嚥下困難者用介護食の許可基準における TPA 試験 法に関しての考察
著者名(日) 秋間 彩香, 塚部 春香, 稲葉 由唯, 谷米(長谷川
) 温子, 熊谷 仁
雑誌名 共立女子大学家政学部紀要
巻 60
ページ 81‑90
発行年 2014‑01
URL http://id.nii.ac.jp/1087/00002941/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止
http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
共立女子大学家政学部紀要 第
60号
(2014)職下困難者用介護食の許可基準における
TPA 試験法に関しての考察
Discussion on
出
ep紅ametersobtained by TPA (Texture Profile Analysis) wi出
Relevanceto Care Foods for Dysphagic Patients秋間彩香・塚部春香・稲葉由唯・谷米(長谷川)温子・熊谷 仁
AyakaA
阻MA,
H訂ukaTSUKABE,
Yoshii INAB ,AAtsuko HASEGAWA‑TANIGOME,
and Hitoshi KUMAGAI1.
緒言
近年、
65歳以上の高齢者が日本の総人口の
20%以上という社会の高齢化に伴い、食物の喋 下の際に食物が食道から胃という正常な経路を 通らず、気管から肺へ到達してしまう、いわゆ る誤蝶を起こす高齢者が増大している九誤礁 に起因する誤喋性肺炎は、日本人の死因の第
3位を占めヘ特に高齢者に多い。誤騰を起こす 犠下障害者に対しては、チューブを用いる経口 栄 養 も 試 み ら れ て い る が 、 高 齢 者 の
QOL (Quality of Life)を考えれば、種々の食物を口 から食べられることは重要である。高齢者が誤 喋する大きな理由の一つが咽頭部において食塊 の通過のタイミングが取れないことにあること から、増粘剤(トロミ調整食品)やゲル化剤を 用いた介護食の開発が行われている。しかし、
介護食として適した食品物性については未だ十 分に明らかではない。
一般に、べたつく食品、ぱらぱらになりやす い食品は飲み込みにくいことから、「べたつき
Jの度合いが小さく、咽頭部での「まとまりやす さ
Jが良好な食品が喋下機能の低下した高齢者 に適しているとされる制。この場合の「まと
まりやすさ」とは、 口腔内において食塊形成 をしやすい"という意味である。ゼラチンなど のゲル化剤を用いた食品がこうした意味でべた つきはそれほどではなく、 まとまりやすい"
ことは.直感的には納得できる。しかし、この ような べたつき"や まとまりやすさ"の程 度を客観的、定量的にどのように評価すべきか が大きな問題である。
機器により、 べたつき"や まとまりやすさ"
を評価する方法としてよく用いられているの が 、
TextureProfile Analysis、すなわち
TPA試 験である制。
TPA試験とは、円筒形の試料の 上部にレオメータに装着した平らなプランジャ ーを当てて一定の速度(測定速度)で 2回圧 縮し、応力
VS.歪みの関係を測定する試験方法 である。そして、 1 回目の圧縮ピークの高きが かたさ
(hardness)、その直後の引っ張り過程 の 負 の 応 力 を 示 す ピ ー ク 面 積 が 付 着 性
(adhesiveness)
、
2回目の圧縮ピークと
1回目 の圧縮ピークの面積比が凝集性(
cohesiveness)と定義される。
2009年に、厚生労働省は,旧「高 齢者用食品
Jにあった「そしゃく・えん下困難 者用食品
Jを廃止し、「えん下困難者用食品」
の基準を策定した
(2010年に消費者庁に移管)
︒ ︒
共立女子大学家政学部紀要
第60号
(2014)川。その基準で定められている TPA 試験の方
法においては、定められた円筒状の容器に入れ た直径
40mm、高さ
15mmの食品試料を樹脂 製のプランジャーにより測定速度
10mm/s.クリアランス
5m mの条件で
2回圧縮する測 定法が採用されている。評価基準には「硬さ
J (iえん下困難者用食品
Jの基準では硬さという 漢字が用いられている)、「付着性
J、「凝集性
Jの
3つのパラメータに関して、許可基準
1( 重 度の障害者用)から許可基準皿(軽度の障害者 用)までそれぞれの範囲が設定されているヘ 以下、本論文では、「えん下困難者用食品
Jの 基準法で求めたパラメータを
iJっきで示す。
しかし TPA 試験から求められるパラメータ がヒトの口腔内における食物・食塊の挙動とど の程度関連があるかは明らかでない。液状、固 体様々な性状をとる試料を円筒容器に入れて測 定して得られたパラメータに関して、一律な物 理的な意味づけをすることには疑問がある。ま た 、 TPA 試験には、プランジャー速度の測定 値への影響、測定機器による測定値の差異も一 部指摘されている
9)が、基準にある測定速度な
どの測定条件についての根拠も不明である。
本研究では、誤喋しやすいといわれている水、
誤嚇しにくいといわれているヨーグルト、市販 のゲル化剤、増粘剤など性状の異なる試科を用 いて、厚生労働省が設定した「えん下困難者用 食品
Jの基準法に準拠した TPA 試験を行い、
測定速度やプランジャー高さなど測定条件の問 題点について検討を行った。
2.
方法
2.
1.試料および試料調製方法
2.1 . 1.試料
水は、サントリーホールデイングス株式会社 (大阪)製 天然水南アルプス"を、ヨーグル トは株式会社明治(東京)製、 明治ブルガリ アヨーグルト
LB81(低精)"を用いた。増粘剤 としてトロミ調整食品(トロミパーフェクト、
日清オイリオグループ株式会社、東京)、ゲル
化剤として
K・カラギーナン製剤(クールアガ ー、新聞ゼラチン株式会社、大阪)と寒天製剤 (かんでんクッ夕、伊那食品工業株式会社、長野) を用いた。
2.
1 .
2.試料調製方法
増粘剤溶液に関しては、
200mL容のビーカ ーに蒸留水を秤量し、所定のトロミ調整食品の パウダーを添加し、撹持機にて
2分間撹祥を 行った後、容器に分注し
20tの恒温楠に
30分 保持したものを試科とした。試料調製後の保持 時間に関して、
15、
30、
60、
120分における時 間依存性を確認した結果、大きな違いがないこ とを確認した上で、
30分とした
OK
・カラギーナン製剤に関しては、ビーカー に蒸留水を秤量し、所定量のわカラギーナン 製剤のパウダーを添加し、マグネットスターラ ーっきホットプレートを用いて撹狩しながら
80tまで加熱を行った。さらに
80:l::2tを保持 しながら
5分問機持して完全に溶解させた
o pカラギーナン製剤から調製された試料に関 しては、濃度1. 4% ではゾル、1.6%以上ではゲ ルであることが確認された。室温下で
55tま で降温し濃度調整後、直径
40mm、高さ
15 mmのステンレス容器に分注し、
20tの恒温槽 に
22土2時間保持したものを試料として測定 に用いた。
寒天製剤については、ビーカーに蒸留水を秤 量し、所定量の寒天製剤のパウダーを添加し、
マグネットスターラーっきホットプレートを用 いて撹排しながら
100tまで加熱を行った
oさ らに
100: 1 : :
2tを保持しながら
5分間扱持して 完全に溶解させた。室温下で
55tまで降温し 濃度調整後、直径
40mm、高さ
15mmのステ ンレス容器に分注し、
20tの恒温楠に
22土2時間保持したものを試料として測定に用いた。
寒天製剤から調製された試料に関しては、濃度
0.1%以上でゲルであることが確認された。
‑82
ー
蝶下困難者用介護食の許可基準における
TPA試験法に関しての考察
2.2. TPA
試験
装置としては、山電(束京)社製のレオメー タ レオナ‑
RE‑33005"を用いた。
TPA
試験に関しては、「えん下困難者用食品」
の基準の測定方法に準拠してへ直径
40mmのステンレス製のシャーレに高さあるいは深さ
15mmに充填した試料を、樹脂製プランジャ ー を 用 い て ク リ ア ラ ン ス 5
m m(変形率
66.6%)で、試料の中心部を
2回連続圧縮した。得られた
TPA曲線(応力
VS.歪みプロット)か ら 、
1回目の圧縮ピークの高さである「硬さ」、
その直後の引っ張り過程のピーク面積である
「付着性」、
2回目の圧縮ピークと 1回目の圧 縮ピークの面積比である「凝集性」を算出した。
測定温度は、試料の保存温度と岡ーとした。
測定速度については、基準の試験方法で定め られた
10mm/sに加え、従来から
TPA試験で 多く使われてきた速度である
1mm/sでも測 定を行った。
プランジャーに関しては、「えん下困難者用 食品」の基準の試験方法に定められている直径
20mm、高さ
8m mの樹脂製円筒型プランジ ャーに加えて、直径
20mm、高さ
25mmの樹 脂製円筒型プランジャーも測定に使用した
o3.
結果
3.
1.水およびヨーグルトに関する検討
図
1に水およびヨーグルトの
TPA曲線を示 す。横軸は移動歪率をとっている
o測定速度に 関しては、水、ヨーグルト共に、測定速度
10 mm/sにおける波形の横幅が
1mm/sの場合 より広かった。また、上図に示す水に関しては、
高さ
8m mのプランジャーにおける波形が乱 れているが、
25mmの場合では波形の乱れは 観測されなかった。高さ
15m mの容器に充填 した試料を
66.6%圧縮した場合、プランジャー は試科内部に
10m m入るためプランジャーの 高さが
8m mではプランジャー上部に試料が 乗ってしまう。そのために高さ
8m mのプラ ンジャーでは
25mmのプランジャーにはない
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図
1水、ヨーグルトの
TPA曲線
‑ 8mm ‑ 25mm
乱れが見られたと推察される。しかし、下図に 示すヨーグルトに関しては、プランジャーの高 さが
8mmの場合であっても波形の乱れは観 察されなかった。
図
2に水とヨーグルトに関して、「硬さ」、「付 着性」、「凝集性」の値を示す。上図に示す「硬 さ」に関しては、水の値は、プランジャー高さ
25mmの方が僅かではあるが大きく、測定速度
1 mm/sと
10mm/sとでは差が見られなかっ た。一方、ヨーグルトに関しては、測定速度が 高いとプランジャーの高さによってパラメータ の値に差が生じていたが、水とは異なり測定速 度による値の差の方が大きかった。測定速度
10 mm/sにおいては、
1mm/sのときに比べ て「硬さ」の値に
100‑‑200 N/m2程度の差が 生じていた。
「付着性
Jについては、水・ヨーグルトのい ずれも、測定速度によらず
8m mのプランジ ャーで測定した場合の方が、値が大きいことが 確認された。
「凝集性」に関しては、水において、いずれ の測定速度、プランジャーの高さの条件であっ ても
1よりもやや小さい結果となった。
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3. 2. lf't料i剤溶液・ゲル化剤に附する検討 lさ13‑ 5に!rJ粘剤溶液・ゲル化剤から調製 された試料の典型的な TPA1111
線を示す。濃度 の 低 い i 約
制i斉'J0.5%、K‑カ ラ ギ ー ナ ン 製 剤 1.4%( ゾル状態)では水と
同級に、 80101の プランジャーでの測定で波形の乱れが確認され
た。i竹本li剤2.0%および4.0%、ゲル化しているK‑
カラギーナン製剤
2.0%および
3.0%ではヨ
ーグルト同級に波形の乱れは見られなかった。寒天に│刻しては、圧縮により破壊されやすい試 料であるためか、いずれの測定条件であっても、
山が位数あらわれる波形であった。また、測定 hl¥J.立100101/sでは、いずれの TPA1山総におい ても、
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11と同様に100101/sの波形の桃
l隔は1O101/s
よりも広かった。
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‑ 8mm ‑25mm
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│則して
、 │ ヌ 1
6に「硬さJ、図 7に「
付計七u、匝
1 8に「凝集性」の値を示す。
「硬さ」に閲しては、高さ
250101のプランジ
ャーによる測定の方が、値が大きい傾向が見ら れた。プランジャ一日さによる差は、試料につ いては1M粘剤よりも 「硬さjの値が大きいゲル 化剤の方が、測定速度については 100101/sの 方が顕著であった。「 十
Jlf性」に│刻
しては、いずれの試料、いず
れのiJliJ定条件においても、値 が 「えん下困難者 川食品」のうちの重度の障害者用の許可基準Iで設定されている数値 副を下回る結果となっ
た。..;i}~1燃しやすい"水も重度の障害者m の許可基準 I の 範 聞内の数他であることから、 ð~:可
基準の数値設定の見直しゃ「付着性」の下限イfli‑84‑
カラギーナン U~lazmI.
喋下困難者用介護食の詐可基準における
TPA試験法に閲しての考察
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‑ 8mm
図
4カラギーナン製剤の
TPA曲線
‑ 25mm
の設定が必要であると考えられる。また、プラ ンジャー上部に試料が乗ってしまう場合 ( 0 . 5 % 増粘剤、
1.4%K‑カラギーナン製剤)では、プ
ランジャー高さ
8m mでの測定の方で値が大 きくなる傾向が見られた
o「凝集性
Jに関しては、プランジャーの高さ によって
TPA曲線に差が見られた試料につい ては高さ
25mmのプランジャーの測定の方が、値が大きくなる傾向が見られた。しかし、
TPA
曲線に大きな違いが見られなかった高濃 度の増粘剤溶液やゲルでは、測定速度によって、
値の大小が逆転していた。このことは、低粘度 の試料以外ではプランジャーの高さなどの測定 条件による差よりも、大変形の測定下での測定 値のばらつきが大きいことを示しているのでは ないかと考えられる。
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‑ 8mm
図5
寒天製剤の
TPA曲線
‑ 25mm
4.
考察
4.
1.プランジャー高さの測定値への影響 図
1上図に示す水の
TPA曲線に関しては、
高さ
8m mのプランジャーにおける波形が乱 れているが、
25mmの場合では波形の乱れは観測されなかった。一方、図
1下図に示すヨ ーグルトについては波形の乱れが観察されなか った。図
3‑5に示す増粘剤溶液とゲル化剤 から調製された試料の
TPA曲線については、図
3上図の低濃度(低粘度)の増粘剤溶液、図
4上図の 1 .
4%K‑カラギーナン製剤(ゾル状態 にある)に関して、波形の乱れが高さ
8m mのプランジャーにおいて観測されたが、
25mmの場合では観測されなかった。「えん下困難者 用食品」の基準においては、試料容器の高さが
‑85
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、プラ
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されている七
山さ 15m mの谷慌に充填した
試料を66.696圧縮した場合、プランジャーは試‑
f3
1
内部に 10m m入るためプランジャーの高さ が
8m mではプランジャー上部に試料が釆っ
てしまう。そのために高さ
8111mのプランジ ャーでは 25m mのプランジャーにはない乱れが見られたと
1ft祭される 。 しかし、日粘
j支の
i何
本il剤浴液や、ゲル状試料の場合、プランジャ ー が試料内か試料内部から上昇する時
IIU内で試料 がプランジャー上古1
Iに釆らなかったために、波形が乱れなか った と考えられる。 このよ うに低 粘性の液状試料では、プランジャー向さの違い による TPAI l J
I線の波形は乱れるが、原理的に 影秤を受けるはずである f(i!lfさJや「凝集性Jの他については、凶 2(水)
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何 事
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TPA
試験から求め られた「付着性
J. 25mm
や│き18 (ICー
カラギーナン製剤)の上闘に見ら れるように、 l 珂らかにプランジャー上部への試
料付苅による測定値の差はあるが、その差は小さい。
「 イ
J荒性Jとプランジャー高さの関係につ い
ても、プランジャー上部に試料が乗ってしまう 場合(図 2q~闘の水 、図
6の
0.5961M粘剤、
1 .
496 Kーカラ
ギーナン製剤)では、プランジャ-~'G さ 8
m mでの測定の方で値が大きくなる傾向が見られた。 これは、 「
付着性」というパ ラメータが、 1回目の圧縮後にプランジャーが上方向に戻る際(引っ張り過程)の負の応力を 示すピーク而杭として算出されているため、本
来「
付着性」とは則係ないはずの試料がプラン│ ジャー上部に乗ってしまう際にかかる負荷も、「 付活性」 とし
て測定されているためと
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jま而に試利治旬、
tltし続けていたりプランジ
ャーから試料が自
Itれたりとー民.
なる挙動をぷす 1 J
r能性が考え ら れる。つま り 、
ZV粘伎の
i作法やゲ
ル状iiえ科の測定においては、iJl
lJ定条例‑の多少の 差邦より、大変形iJll]
j江に特布の測定仙のばらつきの方が大きいことが示唆された。
I
竹 お
'imiti夜、ゲル化剤から調製されたi成本1, の
「
硬さJに関しては、2 3
さ25mm
のプランジャ
ーによるilllJ定の方が、他が大きい傾向が比られ た。これは、プランジャ ー側而が試料から受け
る欧抑力が大きくなる
ためと考えられる
。「えん下困難者川食品」の器機において、
プ
ランジャ
ー1
1.4さは 、液状、ケソレ状などの比中
:1, の
でl:
状によ らず
ijl
t;と
されており、これは此料によっては波形デー タのゆがみの一閃に もな ってい る
。 「硬さJや「凝集 i'U など、 1~ られるパラ メータに対する影科が小さいので比過ごされて き たと
1ft察さ
れるが、試科がプランジャ
ー上部に釆 っ た状態での ìlli
J~ は明らかに不適切であ り 、
JTJいるプランジャ ーの高さについては、試
料の性状を)5'1抵してIJ':検討する必要があるとみ ‑ えられる。
4
,
2,測定辿肢のパラメータ値への;怒秤
図 1および
l立
13‑似15に示すTPAIIII 線に
おいて、いずれの拭本│ についても、
iJIIJA. i 単 位
10 mm/sの) j が 1
mm/sの場合よりも波形の航幅が} よか った。 ~!f'
I)'Jら 叫 は、
市販のレオメ ー タ 4様相を
)IJいて、 TPA 試験におけ る ìJll仏~jf
度が測定他に及ぼす;揺特について検
t吋を行っ た
。その結民、測定~度
10 mm/sにおいては、プランジャーの動作万向反転
11寺のノイズや加述
度の差異ー
などのJ'[I111 により機種間 でìJIIJ~ に 微々
な追いが現れた。一方、測定述!立 1mm/sにおいては機柿による必見は小さ
かった。本研究 で使mし
た機時に│則しでも野内らの干!1{J;'1jJのいくつかの機純と
l'iJ織に、力
11速性が必いため、測
定述J立が向いとプランジャ ー反転した際に一定
述!立に述するまでにlI
f.1111がかか るためと
4・えら
れる。波形の広がりの松肢は、面積が凶'jー
する
「付着性
J、「凝集i '
Uに対 し
ては影斡をするはずで ある。「付,, v
ftl:Jについては、極12、│民
16 ‑1到
│ 8の多くの試料で、波形の幅のJ
よがりのため、ほとんどの;¥J¥;t:I
, において
iJJll定述度10mm/sに おける他の)jが 1mm/sの場合よりも大きか った。 「凝集
tUについては而稲比 を取るため
か、測定述!立の大小による値の大小についての
傾向ははっき りしなかった。「
硬さjについては、測定速度10mm/sの
)iが大きい傾向がある。 これは、物四! 的:
む:1床を 与 ・
えると、 TPA此験で求められるかたさは比率1:・
‑87‑
共立女子大学家政学部紀要 第
60号
(2014)の粘性的性質の影響を受けるので、測定速度が 大きい方が、値が大きくなったと考えられる。
本研究での図
2、図
6 ‑図
8に見られるよ うに、測定速度による「硬さ
J、「付着性
J、「凝 集性」値の差はそれほど顕著ではない。 公的 に犠下障害者用の基準を作るうえでは、測定装 置に依存しない測定値を得る必要がある。よっ て本研究の結果からも、 TPAの測定速度にお いては、現基準における測定速度
10mm/sよ
り 1
mm/sとして、蝶下障害者用介護食の許 可基準を再構築することが望ましいと考えられ る 。
4 . 3 . TPA試験から求められるパラメータの物 理的意味に関する考察
前述のように、 まとまりやすい"食品が膜 下機能の低下した高齢者に適しているとされる が、この場合の まとまりやすさ"とは咽頭部 での まとまりやすさ"、食塊の形成のしやす さ(ぱらぱらになりにくさ)を意味する。一方、
TPA試験から求められる凝集性は、 変形を加 えた際の試料の回復のしやすさ"という意味に おける まとまりやすさ"で、本来、食塊の形 成のしやすさとは異なる概念である。例えば、
ビスケットのように圧縮によって破壊されるよ うな食品の場合、 TPA曲線の第 2ピークの面 積
A2の値は
Oに近くなるだろうから、凝集性 の値は小さくなり、 まとまりやすさ"を評価 している側面は見られる。しかし、全く破壊し ない試料でも最初の圧縮後に形が復元するまで の時間が長ければんの値は小さく、復元する までの時間が短ければんの値は大きくなる。
このような凝集住が まとまりやすさ¥つまり、
蝶下しやすきの指標とされるようになったの は、蝶下困難者用介護食として優れた素材とさ れる制ゼラチンの方が、ぱらぱらになりやす いので介護食にはやや不向きとされた寒天より 値が大きい
10)ことによると考えられる。本研 究における図
8でも見られるように、 K‑カラ ギーナン製剤(見かけ上もやわらかく、壊れに
くいゲル)に比べて、寒天の「凝集性
Jの値は 小さく、確かに「凝集性
Jが食塊の形成しにく
さの意味における まとまりやすさ"を表して いる一面はある。しかし、図 2 に示す水の「凝 集性
Jの値はほぼ 1であるが、水は、ゲル等 と異なり側壁のある容器に入れないと形を保て ないので、凝集性が 1とはいえないという批 判もある川。また、図
8に示す増粘剤やわカラギーナン製剤でも低濃度で
1に近く、高濃 度になるほど低下していることは、増粘剤やゲ ル化剤を添加しているという根拠が、誤礁の危 険性を低下するために まとまりやすく"する ためであることに矛盾する。「えん下困難者用 食品
Jの基準においては「凝集性
Jの範囲が、
許可基準
Iで
0.2‑ 0.6、許可基準
Eで
0.2‑0.9
と設定されている(許可基準
Eに「凝集性Jの設定はない)ヘ「えん下困難者用食品
Jの基 準値の設定は,蝶下食ピラミッドにある食品の TPA測定から決定されており,水に近い低粘 性の食品の「凝集性」は
1に近いため介護食 として不適切となり上限値が設定されたと考え られるヘまとまりやすさの指標であるはずの
「凝集性
Jの値に上限値が設定されているのも 論理的に矛盾している。以上から、「凝集性」は、
変形を受けた際の復元性という意味における まとまりやすさ"とはいえるが、蝶下困難者 用食品における誤蟻しにくさの指標としては、
必ずしも適さないと考えられる。
「硬さ
Jに関しては、図
2、図
6で述べたよ うに、弾性的性質のみならず粘性的性質も反映 した値と考えられ、単純圧縮試験から求められ る弾性率や粘性率に比べて、物理的な意味づけ が難しい。「付着性
Jに関しでも、べたつきの 程度は評価しているものの、許可基準にあるよ うに樹脂製のプランジャーを用いると、ヒトの 咽頭部における付着性(食品と粘膜との付着性)
とは必ずしも一致しない恐れがある。「凝集性」
も上述のように試料の性状によって異なる現象 (競和時間、もろさ、流動性など)を見ている と考えられる
o以上から、 TPA試験から求め
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