住民参加・行政参加改革に関する日韓比較
著者 中谷 美穂, NAKATANI Miho
雑誌名 明治学院大学法学研究 = Meiji Gakuin law journal
巻 95
ページ 77‑127
発行年 2013‑08‑31
その他のタイトル Comparing Citizen Involvement Effort by Local Government in Japan and Korea
URL http://hdl.handle.net/10723/1577
住民参加・行政参加改革に関する日韓比較
中 谷 美 穂
1.はじめに
近年,日本では自治体内をいくつかの地域に区分し,地域における予算提案 権等を与え,地域住民自らが地域の課題を考え解決に向けた事業を提案・実施 できるような制度を導入する自治体が出てきた。その方法としては,愛知県豊 田市や新潟県上越市に見られるように地方自治法上の地域自治区制度を導入し て行うところもあれば,三重県名張市や大阪府池田市のように独自に条例を制 定し実施している例,条例制定はしていないが要綱等により実施している愛知 県名古屋市の例がある。また隣国である韓国では,予算編成過程に住民を参加 させる参加型予算制度を採用する自治体が増えている。
自治体財政が逼迫する中,多様化する住民ニーズにいかに対処していくか,
両国の自治体が抱える課題を解決する方法として住民自治の拡充が模索されて いるが,それに対して本来政策決定に関わるアクターはどのような認識を抱い ているのだろうか。また住民により9 9決定権限を与える参加の取り組みは,どの ような首長の自治体で推進されているのだろうか。さらには実際の制度が住民 自治を深化させる方向で機能しているのだろうか。
このような疑問に答えるため,本稿では 2011 年度に日本と韓国の自治体で 行った調査データを用い,政策決定に携わる首長や議長の認識を比較・分析す るとともに,改革的事例を対象に,制度の機能を検討することとしたい。
1.1 住民参加の改革的方向性
本稿では住民参加改革の日韓比較を行うが,言葉の定義として住民参加,市 民参加を特に区別して使用しない。また住民参加,市民参加という言葉は多義 的であるが,佐藤
(2005:8)
と同様に「市民が地域的公共的課題の解決に向 けて,行政や社会等に対して何らかの影響を与えようとする行為」とし,こう した住民参加,市民参加が可能となる機会を自治体側がいかに設けているか,そのような機会に対し本来政策決定に携わるアクターはいかなる認識を抱いて いるか,実際の制度機能はいかなるものかを本稿の対象とする。
次に改革的な方向性であるが,これについては住民自治の理念を踏まえれば,
住民がより多く決定に携わることができる状態といえる。住民関与の程度に関 するモデルとして,アーンスタイン
(Arnstein, Sherry R.)
の有名な「市民参加 の階梯」(Eight Rungs on a Ladder of Citizen Participation)
がある。これは最終決定 に携わる権限の程度を梯子に例えたもので,全部で8階段あり,大きく3つの パートに分かれている。1つ目のパートは「非参加」の段階である。ここでは 実権を握っている者が参加者を教育したり矯正したりすることが目的となって おり,参加とは呼べない段階である。また2つ目のパートは「形式主義の段階」であり,参加者が意見を述べる機会はあるが,決定に実質的な影響は持たない 段階である。そして最も上位のパートが「市民権力の段階」であり,このパー トでは,パートナーシップの段階から,権限移譲,市民による自治の段階へと 進む。改革的方向性とは,最上位である「市民による自治」に向かった取り組 みといえる。また別の例では,佐藤
(2005)
が「市民参加のエレベータ・モデル」を提示しており,そこでは市民と行政の関与の程度を3段階に分け,行政の関 与度が高い「行政主導型の市民参加」
(アンケート,審議会への市民公募,パブリッ
クコメント)
から「協働」(市民会議,NPO と行政による協働事業)
の段階,そし て市民の関与度が最も高くなる「自治」(市民立法,コミュニティ組織への権限委譲)
の段階へと分類し,それぞれに該当する具体事例を提示している。ここでも「自 治」の段階に向かった取り組みが改革的方向性といえる。
すなわち住民自治のより深化した状態とは,単年度あるいは1回のみの取り 組みではない「継続的」な取り組みで,限られた住民のみが参加するのではな く多くの住民が直接関わることができる「開放的」「直接的」な制度であり,
住民へのある一定の「権限委譲」が存在する制度の導入とみなすことができる。
1.2 日本における住民参加改革
日本では上記に該当する改革的な取り組みとして,地域に一定の予算を配分 し,その予算使途について地域住民が提案・執行できる仕組みが挙げられる。
具体的には自治体独自で条例を制定し,公民館単位
(概ね小学校区)
ごとに設 置された地域協議会に使途自由な交付金を配分し,それを用いて地域協議会が 課題解決に向けた事業を決定し実施する三重県名張市の「ゆめづくり地域予算 制度」,小学校区ごとに設置された地域コミュニティ推進協議会が一定の予算 の範囲内で地域内の課題を解決するための事業を提案し,執行を担う大阪府池 田市の「地域分権制度」,地方自治法上の地域自治区制度を導入し,自治区内 の中学校区ごとに設けられた地域会議が地域問題の解決に向けた予算提案を一 定の範囲内で行い,一部事業の執行を地域が担う愛知県豊田市の「地域予算提 案事業」などがある。表1 予算編成・提案への市民参画(日本)
導入・施行・
実施済
導入・施行・
実施決定済
導入・施行・
実施検討中 未導入 合 計 予算編成・提案への市民参画
(注:地域に何らかの組織を 設け,まちづくりに関する予 算を提案してもらう仕組み)
10.1 1.3 10.4 78.3 100.0
度 数 40 5 41 310 396
制度の導入状況について,2011 年に日韓比較地方自治研究会が政策担当者 に対して行った調査(1)によれば,「予算編成・提案への市民参画
(注:何らかの 組織を設け,まちづくりに関する予算を提案してもらう仕組み)
」について回答があっ た自治体のうち,1割(40 自治体)
が導入済であり,今後導入することが決定 している自治体は 1.3%(5自治体)
であった(表1)
。全体として導入は1割程 度となっている(2)。こうした地域予算の提案に関する取り組みは,自治体内の条例に都市内分権 の取り組みとして規定されることが多い(3)。都市内分権の形は自治体が地方自 治法上の地域自治区(4)を導入して行うか,あるいは条例で独自に行うかで異な る。また具体的な取り組みは自治体によって様々である。したがって都市内分 権の定義について定まったものはないが,坂野
(2011)
は,住民に身近な出先 機関を置くことを想定した「行政組織内部における分権」と住民代表組織を置 きその組織に参加を促すような局面を想定した「コミュニティへの分権」(あ るいは民への分権,市民分権)
の二つの分権からなるとしている。その他,江藤(2003)
によれば,都市内分権は「都市自治体をいくつかの地域に区分し,よ り住民に密着した施策が遂行されることを目指すとともに,住民の意見の行政 施策への反映を容易にしようというもの」であり,行政改革の契機,政治改革 の契機の二つを内包しているとする。前者は「近隣区にある程度の権限・財源 を有する「ミニ市役所」的なものを設置し,地域に適した施策を行うことを可 能とする試み」であり,後者は「地域住民の意見を積極的に政策形成に組み込 む場を設置するもの」(江藤 2003:31)
である。本稿では住民自治の深化を目指 した参加制度を検討するため,都市内分権の取り組みの中でも,坂野(2011)
が述べた「民への分権,市民分権」といった側面,あるいは江藤
(2003)
の「政 治改革を内包する都市内分権」に焦点を当てる(5)。ところで政策過程における直接的な住民参加の取り組みは,今に始まったわ けではなく,1960 年代後半から 70 年代初頭が「市民参加の萌芽期」
(佐藤
2005:2)
と言われる。この時期は高度経済成長とともに,公害,生活環境の 悪化など様々な問題が噴出したわけであるが,こうした諸問題の解決を求める 住民に支持されて登場した革新首長が,直接的な市民参加を進めていった経緯 がある。革新自治体は二度のオイルショックによる経済の低迷とともに消えて いくわけであるが,革新自治体で取り組まれた市民参加の手法は,その後の自 治体にも少なからず影響を与えた(篠原 1977;佐藤 2005)
。その後,自治体にお ける住民参加のあり方に大きな影響を与えた出来事は,90 年代半ば以降の地 方分権の推進,中でも 2000 年4月の地方分権一括法の施行であろう。これに より国と地方自治体の上下関係を形作っていた機関委任事務は廃止され,自治 体は自己決定,自己責任で行政運営を行っていくことが明確に求められること となった。ところが当の自治体を取り巻く環境は極めて厳しい状況である。バ ブル崩壊以降,財政状況は逼迫しており,また平成の大合併により広域化した 自治体も多く住民ニーズも多様化している中で,魅力ある自治体づくりが求め られているわけである。こうした中で行政だけではなく地域住民も行政運営の 一員に含めたガバナンス(協治)
のあり方が模索されることとなった(6)。 実際に 2000 年の地方分権一括法施行後の変化を数字で捉えたものとして,柳
(2010)
がある。柳は 2007 年に実施した市区町村調査に基づき,市民参加 の制度を「情報開示型」(情報公開条例)
,「意見表明型」(審議会の公募制度,パブ リックコメント,市民意識調査,市民からの意見と回答の効果,モニター制度,住民投 票条例)
,「協働型参加制度」(市民会議・ワークショップ,まちづくり条例,自治基 本条例の導入)
の3つに区分し,「意見表明型」と「協働型参加制度」が 2000 年以降に大きく伸びていることを示し,地方分権一括法施行の影響を指摘して いる。都市内分権もこうした自治体を取り巻く環境の中での住民自治の強化,コ ミュニティの活性化を目指して導入されるわけであるが,地方自治法上の地域 自治区制度については市町村合併が導入の引き金となっており,広域化した自
治体での行政と住民との関係や周辺地域の住民が取り残されないようにといっ た配慮も目的に含められている
(名和田編 2009;徳久 2010)
。1.3 韓国における住民参加改革
韓国における改革的取り組みとしては,予算編成過程に住民を参加させる参 加型予算の取り組みが挙げられる。参加型予算は,ブラジル南部のポルトアレ グレ市の政権をとった労働者党のドゥトラ市長によって 1989 年から導入され たものであり,ポルトアレグレで導入されて以降ブラジルの多くの都市に導入 されるとともに,ラテンアメリカ,開発途上地域,先進国に導入が広がっていっ た
(小池 2011)
(7)。韓国でも 2003 年に光州市北区で初めて導入されて以降,先進自治体を中心 に採用されていった。日韓比較地方自治研究会が 2012 年に行った調査によれ ば,住民参加予算制度の実施状況は,回答自治体 99 のうち,既に施行中が 92 自治体,施行予定が1自治体,検討中が4自治体,未検討が2自治体であった(8)。 2011 年3月には,地方財政法 39 条において,予算編成過程における住民参加 が義務付けられており,制度導入自体はかなり進んでいることがわかる。
筆者がヒアリング調査を行った蔚山広域市東区では 2004 年,北区では 2005 年に導入されているが,これらの制度設計に携わったアン・ソンミン蔚山大学 教授によれば,先進自治体での制度導入背景には,盧武鉉政権下における参加 民主主義の高まり,財政民主主義への志向があったという(9)。実際,蔚山広域 市北区では制度導入の背景として「複雑で多様な環境において,行政による予 算編成は住民のニーズを反映するに当たって限界であり,地方財政運営におい て住民自治を具現するための制度的装置が必要である」ことを挙げており,住 民参加予算制の意義を,地方財政運営の透明性の向上,財政民主主義の実現と している(10)。
そもそも韓国の地方自治は 1987 年の民主化以降,1991 年に地方議会選挙が
復活し,1995 年に地方自治体の首長を選挙で選ぶことになってから「名実と もに地方自治制度が復活した」
(申 2007:77)
と言われる。しかしながら中央政 府と地方自治体の関係は権限及び財源面で従属的関係性が強く,選挙以外の住 民参加が十分ではない状態であった。こうした中,金大中政権に続き参加民主 主義の具現化を求める盧武鉉政権が誕生し,住民自治の拡充を含む地方分権が 大きく進むこととなった(金 2006)
。盧武鉉政権が誕生した 2003 年7月には大 統領の諮問機関である「政府革新地方分権委員会」が「地方分権推進ロードマッ プ」を提示しているが,その中で地方分権の主要課題として以下の7つ(①中 央―地方自治体間の権限再配分,画期的財政分権の推進,③地方自治体の自治行政力強 化,④地方議会の活動活性化および選挙制度改善,⑤地方自治体の責任制強化,⑥市民 社会活性化,⑦協力的政府間関係の確立)(趙 2007:53
‑61)
が掲げられ,この中で も住民参加に関係するものとして⑥「市民社会活性化」では「地方レベルにお ける政治への多様な住民参加制度の導入」「市民社会の活性化のための基盤の 強化」が下位課題として提示され,「住民発案制度の改善および住民投票制度 の実施など直接参加制度の拡充,住民召還制度の導入検討,政策過程に住民参 加拡大を通じた参加的予算編成および執行など」(11)(趙 2007:58)
が具体的な検 討内容として提示された。その後 2004 年に「地方分権特別法」が5年間の時 限立法として制定されて以降,地方自治に関する法制度の整備が急速に進めら れていき,2004 年には「住民投票法」,2006 年には「解職請求」が導入された(申 2007:78)
。2011 年には地方財政法 39 条で地方予算編成過程における住民 参加が義務付けられるわけであるが,これについても盧武鉉政権下で推進され た参加民主主義の徹底,地方分権推進の流れの延長にあるものであることがわ かる。2.認識比較
日本と韓国の地方自治体において,市民を政策形成過程から直接参加させる 住民自治を進める取り組みが,地方分権の進展とともに出てきたことを1.で 示した。しかしながらこうした要因はすべての自治体で同じように作用してい るわけではなく,自治体間の対応には温度差がある。日本では先にも示したよ うに,地域住民にある一定の予算提案権を付与する自治体は,回答自治体で1 割程度である。また韓国でも地方財政法による義務規定によって予算編成過程 における住民参加を制度化しなくてはならなくなったが,どのような参加手続 きを設けるかについては自治体の裁量によるところが大きい。
実際に,政策決定に携わる首長と議長はどのような認識を抱いているのか,
またどのような首長のいる自治体がより積極的に取り組もうとしているのか,
検討することとしたい。
使用データは,日韓比較地方自治研究会が 2011 年度に日本と韓国の地方自 治体における首長,議長,政策担当者に対して行った調査である(12)。都道府県 と市では対象アクターの権限の範囲が異なることから,分析では市レベル
(韓 国については広域自治団体である特別市,広域市,道を除く基礎自治団体)
のデータ を用いた。2.1 直接的な参加,予算への参加(首長と議長の認識比較)
ここでは首長と議長が「住民の直接的な参加・参画」にいかなる認識を抱い ているのかを比較する。直接的な参加・参画に関わる制度は,市民により権限 を委譲するものであり,議決機関である議会の役割を脅かしかねないといった 指摘がなされる。したがって,議長は首長よりも住民に権限を付与するような 制度には消極的になることが推測できる。
具体的な質問項目は「パブリックコメントの実施や市民会議の実施など,首 長や執行機関に対する住民の直接参加・参画が拡充し,首長や執行機関と住民 が直結する傾向がみられます。この傾向について,
(A)
住民自治の進展のため には良いことである(B)
住民代表である議会や議員を軽視しているのであま り好ましくない,の2つの意見のどちらにお考えが近いですか」であり,4つ の選択肢(「A に賛成」「やや A に賛成」「やや B に賛成」「B に賛成」)
から自身の考 えにもっとも近いものを選択してもらった。韓国についても住民の直接参加に ついて同様に尋ねた項目を用いた(13)。集計の結果
(表2,3)
,両国とも首長側で9割,議長側で7割が肯定的回答 となり,全体として肯定割合が過半数以上であった。アクター間の差では議長 より首長側で肯定割合が多く,これらの差はカイ2乗検定で有意であった(日 本1%,韓国5%水準)
。パブリックコメントや市民会議の導入は日本の自治体 で広く進んでおり,「住民の直接参加」という文言より,これらの例示が回答 に影響したことが考えられる。続いて改革的な参加制度について尋ねた。日本については市民による地域予 算提案に関する設問であり,韓国については住民参加予算制度についてである。
表2 住民の直接参加・参画の拡充について(日本)
Aに賛成 やや Aに賛成
やや
Bに賛成 Bに賛成 合計 N 望ましい
(%)
市長 44.5% 47.6% 7.0% .8% 100.0% 357 92.2%
議長 25.7% 46.8% 21.5% 6.0% 100.0% 587 72.6%
表3 住民の直接参加・参画の拡充について(韓国)
Aに賛成 やや Aに賛成
やや
Bに賛成 Bに賛成 合計 N 望ましい
(%)
市長 43.9% 45.5% 7.6% 3.0% 100.0% 66 89.4%
議長 23.4% 48.1% 18.2% 10.4% 100.0% 77 71.4%
具体的な質問項目は「現在,地域に関わる予算を市民が提案する取り組みが見 られています。このように地域に関わる予算の提案を市民が担うことについて,
(A)
住民自治の進展のためには良いことである(B)
住民代表である議会や議 員を軽視しているのであまり好ましくない,の2つの意見のどちらにお考えが 近いですか」というものである。韓国調査では,住民参加予算制度について同 様の形式で尋ねた(14)。その結果
(表4,5)
,住民の直接参加を尋ねた先の項目と同様に,両国とも 首長側の肯定割合が多く,首長と議長の間の意識差はカイ2乗検定でも有意で あった(日本1%,韓国5%水準)
。ところで2つの住民参加に関する項目を比較すると日本の回答に大きな差が 生じていることがわかる。表2と表4を比較すると,表4
(市民による地域予算 提案)
において首長で 21 ポイント,議長で 16 ポイントほど肯定回答が下がっ ている。表2の調査項目で例示されたパブリックコメントや市民会議よりも,表4で尋ねた地域予算提案は導入事例が少なく,首長に関しては自身の予算編 成権に関わることでもあるため慎重な回答になっていることが考えられる。議 長に関しては議決機関としての抵抗感が考えられる。また「大選挙区制であり
表4 市民による地域予算提案について(日本)
Aに賛成 やや Aに賛成
やや
Bに賛成 Bに賛成 合計 N 望ましい
(%)
市長 17.9% 53.2% 25.5% 3.4% 100.0% 357 71.1%
議長 13.2% 43.2% 35.2% 8.4% 100.0% 585 56.4%
表5 住民参加予算制度について(韓国)
Aに賛成 やや Aに賛成
やや
Bに賛成 Bに賛成 合計 N 望ましい
(%)
市長 42.4% 43.9% 10.6% 3.0% 100.0% 66 86.4%
議長 28.9% 35.5% 30.3% 5.3% 100.0% 76 64.5%
ながら地区代表という性格を帯びやすい議員の役割は,近隣区ごとに狭域的な 住民意思を汲み上げる都市内分権によって空洞化する」ことが江藤
(2003:
39)
によって指摘されており,役割意識とも関連することが考えられる。すな わち地元住民の世話役,予算の口利きなどの役割に強く関心を持っている議員 ほど否定的な回答をすることが考えられる。本調査では,議員の役割意識の中でも代表事項
(「何について」代表しているか)
を尋ねる項目
(議員活動に占める割合が最も高いもの)
があり,この項目と先の2 つの住民参加に対する意識とのクロス集計を行った(15)。その結果
(表6)
,「住民の直接参加・参画」と「市民による地域予算提案」に対する回答で大きく肯定度合いが異なったのは,「住民の世話役・相談役に なる」ことが議員活動の中で最も割合が高いと回答した議長であり,「住民の 世話役・相談役になる」ことを選択した者のうち 78.3%が「住民の直接参加・
参画を望ましい」と回答していたが,「市民による地域予算提案を望ましい」
と回答したものは 51.1%となり,肯定度合いが 27.2 ポイント下がっていた。
次いで「政策を審議し立案する」「県政・市政の重要な問題を住民に示し啓蒙 する
/
情報を伝える」ことを最も重視している議長において2つの住民参加に 対する意識の違いが見られた。「政策を立案する」ことが自身の活動割合に占 める割合が高いと回答した議長では,ほとんど回答が変わらなかった。表6 代表事項(議員活動に占める割合が最も高い項目)と住民参加に対する意識
(日本・議長)
① 住民の直接参加・参 画望ましい(%)
② 市民による地域予算
提案望ましい(%) 差(① ②)
政策を立案する 69.8% 66.7% 3.1
政策を審議し決定する 72.5% 54.8% 17.8
行政活動を監視する 76.2% 61.0% 15.2
住民の世話役・相談役になる 78.3% 51.1% 27.2
県政・市政の重要な問題を住民に
示し,啓蒙する,情報を伝える 74.3% 57.1% 17.1
次に韓国調査
(議長)
であるが,表3と表5を比較しても全体として大きな 変化は見られない。しかしながら代表事項との関係を見てみると(表7)
,「政 策を審議し決定する」「住民の世話役・相談役になる」ことが最も活動割合の 高い項目としている議長ほど住民の直接参加・参画(①)
,参加型予算制度(②)
に対する肯定度合いが低いことが判明した
(ただし,回答者数がそれぞれ少ないた め,割合が大きく変動することに注意が必要である)
。ここで用いた代表事項であるが,日韓で比較すると,日本では「政策審議・
決定」が 55.2%,「行政活動監視」が 19.2%,「住民の世話役・相談役」は 8.7%
となるが
(表8)
,韓国では,「政策審議・決定」が 34.9%に次いで「住民の世 話役・相談役」が 33.7%となっている(表9)
。韓国で「住民の世話役・相談役」表7 代表事項(議員活動に占める割合が最も高い項目)と住民参加に対する意識
(韓国・議長)
① 住民の直接参加・参 画望ましい(%)
② 参加型予算制度望ま
しい(%) 差(① ②)
政策を立案する 87.5% 87.5% 0
政策を審議し決定する 65.5% 55.2% 10.3
行政活動を監視する 90.0% 81.8% 8.2
住民の世話役・相談役になる/地 域や団体に対する予算分配のため の仲介/県政・市政の重要問題を 住民に示し啓蒙する
64.3% 57.7% 6.6
表8 代表事項(日本・議長)
% 度数
政策を立案する 9.9 53
政策を審議し決定する 55.2 297
行政活動を監視する 19.7 106
住民の世話役・相談役になる 8.7 47
県政・市政の重要な問題を住民に示し,啓蒙する 2.6 14 住民に県政・市政に関する情報を伝える 3.9 21
合 計 100.0 538
が多く選択された背景として何が考えられるか有権者との関係含め検討が必要 である。
蔚山大学教授のアン・ソンミン教授によれば,住民参加予算制度が導入され ることで,議員が地元選挙区に予算を持っていくために行政に働きかけをする ことが少なくなったとのことであったが(16),実際どのような変化が生じている のか調査する必要があろう。また住民参加予算制度を導入する一部の自治体で,
地域に一定額の予算の提案を委ねる自治体も出てきており
(後述する蔚山広域市 北区では 2012 年度より,5億ウォン以内で各洞が事業を提案できる仕組みを導入し た。)
,今後は地域に予算を配分する仕組みが日韓の地方議員の役割認識にいか なる変化をもたらすか,どのような制度下において役割認識の変化がより生じ るか検討していく必要があろう。2.2 自治体で重視している項目(首長の認識)
次に,実際に当該自治体で「政策形成・決定過程における住民参加」をどの 程度重視しているのか,首長に尋ねた項目を比較した。
その結果,日本では 42.2%の首長が「政策形成・決定過程における住民参加」
を「かなり重視」していると回答し,54.5%が「ある程度重視」と回答した
(表 10)
。また韓国では 55.4%が「かなり重視」しており,43.1%が「ある程度重視」表9 代表事項(韓国・議長)
% 度数
政策を立案する 9.6 8
政策を審議し決定する 34.9 29
行政活動を監視する 15.7 13
住民の世話役・相談役になる 33.7 28
地域や団体に対する予算分配のための仲介 4.8 4 県政・市政の重要な問題を住民に示し,啓蒙する 1.2 1
合 計 100.0 83
していると回答した
(表 11)
。日本と韓国の首長では,それぞれ 96.7%,98.5%が「政策形成・決定過程における住民参加」を重視していると回答している。
日本の首長に関しては「政策形成・決定過程」よりも「政策実施過程におけ る住民参加・協働」を「かなり重視」している割合が7ポイントほど多い。行
表 10 当該自治体で重視している項目(日本・首長)
かなり重視 している
ある程度重 視している
あまり重視 していない
ほとんど重視
していない 合計 N 業績評価や人事管理など,
行政組織管理の効率化 39.2 57.4 3.4 0.0 100.0 357 企業誘致や中心地の活性化
による税収拡大 54.9 40.9 3.6 0.6 100.0 359
都市基盤整備のための投資
拡充 21.8 59.4 18.5 0.3 100.0 357
歳出及び行政コストの削減 69.3 30.7 0.0 0.0 100.0 358 中央政府からの補助金の拡大 25.8 57.9 15.7 0.6 100.0 356 政策形成・決定過程における
住民参加 42.2 54.5 3.4 0.0 100.0 358
政策実施過程における住民
参加・協働 49.4 48.3 2.2 0.0 100.0 358
表 11 当該自治体で重視している項目(韓国・首長)
かなり重視 している
ある程度重 視している
あまり重視 していない
ほとんど重視
していない 合計 N 業績評価や人事管理など,
行政組織管理の効率化 55.4 44.6 0.0 0.0 100.0 65 企業誘致や中心地の活性化
による税収拡大 75.0 17.2 7.8 0.0 100.0 64
都市基盤整備のための投資
拡充 50.0 43.8 6.3 0.0 100.0 64
歳出及び行政コストの削減 38.5 58.5 3.1 0.0 100.0 65 中央政府からの補助金の拡大 81.5 16.9 1.5 0.0 100.0 65 政策形成・決定過程における
住民参加 55.4 43.1 1.5 0.0 100.0 65
政策実施過程における住民
参加・協働 50.8 44.6 4.6 0.0 100.0 65
政側からしてみれば,財政が厳しい状況の中で住民のニーズに応えていく必要 があり,NPO団体など住民組織との協働に積極的に取り組もうとする姿勢は 自然であろう。実際に協働の事例も多数あり,例えば公民館やコミュニティセ ンターの施設管理運営を住民組織に委ねている自治体は 2008 年の段階で一部 実施も含め 69.6%
(ただし,すべての施設での委託は 10.6%)
となっている(17)。日 本の首長の結果は,こうした状況を反映してのことかもしれない。韓国では逆 の傾向であるが,統計的に有意な差とはなっていない。次に「政策形成・決定過程における住民参加」を重視する首長にはどのよう な特徴があるか探索するため,その他重視している項目との相関関係
(ケンドー ルのタウ b 係数)
を検討した(表 12 と 13)
。その結果,日本で「政策形成・決定過程における住民参加」と関係があった 項目は,「行政組織管理の効率化」「歳出および行政コストの削減」である。政
表 12 重視している項目同士の相関(日本・首長)
業績評価や 人事管理など,
行政組織 管理の効率化
企業誘致や 中心地の 活性化による
税収拡大
都市基盤整備 のための 投資拡充
歳出及び 行政コストの
削減
中央政府 からの 補助金の拡大
政策実施 過程における
住民参加・
協働 政策形成・
決定過程に おける住民参加
相関係数 N
.243
**357
.070
358
.074
357
.172
**357
.086
356
.669
**358
(
*p < .05;
**p < .01;
***p < .0001)
表 13 重視している項目同士の相関(韓国・首長)
業績評価や 人事管理など,
行政組織 管理の効率化
企業誘致や 中心地の 活性化による
税収拡大
都市基盤整備 のための 投資拡充
歳出及び 行政コストの
削減
中央政府 からの 補助金の拡大
政策実施 過程における
住民参加・
協働 政策形成・
決定過程に おける住民参加
相関係数 N
.140
65
.301
*64
.181
64
.193
65
−.101
65
.616
**65
(
*p < .05;
**p < .01;
***p < .0001)
策形成過程における住民参加が行政の透明性や効率性を高めると指摘される が,日本の首長においてもその認識があることがうかがえる。また政策形成・
決定過程の住民参加を拡大することは,決定までの時間的コストや職員側の負 担といった行政側のコストが考えられるが,むしろ行政コストの削減を重視す る首長のいる自治体で住民参加も重視されているようである。実際,三重県名 張市で導入された地域予算制度は,補助金の統廃合と同時に進められたもので,
行財政の効率化とセットになった制度である。
韓国では「税収拡大」を重視している自治体で「政策形成・政策決定過程の 住民参加」が重視されており逆もしかりである。日本と異なり政策形成・政策 決定過程における住民参加と関係があるのは住民参加予算制度が導入されたこ とに起因しているか,あるいは第三の変数が関与しているのかもしれない。ま た韓国の首長の意識で,「政策形成・政策決定過程の住民参加」と「行政組織 管理の効率化」「行政コストの削減」と結びつかなかったことは意外であった。
参加型予算制度はブラジルでは労働党の首長によって推進される度合いが高く
(小池 2011)
,また韓国でも民主労働党出身の首長によって導入が推進される 自治体もあり(例えば蔚山広域市東区,北区)
,これが関係して行政コストの削減,組織の効率化との関連が見られなかったのかもしれない。
2.3
政策形成・決定過程における住民参加を促進する要因(首長認識に関する分析)
2.2 で検討した「政策形成・決定過程における住民参加」について,首長の「か なり重視している」「ある程度重視している」との回答が合わせて 100%に近 い状態であったが,どちらを選択するかに関しては,積極性に大きな違いがあ ると考えられる。実際,日本のデータでは「予算編成・提案への市民参画
(注:
地域に何らかの組織を設け,まちづくりに関する予算を提案してもらう仕組み)
」を導 入していると回答した 19 自治体のうち首長が「政策形成・政策決定における住民参加」を「かなり重視している」と回答した自治体が 11 であった。また 導入決定済みの自治体
(3自治体)
まで含めると 22 の自治体のうち 13 自治体 が「かなり重視している」自治体である。残りの9自治体は,首長が「ある程 度重視している」自治体である。それでは,首長が当該自治体における「政策形成・決定過程における住民参 加」を「かなり重視」する選択を行う背景には,どのような要因が関係してい るのだろうか。
(1)
影響を与える要因群ここでは影響を与える要因として,当該自治体の社会環境,財政環境,そし て首長要因を考える。
まず社会環境としては,人口の多い自治体,都市化された自治体の首長は,
幅広い層の住民の意向を反映するために,政策形成・決定過程における住民参 加を重視していくことが考えられる。これについては,人口規模を3段階にし た変数のほか,日本の場合,第三次人口比率を用いた分析も行う(18)。
また財政環境としては,財政的自立度が低い自治体の首長ほど,歳出削減努 力,優先順位決定のために住民参加の力を借りることが考えられる。これにつ いては財政力指数を用いた(19)。韓国に関しては,財政自立度を使用した(20)。 そのほかの要因であるが,一般的に改革的な制度の導入に当たっては,首長 のリーダーシップが大きいことが指摘される
(小林 1987;金 2005;中谷 2005;伊 藤 2002)
。つまり,首長の意識が制度導入に関係することが考えられる。ここ では,住民参加に対する選好,代表役割意識(代表スタイル)
,住民に対する信 頼意識の 3 つを想定する。まず一つ目は,首長の住民参加に対する選好である。つまり,住民参加に積 極的な選好を持つ首長ほど,自治体における「政策形成・決定過程における住 民参加」を「かなり重視」すると考えられる。ここで住民参加選好は,住民に
ある一定の権限を委譲する地域予算提案への意見を問う項目を用いた(21)。韓国 に関しては住民参加予算制度に対する質問項目を用いた。
また二つ目に代表としての役割意識の一つである代表スタイルを検討する。
ここで役割意識とは議員行動に対する「期待」を含む「規範」のセットであり
(Wahlke, Eulau, Buchanan, and Ferguson 1962; Jewell 1970)
,「誰を」「どのように」「何 について」代表すべきか,といった3側面から捉えうるものであるが(Loewen-
berg and Patterson 1979; 村松・伊藤 1986)
,そのうち代表スタイルとは「どのように」代表すべきかを捉えたものである。どのように有権者を代表すべきかについて は,委任―独立論争,すなわち「代表者は選挙民が望むことを行い,彼らから の命令あるいは指示に縛られるべきか,もしくは選挙民の利益を追求する点に おいて自身がベストと思うように自由に行為すべきか」
(Pitkin1972: 145)
といっ た代表概念に関わる論争として議論されてきたものであり,前者が「代理型」,後者が「信託型」に区分できる。このうち代理型のスタイルを取る首長ほど政 策形成・決定過程の住民参加を「かなり重視する」と考えられる。ここでは有 権者を代表する方法について次の2つの意見
(「A:どちらかといえばできるだけ 住民の要求に気を配り,それを実現していくことを重視する」「B:住民の利益に関する 自己の判断にはある程度自信があるため,それに基づいて決定や行動を行う」)
に対し 4つの選択肢(「A に賛成」「やや A に賛成」「やや B に賛成」「B に賛成」)
から自身 の考えにもっとも近いものを選択してもらう項目を用いた(22)。韓国に関しても 同様の設問を用いた。さらに三つ目の意識として首長による住民信頼を考える。すなわち,自治体 住民を信頼する首長ほど,住民の力を活かそうと住民自治を強化する方向に向 かうと考えられる。ここで信頼の意味であるが,社会心理学では信頼には二つ の異なる意味が含まれるとの指摘がある。山岸
(1998)
によれば,それは「意 図に対する期待としての信頼」と「能力に対する期待としての信頼」である。「意図に対する期待としての信頼」とは「相互作用の相手が信託された責務と
責任を果たすこと,またそのためには,場合によっては自分の利益よりも他者 の利益を尊重しなくてはならないという義務を果たすことに対する期待」を指 し,「能力に対する期待としての信頼」とは「社会関係や社会制度の中で出会 う相手が,役割を遂行する能力をもっているという期待」
(山岸 1998: 35)
を指す。こうした信頼概念は住民に対する信頼意識にも当てはめて考えることができる だろう。すなわち首長が住民を信頼するとき,それは信託された責務と責任を 果たすことへの期待としての信頼と,政治に関わる能力があると期待する信頼 があると考えられる。ここで能力に対する信頼とは「一般の住民はあなたがし ていることをあまり理解していない」という設問で測定しており,また意図に 対する信頼は以下の4項目
(「規則などがあいまいなとき,住民は自分の都合のよい よう解釈する」「住民は必ずしも正直ではない」「住民は常にあなたの仕事を助けたがっ ている」「住民は常に信頼しうる」)
で測定する(23)。韓国に関しても同様の設問を 用いた。その他,日本に関しては制御変数として,首長の年齢,当選回数,推薦政党 に関する変数
(民主のみあるいは社民,共産推薦の有無,自民のみあるいは自公推薦 の有無)
を投入し(24),「政策形成・決定過程における住民参加」を「かなり重 視する」と回答した者を1,それ以外を0とした変数を従属変数とする二項ロ ジスティク回帰分析を行った。(2)
分析結果分析の結果
(表 14)
,日本のデータからは,住民参加選好が高い首長ほど,また代理型の首長ほど,さらには住民の意図に対する信頼
(「住民は常にあなた
の仕事を助けたがっている」)
が高い首長ほど(10%有意水準)
「政策形成・決定過 程における住民参加」を「かなり重視」する傾向にあることがわかる。社会環 境,財政環境では,都市化された自治体ほど,また財政力指数の大きい自治体 の首長ほど「かなり重視」する傾向にある(10%有意水準)
。第三次人口比率に代えて人口規模で分析したところ,関係は見られなかった。
次に韓国のデータ分析においては,住民の能力に対する信頼
(「一般の住民は,
あなたがしていることをあまり理解していないとは思わない(逆コード化)
」)が高い 首長ほど,また住民参加選好が高い首長ほど(10%有意水準)
,「政策形成・決 表 14 政策形成・決定過程における住民参加を「かなり重視」するか否か(日本・首長)B 標準誤差 Wald 有意確率 Exp (B)
年齢 −.008 .016 .243 .622 .992 当選回数 .208 .158 1.736 .188 1.232 民主のみ,民主・社民・共産推薦
有無 .335 .454 .546 .460 1.398 自民のみ,自公推薦有無 .218 .365 .356 .551 1.243 一般の住民は,あなたがしている
ことをあまり理解していない(逆) .341 .233 2.142 .143 1.407 規則などがあいまいなとき,住民
は自分の都合のよいように解釈す る(逆)
−.245 .229 1.141 .285 .783
住民は必ずしも正直ではない(逆) .371 .235 2.484 .115 1.449 住民は常にあなたの仕事を助けた
がっている .475 .267 3.155 .076 1.607 住民は常に信頼しうる .010 .311 .001 .974 1.010 住民参加選好 .803 .182 19.573 .000 2.233 代表スタイル(代理型志向) .521 .167 9.729 .002 1.685 財政力指数 .881 .501 3.097 .078 2.414 第三次産業人口比率 .026 .015 2.983 .084 1.027 定数 −8.940 1.917 21.744 .000 .000
N −2 対数尤度 Cox-Snell R 2 乗
Nagelkerke
R 2 乗 判別率
331 389.270 .176 .236 69.8
定過程における住民参加」を「かなり重視」する傾向にあることがわかる
(表 15)
。日韓双方に共通する変数は,住民参加選好と住民に対する信頼である。住民に対する信頼のうち,日本の首長は「住民の意図に対する信頼」,韓国の 首長は「住民の能力に対する信頼」が関わっており,異なる側面が関わってい た点が興味深い。
ところで河村
(2008)
は,既存の政治勢力を徹底的に批判する形で登場した 首長と,行財政を見直すことを主眼として登場した首長の下とでは,同じ仕組 みの住民参加制度が導入されたとしてもそれが持つ意味合いが異なることを示 表 15 政策形成・決定過程における住民参加を「かなり重視」するか否か(韓国・首長)B 標準誤差 Wald 有意確率 Exp (B)
一般の住民は,あなたがしている
ことをあまり理解していない(逆) 1.557 .694 5.043 .025 4.746 規則などがあいまいなとき,住民
は自分の都合のよいように解釈す る(逆)
.681 .692 .969 .325 1.977
住民は必ずしも正直ではない(逆) −.475 .637 .556 .456 .622 住民は常にあなたの仕事を助けた
がっている −.210 .661 .101 .750 .810 住民は常に信頼しうる .132 .735 .032 .857 1.142 住民参加選好 .928 .484 3.680 .055 2.530 代表スタイル(代理型志向) .427 .477 .802 .371 1.533 財政自立度 .014 .027 .277 .599 1.014 人口規模 .097 .469 .043 .835 1.102 定数 −9.106 3.219 8.000 .005 .000
N −2 対数尤度 Cox-Snell R 2 乗
Nagelkerke
R 2 乗 判別率
61 67.667 .232 .311 68.9
唆している。具体的には,前者の首長であれば,住民参加制度を議会への拒否 権封じの手段として用いる可能性があり,後者の首長であれば「議会の顔を立 てながら住民に了解を取り付ける合意形成の手段」として用いる可能性を指摘 している。ここでは,首長の登場経緯を踏まえた分析を行っていないため,直 接検討はできないが,使用した調査データには,首長の当該自治体議会に対す る評価項目がある。仮に拒否権封じとして住民参加制度を用いているとするな らば,当該自治体における住民参加の重視と議会評価はマイナスの関係になる ことが考えられる。他方,後者のように合意形成の手段としてみなす場合は議 会に対する評価も好意的であると考えられ,プラスの関係になることが考えら れる。
そこで,「政策形成・決定過程における住民参加」の当該自治体での重視度 合いを尋ねた項目
(表 10,11)
と「議会に対する評価」との間の関係を検討した。議会に対する評価は4項目あり「政策的条例の提出など,議会として政策立案 に積極的である」「執行部に対するチェック機能を果たしている」「議員同士の 活発な議論が行われている」「議会自身の改革に積極的である」について,当 該自治体議会の活動についてどのように感じているかを尋ねた項目である(25)。 その結果,関連があった項目は,日韓ともに「議会自身の改革に積極的であ る」でありケンドールのタウ
b
係数は日本で.128 (5%有意水準)
,韓国で.359
(1%有意水準)
であった。すなわち政策形成・決定過程における住民参加を 重視している自治体の首長は,当該自治体の議会で改革が進んでいると評価し ておりまた逆もしかりである。ここからは名古屋市のように首長と議会が対立 関係にある中で首長が住民との結びつきを強める方向に出る事例は稀であり,全体の傾向としてはむしろ住民参加を重視する首長と当該自治体の議会は改革 志向であるように思われる(26)。今後,議会における首長の支持比率などを分析 に加えて検討する必要がある。
3.事例
これまでの日韓の首長意識に関する分析からは,首長の住民参加に対する選 好,住民に対する信頼意識が,当該自治体での政策形成・決定過程における住 民参加の重視と結びついていることが判明した。
次に,本節では制度の機能を検討することとしたい。住民に一定の権限を委 譲する制度が首長のリーダーシップで導入されたとしても,制度が住民自治を 強化する方向で機能しているかは別問題である。現状では住民参加に対する規 範的議論は多くあるが,制度の機能を検討する試みが十分なされているとは言 えない
(牧田 2007;河村 2008)
。そこで,本節では日韓それぞれの事例について,①住民の民主的参加
(参加
の範囲と方法)
,②参加が資源配分に及ぼす影響,③住民の参加経験がもたらす 効果(参加民主主義の基盤強化としての住民の認識変化,参加方法の変化など)
の3 側面から制度の機能を検討する。この枠組みは,アン・ソンミン&チェ・ヨン ジュ(2009)
が韓国の5自治区における住民参加予算制度の民主的機能の検討 に用いたものである。彼らによれば,①の参加の範囲とは参加者の偏りを検討 し,参加の方法は,住民が意思決定にどれほど関わることができているかを検 討するものである。また②の参加が資源配分に及ぼす影響とは,住民の参加に よりアウトプットがどれほど変化しているかを検討するものである。さらに③ の効果は,参加住民の意識変化ならびに参加住民の関わり方の変化を検討する ものである。本稿では,住民自治の深化している状態を,「継続的」な住民参 加の取り組みで,多くの住民が「直接」関わる「開放的」な制度であり,住民 にある一定程度の「権限委譲」が存在する状態と 1.1 にて述べた。①から③と の関係では,①の住民参加の範囲が「開放性」を,方法は「権限委譲」の程度 を検討するものであり,②は制度の効果をアウトプットから検討し,③は住民の意識や行動から効果を検討するものである。すなわち,これら①から③の 3 つの視点は,住民自治の深化の程度を検討する本稿の問題関心と適合するため,
これに従い自治体関係者等へのインタビューならびに資料を元に制度の機能を 検討することとしたい(27)。
3.1 日本の事例(三重県名張市「ゆめづくり地域予算制度」)
日本の事例としては,地域に一定の予算を配分しその使途を決定あるいは提 案できる仕組みを導入している自治体を対象とする。こうした仕組みは先述し たとおり,大まかに分類して自治体独自で条例を制定したり要綱で行う場合と,
地方自治法上の地域自治区を設定しその枠組み内で行っている自治体とに分か れる。前者の例では三重県名張市が 2003 年から「ゆめづくり地域予算制度」を,
大阪府池田市は 2009 年から「地域分権制度」を導入している。また後者の例 では,愛知県豊田市が 2009 年から「地域予算提案事業」を導入している。こ こでは他市に先んじて導入し,また住民の裁量度が高い三重県名張市の事例を 対象とする。名張市は,地区公民館等を単位とする 15 の地域
(自治会や町内会 より広い範囲,概ね小学校区)
で住民の合意により設立された住民主体のまちづ くり組織「地域づくり組織」に使途自由な「ゆめづくり地域交付金」を交付し,都市内分権を進めている。地域交付金は使い道の自由度が高く,地域づくり組 織が決定から執行まで担っている意味において住民が自律的に運営するものと 言える。ここでは担当課に対するインタビューを踏まえて名張市の都市内分権 制度の機能を検討する。
(1)
制度導入の経緯名張市は,三重県西部に位置し,近畿ならびに中部の接点,東西往来の宿駅 として栄えてきた歴史を持つ。また昭和期には近鉄大阪線が開通し,大阪方面 への通勤圏として発展,市制発足当時
(昭和 29 年)
約 3 万人であった人口は,現在約 8 万 2 千人となっている。中心市街地の周辺には農山村地帯が広がり,
自然豊かな景勝地にも恵まれている(28)。この名張市における都市内分権制度
「ゆめづくり地域予算制度」は,2002 年に当選した亀井市長のトップダウン によって導入された。2002 年4月に亀井市長が就任した際,6月議会におけ る市政方針演説で地域予算制度の制定に言及している。具体的には「市民と行 政の協働を進めるためのシステムづくりも重要な課題」とし,「その具体策と して,地域単位で住民に予算をゆだねる地域予算制度の制定と,地域単位で取 り組むことのできない分野をカバーするための市民活動支援センターの設立 を,ここにお約束をいたします。」と述べている。
そもそも亀井市長が地域予算制度の必要性を認識した背景としては,地方分 権一括法の施行にあるという。雑誌のインタビューでは「2000 年4月の地方 分権一括法の施行により,国と地方の役割の見直しが進んでいる中,地域づく りも,中央主導による全国一律方式ではなく,住民が中心になって地域の個性 を生かせる仕組みが必要であり,ゆめづくり予算は,自立・主体的な地域づく りを行政が財政面も含め支援する目的で始めた」と述べている(29)。
このように制度導入に際しては市長の強い思いがあったこと,またその思い の背景として地方分権が進む中で都市内分権の必要性の認識があったことが読 み取れる。また亀井市長は就任後,名張市の深刻な財政状況,地方分権の進展,
行政規範の変化を背景に,名張市の行財政を一新するプログラム「市政一新プ ログラム」を策定しているが
(2003 年3月)
,そこでのキーワードは「協働」「効 率」「自立」となっている。地域交付金も補助金を統廃合したものが原資となっ ており,地域分権制度はこの行財政一新プログラムの一環でもある。(2)
ゆめづくり地域予算制度地域予算制度について,先に亀井市長のトップダウンによって始まった旨述 べたが,実際の制度は 2003 年3月に「名張市ゆめづくり地域交付金の交付に
関する条例」が制定されたことから始まる。条例制定後,2003 年5月から9 月にかけて名張市の 14 地域
(公民館単位)
で「地域づくり委員会」が結成された。この地域割は昭和 29 年に市政が施行された際の旧市町村単位であり,これに 加えて昭和 40 年代には近畿圏からの流入でベッドタウンとなった地域も含ま れる。これらの地域割をベースに地区区長会が存在しており,地域づくり委員 会はこの地区区長会を土台として作られたとのことであった。亀井市長が就任 した年は 2002 年であり,翌年からゆめづくり地域予算制度が実施されたが,
1年足らずで地域が対応できたのはこの地区区長会が存在していたことが大き いとのことであった(30)。
地域交付金の額は,2003 年度で 4998 万8千円となっている
(表 16)
。この 原資はもともと地域に配布されていた各部署が所管する補助金(例,ふるさと 振興事業補助金,環境美化推進事業補助金,資源ごみ集団回収事業補助金,地区婦人会 活動補助金など)
を統廃合するとともに,ふるさと創生基金を使用した。廃止 補助金は 2002 年度実績で 3484 万8千円であり(31),2003 年度からの地域交付 金額は 4998 万8千円で,廃止補助金額に約 1500 万円上乗せで始まった。「ゆめづくり地域予算制度」については,2003 年の導入以降,2009 年3月に 大きな改正があった。名張市では,2005 年に自治基本条例が制定され,これ に基づき地域の組織が整理され(32),新たに「地域づくり組織条例」が制定され ることになった。「地域づくり組織条例」は名張市の都市内分権の方向性を示 すものであり,これにより先の地域交付金の交付に関する条例と区長設置規則 が廃止された。後者である区長設置規則であるが,名張市に存在していた区長 制度を見直すというものである。区長制度は,市長が区長を委嘱し区長個人に 委託料を支払うものであるが,区長に対する委託制度を廃止することで市とコ ミュニティの上下関係をやめるというものである。また地域によっては区長制 度によって委託された区長ととともに,新しくできた住宅地には住民による自 治会が結成され自治会長が存在しているようなところもあり,二重構造となっ
ている地域があった。こうした地域組織の整理という意味合いもあったという。
この区長制度の見直しにより 2009 年度から行政事務委託料がなくなったため,
ゆめづくり地域交付金の額が倍増に近い額
(2008 年度の 4998 万9千円から 2009 年度は 8704 万7千円)
となっている(表 16)
。また「地域づくり組織条例」では,「包括的な地域づくり組織の設置及び事業の実施ならびにゆめづくり地域交付 金の交付に関する事項を定め」
(第1条)
ており,地域内の組織については「基 礎的コミュニティ(区や自治会)
」と地区公民館を単位とする「地域づくり組織」を「一定のまとまりのある地域の住民により設置された一地域にひとつの包括 的な自治組織」
(第2条)
に整理し,地域活性化と都市内分権を推進することを 目的とした。基本理念として「地域づくり活動は,基礎的コミュニティ,地域 づくり組織及び市が,それぞれの活動を尊重し,互いに協働し,及び連携し,住民主体のまちづくりを推進することにより,住民自治を確立するために行う」
(第3条)
としている。表 16 地域交付金額の推移
単位:千円 年 度 行政事務委託料 ゆめづくり地域交付金 合 計
15 58,000 49,988 107,988
16 57,830 49,987 107,817
17 57,599 49,989 107,588
18 58,543 49,987 108,530
19 47,015 49,989 97,004
20 48,084 49,989 98,073
21 87,047 87,047
22 79,344 79,344
23 73,211 73,211
(出典:三重県名張市企画財政部地域経営室『名張市ゆめづくり地域交付金の推移』
より筆者作成)
(3)
ゆめづくり地域交付金地域への交付金の配分額は,「地域づくり組織条例」別表第2にしたがって 算出される。具体的には,基本額と加算額
(コミュニティ活動費)
に分かれる。まず基本額は当該年度の予算総額の3割を 15 地区で均等割りし,基本額総額 の7割を人口按分している。これに加えて平成 21 年度から加算額
(コミュニティ 活動費)
分が配布されているが,加算額は①基礎的コミュニティ代表者協力事 務費(72,000 円に基礎的コミュニティ数(4月1日現在)
を乗じたもの,②基礎的 コミュニティ活動費(コミュニティ対応分)
25,000 円に基礎的コミュニティ数を 乗じたもの,③基礎的コミュニティ活動費(人口対応分)
200 円に地区人口(1 月1日現在)
を乗じたもの,をすべて合計した額となっている。この基本額,コミュニティ活動費に加え,事務局経費として 30 万
(国津は 50 万,薦原地域,
錦生地域,箕曲地域は 40 万円)
が上乗せされ,一括交付金として交付されている 表 17 ゆめづくり地域交付金額(地域づくり組織別)地域づくり組織 地区内人口 基礎的
コミュニティ数 基本額 加算額 事務局経費 計
名張 6,560 19 2,644,000 3,155,000 300,000 6,099,000 鴻之台・希央台 2,053 10 1,308,000 1,380,600 300,000 2,988,600 蔵持 3,453 6 1,723,000 1,272,600 300,000 3,295,600 川西・梅が丘 7,565 15 2,942,000 2,968,000 300,000 6,210,000 薦原 2,177 8 1,345,000 1,211,400 400,000 2,956,400 美旗 8,763 21 3,297,000 3,789,600 300,000 7,386,600 比奈知 5,163 6 2,230,000 1,614,600 300,000 4,144,600 すずらん台 3,881 4 1,850,000 1,164,200 300,000 3,314,200 つつじが丘 11,358 10 4,066,000 3,241,600 300,000 7,607,600 錦生 1,988 11 1,289,000 1,464,600 400,000 3,153,600 赤目 4,125 10 1,922,000 1,795,000 300,000 4,017,000 箕曲 3,027 5 1,597,000 1,090,400 400,000 3,087,400 青蓮寺・百合が丘 7,738 14 2,993,000 2,905,600 300,000 6,198,600 国津 793 9 935,000 1,031,600 500,000 2,466,600 桔梗が丘 14,016 24 4,854,000 5,131,200 300,000 10,285,200 合 計 82,660 172 34,995,000 33,216,000 5,000,000 73,211,000 (出典:三重県名張市企画財政部地域経営室『名張市ゆめづくり地域予算制度(平成 23 年度版)』)
より筆者作成)
(表 17)
。交付に当たって,地域づくり組織は,毎年度,地域交付金交付申請書に当該 年度の事業計画及び当該年度の予算に係る資料を添付して市長に提出するとさ れている
(「名張市地域づくり組織条例施行規則」第6条)
。事業計画書は地域づく り組織が担当するとされる9の領域に分けて記載するようになっており,該当 する部分の事業計画を書くこととなっている(9つの領域すべての事業の実施を 義務づけられているわけではない)
。また事業の報告に関しては,地域交付金事業実績報告書に事業決算報告書及 び事業決算監査報告書を添付して市長に行うとされている
(同上第7条)
。実績 報告書では,事業実績と事業費,課題を記載するような様式となっており,決 算報告書は収入と支出について項目と金額を記載するものとなっている。(4)
制度の検討先に述べたように,ゆめづくり地域予算制度の機能について,①住民の民主 的参加
(参加の範囲と方法)
,②参加が及ぼす影響,③住民の参加経験がもたら す効果(参加民主主義の基盤強化としての住民の認識変化,参加方法の変化など)
の 3側面から検討を行う。①住民の民主的参加
(参加の範囲と方法)
まず参加の範囲であるが,ゆめづくり地域交付金が交付される組織の構成に ついて,地域づくり組織条例第6条では,「
(1)
地域に居住する者,(2)
地域 で事業を行う個人または法人,通学者,通勤者及びその地域で活動する各種団 体で,当該地域づくり組織が認めたもの,が構成員となる」と定められている。すなわち,地域づくり組織の範囲に居住する住民は必ずその地域づくり組織の 構成員となっている。また地域づくり組織の運営については第5条で「
(1)
名称,事務所の所在地,代表者の選出方法,総会の方法,監査その他地域づく
り組織を民主的に運営するために必要な事項が,規約に定められていること,
(2)
地域づくり組織の代表者及び役員は,その構成員の意思に基づいて選出 されること,(3)
基礎的コミュニティの代表者が,地域づくり組織の運営に 参画していること」との規定がある。つまり地域づくり組織の代表者や役員が 構成員の意思に基づき選出されているような規定が必要であり,かつ住民が所 属する最も小さい組織である自治会や区等の基礎的コミュニティの代表者が,必ず地域づくり組織の運営に参画することとなっている。これらの規定によっ て代表性を担保しようとしている。こうした大きな規定を市で設けるほかは,
各地域づくり組織で協議会会則を設け運営規定を設けている。つまり大枠以外 は地域づくり組織に任された運営方法となっている。
例えば「錦生自治協議会」では,役員として「会長,副会長,書記,会計,
事務局長,監事」
(第6条)
があるが,これらは「評議委員の中から選任する」(第7条1項)
とある。その評議委員は次の団体代表「(1)
区代表者2名(内 1名は区長)
,(2)
公民館長及び事務員代表,(3)
民生・児童委員,主任児童 委員(4)
老人クラブ代表3名,(5)
婦人会本部役員代表3名,(6)
赤目中 学校PTA
錦生地区役員代表,(7)
錦生小学校PTA
役員代表,(8)
錦生保育 園保護者代表,(9)
農家実行組合長会会長,(10)
名張市消防団錦生分団代表,(11)
その他必要と認める個人ならびに団体の代表」で構成するとされている(第 10 条)
。また,役員会は監事を除く役員で構成され,ここで総会に付議すべき 事項,総会の議決事項の執行事項を扱うとされる(第 22 条)
。また評議委員は 専門部会(区長部会,総務企画部会,福祉厚生部会,広報文化部会,環境保全部会)
に属し,役員会から提示された事項,部会内での事項の審議,執行を行う
(第 25 条)
。総会は,事業報告,収支決算報告,事業計画案,収支予算案,会則変 更ほか,重要な事項を議決する場であるが(第 15 条)
,総会は役員,評議委員 で構成する(第 14 条)
とされている。また別の地域づくり組織である「中央ゆめづくり協議会」では,役員は「会