Title
多地域電力系統を対象としたLQI形負荷周波数制御
Author(s)
山下, 勝己; 宮城, 隼夫
Citation
琉球大学工学部紀要(32): 127-133
Issue Date
1986-10
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12000/5575
Rights
127
LQI-Type Load-Frequency Control for
Multi- Area Electric Energy Systems
Katsumi
YAMASHITA*
and Hayao
MIYAGI*
Summary
This paper presents a new method of designing discrete-type load-frequency
regulator for interconnected power systems. Discrete-type optimal control law
is decided by defining a discrete-type quadratic performance index and then
min-imizing it in accordance with the dynamic programming approach. An
especial-ly attracive feature of the proposed control scheme is that it requires as inputs
signals accumulative quantities of area control error. The realization of such a
regulator may be easy and of low cost because of its simple costructution.
In this paper, we apply the above method to 3... 5-area systems provided with
nonreheat type turbins. The results show that the proposed discrete-type
regula-tor can act satisfacregula-torily for improving dynamic responses of the load-frequency
cotrol.
Key Words: Control Systems, Optimal Control, Power Systems
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128 Ib)負荷消費の増分:DI4fjD,iは負荷周波数特性定数でD,i合6P`i/6f
(MW/Hz)で与えられ,単位周波数変化鼠に対 する負荷変化量の比率を示すものである。 に)地域iから流出される融通電力の増分: JPMGI 従って,上記で示す(a)~IC)より,地域iにお ける電力平衡式は次式の様になる。JPti-JP`j=皿当竺AJfj+D,iJfj
f*。t +JPLjoi(MW)(2) なお,(2)式は(MW)で表されているが,地域 iの系統容量Priで割るとPri基準の(puMW) で表すことができる。』P"-』P.,臺鶚急`f…f,
+JPtioi(puMW)(3) ただし,恥豊守《。)D皀苦(puMw/Hz)
一方,地域iから流出する融通電力は,地域i と連系線を通じて結合している隣接地域へ流出す る連系線潮流の総和に等しいことから, PtieFPtle12 Ptiei=Ptiei(i-,)+Ptiei(i+】) (1-2,…In-1)(puMW)(4) Ptien=PIienm-I) となる。ここでは,連系線の抵抗分を無視してい るのでⅡ連系線潮流は次式の様になる。,…薑」!;H芸L1sin(…)(puMVV)'5’
また]その偏差は』P…薑u鵲;十1。。。《`…)
×(J6i-J6,)(puMW)(6) となるが,‘…い“…''1
の関係より]次式の様に書き換えることができる。』P…薑Tiイルルル.鋤)
(puMW)(8) ただし, 伝送(例えばPCM)に移行しつつあることから, また,制御装置のディジタル化が急速に進みつつ あることから,離散形LFCの研究が重要な課題 となりつつある。筆者らも先に,この考え方に基 づきLFCの基本特性(負荷外乱に対して周波数 および連系線潮流を規定値に維持すること)を満 たし,また離散データを直接利用しうるディジタ ル制御方式として,地域制御誤差の積算値を用い るLQI形負荷周波数制御を展開した。そして, それを最も基本的な2地域電力系統モデルに適用 したが,(8)'(9)ここでは,より一般的なn地域串 形電力系統モデルに同手法を適用するものである。 本論文では,以上の構成法を非再熱式火力シス テムより構成される実用規模の3~5地域串形電 力系統モデルの設適制御に適用するとともに,本 制御方式の有効性を周波数偏差および連系線潮流 偏差などの時間関係図を用いて明らかにしている。 2.モデル系統と制御方式の決定 2.1n地域串形電力系統モデル 制御対象の電力系統は,一般に多数の発電所お よび多数の負荷需要地点と,それを結び付ける送 電線から構成されており,そのシステム構成は極 めて複雑・多岐化している。しかしながら,地域 ごとまたは会社ごとをグループとしてみたとき, 一般に,その中では地域内・会社内のつながりは, 地域間・会社間のつながりに比べて非常に強いも のと考えることができる。従って,ここでは系統 全体を,同期化力が十分大きく一つの周波数で代 表される「地域」と,これらの地域を結ぶ「連系 線」とに別けて考える。いま,地域iに着目すれ ば,その地域の電力余剰はタービン出力偏差量と 負荷変動鑓の差で表され,それは以下の3つの方 法により吸収される。 (a)運動エネルギーW4injの増分率:念w…薑針w鯰…(釧
制榔辮…(槐等)]
‐'寧孟“(Mw)'Ⅲ
ただし,W*Ami,f*は,地域iにおける系統 の回転体の運動エネルギーと基準周波数である。琉球大学工学部紀要第32号,1986年 129 2.2制御方式の決定 前節で示した、地域串形電力系統に対して, 状態変数をx=〔JfIJPilJPg,JPmeI24f2 JPt2……JPtle(、-,)nJfnJptnJpgn〕T’ま た,制御変数をu=〔JPcIJPc2…JPC、〕Tと 定義すれば,状態方程式は次式のように与えられ る。
i=Ax+Bull21
ただし,Aは(4,-1)x(4,-1)次元の状 態定数行列,Bは(4,-1)xn次元の制御定数 行列とする。 なお,上式では負荷変動に関する項を省略して いるが,後述で示す地域制御誤差(ACE)の積 算値を導入することにより,制御鉦に定常誤差が 残らないことを保証できるので,この項を省略しても設計には影轡がない。このとき,上式をサン
プリング周期Tでサンプルし零次ホールド回路 を用いれば,次式の離散形状態方程式が得られる。 x(k+1)=のx(k)+pPu(k)(131 ただし, の=exp(AT),F=〔exp(AT)-1〕A~】B ここでは,ステップ負荷外乱に対する周波数偏差 および迎系線潮流偏差の定常誤差を除去するため に,新しく地域制御誤差の積算X(k)=〔x4n(k)x`、.】(k)…x5n-2(k)
x5n-l(k)〕T(M) ただし, k+I(`、(k+')=2(β,`h(、)+`PMo12(、))
m-O k+IⅨ`風壽!(k÷')=Z(β2`f2(、)-
m■o ai2JPMeI2(、)+JPtie=(、)) k+I×5.-2(k+l)=Z(βn-1Jfo-1(、)_`(、_2,(、-1)
m-O xJPtic(、-2)(、-1)(、)+」PMG(、-1)、(、)) k+Ix5n-1(k+')=Z(β、`f、(、)
m-o -a(n-DnJPtie(、-,)、(、)) を導入する。行列形式で示すと え(k+1)=え(k)+Cx(k+1) =え(k)+Cのx(k)+CFu(k)ll5l ただし,T,`△2,JXLLULL'COS(6*,-6*,)
-XipPrI (puMW/HZ.s) なお,JPtiej,とJPtIc,iはI81式より明らかな様 に,次式の関係がある。 JPIiem=-aIuJPIici,(puMW)19) ただし, Priaic=FFT
ガバナおよびタービン系は,それぞれ-次遅れ 系で表されるものとして,以下の様に定義する。差`P"一志`P"+古`P。,
告`P・一志`P節一雨",
+-JPci(puMW)I1CI Tgi 以上より,地域iでの電力平衡,ガパナ出力偏 差およびタービン出力偏差に関する式をまとめる と,以下のようになる。型'且`f,+,!`f1+ZdPMe,。=』P“
f*dt D-jPdi呈`P,,一志`P醐喘』P“
急』P域一式』P。,-歳"庁
+-JPCI(puMW)(lDTgi ただし,』P…-T"(ルルルル。`)
(puMW) 上記の関係をブロック線図に示したのが図1である。 1 G 人ハ ロヴ△ロ Fig.1Blockdiagramofn-arealongitu‐ dinalpowersystem.多地域電力系統を対象としたLQI形負荷周波数制御:山下・宮城
130||けILJ墨.LLL■
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が得られる。 一方,上式に対する評価関数としてはJ=2{え(k)TQjt(k)+u(k)TRu(k))(1,
k■O を定義する。このとき,(17)式を最小Iこする最適 制御則は良く知られているように次式となる。 u(k)=-Fx(k) (13 ただし,F=(R+‘TPケ)-1jPTPの
なお,Pは次式のリカッチ方程式の解である。p=Q+jTp6-6Tpウ(R+#PTP')‐I
xFTpの(191 3.例題計算および結果の考察前章で提案した手法の有効性を立証するため,
3地域串形電力系統モデルを用いる。 表1は,このモデル系統のパラメータを一括し て示したもので,その値は文献(2)に基づくもの である。なお,(171式の評価関数で示されるkに対する重みQおよびuに対する重みRはⅢそれ
ぞれ単位行列とした。3地域串形電力系統モデルの動特性式は,llU式
より以下のように与えられる。 [地域1]等等+D,"庁』P…薑`P“‐`P“
‘P…薑T鰹(ルd`-ルM`)
‘P…薑T麺()…-ル。()’劃
このとき,状態変数xおよび制御変数uを X=〔Jfl4PtlJPglJPti迄l2Jf2Jpt2jpg2 Jpme23Jf3Jpt3jpg3〕T U=〔JPcljpc2Jpc3〕T (24 と定義すると,U2I式で示す状態方程式が得られ る。なお.状態定数行列Aおよび制御定数行列 Bは,それぞれ以下の様な1】x11次元,1lx3 次元の行列となる。 Table1.Parametervaluesofmode1sys-tem. Hi=5s Di=a33xlO~。pUMW/Hz Ri=24Hz/puMW Tli=U3s Tgi=0.08s βi=Di+1/Ri=O425puMW/Hz Pri=2000MW :単位便性定数 :負荷周波数特性定数 :鯛定率 :タービン時定数 :ガパナ時定数 :周波数バイアス :系統容皿 (i=103) :基単周波数 :同期化係数 :サンプリング周期 『中=60Hz T12三F23=0.545puMW/Hz・s T=2s琉球大学工学部紀要第32号,1986年 131
00僻一翻0
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A= 251 Tg2R2 0000T23 -T麹00 f*D3f* 唐一一O2H32H3 110-冗TTT5
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00000 00000 000 000 00000 1 00-OO TgI OOOOOj]
’
00000 1 0-00O Tg2 00000 00000 一方,地域制御誤差の積算量に関する方程式はⅢ (141式より以下の様に与えられる。麺(k+1)=Z{β’`f](、)+`puio02(、))
※鯛(k+1)=2(β,`f2(、)-a蝋`pMo鰹(、)
管!…(”
、‘(k+1)=2(β34f,(、)-……(、))
このとき]行列Cは次式となる。。-'''十洲鮒ト
上記のシステムに,本制御方式を適用した場合 のディジタル・シミュレーション結果を示す。図 2,図3には,JPdl=OO1puMWのステップ負荷変動に対する周波数偏差Jf2および連系線潮
流偏差JPtie23の応答波形を示している。なお,
la1はAOEの積算値を利用する本制御方式(LQI 制御),(b)はAOEの積分値を利用する従来方式 (LQ制御),(Clは無制御の応答波形である。図2 から明らかな様に,周波数偏差については(c)の 無制御が定常誤差を残すものの,la1,lb)はそれ ぞれ20秒前後で零に収束している。なお,(a), は化)に比較して過渡動揺の抑制効果が若干すぐ れている。図3の連系線潮流偏差では,Ia)が20 秒前後で零に収束しているにもかかわらず,(b)は さらに振動を続けている。に)については,図2 と同様に定常誤差を残す。なお1参考のため,地 域を4地域および5地域からなる実規模系統に拡 張し,その場合の周波数偏差および連系線潮流偏 差を示したものが図4~図7である。これらの場 合も3地域と同様な特性が得られているが,なお 一層,本制御方式の有効性が現われている。 以上より』地域制御誤差の積算値を用いる本制 御方式の有効性が明らかとなった。多地域電力系統を対象としたLQI形負荷周波数制御:山下・宮城
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4.むすび鵠
g二斗= 本論文では,LFCの基本特性を満たし,また 離散データを直接利用しうるディジタル制御方式 として,地域制御誤差の積算値を用いるLQI形 負荷周波数制御の構成法を提案した。また,本構 成法を非再熱式火力システムより栂成される3~ 5地域串形電力系統モデルの最適制御に適用し, その有効性については,周波数偏差および連系線 潮流偏差などの時間関係図を用いて示した。 今後の課題としては,直流送電,超電導エネル ギ貯蔵装置などを考慮した系への拡張などが考え られる。 最後に,計算に多大な協力戴いた南西情報開発 株式会社岸本悪作君に感謝の意を表します。 なお,本研究に関する数値計算は,本学科の計 算機FACOMM-160Fで行ったことを付記す る。 Fig.4Responseof4f2. 8.$ 》つ。つ 》CD□{[1つ[■窪エゴロ][【①『二四口
Fig.5Responseof4Ptie23.琉球大学工学部紀要鏑32号,1986年 133 Power&EnergySystems(toappear) 6)n゜V・Bohn&S・M・Miniesy,“Opti-mumLoad-frequencySampled-Data ControlwithRandomlyVaryingSys- temDisturbances叩,IEEETransPow-erApparatusSyst.,PAS-91,5,1916 (]972) 7)J・Nanda,M、LKothari&P.S・ Satsangi:,,AutomaticGenerationCon- trolofanlnterconnectedHydrother-malSysteminConLinuousandDis‐ creteModesConsidereringGeneration RateConstraints,,,Proc・InsLEIect・ Engrs,130,,,17(1983) 8)山下・櫛田・谷口:「秋算形制御器を用いた 負荷周波数制御法」昭59電気五学会九州支 部辿大No.541 9)山下・谷口;「地域制御誤差の職算値を用い るLQI形負荷周波数制御」電学論B1105, 634(昭60) 文献 l)給電常遡専門委員会:「電力系統の負荷周波 数制御」電気学会技術報告(Ⅱ)部,40号(11N 51)