊥呪してきた(図5参照)。さらに今回,多層セラミック基

板によるリードレスタイプの新構造K型パッケージを開 発した。Kパッケージは容積が約0.2ccであり,従来比で

実装面積では‡以下,容積では約‡の小型化を達成して

いる。

(4)

760 日立評論 Vol.78No.11(1996-11)

Al/シリサイド2層ゲート構造

ゲート長:0.5いm Al シリサイド ゲート SiO2 レ 工 ・ウ P 層 N (a)新開発のデバイス(L4) 枇 S Moゲート構造 ゲート長:0.8いm Moゲート

州仙撒耕

N 層 Pウ工ル (b)従来のデバイス(L3) N層 図4 MOSFETのデバイス断面構造 ゲート長の微細化による高性能化を図るため,従来のMoゲート (0.叫m,L3)に替えてA】/シリサイド2層ゲート構造を開発し,ゲー ト長0,5ドm化を達成した。 今後はさらに低屯帖軌作での高岡披特性の向_L,高機

能化を進める考えである。

4.GaAs-MMIC 800MHz以卜の高周波信号を処理する携帯電話の無 線部では,電力損失を抑えるため,入出力インピーダン ス整合がイ1吋欠である。GaAsデバイスに用いる結晶基 板は半絶縁性であるため,GaAsチップ上に低損失の整 合Ijり路を形成することができる。このため,外付け部占占 ∩) 0 ∩) ∩) ∩〕 ∩) nU O nル 5 2 (m∈∈)世層謎怒れ-心ヽご「 表面実装型 リブロー 金属カバー G型

騙表

E型 投影面積

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[コ

K型パッケージ ●リードレス ●多層基板採用 CC) 199019911992199319941995199619971998 西暦年度 図5 日立製作所における高周波モジュール用パッケージの 開発推移 高周波モジュールの小型化へのニーズにこたえるため,新たに多 層セラミック基板を採用してリードレスの新構造K型パッケージ (0.2cc,従来比約÷)を開発した。 TSSOP14 (6×5.4mm)

MPAK5,6 (2.9×2.3m汀1) ら良

低稚苗増幅器(HA22002) アンテナスイッチ(HA22006) 図6 小型パッケージ"GaAs-MMIC” GaAsチップ上の受動素子の微細化,回路設計の最適化によって チップサイズを低減し,従来比約÷の小型パッケージ化(MPAK5,6) を実現した。 点数の大幅な低減,紅L立,調整が容易という,SirLSIで は得難い特徴が実現可能である。

口立製作所は,これらの特徴を持つGaAs-MMICの製

品化を目指し,低雑音・低損失GaAs-FET,厚膜Auめっ きによるスパイラルインダクタなどのデバイス,プロセ ス技術を開発し,1.9GHz常用GaAs¶MMICチップセッ トを製品化し量産化した4),5)。今山は,小型化へのいっそ うの市場要求にこたえるため,パッケージ定数を回路の 一部として甘ぇり込んだ総合的な高周波回路設計技術を開 発し,人出ノJ50日整合回路の内蔵とチップサイズの小型化 を両立させて,小型プラスチックパッケージ(MPAK5,6) への搭載を可能とした。 開発した低雑音増幅器MMIC(HA22012)のチップを 21ページの写真に示した。従来技術によるMMICに比べ で表面積を約6割に縮小した。その結果,図6に示すよ うに小型パッケージ(MPAK5)を用いることができ,実

装面積で当社従来製品(TSSOP14)比約†の小型化を実

現している。

HA22012の高周波特性を図7に示す。低雑音特性を実

現するために,寄生容量の小さい0.4トLmゲート長デュア

ルゲートFET構造を用いている。1.9GHz軌作,電源電

1-1三3V,動作電流3mAで電力利得13,5dB,雑音指数1,9 dB,出力インタセプトポイント(IP3)12.5dBmと良好な 特性を示した。 ′ト型パッケージ化(MPAK6)を図ったアンテナスイッ チ(HA22016)の特性を図8に示す。送受信時の入出力一研

(5)

換に通用されるアンテナスイッチとしてSPDT(Single-5 ∩〕 〔∠ 2 (皿℃)帥芸糖尺柑 5 ∩〕 5 ∩〕 電源電圧:3V l l l l \電力利得 l l l l ヽ ヽ ヽ ′ ヽ ′ ヽ ′ ヽ、報告指数 ′ ′′ ヽ 一一一 ヽ---_一 l11 一一一 l】l (皿ヱ揃血什佃髭 ∩〕 [J n) 5 ∩) 4 3 3 2 2 1.5 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2,2 2.4 2.6 周波数(GHz) 図7 低雑音増幅器MMIC(HA22012,外形MPAK5)の高周波 特性 周波数1.9GHz,電源電圧3V,動作電流3mAで電力利得13.5dB, 雑書指数l.9dB,出力3次インタセプトポイント12.5dBmであり, 良好な高周波特性を示している。 PoleDoubleThroⅥr)方式を用いている。要求される特性

には,(1)信号通過時の損失が低い,(2)大信号動作時のひ

ずみが′J、さい,(3)オフ時の端子間分離特性が良好(高ア イソレーション)などがある。このため,オン抵抗の小さ いしきい電J__l三一2VのFET,低ひずみ杵性を実現するデ ュアルゲートFET,さらにFETの寄牛容呆をスパイラル インダクタによって中和する担J路形式などを新たに開発 30 5 ∩) 2 2 (∈皿つ)只脚尺玉 5 10 ヽ ヽ_ †隣接チャネル 漏洩電力  ̄ 1,9GHz 電源電圧:3V 送信モード 力 電 力 出 岡花器N工ゼ00∽ (U田P)只脚部瞑ミ付与≠鰹珪 5 ∩) 5 ∩) 5 6 (b 7 一75 10 15 20 25 30 入力電力(dBm) 図8 アンテナスイッチMMIC(ト1心細場外形MR仙岱)の高周波特性 周波数】.9GHz,制御電圧3V,送信モードでの挿入損失0.7dB, ldB利得圧縮時の出力27dBm,入力26dBm時〔号シフトqPSK (Quadraphase-ShiftKeying)変調信号〕の600kHz離調隣接チャネル漏 洩(えい)電力ー65dBc,アイソレーション25dBであり,高周波特性 を示している。

した6)。また,従来は負電圧制御(0V/-3V)であった

が,信号端了・,接地端子に容量を接続するト!】路形式

のくふうによって止電圧(+3V/0V)制御を ̄山一能とした。

今綾はパッケージの小型化,複fナ機能化をさらに進め, よりニーズにこたえたGaAs-MMICの閃光を継続する

考えである。

5.BトCMOS高周波アナログLSl

小間周波部用半導体デバイスでは,アナログ・ディジ

タル機能の混在と高集積化が要J托される。「1立製作所は,

バイポーラトランジスタの高周波特性とCMOSの高集

積性の両方の特徴を持つ8卜CMOSプロセス〔fT(遮断周

波数)二15GHz〕による高榔皮アナログLSIとして,携借

電話機上1-けLL(Phase一ⅠノOCkedLoop)周波数シンセサイ ザ,およびこれらを核とした複合機能LSIの開発・製11占 化を進めてきた(表1参照)7)。 今回,移軌体通イ;こ;システムのアナログ方式からディジ タル方式への移行と,高い周波数帯利Jllへの動きに対応 するため,デュアルPLい耶皮数シンセサイザとして,

ⅠID155007T,HD155008Tを開発した。軌作間波数の組合

せは,HD155007Tが2GIIz,510MHzで,Ⅰ・ID155008T が1.1GHz,510MHzである。HD155007Tの主要特件を

表2に示す。ディジタル移動体通信用途を目指して,低

消雪電力,周波数切換時の高速ロックアップ,低雑芹イヒ

などを念豆削二開ヲ芭し,低電圧動作(2.7Vから),パワー

セーブモード内臓,定電流タイプチャージポンプl〔り路l勺 威などを達成した。 チャージポンプ回路では高桁度定電流ドライブト∫1路を 採川し,電源電圧や糊困温度などの環境条件の変軌によ る位相雑音特性やロックアップ特性の変動の無い回路構 成とした。HD155007Tの出力スペクトラムを図9にホ 表1 高周波アナログLSl製品系列 携帯電話機用のPLL周波数シンセサイザ,およびこれらを核とし た複合機能高周波LSlの開発・製品化を進めてきた。 製品型名 機 能 アプリケーション HD】55001BT lGHz PLL アナログセルラ HD】55002T lGHzハ30MHzPLL十】F-VCO十送信ミキサ アナログセルラ HD155004T 150MHz仝CMOSPLL アナログセルラ HD1550(〕7T 2GHz/引OMHzPLL PHS用 HD】55008T lGHz/5川MHzPLL GSM用 注:略語説明 IF-VCO(lntermedi∂teFrequency-〉0比ageControl】edOscilator)

(6)

762 日立評論 Volフ8No.11(1996-11) 表2 HD1550D7丁の主要特性 ディジタル方式,l.8∼2GHz帯用としてデュアルPLL周波数シン セサイザHD155007Tを開発した。低電圧(2.7Vから),低消費電流を 実現している。 項 目 プリスケーラ入力最大周波数 ZGHZ min.(RF PLL),510MHz min.(肝PLL) 基準信号最大入力周波数 20MHzmin. プリスケーラ入力感度 -30dBmtyp. 消費電流 動作時 12mAtyp. パワーセーブ時 400nAtyp. 注:略語説明 min.(minimum),tyP.(typical) す。目 ̄1心周波数1,646.7MHz,位相比較榔度数は300kHz

で,位相雑音は-78.6dBc/Hz(1kHzオフセット)-,スプ

リアスレベルは600kHzオフセットで一77dBcと良好な 特性を得た。周波数切換時のチャージポンプ電流レベル

はHi/Loモードに設定でき,Hiモードで高速にロックア

ップさせた後,Loモードに切り替えることにより,高速 ロックアップと低雑音特性を両立させることができた。 さらにパワー セーブモード解除後のロックアップタイ ムを短くするため,パワー セーブモードのチャージポ ンプ川路出力をハイインピーダンス状態としてループフ ィルタの容量に保持された電荷が保存されるようにし た。また,パワー セーブモードでの消費電流を40()∼ 5()OnAと=⊥A以Fに抑えて低消費電力化を図った。 今後はいっそうの高性能,高機能,低消雪電力化を目 指し,PLL周波数シンセサイザを核に,高周波アナログ 機能ブロックを集積化した袴合機能・高周波アナログ LSIの開発を進めていく考えである。

6.おわりに

ここでは,急速に普及,拡大する移軌体通信システム 参考文献 0 2 ∩〕 0 ∩) 4 6 (‖○ 一 一 一 (皿P)ミて〕只召 100 CN比:78.6dBc/Hz (1kHz離調) 測定分解能:100Hz 中心周波数: 1.646.7MHz 10 0 オフセット周波数(kHz) 10 図9 HD1550ローTの出力スペクトラム 中心周波数i′646.7MHz,位相比較周波数300kHzで,位相雑音 は-78.6dBc/kHz(lkHz離調),スプリアスレベルは-77dBc(600 kHz離調)であり,良好な特性を示している。 のキーデバイスであるSi-MOSFET高周波モジュール, GaAs-MMIC,およびBi-CMOSJ棚皮数シンセサイザIC について述べた。

移動体通信システムの普及は目覚ましく,すでに,無

線通信機能は携帯電話だけでなくパソコン,各種PDA (PersoIlalDigitalAssistant)に不可欠な機能になりつ つある。そのためには,ここで述べた高周波デバイスを さらに高性能,高集積,高機能化していくことが必要で ある。このようなニーズにこたえるため,今後も移動体 通信用高周波デバイスの開発,製品化を積極的に進めて いく考えである。 H・Itoh,etal∴ExtremelyhighefficientUHFpowerMOSFEl、forhand)′tl-anSmitter,IEDM,4.7,p.95(1983) 何部,外:.封誹郎巨力増幅用MOS・パワーモジュール,日 ̄技評論,75,4,275∼280(平5-4) Ⅰ・Yoshida,etal∴ASipowerMOSamplifierforPCNmobiletelephones,Proc.ofESSDERC,Hague,Bl.3, (1995-9) 草野,外:低消費電力・低雑音のマイクロ波集積回路(ガリウムひ素MMIC),lI立評論,丁5,4,269∼274(平5-4) 秋武,外:ディジタル携借型通信端末用低電圧デバイス,「_1立評論,H,10,719∼722(平7-10) S・Tal-aka,etal・:A3VMMICChipSetforl.9GHzM()bileConllllunicationSystem,1995IEEEInternationalSolid-State CirctlitsConfereIICe,Digestofl、echnicalPapers,p.145 7)武井,外:√引誹皮対応BiCMOSプロセスとJ誹度数シンセサイザヘの応札 口_寸二評論,75,4,287∼290(平5-4)

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